※この作品はR-18です。

クレオパトラの鼻がもっと低かったら   作:ㅤ ْ

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寝取らせ

ーー愛する人を離したくはない。それには最も有効な方法は何だろうか?

 

愛や感謝の言葉をかけ続ける事だろうか?否。言葉は使えば使うほど安くなる。行動で愛を示し続ける事だろうか?これも否。行為も常態化すれば陳腐になる。

 

答えは一つ。呪いをかける事だーー

 

 

 

「もうこんなになっちゃってるねー、そんなに期待してくれたの?」

 

神咲ユリは、彼氏の立派にそそり立ってひくひくと脈に合わせて軽く震えてすらいるペニスを前にそう言った。彼女は手にしていたコンドームの包装をピッと破ると手馴れた様子でそれを目の前のペニスに装着する。

 

既に互いに全裸。ベッドに寝そべった彼氏の腰の上にまたがるようにして、期待に打ち震えるようにピクピクとしている肉棒の根本を手で押さえて固定する。

 

「そんなに昼間どうだったか聞きたい?」

 

ユリは潤んだ眼で愛しい彼氏の顔を見下ろしながら、そう聞いた。

 

「いいよ、じゃあ話してあげる。楽しみにしてたんだもんね」

 

言いながら腰を下ろして、既に濡れそぼった秘部に肉棒の亀頭を触れさせる。根本を押さえていた手を軽く動かして亀頭を小陰唇で擦るようにして愛液を塗す。

 

「お昼過ぎにね、約束の時間で駅前で待ち合わせしたの」

 

ユリは語り始めながら、亀頭の先を膣口に沿わせるとそのままゆっくり腰を下ろしてずぷぷ、とペニスを膣内に咥えこんでいった——

 

………

……

…

 

「こんにちは。違ってたら悪いんですがユリさんですか?」

 

「はい。貴方はミナトさんですね」

 

男に答えた神咲ユリは、深い青色の落ち着いた印象のニットワンピースに身を包み、首にはチョーカー。顔には眼鏡をかけ、両の耳たぶにワンポイント程度のピアスをしており、手に明るいデザインの鞄を下げているという出立ちだった。

 

「初めましてですね。写真送って貰ってたけど、ユリさん実際に会ってみると凄く可愛いですね。あ、別にお世辞じゃないですよ」

 

そう出会い頭に容姿を褒める、ミナトと名乗る男。彼は髪なども染めておらず、服装も特に目立ったセンスも見られずに一見平凡に見える。だが、変に飾り立てなくても素朴な顔立ちは人に好印象を与え、身なりも清潔感を感じさせる。初対面のユリを褒める口調もごく自然で、所謂ステレオタイプの遊び人とは違った形で女慣れしているのが伺える。

 

そして実際彼の褒め言葉がお世辞ではないというのも事実だった。ユリは大学生だがまだ成人前で若く、メイクは若い肌の素材の良さを引き立てる程度の薄めのナチュラルなものだ。顔立ちは綺麗に整っていて美しくも、まだ少しの幼さが残るのと、優しげにまなじりが下がった垂れ目なのがとても可愛らしい印象も与える。黒髪よりほんの少し色素が薄い暗めの茶色がかった繊細そうな髪で、背中まで伸びて緩めにカールしていた。少し口元が上がって自然に微笑を湛えているいるように見えるのもまた穏やかな魅力があった。

 

「ありがとうございます。ミナトさんもとてもかっこいいですよ」

 

「はは、お世辞でもそう言って貰えると嬉しいですよ」

 

ユリの返礼に笑ってミナトは答える。彼がどう受け取ったのは定かではなかったが、実際彼女の言葉もあながちお世辞ではない。初対面での外見と少しの会話、ともに主張が強すぎるわけでもないが相手に好感を抱かせる印象を明香は気に入っていた。

 

「別に敬語じゃなくてもいいですよ。ミナトさん歳上ですよね」

 

ミナトはやはり年若いが、それでも二十代半ばであろうと思われた。

 

「はは、それが僕は砕けた口調で話すのが苦手でして。実は親にすらこんな口調なんですよ」

 

「えー、親にもですか、それ珍しいですね」

 

ミナトは軽く笑い話という風に言った事にユリは少し驚きを見せつつ相槌を打った。ミナトが言ったことは本当なのか、ただの冗談なのか判断がつきかねる。

 

二人はマッチングアプリで知り合い、今日こうして初めて会う事にした。共に本気で恋人探しという目的ではなく、遊びだ。要はお互いヤれる相手を探していただけで目的が一致しただけだ。つまりは二人とも一見遊び人には見えないが遊び慣れているという似た者同士だと言えるだろう。

 

「じゃあ行きます?」

 

眼鏡を外しつつユリは言った。

 

「あれ?眼鏡外しちゃうんですか」

 

「これただのファッション用の伊達ですから。していた方がいいですか?」

 

ミナトの問いにそう答える。普段彼女は眼鏡はかけていないが、ファッション兼待ち合わせでは目印になるだろうという意図でかけていた。

 

「いえ、似合っているとは思いますが、素顔の方が俺は好きですね」

 

「では、これでいきます」

 

率直に好みを伝えると、ユリは眼鏡を鞄に納める。

 

「先にどこか寄ります?」

 

「んー、それも無粋じゃないですかねー?」

 

一応のミナトの提案に、ユリは悪戯っぽく返した。それにクッと一つ笑って彼は答える。

 

「同感です。話が早くて助かります」

 

そして二人は示し合わせたように近場のホテルに向かって歩き出した。

 

結局二人ともヤる事ヤレれればそれでいいから余計な事などどうでもいいのだ。

 

………

……

…

 

休憩で取ったホテルの一室。ミナトとユリは雑談もそこそこにと言った具合にベッドに隣同士で腰かけたまま互いの舌を絡ませあっていた。

 

「くちゅ、っキス、上手いですね」

 

「そうかな?そういうユリさんこそ中々の舌遣いですよ」

 

一旦口を離して、二人は互いに賞賛しあう。実際内心で互いが互いに中々のテクニックだとリスペクトし合っていた。

 

ユリは今の深いキスで口元から一筋の唾液が溢れ、頬は紅潮してすっかりメスの顔をしていた。もうスイッチが入ってしまったようだ。

 

胸元からはシトラールの甘いレモンによく似た香りが主にして、それにフローラルなものが混じって僅かな草のニュアンスが感じられる芳しい体臭が立ち上っていた。メリッサの香り。

 

何とも男をそそる顔と匂いをさせるとミナトは思いつつ、ユリの肩を抱いてそのままとさりと、ベッドに優しく押し倒した。

 

「ん……」

 

そのまま脱がさずに、軽く愛撫する。胸を撫でるが、服の上からだとゴワゴワして分かりにくいがあまり乳房の隆起は感じ取れなかった。片膝を立てていたが、その太腿の内側の皮膚の薄い部分を手の甲で優しくなぞる。相手に大切にされていると思わせるような、慈しむような手つきだった。

 

「っ、ミナトさん、彼女さんとか居ます?」

 

「?、居ないですよ。どうも特定の恋人関係とか柄じゃないみたいなんですよ」

 

何気なく口を開いたユリに、ミナトは答える。ユリも軽いボディタッチよりは深め、愛撫以下くらいにミナトな身体に触れつつ雑談を続ける。

 

「そうなんですか、モテそうなのに」

 

実際、一見真面目そうに見えて、しかして女性の扱いに慣れているというのはモテるのではなかろうか。

 

「正直面倒なんですよ。彼女になった途端に人の事を所有物みたいに扱ってきたり、こちらが思い通りにならないとすぐに騒いだり」

 

ちゅっ、とユリの首元にキスマークになったりしない程度にソフトに口付けをしながら、非常に明け透けな事を言う。

 

「だから正直よく知らないし、お互いにどうでもいいくらいの女性と遊ぶ。くらいの距離感が男女は一番心地いいんじゃないかというのが僕の持論ですかね。いつもベタベタした恋人同士みたいなのは無理みたいで」

 

「というか、ユリさんこそどうなんですか?彼氏とか」

 

互いにイチャつく程度の愛撫のしあいを続けながら逆に今度はミナトが問い返した。

 

「それは、ん〜、秘密です」

 

「なんですかそれは、ずるいなぁ……」

 

ユリはクスリと笑いながら思わせぶりに煙に巻くと、ミナトは苦笑いしてボヤいた。

 

ユリの言動はまるで男にモーションをかけているようでもあり、男からすると相手は気があるのか、単に揶揄われているだけなのか判断に困る所だろう。

 

しかし、ミナトは最初から本気になどしていない。何故なら互いに本気などあり得ないという前提での遊びだからだ。こんな恋愛の駆け引きじみた事もちょっとしたロールプレイに過ぎないものと考えていた。罷り間違ってユリが本気になったとしてもミナトには関係のない事だ。

 

「そんな事、より」

 

ユリは言いつつミナトのズボンの股間を撫でさすった。中では肉棒が既に勃起している。ズボンの下で窮屈そうに硬くなっている棒状のものを布地の上から握る。

 

「もうこんなに硬くなってて、もしかして割と期待してくれてました?」

 

「それは愚問ですね」

 

そもそもミナトはセックスをする為だけに今ここにいて、女を前にしているのだから確かにそれは愚問であった。

 

ではと、特に何も言わずにミナトはユリの服を脱がしにかかる。ユリ自身もアシストしながら上着に肌着と脱がせて下着姿にすると、背中に手を回してブラジャーを外した。それで派手さはないがやや清楚な印象で可愛らしいデザインのショーツとソックスだけの姿になる。

 

「綺麗な身体ですね」

 

「そうですか?あんまり女っぽくないからちょっと恥ずかしいかも……」

 

誰にでも言っていそうなミナトにユリは、はにかんで答える。実際にミナトは女性の裸を前にしたら誰であってもとりあえず同じ事をいうが、ユリ相手に対しては全く本心ではないという事はなかった。

 

ユリは痩せている方ではなく、ちゃんと皮下脂肪が適度に乗った体つきだが贅肉という程のものもなく、男好きのしそうなちょうど良い肉付きをしていた。肌はその若さ故か張りがあってきめ細かく、血色も良く健康的に見えた。

 

ユリ自身が女っぽくないと謙遜した通り、まず胸は殆どなかった。全くないという程ではなくも余りにもなだらかな稜線を描いているそれはカップにするとAAかあってもAか。その胸と同じく慎ましく小さな少し濃い肌色の乳首であった。また全体の身体のシルエットも強いくびれや突き出た尻などでメリハリのあるセクシーな女性の体つきというのとは違い、全体的に起伏の小さな、腰から足までが緩やかで優しい曲線美を奏でていた。

 

なるほどセクシャルな魅力を発散するメスの身体ではない。しかし、優しい。安心感。家庭的。そういった印象を抱かせる綺麗な身体であり、また確かな魅力があった。

 

「いえ、こういう言い方は失礼かも知れませんが、俺割と小さな胸も好きなんで、ユリさんの身体好みです」

 

少しリップサービス混じりだが、これも全くの嘘ではない。ミナトも男として巨乳は好きだったが、貧乳もこれはこれでと楽しめるくらいの器量はあった。

 

「そ、うですか?自信ないんですけど、喜んでもらえたならよかったです」

 

褒めてもらえたのが嬉しかったのか、ユリはそう言ってへにゃっと少しだらしなく笑った。

 

なんかこの人可愛いな。とミナトはそう素で思った。いちいち仕草があざとくならないギリギリの所で、天然なのか、あるいは計算でやっているならかなりの魔性だ。ミナトに対してモテそうとなどと言ったが、そういう本人こそ相当男受け良さそうである。ミナトも遊び慣れてなければ惚れていたかも知れない。

 

そこで、むくりとユリは上体を起こして無造作にミナトのズボンに手を掛けた。

 

「私もミナトさんの見たいです」

 

そう言って、ベルトの金具を外しにかかる。ミナトは特に何もせずにユリに脱がせるに任せた。

 

カチャリとベルトのバックルを外してズボンを下ろしてしまうまで殆ど一息であった。ミナトもそうだが相手を脱がせる手管に遊び慣れているのが見てとれた。トランクス一枚の薄い布越しにしっかりと勃起したペニスがピンとテントを張っている。

 

「わぁ、凄い……硬い」

 

パンツ越しに怒張を撫でてそのゴリっとした感触にはぁ、と熱い一つ息を吐く。顔が軽く上気しており、どうやらユリも興奮してきたようだ。テントを張るパンツに顔を寄せて軽く頬擦りをする。雄臭さが仄かに感じられた。

 

これは中々。ミナトは内心舌を巻いた。一見大人しげな可愛い顔をして相当な好きものだ。まぁ、ミナトも人の事は言えないが。

 

そして、ユリはペニスを隔てる一枚のパンツを敢えて脱がそうとはせずに、布越しにテントの頂点を口で咥え、舌を這わせた。

 

「おっ、あ」

 

「ん、チュッ。気持ちいい、れすかね?」

 

不意打ちに小さく呻いたミナトに、ユリは問いかけつつパンツ越しのペニスの竿を唇であむあむと挟み、更に舌を絡めてくる。あっという間に彼のトランクスはユリの唾液でしっとりと濡れる。

 

「気持ちいいのはいいんで……すけど」

 

もどかしい。そうミナトは思った。何故わざわざパンツ一枚を脱がさずに口淫するのか?つまりは焦らしているのだ。更に女性がパンツ越しのペニスにむしゃぶりつく姿には倒錯的なエロさがあるから狙っているのだ。なまじ女性慣れしている分ある程度冷静に考察した。そして、実際直接的な快楽は布越しな分然程ではないが、それでも興奮してきた。

 

「直、接が、いいれふ、か?」

 

夢中だという風にユリはパンツ越しの竿にねっとりと舌を這わせながら問いかける。果たして直接したいのはどちらだったか?

 

「直接、お願いしたいです」

 

ミナトはそう答えた。実際の所はこのぬるま湯に浸かっているかのような緩やかな快楽に浸っているというのも乙だったが……しかし、ユリの出来上がり具合を見て先に進めた方がいいと思った。この男は、遊び人だがなんだかんだで女性を立てる性だった。

 

「はぁい」

 

応じつつ、ユリは前が唾液塗れになったパンツをワクワクしながら下ろした。下ろしてる途中まで引っかかっていた硬く勃起したペニスがパンツのゴムを超えるとびょん、と勢いよく反り返り飛び出した。

 

「わ、ぁあ」

 

恍惚とした表情でユリは嘆息した。シャワーも浴びずに始めた為に蒸れたような濃い雄の臭いが自分の唾液で薄まったようなものが鼻についた。どうにも自分のメスを刺激される。

 

大きさとしては平均よりやや上だろうが、しかし圧倒されるような巨根という訳でもなく、径も見たところ尋常。一見した所、特筆すべき点はない。

 

しかし、腹につきそうな程に反り返った竿に手を添えて軽く握るとまるで芯金が入っているかのようにガチガチに硬い。更に手が火傷するかと思うほどの熱を感じる。まるで焼けた鉄柱のようだった。

 

一見して派手さはないペニスだが、これは良いものだ。ユリは経験則からそう分かった。あまり大きすぎずに、しかし恐ろしく硬い特性は基本的に初心者から上級者まで万人受けするだろう。この感触は恐らくは精力も絶倫と期待してよいだろう。

 

このピンとした反りを利用して中をこの硬さで抉られるのはさぞ良いだろう。そんな事を思いユリは恍惚とした表情に涎すら垂らしそうだった。いよいよ淫乱な本性を剥き出しにしてきた相手にミナトは空恐ろしさすら感じたが、すぐに期待が優った。彼自身、どんな女相手でも性欲で引けを取るつもりは更々なかった。

 

「いただきますね」

 

そう言いつつ、ユリは先っぽに一つキスをしてからまず、手始めに竿の裏側に舌を這わせる。肉棒を上向きにして、根本付近から裏筋近くまでとぬとー、とゆっくりかつねっとりと舌を這わせた。

 

布越しとは違う。暖かく、よく唾液が絡んでいるが少しのざらざらが伝わる舌がなぞる感触は先程のもどかしさとは違う心地よさがあった。それを二回、三回と往復させる。

 

「ん、美味し、い」

 

端的に感想を呟くながら今度は竿を横からハーモニカを咥えるように食む。そのまま舌を絡めつつ手指で亀頭を包んで軽くタッピングするように刺激してきた。

 

「ん、上手いですね」

 

中々これは、と思いミナトはそう賞賛する。フェラのバリエーションがユニークだし、すぐに射精に繋がりそうな程に強烈な快楽という訳ではないが、今までにあまり味わったタイプではない気持ち良さがあって面白い。

 

「ありふぁとうございあす」

 

ぴちゃぴちゃ、と横から吸い付きながらユリは返礼した。最後に一つ舌を絡めて竿から口を離すと、今度は亀頭に狙いを定めて細かいキスを何度か降らす。そして舌を出して鈴口の下側から裏筋にかけてを舌で激しく刺激してした。

 

「う、あ。気持ちいい」

 

少し快楽レベルが上がってきた。敏感な部分を強めに刺激されるが、あくまで咥えず舌を伸ばしてくるため熱い吐息が亀頭全体にかかるもどかしさもある。舌を伸ばしながら濡れた瞳を上目遣いに向けるユリとミナトの視線が絡む。

 

「は、ぁ」

 

そこで熱い息を一つ吐いて、ユリは舌を引いた。だが、たっぷりと唾液が絡んだ竿を右手の親指と人差し指で作ったリングでクチュクチュと扱いて快楽は途切れないように与え続ける。そこでふー、と亀頭に息を吹きかけた。熱い唾液に濡れた亀頭の敏感な粘膜が冷えて、ゾクっとしたものが走る。

 

はぁ、とまた一つユリが恍惚としながら吐いた吐息がかかり、亀頭に今度は熱感が走る。同じ吐息なのに、何故吐き方一つでこんなにも熱かったり冷たかったりするのだろうとミナトは他愛もない事を思う。

 

そして、その熱に突然亀頭全体が包まれた。驚いたミナトが視線を下すと、亀頭をすっぽりと口に含み味わうように瞠目したユリが目に入った。唐突に——いや、口淫中と考えれば別に唐突でもないのだが——殆どいきなりという具合に咥え込まれていた。

 

口内はたっぷりの唾液に溢れて、まるで亀頭がトロトロのスープに浸かっているかのように熱かった。つるんとした口腔の壁とは違う柔らかいけど少しザラつくやはり熱い舌が鈴口の下から裏筋まで触れている。こうしてただ浸っているだけでも気持ち良さがあった。

 

「……?」

 

そう、気持ちいいのだが、しかし、その状態のまま中々動かないユリに疑問を感じた。様子を見てみるとユリは瞠目したままだが、まるで酒に酔ったように顔は上気している。亀頭だけ口に含んだまま動かないのだが、時折中で唾液の流動を感じる。ただ、咥えたままで唾液を分泌して、それが口から溢れそうになると飲み込んでいるらしいのが伝わってくる。嚥下に伴い、蠢く舌が裏筋近辺を刺激してそれが、予想出来ない快楽として感じられた。

 

そして、くち、くちゅっ、と粘液の奏でる音が響いていた。咥えたまま動かないフェラの立てる音ではなかった。見下ろしていたミナトは気がつく。ユリは口内に亀頭を含んだまま、うっとりと目を瞑ったまま自分の手をパンツの中に差し込んでオナニーをしていた。粘っこい音が僅かに響くのはもうパンツの中でユリの性器はすっかり濡れてしまっている証左か。

 

ぬと、っとユリは。舌を蠢かせて亀頭に絡めてきた。ぬるっとカリ首の廻りを周回するように愛撫してくる。頭を前後に振ってのピストン運動のようなシンプルな快楽ではない、気持ちよくももどかしく、腰が砕けそうな快楽があった。そうしながら、ユリはクチュクチュと自身の女性器を手淫する。

 

その相手に奉仕しようとしながらも、自身のあさましい肉欲を抜身にするユリ。いや、或いは奉仕ではないのかも知れない。一見相手に快楽を与える口淫も、その実自らの性感を高める為に行っている相手からの簒奪なのかも知れない。

 

そんな風に自分の興奮を露わにするユリの姿に比例してミナトも興奮を高める。そこでタイミングよくユリは次の動きを見せる。頭を前進させて肉棒全体をより深く咥えこんでいく。

 

「ん、クプッ。ふ、ぅ」

 

ゆっくりと更に深く、深く、深く。そこでミナトは思う。深すぎないか?と。しかし、亀頭が躊躇なく咥え込んでいくユリの舌の付け根を超えて、本来触れてはいけない喉の蓋体に亀頭の先が触れる感触。

 

「ちょ、」

 

「んぐ、おえっ!んく、んく、ゲッ」

 

思わず静止の声を上げかけたが、構わずにユリはミナトの下腹部に鼻先を埋めるようにペニスを根本まで完全に咥えてしまった。ミナトのペニスの全長は特別に長くはないとは言え、亀頭はほぼ喉奥の突き当たりに当たってしまっている。だが、ユリは嗚咽の声を上げながらもそのまま喉奥にぐりぐりと亀頭を押し付けた。

 

流石にえずいてこそいるが、しかし構わずそれでもこんな事を出来るのは嘔吐反射が鈍い体質なのか、訓練の成果なのか、或いはそのどちらもか。ディープスロートというのか実際ミナトにとってもこんな事をしてくる相手は初めてでその感触に戸惑う。かっぽりと亀頭が喉奥の狭くて弾力のある部分にはまり込んで、んくんく、と嚥下する働きで喉がまるで蠕動するような動きで亀頭を揉み込んできた。

 

肉棒の付け根を唇に挟まれ、竿は熱い口内で舌が絡み、そして先っぽは狭い喉内で締められる。三段階で全く違う刺激を与えてくる口淫はミナトをして未体験の快楽であった。通常の単純な口淫とも、膣内とも、肛内とも違う。しかし、ちょっと味わった事のない程の快楽だった。

 

「う、あぁ」

 

思わず声を漏らしてしまい、軽く頭を動かしてグリグリと喉奥で亀頭を刺激するユリの頭をミナトは両手で掴んで思わず止めた。腰が引けて砕けそうになったのだ。

 

「ん、ちゅぽっ。あは、ぁ、気持ち良くなかったですかぁ?」

 

それでユリは一旦肉棒から口を離して、上目遣いにそう尋ねた。そんな訳がないと分かり切っているというようなあざとい口調だった。

 

「いや、むしろ良すぎるくらいで。というか苦しくないんですか?」

 

「喉奥ですかぁ?私これ得意なんですよ。まぁ、慣れてても確かに多少は苦しいんですけど」

 

ユリは淫靡に笑って肉棒にぬるっと頬擦りし、陶然とした口調で言った。

 

「でも私、正直苦しいのとか、苦しい事されるの結構好きなんですよ」

 

そういうやいなや、一息にまた肉棒を咥え込んだ。

 

「ぐぷっ!グブッ!ゲッ!グチュッ!ぐぷっ!おエッ!」

 

そして、嘔吐反射も構わずに自分の喉奥に亀頭を叩きつけるような深く勢いよい抽送を始める。自分の喉を痛めそうな奉仕だった。

 

「うあっ、っ!」

 

男性が主体となってやるイラマチオならともかく、女性が自らやる口淫とは思えない程乱暴で暴力的に与えられる快楽にミナトは呻く。今度は頭を押さえて静止しないように嵐のようなフェラに耐える。しかし暫しそうしているとまたかっぽりと喉奥に亀頭をはめ込んだままで静止して、ジュルジュルと竿に吸い付くように唾液を少しの隙間から喉に送り込んでごくごくと嚥下する。その作用で熱い液が亀頭の表面を滑り落ちながら同時に蠕動する喉に締め付けられる。

 

「っ、やば」

 

膝から崩れ落ちそうになる感覚を、踏み止まるがしかし反射的に腰は引けてしまう。しかしユリは容赦はなかった。引いた分だけ顔を叩きつけるように前に出す。まずい、と思った時には腰の辺りで射精感の萌芽があった。女慣れはしているし、自分が早漏とも思っていないミナトからすると屈辱的な程に簡単に追い込まれた。

 

チッ、と一つ舌打ちしてミナトは足腰に喝を入れて強引にユリの口内からちゅぽっ、と肉棒を引き抜いた。

 

「ひゃわっ!」

 

そのまま殆ど突き飛ばすに近い勢いでドンとベッドにユリを押し倒した。そうしてやっと快楽から解放されて一息つく。そこで、必死だったからつい乱暴な扱いをしてしまったと少し反省したが。

 

「今の……ここがドキッとしました。凄い良かったぁ」

 

しかし当の本人はむしろベッドの上で胸に手をやって、夢見るような声でそう嬉しそうに言った。それを見てミナトは思う、誘いか?と。

 

まるで、ユリの言動、仕草、表情。それは全てがまるで男を狂わせるための誘蛾灯のように感じて、ミナトは空恐ろしいものを感じた。

 

「手荒にされるのが好きです、か?」

 

「そうですね、優しくされるのが好きじゃないというわけじゃないですけど……やっぱり乱暴にされちゃうのは興奮します」

 

被虐的な嗜好を口にするユリ。果たしてこれもただの誘いの為の方便利だろうか?いや、酔ったように濡れた眼の光は真に迫ったものがあった。

 

乗るか否か。そう一考してミナトはがっ、とユリの腰に手を掛けて殆ど剥ぎ取るようにショーツを脱がせた。しかし、その手並みに合わせてすらユリは腰を浮かせて相手に剥ぎ取りやすいように助けた。

 

あっという間の事だったが、脱がせた瞬間にたっぷりと湿ったクロッチと陰部の間に淫液の糸がいく本も橋かかったのをミナトは確かに見た。

 

「だって、いいじゃないですかぁ。力で叶わない男の人に犯されるみたいにって。それって凄く自分が女だって実感出来る気がするんですよ」

 

とうとうソックスだけ残して全裸にされながらも、ユリはうっとりと被虐の喜びを語るのを続けた。両足の間は勿体ぶるように閉ざされている為に陰部は良く見えないが、陰毛は綺麗に生え揃っているのが見えた。そこまで手入れが行き届いているのだろう。セックスの為だけの身嗜み。

 

「なるほど、女だと実感出来るのが悦び。ですか」

 

ミナトは男故に共感は出来ないが、ニュアンスとしては理解は出来る。多くの女性が自分の子供を産みたがるような母性のような、本能的な欲求の発露か。それにくすっと一つ笑ってユリは続ける。

 

「ちょっと悪趣味な事も言ってしまうと……優越感みたいなのもあるんですよ。男の人に乗られるのって。力じゃ絶対に敵わないような相手が私の身体一つに理性をなくして必死になっちゃう様をみるのって」

 

ふっ、とそこでユリは足を広げた。湯気をむわっと立てそうな熱い愛液に濡れた陰部。ミナトの鼻に、生臭くて少し酸っぱいニュアンスの混じる強いメス臭さが感じられた。ユリ自身の甘いメリッサの体臭と混じって何とも男の性を刺激する香りだった。

 

「何だか、たわいなくて可愛いなって。そう思えちゃうんです」

 

つまりは、ユリは女としての被虐的な悦びと同時に、女としての優越感もまた得て悦に入るという訳だろう。中々に倒錯しているし、更に強欲だとミナトは思った。このような欲望を語る女は初めてだった。

 

「確かに……悪趣味なのかも知れませんね」

 

「自分でもそう思います」

 

ミナトが正直な感想を述べると、ユリもクスクスと笑って全くと自認した。

 

でも、とミナトは続ける。

 

「こんなもの、むしろ悪趣味である程上等じゃないですか」

 

そもそも初対面でセックスしようだなんてお上品とは程遠いお遊びなのだ。だったら変態上等。ミナトとしてもそういう女との経験もまた面白い。少なくとも話のタネ程度にはなるだろう。

 

「同感です」

 

それにまたユリは然りと答えて、蕩けるような笑みを浮かべるとそろりと自身の手を下ろして、秘部を指で開いた。

 

ニチャァ、とくすんだサーモンピンクのはみ出した小陰唇が割れて、中に貯まった淫液が溢れ落ちる。その様はまるで食虫植物を思わせた。毒々しい花びらが開くと鮮やかな中の花肉が露出して、トロトロとたっぷりとした蜜を垂らす。それが蟲を誘う芳しい芳香を放つのだ。

 

そうして自らの陰部を開いて、何処か卑屈で、だけど優越を含む妙な、だけど蠱惑的なメスの顔をしてユリは誘う。

 

「犯して下さい。自分勝手に、乱暴に、道具みたいに」

 

「好きにして欲しい」

 

その被虐的なおねだりを聞いてミナトは自嘲の笑みを浮かべた。どこか吹っ切れたような気分だ。

 

今の今までミナトはどこかセックスで相手と優劣を競っているような所があったが、最初から白旗を掲げて犯される事を望むユリを見てそれが馬鹿馬鹿しくなった。セックスとは勝ち負けを競うものではない、楽しむ事が全てではないか。そんな当たり前の事を忘れていた気がする。

 

「いいでしょう」

 

ミナトは応じる。腹につきそうな程そそり立った肉棒は目の前のメスを貪りたがっている。そんな獣欲に身を委ねてしまう事にした。女遊びに慣れるにつれて、やがて自身の欲望より相手の女を楽しませるサービスセックスに偏っていった男。時にはただの一匹の獣、いや二匹の獣として互いに交尾に夢中になるのも良いではないか。

 

「もし良ければ生がいいです。大丈夫です。お薬飲んでますから」

 

コンドームを手に取ったミナトにユリはそう言った。なるほどピルを恒常的に使って避妊しているくらいには遊んでいる訳か。ならばとミナトはコンドームを放り捨てた。

 

今もトロリとした愛液を溢す相手の準備は万端。否、好きに犯すのだから相手の準備など考える必要もない。

 

ユリが指で広げて的を狙いやすくしている陰唇の間に分け入って亀頭を膣口に添えた。こんなに大して愛撫に時間もかけずに挿入するなんていつ以来か?などとやはり必要のない考えが浮かんでしまうのを振り払ってミナトは腰を突き出した。

 

「んっ」

 

小さくユリが呻いた時にはもうペニスは全て膣に埋まっていた。抵抗感のない余りにもスムーズな挿入感はミナトが挿入たにも関わらず、むしろユリの膣の方から貪欲にペニスに飲み込んできたような錯覚すら抱いた。

 

ミナトは無言で軽く最奥を突いて奥行きを確かめてて膣内を吟味した。突き当たりの膣奥の柔らかい壁に当たっても、肉棒全体は入り切らず根本付近は膣口から少し外に余っていた。彼の肉棒は特別長い方ではないからユリの膣の奥行きがやや浅いのだろう。

 

膣内の感触は暖かいを通り越した熱感があるがこれは本人の興奮状態故か。全体の締まりは然程強くはなくやや緩めで優しく包み込まれるような心地で、特に最奥付近はゆとりがあり、そこに亀頭を置いておくとぬるま湯に浸かっているようにリラックス出来る。ただ浅いところから奥までがペニスを歓迎しているように緩やかに蠕動していた。

 

今までのミナトの経験からして単純に言えば名器という程ではない。もっと攻撃的に粒々や襞々でえげつない快楽を与えてきて射精に追い込まんとする搾精器官として特化したような名器に挿入した経験もあった。

 

快楽の程だけで言えば然程強くはない。だが、そういうものとは違ったゆったりとして、優しい、けれどしっかりとした気持ち良さがある。性交の為の器官にこういう評はおかしいかも知れないが、まるで暖かいお風呂に入っているように落ち着いて安心出来るような快楽だった。スローセックスなどに向いているのかも知れない。

 

だが、そんな母親のように包容力のある優しい膣をミナトは

 

「あっ!んあっ!あぁっ!」

 

蹂躙する。

 

「あぁぁっ!」

 

最初から全力で腰を叩きつけるように挿抜を行うミナトにユリは悲鳴とも嬌声ともつかない声をあげた。ペース配分も何も考えない。ゴツゴツと殆ど最奥の壁を亀頭で殴りつけるかのように肉棒を叩き込んだ。

 

「これで、満足、です、かっ!」

 

腰を何度も往復させて思い切り叩きつけながらミナトは言った。現実的にこんな男側の自分本位で乱暴な行為ではむしろ苦痛にしかならないだろう。少なくともミナトの経験上こんなもので悦ぶ相手はいなかった。

 

「いいっ、気持ち、いい!もっと、もっと!」

 

しかし、ユリは悦びの声を上げた。その表情は必死にも見えるが、上気しつつも恍惚とした色がまだ見られて、苦痛の色はなかった。本当に乱暴にただ射精の為の道具として使われるのがこの女の悦楽なのだろう。

 

半ば半信半疑だったミナトは本当にユリがそういう性癖だと理解する。そうしてならばと一考して、にゅぽっ!と抽送の勢いそのままにペニスを引き抜く。

 

「あっ!」

 

せっかく身体が暖まってきたところなのにどうして、と思わず声を出したユリに黙ってミナトは腰に手をかけると無造作に彼女をうつ伏せにひっくり返した。それでユリは意図を汲んだように膝を立てて後ろから突いて欲しいとばかりに尻を上げる。

 

ぽっかりと空いた膣口からは先程の激しいピストンで空気を含み白くなった愛液が大量に陰唇を伝ってトロトロとシーツへと落ちてシミを作る。ミナトはそのユリの腰を片手で掴み、もう片手でユリの頭を掴んで乱暴に上からベッドに押し付けるようにしながら再び膣に肉棒を挿入した。

 

「んー、んーっ!」

 

声を挙げようとしたが、頭を上から押さえつけられてシーツに口元が埋まってしまっている状態の為に呻き声しか出なかった。何とか顎を上げて呼吸を確保する。

 

 

「んあっ!あぁぁっ!ふぁっ!」

 

そこに間髪容れずにミナトが腰を叩きつけるようにして膣内を掻き回してきた。パンッパンッと尻に腰がぶつかる乾いた打撃音が連続する。それに互いの交接器が激しく摩擦することにより粘液が立てるぐちゃぐちゃという音が混じった。

 

「そんなに激しいのが良いならこれはどうですか!」

 

「ふぁあぁぁっっ!」

 

依然頭をベッドに押し付けるようにして、かつ上からのしかかるように激しく腰を使う。雌を強引に捩じ伏せて行うまさに獣のような交尾であった。何とか顎を上げて口元の自由は確保しているユリだが、しかし意味をなす言葉は出てこない。

 

「苦し、いですか?でもこうも煽られたらこっちも止まれやしないんで!」

 

「んぁっ!苦しくて、も気にしないで、ふあっ!もっと滅茶苦茶に、して!」

 

完全に火の点いたミナトの言葉に、ユリはまだまだと返す。実際は苦痛に等しい乱暴なセックスだった。いや、しかしそこはユリの被虐の才覚故か苦痛と隣り合わせに確かな快楽があった。そして何よりミナトに力で捩じ伏せられて、かつミナトが雌の自分に溺れ行く事の悦楽。

 

これが堪らない。

 

「うぉ!ぉ!」

 

いよいよタガが外れたのか、吠えながらミナトは滅茶苦茶に腰を叩きつける。それは今までやっていた女へのサービスとしてのセックスではなく、ただ目の前の女の膣に自身の精液を吐き捨てる為。

 

良くこなれていて、やや緩めのユリの膣は、しかし暴力的な男根の挿抜に反応して強く断続的に締め付ける。その膣内を掻き回すミナトの睾丸から煮立ったような感覚が上がってくる。

 

「射精(だす)すぞっ!」

 

「いやぁ!射精(だし)て!膣内(なか)に射精(だし)て」

 

叫ぶように宣言するミナトに、ユリは膣内射精(なかだし)を乞い願った。それを聞いてミナトの睾丸が迫り上がる。

 

「おぉぉぉ!」

 

吠えながらミナトは最後に一つ最奥に亀頭を叩きつけてそこで爆発的に精液を撒き散らした。膣内で肉棒が激しくしゃくり上げながらも更にぐいぐいと内臓を突き上げるようにして射精した。

 

 

「あぁあん!熱い!お腹の中が、沢山射精(でて)、る」

 

ビクッビクッと身体を震わせながら、ユリはそう言って射精を膣内で受ける感覚に酔いしれる。子供を作る女として男の子種を受け入れるのではない。ただ、繁殖機能は殺している雌以下として雄の射精の受け皿となるだけの最低の愉悦。

 

「くっ、うぅ!」

 

尿道を大きく押し広げて塊のような精液が走り抜ける快楽に呻きながらミナトは最後の一滴までを膣に吐き捨てる。

 

「ふ、ぅ」

 

最後まで絞り出すと、少し萎えかけて亀頭がお辞儀したペニスをにゅぷっ、と膣口から引き抜いた。自分勝手に射精した後に穴から抜き出す瞬間は格別だった。そこでユリも力尽きたように突き上げていた腰を落としてポスンとベッドにうつ伏せに潰れた。

 

「一息吐いている所悪いけど」

 

しかし、ミナトはそんなユリの様子にお構いなく肩に手をかけると仰向けにひっくり返した。そうして熱く荒い息を吐いているユリの口元に、粘液に塗れた萎えかけのペニスを突きつける。

 

「掃除しろよ」

 

………

……

…

 

「それでね、ミナトさんすっかり興奮してくれたのかガンガンおまんこの奥突いてくれてね。そのままいっぱい膣内(なか)に出されちゃったの」

 

「うぐ、あぁ!」

 

ユリは昼間の情事の顛末を事細かに語りながら、上気仕切った夢見るような表情で騎乗位で腰を使う。ユリに跨られている彼女の恋人の青年、笹野圭司は膣内でギンギンに硬くなっている肉棒を扱かれる快楽に歯を食いしばりながら呻く。

 

或いはその声は快楽だけではなく、軋む心から出る呻きか。

 

「だからぁっ、あっ、まだ膣内(なか)には精液、こびりついてると思うな。まだ綺麗に洗わなかったもん」

 

そんな報告をしながらまだ別の男の精が残っているという膣で彼氏の肉棒を咥え込み、ぱちゅ、ぱちゅ、と男を立ててユリは腰を激しく上下させた。

 

「は、ぁぁ!オエッ!」

 

「それでね、すっごく気持ちよかったーってベッドに横になってたらミナトさんが綺麗にしろっておちんちんを口に差し出してきてね」

 

上下動から腰を前後にスライドさせる動きに切り替えてねっとりと圭司を攻めつつユリは続きを語る。

 

「私のおまんこのお汁とか、精液とかでべっとりになっててすっごくエッチな匂いがしててね。咥えてベロで舐めとったらやっぱり舌が痺れそうなくらい凄い味がしたの」

 

「はっ、はっ、ウッ!はぁっ!」

 

ユリは今度は腰を回して膣内で肉棒を翻弄する。圭司は射精感を必死に堪える声に嗚咽が混じる。

 

「そうしたらねぇ、お口の中でまたミナトさんのおちんちんむくむくおっきくなって、お口の中がいっぱいになっちゃった。そしたらミナトさんまた凄く興奮しちゃって」

 

「ゲェっ!あぁっ!はぁっはぁっ」

 

凄く興奮しているのは圭司も同じだった。ユリの胎の中で思い切り滾り、睾丸の奥がグツグツと煮えたぎって解放の時を待っている。

 

「腰を使って私の口の中を滅茶苦茶に掻き回してきたの。上顎も、舌も、喉まで思い切り亀頭を擦り付けてきてね。凄く苦しいんだけど、でも、あっ、それが凄く嬉しい、の」

 

そう言いながらユリはトドメを刺しにくるように、腰を上下に激しく跳ね上げる始めた。最もシンプルでかつペニスを確実に射精に追い込むピストン運動。

 

「うぁぁ!射精(で)るぅっ!」

 

「そう、ミナトさんも最後は私の喉の奥、に、二回目、とは、あんっ、思えない程沢山、どぷどぷって、沢山、出してくれたのっ!」

 

「ぐぁぁっ!」

 

ユリの昼間の男の二回目の射精時の報告を聞きながら、圭司の輸精管から尿道を一気に精液が走り抜ける!

 

そのままユリの膣内でコンドーム越しに激しく射精。コンドームの精液溜まりが大きく膨らんでいった。

 

「あっ、あっ、射精(で)てる?射精(で)てるねぇ」

 

さしものユリもコンドーム越しの射精を感じとれはしないので圭司の反応から射精を悟って、最後まで気持ちよく吐精出来るようにゆるりと腰を動かした。

 

「はぁっ!あーっ」

 

「よっ、と。わぁ、いっぱい出たねぇ」

 

全部出し切って大きく息を吐いた所でユリは腰を上げてにゅぽっとペニスを抜くと大きく膨らんだコンドームの精液溜まりを見て嬉しそうに言った。

 

そのままユリは手馴れた様子で中身が溢れないようにコンドームを抜きとると、中の白濁を暫し眺めた後に圭司に見せつけるように、顔を上に向けてコンドームの中の精液を舌の上で受けて口の中に納めた。全部落ち切った所でコンドームの口を咥えてちゅー、と吸って完全に精液を残さなかった。

 

荒い息を吐く圭司が見ている前でユリは口内で青年を唾液と混ぜてくちゅくちゅと転がして吟味して、ゆっくりと胃に嚥下した。

 

「ふぁ、すっごい沢山で匂いも強い。でもミナトさんのはもの凄く味も舌触りも濃かったよ。つぶつぶしてる感じで美味しかった」

 

「うげぇっ!」

 

ユリが精液の味をミナトのものと比べて評論した所で圭司は嫌悪感に激しくえずいた。胃の中身が込み上げるのを堪えきれずベッドから身を乗り出してゴミ箱を手繰り寄せる。

 

「おぅぇえぇっ!」

 

そのまま圭司は嘔吐した、ゴミ袋を張ったゴミ箱の底を吐瀉物が叩きバサバサバサと音がした。ユリは黙って優しく圭司の背中をさすった。圭司は激しく胃の中身を吐き散らす。

 

「えぇぇぇっ!」

 

激しく嘔吐してもう胃の中が空になってもなお吐き気が治らず苦しげな嗚咽と共に黄色い胃液がトロトロと舌先から落ちる。

 

「大丈夫?」

 

「はー、はー」

 

気遣いの声に圭司はまだ悪心が残っているのか声が出ずに荒い息を吐いたまま頷いて返す。最もいつもの事だからユリも大丈夫なのは分かっている。あるいは全く大丈夫ではないとも言える。ベッド横にゴミ箱を置いてあるのは吐瀉物を受け止める為なのだ。

 

「そんなに辛いなら止めればいいのに」

 

「……」

 

ユリが優しく背中をさすりながら言った。

 

「でも駄目なんだよね?だって苦しいのに」

 

「っつ!」

 

そう言いながらユリは先ほど射精したばかりにも関わらずにまたガチガチに硬くなり天を向いたペニスを握った。きっと吐きながら昼間ユリが別の男に抱かれている姿が頭を巡っていたのだろう。

 

「こんなに大きくなっちゃってるもんね」

 

「それとも、もうやめちゃう?私、けーくんとだけセックスしてればいい?」

 

「い、いやだ!」

 

それを聞いた途端にゴミ箱に向かって俯いていた顔を跳ね上げて圭司は勢いよく言った。

 

「ユリが俺とだけしかセックスしないなんて嫌だ!もっと沢山の男とセックスして欲しい!オエッ!俺に関係ない所で色んな男と気持ち良くセックスして欲しいんだ!」

 

「じゃないと俺は……」

 

一息で畳み掛けるように叫んだ後、圭司は頭を抱えて搾り出すような声を出した。もし彼女が自分だけのものだったなら、そう考えただけでもユリに握られた手の中でペニスから血の気が引いていき、みるみる内に萎えてしまった。

 

「苦しまなくても良くても……セックスすら出来ないじゃないか」

 

自分の恋人が自分の知らない全くゆきずりの男とセックスする。おぞましい嫌悪感だった、故に圭司は比喩ではなく嘔吐を催す。そして、凄まじいまでの興奮だった、故に圭司は歓喜して射精出来る。

 

吐き気を堪えきれない程の嫌悪感があるからこそ初めて性的興奮を得られる、救い難いまでの圭司の性(さが)なのだ。

 

「だよね、ごめんね。けーくんはいくら苦しくたって、そうじゃないと興奮出来ないんだもんね」

 

そう、ユリは健気にもそんな恋人の救い難い性を理解して、受け入れている。

 

「だって、けーくんと付き合うまでに私、たった三本しかおちんちん挿入(いれ)た事なかったんだよ」

 

そう、ユリの男性経験などそんなものだった。しかし。

 

「でも、今日のミナトさんで五十四本目、ねぇ、私のおまんこに五十四本のおちんちんが挿入(はい)って精液を出したんだよ」

 

それを、自分の女の性器が受け入れてきたペニスの数を聞いた時萎えきっていた圭司のペニスがむくり、と起き上がってきた。

 

「けーくん、いっつもゴム使って一回も生膣内射精(なまなかだし)しないのに、他の人達は私のおまんこにどんどん生膣内射精(なまなかだし)してるんだよ」

 

「オエッ!」

 

圭司は一つえずいたが、荒い息を吐きながらどんどんペニスが硬くなっていく。そう、行きずりの男達はユリに惜しげもなく膣内射精(なかだし)するが、圭司はあえてそんな男達の下に自分を置いていた。

 

「私は……私は、けーくんのおちんちん一つで良かったのに」

 

「……」

 

「でも、そんなけーくんに朗報があります!」

 

そこで突然、ユリは明るい声を出した。

 

「あのね、この前からたまにセックスしてる佐山さんて人分かるかな、バツイチの四十代のおじさん」

 

「わかる、覚えているよ」

 

ユリの問いかけに圭司はそう応じる。覚えていない訳はない、圭司は今までユリから聞いた、ユリを抱いた男達の話ををよくよくリアルに思い描いて何度も反芻しているのだから。

 

「その人がね、良かったら彼氏連れてきていいって」

 

ビクッとユリの手の中で圭司のペニスが跳ねた、完全に最硬度までにガチガチに張ってユリの手の中ではち切れそうだった。

 

圭司は佐山という男の事を考えた。彼には直接の面識はない、ただユリからのセックスを含めたやり取りを聞いているのみだ。奴とのユリのセックスの報告は殊更圭司に嘔吐と興奮をもたらした。あの奴が……

 

「オエッ!」

 

また圭司が吐き気を催した時に、手淫するユリの手がくちくちと粘っこい音を立て始めた。彼の鈴口からトプトプと止めどなく先走りが溢れ出していた。

 

「その佐山さんがね、けーくんの見ている前で直接種付けしてあげる、彼氏も満足出来るように目の前で俺の女にしてやるって言ってたの。どうする?私、行かない方がいい?」

 

それとも、とユリは、はきちきれそうな圭司の肉棒を扱く手を一気に早めながら続ける。

 

「私が佐山さんのモノにされちゃう所一緒に行く?」

 

「ゲェェェェォエオォァッ!」

 

圭司はもう空っぽの胃の中から激しく胃液を搾り出して吐き散らしながら同時にユリの手の中で激しく射精し精液を撒き散らした。

 

行かないわけはなかった。

 

………

……

…

 

処女に女としての価値はない。

 

彼がこのような性癖であったのは先天的なものなのか、後天的なものなのか、定かではない。

 

最初はそんな自覚はなかった。思春期になり性に目覚めると周囲の少年達と同じように女体とセックスに興味を持った。

 

そしてそんな女性への性欲の沿線上として学校の同級生の女子と恋をしてーーいまにして思えばそれが恋といえるのかは分からないがーー付き合う事となった。

 

当然その時は彼女となった少女とのセックスを夢見て興奮していた。もうすぐ自分はセックス出来るのだと歓喜した。

 

そうして、お互い年頃で互いに勿論性への興味はあるが故に流れでとうとうセックスするという時が来た。自分も童貞、相手も処女、初々しい二人であった。

 

しかし、はて、あんなに望んだ彼女との初体験だとガチガチに勃起していた圭司の肉棒は、キスをして、お互い触り合い、と徐々に盛り上がる過程を踏む上で何故か醒めていってしまい段々と萎えてしまった。

 

そうしていざ挿入という場面では最早彼の肉棒は平時と同じふにゃふにゃ具合で到底挿入出来る訳はなかった。苦い初体験の大失敗。

 

お互い気まずくなって終えたが、単純に緊張し過ぎて初体験に失敗するという事自体はそう珍しい話ではないだろう。

 

だが、その後何度も二人は性交を試みるがその度に彼の勃起不全により失敗した。色々工夫してみたが駄目だった。そうして落ち込む彼の事を彼女は最初のうちは気を遣って慰めていたが、段々と彼女自身も苦悩を募らせた。

 

彼は不能なのだろうか?いや、もしかして自分に魅力がないせいではないか。そんな悩みを相談する相手を見つけて、彼女はその男と意気投合した。

 

そうして彼は彼女に振られた。別に好きな人が出来たという事だった。

 

自分の元から去ろうとする彼女にみっともなく食い下がろうとする彼に衝撃的な一言が告げられた。

 

彼はキミと違ってちゃんと私に最後までセックスを教えてくれたから。

 

凍りつく彼を置いて彼女は去っていった。

 

彼は思った。自分の彼女の処女を知らない男に奪われたのだ、と。凄まじい嫌悪感と憎悪が湧いた。そして知らない男に抱かれる彼女を想像してしまった。

 

その時気がついた。彼女とセックスしようとしていた時にはまるで勃たなかった肉棒がビンビンに勃起している事に。

 

彼は帰った後、別の男と処女喪失した彼女を思い浮かべながらオナニーをした。驚く程大量に射精した、あまりの気持ち良さにふっ、と気が遠くなった程だった。その自慰は彼の生涯で最も強い快楽だった。

 

たった一回の射精でま全く萎えず。彼は悔しさと悲しさに咽び泣きながら狂ったように夜が明けるまでオナニーをした。

 

この経験により、彼は少し自分の性癖について理解した。そして考えた。

 

次にアプローチしたのは何人かの男と付き合った事があるという一学年上の女子だった。少なくとも処女ではないのは確実な相手を選んだ。

 

事は上手く進み彼はその新しい彼女と付き合う事に成功した。しかし、問題は初体験だ。彼は一計を案じた。

 

いざその時が来た時、自分は童貞だからと経験が上の彼女にリードしてもらう形にした。

 

その上で、どうしたらいいか参考ににしたいと上手く言いくるめて過去の彼氏達とはどんな風にしていたのか、と聞き出した。流石に付き合った相手との初体験の場で別の男の経験を語るというのは彼女も口が重かったが、自分では何も分からないからと頼み込むと何とか話してくれた。

 

前の彼氏はクンニが好きでいつも舐めてきたが、クリトリスは特にヤバかった。最初の彼氏はガツガツ奥をついてきてまだ膣がこなれていなかったから正直痛かった。そんな話を聞いているうちに彼は嫌悪感が背筋を走った。だが同時にペニスはビンビンになり、自然と先走り液が垂れるほどに興奮した。

 

そうして、グロテスクで醜い女性器も、ここに何本かのペニスが何回も何回も挿入されたのだ。と考えると非常に蠱惑的に見えて、初めて彼は挿入に成功した。そうしてこれまでこの膣内で放たれた射精に思いを馳せながらコンドーム越しに精液を撒き散らして快楽に浸り、無事に童貞喪失に成功した。

 

しかし、そのセックスの快楽を楽しめたのは最初のうちだけだった。それからもセックスを及ぶたびに過去の男との体験談を聞きたがる彼に、彼女は段々と辟易してきて、そもそも話すネタ自体早々に尽きた。正直彼はまだまだ一回一回の体験を事細かなディテールまで聞き出したかったが、そんな彼女の様子にそれ以上突っ込んで聞けなかった。自分でもそこまでいくと、いくらなんでも異常だと理解していた点もあった。

 

それに自分が付き合っている以上、この女性器にペニスを突っ込む男が自分しかいない。その事実は彼を興醒めさせた。彼女がもっと自分以外の男のペニスを沢山咥え込んだらどんなに興奮と吐き気を覚えるだろうか。しかし、自分と付き合っている彼女が別の男とセックスする訳もなかった。

 

どうして人は恋人同士になったら恋人としかセックスしなくなるのか。それが彼に恐ろしいジレンマを起こした。

 

結局、そうして彼女が自分だけの身体になってしまったという時点でどんどん彼女へ感じる魅力は色褪せていき。彼女の男性経験も聞けなくなると、再びペニスが勃起する事がなくなって、セックスが出来なくなった。

 

進退極まった彼は彼女にもう取り繕う事も出来ずに、縋りつきながら頼んだ。処女喪失から、今までにした男とのセックスの一つ一つを細大漏らさずに語ってくれと。

 

そうして当然彼女に気味悪がられて振られた。

 

自分の元から去る彼女。しかし、彼はこれでまたあの女は自分以外の男とセックスするのだ、と想像して歪んだ笑みを浮かべた。

 

しかし、そこに彼はいない。

 

いつも、いつも求めるものを手にした時にそれは既に求めたものではなくなっていた。

 

そうして彼が求めたものは一つ。彼を愛するが故に、彼以外の男とセックスしまくる女性をーー

 

………

……

…

 

約束の日、圭司とユリの二人は手を繋いで待ち合わせ場所に歩いていた。

 

この日のユリは上は白いブラウスに、深い青のゆったりとした長いプリーツスカート。その上から涼しげな空色をした薄いコートを羽織った全体的に寒色でまとまりふんわりとしたコーディネート。控えめな耳たぶのピアスに、手にトートバッグを下げる。髪飾りのリボンのついたヘアクリップが少し幼なげなアクセントとなっていた。

 

この日の圭司は興奮と不安に包まれていた。その歩き方には内面の葛藤が現れているかのようにぎこちない。

 

また、常ならぬ様子なのは圭司のみではなかった。手を繋ぐユリも歩く腰つきや何気ない表情や目付きに色香を感じさせた。彼女のまとう甘いニュアンスの混じるレモンに似たメリッサの芳香が普段以上に甘く感じられるのは気のせいか。まるでメリッサの本来の語源通りに蜂蜜めいたものがある。

 

道行くユリのメス臭さに、すれ違う通行人の内の男達ーー一部には女性もーーは皆ユリに目を向けた。それ程に今日のユリの纏う色はただならなかった。

 

しかし、それでありながらユリはこれから行う事について大した気負いなどないかのように、道すがら何気なく圭司と言葉を交わしていた。

 

いや、それは交わしていたというべきか。ユリとは対照的に圭司は完全に心ここに在らずと言った具合に彼女の言葉には生返事ばかりで殆ど会話になっていなかった。彼は妙に喉が渇き先程から生唾ばかり飲み込んでいた。

 

「ここだねー。さて、もう来てると思うんだけどー」

 

待ち合わせ場所の駅前の広場に着くと、ユリはスマホを取り出して除く。先方とのメッセージのやり取りがあるのだろう。

 

そうして周囲を見渡す。広場にはそこそこの人が居たが、待ち合わせで立ちっぱなしの人は少なくユリはすぐ目当ての人物を探し当てるとパッと顔を輝かせた。

 

「いた!」

 

あっさりとユリは圭司の手を離して、一人の中年男性に駆け寄っていくと男の腕を抱いた。先程までユリと手を繋いでいた圭司の手は虚しく行き場をなくし、彼はその手をポケットに入れた。

 

「やぁ、ユリちゃんこんにちは。久しぶりだね」

 

「こんにちはー。そういえば佐山さんと前してから少し経ってますね」

 

ユリは今日のお相手となる男、佐山とそんな風に挨拶を交わした。冴えない中年男性の腕に抱きつく若々しく器量の良い女の子という何処か犯罪的ですらある二人組に、通行人達は

好奇の眼をすれ違う時に向けていた。

 

「紹介しますねー、この人が私の彼氏のけーくん。と言っても佐山さんにはけーくんの事色々話してますよね」

 

果たしてユリはこの中年男性と抱かれる時に自分の事を如何様に話していたのか。そして、ユリは自分の事をこの他人に色々話していたのか。そんな事を思うと圭司の下半身が疼きそうになった。

 

「やぁ、君が圭司君だね。君の事はユリちゃんからかねがね伺っているよ」

 

佐山は圭司を見て、眼に笑みを浮かべて圭司にそう言った。

 

「初めまして。俺も貴方とユリとの事は色々聞いてますよ」

 

そんな佐山に、圭司は相手を少し侮蔑するような、だが同時に己を卑下するような卑屈な笑みを浮かべて応じた。

 

佐山は本当に冴えない中年サラリーマンと言った風貌だった。頭髪は薄く、疎らな髪は大分白いものが混じっている。その為四十代との事だが、五十くらいにも見えた。中年太りで顔付きや腹周りは恰幅が良く、肌はいやに脂ぎってみえた。その脂光りがやや不潔感があったが、見ようによっては肌に艶があるようにも見え、注意深く観察する者がその肌質を見れば正しく四十代くらいと推察出来るだろう。

 

「こうして今日君を呼んだのは他でもない。僕がユリちなんといつも楽しませてもらっているのは他ならぬ君の嗜好のお陰だからね。それで、そのお礼を兼ねて君自身の前でユリちゃんとするのが一番喜んでくれるかと思ってね」

 

そう朗々と語る佐山の圭司を見る眼にもまた、侮蔑の色、見下しが混じっていた。しかし、その口調自体には真摯な色がある。彼は本当に圭司への感謝としてこの催しを提案したのだろうか。

 

「くひっ!」

 

どんな心境からか圭司はしゃくりあげるように笑った。それは優越からか卑屈からか。嫌悪からか親愛からか。

 

「今日、よ、呼んでいただいて、感謝していますよ。エッ!くふひひっ!」

 

圭司は軽くえずきかけながら感謝の言と共に気味悪く笑った。彼の眼は昏くギラついていた。しかし、その言葉には確かに感謝の念があった。

 

この二人は互いが互いに軽蔑し合っているが、また、互いある種のリスペクトもあるのではないだろうか。

 

佐山からすれば、恋人を別の男とセックスする事を強要する度し難い男。男として劣等だと圭司を見ている。だが、少なくとも自分のような妻にも逃げられて会社でもうだつの上がらない男が、ユリのような若くて魅力的な女をタダで抱けるのは圭司のおかげに他ならず、そこには確かに感謝があった。

 

圭司もまた、佐山を結婚も失敗し、いい歳をしても役職にも就けずに、学ぶという事が出来ない馬鹿な中年だと見下していた。こいつがユリとセックス出来るのは俺のおかげであり、あくまでもユリは自分の恋人だと自身が上のつもりでいた。だが、彼の年季の入ったセックスのねちっこいテクニック、それはユリをさえ夢中にする程のもので、佐山とのセックスの凄さ、それを夢中でユリが語ってくれる報告は凄まじい興奮と吐き気を圭司にいつも与えてくれた。セックスにおいては圭司に遥かに劣る。その劣等感こそ圭司を打ちのめし興奮させる。その意味では佐山は非常にありがたい存在であった。

 

そして今回の招待が純粋な善意なのか、それとも圭司に当てつけてやろうというある種の悪意なのかは分からない。だが、初めてなのだ。今までユリからの報告を聞くしかなかった圭司の目の前で初めて直接ユリを寝取ってくれる。そんな相手は佐山が初めてだった。

 

興奮と吐き気。

 

期待と恐怖。

 

それが今も絶え間なく圭司を襲っていた。

 

「さぁ、じゃあ二人とも招待するよ私の家に。最もユリちゃんは何度も来ているけどね」

 

「じゃあ出発ー」

 

「オェッ!」

 

佐山が言うと、二人は応じて三人は連れ立って歩き出したーー

 

………

……

…

 

「さ、どうぞ」

 

「お邪魔しまーす」

 

「お邪魔します」

 

待ち合わせ場所の駅前広場から駅で電車で数駅ほど移動し、更に駅から少し歩いた住宅地の一軒家に招待されるままユリと圭司の二人は玄関を上がった。

 

庭付き二階建ての一軒家。そんなに立派と言うわけでもないが、それでも家族向けで独り身の男一人が住むには持て余しそうに見えるが、彼はバツイチだという話なのでまだ妻や子供ーー実際子供がいたかまではユリも聞いた事はないがーーがいた頃に建ててその後に家族が出て行ってしまったのだろう。

 

佐山は二人をリビングに通すと台所に行き、ティーカップを持って戻ってきた。自分の分も含めてまず茶を振る舞う。

 

「何か食べるかい?まぁ、ユリちゃんは甘いの食べないし、そうなると煎餅くらいしかないけど」

 

「いや、ゲッ。俺は結構です」

 

「あー彼、私が他の人としてる話し聴きながらいっつも吐いちゃうんですよ。食べても戻しちゃいそうだからお茶だけでいいです」

 

佐山の勧めに軽く吐き気を催しながら断る圭司に、ユリが補足した。

 

「ふーむ、吐きながら同時に興奮するなんてどうにも私には度し難いねぇ」

 

ソファーに座って、顎を撫でながら佐山は思慮を巡らせているとも呆れているとも取れる口調で言った。

 

「しかしね、この後寝室で吐き散らかると流石に困るんだが」

 

「大丈夫です。俺も吐き慣れているんで、エチケット袋もも、ウッ、て来ているので必ず汚したりしません」

 

佐山の最もなーー今更とも言えるがーー言葉に、圭司は応じる。当然相手に迷惑をかけるつもりはない。そう思いながら微かに震える手でティーカップを取った。

 

なんて事はないティーバッグで入れられた紅茶の味は殆ど分からなかった。ずっと胸のムカつきを覚えていたが、何とか茶は喉を通った。きっとこの後すぐに吐き戻してしまうのだろうが。

 

「しかしねぇ、せっかくユリちゃんと楽しめるのにベッドの横でゲーゲーやられたら私も気分がぶち壊しになりそうでね」

 

「まー、私はいつもの事だから大丈夫ですけどね〜」

 

勿体つけたようにいう佐山に、ユリは茶を口にしながら間延びした声で言った。

 

「なるべく静かに吐きますよ。俺はいないものとして扱ってくれていいです。ま、さ、か、ここまで来て吐くくらいならやっぱり帰れというつもりですか?」

 

それに対する圭司の返答は、言葉の途中から恐ろしく底冷えするような響きになった。対照的に、燃えるような常軌を逸した眼つきで佐山を殆ど睨んだ。それに佐山は僅かに気圧される。

 

「い、いや、そうは言わないが」

 

「佐山さん、大丈夫ですよ。けーくん絶対邪魔したりしないですから」

 

色を失った佐山に、すぐにユリは少し慌ててフォローする。

 

「あぁ、別に邪魔するわけでもなければ全然見てくれていいんだよ。部屋を汚さないならいくら吐いたって別にいいしね」

 

「俺はその為に来たのです」

 

渋った様子を呆気なく撤回した佐山に圭司は、一つ息を吐いてそう答えた。恐ろしい眼光はすぐに卑屈な色が混じるいつものものに戻っていた。

 

圭司とて多大な覚悟を要してここまで来たのだ、なのにここまで来てやっぱり見せないなどと言われたら彼は佐山に掴みかかっていただろう。彼の異常な精神性の片鱗が垣間見えた。

 

「じゃあ、いつまでもお茶飲んでても仕方ないですよねー」

 

へらりと笑って間延びしたようにユリが言った。空気を変えようと思ったのだろう。それに実際さっさと先に進めた方がいいとも。

 

「もうかい?相変わらずユリちゃんは気が早いね」

 

それに乗っかるように佐山は軽薄で好色な声を出した。実際ユリは余計なデートや食事を挟むと言った事を好まない。ヤリに来たのだからさっさとヤるという速攻型である。実に肉食(プレデター)らしい。

 

「じゃあ、ベッド行きましょうか」

 

そうユリは言った。カチャリと音を立てて圭司は中途半端に紅茶を残したカップをソーサーに置いた。

 

手が小刻みに震えていた。

 

………

……

…

 

「んっ、ちゅっ、ピチュ」

 

寝室には粘るようなリップ音が響いていた。

 

ベッドの上に乗った佐山と、その佐山の腿の上に対面で座ったユリは激しく口付けし、舌を絡めていた。

 

唾液と舌が絡む卑猥な音の中で、二人が絡み合うベッドから少し離れた位置に置いてある椅子に座って圭司は血走った眼でその様を見ていた。彼の息は荒く、ズボンの上から座ってさえいても既に極度の興奮で肉棒が勃起してテントを張っていた。抜け目なく嘔吐に備えて手にはエチケット袋を持っている。

 

「はぁー、チュッ、チュゥゥ」

 

佐山はそのままユリの胸元から首筋に顔を埋めるようにして強く首筋に口付けて吸い付いた。ユリにキスマークを付けているのだ、よりによって恋人である圭司の目の前で、このメスは自分のだと刻みつけているのだ。ユリはおとがいを反らせて夢見るような表情を浮かべながら片手でズボンの上から佐山の股間をさすっていた。既にガチガチな圭司とは違い、彼の勃起はまだ甘い。

 

「ぉ、ぇ」

 

それを見ながら小さく圭司が嗚咽した。二人の邪魔をしたくない為に大きな音を出すのは堪えたのだろう。まだまだこの程度の吐き気なら、と思いつつ彼は興奮と比例して嘔吐感が増していった。

 

ユリは口内で舌を転がすように少し口元をもごもごさせると、自身の首筋にいくつものキスマークを付けていた佐山の顔を両手で挟み上を向かせると、彼の口元に舌を差し出した。佐山がそれに応じて口をあけると、べー、と口内で溜めていた唾液を佐山の口の中に垂らした。佐山はそれを飲み込む。

 

「んっ、ユリちゃん、今日は随分と興奮してないかい」

 

流し込まれた唾液を飲み下し、普段以上にガツガツとくるユリに佐山はそう揶揄する。

 

「え〜、いつもとおんなじですよ」

 

熱い吐息を一つ吐きつつそうユリは答えるが、明らかにいつもと違う。彼女の眼は色情に染まり切って常軌を逸した光を灯していた。

 

どうにも、このカップル。どちらもまともではないと佐山は内心で戦慄していたが、その佐山の上体にのしかかるようにしてユリは彼を押し倒して、自身は上体を引いていく。すると丁度佐山の股間の位置にユリの頭が来た。

 

「すっごい、硬くなってる」

 

唾液を飲まされたりでのユリからの攻めになんだかんだでしっかりと反応していた佐山の肉棒はほぼ完全に勃起していた。ユリはカチャカチャとベルトの留め具に手を掛けてズボンを脱がしにかかる。佐山もそれに合わせて腰を浮かせ、ユリがパンツ諸共ズボンを下ろして勃起を露出させた。

 

「あ、はぁ〜」

 

ビンっと鼻先にそそり立ったペニスの熱量を感じてユリは夢見るような表情でとろけそうな声を出した。それは長さとしては恐らくは平均くらいだろう、しかし長さの割にやたら野太くてその為長さの割に大きい印象だ、まるでサツマイモのように太く重そうで、ゴリっとした竿は如何にも硬そうに見える。亀頭もツヤツヤと黒光りして威圧感があった。

 

圭司はそれを見て一時吐き気も忘れて息を呑んだ。完全に勃起した他人のペニスを生で見るなんて初めての経験だったが、それは圧倒的な印象だった。

 

あれに比べると自分のものなど精々長さが僅かに優っているくらい。太さにしても色艶にしてもあの剛直には敵わない。そう圭司は敗北感を覚えた。

 

「ん、れろ。ピチャ」

 

ユリは堪らないと言った具合に、その太い勃起を根本から口付けて舌をべったりと這わせて鈴口までを舐め上げる。とてもうまそうに二度三度と舌を往復させた。

 

「かぽっ、んっ、ジュポッ、じゅぷっ」

 

すぐに我慢出来なくなったのかユリはそのまま亀頭を咥え込むと竿まで飲み込んだ。その太さ故にユリの大きくない口では、口いっぱいに頬張っているという具合だったがユリは全く苦しそうな様子も見せずにおもむろに首を前後し始める。

 

「うっ、く」

 

 

佐山は思わず小さく喘いでしまった。野太い肉棒はただでさえ口一杯で苦しそうに見えるのにユリはそれを深く咥え込み喉奥近くまで抽送していた。口内では大量に唾液が分泌されているようで竿と唇の間からダラダラと泡立った唾液が溢れる。熱いスープのような唾液で溢れる口内で佐山の肉棒は単純に深く挿抜されるだけではなく、時には角度を変えて柔らかい頬の粘膜に擦り付けられたり、舌を複雑に絡めてきたりとその口淫の技術は魔的だった。

 

今まで沢山の男を咥え込んできた経験則故に磨かれた技術か。佐山からすれば堪らず歯を食いしばる。もし彼が立ったまま咥え込まれていたら膝から崩れ落ちていただろう。

 

「エオッ!ッエ!」

 

しかし、鋭くえずいたのは深々と肉棒を咥え込んでいるユリではなく見ているだけの圭司だった。その声を聞いてもユリはそちらを一瞥すらしないが、佐山は思わず彼に目を向けた。

 

圭司は股間にテントを張ったまま血走った眼で吐き気で多量に溢れた唾液を口の端から溢しながら鬼のような形相で佐山のまたぐらに顔を埋めるユリを凝視していた。狂ったような表情を浮かべた彼は座ったまま極度の性的興奮の為か椅子に座ったまま腰がへこへこと前後に動いていた。

 

イカれてやがる。同じ人間とは思えない様を見て思わず佐山は聞こえないように口の中だけで呟いた。

 

「どーしたんですかー、佐山さん。こっちに集中して下さい、よー」

 

ゾッとしないものを覚えた佐山の意思を敏感に捉えたのか、ユリは肉棒から口を離して甘く囁いて意識を自分の方に向ける。佐山の目線が戻ったタイミングでユリは愛おしげに怒張に二度三度と口付けをした。

 

「んっ、カポっ。じゅぼ、ジュルル」

 

「うわぁっ!」

 

そうして自分に意識が戻ってきた佐山の呼吸の間隙を突き、一気にまた肉棒を頬張り激しく吸い付き舐め回した。見事な手管に思わず佐山は情け無い声を上げた。

 

「ユリちゃん、ほんと、うに、いつも以上に」

 

かぽっかぽっ、と音を立てて太い亀頭を喉奥に往復させるユリに佐山はそう呻く。佐山からみてもユリは性に貪欲だが、しかし今日のユリの興奮具合は並ではない。口がまるで搾精器だ。不意に射精感が腰の奥に渦巻いてきたのを感じた。まだ数分と経ってないないのに。こんなに自分は早漏だったろうかと佐山は思った。

 

「まず、い。ユリちゃん、もう、出そう」

 

「ん、いいれふ、よ。ジュプルルッ」

 

訴える佐山にユリは大歓迎とばかりに喉奥に亀頭を嵌め込んだまままるで中の精を引っこ抜くばかりに激しく吸い付きながら竿に舌を絡めた。佐山の腰の奥の射精感が明確になったと思ったら一気に睾丸内からトクトクと液が送り出される感覚がした。所謂寸止めが不可能になるボーダーラインを超えた瞬間。

 

「ウッ!」

 

太い精液の塊が尿道を駆け抜ける感覚に酔いしれながら佐山はユリの喉奥に第一射を放つ。喉に熱い液体が走った瞬間にユリは少し頭を引き、更にドプドプと断続的に吐き出される精液を舌の上で受けた。

 

「んっ、ふ、」

 

「く、ぅ」

 

鈴口から精液を迸らせる佐山と、その精液を口内で受け止めるユリは同時に小さく声を出した。最初はユリの口の中でしゃくり上げながら勢いよく精液を撒き散らしていたペニスも、やがて勢いを失ってトプトプと先端から残りの液を絞り出すとやがて力尽きて射精を終えた。

 

「んー、チュポッ!」

 

ユリはゆっくりと頭を引いて音を立ててペニスから口を離すと、口を開いて佐山に見せた。

 

「ほら、いっはいでまひたね」

 

口を開けたままで液を含んだユリの発音は不明瞭だったが、その口の中は気持ち黄色がかった白濁液で一杯になった中にサーモンピンクの舌が覗くといった具合だった。佐山自身こんなに出したのかと驚いた。

 

「凄い、気持ちよかったよ」

 

「よかったれふ」

 

答えてユリは口を閉じると舌の上で精液の塊を左に右にとテイスティングするように転がした。そうしてゆっくり吟味する様子を見せると二回、三回と分けながら喉を鳴らして飲み下した。

 

「けほっ、いつもより凄い濃い。佐山さん沢山溜まってました?」

 

ユリは普段以上にべったりと絡みつく殆どゲル状の精液にそう感想を述べる。必要以上に口の中で転がしていたのは味わう為というより、唾液と混ぜて薄めないと飲み込めなかったのかも知れない。

 

「ゲェッ!ぉぉえッ!」

 

「あぁ、ちょっと一週間くらい溜めておいたんだ。年甲斐もなく今日が楽しみでね」

 

「あはっ、道理で」

 

恋人が別の男の精液を直接飲み干すのを目の当たりにして、激しく嗚咽し、口を押さえて込み上げてくるものを堪える圭司を横目で見ながら佐山は答えるとユリは嬉しそうに笑った。彼女の方は自分の恋人は今は眼中にないらしい。

 

「でも実は、楽しみにしていたのは私も同じなんでよぉ」

 

甘くとろけたような声でユリはそう言って、腰をくねらせて服の上から股間を自身の手指できゅっと抑えた。

 

「もう、疼いて疼いて、我慢出来そうに、ないんです」

 

「あっは。本当に今日のユリちゃんは凄いね。やっぱり彼氏さんの前だと違うみたいだね。なら見せて貰えるかな」

 

「はぁい」

 

佐山の指示に、ユリは色欲で狂った笑みを浮かべて頷いた。

 

ユリは自らの手でゆったりとした服を脱ぎ、まず下着姿となった。肉付きの良い、優しい曲線を描く身体。殆ど日焼けが見られない白い肌は昂った興奮の為に熱をもって少し血色に色付き、それに伴って甘いメリッサの香りが今日1番に濃くなっていた。

 

そのままブラジャーを外して慎ましい胸を露わにすると、腰に手を回してショーツも下ろす。股間からクロッチが離れる時に粘液が何本も糸を引いた。相当に出来上がっていたようでクロッチは染みどころか吸収しきれないトロトロとした液が溜まってしまっていて脱ぎ捨てる過程でベッドにトロリと零れ落ちた。

 

ソックスも脱ぎ捨ててユリは完全に全裸になって佐山に向かって座ったまま足をM字に開いてみせた。少しくすんだビラビラがはみ出した秘部は昂った興奮の為か自然と開き、ほぐした紅鮭の身の如く色をした媚肉がのぞいていた。

 

そこから天然のローションのようにねっとりとした淫液が溢れ出して、淫猥な匂いが広がった。少し酸っぱく、生臭い女の淫臭が佐山の鼻をくすぐる。

 

一度射精して大人しくなっていた佐山のペニスがムクムクとまた鎌首をもたげて勃ち上がっていく。

 

「これは凄いね」

 

「んっ」

 

佐山が見せつけられた秘部に手を這わすとくちっ、と粘ついた音がした。グズグズに熟れきった果実のように柔らかく。シロップに塗れたようにぬるついている。試しに中指を一本膣口に挿入してみる。

 

くぷりと何の抵抗もなく埋まった指は膣内で軽く吸い付かれた。男の野太い指とはいえ高々指一本という事でさして締め付けは感じないがまるで奥へ奥へと誘うように膣肉が蠕動運動していて、ここに肉棒を突っ込んだ際のただならぬ快楽を予感させた。

 

「ん、佐山さん。もっと……」

 

「オェェッ!」

 

ユリはすっかり官能に酔った甘ったるい声で強請った。それを聞いてかすぐ後に圭司が激しく嘔吐いた。ガサリとエチケット袋を広げてそれに向かって嗚咽したがタラタラと粘っこい唾液が零れ落ちただけで胃の中身は出なかった。しかし興奮の渦にいた佐山はゴクリと唾を飲み込んで、最早彼も圭司は眼中になかった。

 

佐山は指を引き抜き、まるで誘蛾灯に誘われるが如く顔を秘部に近づける。ねっとりとした粘液に濡れた花びらのようなユリの性器からはっきりとした魚介系に近い生臭さと乳製品のような甘酸っぱいものが混じった匂いがした。正直良い香りとは言い難いはずだが、何故か男の本能を刺激し欲情させる香りだった。

 

舌を伸ばしてそのまま陰唇に口をつけた。鼻に匂いが抜け、舌で媚肉を一舐めすると少し酸っぱくてしょっぱい。そして僅かに舌が痺れるような刺激も混じる複雑な味がした。

 

「あっ!ン」

 

佐山の舌に開いた割れ目の奥をくすぐられたユリはピクリと小さく跳ねながら声を漏らした。そのまま佐山は舌をねっとりと這わせるとはみ出した小陰唇を上へとなぞり鞘に包まれた小粒のクリトリスに吸い付いた。

 

「んっ!ッッ!」

 

鋭い快楽に背筋を反らせて、ユリは体を揺らせた。手を持ちあげて人差し指を喰むように咥えて思わず漏れる喘ぎを抑えているようだった。佐山は陰唇の上に吸い付いたまま手を伸ばして鍵状に曲げた指を下から膣口に滑り込ませた。そうして指で膣の浅いところを愛撫しつつ舌先で激しくクリトリスを転がした。

 

「んぁァッ!っ、あっ、たかい」

 

堪え切れず高い喘ぎをユリは上げた。お腹の下の方で熱いものが灯ったのを感じた。焰のはいった胎内から脊髄を下から上にビリビリするものが走って身体が勝手に跳ねてしまう。

 

小さいながらもぷっくりと膨らんだクリトリスに二回吸い付き、指で膣内を一廻りなぞると指先は抜いて、代わりに今度はそちらに口を吸いつけた。舌で膣口を愛撫すると膣内からトブリと溢れてきた粘り気のある淫液が口の中に流れ込む。

 

「あっ!あっあっ!んんっッッ!」

 

唇で軽く媚肉を食むようにしながら尖らせた舌先を膣の中に潜り込ませて舌を細かく動かして刺激を送る。瞬間ユリが背中とおとがいを反らせた。

 

「あぁっ!来るっ!あ、つい、んッッ!イクッ!」

 

瞬間佐山は舌先を思い切り突き出し膣道を掘りながら、鼻先にある勃起したクリトリスを指で弾いた。

 

「〜〜〜〜ッッ!」

 

ユリは片手で佐山の頭を掴みながら、声にならない声をあげて激しく達した。海老反りになった身体がビクンビクンと跳ね、膣が狂ったように伸縮して浅い位置にいた佐山の舌を巻き込む。ぷしり、とはずみでしぶいた少量の愛液が佐山の顔にかかる。

 

「あぁ〜〜〜、はぁ、はぁ、んッッ」

 

完全に硬直し切った状態で痙攣しながら絶頂の波に浸っていたユリは十秒程で絶頂から降りてきたのか、前身が弛緩してベッドに倒れ込み荒い息を吐いた。その油断した瞬間に佐山がクリトリスに一つ吸い付くようなキスをした為に思わずまた一つ跳ねた。

 

「ふ、ぅ、どうだいユリちゃん。少しはスッキリしたかな?」

 

「えっ!ゲェっッッ!オッ!ゲッホ」

 

佐山はユリの股間に埋めていた顔を引き、愛液に濡れた口元や顔をぐいっ、と拭いながらそう尋ねた。愛する女が別の男にイカされた生々しい現場を目にした圭司は激しい吐き気を催し、エチケット袋にやたら粘度の高い唾液を口から溢すがしかし胃の中身は出てこずに苦しげに喉を鳴らしていた。しかし、実は触れてすらいないのに彼のビキビキに勃ち上がった肉棒は極度の興奮で先走り液を多量に分泌しており、パンツの中の布地は粘液で濡れていた。窮屈なパンツの中で血管を浮かべて猛ったペニスの根本で精液が渦巻き初めていた。

 

「はぁ、ぁ、全然、物足りないで、す」

 

絶頂の余韻に身体を震わせながらしかし、ユリはまだ足りぬと飢えを訴える。そうして、のろのろと億劫そうにまた身体を起こすと貪欲に求めた。

 

「おちんちん……佐山さんの、ください……」

 

既に開き切っている陰唇の中の膣口を指で開くようにしてユリはねだった。匂い立つように茹った膣口の奥からはタラタラととめどなく愛液が分泌され続けて、先程まで口をつけていた程度の佐山の唾液など流れてしまっただろう。シーツが染みを超えて明確に濡れてしまっている程だ。

 

「君は悪い女の子だな、彼氏が見ている前で赤の他人のおじさんのチンコが欲しいのかい?」

 

ニヤッと好色な笑みを浮かべて野太くそそり立ったペニスを差し出し、チラリと圭司を一瞥しつつ佐山は言った。

 

「欲しい、彼氏以外のおちんちん!浮気セックスしたい!浮気おちんちんください!」

 

ユリは蕩けた眼で勢い込んで強請る。もう我慢が効かないのか腰を無意識にうねらせていた。恋人の前で別の男の肉棒を欲しがるその様は、女としては既に終わっておりただの一匹メスの獣がそこにいるだけだった。そんな自分の女を見て圭司は胃に猛烈な不快感を覚える。胃の内容物が凄まじい異物感を訴える。

 

「だったら、くれてやるよ」

 

ユリの余りにも浅ましい姿に若干の侮蔑と多大な興奮を交えて佐山はそう言って、開いた股座の前に入って蕩けた陰唇を亀頭の先で分け入り、軽く緩んだ膣口に添えると、一気に、一息で、全くの遠慮もなく、ペニスの根本まで膣内に挿入した。

 

「----ッ!」

 

ユリの身体が一瞬硬直した。おとがいを反らせて息を詰まらせた。瞬間、挿入時には全く抵抗が無かったこなれ切っている膣肉がまるで処女のそれのように硬く強張った。

 

「あぁぁっ!あーッ!あァァァッ!」

 

次の一瞬には全身が弛緩したかと思うと、正気を疑うような声を上げてまるで打ち上げられた魚のように身体が跳ねた。ペニスを挿入している膣内も肉が痙攣を起こしたように複雑に伸縮した。極度の興奮からの満を期しての挿入。それだけでユリは激しい絶頂に至った。それだけ彼女は仕上がっていた。

 

ユリとのセックスは何度となく経験のある佐山をして思わずギョッとなる程に派手な絶頂。ここまで乱れるユリは佐山は初めてみるのだ。

 

「オボぇッ!ゲボッ!グブげっゲェェェッ!」

 

ビシャッ!どぽっ!バシャシャシャシャーッ!

 

おぞましい野太く汚い嗚咽と共に粘りのある液体が激しく袋に叩きつけられる音が響いた。

 

圭司は嘔吐した。自分の恋人が自分の知らない中年男の肉棒を挿入されて絶頂する様を見て、彼は胃の中のモノをひっくり返すように一気にエチケット袋にぶちまけた。ユリの激しい絶頂にも負けまいとするような圧倒的嘔吐。

 

彼は嘔吐しつつ射精していた。ズボンのパンツの中で噴火するようにペニスが精液を撒き散らしていた。彼はペニスに指一本触れずに、物理的刺激は全く行っていなかった。ただ、彼は恋人が別の男の肉棒を受け入れたのを目の当たりにしただけでおぞましい吐き気に嘔吐して凄まじい興奮でそれだけで絶頂した。吐瀉物がエチケット袋に叩きつけられるとともに、塊のような精液を何度も何度も吹き出す。大量過ぎてパンツを通り越してズボンにシミが浮かんだ。

 

「ウッげェェェァァッ!」

 

胃の中からも次から次へと内容物が逆流してくる。こんなに胃に収まっていたのかと思うほどに嘔吐した。あまりの吐き気に胃がひっくり返って内臓を全部吐き出してしまいそうだ。

 

「ごぉォォォッッ!」

 

気持ち悪い。悍ましい。穢らわしい。苦しい。嘔吐しても仕切れない猛烈な不快感と苦痛に圭司は悶絶する。しかし同時に、堪らない。最高だ。爽快だ。気持ち良い。そう恐ろしい快楽と悦楽に圭司は酔いしれる。おおよそ普通の人間が感じうる最高の嫌悪と快楽を圭司は同時に味わっていた。本来到底両立する筈のない矛盾。

 

「あ゛ア゛ァァァーっっッ゛!!狂(ぐる)う゛ぅぅぅーっっっッッ!」

 

その本来あり得ない最高潮の快楽と苦痛の矛盾に圭司はエチケット袋を持っていない手で頭を掻きむしりながら背をのけ反らせて絶叫した。脳の細胞の一つ一つがバチバチと焼き切れていく音がして、前身が痺れて感覚が遠くなる。圭司はこの瞬間に自身の脳死を予感すらした。

 

「はぁっ!ンァ、あっあっあっ」

 

佐山はあまりに常軌を逸した苦しみ方、いや或いは悦び方をしている圭司に唖然として固まっていたが、その一方ではユリはそんな彼氏の状態に関係なく。いや、あるいはだからこそ、まだ身体を震わせて絶頂の余韻に浸っていた。

 

佐山は動けなかった。この場において自分以外の二人のテンションの上がり具合に自分一人置いて行かれたようだった。と、いうより今更にこの二人のカップルの異常性を理解したのかも知れない。背筋にゾッとするものを感じた。

 

「ど、う、したんですか?」

 

身体の震えが収まっていた所でユリが佐山に向かってそう問いかけた。

 

「な、に、してるんで、すか」

 

同時に圭司が頭を抱えながら吐瀉物混じりの泡を口元に吹いたまま訴える。

 

『足りないですよ。もっと犯して下さいよ』

 

その言葉はユリと圭司。異口同音に放たれた。

 

「は、はは」

 

調子に乗ったかな、と佐山は思った。軽い気持ちで二人を誘ったら、二人がこんなイかれたカップルだったとは思わなかった。勿論自分の恋人を寝取らせる時点でまともではないのは分かっていたのだが。

 

「いくよっ!」

 

「ひぁァァァッッ!」

 

ならばこっちもとことん楽しませてもらう。そう吹っ切って佐山はキレのある腰使いでスパンッ。とペニスを抽送した。そのままユリを愉しませる為ではなく、自分が射精する為のガツガツしたピストン運動を行う。ユリは喜悦の声を上げた。

 

「グォええェェェッ!へぐっグフッ!」

 

少し遅れて圭司が嘔吐した。胃が収縮して中に残っている残留物を一つ残らずに絞り出そうとして、激しく残りの内容物を袋の中にぶち撒ける。同時にズボンの中で自身が吐き出した液濡れになってへたっていた肉棒がまたムクムクと立ち上がりだす。

 

「あぁん!はぁっ!ひぁぁあっ!んぁ、んんっ!」

 

「グブッ!うぶぶっ!エェッ!」

 

佐山の非常に自分本位な肉棒の挿抜ですらユリはよがり狂い、背筋にうねらせながら激しく喘いだ。一方、佐山の腰のグラインドに合わせるように圭司は猛烈に胃をポンピングさせた。既に胃の中の食物は吐きつくしてしまい、ビチャビチャと薄黄色い胃液と胃粘膜をエチケット袋の中に吐いた。

 

「ェェェッ!アェェェッ!」

 

圭司は顔中をぐしゃぐしゃにしてまるで鬼のような形相で何度も嗚咽した。嘔吐による生理的な反射と精神的な苦痛からか眼からとめどなく涙が溢れた。それは通常の泣いているという風ではなく、眼から壊れた蛇口のように涙がボタボタと流れ落ちるようで異様な光景だった。毛細血管が破裂しているようで目玉も激しく血走っていた。それとともにビクビクビクと精液塗れのズボンの中のペニスが激しく痙攣を起こす。

 

「死(じ)ぬゔぅっ!」

 

「あんっ!はぁぁん!ふくくっ、ふっ、ふぁぁっ!」

 

殆ど狂乱の様相を呈している圭司に、ユリは佐山とのセックスに夢中といった具合によがっていたが、その最中に僅かに嘲笑のようなものが混じったように聞こえたのは佐山の気のせいか。

 

「ユリちゃんのマンコ、中がドロドロで熱くって、絡みついてくるよ」

 

「はっ、あ、佐山さんのおちんちんも熱、くって、硬くて、ゴツゴツして、あんっ!」

 

佐山はまるで具材をトロトロに煮込んだスープの様に熱く、しかも肉棒にしつこく絡みついてくる膣肉にそう感想をのべ、ユリもまた乱雑に叩きつけられる佐山の肉棒の鋼のような抉り込みをよがりながら賞賛する。

 

そうして佐山が腰を送り快楽を貪っているとまた、ユリの膣内の感覚が変わる。ビクッビクと膣肉が痙攣する様に蠢き、膣口がキュウと締まり子宮付近の奥行きが緩くなるその途端。

 

「はっ、アンっ!あァァァッ!」

 

ユリは背筋からおとがいを反らせるようにして激しく喘いだ。膣内の肉が激しく蠕動する。イッたのだ。

 

「あァァァッ!だめ!まだイグッ!」

 

しかし、佐山は容赦なく膣奥を殴りつけるような挿抜を行い、ユリは絶頂から降りてくるやいなやあっという間にまた絶頂に至る。ガクガクと全身を震わせイキ狂う。

 

「あガァ!アアあ゛ぁ゛ぁ゛ァ゛」

 

それに同調するように圭司は破裂しそうな頭を掻きむしり椅子から立ち上がりつつ、しかし仰け反り過ぎて海老反りになって立ち上がった椅子にゴン、と頭をぶつけた。ブリッジしている体制で股間が濡れたズボン越しに激しくテントを張っている。

 

「も゛っと!もっと゛ぉぉっ!」

 

ユリは悶えながら悦楽をより味わう為にそう訴えた。しかし、佐山の腰遣いは段々と弱々しくなっていく。ペース配分を間違えて腰の疲労が溜まり、使うにも限界を迎えてしまったのだ。腰でのピストン運動はただでさえ普段はやらない動きなだけに疲れるが、佐山ももう若くはないという事か。

 

やむおえず疲労を誤魔化すように、腰の動きをセーブしたピストン運動でユリの膣内の中程を行き来する。ロケットスタートで射精感が芽生え初めていたのだが、射精に持っていくには一旦休んでまた腰のギアを上げないと無理そうだ。

 

しかし、せっかく高い所に登り詰めていたユリには物足りない。確かにハイペースならいいってものではないが、それにしたって休む気満々の遅く浅く、且つ散漫なピストンでは最高の気分に水を差された。

 

むー、とむくれて表情から不満を隠さずにユリは腰を自ら引いてしまった。ニュル、と白く泡だった愛液に塗れたペニスが膣口から糸を引いて抜けてしまう。

 

「あっ」

 

スタミナ切れの腰では咄嗟に追えるはずもなく、思わず間抜けた声を出した佐山だったがユリが上体を起こした所を見た次の瞬間には視界には天井が映っていた。

 

ユリはまるで猫科の動物のような俊敏でしなやかな動きで飛び掛かるように一瞬で佐山を逆に押し倒して上に跨ったのだ。

 

「は、ぁ。佐山さん疲れちゃったんですよね。じゃあ今度は、私のばん、んっ」

 

そうユリは熱に浮かされたような顔で言いつつ佐山の肉棒に手を添えて、自身の膣口に導くとそのまま腰を下ろしてくっぽりと挿入してしまった。

 

「あっ!あんっ!ふぁぁっ、アァッ!」

 

「うぁぁっ!」

 

ぱちゅっ!パンッ!パァン!とユリは激しく腰を跳ねる。疲れ切った佐山の腰とは違った生命力と若さに溢れた腰の躍動。そして膣は地獄の様に熱く、絞首のように締め付けて悍ましくも甘い快楽を伝えてきた。思わず佐山は年甲斐もなく声を上げてしまった。

 

「ンッ!ちゅっ!ピチャッ!」

 

ユリは騎乗位で挿入したまま上体を倒して蜘蛛が這うように佐山の身体にのしかかるようにしてキスをして激しく舌を絡ませた。佐山はユリに上も下も粘膜で蹂躙される。

 

その若さと貪欲さにかまけたユリの攻めで、先程までは自身の不甲斐ない腰遣いで射精感のピークに至れなかった佐山もいよいよ明確に射精の予感を感じ初めていた。

 

「うぁ!ユリちゃん!もう!」

 

「チュッ!射精(で)そうですか!?いいです、よ。私の膣内(なか)に全部吐き出して!けーくんの前で!人の女に種付してぇ!」

 

佐山が絶頂の予感に声を上げるとユリは官能に酔った声で高らかに叫んだ。膣内射精(なかだし)を恋人でも何でもない男の種付をねだった。

 

「オ゛オ゛ォ゛ォ゛ェ゛ェ゛ェ゛ァァァ゛゛ァ゛ッッ゛!」

 

その時圭司はその日最大の渾身の嘔吐をした。もう胃の中に何も残っていないのに?ならば出てくるのはせいぜい胃液や粘液?否、彼は緑色の臭い液をドバドバとゲロ袋に吐いた。彼の口内一杯に不快な苦味とエグ味が広がる。吐くものもなく、それでも悍ましさ故に嘔吐を求める彼の消化器官は狂ったように胆汁まで吐き戻していたのだ。

 

背中を尺取り虫のように蠕動させながら吐く!吐く!吐く!その恐ろしい嗚咽に気を取られた佐山。しかし、それを歯牙にも欠けなかったユリの腰遣いと膣の襞のうねりが飲み込む。

 

「うぁぁぁっ!駄目だ!射精(で)る!」

 

「射精(だ)して下さい!射精(だ)してぇ!射精(だ)せぇッ!」

 

膣内で鋼のように硬くなった佐山の肉棒は強い快楽と射精感にむしろ鉛のように感覚が鈍くなった。しかし射精するのは分かる。ぐっちゃぐっちゃと粘っこい音を立てながら腰を叩きつけるようにユリが恥も外聞もなく叫んだ。

 

「ユリちゃんっ!うっ!ぐぉぉっ!」

 

呻くように叫びながら佐山は余りの快楽に凝り固まったような精液を迸らせてユリの膣口に叩きつけた。あまりの悦楽に耳がキンと鳴った。

 

「あっはぁぁ、ぁ、射精(で)る。射精(で)てる、ぅ」

 

そして胎内に子種を受けながらユリは、悍ましい快楽に身を震わせ腰をうねらせた。佐山の射精を最後まで最高のまま切れさせる為の奉仕。

 

「ヴッ!ぐっ!」

 

それに応じてドプドプドプと尿道口から佐山は精液をこれでもかと漏らした時。

 

「ア゛ア゛ァァァ゛エ゛ぇ゛ェ゛ェ゛ダガァァァ゛ッ゛!」

 

頭を抱えながら絶叫して狂ったように頭を振り回しながら圭司はソファーから立ち上がり、猛々しく射精した。イナバウアーのような姿勢になりながらズボンの前が中の精液で濡れていく。口からは胃粘液や唾液の混じった泡を拭き、半分白目を剥き、眼球や涙穴や眼球の毛細血管が軒並み破裂したのか白目を充血させて血涙を流している。

 

「ウガァァッ!」

 

その弓なりに反った背中が正しく弓のようにビョンと頭を振り出すように、圭司は頭をゴンっ!と床に叩きつけた。

 

「ごぇぇェェェッぇぇァッ!」

 

そこから床に這いつくばってビチャビチャと少量の胃粘液だか胃液だか唾液だか胆汁だか混じったものを床に吐き戻す。そしてその間もまだペニスの脈動は治らずに高らかに射精していた。ズボンの中が粘液でドロドロになっていく。

 

「あ、っく!ッッ!」

 

しかし、佐山はそんな狂ったような圭司にすら気を払う余地はなかった。塊のような精液をユリの胎内に叩きつけ、そして今も膣肉の蠕動運動に襲われなかまら滲み出すように睾丸の中身の僅かな残滓を吐き出していた。彼もまた必死だったのだ。

 

「あ、ふ、ぅあ」

 

そんな中、一番余裕を保っていたのはユリだ。しかしてそれは、別に二人と比べて快楽が弱かったという事になるわけでもない。

 

「あっ、ふ、ふくっ!ふふっ、ふ」

 

喘ぎ混じりに、ユリの口から昏い愉悦混じりの笑みが溢れた。

 

この場の男二人、佐山と圭司。どちらの快楽も苦悩も愉悦も、全て操っていたのはユリだった。佐山の愉悦と悦楽。圭司の絶望と法悦。どちらもユリがもたらしたものだった。

 

この場の三人の快楽は誰が一番だったか甲乙は付け難いだろう。しかし、一番の優越感を得ていたのは間違いなく二人の男を手の平の上で転がしていたユリだ。

 

「はぁ、ユリ、ちゃん」

 

「佐山さん、はぁあ、全部出しました、ね。私のお腹の中にいっぱ、い」

 

全てを絞り出した佐山が何とか一息ついてユリの名を呼ぶと、夢見るような恍惚とした声色でユリは言った。

 

「それは、いいんだけど」

 

それに対して佐山は口籠るように言って、ベッド横に目線を向けて続けた。

 

「圭司君、大変な事になってるけど。あれ不味くないかな?」

 

「ん、けーくん?」

 

そう促されてユリが彼の方を見てみると。圭司は床に仰向けに倒れて、口からは吐瀉物混じりの泡を拭き。血の混じった涙を流し続ける眼を見開いて虚空を見据えたままピクリとも動かなかった。

 

それは控えめに見ても、完全に致命的な卒中に倒れている人間の姿だった。

 

「うわぁ!けーくん!」

 

一見して死んでいるのではと思わせる恋人の有様に、流石のユリもそれまでの高揚も醒めて泡を食って佐山に跨った状態から飛び出すように圭司に駆け寄った。

 

「きゅ、救急車呼ぼうか?」

 

佐山も思わずそう尋ねた。

 

………

……

…

 

幸いにも圭司が卒倒していたのは、ほんの短時間でユリが呼びかけるとすぐに意識が戻った。

 

暫くは放心状態だったが、少ししたらちゃんと受け答え出来るようになって、寝取られている最中の狂乱が嘘のように落ち着きを取り戻した。

 

こうして、圭司達三人は寝取らせプレイをしていたら寝取られた恋人を前に憤死しかけた一部始終を救急隊員や医師に説明するという赤っ恥を掻くことは回避出来た。更に言えば失神した圭司の手の中のエチケット袋の内容物が溢れなかったのは佐山にとって幸いだったろう。

 

そうして暫く休んだ後二人は佐山の家を去った。佐山は余りの惨劇じみた圭司の悶絶を見て大分気遣ってくれたが、その一方で二人を見送った後、一人あのカップルの狂気に怖気を覚えた。そしてあの若い娘を抱ける悦楽は如何ともし難いとは思いつつも、ユリとの関係を断つことを真剣に考慮した。

 

圭司はズボンの中で大量に射精してしまったものは何とか拭き取ったが、パンツはおろかズボンまで染みて、着替えもないので帰りの道中は大分不愉快な思いをした。

 

それでも何とかユリに連れられて、圭司は帰宅した。

 

「ほら、けーくん」

 

ふらつく足取りの圭司はユリの手を借りてやっとの思いでベッドに倒れ込んだ。彼は佐山の家で味わった腰が砕け散って脳が蕩け出しそうな快楽と、胃がひっくり返って内臓を吐き出しそうな嘔気に最早身体はガタガタだった。

 

「ほら、パンツも濡れちゃってるんだからとりあえず全部脱ごうねー」

 

そう言いつつユリは圭司のベルトのバックルを外してパンツごとズボンを脱がしにかかった。圭司はそれに意を唱える気勢もなく大人しく腰を浮かして脱がされるがままに従った。

 

「わ、ぁ」

 

ズボンの中でペニスはくたびれ果てたようにしんなりとしていた。拭き取って来たとは言え洗って来たわけではない為に青臭い精液の匂いに蒸れた男の性臭が混じったものがユリの鼻に着く。

 

ユリは指先で弄ぶように摘んだペニスを立てたが芯が入っていないそれは先ってがくにゃりとお辞儀した。とてつもなく野太い佐山のペニスは勃起してなくてもずんぐりとした印象なのだが、それに比べて圭司のは通常時のペニスは子供のそれのように小さい。膨張率が高いのか勃起すると平均的なのだが、それと比べて勃起していない時のギャップが可愛らしく、ユリはこの状態も好きだった。

 

しんなりしたペニスの先にちゅ、と一つ口付けをした。

 

「気を失っちゃうほど……チュ、私が別の人とセックスしているの見るの気持ち良かったの?」

 

ペニスにいくつもキスを降らせつつユリはそう尋ねた。舌で全体を一舐めすると段々と疲れたペニスに芯が入っていく。

 

「苦しくて、でも気持ち良すぎて、死ぬ、かと思った」

 

比喩ではない。内臓を全て口から出してしまいたいような嘔吐感に脳髄が弾けるような爆発的快楽。そのまま世界がブラックアウトして遠ざかる瞬間に圭司は自分が死ぬのだと思った。

 

いや。

 

「俺は今日……あのまま死んでしまいたかった」

 

悍ましい苦痛とあり得ない快楽。絶望と共に感じる圧倒的な幸福。幸福。幸福。人生で紛れもなく最高のあの瞬間に圭司は死んでしまえたらどんなに良かっただろう。

 

どんな人間にも負けないような幸福の瞬間。あのまま死ねたなら、きっと圭司は死して尚、珠のように輝き続ける事が出来ただろう。

 

「ちゅぷっ」

 

ユリは柔らかいペニスを口の中に含み転がすように弄ぶ内にすっかり勃起を取り戻したそれから口を話すと。

 

「く、ふふ」

 

昏く、どこまでも昏く笑った。彼女はスカートの上からパンツを脱ぎ捨てる。昼間佐山に射精(だ)された精液が逆流したものと愛液の混合したものがクロック部に溜まり糸を引いた。

 

「けーくんは、死なないよ」

 

昏い喩悦を湛えた瞳でユリは言った。

 

ーー否

 

「死なせない」

 

私の為に。

 

死なせてなどあげない。

 

ユリは身体を起こし力なく横たわる圭司の上に跨り、スカートをたくし上げる。

 

「私の膣内(なか)、きっとまだ佐山さんの……他の男の人の精液がこびりついている、よ」

 

圭司はそのユリの吸い込まれそうな眼光と言葉にゾクリと怖気が走った。

 

「でも、貴方はそれで興奮しちゃうんでしょう」

 

断定するように言いながらユリは硬さを取り戻した圭司の肉棒の先を自分の濡れた膣口に合わせるとズブリと一気に飲み込んだ。圭司と付き合って以来沢山の男の肉棒を挿入してこなれ切ったユリの膣はなんらの抵抗もなく柔らかく圭司の勃起を受け入れる。

 

「う、くっ」

 

その良く練られた膣肉の感触に圭司は呻く。

 

「ね、感じる?佐山さんの精液と私の愛液」

 

「うっ、げっ!」

 

露悪的なユリの囁きに吐き気を催しながら圭司は益々勃起を昂らせた。

 

あぁ、やはり。

 

やはりこの人はどうかしている。ユリはそう思った。

 

そしてーー

 

「貴方の、せいよ」

 

ユリは腰をうねらせながら呪詛のようにそう囁いた。

 

そう、私もどうかしてしまった。

 

この人のせいで。

 

果たして、狂わされたのはどちらだったのか?

 

ユリは、ユリはただ一途なだけだった。ただ恋人がそれを望まずにはいられないのなら。そう思い寝取らせようとする恋人に答えて自分を殺して好きでもない男に抱かれた。

 

嫌だった。それでも彼が喜んでくれるなら。そう思っていたはずなのにーー

 

愛する人がいるのに、好きでもない男に好き勝手にされる快楽。地上で得られる至上の悦楽。何もかもどうでも良くなる。これが得られないなら生きている理由がない。そんなもの知らなければ良かったのに。

 

もう、これを求めずにはいられない。好きでもない人とセックしなければならない。しかし、それには心から愛した人が居なければならない。

 

そんな風にユリは狂っていた。誰より愛する人がいなければならない。その上で知らぬ男とセックスせずにはいられない。もう一生そうせずにはいられない。

 

こんな女、誰が許すというのか。この女を愛する男なら誰も許さない。

 

「貴方の、せいよ」

 

腰を動かして激しいセックスをしながらまたユリは言った。

 

ーーそう、この女を愛し許し続けられるのは、圭司だけ。

 

果たして、狂わされたのはどちらだったのか。

 

ーー呪いをかけられたのはどちらだったのか。

 

「けーくん。私は死んで貴方を許(はな)さない」

 

二人の歪なカップルは、この先死してなお歪に絡み合い天国の底へと堕ちていくのだろうーー

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