下級生の性教育係なTS娘ちゃんが受精するまでの1日 作:ゆきかお
(……うん。今日だ。
…………今日、なんだ)
今日が転換点とするのならば。
このまま、甘えているわけにはいかない。
進んでいく皆の足を、引っ張りたくない。
ミトはそう決意し、自身の腰に置かれていたコウキの手を、自身の手で柔らかく握って。
もう充分だよ、と温情の念を伝えると。
彼の手が、ゆっくりと離れていった。
そうして、うつ伏せに寝ころんだままの状態から、腰をひねって起き上がると。
暗く沈んだ様子のコウキへ向き合って、心の底からの言葉を贈る。
「……コウキ。オレはいっぱい、コウキに頼ってるつもりだよ。
ほら、今もお前に頼ったから、そのお陰で、だいぶ楽になった。
皆だって、ずっと助けてくれてるからさ。ほんとに、ありがたいんだ」
「……」
コウキにとっては、遠からず近からずの。
核心を遠ざけて、煙に巻いたように感じられる、ミトの回答。
けれど、そこに込められた親愛は間違いなく本物で。
それ以上の追求を、コウキは口をつぐんで止めた。
「だから、さ。その分、オレが頑張らないといけないから。
……先輩を、やらせて。ね?」
そう言ってミトは、彼に手を差し伸べる。
コウキにとっては、まだ大きく。
まだ近くある、少女の手のひら。
おずおずと、コウキはそれに己の手を重ねて。
彼女の手を、包んで。
「……っ!」
そして、ぐっと自らの内に、引き寄せた。
「────え、わっ」
膝立ちだった彼女の体勢は、コウキの想定以上に強い力で引っ張られたことで、崩れてしまい。
膝を支点にした前がかりな姿勢になって、その勢いのまま彼の胸元に引き寄せられ。
そこに、顔を押し当てる形となってしまった。
「ん……っ」
ぽすんと、コウキのシャツ越しの、引き締まって固い胸板に、顔を埋めるミト。
彼の意図が読めずに当惑して、直ちに元の姿勢に戻ろうとする。
そして、慢性的な興奮状態にあって、肺に酸素を多く求めていた彼女は。
姿勢を戻す前に、必然的に呼吸をするため、コウキの体操服のシャツを、嗅ぐことになる。
「…………えっ?あっ……ち……ちがっ……!ごめ、ごめん……っ!
そんなつもりじゃ、なくてっ。何で、おれっ…………!」
ミトの鼻腔を埋めていく、知っている臭い。
彼のシャツが吸い込んでいた、多量の彼の汗の、臭い。
少しだけ、お日様の匂いもする、それは。
目一杯運動してきた男の子の、脂ぎってない、若さに満ちている臭いで。
活発で、快活で、爽快で────。
(あ────)
────そして、どうしようもなく、切ない臭い。
急速に、カッと燃え上がるような情炎の熱が、ミトの胸の中心、そして下腹部に生じて。
耳鳴りのように、ぷつりと周囲の音が掻き消えて、自身の鼓動しか聞こえなくなる。
大小様々な思考が浮かんでいた脳裏が、真っ白になって。
目の前にいる、雄のこと以外が全て、色褪せていく。
自分の内で、処理できる許容を超えてしまった。
自分の内の、何か知らないスイッチが、勝手に、強制的に入ってしまった。
そうとしか形容のできない、状態。
そして、高揚。
「……は……はっ……」
「…………先、輩?どう、したの……」
小さく、短く、荒い呼吸の音。
頭を下げていて、伺えない表情。
先ほどまでの、少し気だるげではあったが。
平常通りだったのとは異なる、明らかにおかしな様子。
無意識の内に、自分が強引に引き寄せてしまったことへの罪悪感で。
押し潰れそうになっていたコウキは。
恐る恐る、自身の胸元に顔を沈めている、ミトの肩に触れることで。
彼女の状態を確認しようと、して。
「────コウ、キ……っ」
彼女が名を呼んだ。
縋りついて、媚びるような、湿った鳴き声で。
彼女がこちらを見上げた。
瞳孔が開き、とろんと眉が下がった、色に濡れた眼差しで。
彼女を認識した途端に、魅入られたように、体が動かなくなるコウキ。
確かな情の温もりがあった、色香のかけらもない自然のままだった空気を。
水に墨汁を垂らしたかのように媚香が渦巻いて、染め上げていく。
「え……ぁ……」
蕩けた声色。潤んだ瞳。上気した頬。
ミトの発する全てに纏った、艶めいた雌の臭いがする空気に。
コウキは抵抗することが出来ず、心臓の鼓動が加速度的に早まって、一定だった呼吸を乱す。
彼の中に確かにある理性も、負い目も、思慕も。
全て、溶けていく。
たまらなくなって、手に入れたくなって。
コウキは、ミトがそうしたように。
彼女の名を、呼んだ。
「…………せん、ぱいっ」
本能が求めたことによる、生殖欲求の発露が、麻薬のように染み渡って。
情欲に曇った瞳で見つめ合う。声も忘れて、焦がれるぐらいに、互いを。
恋しい。たまらなく、相手が恋しい、と。
そればかりが、まだ成熟しきっていない青い彼女らの頭の中を、赤黒く塗りつぶした。
「はぁ……ぁ……コウキっ……んぅ────」
そうして、2人は。
示し合わせるでもなく、そうすることが決まっていたかのように。
見惚れあったまま、互いの指を引き合わせて、両手を固く結んで。
互いの唇を、奪い合った。
「んむっ…………ちゅるっ、んんっ……じゅうう……」
0になった距離。
相手の睫毛の本数まで、はっきりと分かるぐらいに、密着しあって。
蹂躙するような、滅茶苦茶で、なりふり構わない、乱暴なディープキス。
一回じゃ足りずに、何度も、何度も、互いの唇を食んでは。
舌と粘膜を擦りつけ合う、深い口づけを繰り返す。
けれど、享楽に過ぎた接吻に、酸欠になりかけて。
思わずミトが唇を離した際に。
互いの涎が綯い交ぜになったが、朝露に濡れた蜘蛛の銀糸のように落ちた。
「……ん、んっ……ぷはっ!……はーっ……は……」
「っぷぁ、……せんぱい、せんぱいっ……!」
「…………んっ……っ!」
彼の体の感触を求めて、ミトがコウキを力強く、抱き締める。
激しく、性急な抱擁。
2人の体臭がふわりと、巻き上がって。
甘ったるい雌の臭いと、力強い雄の臭いに、包まれる。
「……っ、んん……は……」
「ふぅ、は、はっ……ぅ……」
熱を帯びた呼気が、互いの耳元を掠め合って。
身体の内を激しく打つ、互いの心音を教え合う。
何もかも、求めるままに、全部委ねてしまいそうになる程に、心地がいい。
そして、ミトは自分の下腹部に押し付けられている。
コウキの熱く、漲る性衝動に、意識を向けて、触れようとする。
だが。
(……っあ、や……待っ、て……)
瞬間的に沸き上がり、濁流となって押し寄せた衝動的な感情の中で。
ミトの内にほんの僅かに流されず、残っていた、理性の一片。
それがどうにか彼女を、足枷か首輪かのように、一瞬引き留めて。
性教育係として、先導する年上の「先輩」としての責任を、思い出させた。
(して、あげなきゃ……)
────手じゃない。胸じゃない。
もっと、もっと、深く、はっきりと感じられる場所で、してあげないと。
……ちがう、違う。自分のことばっかに、しちゃいけない。
コウキがしたいやり方で、しなきゃダメ。
いやっ、でも、でも、何が────。
「……ねぇ……コウキっ……」
「ふぇ……?」
ぐちゃぐちゃで、折り合いのつかない、散文めいた熟思と、曖昧模糊な葛藤の末に。
ミトはコウキの耳元で、飴を転がすような、うっとりとした声音で。
誑かすように、囁いた。
「口で、しても、いいっ……?」
「は、えっ……ぁ……」
びくんと、魅惑的な要求に、反射的にコウキの分身が反応して。
彼の思考も、自ずと、ミトの唇のことに移る。
薔薇のつぼみを彷彿とさせる、薄くありつつも、張りがあって、血色のいい彼女のそれ。
触れるのを躊躇ってしまうように、綺麗で、無垢で。
どこまでも、自分のものにしたくなると、独占欲に駆られるそれ。
「……いっぱいっ、気持ちよくする、から……っ」
「あ、ぅ……っ」
彼女のそれを手折るように汚そうとする、自分の肉棒。
そして、拒絶するのではなく、優しく受け入れて。
甲斐甲斐しく、一生懸命に自分のそこをフェラチオをする、ミトの姿が過って。
急激に催した、強い劣情のあまり、荒くなった息が喉元で詰まって。
はっきりと、声が出せない。返せない。
このままじゃ、ダメだと、焦って、逸って。
だから、コウキは────。
「…………っ!……っ!」
────浅ましく、頷くことで。
ミトの淫猥な誘いに、堕ちた。
「っうん……立ってっ……コウキ」
「……っ、あ……ふぅ、ふぅ……」
言われるがままに、震える足で立ち上がるコウキ。
しなだれるように顔を寄せて、股間の前に跪くミト。
脱がすよ、なんて許可を求めることなく。
緩慢な手つきで、体操服のズボンと、内のパンツを纏めて降ろしていくと。
狭苦しそうに、ズボンの生地で傘を張って、引っ掛かっていたそれが。
ミトの眼前にで、剥き出しになる。
「っ、あ……」
「…………っ」
日焼けした肌とは異なる、無垢さを表すかのように真っ白で。
亀頭の中ほどまで包皮の剥けた、10㎝弱の、コウキの陰茎。
それはぴんと直立して、期待に打ち震えるように、ひくひくと今も大きくなりつつあって。
先端の鈴口には、もう先走りが染みのように滲んでいた。
(…………凄い、におい……)
そして鼻先に掠める、根元に生えた産毛が、発汗の熱で蒸れたことで。
コウキの体臭をもっと濃くした、立派で、魅力的な雄の淫臭。
くらりと、ミトの脳が揺れる。
明朗だったとは言えない脳裏が、淫情に霞んでいく。
溢れんばかりの、どうしようもない情動に、突き動かされていこうとするが。
己をどうにか抑制させて、ミトは包装を解いたコンドームを彼の先端に宛がうと。
するする、と包皮を剥きつつ、手早く慣れた仕草で身につけさせた。
(これで、もう……)
後はもう、雄を悦ばせて、射精させるという。
雌の本懐を果たす、だけ。
ピンクの鞘を身に纏ったコウキのそれに。
触れるか、触れないかの距離まで、顔を近づけるミト。
大きく息を取り込むために口で呼吸していた、熱情的なミトの吐息が当たる度に。
彼の竿が小さく痙攣した。
「ふっ、ふぅ……」
そうして、手はまだ、膝に置いたままに。
彼の桃色の先っぽに、ミトが唇を寄せると。
────ちゅうっ。
「あ、っう……く……っ」
口先を窄めての、慕情と、愛情を込めた。
唇の跡を焼き付けるような、亀頭へのキスを、繰り返す。
意図せずして大きく鳴った、蠱惑的なリップ音がコウキの鼓膜を揺らす。
むっちりと押し付けられる唇の官能的な感触と、耳を犯す肉感に満ちた音。
それが、まだ第二次性徴すら来ていない少年を昏く、悦ばせる。
「ちゅ……ちゅ……」
亀頭から唇を下らせて、まんべんなく、ミトはコウキの局部に自分の跡を付けていく。
ミトが口紅を付けていたのなら、その花弁が咲き乱れ、彩られたであろう程に。
その彼女の愛撫は最早、マーキングだった。
「はっ、はぁ……っ」
快感に焦がれた息が、コウキの口から垂れこめる。
幾重もの口づけを終えて、ミトのたおやかな右手の指が、彼の不浄の根元を抑えた。
窄められていた唇を割って、唾液の艶を帯びた彼女の赤い舌が、零れ出る。
ミトは、耳にかかっていた髪を何となしにかき上げて。
ふるふると、甘い絶頂を嘱望する彼の分身に、その舌を這わせた。
「……んっ……れぇ……」
コンドーム越しにでも、血が大量に送り込まれて。
じんと熱を持っているのが十二分に伝わってくる硬い、硬いキャンディ。
それに触れた彼女の味蕾が、それをケミカルで、つまらない味がすると訴える。
だけれど、その薄皮1枚越しには、精一杯に血を集め、膨らんでいる。
愛しい、愛おしい、コウキのそれがあると、ミトの本能が鎮めさせた。
「んれろ……ちゅる……ぺろ……」
幼児がアイスキャンディを食べるときのように、小さく短く、舐めてみたり
じっとりと、舌のざらつきさえ覚えさせる、蛞蝓が這うような速度で、舐ってみたり。
不規則で、脈絡がないように見えて。
その実、どこが感じるかをつぶさに覚えようとしていた、慰めの末に。
ミトは、べっとりと、へばりつかせた舌体でもって。
根元から裏筋までを、一気に舐めあげた。
「ううっ……あ……んんんっ……」
ぞくぞくとコウキの背筋が震え、甲高い声が出そうになって。
年頃の羞恥心が大きく反応して、彼は口元を手で押さえて、聞かれないようにする。
だが、吹き零した泡のように、恥ずかしい声が隙間から漏れ出していて。
何の抵抗も、意味も成していなかった。
(こっち、も…………)
竿の根元でぶら下がる、大事な精嚢を抱えた袋を、支えるように添えた左の手のひらで。
細心の注意を払った力加減で、ゆっくり揉みしだく。
精子を作るという、重大な仕事を成しているそれを、労うように。
「っう、はぁ……それっ、へんになる……っ……」
ぐにゅりぐにゅり、と彼女の手によって柔軟に形を変える少年の陰嚢。
コウキにとっては、最初はくすぐったく、ただ身をよじらせるだけだった筈のそれが。
徐々に、じわじわと、射精欲を煽らせる物に変わっていく。
「はぁ、は……んぁ……」
ちゅるり、とミトが舌を戻した。
カーテンから零れた一筋の陽光が掠めている、目一杯に愛されていたコウキの肉棒は。
彼女の唾液によるぬめりで、鈍く、艶めかしく、照りついていた。
彼のそれに、彼女の唾液を塗られていない所は、もうない。
「ふぅ、ふぅ…………あむっ……」
舌だけは、もういい、として。
自分の熱を覚える吐息と、唾液で濡らされている陰茎を。
ミトはその小さな口に、ぐぷりと、含んだ。
「ぁ、うぅっ────…………!」
コウキの情けない声が、排熱された蒸気のように漏れ出た。
ほかほかとした湯に、そこだけがつかっている生々しい感覚。
喉奥から放たれた、籠ったミトの吐息がぶつかる。
彼女の口内は、今に至るまで小さく舌を、多く動かしていたことで、涎で溢れていて。
引っかかりがないぐらいにぬるぬるとしていて、別種の生物のように蠢く。
ミトの口内を別の場所だと、収まるべき場所だと誤解した、コウキのそれが、一層に猛った。
(やさ、しく……)
ミトの中で過る、女子だけの保健体育の授業で行われた、前戯に対する注意。
普段の調子で、無意識に入れてしまった力が、男の子を傷つけてしまうこともある。
どうしてか、はっきりと印象に残っていた担任の一言を、反芻する。
(気を、つけて……)
実際に、どうにでもできてしまうコウキの大事なそれ。
信頼と愛欲と共に預けてくれたそれを、絶対に傷つけないように。
力を込めないようにした、柔らかい舌を絡め。
ふんわりと甘やかすように、纏わりつかせると。
歯を立てないように、鈴口からカリまでの短いストロークで、扱いていく。
────くぽっ、くぽっ、くっぽ、くぷっ。
空気が混ざった、いやらしい注挿の媚音が鳴り始めた。
ミトの唇が発達途上のカリ首のくびれに引っ掛かる度に。
脳髄が痺れるような快楽が、コウキの内で上ってくる。
溶かされているのではないか、と疑うぐらいに。
されれば、されるほど、先端の感覚がどんどんと痺れて。
代わりに、そこで覚えている彼女の舌の動きが、どんどんと強く鮮明になっていく。
「……あっ……!あ、くぁっ!……っあ……っえ……」
ふと、その淫猥な往復が止んだ。
そう、コウキが快楽でぼやけた頭で認識した瞬間に。
緩急のように、精液だまり越しに、くりくりと。
自分に吐き出すために作られた、ドロドロに煮詰まった精液を、出しやすいように。
尖らせた舌先で鈴口を突っつかれて、ほじくられる。
全くの未知の感覚に、コウキはいじらしい声を零す。
「ぃ、あっ……く……!はぁ、は……っ!」
「んちゅ……ん……じゅうう……れろれろっ……」
つい数瞬まで尿道を穿っていた彼女の舌が。
途端に、コウキの肉棒の周りを激しくのたうち回りだす。
泡立った唾液が、口端から滴り落ちていき。
ミトの体操服の胸元の布地を、じわりと汚した。
暴力的な快感のあまり、このままだと、立っていられそうにない、と。
反射的な危機感に襲われて、コウキは自身に跪いている、彼女の頭に手を置く。
彼の手に馴染む、女性らしく、細くたおやかで上質な毛髪の束。
「っ、んぅ……?」
何の予兆もなしに、髪を撫でられたことに、反応して。
曇った瞳の上目遣いで、ミトがコウキの様子を伺った。
2人の目と目が、合う。
「……ぅ、あ……っ!」
強烈なフェラチオの快感に前後不覚となっていたコウキは。
今更ながらに自信の置かれた状況をはっきりと理解する。
座らせて、侍らせて。
見おろして、見上げさせて。絶対的な、上下関係を作って。
口で、させている。させてしまっている。
それに、頭に置いた手が、彼女に強制させているようで、従わせているようで。
「んむっ……こうひ、ひもひ、いい……?」
「……っ!……ぅ、んっ!……や……ぁああっ!」
ぞくりと沸き立つ、征服感、優越感。
それはまだまだ幼い彼には劇的で。
無垢とは程遠いあまりに汚れた薄暗い感情が、コウキを狂わせる。
「ん……ふへへ……んちゅ……れろっ……」
「ふーっ、ふっ、くっ!あっ……だめっ!それぇ……っ!」
だが、実体としては、奉仕させている側に余裕などなく。
雌を征服し、優越を覚える雄らしさなど皆目伺えないまま。
ミトの激しい口淫に情けなく、腰をがくがくと震わせていた。
本当はどちらが優位にあるかどうかなど、今この場においては明白だった。
「じゅう…………んっ、ちゅううぅ……」
「やっ、ぁ……せんぱいっ……!」
雄の反応に、悦びを得たミトは頬を窄めて、淫靡に肉棒を吸い上げる。
ミトの頬のむっちりとした粘膜が、愛おしそうに包んで、亀頭を圧迫していく。
強烈な快楽に、腰が持っていかれそうになったコウキ。
どうにかその場で、必死に留まろうとするが、両手でミトの頭を強く掴むわけにもいかず。
そこしか拠り所のない両の足で、マットレスを強く踏みしめた。
「あ……あぁっ!……うぁ!」
けれど、そんな抵抗では耐え切れずに、思わず腰をくの字に折って引いてしまい。
彼女の口から自分のそれを、抜け出させてしまう。
「────ぷあっ、ふ……っむ……」
「くっ、ぁ…………ぅ、うう……はっ……はっ……」
勢いあまって口から逸れた、唾液に濡れたそれがミトの頬を這いずって、跡を残す。
頬を擦る柔らかな感触ですら、感度が高まっているコウキにとっては、強烈な刺激。
コウキは、自分から抜け出してしまったことを、恥じるも
物欲しそうに、無自覚に腰を突き出して。
自分が支配していた、されていた場所へと、戻りたがろうとする。
今以上の新しい快感を、求めようとする。
「ふぁ、はぁ……れろ……ぁ、んむっ……」
ミトは初めにしたように、コウキのペニスを口元にもっていくと。
突き出した舌でそれを迎え、くるむようにして、再び咥え直す。
そして今度は、離れないように、離さないように。
彼の腰に両手を回し抱いて。
喉奥まで頬張るように、飲み込んだ。
「ぐぶっ……んむっ、んじゅぅ……じゅぶ……」
「ひゃあぁ!?……っ!あっ、あああぁ…………っ!」
ミトが、くぐもった水音を立てる。
コウキが、雌のような嬌声を上げた。
「ちゅぷ……んんっ……ふ……」
根元に顔を埋める以上、口で呼吸が出来ない故に。
酸素を求める肺に応えるには、鼻で呼吸をするしかない。
そうして息をすれば、雄のフェロモンに満ちたコウキの体臭が、ミトの鼻腔を満たす。
呼吸の度に嗅いで、嗅がされるほどに、もっと、と欲しがって、虜になって。
彼の生えかけの陰毛の茂みが、鼻先で擦れて。
少しこそばゆいことすらも、愛おしい。
そういった、蕩けた思考の中で。
いつの間にかミトは、すりすりと、無意識の内に。
自分の内ももを、擦り合わせていた。
────ぐっぽ、ぐぷっ、ぐぽっ、ぐぽっ。
深くなった、淫穴の中にて。
根元から先端までを、ねっとりと往復させてしゃぶりつく、ディープスロート。
重く湿って響く、下品な水音。
口内に溜まって、溢れ出していた自分の唾液で、口元が大きく汚れることも厭わずに。
ミトは一心に、コウキを愛撫し続ける。
「これっ、もっ、むりっ……!でちゃうっ!でちゃ、うっ……!」
「んぶっ……ん、んくっ、ぐっぷ……じゅずず……」
彼女の口の中で、彼のそれが跳ね出していく。
ミトに必死の懇願が突き刺さるが、止めるつもりは微塵もなかった。
幼気な海綿体に血を送る、健気な血管を優しく撫でるように、舌でなぞって。
彼女は淫らな前後往復を、短く早く、繰り返す。
それは絶頂への期待、そして熱望の表れ。
「あ、ああぁぁっ────!」
耐えに耐えての、最大の解放を前に。
彼の陰嚢が、きゅうと縮こまる。
コウキはぎゅっと、涙で塗れたぐずぐずになった目を瞑って。
剥き出しの獣欲に従うまま、自身の尊厳も、彼女への労わりも、かなぐり捨てる。
柔らかくて、温かい、ミトの喉奥。
そこを、自分の欲望を吐き出して、征服する為にある部位だと、本能が錯覚している場所を。
コウキは己の男槍で、突いて。
どうしようもない肉欲を、爆ぜさせた。
────びゅうーー♡ぶびゅうう♡びゅるるるる♡
「んぐっ!……っ……んっ!んん……んむ……」
尿道を押し広げて、鈴口から放たれる盛んな放精を、ミトは喉奥で受け止める。
コンドームを着けていなければ、溺れていたのではないかと思わんばかりの精液が。
どくどくと精液溜まりに注がれて、風船のように膨張していき。
ミトの小さな口内を、埋めていく。
(ぁ、あ……)
今までよりも、直に、はっきりと。
自分によって生まれた、そそられた。
雄の劣情が、性欲が、自分に打ち付けられる感覚に。
ミトは、陶酔していく。
「~~~~っ!!」
コウキは吐精の度に、ピンと足を張って。
背中を弓なりに反らせて。
腰を抱かれていなければ、へたり込んでしまいそうになる快感と、解放感に見舞われて。
声にならない声で、悶え続けていた。
────どぷっ♡びゅぅ♡びゅく♡びゅく……♡
10秒以上の長い射精の末に、精子を吐き出す勢いが、ようやく落ち着く。
裏筋を舌で扱いて、ちゅうちゅうと頬を窄めて吸い上げて。
もう何も出ないことを、再三確認するミト。
彼女が一拍置いて、頭を引く。
そして、ずるり、と彼女の口から、幾重もの唾液の糸を滴らせて。
コウキのそれが、中ほどまで引き抜かれた。
「────んっく、ぷはっ……ぇあ……」
「はっ、はあぁ……ぅ……ぁ……」
涎に塗れた、まだ硬さを維持している、満足げにびくびくと震えるコウキのそれ。
その先端で青臭い精液を柔軟に受け止めて、膨張した精液溜まりを、ミトは舌の上に乗せて。
大きく口を開くことで、彼女は彼に見せつけた。
真っ赤な舌体の上で憚る、コンドームに包まれた、ぷるぷるとしたマーブル模様の白濁のゼリー。
それは、大人の階段を一つ上ったことの証明であり。
まぎれもない、優秀な雄の証だ。
そうやって、言葉にはせずとも。
いやらしく、彼の自尊心をくすぐるように。
ミトはコウキを、褒めていた。
「……っん……く……はずす、ねっ……」
「……っうん、は……あっ……」
「わっ……」
コンドームの口を引っ張り上げられて、迫ぐるしい鞘から解放されたことで。
口淫の終わりを自覚した体が限界を訴え、コウキは立っていられずに、膝から崩れ落ちる。
そしてミトに向かって前のめりに倒れ込む形になり、彼女は咄嗟にコウキを受け止めた。
ミトの体により縋りながら、息絶え絶えに、彼は謝罪の念を呟く。
「ふぅ……ふう……ごめんっ、せんぱいっ……。
……こう、させてっ……」
「いいよ……んんっ……」
ゴムの口を縛り終えたミトは、コウキの背中に手を回して、掻き抱くように身を寄せた。
その柔らかな抱擁が、彼の興奮を宥めるように作用する。
どちらかが落ち着きを得るまで、互いの激しい心音に聞き入って、抱き締め合ったまま。
ずっと、何かの拍子が訪れるまで、そうしていた。
*
────キンコンカンコン。
教室のスピーカーから電子のチャイムが鳴った。
コウキは、ミトの肩に寄りかかっていた面を上げる。
「……先輩、その」
「────コウキ」
彼が何かを言い出そうとする前に、ミトの笑みが向けられた。
それはさっきまでの顔の火照りはそのままで、媚態の余香がほのめいていたが。
日常を想起させる、朗らかで、自然な微笑だった。
「ほら、行かないと、ダメだよ。
……お腹、減ったでしょ」
「…………」
「オレは、大丈夫だから。
しっかり食べて、5、6時間目、頑張んないと」
コウキの頭に重ねられた、彼女の手。
行われるのは、すりすり、と頭を撫でる、彼女なりの愛情表現。
沢山に受け取ってきたものを、また新しく誰かに受け渡す手段。
コウキは素直に、その親愛を受け入れる。
「待ってる、から。皆と一緒に、おいで」
「…………わかった」
葛藤を信頼で絆して、忘れることで生まれた、難しい表情で。
コウキは渋々と頷いた。
「立て、る?」
「っうん。…………しょっ、と……っ」
スポーツ少年の地力によって、先程まで腰が抜けていたような状態にあったにも関わらず。
ふらつきながらも、しかと両の足で彼は立ち上がった。
そして、扉の前まで歩くと、最後に振り返る。
「……じゃあ、またね。先輩」
「────うん、また」
コウキは、再会の約束を立てて。
潔く廊下の向こうへと、消えていく。
彼の退室を見送ったと共に、ミトはどうにか平常足ろうとして、作っていた笑みが崩れて。
そのまま、マットレスに倒れ込んだ。
こうして、彼女の短い一生の中で一番に長く。
そして濃密な午前が、終わりを告げた。
誤字報告、感想をいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。