※この作品はR-18です。

生かさず殺さずのクリスマスの日に、傀逅   作:A00913

6 / 6
終章 激エロモロホストヒーローの時間は終わり

あの日、俺はお姉さんと始めて会った神社で一人寂しくブランコに乗っていた。

 

いつ行っても誰もいない公園で、俺はお姉さんがいなくなった夏以降もずっとトレーニングを続けてきた。そうすればいつかお姉さんが戻ってきた時に、成長した俺を見せることができるから。

 

だけどこんなのヒーローらしくない。そんな複雑な気持ちが、思春期と混ざり合って俺をマジ苦しい状態にしていた。夕暮れ時の神社、俺はタチ漕ぎで精一杯ブランコを揺らしながらマラをシェイクして精液を遠くに飛ばす一人遊びをしていると、近くの木陰に、複数の人影を見つけた。その人影は一人の男の子を中心に、まるで円を描くように立っていて、なんだか雰囲気がおかしかった。

 

肩を殴ったり、髪を引っ張ったり、男の子は「やめて」と何度も言っているのに、彼らはそれをやめようとしない。助けなきゃ!と思ったが、勇気が出なかった。

一歩が踏み出せない。俺はふと、持っていたウルトラマンの仮面を見た。

これを、これを被って戦えば、お姉さんのようにかっこいいヒーローになれるだろうか。いや、でもダメだ。俺は正義感を振りかざしたいわけじゃない。じゃない...。

 

苦痛の渦で必死にもがく俺はこれを必死に思い出して、忍耐力を振り絞り、警察署へ向かおうとした。夜のケツの穴公園は、煌びやかだけど寒くて辛い。

Tシャツに短種付競パンなんかじゃこのまま外にいるだけで死んじゃいそうだ。マネージャーを病院へ連れていく気力もない。俺は後ろの穴がヒリヒリするのを感じながら、ベンチから立ち上がって気合いを入れた。

 

「マネージャー、俺、行くぜ。動けるか?」

血走った目でビルダー拓也を見ると、震える唇で「大丈夫」と呟いた。ビルダー拓也はその屈強な肩を貸して、警察署へ向かおうとした。しかしその時、大きな縦揺れが俺たちを襲った。

 

「なんだ?」

最後に起こるあの痙攣がやってきたか。そう思っていたが、違った。

周囲にあるイルミネーションがチカチカと点滅し始め、商店街のスピーカーから耳障りな音が鳴り響き始めた。緊急地震速報、俺は急いで携帯を取り出しワンセグ放送に切り替えた。すると、

『緊急生中継です。先ほど発生した大地震の影響で、都内各地で火災が発生しています。また、大規模な停電が発生しております。デカマラスカイツリーが倒壊した模様です。あっ...市民の皆さん落ち着いて聞いてください。只今市内で超巨大…」

次の瞬間、アナウンサーが急にもがいて苦しみ出した。

 

『あ、がっ……うぐぁ……』

白目を剥き泡を吹いている。突然水中に沈められたような悶え方、よくよくみれば周囲に気泡が浮かんでており、本当に水の膜で覆われているみたいだ。

 

「長文の原稿を一気に読む肺活量があるなら、水中ブリッジ3分間、余裕ですよね?」

白目を剥いているアナウンサーの隣に、綺麗なスーツに身を包んだ紳士が立っていた。

この非常事態に余裕の表情を浮かべて、笑っている。

 

「マサヒコ……?」

その男は、アナウンサーを水から引き上げ、地面に横たわらせた。

 

「おい!なに伸びてんだよ!糞アマ!」

かと思えば胸倉を掴みかかるとグイっと引き上げて、鋭いピンタを食らわせた。

 

「このアマ!まだ1分もたってないしブリッジもできてないじゃないか!」

それから何度も水を浴びせ、朦朧とする意識を呼び戻そうとする。しかしアナウンサーは身体を痙攣させ虚ろな目で空を見るだけだ。なんと残虐で、過激な行動。

そして不気味な笑顔だろうか。

これから楽しいことがあるのを隠し切れない、そんな表情だ。

 

「おい!拓也!」

マサヒコが突然ビルダー拓也を呼んだ。思わずブルッと身震いしてしまう。

 

「これから神が復活するぞ!お前も沈め!このアナウンサーと違って、多少は長くもってくれよな!」

そう言ってマサヒコは、水浸しになったアナウンサーの髪を鷲掴みにしてカメラに対しピースサインをした。その後すぐさま砂嵐に切り替わる。

 

俺はマサヒコの恐ろしい形相に圧倒され、思わず後ずさりしてしまった。

しかしその時、俺のケツマンから何かがドバっと流れ出た。

「ひぃ」

ケツの穴から何かが垂れ流れている。

これは……俺の血便?ケツマンからアスファルトにボタボタと滴り落ちるそれは、紛れもなく訪れる最期を予告するカウントダウンだ。

 

『神』復活。

 

絶望を感じる余裕もなく、また揺れが襲ってきた。揺れは大きなものが一定の規則で続いていく、震度は7以上?8以下?生物の鼓動のように地面は揺れ続ける。

 

やべー、これ死ぬかも、いつになったら止まってくれるんだよ、しかも揺れだけではなく、空がだんだん暗くなって星も月も見えなくなってきた。

立ち上がって辺りを見渡す。さっき大きく輝いていたはずのデカマラスカイツリーが今見たときには消えていて、目に映るのはとてつもなく大きな生命体。

 

高層ビルと比肩するような高さに、まるで蛸と蝙蝠のキメラのような姿。

その体からは無限に見えるほどの触手が蠢いており、ビルを貫き犯していく。

黒い翼を広げ、緑と青のゼラチン質の肌を露出させた邪神は、そうして拓也県の街を蹂躙し始めていた。

「これは……まさか邪神ですか?」

目が見えないマネージャーも、この振動と破壊される街の轟音から、『邪神』が来たと見抜いたらしい。

 

「緊急放送。緊急放送。現在、ケツマン湾から出現した未確認生物が拓也県全域を襲撃中です。市民の皆様は速やかな避難をお願いします。繰り返します。現在、ケツマン湾から出現した未確認生」

キメモノ放送の建物あたりがぶっ壊され、必死に避難を呼びかけていた放送が途切れる。もはやゆっくりしている余裕なんてない。今すぐにでも本部へ向かい、シリンジを得て変身しなくては。

「マネージャー.....」

正直にいってしまうともうマネージャーを助けている暇なんてない。

今、みんなの命は邪神に握られている。でも、ここで見捨てるなんてことは……。

 

その時、マネージャーは「行ってください」と言った。

ベンチの方を振り向く、そこにはさっきまでの弱った様子はどこへやら。

力強くそう言い放つ。

「これから何が起こるのか....何が立ちはだかるのか、さっぱりわからないのに、こんな私がいたら足手まといです。この県も、世界も救ってください」

俺は大きな悲しさと少し潜む嬉しさが混同してよくわからなくて、ただ「ごめん!」と一言だけ告げてその場から走って行ってしまった。行きたくなかった、行くしかなかった。現実と理想はいつだって嚙み合わない。超セックスみたいだぜ!

無我夢中で走りながら、しばらくして大きな通りへ出る。すると、邪神を虚ろな目で見つめている人の集団があった。道路のど真ん中で、ただ立ち尽くしている。一体何の集団なんだろう。

 

走りながら横目で眺めていると突然「いあ!いあ!くとぅるふ!ふたぐん!大いなる神よ…私もそちらに行きます!!」と狂ったように笑いながら叫び邪神に向けて走り出した。

「やめろ!」

そう叫ぶけど聞こうとしない。邪神に突進していく!神秘に魅せられて、あんな風にイッちゃう人がこれからも増えてくるのだろうか。

 

「邪神に魅せられて」、そんなタイトルで小説でも書こうかな?なんて思ったけど、ビルダー性処理玩具になっていく拓也は今それどころじゃない。

 

拓也県警にたどり着くと、そこには淫夢君がポツンと浮いていた。

主人を失った彼は、ただ寂しそうにエレベーターの前を漂っている。

 

「南佳也、何ヲシニ来タノデスカ。アナタハモウ死ヌ運命」

俺に気付くと、彼は話しかけてきた。

 

「俺、あの邪神と超セックスバトルしたいんだ!俺に昨日手に入れた二本のシリンジを渡してくれくれ!頼む!」

「指揮官不在、コノ状況デドウシテイジヲハルノデスカ。」

「頼むよ!超いいことになるからさ!」

その時、地響きの轟音が段々こちらに近づいているのをガタイで分析。

時間がない、早くしないと世界がスカスカになっちまう。

「理解不能。理解不能。貴方ハ..何故。何故ソウマデシテ闘ウノデスカ。」

いろいろ言って食い下がっていると、そんな疑問をぶつけて、そして黙り込んでしまった。どうして戦うのか、それは俺もわからなかった。正義のため?それともみんなのケツマンのため?そんな単純なことじゃない。ただ、一つ一つ言葉にしていったら、膨大で、しかも複雑で、だから……。

 

「俺が激エロのモロホストヒーローだからだよ!」

総括してしまえば、そうなってしまうんだ。

 

「ウ……ワ……。」

そんなハァハァ喘ぎ続ける拓也の激エロ啖呵に、淫夢君はドン引きしたような言葉の詰まりを見せるけど、ハァハァ喘ぎ続ける拓也に二本のシリンジを手渡してきた。

 

「イキタケレバ、イケバイイ……。モウ知リマセンヨ……」

淫夢君はそのまま静かに、そして物悲しげに駐車されている車の茂みへと消えていった。拓也は二本のシリンジをクロスさせてケツの中へ入れた。

「アヒィ……!」

とりあえずそうして隠しておくとして、これを使うにはベルトというものがいる。

 

ベルト、ベルト……。拓也はビルダーの性感帯である乳首とチンコを刺激しながら、必死に考えエレベーターへと乗る。

「アヒィ!アヒッ!」

たぶん本部のどこかにベルトはある。そしてそれは、ビルダーの性感帯である乳首とチンコを刺激しおまじないそれば見つかるはずなんだ! エレベーターは本部へと到着する。意気揚々と降りると、拓也の足に妙な感触が。

「え、なにこれ」

床を見ると、なぜか水浸し。しかも水位が、本当に少しずつだけど上がっているような……。

「え、これやばくね」

急いで本部のビルダールームへ駆け込む、早く見つけなければ、この本部は水没しちまう!なんでこんなおかしなことが起きてんだ?

「クソッ、どこにあんだよ!」

焦る拓也に、誰かが声をかけてきた。

 

「探し物か?拓也」

「え、あ、うん。ベルトを……」

あれ?なんて間抜けに考えながら振り返ると、そこにはマサヒコが立っている。

いつの間に俺の背後へと?「ベルトか....手伝ってやろうか?」そう言いながらズボンを脱ぎ、パンツ一枚になっていく。

「お前の濡れた手なんて借りねーよ!」

そう吐き捨てて殴りかかるが、マサヒコはそれを簡単に受け止めた。副作用で息ゎ苦しく力がでない。

 

「ここのプールで無呼吸10往復しようか。お前って頑丈だから、ここが沈む前には終わるだろ?」

「やらねーよ!昨日の襲撃も、邪神の復活も、お前の仕業なんだろ!」

「ああ、もちろんだ。あの捨てられた基地にあった報告書を読めば、俺がどういう立場かわかるはずだぜ。」

「全部お前がやったんだな!お前が……!!」

「そうだ。俺がやったんだ。」

マサヒコは拓也の拳を下ろして、そして言った。

「俺は、邪神の力でこの世界を水没させ、俺にとっての楽園を作る。」

「なにが楽園だ!超Sのド変態じゃねぇか!」

マサヒコは俺にピンタを食らわす。

「だからだ!水没っていう俺の性癖を満たすために、これまで努力してきた!この『ケツマン大水没計画』のために!成功した暁には、水中ブリッジ3000年、行けるな?拓也」「いかねーよ!そんなの!」

3000年……そんな長く沈んでられないし、そんな長くブリッジできるわけもない。

 

「じゃあ、止めてみろよ。ヒーロー!」

そう言ってマサヒコは指を鳴らす、すると俺の目の前に、水で出来たサメが二匹現れた。変身して戦おうにも、ベルトはない。コンパスチョンにも変身する余裕もない。

俺の変身はあと一回、しかも水は相性が悪そうだ。サメは俺の周りをグルグルと回り、襲いかかるタイミングを図る。

 

「どうした?変身しないのか?」

そんなピンチの俺をからかうような調子で、マサヒコが問いかけてくる。

 

「くそっ!」

追い詰められた拓也はどうしようもできない。そんな俺に、サメは容赦なく飛びかかってきた。その時、謎の波動がサメを襲い、二匹は消滅してしまった。

「なっ!?」

背後を見ると、見覚えのあるドローンが。

「淫夢君!どうして!?」

「オレニ命令ハトドキマセン。デスガ、ワタシハ意地ヲ貼リマス。ダカラ、自分デ自分命令シ、拓也ヲタスケル!」「ありがとう!」

拓也がそう感謝したその時、淫夢君はマサヒコに向け、ビームを発射。直撃し、マサヒコは光り輝き倒れる、はずだった!

「そんな攻撃、俺には効かないぜ」

マサヒコはなぜか無傷で立っていた。淫夢君は「バカナ……」と言葉を失う。

そんなのありえない!ただの人間であるはずのマサヒコが、あのビームを食らって無傷なんて!「じゃあ、今度は俺の番だな」

奴の体型がゼリーのように崩れ変異していく、そうして現れたのは、おととい幼稚園を襲ったあのホモイルカだった。

 

「水没した人を眺めるのに人間のままじゃ、息が続かないだろう?」

「ゲス野郎!」

イルカは笑いながら俺の方へ突進してくる、その間へ淫夢君が割り込み、ホモイルカをアームで食い止める。

 

カメラをこちらへ向けて、左右に振って意思表示。

勝てないけど時間は稼げるよという合図だろう。

「任務更新、ジュラルミンケースノ捜索。」

淫夢君はそういい、俺は急いでケースを探す。でもがむしゃらに探し回っても見つからない。記憶をたどるんだ。確か俺とマネージャーが始めて本部に行った時、淫夢くんがみんなの前で俺のズボンのファスナーを下ろし、淫獣拓也のチンコをみんなに見せつけた。その時ケースは……あ!そうだ思い出した!

俺はジムナスターシャのデスクへ。その上には大きなナイフが突き立てられている。

その傍にはこのナイフで無理やり書いたかのような、乱雑な字で「who am I ?」と気持ち短小で書いていた。

 

これはジムの机だから、この疑問の答えはたぶん……

「俺はビルダー拓也だ!」

答えを言い、ナイフの柄を握り締める。何も起きない。これは不正解?いや、そんなはずは……むしゃくしゃして、乱暴に机の引き出しを漁る。

一番上の引き出し、取っ手の横に「Master key」の文字。

血がべっとりついていた、これか! 引き出しを開け、興奮しながら中を探ると、そこにはただ一つだけ、人の目玉が入っていた。

「なんだよこれ……」

拓也は困惑しながら目玉を手に取る、昨日見た彼女の遺体は確か目がくりぬかれていた。キツい目線を何度かむけられたことのある拓也は何色の目かを覚えていた。

冷たい氷の、ブルー。この生々しい目玉と、彼女の視線は熱いカップル同様結びつく。

ただ、これのどこが合鍵?

「あったか?」

マサヒコが拓也に問いかけてくる。

「いや、全然」と答えながら拓也は目玉を手に取り隠す。

その時、トタン!という物音!部屋の窓から覗き見ると、そこにはイルカの突進を受けた淫夢君が壁に激突していた。

 

「損傷率40%」淫夢くんの声帯からそんな音声が流れ、体はバチバチとショートし、煙が出ている。急いでこの謎を解かなければ、淫夢君がぶっ壊れてしまう。

 

「早くしてやれよ拓也!ひょっとしてコイツはただの機械なんだから、壊れようが死のうがどうでも良いとおもってんのか?」

マサヒコが嘲笑しながら言う。こいつ……と内心怒りながらも、拓也の思考は止まらない。この目玉をケツマンで鍵にしてみるか?いや違う、そんな安易なことじゃきっと開かない。もっと考えろ!もっと深くまで!

その勢いままに真ん中の引き出しを開ける。

「Jackpot」と書いてあり、中には大きな金塊が。

「こんな重いもんをケツマンに挿れたら、俺のケツマンが壊れちまうよ」

そういいながらも拓也は、その金塊をケツ穴に突っ込む。重く大きい金塊は、ケツマンを刺激して拓也に快感を与える。

「あへぇ……イヒィ……」

その行動がさらにマサヒコをイライラさせたのか、淫夢君にトドメを刺そうと、アームを引きちぎる。金塊のあった場所には、「一番上」と書かれているだけ、答えは見つからない。じゃあ一番下かと引き出しを漁る。

 

「Icon」と書かれていた。

これが答えなのか?拓也は引き出しをガサゴソと漁ってみるが、ジムナスターシャの肖像以外何も入っていなかった。というか肖像を何でこんなことろにしまってあるんだ。

 

「損傷率87%」

背後から途切れ途切れの電子音声が、淫夢君の死が刻々と迫っていることを拓也に告げる。せっかく淫夢君が時間を稼いでくれたんだ。絶対に答えを見つけなきゃいけないのに、俺はマンコに金塊をつっこんだまま。悔しさに打ち震える俺、デスクの上の目玉は、その様を厳しく攻めるかのように、マンコを金マンにされた俺を見つめていた……怒りが、ふつふつと湧いてくる。

 

「チキショーっ!」そう叫び、思いっきりデスクを殴った。

すると、取っ手部分がぽろっととれた。

 

その取っ手を手に取る。書かれている文字は最初の文字だけ色が違う。よくみれば全部の物がそうだ。

「MASTER KEY」の頭文字は「M」、「Jackpot」は「J」、「Icon」は「I」。

つまり、答えは……

「Who am I?」は「私は誰?」つまりこの三つを並び替えれば「JIM」となり、ジムナスターシャの名前となる。俺が取っ手をそのように組み換えると、Mの引き出しから稼働音、開けばそこにはあのジュラルミンケースがあった。ケースをケツタブで開けようと試みるが、鍵がかかって開かない。

 

なんだよぉー……と白けた表情でケースをよく見たら、天面に、黒い液晶がある。

あ、これオレ見たことあるわ。たしか体の一部をかざすやつ。

拓也はケースを床に置いて、自分のチンコをその液晶にかざす。でも何も起こらない。

あっそっか、ジムはオンナだからチンコないじゃん!自分のアホさを呪って、目玉を指でつまみスキャンした。すると、ケースは開き、中には変身ベルトのようなものが二つ、名前は……「Question and Answer」さっぱり意味が分からないけど、とりあえず二つを手にとってジムの部屋から出た。

 

その瞬間、俺のもとに何かが転がってきた。それは……半分ひしゃげ、今にも壊れてしまいそうな状態の淫夢君だった。

「淫夢君!大丈夫か!?」「.....貴方ニ伝エナケレバナラナイ事ガ二ツアリマス。」

機体のあちらこちらから煙を出し、バチバチとショートしながら淫夢君は話す。

ケツに金塊を入れたりチンコスキャンなんてするより、大事なことだったのに……

「一ツ…国ハ邪神ニ対シテ、ポイントシータヲ最終防衛ラインニ設定シ、コノラインヲ超エタ場合、拓也県ノ全区域ニ核ミサイルガ発射サレマス。」

「なんだって!?」

 

全域!?そんなことしたら、俺もマネージャーもみんな死んでしまう!どうやらこの国は邪神を恐れて同盟国にSOSを出したけど残念ながら拓也県は守ってくれないらしい。

やっぱりシュワッチゎ変えた方が良かったのかなぁ。

 

「二ツ……」淫夢君はそう言いかけると、機体から煙が噴き出た。

煙が消えると同時に、マサヒコが視界の端から現れた。

「拓也、良いもの見つけたじゃん」

マサヒコは俺を挑発するように言う。今に見てろよ!「良いもの見つけたぜ!」拓也も負けじと言い返した。そして淫夢君に向き合う。

今にも消えそうなランプが目立つ淫夢君に、「ごめんな……ハァハァ喘ぎ続ける拓也のせいでこんなボロボロになって」

拓也がそう言いかけると、淫夢君はプルプルと首を振った。

「私ハ機械デスカラ、痛クモ痒クモアリマセンヨ。ダケドネ……」淫夢君は続けて言う「ヤッパリ仲間ガイナクナッテシマウノハ寂シイデスネ……」

「淫夢君……!」

「ダカラ、最後ニ本機ガ、アナタニ、最後ノ任務ヲ与エマス。」淫夢君は機械の体から大粒の涙をこぼす。

「必ズ、生キテオ帰リクダサイネ。」消え入りそうな声と共に、淫夢君は完全に機能を停止した。

 

「おい拓也、早く来いよ」マサヒコがビルダー拓也を呼ぶ。淫夢君を殺した張本人が、ニヤニヤ笑いながらこっちへ来る。

「......一発やろうぜ!」と一言、ビルダー拓也は力強く立ち上がり、ベルトを合体させる。

「拓也、そのベルトがなぜ二つに分かれていたか、知ってるか?」

「知るわけないだろ!」そう叫んで拓也はベルトを腰にセットした。

二本のシリンジもセットする。

 

「ハスター!」「クトゥグア!」

「それはな、一人での変身は無理だからだ」

薄々自分でも気づいていたことをマサヒコに言われ、拓也は動揺する。

でも、動きは止まらない。シリンジを二つ、同時にベルトへ挿し込む。

 

「DUAL SET!」

「あひぃ!」

体に走る刺激に耐えられず、拓也は膝をつく。

「おい拓也、大丈夫か?」マサヒコが問うと、拓也は苦悶の表情で答えた。

 

「見てろよ……変身してやるからさ!」

「Question and Answer」

一人じゃ負担が大きすぎて、変身できないっていう問題から、適合者が二人いれば変身できるという答えにたどり着き生まれたベルト。

SEXの経験が豊富で、なおかつ性的なことに積極的になれるという点で適合力を図っていたらどれほどよかったか、と拓也は感じた。

この苦痛が全身を襲う中で、それだけは全くないと断言できた。

「あくしろよ」

マサヒコが誘う。俺は、ここでコイツとの因縁に決着をつけ、生き抜くんだ!

「変身!」と叫んだ瞬間でた二つの光の塊は螺旋状に飛び交い、一つに混ざり合う。

「うおぉぉぉ!」

貧弱な下半身で高く飛び上がり、その光に自ら突っ込んだ。

身体が変わっていく、2つの異形の存在を一つに併せた、新たな姿へと生まれ変わる。

全身が迸る痛み。それ以上にあふれ出るパワー。とろけそうになるくらい心地良い感覚。

俺は、どこだ?

ゆっくりと深い眠りに落ちていく。心の制御が効かなくなっていく。二つの意識が、拓也を支配していく。今すぐ目につくすべてを壊したくてたまらない。ああ、良いぜ!お前の身体!マジエロッ!

「馬鹿な...ただの北京原人ごときが、その変身に耐えられるはずがない」

マサヒコは驚愕と恐怖が混じり合った声で言う。その体は震え、後ずさる。

だがここで逃げることは、彼とホモイルカのプライドが許さない。

 

「拓也!お前はオレの敵だ!悪だ!だからオレは、お前を沈める!」

両腕のヒレを鋭く尖らせ、拓也に突っ込む。だがその攻撃は拓也の皮膚を切り裂く前に、バリアで弾かれた。

 

「なにぃ!?」

しかもそのバリアから触手のような物が無数に飛び出し、マサヒコの体に絡みつく。

必死に抵抗しているものの、触手はどんどんマサヒコを締め付けていく。

 

「くっそぉぉぉ!!」

俺が両手を広げると、無数の触手はマサヒコを天高く持ち上げた。天井を突き破って地中を進み、駐車場へ出て車数台突き飛ばす。

 

「拓也!お前は……お前は俺のものだ!お前どころか全ての生物がな!だから俺の奴隷になれ!」

命乞いなのか、それともただの性癖なのか……強がりなのか何も理解できない奴の言葉は今の俺に届かない。マサヒコは触手で持ち上げられたまま、何もできず握りつぶされようとしていた。

 

あれ?オレってこんなキャラだったっけ?まぁいいや、今からぶっ殺すからな!覚悟してね。

「拓也!お前は、俺の……」

グチャァという音と共に、奴の体は触手の中で潰れた。しかしホモイルカは死を奪って復活、逃げようと必死にあがき、地下駐車場から出ていこうとする。

だが、俺は一瞬で奴の前まで行き、その魂を魔術で捕まえる。

 

「離せ!この化け物!」ホモイルカは喚き散らすが、雄膣の穴から精液垂らした俺は聞く耳を持たない。更に奥深くまで墜ちていく俺の意識は、奴の最期を自分の攻撃によるものだと認識できず、なんか映画を観る感覚でいた。

 

俺が手をかざすと、ブラックホールのような黒い渦が、ホモイルカの魂を包み込んだ。

「ま、まさか!幻夢境へ!?」

奴が最期に発した言葉はそれだった。そのまま魂は、渦へと飲まれていき、奴の邪悪な気配はこの世から消えた。目障りで同じ空気を吸いたくない奴が不死身だったら、神様はこうするのかな?とりあえず別の世界に飛ばして、二度とこの世界に来れないようにする。ホモイルカの芸当は、この神々から感じる海溝ほどの深さに比べれば、子供用のプールほど浅い。

俺は電気を消した自分の部屋ほど暗い場所で、目の前にテレビほどの大きさのスクリーンから、その光景を見て、「あ、ビルダー性処理玩具になっていく拓也って今映画観てるんだ」という認識でいた。でも、このスクリーンは現実を映し出している。

それなのに俺は、ヒーロー映画を見ているような感覚でいた。

 

ヒーローは地下駐車場から、ゆっくりと歩んで外へ出る。

地上では未だに邪神が暴れており、たくさんの車や人々が逃げ惑っていた。

空を飛んで、奴の前に出る。邪神はヒーローを捉えると、真っ先にその触手でヒーローを縛り上げた。だけどさすがはヒーロー、その触手はあっさりと引きちぎられて、地面にぼとりと落ちる。

ヒーローの目の前で繰り広げられる戦いに、人々は恐怖する。

 

「嫌だ!死にたくない!」「助けてぇぇぇ!!」

だけどヒーローは人々の声など耳に入れるわけでもなく、ただ目の前の化け物を殴り飛ばした。拳が体にめり込み、破裂して吹き飛ぶ邪神の体からは血飛沫のようにオイルが飛び散る。

奴は触手で反撃をするも、全て避けられ、逆に掴まれてそのまま投げ飛ばされる。

ビル街で倒れる邪神の体に、ヒーローはまたしても拳をめり込ませる。

戦い方がまるで悪役みたいで、ヒーローに全く似合わない。

避難している人が多くいる街を破壊することに躊躇しないし、人々を守るために現れたというより、自分の力を見せつけるために現れたみたいな。

それって見せつけオナニーみたいで不快なりね。

 

邪神はビルを支えにして立ち上がり、ヒーローに向けて大量のビームを発射する。

全身を貫かれるヒーロー、だけど痛がるそぶりなど全く見せない。

そのままビルを担ぎ上げて邪神に上からぶつけ、そのまま奴の頭を掴んで地面に何度も叩きつける。

 

「やめて!」「だれか助けてー!」

そんなヒーローを、人々は恐れた。

どちらが勝っても、犠牲者が出て街は破壊される。

そんな心配などつゆ知らず、ヒーローと邪神は戦い続ける。

邪神がヒーローを振り切ろうと辺り一帯にビームを放つと、ヒーローは一旦引いてビルの陰に隠れた。

つまらない戦い方しやがるぜ、と敏感な拓也は思い、ネムネムの顔でしらけ気味。

ああ、段々と眠くなってきた。

拓也の視界がおぼろげになっていき、やがて全部真っ暗になって……

「たくや?今拓也県の皆さんから指名が入っています。すぐ来れますか?」

急に誰が俺を呼んだんだ?拓也県のみんなって、どういうことなんだろう。

 

「負けんじゃねーよ!拓也!」

声と共に顔へ突風が吹き付ける。その突風は拓也の意識を覚醒させ、ギンと目を開かせる。

どうして今、レオの声が?マンコを種マンにされた俺はどうなったんだ?辺りを見回すと、そこは実家にある自分の部屋。

そして自分の股間から漂うイカ臭い香りで、自分が今まで何をしていたのかを知る。

 

「何やってんだお前!こんなところで諦めんなよ!もっと熱くなることしろ!根性見せてみやがれ!それが男ってもんだろうがよ!!」

目の前にあるブラウン管のテレビから、そんな声が部屋に響く。

これって……レオの声か?じゃあ、ヒーローはレオで、邪神は拓也のことなのか!?

「何やってんだお前!早く来やがれ!根性見せてみやがれ!それが男ってもんだろうがよ!!」

これは、俺だ。レオは、俺に呼び掛けているんだ。

でもどうして?どうしてビルダー拓也なんだよ!拓也はヒーローじゃないよ、ただの淫獣だよ!

「拓也さん!来てください!頑張ってください!」「助けて淫魔!」「県民全員でコイツを応援しろ!」

レオだけじゃない、俺のダチが、みんなが俺を呼んでる!急にブラウンのスクリーンが大きく広がり、聞こえてくる拍手のルーティン。

 

拓也は、その拍手の嵐に答えるように、立ち上がり走る。

ピンチの時は俺を呼びな!そして、喉潰しながら3回唱えろ!ヒーロー見参、ヒーロー見参、ヒーロー見参。

 

「淫魔!淫魔!」「皆さんが貴方を待っています!」「ここで諦めるとかとか哀れ。」「怪物に立ち向かう姿が大昔に存在した北京原人みたいでした」「ファイトォオオーッ!ファイトーーーーーー!」「僕達には貴方が必要なんだ!お願いします!勝ってください!僕は貴方のことが好きなんだ!愛してるんだ!結婚しよう!(童貞)」

そうすれば俺はやってくる。ギン目で勃起してやってくる。快感で全身が痙攣しながらやってくる。

俺の、名前は.....おれのぉ!名前は!正義のヒーロー.....淫獣!拓也だぁぁ!!

ホモ一人簡単に飛べるスクリーンの下枠を飛び越し、俺は一気に現実の世界へやってくる。神々の意識はガタイから断ち切られ、陰嚢へと押し込まれる。

ヒーローは俺だぜ!俺だからさ、俺以外の奴に、俺のギリシャ彫刻のようなガタイを、トロトロのマンコを使わせねー!動きが止まったヒーローは蹴り飛ばされて、ビルに衝突。衝撃でガラスや壁が粉々に砕け、人々は恐怖する。がれきの中でヒーローが倒れる中、拓也の意識は戻っていた。いびつに2つ合わさった異形の姿から、この数日間世間を守るために闘ってきたあのヒーローへと徐々に変わってゆく。

やっぱ俺、この姿じゃないとやってられないぜ。

 

ガバガバアナルのように空いたビルの穴から外を見て、邪神を視認。

触手を左右に伸ばして後退しパンパンにパンプした触手によるパチンコ的射出で夜の街へと飛び出す。邪神の暴虐で砂埃が舞う中、俺はそいつの口元へ突っ込んでいき、キス。

 

「コ゜ッ゛……!」

思いっきりえづいた邪神は、吐瀉物を撒き散らしながらビル群向けて倒れていく。

すかさず俺は奴の背中へ回り、お尻めがけて乳首からビームを放った。

失神直前の奴は、そのビームの衝撃で意識が覚醒しケツを抑えて立ち上がる。

 

「うがぁぁぁ!!」

効いているようだな。でも、ここで気を抜いちゃいけないぜ。

雄膣の穴から精液垂らした俺!なんせ相手はあの邪神なんだ。

尻を抑える邪神の手を触手で払いのけ、魔術で雄膣を創造する。

 

「ギィエェエッ!?」

驚いている暇はないぜ、更に、俺はチンポにエネルギーを集中させ、ギンギンに勃起させる。そしてデカマラスカイツリーほど超絶巨根になったモノを挿入。

 

「ウゴァアアッ!!」

始めてのアナルセックス、しかも淫魔にやられて更に、そこにビルダーの激太マラが挿入された。もう邪神は気が狂いそうだ。そして俺はデカマラを前後に動かし、奴の体内を刺激する。

 

「アアッ!ヤッベエェ!」

明らかに感じてやがるぜこいつ!快感に悶える邪神を見て、俺は確信する。

だがこれで終わらせないぜ!俺は触手の先端からクスリを放出。

更に奴の意識を朦朧とさせる。

 

さらに激しく腰を動かし、快感鉱石を削る。

邪神は快感に耐えられず、白目を向いて痙攣し始めた。

そしてビルダー性処理玩具になっていく拓也は、この最高のエロタイムに終止符を打つべく、金玉から神々の種をせり上げる。

 

「あぁあああっ!イクゥウッ!!」

すると、邪神は身体中を痙攣させながら盛大にイッた。

初めての体験だったからか、邪神の雄膣はギュンギュン締まって狂気すら感じられるほどの快感をもたらした。その勢いで、俺もまた絶頂。

 

「これが漢の一撃だ!喰らいやがれ!くたばれ!死ね!爆裂!超絶!極太!巨大!メガトン!ビッグマグナム!!発射ーーーーーー!!!」

意識を派手にぶっ飛ばし射精、おれの精液はまるでロケット花火3000倍のような勢いと大きさで邪神のアナル内を直撃。

 

体を突き抜け、精液を口からぶっ飛ばしそのまま街へと降り注がれた。

これは勝利の証。そして、拓也は勝利の雄たけびを上げた。

 

「イ゛ェエ゛ア゛ア゛!!」

その雄叫びは、この星をも揺らし、神々に対する威嚇には十分なものだった……。

 

全身から体液を吐きまくって倒れ伏す邪神の肉体は、光とともに粉々になって消えてゆく。それと同時に、長いクリスマスの夜は終わりを迎え、朝日が昇ってきた。

拓也は、その光に包まれながら、ガタイをビルの屋上で休める。

 

「ガタイとセックスのことしか頭にない、雄狂いの淫獣だぜ……」

朝日を見ながら自虐し、頭を掻いて笑う。

街は酷い有様だけど、ガタイのいい心を持つこの県の人たちなら、復興なんて簡単だろう。拓也はそう思い、眠ろうとすると……

「もう、寝てしまうんですか?拓也」

聞き覚えのある声がする。それは、忘れもしない、あの声だ。俺をまどろみから目覚めさせたヒーロー、ハリケーンの姿。

二度と、見ることはないと思っていた。だって変身したら、今度こそマネージャーが……俺の心はあの補助がなければ死んでいた。だから仕方のないことで済ませられれば良かった。でも、皆が生き残ることを正義としていた俺にとって、それは許されないことには違いない。俺はマネージャーに、ただただ謝るしかなかった。

 

「ゴメン、マネージャー。

俺、おれ……」

「せっかく邪神に勝って、この朝日を拝めるのに、そんな話はナンセンスですよ。

拓也」

俺は何も言えず、ただ下を向くことしかできなかった。

マネージャーは俺の隣に座り込み、黙って昇る太陽を、ただ見ていた。

変身を解いた俺たちが希望に溢れた光景を、朝日を、また共に見られるだろうか?オレは、それが心配だから、目に焼き付けることしか出来なかった。

そしてそのまま、そこでテレビの電気を消したように、拓也は意識を失った。

 

夢の中で走馬灯が回り、拓也は今までの出来事を振り返る。

ゆっくりとゆっくりと、思い出を噛みしめながら。そして、最後の思い出。

それは神社で初めて俺がヒーローに変身した時のこと。

 

大きな木の陰から、いじめられている男の子を助けるべく、勇気を出して飛び出した。

そしたら、イジメっ子たちは俺の方へ歩んできて。

 

「誰だよお前、このアホ。」「お前も混ぜて欲しいのか?この淫獣め!」

拓也は奴らの罵倒を聞き流し、一人でこの後どうするべきなのか考えていた。

お面を脱ぐべきか、被ったままか。

あんだけお姉さんに言ったくせして、俺は今、ウルトラマンの顔を借りてその場に立っている。

 

「なんだよそのお面!お前ちょっと脱いでみろよ!」

「そうだ、脱げ!この淫獣!」

イジメっ子たちは俺のお面を奪おう手を伸ばしてきたのに対して、ビルダー性処理玩具になっていく拓也は反射的にその手を払いのける。

 

「やめろ!これは、俺のだ!お前らなんかに渡さねーぞ!」

「なんだとこの淫獣がぁ!」

「調子に乗るなよ!」

奴らは怒り狂い、今度は拓也の服を掴み引き裂く。

そして、その破れた服から見えるビルダー肉体を見て、奴らはさらに興奮し始めた。

 

「なんだこいつ……筋肉もりもりでマッチョマンじゃねーか」

「しかも乳首ビンビンだぜ……」

仮面以外はどうでもいい、服が引き裂かれる間も、お面は取られないように死守して考える。

ここで脱げば俺の顔が覚えられ、学校にいけば教室の真ん中で裸にされたり体育館のマット置き場で玩具にされたりしていじめられるだろう。

今日こいつらに勝てたとしても、今後ずっと勝てるとは限らない。

 

でも、それでいいのかも知れない。

そうなっていじめられているあの男の子の心を、雄膣の穴から精液垂らした俺が救ってやれるんなら、それで……いいんだ。

 

ちょうど全裸になった時、俺は仮面を外す決心をした。

 

「教えてやるよ。俺が、誰だってのかを」

そして、仮面を思いっ切り外して、いじめっ子たちに素顔を見せてやる。

 

「快感で全身が痙攣するオレは……」

ここから先は言葉にならなかった。

だって、奴らが急に快感で全身が痙攣するオレの口と鼻を押さえてきたから。

むかついたので俺は奴らの手を引き剥がし、その隙に後ろへ回る。

そして、奴らのケツに浣腸してかき乱し、その糞を俺のアナルへ。

そして、思いっ切り大声で名乗りをあげた。

 

「俺の名前は淫獣拓也だ!」

そう叫んだ瞬間、俺の夢は終わり、無が周囲を包む。

これが、最後の夢。

次に俺を迎えるのは死か、それとも……

「任務完了、オ疲レサマデシタ。」

どこからかそんな声が聞こえる。淫夢君の声だと、すぐにわかった。人生最後に聞こえる音が、あの淫夢君の声なんてついてないぜ。どうせならセンパイの声か、レオの声が良かったな。なんて残念に思っていたら、急に視界は光で溢れ、見覚えのある白い天井が目に映る。上半身を起こすと、病院のベッドだとすぐに分かった。横をみると、センパイが椅子に座って寝ている。改めて、俺は生きていると実感した。

 

あの体の中から叫ぶような痛みも、快感も、全て消えている。

そう思うと涙が出てきた。雄膣の穴から精液垂らした俺は、生きているんだ。

生きて、残っちゃったんだ。

 

それから時間が経った、具体的には30日以上?40日以下かな?病院は二週間ぐらいで退院したけど、ちょっと内蔵の具合が酷かったから通院してた。

まぁ俺は頑丈だから、もう大丈夫。ただ、マネージャーは違う。

 

クリスマスの朝にぶっ飛んでから、意識が戻らない。

医者が言うには、このまま意識が戻らなくてもおかしくないし、一生目覚めないかもしれないって。俺はよくマネージャーの見舞いに行ったけど、その現実は変わることはなかった。自分のせいだ。

ハァハァ喘ぎ続ける拓也が、一人じゃ現実に戻れなかったから。

けど、今を生きる人達に日常を、平和を取り戻せたのは事実。

センパイやレオ、みんなに、未来はある....はずだった!

俺はデカマラスカイツリーの階段を駆け上がっていた。

貧弱な俺の下半身で、汗を滝のように流しながら必死で登る!ヒーローの時とは違って生身で階段を登っていくから、全身に鳥肌が立ちっぱなし。

まだまだ復興途中で建設中だから、所々欠けているし鉄骨はむき出しだ。

ヒーローの時とは違って生身で階段を登っていくから、全身に鳥肌が立ちっぱなし。

まだまだ復興途中で建設中だから、所々欠けているし鉄骨はむき出しだ。

 

やっとの思いで現状の最上階にたどり着くと、そこに縛られているセンパイと、その背後でナイフを彼の首にあて、笑っている少女の姿、アリスがいた。

二人は建設途中であるタワーの端で安全柵を超えギリギリに立って俺を待ち構える。

今日は風の強い日だ。今にも二人は1500mの空へと落ちてしまいそう。

 

どういう経緯でセンパイがアリスに捕まったのかはわからない。

けど、センパイがピンチなのは事実だ!

「センパイ!」俺は大声で叫ぶと、アリスはナイフを逆手でもちセンパイの喉元へ近づける。

 

「動くな!動いたらこいつの首を掻っ切る!」

センパイの首からは血が少し垂れている。

興奮と狂気に満ちた表情からみてマジで刺すつもりだ!どうにかして彼女を止めないと先輩が危ない!

「センパイは悪くない!悪いのは全部敏感な拓也だ!敏感な拓也が悪いんだ!だからセンパイだけは解放してくれ!頼む!お願いします!なんでもしますから!」淫獣拓也は先輩を助けるために、必死で頭を下げ土下座する。

床に額をシコるときみたいにこすりつけると、額から血が滲み出すのを感じたけど、そんなの関係ねぇぜ!拓也は必死の懇願を続ける。

 

「お願いだアリスさん!淫獣拓也の体なら好きにしていいから!」

いくら頭を地面に叩きつけてもアリスは許してくれない。

ナイフを握る手がプルプルと震えだす。力が入り過ぎてナイフが先輩の首へ今にも食い込みそうだ。

 

「あなたの干し柿みたいな体に価値なんてない。私はただ、理不尽な仕打ちを受けてほしいだけ、妹を殺されて、生きる意味を失って死のうとしたのに、それを邪魔した。それに比べてお前はヒーローになって、幸せになろうとしている。許せない。」

こうやって誰かに恨まれることは、俺も戦いの中で予想していた。

でも、命を救ったのに、それでここまで恨まれるなんて……

「だから私は決めたの。こいつを徹底的にいじめて苦しめてから殺すって。それだけあなたに傷つけられたから。」

センパイは、俺の方をずっと見ている。

その震えず力強い目線は、マンコを種マンにされた俺を信じている。信じて何かを待っている。センパイが待っているものは……

「アリス、待ってくれよ、俺はただ、救いたかった。それこそが妹さんにとって一番の救いだって思っているんだ」

俺は必死の思いで語りかける。すると、手の震えが止まったかと思えばアリスは、笑い出した。

 

「アハハハハハッ!何が救いだって?そんなの私にはどうだっていい!どうだっていいことなのよ!」

「どういうことだ!?」

「ピュアが何を望もうが、知らない!私はもうピュアの姉じゃなないから!アリスとして、復讐を完遂する。それが今の私の使命なの」

「そんな……」

彼女はもう、ピュアじゃない。心に暗い闇が広がって、復讐の鬼に堕ちた。元には戻らない。

 

「ああ、私にあなたが逆だったら.....こんなことにはならなかったのに、死のうとしたあなたを見捨てて、無駄な命を一切救わない完璧なヒーロー……まぁ、こんなことを考えるだけ無駄ね」

「本当に無駄だな。馬鹿馬鹿しいぜ」

センパイが、そう呟いた。

ふけっていたアリスの視線が、センパイへ向く。

 

「何が完璧なヒーローだよ。そんなの誰でもなれねぇよ。だがな、そんな姿勢じゃ拓也に勝てるわけねーだろ!お前は仮面を脱げない。命の取捨選択を冷たくするような奴が、人間として拓也に勝てるわけがねぇだろ!」

「黙れ!お前に何が分かる!」アリスの怒りは頂点に達している。

俺の為にここまで言ってくれるセンパイには感謝しかないけど、はっきり言ってやばいぜ!俺は少しずつにじり寄り、アリスとの距離を縮める。

彼女が俺に気付いた時が、決着の時だ!

「この首筋の動脈切ったら、血が噴水みたいに出るわね。その瞬間に、あなたの大事な先輩の心臓も止まっちゃうかもね。」

そう余裕をこいて俺の方を向く。二人の距離は、もう3mぐらいしかない。

俺が近寄っていることに気づいたアリスはナイフをセンパイの喉元めがけて突き刺す。

鋭い刃先のナイフが皮膚を破り、血が流れ落ちていったが、彼女が刺したのはセンパイの首ではなく、拓也の腕でした。

 

「なっ!?」

アリスは驚いた。だけど同時にあきらめなかった。センパイの服をつかんだまま思いっ切り体重を後ろへとかけ、宙へ舞っていく。

俺の手は二人の自由落下を止めることが出来なかった。

「センパイ!」

落ちていく二人に叫んだけど、その声は届かない。ああ、俺はまた救えなかった。

二人の脳天が地面へ激突し、赤黒い血が周囲に飛び散っていく様を想像する。

ショッキングすぎて意識がぶっ飛びそうになりそうだ。今度こそ、守るって決めたのに。手放さないって決めたのに。

 

俺もここから飛び降りてしまおうか、そんな考えもよぎった。

後を追えば、センパイが待っている。そんな妄想もしたけど、マネージャーが命をかけて助けてくれた俺の命を、無駄には出来ない。だから俺は、二人の命を奪ったこのタワーのてっぺんで、ただぼーっとすることしかできないんだ。

意識が遠くなっていく、これは夢だと言い聞かせて。

 

気がつくと、俺はどこかのビーチにいた。波打ち際で座って透き通った海を眺めている。どうやらここはバリ島のようだな。

でもおかしいな、海の向こうには美しい砂浜と青い水平線があるはずなんだけど、なんだか全体的に白い霧がかかっていて、向こうが見渡せない。

まるで視界の先にベールがかかってるみたいだ。

 

まぁそんなことはどうでもいいや。せっかく夢にまでみたバリ島にいるわけだし、思い切り羽を伸ばそう!砂浜に寝そべってただ目を閉じる。波の音、潮の香りが心地いい。

こんなに清々しい気分は久しぶりだな! しばらく目を閉じている内に、どこかから声が聞こえてきた。

「拓也」

俺以外いないはずのビーチに、人の声が響く。

しかもどこかで聞いたことがある声だ。

誰だろう? 気になったけど面倒くさいので俺は無視した。

「ちょっと、無視ですか?」

でも声の主はしつこく俺の名前を呼んで、俺に近づく。

そしてついに、声の主が寝ている俺の傍にきた。

 

拓也の夢枕に現れたのは、あのターミネーターの格好をしたマネージャーだった。

「マネージャー……?」

普段の姿からは想像できない、おかしな格好をしたマネージャーに、困惑しつつも俺は声をかける。

 

「久しぶりですね、あなたの夢の影響でこんな姿になっちゃいましたが、会えてよかったです。」

まるで妄想の外から現れたマネージャーは快感で全身が痙攣するオレに微笑みかける。

顔半分が機械仕掛けなせいで、笑顔にちょっと不気味さがある。

まぁそれもシュワちゃんらしくていいんだけどね。

 

「どうして俺の夢にマネージャーが……?」

すると、マネージャーは俺の傍に座り、少しの間、海の方を眺めていた。

その表情はどこか寂しそうで、悲しげだった。

 

「...別れを言いに来ました。」

重苦しく開いたその口から、衝撃的な言葉が出てきた。

ただこの言葉を飲み込むのは簡単だ。だってマネージャーはあんなに苦しんでいたんだから。でも、俺は認めたくない。ここで認めてしまったら、俺は一気に救えたはずの命を手放してしまうことになる。

 

「そんな……なんで?なんでこんないきなり……」

動揺する俺に向かってマネージャーは、立ち上がり海へと歩き出す。

まるで引っ張られるように、敏感な拓也はマネージャーの背中を追った。

ここで引き止めなきゃ、二度と会えない。

そんな気がしたから。

 

「まあいいじゃないですか、実質死んでいるようなもんですし、もう未練もありません。」マネージャーは海に足をつけ、腰辺りまで浸かっている。

置いていかないでくれよ!敏感な拓也は急いでマネージャーの腕を掴み、何とか引き留める。

 

「いかないでくれよ!そんな簡単に、簡単に諦めないでくれ!まだ俺はみんなと離れ離れになりたくない!耐えられないんだ!俺は....」

「......短い間でしたけど、あなたと共にヒーローができて楽しかったです。私の生きる意味が、生きた証が深く刻まれた数日間でした。」マネージャーは海の方を向いたまま、静かにそう答えた。

 

「何にもなることができない私に、意味と目的を....正義を見せてくれたのは、あなたでした。だから……拓也。」

大きな波が、俺たちに迫る。

避けることも、何とかしてマネージャーを引き留めることも、もうできなかった。

「ありがとう。」波に飲み込まれる瞬間、ビルダー拓也は確かに見た。

いつものような仄かな笑みじゃなくて、本当に嬉しそうな、満面の笑みを。

俺は波に飲まれながら、必死に水をかき分け、マネージャーの姿を探したけど、もうそこには誰もいなかった。

 

「ハァハァ……夢か……」

飛び起きた俺はさっきの現実と変わらずデカマラスカイツリーの最上階で、気を失っていたみたいだ。

それでも、内容はしっかりと覚えている。

バリ島のこと、マネージャーが死んだこと、そのすべては鮮明に思い出せる。

だから、もう全てが遅いことも理解している。

 

「……俺はただ、みんなを助けたかっただけなのに……」

また拓也の股間に精液と涙が混じる染みができてしまった。

そんな俺の目の前に、ふよふよと何かが浮いている。

それは、馴染みのある機械、淫夢くんだ。

 

「淫夢君!生きてたのか……」

敏感な拓也の声を遮って、淫夢君は言う。

 

「人間2人持ツノッテ、コンナニ大変ナンダネ☆」

目線を少し下げると、センパイとアリスが、淫夢君のアームに抱えられていた。

 

「センパイ!」

俺は一気に野獣モードと化して、ゆっくりと傍に置かれた先輩の体を抱き上げる。息はしている。生きている。怪我もない。ただ気絶しているだけだ。

 

「安心シロヨ~!気絶シテルケド、タブン大丈夫サ!」

どこか抑揚のおかしい淫夢君、以前俺とマネージャーを助け続けたあの淫夢君とは違った雰囲気だ。

彼の陽気な雰囲気にほだされて、俺の緊張も解けていく。

 

「ジャア、ビルダー淫夢ハ帰ルカラ!」

会話を交わす暇もなく、淫夢君はどこかへと飛んで行ってしまった。

発言は陽気だけど、どこか機械の冷たさを感じるような、そんな寂しさがあった。

 

「センパイ……無事でよかったです。」

そう呟きつつ、センパイの頭を撫でた。愛おしいその体温が、指先から伝わる。めちゃくちゃになった魔字狂居市は、既に多数のボランティアと淫夢の人たちの力によって復興が進んでいる。そして今日も、俺の体は鍛えられていく。

 

苦境にあっても人類は何度も立ち上がってきた。

それこそが、人類の真の強さ、このデカマラスカイツリーだって、もう1500mまで迫ってきている。

射精したチンポが再び立ち上がるように、ビルダー性処理玩具になっていく拓也たちはもう一度立ち上がり、前に進んでいく。

 

とにかく俺は今の日常を謳歌する。全力でセックスする。

幸せ、ただ、次の日の朝にはまたもダウンだ。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。