※この作品はR-18です。

生かさず殺さずのクリスマスの日に、傀逅   作:A00913

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第三章 アナル公園

夢の続きだぜ。

田舎の自然溢れた場所にある橋の上で、俺は恐怖に犯されていた。

「マジやめて」と抵抗する俺のケツを腐女子のお姉さんは容赦なく押す。

「マジやめてってばぁ」と涙目で懇願するもお構いなし。お姉さんは俺を川へ突き落す気満々だ。

「マジ無理だって!なんで川に落とすんだよ!」と半狂乱になりながら抵抗する。

 

「強くなるためよ」

「だったら速い蹴りとか教えてくれよ!喧嘩が強くなればそれで解決だろ!?」

「そんなんじゃだめよ、力が強くなるだけじゃダメ。誰よりも強い心を持たないと、いざという時に自分を見失って、何もできなくなる。」

 

そう言って、相変わらずウルトラマンの仮面を付けたお姉さんは、グイグイと力強く押した。言いたいことは分かったけど、それの何が川への飛び込みにつながるのか、俺には分からない。

 

「何事にも動じない強さ、それを身につけてもらうために先ずは川へ飛び込んでもらう。」

 

川の表面は、波一つなく穏やかだった。

 

「落ちる、沈む。なんて思わず、飛べる!と思って行ってみたら?」

 

飛べる、かぁ。そんなことをこの状況で思えば確かに無敵かもしれない。だって淫獣拓也は飛べないって絶対確実の現実に対して抗おうとしてるわけだからね。それぐらいポジティブであれば、度胸があれば、なんでもできるような気がしてくる。たしかにこれが今の俺に必要な心持ちなんだろうかとか、そうやって考えれば考えるほどに、恐怖感が薄れてくる。気づけば川ではなく、空を見ている俺がいた。上を向けば静かで暗い色の水面が見えないから、気が楽だったんだ。

 

息を飲み、思い切って橋の上から飛んだ。飛べると思って跳ね上がった。でも、やっぱり無理な話で、俺は川に落ちてしまった。息ができない。苦しい。助けてくれ!

死ぬ前に一回でいいからジャニ系とヤリたい。必死に、水面へ向かっていく。そこまで距離はなかったから、すぐに顔を出すことができた。すると俺の顔面にピンタが飛ぶ。

 

「バカ野郎!誰が上がっていいって言った!」

 

ビックリして周りをみると、自然とはかけ離れた高級ホテルのプールに自分はいて、目の前には紺色の紳士服に身を包んだ男がいた。そういえば今、マサヒコさんと水没プレイの最中だっけと思い出しながら、ハァハァ喘いで息を整える。

「ハァ、ハァ、ス、スミマセン」「10往復しろ!」「ウッス!」

 

15mのプールとはいえ、無呼吸10往復は辛い。当然、できるわけがない。1度でも浮上するとシゴキが待っている。マサヒコさんと目が合う度に恐怖に震えながらも、覚悟を決めてまた潜った。もう何度そうしたかわからない。苦しすぎてガタイを仰け反らして雄叫びを上げプールサイドに仰向けに倒れ込むと、その鼻がすぐに手で塞がれて「いい目だ。その必死な目。」と、甘い声で囁かれる。

 

顔は全く笑っていなかった。

 

5秒ぐらい目を合わせた後、俺を再びプールの中へと蹴り飛ばす。

 

「お前みたいに覚悟決まった奴が苦しむのもいいんだけどさ....」

 

突然マサヒコさんはポケットから何かを取り出して、それをプールの中に放り投げる。勢い良く飛び込んでいき、俺の隣で水しぶきが上がり、水面を波立つ。それは一匹のネズミだった。突然水中になげだされたネズミは混乱し、もがきながら必死に泳ぐが、すぐに息苦しさに耐えきれなくなり、口から空気を吹き出す。だが、その空気すら吸うことが出来ずに溺れる。

 

「こんな風になぜ自分が、と溺れることを思いもしなかった奴を沈めるのが最高なんだよな!わかるか?」と言いながら、不気味な笑みをハァハァ喘ぎ続ける拓也に向ける。ネズミは必死にもがくが、どんどん沈んでいっている。

 

「不条理に困惑しながら必死に溺れまいとあがき続けて、そして、とうとう力尽きるんだ。それが堪らない....。」

 

必死にもがくネズミの苦しみに歪んだ顔が目に入る。ネズミがそんな表情豊かな生き物なわけないし。気にする必要なんて全くない。たかがネズミに心の中で南無とか言う必要もない。それだけ小さく無関心な存在であるネズミを、俺はいつの間にか、すくい上げてプールの外へと出していた。マサヒコさんが怒こるかもしれないとか、そういうことももちろんかんがえたんだけど、ただ、助けたいと思ってしまった。俺の手から離れたネズミは、ちょろちょろ動いて部屋の隅に消えていく。ふと、マサヒコの方を見ると、彼は呆然と立ち尽くしていた。怒るわけでもネズミを追うこともしない。まるで信じられないものを見たかのように立って、俺の目をぼーっと見つめる。そうしてしばらく沈黙が続いた後、突然笑い出した。

 

「くっくっ……はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは」

 

そのままプールに入ってきたマサヒコさんは俺の頭を鷲掴みにして、再び水中に沈めた。

 

「馬鹿か貴様は!!俺の楽しみを奪うんじゃねえよ!!」「すっ、すみません!」

 

この時まで水しぶきすら避けていたマサヒコさんは、服が濡れることにも躊躇しないでプールの中必死に俺の頭を水中へ沈めようとする。力の入り方に一切加減を感じない。本当に、俺を殺す気なんだこの人。

 

「おらっ!沈めっ!淫売のクソアマがぁ!」

 

なにかにとりつかれたかのようにマサヒコさんが俺を沈める。拓也は淫売だけどクソアマじゃない。マジ苦しい。

 

「クソガキと一緒に死ね!」

 

肺の中の空気を全て吐き出された。苦しい。死ぬ。視界がだんだんと狭くなる。意識も遠のき始めた。すると、急にマサヒコさんは力を緩め、解放。俺は急いで水面から顔をだす。彼はプールの縁に腰掛けてタバコを吸っていた。俺はなんとか呼吸を整えて、マサヒコさんの方を見ようとする。ただ視界がぼやけてよく見えない。

 

「最悪だ。」

 

気分があまりよくないのか、頭を抱えてうなだれて、かきむしる。その後ゆらりと幽霊みたいに立ち上がって、俺の元へゆっくり近づいてきた。殺すのかなぁ?俺を殺すのか?耐えられず目をつぶったら、耳元で彼が囁いた。

 

「まぁ、楽しみは後に取っておくべきだよな。もうじき、邪神が復活する。いあ、いあ....」

 

ブツブツよくないであろう呪文を呟いていた。

 

朝、ニュースの音で目が覚める。

 

「続いてのニュースです。昨日 17 時頃、魔字狂居市内の雑居ビルで大規模な火災が発生しました。消防隊が消火にあたり、幸いにも死者は出ませんでした。火災の原因は不明。あまりに非常識な火力に関係者は【淫魔】の仕業ではないかと考えている模様です。」

「お、起きたか。おはよう」

「おはようございまっす...昨日はまた途中で寝てしまってすんません……」

「気にすんな。それよりも見ろよこのニュース。また淫魔のニュースやってるぜ」

 

画面にはチンポにモザイクがかかった市民のインタビュー映像が流れている。

 

「大火事だと思って近くまで見にいったら、施設の中から【淫魔】が出てきて、それからはあまり覚えていない。炎に包まれた淫魔がアリスを抱えて出てきて…きっと彼女は殺されたんだと思う。ほら、SNSの更新がないし」

 

アリスはあれから行方不明になっちゃった。動画の更新はもちろん、SNSの投稿もなく、ウリ専掲示板にも書き込みがなかった。頭の中であの言葉がフラッシュバックする。妹はあのふざけたインポ野郎に殺されて、それを苦に彼女はあの後自殺してしまってるんじゃないかって嫌な想像が頭をよぎる。

 

「決めつけがましいな、こいつ」

 

センパイは画面の中をずっと見つめている。俺が寝室から出てきても振り返らずに、異形の拓也が映るニュースを食い入るように見ていた。なんだか恥ずかしいし、嫌な方の動悸が俺を襲う。

 

「拓也はどう思う」

 

センパイは振り返って俺の方をまっすぐ見つめる。

 

「えっと、俺は……その……」

 

俯いて考えるけど言葉が出てこない。困った表情でセンパイの顔をみると、センパイは目を点にして固まっていた。視線は俺の頭に向いている。汗だくでシャワーも浴びずに寝たもんだから、髪型が滅茶苦茶になってるのかな?なんて思っていたら。

 

「.....どうしたんだその髪」「え?」

 

この言い方はちょっとした質問とかそういうレベルを越えて心配しているような言い方だなと心理を分析。俺はすぐに洗面所へ行き頭を確認すると、南佳也風茶髪セミロンだった俺の髪が、一本残らず完全に白髪に変わっていた。

 

「お前大丈夫なのかよ。病院行った方がいいんじゃないか?」

「今日は仕事があるからいけないなぁ」

 

益々ジジイみたいな顔になったなとショックを受けつつ髪をかき分け鏡を見ていると、センパイが俺の後ろにやってきて相変わらず心配そうな顔しながら俺の様子を見ていた。ここで動揺を見せちゃったら格好悪いし、変に思われるから平然とした態度で振り返る。

それにしても急に白髪になる病気なんて、聞いたことがない。なんで、こんなことになったんだ?

 

「その髪で客と顔合わせるのか?」

「ウッス」

「やめとけよ拓也、今日は休んで病院行こうぜ。俺もついていくからさ」

「どの科に行けばいいとかわかるんすか?」

「うーん....脳神経外科?」

 

どうせすぐには見てもらえないからと提案をかわし、センパイの家を出た。適当に帽子を買って被り、警察署へ向かう。

警察署の前には昨日と同じマネージャーと淫夢くん。

 

「お...おはようございます」

 

気まずそうにあいさつするマネージャー、昨日の空気感をそのまま引きずってきたかのような表情をみせている。俺も髪型の件で動揺して上手く話せないから、間に流れる空気は最悪だぜ。しかも帽子をジロジロ怪訝な目で見てくるからヤバい。このことはマネージャーに話すべきなんだろうか?いや、ここでマネージャーを動揺させてしまったら尚更戦うことを怖がってしまうと俺は判断して黙った。

 

「早速、調査ヲ開始シマショウ。」

 

淫夢くんは相変わらず不気味な姿で浮いていた。機械らしく俺たちの気まずい雰囲気や見た目の変化を何一つ気にせず話を進めるんだから近頃の機械は敵のターミネーターみたいに容赦がないなと思った。

今日の調査箇所は「アナル公園」

 

「アナル公園?」

 

マネージャーが首を傾げて聞き返した。

「知らないんすか?」

「.....知りませんね、あまり家から出ないもので」

淫夢くんが概要を説明する。魔字狂居市の南西に位置する木目書にある公園。この辺りでは珍しいジャングルジム、ブランコ、シーソー、男性のケツを再現したモニュメントがあり子どもからの人気も高い。しかし遊具の全てが肛門を模して作られているため、子どもの教育上良くないとして問題視されている。そんな公園に不審な人物がいるとの情報があった。

「不審な人物....?私から見ればこの公園自体が不審に思えるのですが...」

「うーん、もしかして二週間前にセンパイと全裸で散歩したのがまずかったかな?」

「ええ....」

「ニ、サンニチマエカラノハナシダカラカンケイアリマセン」

公園内のパトロールを強化し、怪しい人物を発見次第、職務質問を行うのが今回の任務。俺たちは初日に支給された警察官の服を着る。3日に1度おまわりさんから職務質問を受ける拓也からすれば、逆に警察官となるのは新鮮な体験だぜ。

 

「この制服ってさ、持って帰ることできるかな?」

「何に使うんですか?」

「あ~ん♡」

「キッショ」

2人が目を逸らした隙にさっと帽子を警察官の奴にする。髪の毛は事前にまとめておいたから収納は容易で助かった。

パトカーに乗って公園へ向かう途中。警察官の制服を着てセンパイとちょっと変わったプレイ出来たらいいなと頭の中で妄想。最近疲れからかすぐに寝ちゃってセンパイの相手ができてないから、これが終わったらたっぷり可愛がってもらいたいなぁ。

....逆に考えれば、終わるまでは距離をとったほうがいいのかな。

そんなことを考えながら俺はアナル公園の中へと入っていった。

 

「え?なんですかこれ」

 

公園の中央に噴水があるんだけど、そこの水は赤く染まっている。マネージャーは不思議に思って近づき観察した。

 

「血デスネ」

「え!?」

 

マネージャーは、顔を青ざめさせ退く。もうこんなところに居たくないといった様子で俺のほうを見てきた。

 

「ホラ、ケツカラチガデルコトッテアルジャナイデスカ」

それでも公園の不気味さに嫌な感情を抱いたマネージャーはあまり周りを見ずに俺の後ろをついていくだけになってしまった。あーあ、これじゃ怪しい人物を探すのはなかなか手間取りそうで辛いぜ。ここはそんなに悪いとこなのかなぁ?

緑も茶色も豊富で正に都会の中のオアシスといった様相だし、老若男女、幅広い層に人気があるわけじゃないけど、一部の市民の憩いの場となっているのは確かなんだ。

 

そんなことを考えながら公園を歩いていると樹々の茂みの中で、きょろきょろと辺りを見回している、一人の男を見つけた。

 

「あそこにいる人、怪しくない?」

「た、確かに、ちょっと私が話を聞いてきましょう」

 

勇気を出したマネージャーが男に近寄って話しかける。

 

「す...すみません、ここで何をしていらっしゃるんですか?」

「ぁ あ あ ッ! は ヒ ィ! ご め ん な さ い、も うしま せんから! ゆ ゆる して! お お お お お お お お お お お お お お お お お お お お お お!!」

 

異様に挙動不審な男は、手に持っていたものを地面に落とし、四つ這いになりながら、まるで犬のように喘ぎ始めた。

 

「え?あ....す、すいません.....」

 

マネージャーは、後ずさりながら深々と頭を下げる。

男は白目を剥いて、舌を垂らしながら、獣のような声をあげ続けている。地面に落ちたものは、男が使っていたものだろうか、白い液体のついたディルドのようなものだ。

 

「あのー、これは一体何すか?」

「アアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

俺の声が聞こえていないのか、それともわざと無視をしているのか、ただひたすらに叫び続けていた。落ち着かせるために、とりあえず彼の勃起した股間を握った。すると彼はビクンと体を跳ねさせた後、こちらを振り向いた。

 

「アっ……!」

 

振り向いた男の瞳は、完全にイっていた。焦点の合わない目、だらしなく開いた口、そこからは唾液が流れ出している。俺はそれを丁寧になめとって目を合わせる。

 

「名前は?」

 

俺が冷静に名前を問うと、男は少しの間沈黙したあとゆっくりと語りだした。

 

「......私は一休と言います」

 

一休と名乗った男は、照れなのかなにかよくわからないけど俺から目を逸らして虚空を見始める。

よくよく見たら名前の通り坊主で身なりも坊さんらしい格好だ。

 

「あんたと同じ敏感なオレの名前は南佳也だ。よろしくな」

「あぁ、はは、やっぱりそうでしたか....えっと....その....」

 

一休は手を痙攣させながら、自分のズボンを脱いで下半身を露出した。そこには勃起したペニスが力強くそそり立っている。

 

「実は私、ファンなんです!佳也さん、もっと触ってください!」

「いいんですけど....その前にここで何をしていたか教えてもらってもいいかな?」

「わかりました」

 

一休はそう言うと地面に落ちた白い棒を拾い上げた。

「実は私、この棒を使ってアナルオナニーをしてたんですよ」

 

それはよくよく見れば白いべとべとした粘液が多く付着したディルドー。俺は心地よい香りを発する種汁みたいな白い粘液に目を光らせる。

 

「おお、そこに注目するとはお目が鋭い。白いのは特殊な合ドラを混ぜたローションです。これをアナルに入れてかき混ぜると気持ちよくなるんですよ」

「すっげぇ~、これ見たことないけど自分でアワせたやつ?」

「そうです!これは.....」

 

ケツに仕込むドラについての会話をマネージャーと淫夢くんはネムネム顔でしらけながら話を聞いていた。なんだ、ただの変態じゃないか。こんな奴に構っている暇はない。さっさとパトロールに戻ろう。2人ともそう考えていたに違いない。

だが、拓也は違った。話しているうちに自分も体験したい。気持ちよくなりたい欲が高まり、歯止めが利かなくなって、気づけば自然と制服をぬいで自分の肉体美を公園で披露していた。

 

「ハァハァ喘ぎ続ける南佳也にもやらせてくれないか」

 

「ハ!?」

 

更に余計なことをしだす拓也を見て淫夢君がバグる。

 

「もちろんですよ」

 

それに対して一休は嬉々として返事をし、拓也にディルドを渡す、俺はそれをゆっくりとアナルに挿入してみた。

 

「うおっ!スゲェ!」

「そうでしょうそうでしょう、これがあれば一人寂しいときも熱く体と心を高ぶらせて過ごせること間違いなしです!」

 

確かに体が熱い。熱くて、全身がむず痒いような、それでいてゾクゾクするような感覚に襲われる。すげ~!マジででかいマラがキタ時の感覚じゃんか、それにアゲが入った時のような溢れ出る活気が全身を駆け巡って鳥肌が立ってくる。

 

「いや、マジでヤバイっすねコレ……!」

 

そんな変態行為をしていると、何かをみてから急に一休が茂みへと頭から突っ込んだ。どうしたのかな?もしかして恥ずかしくなっちゃった?残念なことに頭隠して尻隠さずとばかりに下半身が茂みから出たまま。

 

「あれ?どうかしました?」

 

困惑する俺たちの前に現れたのは、一休と似たような格好をした男2人。必死にもがいている一休の下半身をみて、指をさし笑い始めた。

 

「あれえ、もしかして一休?」

「キモー!修行サボってこんなところで遊んでんのぉ?」

 

どうやらこの人たちは一休と同じ坊主らしい。今の罵倒を聞いて一休は茂みに服をとられて全裸のまま二人の前に力強く歩み出る。

「お、お前ら……!」

「ってか傍にいるの警察じゃん。うははは。笑えるわー。なんで警察の目の前で堂々とアナルオナニーしてんだよ!ウケるんだけどー!wwwww」

「ホントだよなー!まじキモイわー!さっさと逮捕されてくんねーかなー!なー!一休くぅーん!www」

「……」

「……」

 

俺とマネージャーはどうしてこんなにも罵倒されているのか理解できず、無言でその場を見つめる。

やがて二人の男はひとしきり笑って、笑い疲れたのか、一瞬黙った。そして、同時に言い放つ。

 

「「死ね!!!!!!!!!!」」

 

何も言い返さず、黙ってうつむく一休をよそに、二人はどこかへと去っていった。こいつら、同じ寺の仲間であるはずの一休になんでこんなひどいことを言ってきたんだ?明らかに冗談とかプレイの範疇を超えた発言、つまりただの暴言。

 

「おい!なんだよあいつら……!」

 

怒りで痙攣する俺が追いかけようと一歩踏み出し一休を追い越した瞬間。

「あいつらは、私と同じ種満寺の和尚です。いつもああやって私を馬鹿にするんですよ。修行をサボって下僧に嫌がらせしてたのがバレたのをきっかけに、あんな風に絡まれるようになってしまって……それで、私もムキになって……あいつらの服の中にバラの茎を入れておいたりして……あぁ……!思い出したら腹が立ってきた!糞坊主どもが!!」

 

一休の様子がおかしくなった。まるで鬼のような形相で、激しく口を動かし恨み言を吐きまくり地団駄踏みまくり。癇癪を起こしている。

 

「お、落ち着いてくださいよ!」

「まぁいいんですよもう。そろそろ私は生まれ変わりますから」

「生まれ変わる……?」

 

急に冷めたかと思えば、理解しがたい変なことを言ってきた。生まれ変わる....生みなおし。似たようなことをあの神父がいってたなと、敏感な拓也は警戒する。もしかしたら種満寺は、あのふざけた宗教団体の支部だったりするのかもしれない。

 

「はい。見てくださいこれ。」

 

一休は茂みの中からツボを俺たちの前に差し出した。「神の涙」とぶっとい文字が書いてある。

 

「これは....?」

「文字通り神の涙です。身体から弱い毒素・邪気・穢れなどを取り除き、健康な身体にしてくれる聖なる水です。」

 

自信があるのか、一休ははきはきとした様子で語り出した。対照的に俺は世界姦教が関わってそうな話なので、ギン目で壺を睨む。いざとなったら壺の中に射精できるようにデカマラも準備。

 

「ある日私は、心身ともに疲れ果てた帰路、占い師さんに声をかけられたんですよ。『あなたは今とても悩んでいることがあるでしょう』ってね。最初は疑いましたよ、腐っても和尚ですからね、占いなんて信じるわけないし、それで金稼いでる占い師とかロクなもんじゃない、社会の底辺だと思っていましたから。でもね、その人の言うことがあまりにも当たっていたんで、つい聞いてしまったんです。『人間関係も苦労している部分がある。』『自分自身について悩みを持っているわね。」」

『あなたは今、大きな試練に直面している。それを乗り越えればあなたの人生は大きく好転するだろう。』この三つのことを言われましてね。思わず納得してしまいましたよ。まあ、こんな感じで話をされて、気が付けば5000円札払ってましたね。」

「5000円!?」

 

こいつ....占いに俺の射精以上の金を払うなんて...でも、それだけ本気で変わろうとしたってことだよな。だから単純にバカだなんて言えない。一休の周りにそれをおかしいというヤツもいないのだから、なおさらだぜ。

 

「そしたら、御神水セミナーというのを紹介してもらって。それに参加したんですよ。そしたら、このツボを買ってくれと言われたんで買ったら、その場ですぐに飲めと言われて、言われるがままに飲み干しました。するとどうでしょう。身体中の細胞が活性化され、身体の中から力がみなぎってくるような感覚を覚えたのです。」

 

警戒心モロ出しで一休を睨んでいたもんだから、ふと目が合ってしまった。マズい!?って思ったけど、以外にも一休は更に調子アゲで話していく。

「その目、さては疑ってますね?大丈夫ですよ....そうだ!皆さんもセミナー体験に来ませんか。ちょうど、今日大きなイベントがあって、会員以外も参加できるそうです。」

「おおっ……!」

 

また話し始めた一休に安堵していると今度は突然マネージャーのテンションが変わり、マジでビビッた。

 

「ちなみに、入場料4000円」

「行きます!」

 

マネージャーは即答した。おい、行くのかよ!!はっきり言って怪しいっちゃ怪しいんだけど聞けば聞くほど世界姦教絡みの奴じゃなくてただのマルチみたいなニオイがする怪しさだから純粋にいきたくねー。このまま一休を説得しちゃえば済む話だと思ってたばかりにマネージャーの急変は痛かった。

「実は、このセミナーではビジネスも行えるんです。皆さんがもし気に入ってくれて、他の人に商品を紹介するとしましょう。するとその売り上げの何%かを私たちにくれる仕組みになっているのですよ。そして紹介した人が更に紹介していけば、どんどん報酬が増えていく、そんなシステムです。幸せの御裾分けをするだけでお金まで入るなんて、素晴らしいと思いませんか? それに、この壺があればもう安心です。邪悪なものを全て浄化してくれるので、世界が平和になります。」

「すごいですねー。佳也も行きませんか?」

「行く分けねぇじゃん!だってこれマル...」

 

携帯がなった。見ればマネージャーから言わざるのスタンプ。黙れってか。

 

「佳也君、夢はありますか?私の夢は、かわいい下僧にいじめられる事です。」

身を隠してる淫夢君が何か言ってくる様子もない。

「佳也も一緒に夢をかなえましょうよ。」

もうこうなったら正面から兜合わせで徹底的にやるしかないのか。

「あーウッスウッス。」

 

もう行くしかない。行ってインチキを証明し、一休とマネージャーを救うしかない。

 

「あ、でも警察服で来てしまうと、みんなびっくりしちゃうかもしれませんので、普通の服装にしてくださいね。」

「わかりました!」

「それでは、30分後にここへ」

 

一休は上機嫌な足取りで去っていった。

 

「マネージャー!マジで信じちゃってる感じっすか!?」

「いえ、本気であのセミナーを信仰してるわけではないです。ただ詳しく調べるためにはあの会に参加するほかないかなと」

また正面から潜入して捜査するなんておかしいんじゃないかと思ったけど、一休のことが頭をよぎった。出来る事なら、インチキな奴と正面からぶつかって、そいつらのやってることが悪いことだと証明し一休を救いたい。そう思ったからここは黙る。すると、淫夢くんがやってきて新たに文字を表示させた。

 

「任務更新。当該セミナーヘノ潜入。支援者団体ノ一ツノ可能性アリ。」

 

背筋が凍る。昨日の情景が再び湧き上がってマジで狂いそう。もう誰かが涙流して狂う姿も、死体も、見たくない。だから俺は、ヒーローとして最大限戦うのさ。

 

少しした後、拓也はスーツを着たサラリーマンの格好になっていた。これはオプションで着るコスプレの一つ、いまいち着心地がよくない。それに帽子を被っているから不自然になっちまったぜ。マネージャーは逆にいつものスーツ姿ではなく、ラフな感じ。ただ着慣れてなさそうな服で、俺から見た感じ上下の相性も悪い。何処かで適当に買ってきたのかなとガタイで分析。

 

「おや?珍しくまともな恰好ですね拓也、帽子を被っているのは不自然ですが」

「まぁ、気分でかぶってる感じっす」

「サラリーマンなのに?帽子被るって何?昔の人ですか?しかもニット帽」

「それよりマネージャーも私服なのはいいんすけどそのチョイスは何?色合い明らかに合ってないっす」

「.....どうだっていいじゃないですか、色合いなんて」

 

そういった後バツが悪そうな、ムッとした表情で黙って俺に背を向けた。図星なのか、俺に指摘されたのが癪だったのか、よくわからない。

しばらく待つと、一休が公園へやってきた。

 

「お待たせしました。それでは参りましょうか。」

「ウッス」

 

俺たちは一休へ連れられて、セミナー会場に向かう。場所は魔字狂居市内でも 1、2の高さがあるタワービル。人の出入りが多くて混雑していた。なんとか乗れたすし詰め状態のエレベーターは最上階へと向かっていく。だれも途中で降りないからマジ苦しい。

 

「綺麗なところですね。」

 

ただ、開催場所の最上階は高いラブホみたいな華美華美の装飾が多く施された場所でかなりいい!

俺たちは受付のようなものを済ませ、いよいよ中に入る。中は大学の講堂のような会場になっており、そこには既に数百人以上?数千人以下の参加者が集まっていた。身なりの整った人から全裸まで、老若男女カマナベ多くの人がいる。

マネージャーと緊張で全身が痙攣するオレは、後ろの席に着いて周囲の様子をみた。ざわざわしていて何も聞き取れない。

まもなく開会の時間となり、壇上に一人の女が立った。その瞬間会場が射精しきった後の余韻みたいな静けさに変貌。

 

「あれは……?」

「神の涙の生みの親である先生です」

 

ブランドものでガチガチに身を固めた、いかにも成金といった風貌の女。見た目だけ派手で見栄っ張りの一番嫌いなタイプの女。

 

「皆様、本日はよくお越しいただきました。これより、第28回『聖なる教えの集い』を始めさせていただきます。」

 

トイレにこもってイコうかなと思い背後を見ると、出入口の大きな扉に立つ、異常に上半身のガタイの良い俺みたいなガチムチ系イケメン男が鍵を閉めていた。どうして鍵を閉めるんだ?

 

「本日は神シリーズ商品紹介と併せて、皆さんの力で神様をこの場に降臨させてみせましょう。」

 

みんな真剣な表情に変わる。神を降臨させるってどういうことなんだろう?まだ本当にヤバイグループなのか、ただのカルトか判断が付かない。

 

「私たちは、お水を何よりも重んじています。水こそ崇め、奉る対象なのです。現代社会では水道水が飲めます。しかし、その水道水には微量の毒素が含まれていて、本来水に含まれているはずの神性を失ってしまっています。」

 

陰謀論交じりのふざけた話でネムネム、でも周りのみんなは、うんうんとうなづいている。こんな信憑性のかけらもない妄言を信じて飲み込むなんて馬鹿みたいだなぁ。

 

「この水に神性を呼び戻し、私たちのカラダを構成するお水を、常に聖なるものにしておけば、健康にも美容にもとても良いのです。」

 

俺にとっては、マジで聴いてられないくらいにネムネムな話なんだけど、この場にいる人にとっては希望ある話だから、なんとなく同情したくなる。真剣に信じるその姿勢は拓也も非常に見習いたい。俺は今センパイの「愛」がペットとしての愛であることに不満を持って、段々と信じることができなくなっているのだから。

 

「水に神性を戻すには、いろいろ方法があるのですが、今日はそのうちのひとつ、最も簡単な方法をご紹介したいと思います。」

 

そう言うと、先生はバッグから何かを取り出した。それは透明な瓶に入った白い粉と、注射器。ビックリして目が覚める。

 

「まさか、麻薬!?」

 

小声で俺に囁くマネージャー。これを見て周りの連中も不思議だといったような顔は見せるけれど、食って掛かる奴はいない。壇上の女は堂々と白い粉を吸って注射を静脈にずぶりと刺す。

 

「お手元に配布された資料を見てください。いまから祝辞を読み上げるので、皆さんも真似をして下さいね。」

 

薬で決まったのかギン目で周囲を見渡す女。俺はひどいデザインだったから全く読んでいなかった資料を開く。

 

『ふんぐるい むぐるうなふ ちくにー るるいえ うがふなぐる ふたぐん※繰り返し 』

 

真っ先に飛び込んできたこの文字に、俺は妙な胸騒ぎを抑えきれず痙攣し始めた。これはただの言葉の羅列じゃない。何かしら意味を含んで危ないやつだとガタイが俺に知らせてきた。

 

「なんですかこれ!?」

 

マネージャーもその言葉に動揺隠せず若干大きく喘いで俺に問いかける。

 

「ほら、始まるぞ」

 

一休含め周りの奴らは何も気にせず淡々と読み上げ始めた。この祝辞を読み上げようという気にはさっぱりならない。頭の隅に何かが引っ掛かって気持ち悪い。この文章の奇妙さ、似たようなのを以前聴いている。どこだ?どこで俺はこれを聞いた?

『ふんぐるい むぐるうなふ ちくにー るるいえ うがふなぐる ふたぐん』

 

最初まばらだったその不気味な言葉は、次第に大きくなっていく。会場のほぼ全員が、勤行のように唱えているその言葉は次第に揃って一つの声となる。これには、巨大な何かを引き寄せているようなパワーを感じる。俺はその中、ひたすらこれの既視感がどこから来ているのかを記憶のなかから必死に探す。浮かんでくるのは、プール付きのラブホ。

 

『ふんぐるい むぐるうなふ ちくにー るるいえ うがふなぐる ふたぐん』

 

「気持ち悪い……」

呪文を必死に唱える連中に囲まれる中、マネージャーはそう呟いて頭を抱え苦しそうな表情を浮かべた。

 

思い出した。昨日見た夢の、水没プレイ3回目の時、いや初めて会ってプレイしている最中にも、機嫌気分が悪くなったとき唱えていたあの言葉。気づいたときには会場のボルテージが最高潮に達していた。すると周りの人々に、変化が生じ始める。徐々に体毛が生えていき、その毛は夜の海みたいな紺色へと染まる。そして人の輪郭は崩れていき、もはやそれは、人間とは言えない。恐竜のような姿。

 

「あぁっ!」

 

マネージャーが椅子からひっくり返りながら叫ぶ。左隣の人は、完全に恐竜へと変化していた。しかし周囲を見れば人間の姿のまま何も変化のない人たちもいれば、顔だけ獣になっている人もいる。

 

「なんだこりゃあ!」

 

これは明らかに昨日戦った連中と同じもしくは関連団体と断定。震える体を抑え、カバンからシリンジを取り出し立ち上がる。奇怪な祝詞はもう止んでいた。その代わりに、彼らがパニック状態になって叫び声をあげまくり部屋の中走りまくりで収集つかない。

 

「ッチ。今回はずいぶん残ったわねぇ」

 

壇上の奴はけだるそうにマイクを手に持ったまま言う。ここからでもはっきりと奴の手が赤く変色しているのが見えた。さらにポケットから小さな袋を取り出し、手に何かを出した後、それを飲み込んだ。すると手の色が元に戻っていた。

 

「あー、気持ちいい......変化しなかった個体は、処分します。」

 

すると入り口にいたガチムチ系イケメン男が逃げようと扉を叩く人々を押しのけ、徐々に姿を変えていく。腕が翼になり、足は鋭いかぎ爪を持つでかい猛禽類のたくましい足へと変わる。

「あいつら....ここでみんなを殺す気か!!」

「.....そうみたいですね」

「マネージャー、一緒に戦ってくれますか?」

 

俺はマネージャーの方を見る。汗をかき、少し痙攣しつつも昨日のような狂気への落ちっぷりは見られない。マネージャーは何も言わず微笑みながら頷いた。大丈夫ってことだよな。セックスの合否確認以上に緊張したこの確認もマネージャーがシリンジを取り出すことで終わる。だったら、変身だ。

その時、突然足首をつかまれる。

 

「たすけ、たすけて佳也!」

「一休!!」

 

俺はしゃがみ込んで彼の体をまさぐる。一休の足には、細かく産毛のように青く柔らかい毛が生えていた。しかも徐々に皮膚が青く変色し、それは下半身だけじゃなくて全身に周りかけている。

 

「あ、足がッ!!いやだ!!お願いです!!助けてぇ!!死にたくない!!仏様助けて!もうお花を弁当に入れたりしないし!ションベンひっかけないから!」

「落ち着いてくれよ一休!俺が助ける。だからここで待ってくれ!」

「そんな!どこにもいかないでくださいよ!見捨てないでくださいよ!南佳也さん!」

 

このままでは彼は、恐竜に変化する。絶対見捨てるわけにはいかない。これを止めるためには、あの女を捕まえて薬を手に入れるか、何かほかの方法で元に戻すか。どっちにしろ一刻も早く動かなければならない。今にも入り口の化け物は人に襲い掛からんとばかりにじりじりと距離を詰めていく。

 

「ハリケーン!!」

 

「変身っ!!!」

 

そんな状況を見てられないとマネージャーが変身し飛び掛かっていった。俺もそれに続きたいけど、一休が足を話してくれない。

 

「....ねぇ、さっきから私を振りほどこうと足に力入れてますけどまさか私をおいて逃げる気ですか?絶対そうでしょう!でも、そうさせませんからね」

 

徐々にに一休の握力が強くなるのを感じる。きっと恐竜化が進んでいるんだ。

 

「一人で死ぬのは怖いです。寂しいから、隣でだれかが死んでほしい。そうすれば死後の世界も不安じゃない。だから傍にいてください」

 

「任務更新。当該エリアカラノ脱出。任務更新。」

 

その時窓を突き破って淫夢くんが現れた。この場から逃げろとまくし立ててくる。

 

圧倒的不利で、絶望的な状況であることは明らかだ。逃げるか諦めるか、この場にいる正常な奴らはきっとこの二択で考えている。

 

「そうだな一休、確かに一人で死ぬのは怖いぜ。俺もよく一人でイク時思う」

「そうですよね....じゃあ!」

「でも二人で死ぬのはもっと怖いな」

 

俺には力がある。この絶望的な状況から、ほぼウケとタチが完全に決まった状態から、ひっくり返せるだけの力が。

まだ救える命は、例えケツが裂けようとも救う。誰に非難されようが、命令無視になろうが、この力を手にしているのは、俺。好きに使ってやるぜ!

 

「だから、マンコを種マンにされた俺を信じろ!俺もお前も絶対助かる!だからその手を放して見ててくれ!」

「えっ....?」

 

急に握力が弱まった隙を見て一歩踏み出し、一休に背を向け、恐竜たちの奥にいる女を睨んで股間に力を込める。

 

「た、戦うんですか?逃げないで?」

「当然だぜ、俺はゲキエロのモロホスト系ヒーローだからな!」

 

シリンジのボタンをひび割れる勢いで押し、出てきた針を貫通するぐらいの速さで乳首に刺す。

 

「コンバスチョン!!」

「うぉおおおっす!!!変身!」

 

快感と激痛で全身が痙攣するオレは、溶岩を身にまとい、変身。全力疾走で真っ先に、俺は全力でオンナめがけて走った。

 

「南佳也、命令違反検知。報告」

 

後ろで淫夢くんがなんかブツブツ言ってるけど無視キメて走る。今の俺は世界一自分勝手で、芯が図太い男って感じだ。そんな拓也の目の前に恐竜の大群が立ちふさがる。

 

「あら…不作の中にとんだ “ 大当たり ”が混じっていたようね。フフフ、チクニーザウルス!やつをリフォームしてしまいなさい!」

 

数十体のチクニーザウルスが俺の乳首をリフォームしようとドリル回して突撃してくる。それを、ビルダー拓也は避けようとするが何匹か避けきれず、その鋭いドリルに乳首らへんが貫かれてしまった。

 

「ぅあーーっ!!」

 

乳首紛失の激痛に耐えながら、再び突進してきた奴らをパンチでなぎ払って、跳び蹴りを食らわせて吹っ飛ばした。でもとっても数が半端ないからきりがなくてマジヤバイ。それに元々人なわけだから前みたいに遠慮無しに殺せる相手でもない。しかし元に戻す方法は今のところ薬しかない。どうしよう。

 

「拓也!その数を相手にするのは無理です!本部の命令を聞いてください!」

 

ザウルスたちをいなしながら考えてたら、頭の中にマネージャーの声が響いた。後ろを見ると淫夢くんのサポートを受けながら鳥人二人を相手にしているマネージャーが見える。距離は近いようで遠い。どういうことなんだろう?

 

「私のこれを説明するのはあとです。まずは本部の命令に従ってください」

 

絶対に嫌ッス。

 

「このまま戦って勝ち目がありますか?」

 

勝ち目って戦いの中いつでも見つけられるものじゃないスか?ネコが最後逆転してタチを掘るビデオってよくありまっす。

 

「現実的に考えないんですか?」

 

.....マネージャー、現実ってそんな固定されてるものじゃないと思うんですよ。最近のこと思い出してください。ヤバイ力手に入れて、世界の危機だと知らされて、マジ狂いな教団と戦って、どれも今までの現実を覆すものばかりじゃないですか。この力のことだって、今話が出来てるのもいれて何も分かってないじゃないすか。

 

「...あなたって本当に私の言うことすんなり聞きませんよね」

 

俺、もっと理想目指せるはずなんすよ。ゲキエロのモロホスト系ヒーローになるっていう理想を目指せるはずなんすよ。なるべく手遅れにならないよう頑張るんで俺を信じて力貸してください。お願いします。

このザウルスどもは一人で何とかするんで、その化け物二匹を倒してください。

 

「わかりました.....できるかどうかわかりませんけど、やります」

 

しぶしぶマネージャーは了承した。こう宣言したからには理想目指して走るしかない。一休を含めこの場にいる多数の人を救う。この戦いのミッション。

数十頭のチクニーザウルスは自己修復能力を持ち、ちまちま攻撃しても倒れないしぶとい性質。どうすれば元に戻せるか...

 

「チクニーザウルス!お前たちの憎しみはそんなものか!世界に対する憎しみ恨みは!たかが化け物一匹倒せないのか!」

 

壇上でマイクを抱え叫び散らすウゼーオンナ。でも今の発言はヒントだ。こいつらは何かしらに対する恨みや憎しみをパワーにしている。この場にいる人の多くは一休の様に何かしらのことで不満を抱えてるから、凄く適しているのか。じゃあ完全に変位しなかった一休とこいつらの違いは何なんだろう?

 

そうだ、快感だ。

 

一休は自分で薬を開発するぐらいケツの開発に力を入れ、日々快感を得ていた。あのオンナも薬を飲んだ際、小さく痙攣し「気持ちいい」と言っていた。つまりあの薬は特別な物なんかじゃない。媚薬だ。そうに違いない。

 

「よし!わかったぜ!!」

 

俺は、マグマを上手くモーフィングさせ、一本の巨大なディルドを作り出した。これから俺は心をSにして、こいつらのケツをこれでガン掘りする。

 

「ケツ穴おっぴろげて受け入れやがれ!バーニング・フルムーン!!」

 

人肌のような程よい暖かさのマグマディルドが、ザウルスどものケツをほぐし、快感へと導いていく。

 

「うおっ!きもちいい!きもちぃよ~ん!」

 

チクニーザウルスは次々と射精し、その精液が俺の顔にビシャビシャと降り注ぐ。俺はそれを舌で舐めとりながら、ゆっくりオンナとの距離を縮めていく。射精したザウルスどもは力が抜けたような倒れ方をした後人間へと戻っていった。

そんな状況をみて、オンナはその場から逃げるべく背後にある非常階段へと入った。逃げすわけねぇだろ観念しやがれと思い全速力で俺も入って駆け下りる。すると女は別の階で柱にロープを巻き付け、飛び下りスパイダーマンみたいに路地裏へと着地した。俺も負けじと、同じ場所へ飛び込む。念願のスーパーヒーロー着地だぜ!膝の半月板がグキってなったけどね(笑)

 

「いい加減にしろ! もう逃げられないぜ!」

「しつこい男は嫌いなんだけど」

 

奴はそう言って、呪文を唱え始めた。何かが起こる前に俺はそいつの顔を思いっきりぶん殴る。力の制御はある程度行ったけど、やっぱ生身は弱いぜ!軽く5mぐらい吹っ飛んで行ってしまった。

当然オンナは意識がぶっ飛び倒れる。やったぜ!今回は誰も死んでないし悪い奴を捕まえることができたと思ったのも束の間。背後から銃撃を喰らった。

 

「うわっ!?なんだよ!?」

 

急いで振り返って見るとそこには、ギリシャ彫刻のようなガタイと目が釘付けになるほどのデカマラを持ち、黒に近い紫と銀色が特徴的な、見たことないけどヒーローらしき男がこっちに銃口を向けていた。

 

「よう、テレビで見たぜ。テメーがこの世界の怪人か」

 

 

こいつのガタイとちんこを見て俺は一瞬見惚れた。マグマの怪物みたいな今の俺以上に、その姿は昔テレビで見たヒーローの姿そのもの。だが見惚れている場合ではない。コイツは何者なのか、それがとても知りたかった。

 

「だ、だれなんだよ!」

 

この問いに、奴はゲキエロな男の臭気とキメションの香りを芳醇に漂わせながら、すらりと答えた。

 

「通りすがりの変態さ」

 

それと同時に、謎のヒーローは飛び出して俺との距離を一気に詰め攻撃を仕掛けてきた。

咄嵯にガードしたけど、強烈な一撃に吹き飛ばされ意識がぶっ飛びかける。その隙に奴は銀のカバーがついたケースから、カードを一枚取り出し、ベルトに突っ込んだ。

 

「カメンライド....デカマラ!!」

 

音声と共に、奴の姿が今と全く違うものに変わる。

 

「う、うぉーっす、すげぇ!!!」

 

昔みたヒーローのタイプチェンジのような変貌に、俺は心躍らせる。でもそんなことで喜んでいる場合ではない。

奴はオレに向かって走り出した。でも遅い!目で追える速度だ!余裕でカウンターを叩き込める!

快感で全身が痙攣するオレの顔面にパンチをぶち込んできた。すかさず俺は一気に野獣モードと化しアッパーカットを決める。

 

「驚いてもらえてうれしいぜ!」

 

よろけはしたもののアイツにはまだ軽口を叩く余裕がありそうだ。そのままカードをベルトに装填する。

「アタックライド....ストライクベント!!」

 

右手に触手を纏い、どこで学んだのか気になるレベルのむち打ち術で奴は俺をしばき始めた。俺も対抗し、マグマ触手で応戦する。ムチなら結構センパイからの指導も受けているしAVによく出てたとき使ってたから自身がある。

互いに触手の鞭で打たれ合い、激しい攻防が続く。

 

「ムチ使うとかいい趣味してるじゃねーか」

「おまえもな!」

 

このまましばきあってもあまり効果がないし、段々体がしびれてくるようになった。じゃあ近づいて寝技を掛け合い果てにがセックスバトルをしてしまおうと考えた俺はオレは触手で鎧を作り、体当たりを仕掛けるが、避けられてしまった。そのまま壁に激突する。

 

「接近戦がお望みか?付き合ってやるぜ!」

 

奴は再びカードを取り出し、装填。

 

「カメンライド....サーフ系ボディビルダー拓也!!」

 

えっ!?俺の名前じゃん!?どういうことだ?

立ち上がった俺はその呼び名に困惑しておどおどしてしまう。

 

「どうした?そんなチンポみたいに固まって?」

「ちょっ!ちょっと待てよ!なんだよそれ!」

 

一見昔風ヒーローに見えるその姿、しかし仮面からはみ出しているその茶髪は、俺そっくり。いやさっきから体格は俺と南佳也にそっくりだったけどなおさら近づいてきた。

 

「そっちが動かないのならこっちから行くぜ!」

 

奴は容赦なくパンチや蹴り、チンポアタックを繰り出し攻め立てる。俺はそれをなんとか避け、反撃のチャンスをゆっくり伺った。でもフォームが綺麗過ぎて、隙がない。

 

「この身体は俺の理想だぜ!お前の身体より数倍エロいだろ!」

「くっ!うるせぇよ!!」

確かに奴の姿は上半身も下半身も適切な筋肉量を持ってエロいラインがくっきりでている夢のような体だ。だからといって、ここで負けちゃいけない。このまま打ち合いで勝てないのなら、必殺技勝負だ。俺は思いっきり距離を取って、地面のコンクリートをドロドロに溶かし、足に取りこむことで力を貯めていく。

 

「おっ、蹴り技勝負か?じゃあ行くぜ!」

「ファイナルカメンライド.....サーフ系ボディビルダー拓也!!」

 

ヒーローと言えばやっぱけり技だよね。それは向こうも同じ認識な様子。

互いに別の方法で力をため、飛んだ。

 

「うおおおおっ!!!」

「ビルダーぁぁぁキィィィク!!!」

 

互いのキックがぶつかり合う。その瞬間衝撃波が発生し、周囲のビルのガラスが粉々に砕ける。勝負の結果は一瞬で決した。俺の負け、信じられないことに俺の熱がこもったキックはあの単純な飛び蹴りに威力で負けていた。強烈な痛みに耐えられず地面へ倒れこむ。

 

「ううっ……なんてパワーだ……どうなってんだ」

 

ハァハァ喘ぎ続ける拓也は起き上がれない。俺は負けるのか?ここまで何とか順調に進めてきたのに、マネージャーを説得し、一休と約束をし、本部の命令を無視して、色々背負った俺がわけのわからないまま負けちゃうのか?

 

「タフだな!だがこれで終わりだ!トドメを刺してやるぜ!」

 

奴は自分の股間を露出させた。や、やられる!!ケツ穴がひくついた。恐らく俺はこれからこの男に犯される。マズい!今侵されたらヒーローの拓也はたちまちセックスマシーンの拓也と化し、歯止めが聞かずにマジで狂う!そうなったらどうなる?上の階でマネージャーが負けるか淫夢君と共に逃げていたら誰も救えず昨日の二の舞になってしまう。ふざけんじゃねーよ。俺は昨日、誓ったんだ。ヒーローらしく死の危機から人を救うだけじゃなくて、心理的にも、その人の持つ苦しみを理解し、希望を持たせられるよう努力するって、そう誓ったばかりじゃん。俺は全ての人に安心とセックスを届ける。完璧なヒーローになりたいって。

 

「く、クソォ……」

 

でも現実は酷い。俺はまだまだ弱い。振り切れていない、普段の拓也を。奴は俺の肩をガッチリ掴んで寝バックの状態で俺のケツを犯そうとしたその時、風の刃がサーフ系ボディビルダー拓也を吹き飛ばした。

 

「ああっ!!」

 

急にマジでやばいくらいに気分が高揚しながら俺は背後を振り向く。マジで信じられない。でもこれは現実で、後ろにいるのは風のヒーロー、マネージャーだった。淫夢君と共にあの化け物二体を倒し、ここまでやってきてくれた。ここまで安心できるなんて、やっぱ仲間って大事だなと改めて思う。

 

「た、助かったぜ!」

「たくや!大丈夫ですか!?」

 

完全にセックスする気満々で隙だらけだったあいつは、風の刃がもろに直撃したからか、かなり遠くに吹き飛ばされていた。悔しいけど、このままの勢いで勝てる相手じゃなさそう。

 

「ありがとうマネージャー、ここは逃げるぞ!!」

 

倒れている女は淫夢君が回収、風の力で周囲に砂ぼこりを起こし、その内にビル内に入って一休を回収し公園の方に逃亡した。一休は意識を失っているが、完全に化け物へと変貌はしていない。マグマディルドはかなり負担がかかりそうなので薬を飲ませることで元へと戻した。

「任務完了、オ疲レ様デシタ。」

公園で一休が目覚めるまで一息付いている俺たちに淫夢君がそう宣言した。気のせいかもしれないけど、ロボットなのに、その様子はどこか不機嫌そうに見える。

結局のところ、犠牲者は出ず、一部の人々が軽傷を負ったぐらいで済んだ。あの主催は重要な証人なのですぐさま本部へと送られ、尋問が行われるらしい。

 

敵の規模とかよくわからないこと多いから、これで多くのことがわかってほしいなぁ。なんて思いながら一休の病室にある窓際で外に向かって乳首をいじっていると

 

「拓也!一休さんが.....」

 

キスする勢いで彼の顔を覗き込むと、ゆっくりと瞼を開き、目覚めた。

 

「あれ…私、どうしてここに.....?」

「気が付いたようですね。」

一休はゆっくりと起き上がり、気の抜けた表情で俺たちを見た。

「確かお二人を体験会に連れて行って…それから……ハッ!」

 

その後記憶をたどっていって、何があったかを思い出して、震え始めた。

 

「佳也さん、あの、俺はとんでもないことを……申し訳ございませんでした!!」

 

彼はベットの上で土下座をして謝る。

 

「もう終わったことだぜ、俺も一休も助かったんだから気にすんなよ!」

 

そうやってなだめても、彼は騙されたことが滅茶苦茶悔しいのか枕に頭を突っ込んで高速ピストン運動を虚空へ向けしばらく行った後、全身の力が抜けてその場にへたり込む。

 

「....あークソ!!あの水を飲んでも、生まれ変われるわけじゃなかったのか!新しい人生が始まると思ったのに.....なにも変われないのかなにも変わらないのか、結局陰湿で最低な男のままなんだな、俺って」

 

涙を流す一休。命が助かったのに、どうして素直に喜ばないんだろう。助かったのに悲観して涙を流す姿なんて、もう見たくない。結局体を救うだけじゃ、完全な解決に至らないのが問題って感じだなと、ガタイで分析。

 

「あのまま化け物になってしまったほうが良かったかもしれませんね、助かったことを素直に喜べないこんな俺なんかより、あの恐竜のほうが....」

 

「一休さん....」

 

でも完全に彼の心を癒すなんてできっこない、俺が知ってるのは体を使って人を癒す方法と、お客さんとセクフレとの間で積み上げたトーク術、ヒーローとしての心構えぐらいだ。でも、それだけで何とかなる気がするぜ。まず、センパイが俺に話しかけて心と体を開かせたときのように、思い切って、彼の心に踏み込むんだ。

 

「一休、あんなのに頼って自分を一気に変えるんじゃなくて、少しずつでいいんじゃないか?」

 

「....続けていける自信がないんです。良いほうに変わって行ってるかなんて、自分一人じゃわからないじゃないですか。今の俺には、家族も、友達も、誰もいません。」

 

「そっか。じゃあさ、ほら」

 

拓也は携帯を取り出して、俺個人の番号を彼に見せた。

 

「えっ!?」

「友達になろうぜ!」

「と、友達って!俺なんかと!」

「そんなこと言わずにさぁ!せっかく出会ったんだし、仲良くしようよ!あの薬の作り方とか教えてくれよ!」

「……でも、友達なんて....俺、話とかつまらないですし、何よりも性格が.....」

「いいじゃんか!俺は無限に話回せるし、セックスで分かり合えるさ!とにかく、なってみなきゃわかんないじゃん。そんなの」

 

一休はしばらく俺の顔をギン目で見つめて考えていた。そしていよいよ、ゆっくりと俺に手を差し伸べる。

 

「なんというか....その、助けてもらったんだし、断るのも気分が悪いんで、よろしくお願いします」

 

照れているのか顔を背けながらの手だった。恥じらいながらも俺に心開いてくれるのはマジ嬉しい。履いている種付け競パンに突っ込んでいた手を出し、がっしりと手を握った。

 

「おう!よろしくな!」

 

「退院したらメール送りますね!拓也さん!」

 

「えっ?」

 

ほほえみながらその様子を見ていたマネージャーが一瞬で困惑した。そして南佳也であるはずの俺を拓也と呼んだ一休は、気まずそうな表情でこう話す。

 

「いやぁ.....全く似てないからさ、一旦別れた後にちょっと調べちゃった」

 

夜、俺たちは警察署の地下ジムへ戻ってきた。周りにいる職員も、目の前にいるジムナスターシャも、みんな拓也に不満をもっているのか、ギン目でにらんでくる。

 

「報告しろ。」

 

彼女は無事に帰ってきた俺たちに対して労いの言葉とかそういうことを言わずに冷たい声色で俺にそうせかしてきた。とりあえず一通り何があったかを説明していく。

 

「信心深い人間を集めてのセミナー。興味深いな。」

言葉からは想像つかない程に無関心な表情と態度だった。まるで何かに失望しているのかなんなのかよく知らないけど、とにかくこれ以上コイツと話したくねーなと感じるぐらいに態度がキツい。

 

「ああ、胡散臭すぎて逆に怪しくないくらいだぜ。」

「それは意味がわかりませんね」

 

「.........」

 

俺がわざと冗談を言ってもこの場が和むことはなかった。まるでおふざけは一切受け入れないのがエチケットとばかりに冷たい雰囲気。

 

「支援者たちは無理やり仲間を増やそうとしているんだろう。カルト集団みたいにな。」

「ですが、人々を化け物に変異させているとは……」

 

俺も悩んだ。ふと、昨日の情報から気になる一節を抜き出す。

”神に関係する種族からのものがより純度が高く望ましい”

つまり人よりも、あの恐竜みたいなやつの方がいいというわけなのだろうか?何らかの儀式に。だとすれば、なおさら今日彼らを救えたことはいいことだと思い返せた。人一人一人に生活があり、人生があり、セックスがある。それを化け物に変えて消耗品にするなんて、絶対ゆるせない。

 

俺はふと、今日を思い返す中で、戦ったあいつのことを思い出す。謎のベルトとカードを使用し、姿をころころ変えて俺を圧倒した、通りすがりのアイツ。

 

「そういえば俺が戦ったあの謎の敵だけど、一体なんだったんだ?」

「まだ調査中だ。何もつかめていない。ああいったものが現れたのが今回が初めてだ。」

「あの時は本当に驚きましたよ。なんというか....心を覗いたときに思ったんですけど、拓也と似てるんですよね。デカマラを突き刺すだの、ウンコぶち込むだの」

「えっ?マジ?」

「はい、あと根本的に純粋な正義で戦っていたのも、似ていました」

 

 

マネージャーは微妙な表情で言った。あいつの強さは今までの変な奴らとは一線を画す。でも、不思議と不安にはならない。正義感で動いているっていうのと、もう一つ、ビルダー拓也の中に、妙な確信がある。あいつは、俺か南佳也なんじゃないかと。そうだとすれば、雄膣の穴から精液垂らした俺とあいつはきっと分かり合える。

 

「まあ、なんとかなるんじゃないかなぁ、次には誤解が解けて一緒に絡み合えるぐらいには仲良くなってるよ」

 

 

俺はランニングマシーンの上で胡坐をかき、ゆっくりと腰を前後に動かしながら、ぼんやりとした頭で答えた。

 

「さて、報告は以上か?」

 

ジムナスターシャはそんな俺に迫り、相変わらずの目で俺を見下ろした、いや、見下した。ぶっちゃけ俺もそのうぜー目線に腹が立っていたから、マシーンの上で寝転んで挑発するような目線を向ける。

 

「なんだよ」

 

「なぜ淫夢君の命令を無視してあの女を追った?命令はその場からの脱出だ。お前の行動は明らかにそれに反している。」

「........」

「どうして言うことが聞けない?二度目だ。お前が本当の部下なら首だ。上の命令はそれだけ絶対なんだぞ」

 

「確かに命令はそうだったなぁ。でも俺は化け物になりかかっていた皆を救いたかったんだ。」

「また正義の味方ごっこか?」

 

ジムナスターシャが俺の胸ぐらを掴んで持ち上げ壁にたたきつけた。でも、俺はもう彼女に対して恐怖心も、怒りもない。俺と彼女の正義は違って、どちらも譲ろうとはしない。だから、俺にできることは、ただ意地を張り、我慢することだけだ。

 

「何度も言わせるな、お前の行為は自己満足だ」

 

「確かにそうだ。でもそうしなきゃ、誰も救えなかった」

 

「彼らを救うのはお前の任務ではない。潜入して、あの女の顔さえ淫夢君が写してくれれば良かったんだ。変身する必要はなかった!ビルに私の部隊が張っていた。それで対処できたんだ!」

 

「それで皆助けられたのかよ。俺が射精させなきゃ戻らなかったんだぜ」

 

「......最初から変異した人を助けるつもりなどなかった。強引だが彼らを処理し、ビルに放火、そして不幸な事故として処理をする予定だった....」

 

それを聞いた瞬間、意識がぶっ飛びジムナスターシャともみ合いになっていた。それを淫夢君に止められ、気がつくと俺はマネージャーに抑えられていた。

 

「やめてください!」

 

「.....ふざけんじゃねーよ!こんなこと黙って聞いてられるか!何が人類を救うだよ!人殺しだ!もう許さねぇからな!」

 

「そうでもしなければいけないんだ拓也!この件は絶対に秘匿にしなければならない!お前たちが世間で何と呼ばれているか知ってるか!?淫魔だ。エッチな化け物呼ばわりだ。」

 

俺はそれを聞いて動きを止めた。確かに今の俺は世間に胸筋張って出れる存在ではない。恐れられているんだ。だからこのことは誰にも打ち明けられなかった。センパイを巻き込むのが怖かったんじゃない。恐れられることを心の奥底で恐れているからなんだ。その時、俺はそう実感した。

 

「だとしても俺は納得できねー」

 

「知るか、我々の目的は人々の日常を守ることだ。ここの隊員以外でこの件を完全に知るのはごく一部の人々だ。彼らのパニックを抑えるのにも散々苦労したんだぞ!表に出回ってみろ。世界が狂う。経済も、生活も、何もかも!今回と前回の件をうまくもみ消すのにどれだけ私たちが動いたか、一回考えろ。安易に行動するんじゃない」

 

「でもこの力に選ばれたのは激エロのモロホストな俺ですよ?この力でみんなを救うと決めたんだ。文句は言わせねぇ!俺は狂ってるからな!」

 

彼女は今の発言に怒りを募らせ、再び俺に飛び掛かろうとして来た。

 

「何がホスト系だ、貴様....!」

 

だが、淫夢君に止められ、にらみながらも感情を抑えつつ椅子に座る。

 

「鞭ろうそくフィスト窒息筋トレ拷問各種苦痛を伴うものをして俺の気持ちが変えられると思うのならやってくれ」

 

「……なら一つだけ言っておこうか」

 

背後にある部屋の扉が開いた。

 

「逃げるなよ。何があっても」

 

そう言い放ち。タバコをくわえ淫夢君に火をつけさせた。もう話すことはないとばかりに俺と目を合わせず資料を読み始める。

 

「……ウッス」

「....失礼しました」

 

俺たち2人は回れ右して部屋から出る。相変わらず冷たい雰囲気の空間から足早に立ち去った。

夜の街を、二人は歩く。街灯がビルダー性処理玩具になっていく拓也たちを照らす。

昨日今日といいジムナスターシャとはずっと揉める。おかげでマネージャーと帰るときはいつもその空気を引きずって無言になっちゃうからある意味たまんねー。本当は揉め事が嫌いだから何とか和解できないかな?筋トレの趣味は合いそうだし、彼女の正義も今日知ることが出来た。あの酷い作戦も進んでやってるわけではないはず。

揉むことはすきだよ。

そういえば今日、マネージャーに救われた。せめてそれの感謝を伝えないとな。相棒なのだから、関係を良く維持しないと。

「そういえばさ」

 

「はい」

 

「なんというか、その、ありがとう....あの場でマネージャーに助けられたのと、協力してくれて、本当に感謝だぜ」

 

するとマネージャーはそっけなく返す。

 

「別にいいんですよ。私にはあなたのような強情さがないので、あの場では私が折れるしかなかったんです。」

 

「本当にそれだけかよ? 実は快感で全身が痙攣するオレの正義にホレたんじゃねぇの?」

 

冗談めかして言ってみると、マネージャーは若干キツめに声を出して言い返してきた。

 

「バカなこと言わないでください!ずっとヒヤヒヤしてたんですよこっちは!」

 

「えっ?」

 

「人を助けることは....いいことだとは思っています。でもずっと、不安なんです。戦いの中で危機に陥ってる人を救うのって、怖いし考える暇もないじゃないですか。だから無理して.....それを続けるあなたは、いつかあっさり死ぬんじゃないかって」

「拓也が死ぬ?ちょっとしか考えたことないなぁ、でもいいじゃん、人が助かるのなら」

それを聞いてマネージャーは更に感情を高ぶらせて怒る。

「よくないですよ!そうなったら私一人でどう世界を救えばいいんですか!あなたのように強くない私が、どうやって....」

「十分強いじゃん。化け物2人倒して、あのくさい奴を出し抜いたんだぜ?」

「そういう強さじゃなくて!.....とにかく無理をしないでくださいね。さようなら」

さっきまで怒っていたはずのマネージャーが、いつも分かれているところに差し掛かると急に冷めて小走りで帰っていった。さようならを返す暇もない。あーあ、結局マネージャーとの関係も微妙になっちゃった。ヒーローには無理が付き物じゃないか、それに死ぬことが確実ってわけじゃないから深く考えなくたっていいじゃん。病気持ちとセックスしてうつるかどうかはわからないように、戦いの場で死ぬかどうかはわからない。だから俺は全力でできることをするんだ。

 

気分のよくない帰り道、ふと携帯を見ると着信履歴がたくさん積み重なっていた。

 

「センパイ?」

 

白昼俺に連絡を残していたのはセンパイ。ちょっと無視がすぎると思い俺はすぐに電話をかけなおす。急な電話にも関わらず、センパイは出てくれた。

 

「おう、拓也か。無事か?心配したぞ」

「すいません、心配かけてしまって....」

「今から会えるか?」

「今から!?」

 

若干焦りを感じる拓也の呼び出しに雄膣をデカマラで貫かれたような衝撃を受けるけど、幸せだからいいか(笑)普段なら全力疾走で駅のホームに向かう拓也だけど今日はへとへとだからタクシーを呼んだ。

センパイの家に到着、扉を叩く。「センパイ、拓也です」「おう、入れ」

中から声が聞こえ、中に入るとそこにはセンパイがいた。あと何故かレオも。

 

「よぉ拓也、久々だなぁ。会いたかったぜぇ?」

 

どうしてレオも来ているんだろうと戸惑う隙もなく、レオは全身が痙攣するオレの首根っこを掴み、ベッドに投げつける。

 

「オボォ!苦しい!」

「最近店に来ないけどよォ、どうしたんだよ?まさか辞めるとか言わねぇよなぁ?アァ!?」

「いや、その、忙しくて……」

「今のお前にそんな忙しさなんてあるわけないだろ?なあ?んなもんわかってんだよこっちはよぉ!」

「まてレオ、そんなに責め立てるな。」

 

レオは俺の股間を踏みつけ、グリグリと動かす。

 

「あっ、アン、ダメッス……イっちゃいます……!」

そのすきにセンパイが拓也のお帽子を奪いとった。変身した後脱げないように目線が若干隠れるぐらい被っていた帽子、あっさり取られ、拓也の白化した髪がだらりと出る。

 

「お前.....」

 

ドン引きしたレオが俺から離れた。

 

「....レオを呼んだのは最近お前が店で何しているかを聞くためだったんだが....お前は店に出勤していないらしいなぁ?」

「お前だけじゃなくてマネージャーもだ。なあ、どういうことだ?答えろ!」

「拓也、お前何をしてるんだ?」

 

センパイは俺の体をじらすように触りながら質問する。

 

「それは……言えないっス……」

「二人でなにやってんだ!さっさと話せオラ!お前らだけで独立しようったってそうはいかねーぞ!!」

「まあまあ落ち着け、レオ。いくら佐藤さんがいてもコイツに独立できるほどの魅力はない」

「落ち着いてられっか!こいつがいなくなっちまったら寂しいし稼ぎが減る!それにマネージャーもなら店がヤバいぞ!」

「拓也、何かあったのか?」

「いえ、何も無いっス。ただ単にしたいことをしてるだけっす」

言えるはずがない。今の俺は何も言えない。怖い。白髪を見た二人の若干の恐れを感じるあの反応。全てを知って正気でいられる、今まで通りが維持できる保証なんてない。今の俺から見れば、この2人はただの庇護対象だ。話すだけ無駄。何なら全てが終わるまで合わないほうがお互いのためだろう。

「拓也、俺は心配なんだ。急に髪が白くなったり、セックス中に寝たり、明らかに様子がおかしい。一体何があったんだ?」

「なんでもないっす!大丈夫っす!ほら、二人に迷惑かけるようなことは何も無いから!」

「……本当に?」

「そうっす!心配しないでください!もうこの話は終わり!さっ、ヤリましょう!」

 

俺は二人のズボンを下す途中で、意識が飛んだ。飛んだというより、沈んだ。眠気だ、睡眠薬を多量に盛られた時のような眠気が急に俺を襲ってきた。

 

「拓也?」……返事をしないと!「ウ.....」

 

俺は眠ってしまった。昨日から察してたんだけど、これもまた、俺の体に起きる異常なのかもしれない。

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