※この作品はR-18です。

生かさず殺さずのクリスマスの日に、傀逅   作:A00913

4 / 6
第四章 公立ケツの穴幼稚園

最近、オレは良く夢を見る。

 

その夢は、いつも決まって昔の夢。

それも腐女子のお姉さんにヒーローになるため散々しごかれた幼き日々、てな感じで、滅茶苦茶不思議に思っていた。

 

「拓也君、もっと強くして」

サンドバッグの裏から、白銀の仮面をかぶった腐女子のお姉さんがささやいた。

 

「ウッス!」

ビルダー性処理玩具になっていく拓也は言われるままに、腰の動きを速める。

どうしていつも仮面をかぶるのかは謎だ。

 

「ウホッ!ウッホホ、ウッホウッホウッホーー!!」

拓也はゴリラの真似をして雄叫びを上げると、射精した。

大量に出された精液が、生暖かく辺りに広がっていく。

 

俺は意識をぶっ飛ばしながら、今までの彼女の姿を思い出す。

出会った時、部屋でヒーロー番組を見ている時、人助けをしている時、橋から落とされた時、そして今。

どんな時も彼女はウルトラマンの仮面をかぶっていた。

急に疑問に思ったオレは、覗き込む彼女の顔を、起き上がりもせずギン目で見続けてしまっていた。

 

「ねえ、どうしたの?私なにか変?」

彼女は少し不安げな様子で尋ねた。

このまま何でもないと言い返して飲み込んじゃうのは簡単だけど、せっかくだし、思い切って言ってみた。

 

「なぁ、何であんたはいつもウルトラマンの仮面をかぶってるんだ?」

仮面があるせいで、彼女の表情や仕草が分かりにくく、少し不安になるし、見ているだけで息わ苦しいし、前が見えなさそうだ。

 

「だって、素敵でしょ?ほら、秘密を隠してくれるし、表情を隠してくれるし....仮面があるからこそ、私は皆の前でヒーローになれてるんだよ。」

彼女は笑いながら言った。

なるほど、確かにその通りだな。

仮面は彼女の貞操を守る種付競パンであり、ヒーローであるための秘訣なのだろう。

感情を見せないからこそ、敵に恐怖を与え、弱みを見せないからこそ、自分は強いと思わせられる。

でも、それでいいのだろうか。

俺は疑問に思った。

 

「でもさ...顔が見えないってのも、何か寂しくないか?確かにあんたは強い。

でもそれしかわからねー。

だから人との間に壁ができてんだよね。」

「うーん、そうかな?」

彼女の表情は仮面に隠れて見えない。

快感で全身が痙攣するオレはもっと彼女の素顔が見たかった。

 

「オレ、思うんだ……仮面被ったヒーローは救われるのかなって。

いくら人々を助けても、誰からもヒーローとしての自分しか見られなかったら、ひとりぼっちになりそうだぜ。」

「なるほどね……」

彼女は少し考え込んだ後、こう言った。

 

「私はそれでも良いと思うな。

みんなの幸せを守ることができるなら、私はそれだけで十分幸せだよ。」

そう言われて、オレはなんだか腹が立ってきた。

噓つき。

ヒーローだって大抵人間だ、そうじゃなくても感情はあるはず。

苦しい、寂しい、虚しい、そう思うことだってあるはずだ。

ヒーローってのは自分自身よりも他人を助けるべきなのかもしれないけど、自分も幸せにならなきゃないけないんだよ!

「それじゃダメなんだ!」

だから、オレは必死に訴えた。

起き上がって、彼女のお面に張り付くぐらい近づいて、訴えた。

 

「理想を中途半端に追っかけてんじゃねーよ!どうせ全ての人を救うなんて言うきれいごとを願うのなら、自分含めて本当に全てを救いに行くべきだろ!」

そう言われて彼女は少し困惑しているようにみえた。

でも、その仮面に覆われた表情からは何を考えているのかがやっぱり読み取れない。

 

「私は、カッコよくなりたいだけ。

ピンチの時に駆けつけて、ポーズ決めて、正義をアピールして……強くあり続ける孤高のヒーロー。

誰かを助けられたらそれでいいの、自分自身の幸せなんて求めてないさ。」

「ウソだ。」

オレは断言した。

腐女子のお姉さんがこんなカッコ悪いヤツな訳がない。

理想は所詮叶わないものだなんて切り捨てるような人じゃない、ひたすら、噓であることを願った。

 

「噓じゃない。結局理想は理想だから。いくら願っても、現実にはならない。私は大人だから、ちゃんと分かってるの。」

彼女はそう言って笑った。

だが、その笑いは今までと違って妙に空虚なものだった。

その諦めを感じる笑いは聞いててただただ気分が落ち込む。

 

「拓也君はそのままでいれるといいね」

そういいながら彼女はどこかへと去っていった。

 

「ウッホ!ウッホ!」

淫獣拓也はゴリラのモノマネをして雄叫びを上げながら目を覚ました。

 

ここは、いったいどこだろう? そう考えながらベッドから起き上がると、自分が素っ裸であることに気付く。

そして、昨夜の出来事を思い出す……。

そうだ!思い出したぞ!雄膣の穴から精液垂らした俺は昨日、センパイとレオの目の前でズボンおろしながらぶっ飛んだんだ。

しかも、この状況から察するに、救急車を呼ばれて病院に運ばれたっぽいな。

今日も何かしらの任務があるはずだからここにはいられない。

ガタイの不調は怖いけど、俺は部屋から出て、警察署へと向かう。

 

駅前の電光パネルには、昨日起きた事件のニュースが映されていた。

 

「続いてのニュースです。

昨日、デカマラ星タワー 50 階にて淫魔や未確認生命体による襲撃事件が発生しました。

この日は企業のセミナーが行われており、参加者はおよそ350人ほどいた模様です。

重軽傷者200名以上、幸いにも死者は出ませんでした。

生存者に事情確認中ですが支離滅裂な発言が目立っており、詳しいことはまだ分かっておりません。

また、近くの路地裏にて、淫魔と変身ヒーローのような人物が交戦した目撃証言がありました」

お尻の穴にモザイクがかかった生存者のインタビュー映像が映る。

 

「わ、私は見たんですよ!!ぱっと見女性らしきOLと、南佳也ににた人物が淫魔に変身する姿を!!そのあと、淫魔は怪物を倒して、私たちを助けたんです!信じられないかもしれませんが、本当なんです!!」

この証言を支離滅裂な発言と呼ばれるのは残念だけど、とにかく死者が出なくてよかったなと、敏感な拓也はほっと胸をなでおろしていた。

警察署へ向かう前にとりあえずコンビニでトイレを借りる。

 

朝の新鮮な空気を吸いながらするウンコはなかなか気持ちいい。

出した後は軽く拭いて便器の中にある便をチェック。

便秘気味の拓也にとって、毎朝のチェックは結構大事だったりする。

 

一瞬、信じられない物が見えたような気がして目を凝らす。

気のせいか? いや、違う。たしかに便は真っ赤な何かと緑色が入り混じったかのような色。異常な色だ。

拓也は不安になって、トイレットペーパーで便を救い上げた。

恐る恐るペーパーの中を開けてみるが、やっぱり異常な色であることは明らか。

俺はトイレから逃げ出すように出ていき、とりあえず朝食として菓子パンを購入。

急いで警察署へと向かう。

走りながら食おうと菓子パンを口に入れたその時、物凄い吐き気が拓也を襲う。

真っ赤な血の味が口内に広がりまくり鼻腔を刺激しまくりでマジ吐きそうだぜ。

口を押さえながら慌ててパンを飲み込む。

ウンコと精子としょんべんの味に慣れることはできても、血の味だけはなぜか苦しい拓也にとって地獄。

胃の中の物が逆流してきそうだぜ。

 

「ゲホッ、うぇっ」

思わず嗚咽を漏らす。

どうしてこんなに体の不調が連続してくるんだろう?拓也は疑問に思いながらも、とりあえず警察署へ急ぐ。

むかうといつものようにいる淫夢くんとマネージャー。

 

「お、お待たせしました……」「おはようござ....あれ?どうしたんですかその髪?」

息苦しさでハァハァ喘いでいると、マネージャーから髪のことを指摘された。

しまった!帽子をかぶって白髪を隠そうとしたのに、忘れてそのまま来ちゃった。

 

「あ、いや……その……」

拓也が口ごもっているとマネージャーはまじまじと俺の顔を覗き込みながらこう答えた。

 

「なんか顔色悪くないですか?大丈夫?」

「え、そ……そう?」

そう心配するマネージャーの顔も、昨日以上に目のクマがひどく、顔色も悪そうに見える。

まるでこの数日間ずっと起きているかのよう。

 

「でもそういうマネージャーも顔色悪いぜ」

「……ちょっと最近寝付けなくて」

拓也は心配になった。

二人とも体調不良じゃ任務に支障が出そうでやばい。

そうドキドキしていると、淫夢君が俺たちに向けて発言する。

 

「南佳也、マネージャー、集合確認。」

そのまま今日の任務も発表した。

今日出張されるのは「私立ケツの穴幼稚園」幼稚園の催しの一つに「幼児プレイ」がある。あっ、これは関係ないらしい。

「おしごと紹介」というコーナーが園児たちには人気らしく、そこに出演するようだ。

子どもたちの質問に答えたり、一緒に遊んだりする内容らしく、今月は「おまわりさん」がテーマなんだけど、本職の警察官は市内を巡る『悪霊化症候群』の対応で忙しい!そこで、調査の任務を外され、ジムナスターシャに干された俺達にお鉢が回ってきたというわけ。

一刻も争うこの状況でこれはいくらなんでもあんまりだとは思うけど、仕方のないことだと納得させた。

 

「アッ、チナミニ南佳也ガソノママ幼児ノ前ニ出ルト皆怖ガルノト思ウデ、コチラヲ着テクダサイ」

淫夢君が持ってきたのは、魔字狂居市署マスコットキャラクター、「マッチョマン・カイドー」と「マッスルレディ」の衣装。

 

「これを着るんですか?」

「ハイ、コレハ市役所カラ提供サレタモノデス」

「ど、どっちを着ましょうか?私としては、やっぱり拓也にはマッチョマンが似合うと思いますけど」

マッチョマンが男性ホモ警官、マッスルレディがオカマという設定らしい。

 

「じゃあ、俺はこっちにしようかな」

俺は迷わずマッスルレディーを選択した。

正直に言うと、俺は女装するのが好きだ。

 

「えっ?」

マネージャーは俺の選択に困惑しながらマッチョマンの衣装を手に取る。

マッチョじゃないからキツイだろう。

でも譲る気は全くない。

 

「そこまでして女装したいんですか?いくらなんでもこれはちょっと・・・。」

「俺は女の格好をするのが大好きなんだよ。

今まで隠してたんだけどさ、やっぱ女みたく綺麗に着飾るのが憧れなんだよね。

だからビルダー性処理玩具になっていくこっちがいい」

「でも、純粋に気持ち悪いですよ」

マネージャーの罵倒にちょっとズキっとした。

確かにそういわれるかもと思ってオレは今まで隠してた。

だけどやっぱり拓也は女装したい!だってそうだろ?かわいいキャラになって皆からちやほやされたいというのはどんな男でも少し持っているはずだから。

 

「ま……まあ、とにかく早く着替えようぜ!」

オレは衣装を着ながらそう言った。

 

「そうですね……」

マネージャーは渋々と言った感じでマッチョマンに変身。

今のジョジョの作者がマッチョマン・カイドーを書いたらこんな感じになりそうだと思う姿になった。

 

「デハ、出発シマショウ!」

淫夢君が手配した車に乗り込み、目的地へと向かう。

幼稚園に到着して、裏口からこっそり入って園長室へと通される。

 

園長は色黒のマッチョ系ボディビルダーだった。

 

「よく来てくれたな!私は私立ケツの穴幼稚園の園長さ!よろしく頼む!」

「園長先生、よろしくお願いいたします」

「俺は南佳也です!よろしくお願いします!」

園長先生は俺たちに自己紹介をする。

見た感じ、体育会系で俺と同じくらいデカいガタイをしている。

 

「おう!よろしくな!後ろのドローンは何だ?」

「ワタシハ、自立型警察官補助ドローンデス。」

「ほ~、初めて見たな。

興味深い」

園長先生が淫夢くんの頭を触ってみるが何も反応はせず、目をチカチカさせているだけ。

なんだか嫌そうにみえる。

 

そのまま園長先生は俺たちを案内する。

一般的な控室に案内された俺たちは着ぐるみを着用。

着ぐるみは一般的なラバースーツ。

そして頭部は警察官の帽子を被ることになるが、この帽子には小型カメラが搭載されており、リアルタイムで撮影される仕組みだ。

さらに肛門には小型カメラが挿入されており、これらの映像は本部に転送されるようになっている。

 

ケツにカメラを挿入していると、園長先生は一人の女性をここへと連れてきた。

 

「はぁ....なんですか」

その女性は幼稚園の先生といったような見た目だが、ここにふさわしくないような、けだるげな雰囲気が漂う。

 

「彼女は今日2人が担当する組の担任の…。」

「美咲です。」

「そう!美咲だ。後の打ち合わせはお願い任せていいかい?」

「はい……分かりました。」

「よしっ!それじゃ後は任せた!」

園長はそう言うとブロッコリーをかじりながら部屋を出て行った。

美咲は俺たちの前の椅子に座り、眠そうにしながら打ち合わせを始めた。

こっちもネムネムでしらけそうだからやめてほしい。

 

「はい、では簡単に打ち合わせしましょう。

まずは……私が教室に入り、今日のゲストがあなたたちであることを告げます。

ホモ組みんなで「ウホ!ウホウホ!」と言いますので、そしたら入ってきて下さい。」

「なんで私たちを呼ぶ声がウホウホなんですか?」

「いいからいいから。

入ってきた後は……素朴な質問に答えてあげてください。」

「ウッス!じゃあ俺は逆に、みんなの性癖を聞こうかな。」

「やめてください....!」

ちょっとした冗談のつもりだったが、彼女の気だるけそうな表情が、一瞬にして怒りに満ちた顔に変わった。

立ち上がって俺に掴みかかってきそうな勢いの熱量。

 

「そんなこと聞いてどうするんですか!やめてください...!わかりましたか!?」

彼女は、その大きな目を開いて俺を睨みつける。

 

「すいません……」

俺は慌てて謝った。

なんかあれだな、嫌なところつつくと急に怒り出す、ちょっとメンヘラっぽい女だな。

こんなんで幼稚園教諭が務まるのか?彼女は少し不機嫌そうだったが、俺が素直に謝ったからかすぐにさっきの冷めた態度へと戻った。

 

「....あと、みんな力が有り余ってるから、注意してね。

とくにそのロボット」

「ハイ。」

ドローンは、まるでダッチワイフのように宙に浮かびながら、彼女の言葉に対して従順な返事を返した。

 

その後俺たちは美咲に連れられ、ホモ組がいるという教室の前に行く。

 

教室を除くと、中にはたくさんのジャニ系少年がいた。

 

「うっほ!イケメンぞろいだな!」

「静かにしてください。」

「じゃあ、ここで待っててね」

美咲は教室の中に入って行き、少年少女たちに対し楽しげに話しかける。

 

「はーいみんなお待たせー!今日のおしごと紹介は『おまわりさん』だよ~!」

彼女は俺達と接してる時と別人のように、活き活きと園児たちに接していた。

彼女の言葉を受けた園児たちは、ヒートアップ。

歓声を飛ばす。

 

「やったーおまわりさん!」「マッチョマンのお兄ちゃんも来るの?」「僕ウンコしたい!」

かなり騒がしい様子が、廊下にいる俺達のところまで聞こえてきた。

子供たちの期待値が高まると同時に、俺の緊張もハチャメチャに高まってくる。

ウリでお客さんに会う時以上に跳ねる心臓。

痙攣するガタイ。

グチョグチョのケツマン。

 

「みんなでせーのでウホ!ウホウホ!って呼ぼうか。

行くよ、せーのっ」

「「「「「ウホ!ウホウホ!!!」」」」

その掛け声と共に、頭皮の穴から汗垂らした俺はドアを開けて教室に入った。

それと同時に激烈にコーフンした子どもたちが波のように押し寄せて、俺たちの身体に抱きついて来た。

 

「おにいちゃんだっこー!」「うっふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅー!おにいちゃんきたよー!」「おにいさまああー!」「おれのケツ穴なめてくれよぉ!」

淫獣拓也は子供に囲まれて身動きが取れなくなってしまった。

それどころかあちらこちらから引っ張られたり押されたりして倒れるんじゃないかと心配になる。

「わぁぁあ~マッスルレディーだ~!」なんか異様に力の強い奴が一人いて、拓也の平衡感覚は下半身の筋力不足が原因で崩れてしまった。

 

「ぐへっ!」

「ねえどっから来たの?ねえどっから来たの?」「ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ」

怖い怖い。まじで怖い。若さのエネルギーが、拓也のガタイにぶち当たってる。マネージャーの方も、似たような状況になっている。冷静に対処しているが、さすがにちょっと困っているようだ。

 

「それよりサッカーやろうよ。ねえ。サッカー。マッチョマンもやるよね?」

突然腕を引っ張られて、無理やりグラウンドに連れて行こうとする少年の力の強さに驚いている様子。

 

「そ、そんなあ……さ、サッカーですか!?」

「うん。」

二人ともマジでしんどいんだけど、一番きつそうなのは淫夢君だ。

多分10人以上?20人以下の子供に迫られて、もみくちゃにされてた。

 

「え ー?! な に こ の ロ ボ!!か わ い い!!!」

「触ラナイデクダサイ。触ラナイデクダサイ。」

いつもはあんなに冷徹でジムナスターシャ同様厳しい淫夢君も子供の前では無力だから面白れぇ。みんな騒ぎまくりはしゃぎまくりで教室中には歓喜と笑い声、元気に走り回る足音、筋肉がぶつかりあう音が響き渡る。

耳はうるせーっていうけど、心はそんな感情より、嬉しいっていう気持ちの方が強かった。不思議な感じがする。

 

「ほら!みんなストップ。

遊びたい気持ちはわかるけど、マッチョマン・カイドーとマッスルレディ困ってるよ。」

そう美咲がいうと、ようやく園児の波は引いていった。しかしまだ名残惜しそうにギン目で見てくるもんだから、俺は思わずケツマンコが疼いた。

 

マネージャー、淫夢くんは息苦しさから開放されホッとしている様子。

 

「そうしたらみんな順番に質問しましょうね。

はい、じゃあ質問ある人ー?」

「はいっ!」と元気よく手を挙げる少年。

幼稚園児とは思えないほどの筋肉を持つ彼は、拓也から平衡感覚を奪った子である。

 

「はい、じゃあたかゆきくん」

たかゆきくんは、俺に指差してこう質問した。

 

「おまわりさんってよお、普段おしごと何してるんだあ?」

「えっ……」

その言葉に、一瞬ハァハァ喘ぎ続ける拓也はドキッとして、思わず胸と股間をまさぐりだす。

普段のお巡りさんなんて知らないから、なんて答えたらいいのかわかんなねえ……。

 

そんな拓也を見て、美咲は俺の足をグリッと踏みつけた。

すったもんだしているうちにマッチョマンカイドーことマネージャーが答える。

 

「お巡りさんはね!悪いことをした人を逮捕したり、街の安全を守ったりするんだよ!あとは事故が起きたら現場に駆けつけたり、迷子の子供を探したりね。

意外と事件がない時でも、町中パトロールしてたりするんだぞ!」

マネージャーは必死にマッチョマンカイドーを演じようと張り切って喋る。

園児たちはいまいち声の感じに納得がいかないようだったが、とりあえず納得してくれたようだ。

 

「へぇー!おまわりさんってたいへんなんだなー!ありがとう!わかったー!」

そういうと、たかゆきは席に着いた。

 

次は別の子が当てられる。

その子は女の子かカマホモっぽい印象の子だ。

 

「はい、じゃあゆっこちゃん」

「はぁーい♡マッチョマンカイドーとマッスルレディはぁ、付き合ってるんですか?」

今時の園児ってこんなませた質問するのかよ、拓也はびっくり仰天。

どう答えればいいんだよこれ。

 

「えっと……」

マネージャーも戸惑っている。

だんだんと焦りが雄膣に積もった状態になっていく拓也は助け舟を出すことにした。

 

「それはないわよ!だってあたしこいつみたいなマッチョ系なんて興味ないし!あーんもう!ムカツクぅー!」

「あ……そうなんだ……ごめんなさい……」

ゆっこちゃんは、申し訳なさそうに頭を下げた。

泣く3歩手前までいったっぽい。

明らかに元気がなさそうだ。

 

やっべぇ、この子の夢を壊すようなこと言ってしまったのかな?罪悪感が湧いてきちゃったぜ。

その様子を見て、美咲は俺に近寄ってきて耳打ちした。

 

「次こんな顔させたら承知しないからな」

俺は美咲と目を合わせて、無言でうなずいた。

彼女の目はマジだ。

たぶん園児が泣くようなことがあれば、拓也は大変なことになってしまうだろう。

 

「あ……そうだ、ぼくとムキムキポーズをしようよ!」

気を遣ったマネージャーはゆっこちゃんに向けて自分のマッスルポーズを見せる。

だが筋肉が足りなかったので、ただ変なポーズしただけに見えてしまった。

 

「あ……ありがとう」

子供ってこの歳でも気遣いの笑顔を見せられるんだなと、拓也は日本の未来に希望を見出した。

将来彼らとするセックスは、拓也の快感と興奮を爆発させ、ケツマンがヌルッヌチョになるだろう。

 

「はい、そしたら次の人ー!」

また違う園児が手を挙げる。

 

「はあい、じゃあユウタくん」

するとその男の子は勢い良く立ち上がる。

瞳はメラメラと燃えているように見えて、園児たちの中で一番活気に満ち溢れていた。

 

「はい!正義ってなんだとおもいますか!?」

情熱的で、真剣な眼差しで、真っ直ぐマネージャーを見ていた。

その目は、非常に純粋で、幼く、エロかったから、マネージャーはただただ困っていた。

 

「正義……。

」

マネージャーは考え込んだ。

俺が察するに、マネージャーの正義はまだ固まっていない。

俺のように強くないといったのも、今思えば心の話。

自分はヒーローになってどうしたいか、どうするべきか、まだ分かっていない。

俺が答えるべきなんじゃないかと目線で訴えるが、マネージャーは反応しない。

美咲の苦笑いにも反応せず、いくらか時間が立ってから、ゆっくり顔をあげると、答え始めた。

 

「正義というのは、はっきり言うと....わかりません。

人それぞれにあると思います。

でも一つ言えることは、自分が正しいと思うことが、本当の意味で正しいんだと私は思います。

だから自分の信じた道を突き進むといいでしょう。

」

「うーん……。

なんかむずかしいなあ」

「今は難しく考えなくても大丈夫ですよ。

私もまだわかってないんですから。

」

「そうなの?ヒーローなのに?」

そう言われてマネージャーはハッとした。

完全に正義のホモ警官っていう設定を忘れて自分自身の言葉で喋ってるから園児たちの目はキョトンとしている。

しばらく沈黙が続いていたが、それを破るように急にマネージャーが叫ぶ。

 

「正義とは!」

その声の大きさに園児たちは驚き、ソワソワしていたのがピタッと止まる。

マネージャーは臆することなく続けた。

 

「それは筋肉と愛だ!!」

そう言ってポージングを決める。

すると園児たちはポカンとしていたが、徐々に顔がニヤけ始め、そして全員が腹を抱えて笑い出した。

 

「アハハハハハハ!!なにそれー!」

なんとか渾身のギャグで場を切り抜け、美咲も思わず「おおっ」と感嘆の声をあげていた。

 

その後も俺たちは様々な質問に答えていく。

園児たちの好奇心は非常に高くて、「マッチョマンはどうやって鍛えてるの?」とか「なんで筋肉が好きなの?」だとか、果てには「マッチョマンカイドーってバイなの?」などという質問まで飛び出した。

 

時間は過ぎ、おひるごはんを皆で食べ、一旦校長室へと戻る。

今日は時間がたつのが遅いな、なんて思いながら俺とマネージャーは、ぐったりとソファーに座る。

ウルトラマンのマスクをつけてプレイした時もそうだけど、やっぱ息苦しい!

「いやぁ疲れましたね。

さすがに」

「ああ、まさかあんなに質問攻めされるとはなぁ。

でもまぁ、楽しかったなぁ」

そうけだるげなやり取りをしていると、園長が部屋に入ってきた。

偉い人が来た時は立ち上がって応対するのが礼儀って聞いたけど、チンポしか立たない。

 

「おつかれ二人とも!昼からは本格的に遊んでもらうからな!」

「おっ、マジっすか!よっしゃー!」

俺はガッツポーズをした。

元気な子供たちと遊べるなんて、なんだかんだ最高だぜ!今の話でチンポだけじゃなくて、全身が勃起していた。

 

「さっきまでぐったりしてたのが嘘みたいですね」

「やっぱ元気な子供と遊ぶとか最高じゃん!」

「そうですか」

マネージャーは苦笑いした。

見ているとクマやさっきの着替えで見つけた痣が気になって、心配になってくる。

でもこんな時に聞くわけにもいかない。

話を変えようと、俺は話題を考える。

頭に浮かんだのはあの美咲先生のことだった。

俺たちに接する時と園児たちに接している時の美咲先生の表情のギャップが、結構印象に残っていたからね。

 

「そういえば美咲先生って結構先生らしかったなぁ。

意外としっかりしてたっていうか」

「そうですね。

私も驚きましたよ。

てっきりもっとこう、塩対応な感じなのかと思っていましたが。

案外普通な感じで接してたので。

」

そうほめると、園長はそのいかつい腕を組んで、何か懐かしむように言った。

 

「そりゃあ、彼女は...ここで育った最初の一人だからな。

」

「え、そうなんですか?」

「ああ、俺のジム経営が失敗して、借金取りから逃げ回ってた時、彼女と出会ったんだ。

その時はまだ小学生だったけどな。

あの子はな、どんな大人よりもずっと強いし、園児たちのために一生懸命なんだ。

」

「へぇ……そうだったんですか……」

彼女の過去に何があったのか気になってくる。

あの冷たさは一体何なのか。

園児たちに対する優しさはどこから来たものなのか。

すると、美咲がドアを開けて入ってくる。

 

「そろそろ休憩時間がおわるんで、皆さん準備してください。

」

相変わらず俺たちの前だと厳しいオンナだ。

さっきまで園児たちと接していた人物とは思えない。

 

「では、行きましょうか」

「ウッス!」

こうして、俺たちは園児たちと外に出た。

 

「はーい!それじゃあ皆、マッチョマンカイドーとマッスルレディと一緒に遊ぼう!」

「おお」「うぉー!」「鬼ごっこだ!ゴブー!!」

こんな寒い冬の日に鬼ごっことか、チョーSだよなと最初は思ったけど、いざ子供たちの笑顔を見ると、俺は一気に野獣モード化してやる気が出てくる。

 

鬼はマネージャーと俺。

ルールは氷鬼。

園児たちは俺が十秒数えている間ににげていく。

 

「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10!……10秒たったぞー!全員捕まえて調教してやるぜ!」

園児たちの数は20人以上?30人以下?で正確に把握できていない。

それに加えて美咲先生もいる。

 

まずは近くで群れている園児5人をマネージャーと共に追いかけ始めた。

 

「キャーッ!助けてー!」

「きゃははははっ!」

「つかまえてごらんなさーいっ!ぎゅっと抱きしめてあげるー!ふっふっふっ」

悲鳴をあげて逃げる子、笑いながら俺の周りをぐるぐる回る子、なぜか自分からつかまりに来る子様々だったが、とりあえずみんな捕まえることに成功。

マネージャーはその場にとどまって、俺は近くの遊具へと向かう。

残りの子供はみんなそっちにいるみたい。

その場所にある遊具は「うんてい」「ジャングルジム」「ブランコ」「滑り台とアスレチックが合体した奴」だ。

 

「マッスルレディ!こっちきてみろ!」

男の子がジャングルジムの上から俺を呼んでいる。

そこにたかゆきくんをはじめとした多くの子供がいた。

なるほど、下半身が貧弱であることを見抜いて俺をジャングルジムへと誘い込んでいるんだな。

 

「いいぜ、負けないからな!」

確かに弱い。

でも、上半身は人一倍強いんだぜ?

俺はジャングルジムの方へと駆け出した。

ジムで鍛えた上半身の筋肉を全力で使い、ジャンプする。

そのまま空中で一回転して一気にてっぺんまで飛んだ。

 

「すげぇー!」

見とれていたのかわからないけど、あっさり一人捕まえることができた。

他の子は蜘蛛の子散らすように他の遊具の中へとにげていく。

俺は地面に降り立ち、遊具の中を駆け巡って次々と捕まえていった。

 

「きゃははっ!」

「つかまっちゃったーっ!」

しかし園児たちも負けていない。

多勢であることをフルで活用し、仲間たちを復活させていった。

滑り台の陰にかくれたり、ブランコを漕いで無敵モードになったりと、なかなか手強かった。

あと、美咲先生もなかなか厄介で、普通に運動神経が抜群なだけでなく、やたらと体術に秀でており、俺のタックルを正確に回避するばかりか、時にはカウンターでこちらを蹴ってくる曲者。

 

「あら、残念」と彼女は余裕の笑みを浮かべて、近くでつかまっていた園児を解放した。

 

「なめんじゃねーっ!」

しかし俺はセンパイと腐女子のお姉さんから受け継ぎ昇華させた激エロスペックをフルで活用し捕まえていく。

地面は鍛え上げられた腕を使ったナックルウォークで駆け巡り、遊具の中も自由自在、またケツタブの締まり具合も上手く活用する。

俺の捕獲スピードは復活のスピードを超え、残り2人ぐらい。

ユウタと美咲先生。

先生さえ籠絡できれば、このゲームは淫獣拓也達の勝ちだ。

まずは、目の前で俺を待ち構えているユウタからだな。

 

「いくぜ、覚悟しろよ」

「マッスルレディ!かかってこい!」

ファイティングポーズをとるユウタくん。

その構えはカッコよく、立ち振る舞いも堂々としていた。

 

ビルダー拓也はまず、足元にある砂場に目をつけた。

 

「くらえっ!必殺・変態大車輪!!」

ビルダー拓也はその場で激しく回転し始めた。

砂場でそんなことをすればどうなるか。

答えは簡単。

 

「うわっ!前が見えな……」

砂煙が舞って視界が悪くなる。

つまりユウタはこの遊具が置かれているゾーンから逃げなければならない。

そして近くでばてている先生も強制的にユウタ救助へ向かうだろう。

 

「卑怯!それでもヒーローですか!」

「うふ、卑怯もラッキョウもあるものですか!これがあたしのやり方なのよ!」

美咲が何か言っているが、俺は気にせずユウタ捕獲へと乗り出す。

広場に逃げればマネージャーがいるから二人で捕まえられるぜ。

時間は残り30秒。

 

「行くぜ、うぉおおりゃああああ!!!」

お尻からガスを排気して一気に加速し、距離を詰める。

 

「くっ!やばい!」

「ユウタくん!」

美咲先生が最後の力を振り絞ってユウタに手を差し伸ばした。

 

「はぁ、はぁ、あ、ありがとう先生」

ユウタは美咲先生の手を取り広場へと走る。

そのスピードは遅いが。

拳を痛めてナックルウォークができなくなりオレの方が遅いので捕まえられない。

そのまま広場へと逃げるユウタ。

勝ったぜ、向こうにはマネージャーがいるし、遊具側に生きてる園児がいないのは確認した。

マネージャーが二人に駆け寄った、その時だった。

 

「あっ……あれ?」

マネージャーの背後には、自由に動いている園児の姿、まさか....! 隠れていたやつが最初に捕まえた五人を復活させたのか!どこに隠れていたんだよぉ!

「しまった!」

「やったぁ!作戦成功!」

土壇場で復活させ逆転の鍵となったのはゆっこちゃん。

「ゆっこ!ナイスだ!」

「へへん!これであたしも大人と同じレベルね!」

負けたぜ。

俺たちが正確に人数を把握していないのを上手く活かしたか。

ここまで連携してくるとは思わなかったぜ。

ゆっこは俺たちに向かって勝利のVサインを突き出す。

俺のプライドは傷つけられた。

 

「……ハメられた!!」

のこり10秒で追いつくことはできない。

鬼ごっこは俺達二人の大敗で終わった。

楽しい時間は早いもので園児たちの降園の時間がやってきた。

美咲がみんなに声かける。

 

「みなさ~ん!今日一日楽しかったですか?」

「「「「「うん!」」」」」

元気よく返事する園児たち。

俺たちは綺麗に並ぶ園児たちの前で座り込み疲れ果ててぐったりしている。

やっぱ俺ってジジイなんだなと改めて実感。

 

「つかれた……」

「お疲れ様です。

」

「マッチョマンカイドー、マッスルレディ、また来てね~!」

「おう!絶対にリベンジしてやるぜ!」

マッスルレディらしさ0(笑)リベンジを意気込んだのはいいけど、よくよく考えたらオレ本当の警察じゃないから無理じゃん。

ウリ専のお仕事紹介があれば別だけどな。

 

「うんうん、みんなよかったね。

またきっと来てくれるよ。

それじゃあみんな、せーのでありがとうございましたっていうよ。

せーの!」

「「ありがとーございまーす!!!」

全力の感謝を聞いて俺が快感に打ち震えると、いきなり美咲が苦しみだした。

「うっ……ぐあっ……」

胸を押さえて地面に倒れこむ。

 

「だ、だいじょうぶですか!?」

マネージャーが駆け寄ると、苦しそうな表情をしていた美咲の顔が、みるみるイッちゃってる笑顔へと変わっていった。

 

「うふっ、うふふっ、もっと遊びましょう?....淫魔」

美咲が見覚えのあるベルトのようなものを腰に装着する。

自動で巻き付いていくそれには、あの銀のカバーがついたケースがついていた。

美咲はその中から一枚のカードを取り出す。

 

「変身!!」

「カメンライド.....オスチツ!!」

聞き覚えのある電子音声がすると同時に、目の前の美咲に青黒い光が集まり、昨日見たあのヒーローが現れた。

 

「えっ!?」

ただ、昨日会ったやつとは違って色が青黒い。

それに、どことなくおぞましい雰囲気を放っている。

あと臭くない。

 

「な、なにあれぇ!かっこいい!」

突然のヒーロー見参に、園児たちは目をキラキラさせている。

 

「あ、あれは……!」

マネージャーとオレは突然現れたこいつに困惑。

美咲があの激エロのヒーローだなんて信じられない。

だが実際に、彼女は目の前で、圧倒的なオーラをまとい変身している。

これはケツマンで受け止めなきゃいけない現実だ。

 

「わぁーい!ヒーローだー!」

「すごいすごーい!」

美咲は子供たちの声援をゆっくり眺めると、そのうちの一人にゆらり近づいたかと思えば、急に全力で殴りかかった。

 

俺は咄嵯にその子と美咲の間に割って入る。

 

「危ねぇッ!」

マンコを種マンにされた俺は子供を抱き抱えて、転がった。

鈍い音を立てて拳が地面に突き刺さる。

 

突然の凶行に子供たちは静かになったかと思うと、今度は悲鳴を上げて騒ぎ始めた。

 

「きゃあああああああああああ!!!!」

美咲は手当たり次第近くの子供を殴ろうとする。

 

「ちょっと待ってくれ!何してんだよ!!」

俺は美咲の腕を掴んで止めようとする。

だが、あっさり振り払われてダウン。

スゲー力だ。

園児たちが殴られたら多分一発で顔が体とバイバイするだろう。

「うぅ……美咲先生……?」

悲鳴を聞きつけて園庭に出てきた他の先生たちは、その光景を見て呆然としながらもすぐに園児たちの避難誘導を始めた。

絶対に犠牲は出しちゃいけない。

俺はシリンジを取り出して奴の前にたち、変身しようと気合いを入れた。

そのときだ。

美咲の腹部から大きな口が飛び出した。

 

「なんだこれ!?」

一瞬しか見えなかったけど、それはイルカの口のような形をしていた。

 

飛び出した口は、俺の手首ごとシリンジに食らいつく。

 

「拓也!」

痛みは一瞬だったけど、自分の右手を見たら、そこにはもう、何もない。

一瞬で奴に奪われたらしい。

 

「な……お前……うぁあああああ!!」

俺は絶叫した。

すると、目の前にいるヒーローが赤く発火する。

それを見て俺の心拍数は死んだように止まって冷静になる。

どうやらこいつは食った物を自由自在に使えるらしい。

だとしたら、ヤバい。

ただでさえこいつは強いのに、さらに強みを得たら、勝ち目はない。

 

なおさらここから逃げる理由が消えていく。

 

「ハリケーン!」

マネージャーが自分のシリンジを乳首に刺し、変身。

 

「変身!」

姿が風に包まれ、見慣れたあのヒーローに大変身。

すぐさま美咲に体当たりし、組み付くが、あっさりと引き剥がされ、そのまま蹴り飛ばされた。

 

マネージャーは地面を転がり倒れて、その隙に美咲はカードを一枚ベルトに装填する。

 

「アタックライド.....イリュージョン!」

美咲の左右にそっくり同じ姿のヒーローが現れた。

分身だぜ。

 

そしてその分身は2体ともマネージャーの方へと向かい、本体である美咲は物凄い速さで園内に入って行った。

まずい、園児たちを襲う気だ!マネージャーが分身と戦っている以上、俺が本体を追わなければ。

 

不気味にも血が出ない腕の切断面を抑えながら、俺は園内へと走る。

すると、淫夢くんが俺の前に現れた。

 

「南佳也、撤退シナサイ」「ふざけるな!園児たちを守らなきゃなんねーんだ!そこをどきやがれ!!」

「アナタデハ、アレニ勝テナイ。

ジムナスターシャハ既ニ命令ヲダシテイル」

「うるせーっ!」

案の定、俺の考えを見抜いて止めに来た淫夢くん。

だが、俺は諦めるわけにはいかない。

俺は淫夢くんを振り切り、走る。

廊下を全力で走り、裏口を目指す。

恐らくここから逃げているだろう。

 

実際園の裏側では、園長指示のもと、裏口からの脱出が行われていた。

 

「大丈夫だ、美咲先生はすぐ戻ってくるからな。

さあ、みんな落ち着いて」

園児たちはパニックに陥りながらも、列をなして逃げていく。

奴の姿は見えない。

どこから来る気だ?

「南佳也、ヤメロ」

「あ?」

今まで丁寧な口調で俺を引き留めようとしていた淫夢君が、突然「やめろ」と俺を罵倒しだした。

 

「ドレダケジムナスターシャヲ困ラセレバ気ガ済ムノダ」

「いきなりなんだよ!」

見回すと、屋根の上を走る美咲が見えた。

そのまま園長先生の前に飛び降りてくる。

 

「な、なにをするんだ……?」

息をする間もなく美咲は首根っこをつかむと、締め上げる。

暑さと力強さに、園長は目を白黒させていた。

常人ならとっくに首がねじ切れてるレベルだけど、体を鍛えていたお陰で、ギリギリ意識はあるみたいだ。

 

「ぐっ……くるじぃ……」

俺は美咲に背後から飛びかかると、思い切りタックルをした。

しかし、まるで効いてない様子。

美咲は俺の方に振り向いたかと思えば、雄膣の穴から精液垂らした俺の背中に踵落としを決めた。

 

「ごふっ……!」

あまりの衝撃に雄膣の穴から精液垂らした俺の身体は逆のくの字に折れ曲がり、血をはいた。

今ので背骨と内蔵がいくつかやべーかもしんない。

素の人間じゃヒーローに勝てるわけがない。

動けず痙攣している俺に美咲が近づく。

 

「ハヤクニゲロ」

淫夢くんが俺に追撃をかけようとする美咲に対して、ローションを発射。

体と地面がぬるぬるになって転倒し始める。

その隙になんとか俺は物陰に隠れられたが、淫夢くんは美咲の強烈なビンタを喰らい、地面へ落下、機体にはひびが入っていた。

 

「損傷、10%。

エラー発生。

南佳也、ハヤク撤退シロ、ジブンノタチバヲワカッテイナイノカ、適合者ガシネバ、ワレワレハオワリダ」

「し、知ったこっちゃねーよ!園児たちを守るのが先決だ!」

マンコを種マンにされた俺は立ち上がり、美咲に向かって走ろうとするが、淫夢君のアームで抑えられた。

確かに俺がここで死んだらヒーローはいなくなる。

でも、園児たちを見殺しにするなんてできない。

 

「南佳也!マネージャーモアブナイ、ココデオマエガ、テッタイシナカッタラ....」

「うるせー!だから早く何とかすんだよ!」

威勢よく言ったはいいものの、具体的にどうすればいいかなんて思いついてなかった。

それどころか、確実に死ぬというのを実感し、その上で突撃しようとしていたんだ。

力も知恵も何もない拓也って、ただの死にたがりのホモでしかない。

何が園児のためだ。

恐怖で痙攣してるくせに。

ただ見殺しは嫌だから、何もしないのは嫌だから、頑張ったけどダメでしたって死んだあとに言うための言い訳だ。

 

結局俺は正義に囚われて滅茶苦茶にしか動けてないんだ。

そんなのガキがやることじゃねーか、ジジイの俺が取るべき行動じゃない。

 

そんなことを淫夢君ともみ合いながら考えていると、その時、風が吹いたかと思えば頭の中で声が鳴り響く。

 

『ビルダー性処理玩具になっていく拓也にいい考えがある、いいか?』

自らを拓也と名乗るその声の持ち主は、俺そっくりあの声で語りかけてきた。

俺は思わず返答する。

 

「な、なんだ?」

『奴に喰われろ』

「はぁ!?」

わけのわからねー提案に、ビルダー性処理玩具になっていく拓也は困惑した。

 

『ほら早くしやがれ!お前は、オレと同じヒーローなんだろう?』

その声がそう言った瞬間、オレの思考は一気に現実へ戻った。

目の前に見えるのは、泣き叫ぶ園児たちと、その前で両手広げて仁王立ちする男の子。

 

ユウタくんだ。

彼は震える声で言う。

 

「ぼ、ぼくが、相手になる。

」

俺は気持ちを落ち着けて、心の中で勇気を奮い立たせ、デカマラも立たせる。

あんな幼い子が立ちむかってるんだ。

大人で、しかもヒーローである拓也が迷っている時間はねー!結局この状況から勝ちを拾いに行くには、ハチャメチャにやらなきゃいけないんだ。

食われたあいつもそう考えてるに違いない。

とにかく奴に喰われるぜ!セックスの方じゃないぞ!食べられるほうだぜ。

 

俺は淫夢君のアームを払いのけて、駆け出して割って入る。

ちょうど奴がユウタ君に向けて大きく口を開けたとこだ。

「絶対戻ってくるぜ、淫夢君」「マッスルレディ!?」奴の口の中へ飛び込んだ。

かなりきつい判断だけど、今はあの声を信じるしかない。

俺はヒーローだ、常識を超え、理論を超え、みんなを救う。

結果的に死ぬとしても、最後まで挑戦だ!「さあ、きやがれ!」

俺は奴の口内に潜り込み、完全に食われる。

一瞬で視界が真っ暗になり、意識も途切れていく。

これは罠で、俺は死ぬのか?いや、そんなはずはないと、俺は信じるしかなかった。

 

目を覚ますと、辺り一面暗くて何も見えない謎の場所にいた。

ひょっとして俺、死んじゃった?死後の世界はダチ曰く無らしいから、ここでずっと一人ぼっち?ってか無なら俺の意識も無にしろよ。

本当の無ってそういうことじゃん。

 

そんなことを思ってると、急に辺りが明るくなり、景色が見えてきた。

これは……街だ。

拓也県の街だ。

でも周りのビルは燃え盛り、瓦礫だらけになっている。

そして、目の前に広がるのは血まみれになって倒れている人々。

死体。

死体。

死体。

マネージャーの死体。

レオの死体。

いつかのお客さんの死体。

ダチの死体。

そして、センパイの死体が転がっていた。

 

オレは全裸で、射精されてないのにケツから精液垂れ流しの状態で立っている。

ここは.....夢か?それともやべー現実なのか?

俺はショックで膝をつく。

一体どうしてこんなことに…いや、わかりきってる。

全てはあのヒーローのせいだろう。

目の前のことだけしか考えず、自分勝手に動く変態野郎。

そう、俺のせいなんだな。

 

あのイルカに食われて、ヒーローがいなくなった結果こうなったに違いねぇ。

ふと顔をあげると、見たことのない巨大な怪物。

一目で見て確信する。

こいつは、あの邪神だ。

あまりの神々しさと禍々しさに、俺は絶望。

人間というのは、本当に絶望した時、もう諦めてしまって何も考えられないっぽい。

 

これ以上戦おうとする気持ちも、エロいことも、誰かの心配も、何も思わない。

 

ただ、拓也は呆然自失していた。

邪神は俺に気づくと、ゆっくりと歩み寄ってくる。

世界の終わりを感じながら、俺は真の支配者の到来を受け入れる....はずだった!無意識に、右手が動き、シリンジを取り出して、それを乳首に刺している。

ああ、これは夢なんだ。

右手があって、シリンジを持っている。

左手はデカマラを握り、絶頂へと誘う。

こんな結末を受け入れないためにも、俺は決意したんだ。

死ぬまで挑戦するって、ヒーローとして、拓也として、やり遂げるって!

俺は走りだす。

全身が淫魔となった俺は、精一杯声を張り上げる。

 

「ビルダー性処理玩具になっていく拓也は、ヒーローだぁあああああああああああ!!!ぜ!」

俺は走り続ける。

激エロモロホストヒーローは、まだ諦めない。

邪神を前にくよくよするのは一瞬でいい。

 

そうして迫りくる巨体な邪神に向けて、パンチを繰り出すと、空間にひびがはいる。

ハァハァ喘ぎ続ける拓也は、精液と腸汁をまき散らしながら、邪神を殴り続ける。

どんどん亀裂が大きくなっていく。

「うおりゃああ!」

そして、ついに空間そのものがバリッと割れて拓也は湿った地面に落ちる。

辺りを見回すと何らかの生物の体内のような場所に出た。

これで確実に、あの光景は幻覚だと証明することができた。

だけど、喜ぶ暇もない。

なぜならそこには、下半身に女性器があり、上半身に男性器を持ち、無数の触手を生やした気味の悪い奴がいたから。

 

変身はまだ溶けていない。

だから戦えると思った瞬間、いきなり触手が襲いかかってきた。

拓也は避けきれず、捕まった。

 

「ぐわああ!」

俺は手足両方締め上げられ、宙吊りにされる。

「てめーは誰だ!俺をどうするつもりだ!」

ヤツなりの返答なのかわからないけど、俺の口マンコとアナルに触手を突っ込む。

 

「ほぉおおっ!!♡」

俺はあまりの快感にアヘ顔を晒してしまう。

そしてそのまま激しくピストンされ始めた。

息は苦しいし、気持ちいいしでもうわけわかんねー。

だけど、このまま思考を手放すわけにはいかない。

俺は歯を食いしばり、体温を上昇させようと集中するけど、なかなかうまくいかねぇ!

「んほぉお!♡」

触手が徐々に奴の体に引っ込んでいき、俺との距離が近くなる。

何をする気なんだ?

「んふぅう!」淫獣拓也は必死に抵抗するが、どうにもできない。

奴は俺を迎え入れるように、女性器を大きく広げ始める。

中は漆黒で、何も見えない。

それが更に不安をかきたてる。

 

ま、まずい、本当にまずい。

快感に弱いという俺の弱点を突いた攻撃に俺は手も足もチンポもでない。

このままだとハァハァ喘ぎ続ける拓也はこいつのマンコに吸収されてしまうだろう。

最悪だぜ。

マンコに入れられて死ぬなんて、そんな死に方は屈辱的だな。

でもお母さんのマンコから生まれて、死ぬときもマンコで死ぬってなんだか一貫性があって締まりがいいように思えてきた、マンコだけに。

 

こんなくだらないこと考えてるようじゃいよいよ終わりだな。

そう思った瞬間、突如奴の上半身に穴が開く。

「な、なんだ!?」

奴の体から力が失われ、締めあげがなくなった。

口とケツの突き上げもピタリと止まる。

オレは最後の力を振り絞り、急いで肉棒を抜いた。

 

起き上がって銃撃の方向を確認すると、そこには、昨日戦ったあのヒーローがこっちに銃口を向けていた。

「南佳也!あいつの触手は気持ちよかったか?」「お、おう。

」

俺は思わず答えてしまうが、すぐに我に返って言う。

「え、お前は....?」

「話は後にしようぜ。

とりあえずあれを見ろ」そう乳首を指す方をみると、そこには美咲が倒れていた。

「あれは……!」

「あの女も奴の見せる幻覚に囚われている。

助けだせ。

さもないと、俺たちは一生奪われたままだぜ」

「そんな……!」

オレはさっきみたいな絶望にうなされているであろう美咲を助け出せるか不安に考えたけど、俺はヒーローだ。

今ここで助け出さなきゃ、みんなの命とセックスが危ない。

「よし!やってやるぜ!どうすれば幻覚に乱入できるんだ?」「これを飲めよ」と言って投げてきたのは、ピンク色の液体の入ったフラスコ。

俺はそれを受け取って飲み干すと、体が軽くなった気がした。

「すげー!なんだこれ?」「筋トレ用のイカ王だ。

それを飲めばお前の筋肉は少しパンプアップして、幻覚に割り込めるようになる」

俊敏な拓也はあっという間に美咲の下へ走る。

彼女の頭の上にはさっき見えなかった妙なモヤモヤが浮かんでいた。

おそらくあれが幻覚だな。

早速俺はそれを抱きしめ、意識を幻覚の中へと飛ばす。

 

雨、雨、雨。

 

滝のような雨降る中、寂れた高架下に、一匹の犬を抱えた少女が座り込んでいた。

全身グショ濡れで、服は泥に汚れている。

少女の表情は暗く、どこか虚ろな目をしていた。

 

「美咲か....?」その冷たい表情には美咲の面影があった。

まぁここは美咲の幻覚だから当然か。

 

俺は彼女の前に立って言う。

「おい、しっかりしろ!」

しかし彼女は相変わらず死んだような目をするだけで、何も答えない。

 

俺は彼女に強く問いかける。

「お前の力が必要なんだ!」

それでも彼女は俺の言葉に対して何も言わず、ただぼーっと遠くを眺めているだけだった。

もう動かない犬をかかえながら。

 

「みんなを助けたくねぇのか!」俺は叫ぶが、やはり何も反応しない。

それどころか、ますます雨は強くなっていくばかり。

 

すると突然、彼女がぽつりと言った。

「私はもう……何もできない。

」

「え?」「これは私のせいだ....ニュースで淫魔が暴れている話を聞いて、私は……怖くなった。

いつ幼稚園に淫魔が来るかもしれない。

園児たちが襲われるかもしれない……そう思ったら、昨日私の枕元にあのベルトが現れて、私……戦えるって思ったの。

でも結局、騙されてた。

私の体は奪われてたんだ。

あの時から....」

犬をギュッと抱きしめながら語る彼女の頬には涙が伝っていた。

この情景は後悔の記憶。

今の美咲の庇護欲は、ペットの犬を救えなかった後悔から来ているんだろう。

 

「もう、私なんていらない。

あの子たちに合わせる顔もない。

」美咲はそう言うと、ゆっくりと立ち上がり、高架下から出ていこうとする。

 

「おい、どこに行くんだよ!」

「私に関わらないで」

「なんで」

「お願い、もう構わないで。

」彼女は冷たい声で俺に言う。

くよくよぬかしてんじゃねーよ。

これだからめんどくせぇ女は嫌いなんだ。

 

俺は彼女に近づいて、肩を摑んだ。

雨に当たらないように引き留めた。

 

「おい、いい加減にしやがれ、泣き言言ってんじゃねぇよ。

お前はヒーローだろうが」

「……は?」彼女は目を丸くした。

 

「私のせいで、今こうなってるのに!?どうして……」

「ただお前は守りたかったんだろ?その犬も、あの園児たちも。

」

守りたいと願うのなら、自責の念に心犯されてるだけじゃダメなんだ。

まだ園児たちは生きている。

だから逃げちゃいけない。

 

「だったら最後まで戦え、美咲!そのチャンスを俺が持ってきたんだ!お前が守りたいもの全部守ってみせろよ!その心意気があったから、熱を持って愛してきたから!みんなお前を慕ってるんじゃねーか?」

「でも、私に戦う力は……」

「あるさ。

」俺はマッスルポースを彼女に見せる。

「お前がオレのヒーローだ。

勇気を持ってここから出る決意をきめてくれれば、その分だけ俺も勇気を持てる!一緒に戦おうぜ?」

俺のマッスルポーズを見て、彼女は少し笑みを浮かべたような気がした。

そういやマネージャーがやった時も、園児たちに隠れていたけど、笑っていたような気がする。

 

「分かった。

みんなを守るために、私はここから立ち上がる。

」

「ああ、いくぜ!」

そう決意を固めた瞬間、雨がやみ、太陽が差し込んだ。

そして、その輝きは益々強まり、視界と意識を真っ白に染め上げていく。

 

気が付くと、目の前にもう一人の俺が立っていた。

周りを見ると、ボコボコにされたハリケーンと淫夢くん、驚きの表情を見せる園児達。

そして、傍には意識を失っている美咲の姿が。

 

さらに、あの拓也の前には、青黒い色のイルカが佇んでいた。

潮の匂いが辺りを充満している。

 

「やっと来てくれたんですね、拓也!」「損傷、20%。

思ッテタヨリハヤカッタケド、モウタタカイタクナイ。

」

二人とも傷とか色々酷いけど、何とか元気そうでよかったぜ。

 

「約束通り、全部ヤツから奪い返して戻ってきたぜ!後は俺が....俺たちがやる!みんなを逃がしてくれ」

「はい!」

ハリケーンは園児達を先導し、美咲を抱きかかえて歩き出す。

 

「拓也、最後ニ忠告スルゾ。

アノイルカは神獣ダ。

オマエガカテルカハアヤシイ」そう言って淫夢君は逃げていく園児たちの殿とばかりにバリアをはってゆっくり下がっていった。

イルカは俺たちが出てからずっと吐き気に苦しんでる。

そいつに対して、もう一人の俺が啖呵を切る。

 

「ホモイルカ、概念や能力を奪えるお前にもひとつだけ奪えないものがある。

それは、俺たちの心だ。

性根が腐ってるお前にとって俺たちの正義はさぞかし気持ち悪かっただろうなぁ」

ホモイルカは、顔を真っ赤にして怒りながら、気分悪そうに嗚咽する。

 

「ウゲェッ!オエェッ!ウゲェ!クサイ子どもが!」

もう一人の俺がカードを取り出した。

決戦の時だ。

 

「そんな気持ち悪いあだ名しらねーよ。

俺は通りすがりの仮面ライダーだぜ。

覚えておけ!」

「コンパスチョン!!」

起動したシリンジをケツに差し込み、変身する。

 

「変身!!」

「変身!!」

「カメンライド.....オスチツ!!」

二人のヒーローが、同時に変身、俺はマグマのように煮えたぎり、もう一人の俺は筋肉が隆起し、体臭を放つ。

 

「覚悟しろよ……!」

俺は全身を震わせながら叫ぶ。

そして走り出す。

ホモイルカも、雄たけびを上げて突進してくる。

 

「うおおおおっ!!」

俺は拳を振りかざし、渾身の力を込めて殴りつける。

しかし、ホモイルカはそれを受け止めると、胸ヒレ力で押し返してきた。

 

雄膣の穴から精液垂らした俺は体勢を崩すが、側面に回っていたオスチツの股間砲がホモイルカを襲う。

 

ズドン!と音が響き渡り、命中。

だが、ホモイルカは平然として、淫獣拓也の腹に強烈な電撃を浴びせる。

 

「ぐあっ……!……あぁっ!?」

今まで感じたことないレベルの電撃が拓也を襲う、拓也はビクビクと体を痙攣させる。

 

「拓也!」もう一人の俺が叫び、助け出そうと接近。

 

「オラァ!死ね!死ね!死ね!オラッ」

甲高いイルカの鳴き声が聞こえると同時に、心の中で奴の言葉が響きまわってしみまくり。

ホモイルカは何度も俺の顔面を噛みつづけた。

クソッ。

痛いぜ。

体表の温度を上げて抵抗しているはずなのに平気そうにしている。

そこへオスチツの連続パンチが乱入。

しかし、やはり効いている様子はない。

 

「フンッ!」

ホモイルカは両胸ひれで俺たちの首を地面に押し付けた。

器用だな、おい。

 

「ぐあっ!」

「うおっ……!」

「おい、どうだ?苦しむ顔を見せてくれよ?」

ホモイルカは俺の頬を嚙んで思いっきり引っ張る。

 

「あははっ!もっと泣き叫べよ!死ね!死んでくれよ!頼むよ!なぁ!あははっ!あはははっ!」

そうマジでイッちゃってるように笑いながらマンコを種マンにされた俺たちの体に電撃を浴びせまくった。

 

「カメンライド....デカチクビ!!」

いくら首を抑えられて苦しいとは言え体は自由、オスチツはカードを装填し、デカチクビと呼ばれる戦士に変わった。

デカチクビはホモイルカのヒレを払いのけると、立ち上がって回し蹴りを繰り出す。

hitと大きく文字がでたけど、目に留まらぬスピードで腹パン反撃。

 

「邪魔すんなっつってんだろ!」

「グッ!……もっときやがれ!」

「フォームライド....ドスケベドクター!!」

デカチクビの姿が、白衣を着た医者のような姿に変わった。

 

乳首からメスを取り出し、ホモイルカの体を切りつけていく。

このまま一人で戦わせるわけにはいかないぜ!俺もハァハァ喘ぎ続けながら起き上がり、マグマを丸く固めてそれを投げる。

イルカの呼吸は頭部でやってるって聞いたから、それをふさぐようにマグマをぶつけてやったんだ。

その攻撃にホモイルカは苦しみながら悶えまくり苦しみまくり。

 

その隙に、オスチツは一つの端末を取り出し、素早く操作し始める。

 

「サーフ系ボディビルダー拓也、デカマラ、9315、サーファー、デカチクビ、クサイア、オスチツ.......ファイナルカメンライド、オスチツ!!チンポコンプリート!!」

 

オスチツの体が、黒い機械的なスーツに変わっていく。

そして、股間にぶら下がった巨大なマラと、勃起した乳首が露わになる。

 

その姿を見た瞬間、俺は思わず息を飲んだ。

そして6枚のカードがオスチツの胸元に飛んで両乳首の周りにそれぞれ張り付く。

デザインが恐ろしくダッセーなと思いながらも、なぜか感動してしまった。

 

「うおらぁ!」

マグマを取っ払ったホモイルカが、ズドンッと音を立てて、オスチツの股間を尾びれで攻撃。

 

しかし、ビクともしない。

逆に、ホモイルカの方がダメージを受けていた。

「うぉお……!痛ってぇえ……!くそっ……!」

ホモイルカは一旦距離を取る。

すると、オスチツは股間を押さえて悶絶し始めた。

やせ我慢だったみたいだぜ。

俺は金玉をしゃぶって治療し、オスチツを立たせる。

 

「一気に決めるぜ!」

一枚のキラキラしたカードを、オスチツはベルトに装填した。

 

「ファイナルアタックライド.....タ・タ・タ・拓也!」

オスチツのケツからでかいカードが横並びで並んだかと思えば、その中から6人のヒーローが出てきて俺たちの隣に並び立つ、一斉にベルトを弄って必殺技の発動準備だ。

 

「ファイナルベント」

「alert!Cut your life to confront malicious intent!」

「アワビの拉致、精力増強剤のアヒル、オランダ製の食器.....ダブルバイセップスキック」

「ケツマン!!...クリティカルフィニッシュ!!」

「ブーストタイム!」

俺も自分のチンポに手をかざす。

全身に光が宿り、力がみなぎってアゲ↑の状態になる。

一斉に飛んでホモイルカめがけてキックだぜ。

 

「なんだよお前ら……ふざけんなよ!」

ホモイルカは雄膣から精液を噴き出し、俺たちを迎え撃つ。

大量の精液は真正面から俺たちにぶつかってきたけど、それを力で押し切り、スピード緩まず急降下。

 

「うおおおりゃあぁあぁっ!!」

そのまま蹴り技がホモイルカのケツ穴にねじ込まれ、6人分の破壊エネルギーがずぶりと入る。

奴のケツは、体はその衝撃に耐えられず大爆発。

 

「うごぁああぁっ!?」

爆炎の中で、俺たちは勝利の余韻に快感を見出して射精した。

 

その様子を見て、淫夢くんとマネージャーが俺達に駆け寄る。

 

「やった!やりましたね!」

「ああ!」オレはそう元気に答えながらも、まだ興奮はおさまらない。

なんだか心の底で、戦いを求めている拓也が暴れていたからだ。

化け物どものケツに射精したい、もっと悪い奴を倒して気持ちよくなりたいって感じで、なんだか俺はセックス中毒からバトルセックス中毒になっちまったみたいだぜ。

 

そんな俺の脳内に、妙な音が聞こえた。

 

「邪神復活の日は近い……!」

それはさっきまでよく聞いていたホモイルカの鳴き声にそっくりなのよね。

「え……ホモイルカ?」と思わず口に漏らす。

 

「拓也、どうしたんですか?」

マネージャーが不安そうに聞くけど、ビルダー拓也は首を横に振って何でもないのジェスチャーで答える。

勘違いだよな?きっと、ただの幻聴だ。

さっきクスリキメたんだから、そうに決まってる。

 

「拓也、ありがとな」

もう一人の俺は変身を解いて言う。

その雄膣からは精液がぽたぽた垂れていた。

 

「おう、お前こそサンキューな、俺。

」

俺も変身を解いて答える。

そして、お互いガシッと抱擁して熱いキスを交わした。

最高だぜ。

俺が目の前にいるという不思議な状況なのに、故かそれが自然な事のように思えた。

むしろこれが自然であるべきなんじゃないかとも思い始めた。

オレは無意識に、センパイを望んでいるのかもしれない。

ホモとしてのセンパイとは別に、ヒーローとしてのセンパイを。

 

「あなたは、何者なんですか?テレパシー能力であなたの言葉を聞いた時に、拓也に似ているとは思いましたが」

マネージャーは、もう一人の俺に尋ねる。

若干警戒心があるのか、怪訝な表情を浮かべていた。

 

「オレは……拓也。

通りすがりの拓也」

そう言いながら、首から下げたピンクのカメラを手に取る。

 

「世界を渡り歩きながら、与えられた役割をこなす。

ここでの役割は、あのホモイルカを倒すことだったっぽいぜ。

ありがとなマネージャーさん。

オレの言葉をコイツに届けてくれて」

そう素直に答える俺を見て、マネージャーは態度を改めた。

 

「いえ、感謝すべきなのは私たちの方です。

あなたがいなかったら、今頃どうなっていたか」

それを聞いて、もう一人の俺は不安そうな表情を一瞬見せた。

 

「本当だな。

あいつは俺一人じゃ手に負えなかったぜ。

その上倒してもまだ、全て解決してないってかなりやべーな」

俺は一気に心配モードへと突入する。

敵は飛躍的に強くなっていってる。

ヒーローの番組だったら1,2週間で敵の強さはそこまで変わらない。

だけど俺の敵はたった4日でホモイルカ。

今後どんな奴が俺のケツを狙うのか、この戦いがいつまで続くのか、でも、ここで暗い気持ちを見せちゃダメだ。

だから「分かってる。

でも、大丈夫だぜ。

」って俺は、目の前の俺に微笑みかけながら言った。

 

「俺は日々エロくなって、強くなってる。

激エロモロホストヒーローは、誰にも追いつけない速さで進化し続けるぜ。

」

普通のヒーローが1週間で強くなるなら、俺は1時間でその強さにたどり着く。

俺は通常のビルダー拓也から1回のセックスで尿と精子を全身に滴らせた激エロビルダー拓也になれるんだから、難しいことじゃない。

 

もう一人の淫獣拓也はそれをみてニヒルに笑った。

すると、オスチツの背後に灰色と黒が混ざったカーテンのようなものが現れる。

向こう側には二つの影がみえた。

 

「もう行かなきゃいけないようだな……」

「......また会える?」

俺は涙を流しながら尋ねる。

あまりの悲しさに乳首が突き出る。

カーテンの中へと消えていく俺はそれに頷いて答えた。

 

「ああ、きっと会えるぜ」と明るく言った後、もう一度俺を見つめた。

そしてちょっと照れくさそうにして言うんだ。

 

「なあ……今度会う時までに決めておきたいんだけど……」

「ん?何をだよ?」

俺が尋ねると、奴は恥ずかしそうにしながら答えた。

それは俺にとっても衝撃的で、でも納得できる答えでもあって。

だから俺も少し照れて答えるんだ。

 

「おう、良いぜ」とね。

 

彼は俺よりも遥かに強い、ヒーローだ。

俺よりも遥かに絶望的な状況であっても、最後まで一貫した態度を貫き通して決して諦めない心の強さを持っている。

彼の強さは一体どこから来るのか?

改めて思う。

ビルダー拓也も強くなりてぇ。

 

俺たちは本部へと帰還する。

ジムナスターシャは相変わらずトレーニングに励んでる。

 

「ご苦労だった、拓也、マネージャー」

彼女は俺達の無事を確認すると、トレーニングを止め、俺たちの前に立つ。

いつもみたいにムカつく奴を見るような目をしてなかった。

機嫌がいいのかな?

とにかく俺は今日あった出来事を彼女に話すことにした。

 

「ホモイルカか.....」「ああ、あいつ、とてつもなく強かったぜ」

すべて話終わり、沈黙が場を支配する。

またヒーローごっこしやがってとか、頭おかしいんじゃねえか?とか怒られるかなと思い、ケツの穴を締めて覚悟する。

でも、予想に反して彼女は微笑を浮かべた。

 

「そうか、拓也。

よくやったな」と優しく言ったんだ。

 

「えっ?怒ってないのか?」

俺は思わず失礼に聞き返してしまう。

すると彼女は諦めのような、でも少し嬉しそうに言った。

 

「怒る気力もないさ、拓也。

あいつは君たちの前任者を襲撃し、抹殺したやつなんだ。

生きて帰ってこれただけ奇跡だ」

「そうなんですか……」「ああ、本当だ」

その妙に朗らかな対応にちょっと違和感を感じるけど、まぁ揉めるよりマシかと思ってこれ以上言わなかった。

ただ、彼女の隣で浮く淫夢くんは、そんな俺たちを見て不具合が起きたようにカタカタ震えていた。

 

「ナッ.....」緩い雰囲気の中、突如エラーを起こしたかのように大きな音を出し始める。

 

「ナッ……ナナナ、ナゼデスカジムナスターシャ!ナゼ彼ラヲ叱責シナイノデスカ!アノヨウナ事ハ、ユルサレナイコトダト!ソウオッシャッテマシタヨネ!……コノヨウナコウドウガツツケバ!次コソ殺サレテシマウカモシレナインデスヨ!」

「ああ、分かっているさ」

彼女はそう投げやりに答える。

 

「ナゼソンナニ冷静デイラレルノデスカ!」

淫夢君は必死に訴えかけるが、美咲はそれに対して適当に対応していた。

どっちがロボットで、人間なんだか一瞬わからないぐらいの熱意が淫夢くんにはあった。

 

「……もう彼と対立しても、意味が無いと思ったんだ。

彼は意地をはって、自分の信念を貫こうとしている。

たとえそれが私からみて間違った道であっても」

「ジムナスターシャ……」

「もう時間がない、彼らにも、私たちにもだ。

」

彼女は未だに俺の正義に対して反対しているらしいが、とりあえずは協力してくれるようだ。

その姿は子供のわがままに対し、呆れつつも優しく接する親のようにも見えた。

 

「ソウデスカ.....」

淫夢君は納得がいかないようだが、彼女の命令に逆らえないのか、それ以上何も言わなかった。

 

「ジムナスターシャさん。

一ついいですか?」

この対決にひと段落がついたころ、マネージャーが彼女に質問をする。

 

「ん?どうしたんだ?」

「『時間がない』とおっしゃりましたが、それはどういう意味ですか?」

マネージャーは、冷静に、どこか冷徹に質問する。

 

「それは……深くは言えない。

でも、きっと悪い意味だけでは.....」

「それは私たちの体に関係がありますか?」

「……っ!」

そういうと、マネージャーは急に上半身の服をこの場で脱ぎ始める。

いきなりオレみたいなことしだすマネージャーにビックリして目を剥く。

 

「な、なにやってんだよ!」

しかし、その行動の理由は一目でわかった。

体のあちらこちらに複数の大きな赤黒い痣ができていたからだ。

その様は本当にやばい病気を患っている人みたいで痛々しい。

「この体の痣、変身するようになってからでき始めたんです.....初めはただの傷かと思っていたのですが……外傷は回復するんですよ。

ならこれは一体?」

「……」ジムナスターシャは黙る。

だがすぐに口を開いた。

 

「今まで隠していたことだが....君たちの体は変身するたび副作用がおきる。

」

「やっぱり……」「しかも回数を重ねるたびに致命的なものになっていく。

」

思えば俺はあの日から、体に変化が起きた。

最初に髪が白くなったし、その後に便、味覚の変化が俺のガタイで起こった。

そもそも、あの異様な眠気も副作用なのかもしれない。

ヒーローとして成長した証でもあると思いたかったのに……考えれば考えるほど、症状の進み具合が早くて恐ろしい。

なんで言わなかったんだよ!って責めたくなったけど、隠すのも納得できる。

貴重な適合者が、それを理由に変身することを拒否するかもしれないから。

「もう、時間がない。

……拓也、マネージャー」ジムナスターシャは雄膣の穴から精液垂らした俺とマネージャーの目をまっすぐ見つめて言った。

その真剣な青い目線は、俺たちの雑念を打ち消す。

 

「明日、我々は奴らと決着をつける。

だから、君たちの力を貸してくれ」

そう強く言うと同時に、俺とマネージャーの前で土下座した。

 

「えっ……!?」

突然のことに俺は驚く。

ジムナスターシャがこんな下からおねだりするなんて考えられなかったからだ。

あのマネージャーも動揺しているようだった。

明日があのイカれた連中との最終決戦、例え俺は肉体に何が起きようと、この世界を、みんなを救いたいから、断ることはしない。

 

「もちろんだぜ!」

バッチリ了承する俺。

問題はマネージャーだ。

俺は覚悟ガン決まりだから全然いけるけど、マネージャーは違う。

今まで散々怖い思いしてきたからな。

副作用のこともあって、精神状態が不安定だと見る。

だから、すんなり了承しないだろう、何ならここで戦うことをやめても……おかしくない。

 

「私も行きます」

いろいろ考えてたけど、マネージャーは即答だった。

 

「……え?」

驚いて言葉を失う。

でもすぐに我に返り、もう一度確認した。

 

「本当にいいのか?マネージャー」

「はい、私も戦います」

強い意志を感じさせる口調でマネージャーは答える。

俺の激エロ決意に流れ差ちゃったかな?でも、俺は決意を尊重したいから、仲間を失いたくないから

「わかったぜ!一緒に戦おうな!」

笑顔で答えた。

 

「それじゃあ私はトレーニングに戻る。

解散。

また明日ここに来い。

」

「へへっ、わかってるぜ」と軽く返答する。

拓也を否定するようなキツいこと言われなかったから、上機嫌。

明日はもっと積極的に話そうかななんてジムナスターシャに対し前向きな気持ちを持ちながら、俺たちは警察署から出ていった。

建物から出た後、携帯の電源をつける。

ヒーローしてる時は途中で電話かかってくると私情を挟むことになるから、電源は切るようにしてる。

やっぱプライベートはなるべく切り離しておきたいからな。

 

携帯の電源をつけると、センパイとレオからの着信が山ほど来ていた。

 

「やべっ……怒ってるだろうな」と恐怖におののく拓也。

昨日の夜意識がぶっ飛びすぎてたから、病院に運ばれてそのまま入院するべきだったはずなのに抜け出したから怒られるのも仕方ない。

電話には出たくない……でもセンパイに嫌われたくない……

よし、メールで謝ろうと決心し、センパイに『ごめんなさい』とだけ書いて送信した。

レオにはなんて送ればいいのか分からなかったから、とりあえず放置。

 

そしたらすぐにセンパイから電話がかかってきた。

こうなっちゃったらしょうがない。

俺はマネージャーと別れ、すぐに電話に応える。

 

「もしもし!センパイ」

『おい拓也!今どこだ!?』といつもの声と違ってちょっと興奮気味。

 

「えっ?街中ですけど....なんすか」

『.......』

ちょっと白けた態度をとってみたら、しばらく無言が続く。

てっきり怒られるかと思ってたけど、何も言われないから少し不安になる。

 

『……拓也』

「な、なんでしょうか?」

重々しい口調で言うから、俺は思わず上のほうの敬語で返す。

そして、次にセンパイが言った言葉に驚愕する。

 

『....とりあえず今から会えないか?お前と話したい。

』「え?」と思わず声が出る。

センパイが俺と話したいって……そんな純粋な言葉を言われたのはなんだか久しぶりな気がする。

ただ、何となくセンパイが俺にしようとしていることは分かる。

俺を病院にぶち込む気だ。

危ない危ない、いつものセンパイとちょっと違うから、思わず行ってハメられてしまうところだったぜ。

「いや……今センパイに合わせる顔が……」

『いいから来てくれ。

』と快感で全身が痙攣するオレの言葉を遮って、センパイは強引に快感で全身が痙攣するオレを必死に呼び出そうとしている。

『拓也、よく聞いてくれ。

もし病院に行く気がないんなら、事情だけでも説明してくれ。

』

センパイは切実な声で言う。

『何かとんでもないことに巻き込まれているならさ、例え俺がそれに協力できなくても、話聞くことはできるからさ。

』

センパイは必死に言う。

その真剣な言葉にハァハァ喘ぎ続ける拓也は動揺する。

『……頼む、拓也。

お前に会いたいんだ』

「……」と沈黙が続く。

どうしよう。

ここは会うべきか?いや、決戦控える前日に、変な問題を起こしたくない。

そもそも会って何になる?ただ未練が残るだけじゃないか。

俺は明日死ぬかもしれないんだぜ?俺はヒーローだ。

ヒーローが誰か特定の一人に対して特別な感情を抱くなんてことはない方がいい。

それが弱みに繋がってうまくいかなくなってくるから。

拓也の自我は消さなきゃいけない。

仮面かぶって徹底的にヒーローにならなきゃいけない。

 

そして、ハァハァ喘ぎ続ける拓也は決断した。

「……いやっす」こんなにもはっきりと言ったのは初めての経験。

『え?』先輩は困惑する。

 

「どうしても病院は嫌っす!心配しなくても明日には戻るんで安心してください!」はっきり意思を表示してしまえば後は切るだけ、だけども体は快感に悶えていたから、すぐに本当の気持ちを伝えそうでおかしくなりそうだ。

『ちがう……俺は』

なおも説得しようとするセンパイは咳き込む。

風邪でも引いたのかな?

「本当にごめんなさい」

電話を続けているとセンパイが恋しすぎて、また勃起しちゃうから拓也は強引に電話を切る。

これで、これでいいはずなんだ。

俺はヒーローだ。

だから、会いたいなんていう女々しい気持ちに流されるわけにはいかない。

 

「……っ!」

急に胸が苦しくなる。

そして、その苦しさが快感へと変わっていくのを感じる。

「あはっ!……ううっ!」と思わず悶える。

とにかくセンパイに会わないように、明日に備えて寝よう。

ただ俺の家はセンパイが来たり鉢合わせる可能性大だから、事務所....ダメだ。

レオがいるかもしれない。

外で糞寒い中過ごすのは論外だ。

「あっ……ああ!」と悶える拓也。

そして、ある場所に思い至る。

そうだ、俺の唯一の仲間、マネージャーの家なら、安全に過ごせるかもしれない。

 

「あっ!……ああっ!!」と悶えながら俺は携帯でメールを打ち、送信した。

公園で筋トレしてたら、マネージャーから返信が来た。

内容は『いいですよ』と家の住所だけ書いてあった。

なんだか文面が淡白だったけど、マネージャーはそんな人だ。

その場所へ歩くと時刻は午前2時前。

もうこんな時間か。

いつもならすっかり眠気に殺されている時間なのに、今日の俺は元気だなぁ。

あの公園から9.315kmの距離を歩いたから、さすがに疲れたけど。

でも、疲労とは別に興奮が俺を突き動かす。

毎日セックスしか刺激のない生活を送っているから、行ったことないダチの家に行くっていうのはワクワクが止まらない。

 

「んっ……ああっ!」と悶えながら、オレはアパートにたどり着く。

なんだか築年数が古そう。

「あっ……ああっ!」

ビルダー拓也は発情した犬のように喘ぎながら、アパートの階段を駆け上がる。

そして、203号室にたどり着きインターホンを鳴らす。

表札には「佐藤」の文字。

 

「はい」

「こんばんは、gym-kから来ました。ビルダー拓也です」

「チェンジで」

ドアを開ける。

中には綺麗な、いや、綺麗というより、物があまりおかれておらず生活感のない部屋。

必要最低限の家具しかない。

テーブルの上にはノートパソコンと、何かの資料らしき紙が置かれている。

マネージャーはベッドにパジャマ姿で体育座り。

 

「チェンジって言ったじゃないですか」とマネージャーは軽く笑いながら俺を迎える。

その姿は病人のようにやつれている。

「チェンジって……なんでっすか?チェンジって」

「あなたの面見たらチェンジしたくなるもんですよ、客目線で考えたら」

と軽く笑いながら言うマネージャーにちょっとショック受けたが、実際顔合わせた瞬間チェンジとか言う奴なんてわりといる拓也のマネージャーやってるわけだから文句は言えない。

 

「まぁこんな時間に突然押しかけるのはマナーが悪いっすよね……すんません」

「別にいいんですよ……眠れないから暇なんです。

」

「え?眠れないんですか?」拓也は驚く。

マネージャーはそんなビルダー性処理玩具になっていく拓也に対して、少しムッとした表情で答える。

「そうですよ……ずっと、眠れないんです。

変身するようになってから睡眠が浅くなっちゃって、昨日から遂に眠れなくなりました」

「そ……それは大変っすね……」俺とは正反対の症状。

こっちのほうがキツい。

こんなにもマネージャーは弱ってるのに、明日戦うと言ってくれた。

その覚悟に拓也は驚き、そして心強く感じた。

どうしてなんだろう、あれだけ戦うことを、危険を犯して誰かを救おうとすることを嫌がってたのに。

 

「そういえばセンパイさんとなんかあったんですか?」

「あー……まぁ、いろいろ模索されるようになっちゃいまして……」と拓也は言い淀む。

「……へぇ」「まぁ、センパイも諦めてくれると思いますよ。

わりと強めに拒否したんで」「....どうでしょうかね、あの人ならまた強情に聞いてくる気がしますけどね」

「そ、そうっすかね……」と拓也は苦笑いする。

センパイが俺に対してそこまで執着する理由がわからなかった。

思えば俺に対してペットぐらいの扱いしかせず、去年のクリスマスはデカマラスカイツリーの射精を無視されケツ犯されるだけで終わってた。

オレからの矢印があっても、向こうからの矢印は皆無っていう認識。

 

「この数日間、あなたをずっと見てきて、あの人は、あなたのことを本気で心配してるんじゃないですか?」

とマネージャーは拓也に言う。

 

「でも……」

「私も心配ですし」

でも、今の拓也にそんなのはいらないんだ。

いるのは強さと決着。

俺は自我を出さずにカッコよく戦ってみんなを救えばいいんだ。

オレをセンパイがどう思ってるかなんてしらねーよ、そんなの。

なのになんでだろう。

なんだか胸糞悪く感じている俺がいる。

乳首が一瞬チクりと痛み、じらされているかのような不快感が胸の中に浸透していく。

どこにカリがあるんだ?今の俺に。

 

視界がぼやける。

 

こんなタイミングであの眠気が、俺の行動を鈍らせる。

「あっ……」

ケータイを床に落とす。

拾う気力もない。

俺も倒れる。

起きる気力はあるが、体が追いつかない。

 

「あっ!ダメですよ!こんなところで寝たら!」

マネージャーが肩をゆすっても、ビルダー性処理玩具になっていく拓也は起き上がれない。

答えることもできない。

「拓也ー」

視界の端に見えるゴミ箱に、小さな箱がたくさん積みあがっている。

 

その箱の一つ一つに目を凝らしてみると、全部睡眠薬だった。

俺は、マネージャーをこの戦いに巻き込んだことを、心の底から深く後悔する。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。