※この作品はR-18です。

生かさず殺さずのクリスマスの日に、傀逅   作:A00913

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第二章 魔字狂居市警察署

様々なヒーローのコスチューム、人形、DVD、本などがいっぱいあるこの部屋で、俺は腐女子のお姉さんと一緒に仮面ライダーや戦隊物、ウルトラマンのビデオを観ていた。画面に映っているヒーローはどれもみんなカッコ良くて、そして強そうに思えた。ふと、俺は思う、なんでヒーローになったんだろう?俺には分からない……。試しに隣の変質者ヒーローに聞いてみる。「なぁ、ヒーローになんでなろうと思ったんだ?」相変わらずウルトラマンの仮面をかぶっている彼女は俺の方を向いて答えた。

 

「えーっとね……まず、誰かを守りたいっていう気持ちがあったのと、自分がやらなきゃいけないって思ったからかな」

 

そう答えるウルトラマンの顔には影が深く落ちていて、怖く思えた。

 

 

―――ハッ! 気が付くと朝になっていた。あれ、オレいつの間にか寝ちゃったんだ……。

時計を見ると7時を指していた。やっべー、集合時間に遅れちゃうじゃん!俺はすぐにチンポと体を立ち上がらせて寝室から出て行った。リビングに向かうとセンパイがテレビを付けてニュースを見ていた。

 

「おはよう、よく眠れたか?」

「すんません、ありがとうございます!」

 

起きた時ベットで寝てたからセンパイが運んでくれたのかなと、ガタイで分析。

 

「飯食べるか?シチューがあるけど」

「すんません、ちょっと急いでるんで!」

「なんだ?朝からウリなのか?」

「あー、はい、そうなんですよ~!」

「朝からオマエ、淫乱なマンコが乾く時がねぇな!」

 

準備をしながらテレビを横目で見る。

 

「デカチクNEWS の時間です。昨日夕方、市内で人型の謎の生命体2体が発見されたとの情報が入りました。こちらがその映像です。」

 

 その映像には、変身した後の拓也たちの姿があった。ちょうどあのアンバランス系マッチョのチンチンを口で燃やしているシーンだ。それを見て、昨日青いリボンをつけた少女に携帯で撮られていたことを思い出す。

 

「この新種と思われる生命体は次々と人間に襲いかっています。この被害者と思われる人々は発見されておらず、映像の信憑性を疑う声もでていますが、警察の解析によれば、これは間違いなく本物とのことです。警察では、早急な対応が必要だとみて、現在調査を続けています。生物専門家によりますと……」

 

とニュースは続く。専門家の話からすると、どうやらこの生物たちは、人間の精液が主食らしく、精液を与えれば大人しくなって、一時的にだが、自分のものにできるらしい。つまり、生殺与奪の権を握れると言っていた。専門家って、すごいでたらめなこと言うんだな。ニュースはホモのインタビューに移る。ホモは皆不安や恐怖の声を漏らしていた。

 

「早く何とかしてくれないと、俺たち死んじゃうかもよ?」「怖くて外に出れない」「なんかもう精子とかどうでも良くなってきたわ」「ヤッホー!」「助けてくれぇえ!」

 

センパイはテレビに映るマグマの化け物を見て言う。

 

「これ、すごいなー。まるで映画みたいだ。」

「ははは....そうですね」

「精液を与えれば大人しくなるって、本当かな?」

 

拓也はドキッとしながら、センパイの質問に答える。

 

「さぁ……どうなんでしょうね」

「まぁいいや、それより、行かなくて良いのか?仕事」

「あ、そうだ、やっべ!」

 

ついついニュースを最後まで見てしまったぜ。急いで警察署に向かいつつも途中コンビニで朝食を買う。パンとキメモノ、この二つが俺のエネルギー源。警察署に到着すると淫夢くんのみが俺を待っていた。

 

「おはようっす!今日からよろしくお願いします!」

 

俺を出迎える一機のドローン、何を思ってこんなデザインにしたのか俺には理解できない。そのフォルムはまるで、イかれた子供がおもちゃを無理やりつなぎ合わせたような感じ。

 

「オハヨウゴザイマス」

 

無機質な音声で出迎えられた。マネージャーはまだ来てないようだ。

暇だったので俺は服を脱ぎ捨て全裸になると、ケツマンコを見せつけるように尻を突き出し、指で穴を広げた。

 

「ナニヤッテルンデスカ?」

 

その状態で待機していると、マネージャーがやってきた。

 

「遅れてしまってすいません、おはようございます」

「おはようございまっす。珍しいですね、何かあったんすか?」

「ちょっと店に寄って作業していました。今日からしばらく出勤できないので、後輩にいろいろ教えておいたんですよ」

 

そういえばしばらくウリできないんだった。お客さんと会えないなんてチョー寂しいぜ!でも、ヒーローが体売ってる暇なんて無いしな。

 

「南佳也、マネージャー、集合確認。早速、調査ヲ開始シマショウ。」

「そうだな」

 

淫獣拓也はキメモノの袋を握り潰すと、それをゴミ箱に投げ捨てた。

淫夢くんから映像が空中に投影される。

 

「現在、警察ノネットワーク情報ト、市民ノ情報提供ヲ統合スルト、調査価値ノアルポイントハ、コノ五カ所デス。」

 

地図を映す。五ヶ所というのは

「公立ケツの穴幼稚園」「アナル公園」「魔字狂居市警察署」「イクイクバイパス」「腹筋ボコボコボクシングジム」だ。

 

「全部行くか」

「まずどこへ行くんですか?」

「そうだな……じゃあ、とりあえず、警察署に行くか」

「移動するのが面倒だからという理由ではないですよね?」

「ち、違いまっす。」

 

淫夢くんが任務の概要を説明する。動画投稿サイトで、ある動画が話題に上がっている。それは、淫夢のメンバーが全員集まって、何かの儀式をしている様子を撮影したもの。

 

これは関係なくて、問題なのはもう一つの動画、俺たちが初めて変身したのを背後から取った動画だ。ピンぼけしていて距離も遠く、画質も悪いが、それでもはっきりとわかるものがある。

 

それは、マグマ身にまとったヒーローに変身する俺。こういった視点で見ると、陰で街を救うヒーローみたいで自分が言うのもなんだけどすごく激エロだった。

淫夢くんがその動画を分析した結果、この動画の投稿者は、チャンネル登録者数が3000万を超える有名投稿者「アリスちゃんねる」。これまでの投稿動画を見る限り、支援者の可能性が非常に高い。彼女を調べることによって、支援者達のアジト発見の手がかりを得れるかもしれないということだ。俺たちの任務は、アリスちゃんを調べて、アジトを知っていそうであれば彼女に接触し、話を聞き出すこと。

 

「マンコが炎マンなった俺を撮影した女なんだなこいつ」

 

青いリボンと金髪が特徴的なこの少女は、間違いなく昨日鉢合わせた少女と同一人物。

 

「だとすると、彼女は私たちの正体を知っている可能性があります。迅速にいきましょう。」

「ターゲットノ有効ナ情報ニナリソウナ媒体ハアル程度選別シマシタ。コノ中カラ調査スルト良イデショウ。」

 

淫夢くんは2つのコンテンツを表示させる。1つはアリスちゃんねるトップページ。もう1つは最新の投稿動画。

 

「じゃあ、最初はこれを見てみようぜ」

 

俺はこの二つの内、アリスちゃんねるのトップページを表示する。

チャンネル概要欄を見るに、「魔法少女マジカルアリス」のアニメ 配信と、「オカルト系」の動画、例えば心霊スポットに行ったり、UFOを呼んだり、異世界転生したりなどを配信しているようだ。

 

「すごいですね...異世界転生はどうやって撮ったのでしょうか?」

「どうせ作り物だろ?CGでやるんじゃねぇの?」

 

オンナが作った動画なんてチョーつまんねーし、なんてネムネムの顔で見ていた拓也だったけど、次第に面白く思えてきた。特に「魔法少女マジカルアリス」にはハマってしまい、見終える頃にはマネージャーと共にすっかり虜になっていた。久々にヒーローものを見たけど大人になっても楽しめるとは思わなかったぜ!

 

そんな感じで動画を見ていくと、ここ2週間ほどの動画内容がかなり異質でとある宗教団体をメインにした動画ばかりになっている。

 

「なんだよこの団体?」

「『世界姦教』.....新興宗教なのでしょうか?」

 

動画を再生してみる。

 

「はいどうも~、今日も始まりました、アリスちゃんねる!今日ははとあるリスナーさんから、こちらの『世界姦教』さんを紹介してもらって…私も初めて知ったんですけど、結構有名なところみたいで!じゃあ体験入信していきます!」

 

モザイクだらけの背景。建物らしき何かが映っている。そんな調子から始まる

動画。いつもなら妹がいるはずのアリスの隣には、見覚えのないジャニ系の神父が立っていた。

 

「今日は『世界姦教』、幹部牧師である、世界姦太郎さんからお話を伺っていきたいと思います!では、自己紹介をどうぞ!」

「私のおまんこは宇宙です。おまんこを舐めると、私はおまんこから天に昇る感覚になります。はい、私は世界姦教の幹部牧師を務めております。名前は世界姦太郎といいます。よろしく」

 

俺は一回動画を止めた。

 

「おい!おまんこ舐めて天に昇るってどういうことだよ!?」

「いや、知らないですよ。」

「おまんこ舐めたら天国行くのかよ!?じゃあおまんこ舐められたら死んじゃうってこと!?」

「なに興奮してるんですか?」

 

マネージャーが半笑いで動画を再生。

動画は世界姦太郎と名乗る男が教団について説明していく内容だった。

 

「もう間もなく、我らを救う神が世界に顕現します。私たち人間は長い月日をかけて、小さな罪を重ねていき、この世には地獄が生まれてしまいました。しかし、その悪しき連鎖を止めるために、我々を救いに来てくださったのです。」

 

「これは怪しいですね……彼がいう神は、ジムさんが言ってた邪神ではないでしょうか?」

 

マネージャーは、そう考察する。

 

「その神は、我々の母なる女性であり、また父でもある存在です。その方がこの世に降臨なさった時、我々は産み直しによって新たな進化を遂げるでしょう。我々は着々と準備を進めており、もうじき、その時を迎えます。」

 

「うーん、言い表せないんだけど、なんか違う。なんだろ、この感覚。」

 

俺は昨日戦ったマッチョを思い出す。今動画に出ている世界姦太郎にはそんな彼らとは違った不気味さがあった。それが何か分からないまま、マンコを種マンにされた俺は動画を見続ける。

 

「その時、神を信仰していた者、もしくはこれから信仰しようとしていた者は、神の祝福を受け、聖なる羊水に包まれることとなるでしょう。そして新たな自分を手に入れるのです」

 

俺はそれを聞いて、感極まった。

 

「これ、雄膣に入れてくれるってことだよな!?」

「違います。多分」

 

最後に動画はこうしめられた。

 

「私たちは信者は募集しておりますが、ただ闇雲に集めているわけではありません。本気の人を待っています。なので、本気で信じていない方はご遠慮ください。今回のアリスさんのように『世界姦教』のメンバーからの紹介じゃないと入会できませんのであしからず。」

 

動画はここで終わった。

 

「こんな怪しいところに勧誘されて、可哀想ですね。」

「絶対カルトだろこれ」

 

アリスちゃんねるの次の動画タイトルは、『世界姦教、入信しました。」その次の動画は「世界姦教、メンバー紹介!新しい人生を始めよう。」

と、どんどん世界姦教動画の本数が増えていく。

 

「魔法少女マジカルアリスの最新話はもう3か月前だぜ、面白かったのになぁ」

「そうですね、アリスちゃんが魔物にハメられたかと思いきや、魔物がハメていたのは北京原人だったシーンとか笑えたのに......。」

 

コメントも俺の評判みたいな罵詈雑言と困惑で溢れかえっている。

 

「そういえば、最近の動画ピュアちゃんがいないなぁ」

「あー、確かに。」

 

ピュアちゃんはアリスちゃんの実の妹で少し昔の動画、マジカルアリスでは妖精役とよく出ていたんだけど、最近はパタリと現れなくなってしまった。アリスちゃんとピュアちゃんはすごく仲が良くて息ぴったりだったから悲しいぜ!二人で心霊映像を観たりしてリアクションを取ってる動画とかすごく微笑ましくて俺のお気に入りなのに...。

 

「これ、アリスが宗教に入ったのと関係があるんですかね?」

「ありえるかな。」

 

すると、突然動画が更新された。俺たち2人が映った動画の次。タイトルは「2体の淫魔、降臨!」

早速動画を再生した。正体ばれしたんじゃないかと拓也は心配していたが、そんなことはなさそうなのでひとまず安心。

 

「世界姦太郎牧師によれば、昨日の動画に映っていた二体の何か…。あれは、私たちが淫魔と呼んでいる存在で、私たちの活動を邪魔する憎むべき敵です。神様の復活を邪魔するために、あの手この手で嫌がらせをしてくるようです。でも、安心してください。神様の「ヒミツ」が漏れない限り、絶対に負けることは無いです。」

 

そこで、画面が切り替わった。最近のエンドロールパターンらしい。

 

「チャンネル登録なんかしなくていい、私はあなた達を待っている。詳細はつめこめったーで。」

 

「完全に染まっちまってるぜ! マジヤバいぜ!」

「重症ですね。にしても神様の弱点...一体なんでしょうか?」

「うーん...インポだとか、男のケツにしか欲情できない性癖とか?」

「とにかくアリスに近づく必要があります。つめこめったーをみましょう」

 

アリスのアカウントを見ると、フォロワーは 500万人程度いるにも拘わらず、最近のつぶやきは「今日は新入信希望の方々が沢山いらっしゃいました。また明日も来るそうです。」をはじめとした教団関連のものばかりだった。

 

そして固定されてた呟きを見ると、「本日、16時、第10回アリス主催『世界姦教』体験入信希望者集会を行います。貴方の勇気を待っています。場所は魔字狂居市....」

住所は市内のとある駅前の喫茶店。

 

「行ってみましょうか...でもこのまま行ったらばれてしまいますね」

「じゃあ変装だな、ちょっと服買ってくるぜ!」

「えっ!?拓也が!」

 

様々な人々がゆったりとした時間を過ごす中、店内に入る。

 

「いらっしゃい....ませ」

 

まぁ、そりゃあそうだよな。お互いすごいコスプレしてるから変な目で見られるのは仕方がない。マネージャーは黒いスーツ、髪型をオールバックにして眼鏡をかけ、髭を生やしている。顔には傷メイクを施してある。これは俺が考えたヤクザの変装だ。対して俺はもともとマネージャーの部下という設定で普通の服装を着ていくはずだったのに、マネージャーのいちゃもんと淫夢君からの提案で全裸になり、首輪とカチューシャをつけ、マネージャーのペットとしてリードにつながれた状態で行くはめになった。

 

「アナタガコノカッコウヲスレバ、マネージャーガヤクザデアッテモ違和感ナイトオモウンデスヨ、フクヲヌイデ、ソレヲツケテクダサイ」

 

プログラムえぐれてるのかなとか思いつつも、俺は四足歩行で店内を練り歩く。

店員は俺なんか見ないのがエチケットとばかりに目をそらして言った。

店内を見回すと、とりわけ目立つ格好の少女が目についた。彼女は、黒を基調としたゴシックロリータファッションに身を包み、頭にも大きなリボンをつけていて、金髪。アリスだ。ノートパソコンを開いて何か作業をしている。

 

「マネージャー、あの子ですね」

「そうみたいです。」

 

アリスの向かい側の席にマネージャーは腰を降ろす。拓也はマネージャーのペットなので、椅子には座れず足元で四つん這いにさせられた。

オレ達に気づいたのか、アリスはパソコンからゆっくりと目線を上げる。

 

「何か御用?」

 

マネージャーがヤクザみたいな格好をしているせいか、アリスは怯えた表情を見せた。

 

「アリスさん。初めまして。私は鈴木と申します。こちらはペットの南佳也です。」

「うーっす!うーっす!」

「えーっと.....体験入信希望ってことで間違いない?」

「はい。その通りです。」

「うっす!うっす!」

「それはとっても嬉しいわ!動画で言った通り、私たちは本気で救われたい、救いを求めている人に来て欲しいと思ってるの。冷やかしや遊び半分じゃないよね?」

「うっす!うっす!」

「...どうして佳也は首輪をつけられて四つん這いになっているの?」

「彼は私の奴隷です。気にしないでください。」

「うっす!うっす!あっ!あっ!あ~っ!あ~っ!」

 

マネージャーは突然拓也の首輪を引っ張り始めた。

 

「ひゃめてくらはい!(やめてください)」

「黙りなさい!ご主人様の言うことが聞けないの?」

「はい……すいません……」

「.....とりあえず、あなた達の『世界姦教』に対する熱意を聞かせて。なぜ入信したいと思うの?」

「はい!えっと、俺はこの仕事で男好きになってきて、ホモになって、女の人がチョーウゼーから生きるのがしんどくなって、そんな時、たまたま見たホームページに、『世界姦教』の広告が載ってて、これだ!って思って、それで……」

 

マネージャーは俺の尻を思い切り蹴飛ばした。

 

「ありがとうございます!アナルから種汁出ます!イキます!イキます!」

「こんな感じです。入れてもらえませんか?」

「…な…なるほど。あなた達は本当に救いを必要としているのね。今日これから時間ある?教会に是非案内させて。」

「よかった。じゃあ、案内お願いします」

 

何とか信用を得ることに成功。俺たちはアリスと共に喫茶店を出た。人通りがまばらな道を進む。作戦が成功した喜びと、純粋にアリスと会えたことが嬉しくて、彼女に話しかけまくる。

 

「ところで、魔法少女マジカルアリスの次回はいつですか?」

「あぁ、あれね。あんなものもう終わったよ。」

「どういうことすか!?」

「だって、あんな動画、もう必要ないもの。今、世界は苦しんでいる。あんなもので救えるわけがないでしょう。」

 

宗教に染められて頭がイッちゃってるな……。

 

「そ、そうですか……そういえば妹さん最近見ませんけどどうしたんですか?」

マネージャーがそう聞くと、アリスは少し俯きながら答えた。

「.....実は、海外留学中なの。向こうで本格的に女優になるための勉強を始めたのよ。」

「マジっすか!すごいっすね!応援してます!」

「....そうですか....」

 

宗教とは関係ないみたいで良かったぜ!しばらく歩くと、教会と呼んでいた場所に到着した。

 

「こ、ここが教会……?」

「そう。ようこそ」

 

そこは人通りの少ない、教会という名からは程遠い2階建ての寂れた中規模の建物だった。

彼女の動画にモザイク越しに移っていた箇所とは何となく一致している。

アリスがオレ達に背を向けている隙に、こっそりと後を付けていた淫夢くんが空中に何かを投影させる。

ジムナスターシャからのテキストメッセージのようだ。

 

「ビンゴだ。よくやった。我々が捜していたアジトの一つだ。本拠地ではないものの、重要な情報があるはずだ。2階のどこかに眠っている。うまく潜入し、なんとしても資料を持ち帰れ。以上。」

 

「さぁ入って。信者を紹介するわ。」

 

玄関口でアリスがカードキーをかざしてロックを解除した。

薄暗い廊下を進み、応接間と書かれた部屋に入り、ソファに座る。

 

「よっしゃ、うまくいったぜ。あとはあの変態男をぶっ飛ばすだけだぜ。でも、どうしようかな?いっそのこと、淫獣拓也様の奴隷にしてやろうかな?そうすりゃ、毎日調教できるしね。」

「まだまだ安心できません。静かにしてください」

 

リードを思いっきり引っ張られた。

 

「ウゥッ……ウッス!」

 

待つこと数分、扉が開き高貴な印象の、すらっとしたジャニ系の男が入ってきた。ガムを噛んでいて、不機嫌そうな表情をしている。

 

「おや?エージェントミステリアス、その方たちは?」

「シマダイ・アーニキ。紹介したい人がいるんです。」

 

そういうと、アリスは拓也達のほうに向き直る。牧師は拓也達を舐めるように見ると、

「初めまして、教会ではシマダイ・アーニキと呼ばれています。よろしくお願いします。」

 

と、自己紹介をした。

 

「ど、どもっす!自分は南佳也って言います!職業はAV男優です!こっちはマネージャーです!今日は見学させてもらいます!」

 

ってな感じで軽くお辞儀をしながら自己紹介。顔を上げ、世界姦太郎の顔をみると、彼は眉間にシワを寄せていた。

 

「なるほど、なるほど。これはこれは。怖いねぇ」

「……えっ?俺のことっすかね!?」

「エージェントミステリアス、お手柄ですよ。当たり、だ。太いシーチキンです。」

 

そう言うと、世界姦太郎の身体はみるみると膨張していき、やがて人間とはかけ離れた姿へと変貌していった。

 

「うわああぁぁぁ!!!」

 

マネージャーは恐怖のあまり絶叫。

 

「……えっ?えっ?マジっすか!?」

 

姦太郎の体表は黒いスライム状の物へと。見たこともないなような化け物だ。

アリスはバツの悪そうな顔をしている。

 

「アリスさん!どういうことっすか!?」

「あなた達も私をダシに、この男を捜していたんでしょう?だから、お互い様なのよ。そうでしょ?」

「な、何を言ってるんすか!」

「白々しいわね!」

 

チキショー!ハメられた!!化け物と化した世界姦太郎が、マネージャーの肩に手を伸ばす。ジュウと音がしたかと思えば、マネージャーの服は黒ずんでいた。

 

「ひっ!」

 

後ろに下がるマネージャー、姦太郎は俺達に襲い掛かるよう動き始める。変身する暇がなくてマジ狂い!

 

「ああ~ようしみる!惜しかった。フフフ。」

「シマダイ・アーニキ。約束は果たしたわ。これで私の妹は…。」

「鯛^~↑そういえばそんな話でしたね。では、約束です。彼女を返しましょう。どこだったっけかな。」

 

そう言いながら服をめくる姦太郎。スライムがうごめいている姿は気味が悪い。

 

「あっ、ここでした。喜ぶんやど」

 

奴の側腹部に、人の顔。目や口からゼラチン状のものが出ているが、紛れもなくそれは、 アリスの妹、ピュアのものだった。

 

「……なに......それ」

「何って、彼女ですよ。ようしみるな~」

 

アリスの顔は雪のように真っ白になった。

 

「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「おやおやぁ。どうやらお姉ちゃんは君のことを必要としていないみたいですねぇ。」

「ううぅ……」

「泣いても泣いてもオッパラディン。安心してください。みんな仲良くようしみさせてあげますよ、フフ。」

「おい!テメェ!ピュアちゃんをよくも!許さねぇぞ!」

 

俺は激昂し、奴の前に飛び出す。シリンジを取り出しボタンを勢い良く押した。

 

「コンバスチョン!!」

「変身ッ!!!」

 

シリンジを思い切り乳首に刺し、キメものを注入。すかさずマグマに包まれて、激エロヒーローコンバスチョンが見参。怒りに合わせて激しく勃起すると共に体の温度も上がっていく。不思議と昨日のような戸惑いはない。それは自分がヒーローである自覚があるからかもしれないし、単にこの力に体が慣れただけなのかもしれない。とにかく、今なら暴走せずに、あの男をぶちのめし、ケツを掘ってやれる気がした。

 

「い、いかなきゃ....」

 

マネージャーは全身を痙攣させながら懐をまさぐるが、シリンジが無い。

 

「おぉっと。お探しはこちらかな。」

 

姦太郎のゼラチン質の手には、シリンジが握られていた。

「返せ!」俺は姦太郎に飛びかかろうとしたが、姦太郎は床にスライムを浸透させ、俺の動きを止める。マネージャーはそれを恐れ、ドアの方へ逃げようとする。

 

「おやおや、怖いねぇ。ほら、君。遊んであげなさい。」

 

姦太郎がそう言うと魚の頭、人間の上半身、馬のような下半身を持つ異形の怪物がドアから二体現れる。

 

「うわーっ!助け....助けて!」

 

マネージャーは大声で泣き叫んだ。そのうちの一体はアリスをさらっていく。

 

「きゃあああああああああ!!!」

「マネージャー!しっかりして下さい!」

 

足元にマグマを浸透させてスライムを焼き、駆け寄ろうとするが、姦太郎に阻まれてしまう。

 

「罠とも知らず、釣り糸に見事に引っかかってくれましたねえ。」

「畜生!どけよ!」

 

パンチを放つが、姦太郎はそれを軽々と避けた。

 

「なぜあなたたちアンチはしみることを恐れるのですか?」

 

拓也は無視してキックで攻撃する。当たりはしたが、すぐに再生。

奥では怯えるマネージャーに、異形の怪物が迫っていく。

間に合わない。マジで助けられない。マネージャー自身が立ち上がって、戦わなければ切り抜けられない。俺は思いっきり叫んだ。恐怖を必死に拭うべく。声の限りに叫んだ。

 

「こんな所で諦めてんじゃねーよ!変身できなくても戦え!!このまま何もしなかったらマネージャーだけじゃなくて世界のみんながそうやって震えるんだぞ!」

 

マネージャーの体の痙攣が止まる。

 

「立てマネージャー!俺のチンポみたいに立ってくれ!」

 

マネージャーは震えながら立つと、化け物めがけて顔を殴打した。

しかし、力の差は歴然。マネージャーは簡単に投げ飛ばされてしまった。

 

「ぐふっ!」

 

壁に激突。頭を打ち付けながら床に転げ落ちる。

 

「Here we go!」

「マネージャー!クソッ!この野郎!」

 

拓也は世界姦太郎に突進、姦太郎の体に穴が開くが、直ぐに再生してしまう。俺の言葉が暗示としてかかったのか、マネージャーはすぐに立ち上がった。頭から血を垂れ流しながらも、目はギラつき、歯を食いしばりながら相手を見据えている。するとそこへ、淫夢くんが窓を突き破って現れた。

 

「任務更新。未確認生命体ノ撃破。シリンジノ奪還。」

 

淫夢くんが助けに来てくれたからには何とかなりそうだと思ったその時。

 

「みかん」

 

姦太郎は口から酸っぱい臭いのする液体を吐きかけた。

 

「うわっ!?臭っ!何だこれ!目が痛ぇ!鼻も曲がる!口の中まで腐りそうだ!気持ち悪い!うわあぁぁぁぁ!!」

 

俺は腕で目を覆い、無防備な姿を晒してしまった。

 

「大きいの入れてやるからな、喜ぶんやど!」

 

姦太郎の触手が、俺の体を貫ぬこうとするが、すかさず乳首にある第六感で感知して回避し、姦太郎にキスをした。

舌を絡ませ合う濃厚なベロチューをする。

 

「コ゜ッ!!!」

 

マグマを流し込み、相手の粘膜を溶かしていくような激しいディープキッス。

俺は一気に唇を離す。姦太郎は体内にマグマを流し込まれた影響で、体が溶け始めていた。

 

「あ痛い!痛いもういい、もう、もう、もう」

 

俺は必殺技を使うべく、両手を広げる。

 

「痛い痛い痛い許してくださいもういいです」

 

快感で全身が痙攣するオレは両腕を交差させ、エネルギーを溜め始めた。

 

「イレイザー・ファング!」

 

股間から放たれた必殺の光線が、世界姦太郎の肉体を貫通する。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

 

決着はついた。

 

「はあ……はあ……やったぞ……」

「な、…るほど。なるほど、なるほど。少々……侮っていたようですね……。まさかここまでやるとは……」

 

姦太郎の肉片が地面に落ち、溶けていく。

 

「だがもう、遅いのですよ。貴方達は既に後手後手だ。」

 

すると、その肉片があった場所からいくつかの炎の種が灯る。俺の前に、ハリケーンのシリンジが転がってきた。

 

「ではさようなら。一足先に、しまぶーが作った天国で待っていますよ。」

 

炎の種は燃え上がり、辺り一面は火の海になった。

 

「あっつ!熱い!やべーっ!」

 

俺は建物の中を駆け巡り、マネージャーを探した。

 

「くそっ!どこだ!どこにいるんだ!」

「……ううっ……ここです拓也」

 

マネージャーは全身ボロボロで、壁にもたれかかっていた。

 

「マネージャー!無事だったか!」

「はい……なんとか」

 

背後から淫夢くんが現れた。

 

「ニンムコウシン、重要情報ノ獲得、イソイデクダサイ」

 

えっ、マジ!?それって絶対?

 

「い、今からですか!?そんなの無理ですよ!もう炎が燃え広がっています」

「タシカニ、マネージャーニハ不可能ナミッションデスガ、南佳也ニハ可能デアリマス。コンパスチョンハアルテイドノ熱ニタエラレル。ソレニワタシガ道案内ヲスレバ生存率ハ90%....」

 

いちいち説明しなくても大丈夫だぜ。俺は、最初っから、この火の海の中にオナりながら飛び込む気だったからな!この中にはまだ、アリスが取り残されているんだろ?俺のチ○ポはもうギンギンに勃ってるぜ。こんなところでもたついてたら、マジで死んじまう。ミッションをこなさないといけないなんてチョーSだよな!

俺は無言でマネージャーにシリンジを渡し、燃え盛る方へと体を向ける。

 

「えっ?た、拓也?本当に行くんですか?え?」

 

オレは淫夢君と共に施設の奥へと入る。がむしゃらに進んでも、時間がかかるだけで俺の体が持たない。ここは淫夢くんを頼るぜ!

指示通りに進むと、周りに4つの扉がある廊下へたどり着いた。

 

「ミギマエノヘヤノトビラヲコワシナサイ」

 

言われた通りにぶっ壊すと、そこは怪しげな機器や本、よく分からない実験器具が沢山ある研究室のような場所で、

その中で目を引くのが巨大なPC。

淫夢くんが素早くこのコンピュータにアクセスし、データを抜き出した。

 

「最重要機密情報ノ回収完了。脱出シマショウ。」

 

俺は急いで部屋の外に出た。

 

「よし!アリスを探しに行こうぜ!」

 

すると淫夢くんが急に俺の前に立ち塞がった。

 

「ミトメラレマセン、今スグ脱出シテクダサイ」

 

淫夢くんがそう言った瞬間。

建物が崩れ始め、どんどん地面も沈んでいく。

 

「うるせー!俺は行くぜ!待ってろよアリス!」

「脱出シテクダサイ、脱出シテクダサイ。命令違反感知、ミス、ジムヘ報告シマス」

 

火だるまになっていく拓也は崩壊していく建物を駆け巡る。炎による熱は効かないけど、瓦礫は拓也の体力を奪っていった。2階の部屋を駆け巡るが、アリスの姿はない。

 

再び一階へ向かう。ほとんど火が回っていて、焼け死にそうだ。

最後の扉に手をかける。鍵がかかってたけど、俺のパワーなら開けられるはず! 扉を開けるとそこには……煙を吸わないように口元を抑え、姿勢を必死に低くしているアリスがいた。

 

顔は涙の跡があるが、炎がそれを乾かしてしまっている。

火の手がアリスに迫る。早く助けないと、と思いアリスに近寄ろうとすると、部屋の異常さに気づいた。

 

「な、……んだこれ……。」

 

死体が山積みにされている。10体以上?30体以下?の男性の死体。顔や姿をよくみるとそれは淫夢のメンバーの物で、どこかしら欠損していると同時に死体全て目玉がくりぬかれていた。

 

そして、アリスの手前には、首のない少女の遺体。信じられない。いや、信じたくない。しかしこれは明らかにピュアの物だった。

 

アリスは俺を見るやいなや、小さく「あっ……」と悲鳴を上げると恐怖で気絶してしまった。俺はアリスを優しく抱き抱えて走る。すると、後ろから大きな爆発音。もう建物は崩れ落ちかけていて、瓦礫が俺の頭、背中に当たる。

でも痛くない。全く痛みを感じない。

 

そして、ついに出口が見えてきた。が、目の前で爆発が起こる。すかさず俺は背中を向け、飛んでくる破片からアリスを守る。

 

細かいガラスが俺の背中を切り裂いていく。痛みで全身が痙攣するが、ここで足を止めるわけにはいかない。俺は勢い良く外へと出た。

 

「今、外へ飛び出ました!」

 

意識が朦朧とする中、周りを見るとたくさんの野次馬、消防隊員、救急隊員がいる。どうやら、騒ぎを聞きつけ集まってきたらしい。

 

「新種の生命体【淫魔】が少女を抱えています!これは誘拐なのでしょうか!?」

 

やばいぜ!警官が俺の周りに集まってきた。「おい!お前何してるんだ!」警官はチンポを俺に向けながら怒鳴ってくる。

ここで変身解除は絶対ダメだ。なんとか逃げないと。周りの野次馬が、俺に罵声を浴びせてきた。

 

「なんだ、あいつは?!」

「早くあの子を離しなさいよ!!」「気持ち悪いわね、この変質者!!!」「死ね!消えろ!お前みたいな奴が存在するだけで迷惑なんだよ!」「おい!警察は何してんだ!捕まえろよ!」「馬鹿じゃないのアンタ、警察がアレを抑えられると思ってるの?」「犯罪者を捕まえられないなんて無能だろ」

 

まずい、完全に人さらいの化け物だと思われている!俺は最後の力を振り絞って、その場から脱出した。

 

人気のない公園に逃げ込む。遊具はボロボロで、閑散としていた。

変身を解除しアリスをベンチに寝かせると、彼女はゆっくりと目を開けた。

 

「ここは……?」

「大丈夫....か?」

 

俺は全身に激痛が走りながらも、彼女の手を握ってあげた。

 

「私は…生きている?」

「ああ、生きてるよ。」

「私を助けたの?」

「そうだぜ」

「どうして……?私は貴方達を騙していたのよ。貴方達の命を差し出して、引換にあいつに監禁された妹を助けようとした…。」

 

急にアリスが俺の手を振り払う。あまりの痛みにその場へ倒れ込む俺、呼吸をするだけで激痛が走る。ケツもやられてしまった様だ、血が滲み出してる。

 

「ぐっ!……だって、ほっとけないから...」

「なにそれ、気持ち悪い!私は全て失ってしまった…。1人では生きていけない…。だから、死んでしまおうと思ったのに!」

 

アリスの目からは大粒の涙が溢れてきた。

 

「そんなこと.....言わないでくれよ。まだまだ人生これからだぜ。淫獣拓也も一緒に探すよ。君の新しい人生を……。」

「ふざけないで!」

 

アリスは俺に向かってピンタしてきた。

 

「貴方はいいでしょうね。ヒーローなんだから、力があるからそうやって好きに言える!私の気持ちなんかわからないくせに!あなたに大切な人はいる…?もし同じような目に遭ったら、同じことを言えるの?!」

「それは……」

 

俺は言い返せなかった。アリスはそんな俺を睨みつけ、背を向けて去っていこうとする。

 

「まっ..待ってくれ、……あっああ……頼むから……んあぁっ……あぁあああッ!!!」

(ビクビクンビュルルルルルー!!!!!)

 

体が俺の死を悟ったのか、子孫を残そうと全力を尽くす。意識が消えていく。視覚が完全になくなると、近くでモーターの稼働音が聞こえた。

 

「南佳也、発見。タダチニホンブヘ連絡。任務完了、オ疲レサマデシタ。」

 

目を覚ますと、拓也は本部のベットで寝かされていた。傷がほとんど癒えている。すぐそばにはマネージャーがいた。

 

「あ、起きましたか!!良かったです.....」

「え...あ、マネージャー?」

 

マネージャーの表情は不安一色。だが、そんなことよりも俺の頭の中でさっきのアリスとのやり取りが、フラッシュバックする。俺は思わず頭を抱えた。体の痛み以上に、精神的苦痛が凄まじい。

 

そんなことを考えていると、ジムナスターシャがダンベルを片手に持ちながら話しかけてきた。

 

「よくやった、今淫夢くんが回収した情報をざっと見ているが…。ここを見てみろ。」

そういうと、淫夢くんが回収した情報を印刷したものを渡してくる。“ 大いなる神の復活 ” という項目にマーカーが引いてあった。

その資料にはこう書いてあった。

 

“ 我らの神の復活の条件に必要なのは、大量の人間の精神力と、大量の精子である。この二つが一定値集まった時、

大いなる我らが神は顕現する。精神力は、快楽を与え続ければ溜まるので誰でもいいのだが、大いなる神を信奉するもの、神に関係する種族からのものがより純度が高く望ましい。また、大量の精子を集めるためには、男から精液を大量に採取する必要がある。神に全ての精神力を献上せし者は、永遠の生命を得るだろう。”

 

「これで全て合点が行く。今市内を脅かしている悪霊化症候群もこれが関係しているのがはっきりしたな。」

「はい。精神力を邪神に献上する過程で、肉体に影響がでると推測できますね」

 

俺はこの文章の内容が頭に入らなかった。なぜなら……、俺のアソコが鬱勃起でギンッギンにおっ立っていたからだ!何が間違っていた?彼女にどう接すれば良かったんだ?いや……そもそも助けてはいけなかったのか?そんな事を考えるとまた下半身に血流が集まってくる。

 

「さて、報告は異常だが.....拓也、一つ質問がある」

「なんだよ」

 

俺はイライラしながら答える。こんな時に話しかけんじゃねーよとジムナスターシャをギン目でみると、彼女も俺と同じような顔していた。

 

「私は今回、どういう任務を貴様に課した。言ってみろ。」

「....重要機密情報の獲得です」

 

その表情をみて、俺はちんこが萎えてしまった。

 

「そうだ。あのアリスとやらを救出するのは、任務ではないな?」

「……はい」

「今回はギリギリ救出できたが、もし発見が遅れて、変身薬の貴重な適合者であるお前が死んだら、世界はどうなる?」

「……でも俺、彼女をほっとけなくて。」

「いい加減にしろよ貴様。」

 

彼女はダンベルを床にたたきつけた。思わずビクッとする。

 

「聞けよ北京原人のぼっちゃん。我々は、正義の味方ごっこをしているんじゃあない。」

 

思いっきり胸倉をつかまれて壁に叩きつけられ、その衝撃に一瞬息が詰まる。

 

「……わかってます。だから俺は本気でアリスを助けようと」

「いいか?!お前は、一時の自己満足の為に全人類を見捨てて死ぬ所だったんだぞ!お前は、我々人類の希望だ。それを一人の少女のために危険に晒して、もし死んでしまったら?誰が我々の敵を倒すというのだ!?」

 

今の言葉が俺の心によくしみる。しみすぎて痛みがさらに深くなる。確かに彼女の言う通りなのかもしれない。ビルダー拓也は、ビルダー拓也がしたい事をしてるだけ。そうわかっているはずなのに、心底腹が立ち、俺は彼女の顔を思い切りぶん殴ってやろうと殴りかかってしまった。

 

そこへ、淫夢くんが割って入り、アームで俺にピンタを浴びせてくる。さっきぶたれた頬と逆をぶたれた。

 

「オケガハ、アリマセンカ?」

「割って入る必要などないぞ淫夢くん。私を殴って、気が済むなら殴らせればいい。まぁ、それで人類の危機を乗り越えられるとは思わないがな。」

「……ごめんなさい」

 

俺は、自分が情けなかった。自分の正義を否定されて、言い返せなかったマンコを種マンにされた俺の怒りが暴走してしまった。

 

「……情を捨てろ。機械になれ。自分の役割をただ果たすだけのな。」

 

拓也は、ジムナスターシャの言葉に何も返さず。背を向けた。

 

「…解散。また明日、ここに来い。次の調査だ。」

 

俺とマネージャーは、ジムを出て、エレベーターへと入る。さっきの雰囲気を引きずり、無言のまま地下駐車場を歩く。

 

「……」

「拓也」

「....はい」

「私も、あなたにそこまでの無理をしてほしくないと思っています。本当に不安だったので..」

「なんだよ...ヒーローが人助けをしてんのにおかしいだろ……」

「あなたは、強すぎます。だから平気で自己犠牲をしようとする。ジムさんの言う通り、自分が犠牲になった後のことを考えていましたか?私はあなたのように強くないんですよ、だから、」

「じゃあ黙ってアリスが死ぬのを受け入れろっていうのかよ!正義感で全身が痙攣するオレは絶対に認めねぇぞ!!そんな、見捨てるなんて...俺の正義がマジで狂う!」

 

俺は必死になって叫ぶ!マネージャーはそれを見てビクリと震えた……。

 

「マネージャーにヒーローとしての正義とか、信念はないのか!?あの時俺の言葉で立ち上がったのは何かを助けたい一心じゃなかったのかよ!」

 

マネージャーはしばらく考えてこう言った。

 

「よく...よくわからないです。私はどうあるべきなのか...すいません」

 

俺は家に帰り、センパイからもらったシャンパンを開けて、グラスに注ぐ。そして一気に飲み干す。

 

「う~ん!うまい!」

 

盛大に酔っぱらって忘れようとする俺。何度も何度も酒を飲む。

酔っ払いビルダーになっていく拓也は、もう寝ることにした。ベッドに入り、目を瞑る。眠れない

 

「……くそっ!」

 

深々と今日の出来事を思い出す玩具になっていく拓也は、悔しかった。自己満足というジムナスターシャの言葉、アリスのピンタ。忘れられなかった。すると、拓也の携帯に着信が、相手は、センパイだった。

 

「起きてるか?拓也。」

「ウッス」

「今から来いよ」

 

時計は深夜2時を指していた。

 

「えっ?」

「ラーメン作るから直ぐにこいよ」

 

即座に就寝を中断し、家を飛び出る。フラフラとした足取りで、夜道を進んでいる。上半身裸、下半身はボクサーパンツ一枚だから今誰かに見られたらヤバイな。

家に着くとちょうどラーメンができあがっていた。

 

「昼頃全然電話つながらなかったけど、何してたんだよ?」

「あーっおうううっす、悪と戦ってましたぁ~」

 

酔っ払っている俺、頭はクラクラしてる。

 

「なんの冗談だよ。まあいいや食ってくれ」

「やっぱシメはラーメンっすよねぇ!」

 

快感で全身が痙攣するオレは、麺をすすり始める。

 

「うまぁ!」

「だろ?結構自信作だぜ」

「マジウマっす!センパァイ!オレ感動しました!」

 

俺とセンパイは深夜テンションでそのままSMの話を開始。 お互い本性がドMなだけあって話が尽きることはなかった、俺が鞭打ちされたりロウソク垂らされたりしたいと言うとセンパイが鞭を振ってくだすった、マジ興奮する。

 

「ところでセンパイ!今日自分の命をかけて女の子を救ったら、上司に自己満足だって言われちゃいました!」

「……そうか、ヒーローってのは大変だなぁ」

 

酔っ払いの戯言に付き合うような感覚でセンパイが喋る。

 

「センパイ!自分どうしたらいいんですかね!?」

 

センパイは俺に鞭打ち続けながら、ゆっくり語り始めた。

 

「そんなに悩むんなら、聞かなきゃいいじゃん」

「えっ!なんで?」

「だってさぁ、結局力を持ってるのはお前自身じゃねーかよ。お前のその正義感って誰かに言われて揺らぐもんなのか?」

 

違う。俺はこの力を手に入れた時...いやずっと前から、自分の意思でこうありたいと願ってきたんだ。助けられる命は、必ず助ける。

 

「ただ、そうやって自分の正義を貫いた結果から生まれる責任は、ちゃんと自分で背負わないといけないけどな」

「なんか難しいっすね……」

 

難しいが、これは避けては通れない話。俺はアリスの命を無理やり救った。その結果生まれた彼女の絶望を払わなければならない。今後また自分の命を犠牲にして何かを救おうとした時に、ジムナスターシャやマネージャーが抱える不安も取り除かないといけない。俺はそのためにも、もっと強くならないと。

 

「まあな。頑張れよ、ヒーローさん」

 

センパイは俺の肩にポンと手を置いた。

 

「はい!頑張ってみます!あざーす!センパーイ!ういっすうぃーっす!」

 

その後、俺は甘いキスを受けながらセンパイとセックスを始める。泥酔状態の拓也は、普段より敏感になり、あっけなく絶頂を迎えてしまう。

第1ラウンド終了。倒れている背中から声がかかる。

 

「ケツの休憩中はおしゃぶりだろ」

 

起き上がってしゃぶろうとするけど、体が重い。まただ、昨日感じたあの眠気がやって来る。「おーい、起きろよ」センパイが俺のケツを叩く。相変わらずこの人は乱暴だ。拓也のことを性処理道具にしか思ってない。でもそんなことどうだってよかった。今はただ眠りたい。

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