帰りの車内で、
「グレイバックさん、大猪豚の群れに追われていた理由を聞いても?」
俺は追われていた訳を聞いた。
「それは………」
彼女は口をつぐんだ。
「雷刃…アレ」
サーニャが首につけられた首輪を指さした。
「奴隷………」
ギルドの同行者が小声で呟いた、
「はずせるのか?」
俺はギルドの同行者に聞いた。
「はい、簡単に外せますし………この国では奴隷は違法です」
同行者が首輪を取り外しながら、
「グレイバックさん、詳しいお話をお聞かせ願えますか?」
話を聴き出した、
「はい………私は二日前に買い物に出た所を襲われて………それから馬車に乗せられてあの森で…何故追われたのかはわかりません…私以外にも3人乗せられていました………」
俺は同行者や仲間達と話し合うと、
「グレイバックさん、一度あの森に戻ります…他の人も無事なら救出したい」
「はい………」
グレイバックさんが同意した。
「アリシャ、ミーシャ、サーニャ各自装備を確認、奴隷商人との交戦………最悪は大猪豚の残りの群れともあり得る!」
俺はそう言うとM577装甲兵員輸送車をもと来た森に進路を向けた。
「アリシャはサーマルカメラ映像を、ミーシャは20mmガトリング砲を、サーニャは直ぐに出れるよにスタンバっておけ!ギルドの人はグレイバックさんの護衛を頼みます」
「了解」
四人から了解の返答を受けると、俺は車体後部の2連装プラズマキャノンを操作しいつでも撃てるように車体上部に移動させた。
「右方向、人体の熱源三つ確認、雷刃!」
アリシャが俺に告げた、
「了解した!」
「ミーシャ、ガトリング砲スタンバイ!」
アリシャがミーシャに指示を出した、
「いつでも!」
「サーニャ!」
「いいよー!」
アリシャが配置を確認していくと、
「雷刃こっちは完了………って不味いわね、何か大きな熱源が迫ってる」
恐らくは大猪豚だろう。
「アリシャ!プラズマキャノン頼む!」
アリシャがコンソールを操作しサーマルカメラ映像と標準カメラ映像を同時に表示させると砲塔を指向させた。
「サーニャ、そろそろ三人が見えてくるはず…ピックアップ宜しく」
「アリシャ、確認したよ………」
サーニャが扉を開けると、直ぐに行動を起こした。
「三人共掴まって!」
此方に向かって逃げてきた三人を素早く車内に引っ張り込んだ。
「雷刃、こっちはいいよー!」
俺はサーニャからのピックアップ完了を聞くと、アリシャを見た。
「大型の熱源は………大猪豚、四、五、六、七…七匹を確認、プラズマキャノンで仕留める!」
言うが早いかアリシャはプラズマキャノンであっと言う間に七匹の大猪豚を仕留めた。
「左後方に武装した一団を確認!奴隷商人と思われます!」
サーニャがサイドドア越しに確認した。
「雷刃殿、できれば生け捕りで頼めますか、裁判にかけないと…」
ギルドの同行者がそう依頼してきた、
「そうね…全員の生け捕りは難しいかも…」
アリシャが答えた、
「数名でも構いません」
「わかりました、ミーシャ…前衛の雑魚はガトリング砲で蹴散らして!」
「了解」
ミーシャが答えると、直ぐに発砲した。
奴隷商人の護衛隊は敢なくガトリング砲の餌食となり壊滅した。
「残るは商人達だけね」
俺達は装甲車を停めると、商人達の捕縛に向かった。
「商人達だけ7人だけ捕縛で問題ないか?」
俺はギルドの同行者に引き渡した。
「問題ありません…コイツラは………」
同行者は商人達の顔を持っていた手帳照らし合わせ確認すると、
「雷刃殿、全員国家指名手配が掛けられている奴隷商人です、賞金も出ますね………新たに仕留めた大猪豚は追加購入ということで、銀貨12枚となります…賞金については街に戻ってからとなりますが、一人金貨20枚で7人合計140枚が掛けられています」
「了解よ」
アリシャがそう答えた。
「とろで貴女達も同じ町からですか?」
俺は新たに助けた三人に聞いた。
「はい…買い物に出た所を………」
どうやら同じ街で買い物に出て一人になった時に攫われてきたようだった。
「我々も同じ街に戻るので乗っていってください」
アリシャが新たに助けた三人に話していた。
彼女達は家に帰れると聞いて、安心したのか泣き出したので
「グレイバックさんにお願いがあるのですが………その我々は全員………計算が苦手で…宜しければパーティーに加わって会計と連絡係を街でお願いしたいのですが…クエスト依頼料を均等割りでお願いしたいのですが…どうでしょう」
アリシャがグレイバックさんにパーティーの会計と連絡係を頼んでいた。
「その構いませんが、具体的にはどのようなお仕事なのでしょう」
グレイバックさんが仕事内容の確認をしてきた。
「第一のお仕事はお金の出入管理、第二はグレイバックさんのお宅に通信装備を置かせていただいて、クエストに出たあとの内容変更や緊急時の連絡をお願いしたいのです」
グレイバックさんは少し考えると、
「わかりました、お受けいたします」
快く引き受けてくれた。
因みに我パーティーの名前は植民地海兵隊で、リーダーはアリシャにしてある。
「それからこれからはお仲間なのですから、グレイバックさんなんて呼ばないでくださいね、アイシャと呼んでください」
と言われたが………、
「多分歳上の人に………」
と俺が言い掛けた。
「皆さんお年は?」
とアイシャが聞き返してきた。
「ミィーシャは俺と同い年の16歳で、サーニャは一つ歳上の17歳、アリシャは19歳だけど」
其々の歳を聞いたアイシャがポンと手を打った、
「それならお姉さんとか………お姉ちゃんとか…」
まぁ名前を呼び捨てにするよりはましだ。
「アイシャ姉さんで」
呼び方が決まった所で、アリシャが契約書類を取り出すと、アイシャ姉さんに書いてもらっていた。
「お給金はクエストで得たお金を均等割りにすること、端数は全員の物として積立金とする…」
等と堅苦しいことを書いていた。
「クエストの時、皆のお弁当も作りましょうね…それじゃないとなんかお給金に見合わないと…」
アイシャ姉さんが願ってもないことを提案してくれた。
「お願いします、材料費は各自からお渡しします」
こうしては我パーティーはアイシャという新しいメンバーが加わることになった。
「アイシャ!」
三人を其々の家に送り届け最後にアイシャ姉さんの家に着くと、旦那さんと思しき男性と二人の子供が駆け寄ってきた、
「ママァ!」
無事に再会を果たした。
「有り難う、本当に有り難う君達が居なかったら妻は帰ってこなかった」
旦那さんから何度もお礼を言われた。
「少しお尋ねしたいのですが、この辺で長期滞在出来る宿屋とか無いですか?」
俺は旦那さんに聞いてみた、
「そうか………宿を探しているのか、それならうちにはしなさい宿屋だからね、3食ついて白銅貨4枚でどうだい、月単位の長期滞在なら一日あたり白銅貨3枚にするよ」
旦那さんが部屋の料金を説明していた。
「お願いします」
俺達は部屋を見せてもらうと宿泊を決めた。
「部屋は此方で、風呂トイレは別ですよ」
俺達は、手持ち金から3日分支払うと、其々の部屋へと別れた。
「明日はギルドに行って、賞金を貰わないと…アイシャ姉さんを加えて一人当たり金貨28枚か………当分は喰うに困らないか…」
俺はなどと考えながら眠りに就いた。
貨幣価値について
金貨 1枚 (10万円換算)
銀貨10枚で金貨1枚 (1万円換算)
白銅貨10枚で銀貨1枚 (1000円換算)
銅貨100枚で銀貨1枚 (100円換算)
屑銭10枚で銅貨1枚 (10円換算)