湊友希那の七夕小説です!

1 / 1
湊友希那の七夕小説です!


湊友希那の楽しい七夕。

 灰色のコンクリートで床と壁と天井が作られている大きな倉庫の中、その中心にあるブルーシートの上で大の字になっている全裸の湊友希那の死体の肛門に、紺色の作業着の男は鉄製の銀色の素槍の先端を押し付けた。

 きゅっと縮こまった小さな穴に切っ先が触れたのを見た男は勢い良く槍を押し込んだ。硬い槍によって肛門は拡張され、槍を受け入れていった。

 槍はすぐに友希那の直腸に侵入した。男がさらに槍を進めた。槍は腸壁を貫いて小腸に到達した。男はさらに無造作に槍を押し進めた。小腸の塊をぶちぶちと裂いていくのが槍から両手に伝わってきた。

 進む槍はやがて結腸をも貫き、胃の下部に到達した。先端がちくちくと胃の壁を突いている感覚だった。男は両手で握った槍を力いっぱい押し込んだ。ひときわ強い感触が触れ、槍の先端が胃の中に侵入した。男は残りの長柄を友希那の中に入れていった。すると体内の先端が食道に到達し、それからは大した抵抗も無くするすると、飲み込まれるように槍が入っていった。

 槍の先端が友希那の喉元まで来たのを確認した男は残りの長柄を持って友希那を立たせた。ビニールシートのすぐ横に槍を立てるための細長い筒があり、男はそこに槍の尻を入れた。すると槍に串刺しにされている友希那がずるずると落下していった。男はすかさず友希那の頭部を上に向かせた。すると喉まで達していた槍が口から見えた。これで槍は完全に友希那の身体を貫通したことになった。

 串刺しになった友希那を見つめた男は数分そのまま死体の友希那を観察して、その姿を眼に焼き付けてから後方を向いた。そこには木製の長机が置いてあり、さらにその上には釘が入った透明なケースと、その横に長方形の紙が何枚も重ねて置かれていた。紙とは男がこの日のために用意した『短冊』だった。男は机に歩み寄り短冊を一枚取った。そして作業着の胸ポケットから万年筆を取り出し、短冊の中に『金持ちになりたい。』と記入した。男の脳裡に大金を手にして一生生活に困らない裕福な自分の映像が浮かんだ。男が書いた文字は赤黒かった。それは万年筆の中に入っているインクが、正規のものではなく生前の友希那から取り出した血液であるためだった。

 男はケースの中から一つの釘を取り、立てかけた友希那の元に向かった。友希那はぐったりと脱力していた。その顔は上を向いており、口から槍の先端が飛び出ていた。男は友希那の右乳房の上部に短冊を当て、その上部に釘を付けて一気に押し込んだ。鋭い釘が友希那の肌を貫き、肉の中に進んだ。男は短冊から手を放した。釘によって友希那の乳房に止められているため落下はしなかった。

 男は机に戻った次の短冊を摘まみ、万年筆で『女になりたい。女として女とセックスがしたい。』と記入した。男の脳裡に可愛らしい女に性転換し、女物のワンピースなどを堂々と着用し、女と恋に落ち、女と性行為をしている淫らな自分の映像が浮かんだ。そしてその文字はやはり真っ赤だった。ケースから釘を取った男は再び友希那に近づいた。

 次は左乳房だった。

 短冊を押し当てた男は釘を置いた。ぐっと力を込めてねじ込むと皮膚とその下の肉体を貫く柔らかい感触が指に触れた。さらにその先にぷちゅり、という感触が現れた。それは友希那の乳腺を貫いた感触だった。それを察知した男はたまらずにやけた。

 友希那に突き刺さった釘はしっかりと短冊を止めていた。

 机に戻った男は短冊を二つ取った。一枚目には『友希那さんの死体に囲まれた生活。』と書き、二枚目には『世界征服。』と記入した。男の脳裡にたくさんの友希那の死体に囲まれて幸せそうに生活している幸福な自分の映像が浮かび、次いで世界の全てを征服し、全人類が自分の文学を信仰し、ひれ伏している高貴な映像が浮かんだ。真っ赤な文字は男の汚い字を的確に表示していた。釘を二つ取った男はそのうちの一つを口で咥えて友希那に向かった。

 友希那の右頬に一枚目の短冊を当てた。そして釘をその上部に押し付けると、ぷつんという感触が伝わった。それは友希那の頬の肉を貫く感触だった。口の中を覗くと釘が貫通していた。短冊から手を自由にするとひらりと舞うだけで落下はしなかった。

 二枚目の短冊は友希那の左頬に取り付けた。右頬の時と同様に釘で頬の肉を貫くと口内に飛び出た釘が見えた。満足した男は机に戻った。

 短冊を手にしようとして、その腕が止まった。

 男は作業着の尻ポケットから折り畳み式のナイフを取り出した。指で摘まんで刃を出した。きらりと輝く銀色の刃は美しかった。男はナイフを持ったまま友希那に迫った。そしてしゃがみ、友希那の右の太腿に切っ先を当てた。ひっかくように切り付けると赤い線が出来た。すでに絶命しているためか出血の類は一切無かった。男はそのままナイフで文字を書いた。出来上がった文字列は『働かなくても良い世界。』だった。男の脳裡にもう一切の仕事をせず、自由に創作をするだけの有意義な生活の映像が浮かんだ。真っ赤な血は普通に紙に万年筆で書いたものよりもいびつで、そのせいかいつもより汚く書いた本人である男もぎりぎり解読できる具合だった。

 男はそのまま友希那の左の太腿にもナイフを走らせた。次に書いたのは『とてもかっこいい仮面ライダーの誕生。』だった。男の脳裡にとてつもなく見た目の良い仮面ライダーが活躍し、極悪組織を壊滅させている派手な映像が浮かんだ。男は目線を太腿から脹脛に移した。左のそこにもナイフを付け、『転売という文化の死滅。』という文字を書いた。男の脳裡に不誠実な転売をする人間が根絶し、全てのファンが正式な方法で商品を手にしている温かい映像が浮かんだ。

 男は次に友希那の腹に注目した。友希那の腹部はへこんでいた。もともと友希那自体が痩せ型の体型であるため、その腹部もへこみがあった。男はそんな友希那の腹が好きだった。透き通るような白い肌の腹を指先で撫でた。冷たく柔らかい感触だった。男は指先を友希那の臍に当てた。小指がちょうど収まるほどの大きさの穴だった。臍から指を離した男はナイフで腹に縦の一線を引いた。真っ赤な直線が友希那の乳房の下の位置から股間のすぐ上まで入った。男はその線をナイフで擦った。何度も上書きするように切っ先を付けるとやがて腹が裂け、黄色い脂肪が見えた。男はその脂肪にもナイフを刺して引いた。二、三回引くと脂肪もぱっくりと裂けた。それは瞳か、ラグビーボールのような楕円形だった。中から現れたのは友希那の腸だった。どろりとしており真っ赤で、てかっていた。腸は自重で垂れた。辺りに鉄の風味が舞っていた。

 男は机に戻ると短冊を持ち、素早く『友希那さんの赤ちゃんになりたい。』と記入した。脳裡に友希那の赤子として、友希那から最大限の母性の愛情を注がれているぬくもりのある映像が浮かんだ。それはとてつもなく甘美な光景であり、両親に恵まれなかった男にとっては涙が流れるほどに暖かい光景だった。男は短冊を持って友希那に迫った。そして露出している腸に短冊を乗せた。血でぬめめっているため短冊を貼り付いたが、男は念のため釘を刺した。腸は他の肌よりも柔らかく、さらに血がまとわりついているため刺しにくかった。しかし男は何度も釘を打ち付けてようやく短冊を留めた。

 作業を完了した男は、友希那を槍ごと持ち上げた。友希那はそれなりに重かったが、男の剛力によって簡単に持ち上がった。

 友希那を持った男は倉庫を出た。

 外は真っ暗だった。濃厚で冷たい闇が辺りに漂い、上を見ると白色の淡い光を放っている月が浮かんでいた。倉庫周辺は森だった。微風が吹く度に木々が揺れ、ざわめきがひどく不気味だった。

 男は森の中を進んだ。この周辺の地図はすでに脳裡に焼き付いていた。そのため一切の迷いが無い足取りで目的地にたどり着いた。

 そこは開けた場所だった。百坪ほどの平地で、芝生のようになっていた。

 その平地にはたくさんの『串刺し』があった。頭髪、背丈、乳房の大きさ、全てがばらばらで統一性の無い女の死体が、鉄の素槍で串刺しにされている状態で平地に突き刺さっていた。青白い月明かりによって照らされる女の死体には、友希那の死体と同様に短冊が釘で打ち付けられており、その短冊には真っ赤な文字が書かれていた。それは男が書いたものであり、全ての男の身から出た『願い事』だった。

 平地に侵入した男は適当な位置に串刺し友希那を突き刺した。ぐっと力を入れて槍を押し入れると、土を掘ってしっかりと突き刺さった。男が槍から手を離すと槍はしっかりと自立した。男は友希那を眺めた。月明かりが薄紫の髪を輝かせていた。男は友希那の顔を見た。薄い暗闇の中で、その黄金色の瞳が燦然と煌めいていた。

 ふう、と一息ついた後、男は肩から降りる達成感と共に平地を去った。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。