「おーっす大。今日も彼女と登校かぁ? 良いねえ彼女持ちは」
と教室のドアを開けるなり絡んできた輩はサザン、本名は松田 南という。
ツンツンヘアーにどこか猿を思わせる顔をニヤつかせながらサザンは俺の側に来た。
本人曰く、昔ワルかったらしくこうやって絡まれることもしばしばある。
「まあね。サザンも彼女作ったら? きっと毎日楽しくなるよ?」
「ちぇっ。余裕こきやがって。そんなに簡単に彼女が作れるならとっくに作ってるよ。はーあ、俺にもお前の彼女みたいな巨乳で可愛い子出来ないかなぁ~?」
と、サザンはため息をつく。
「お前みたいな軽薄そうなやつに彼女なんて出来るか?」
そう言いながら横から割り込んできたのはヒデ。本名は組野 英。普通の見た目で成績も普通、運動神経も並の男だ。
天パで髪がカーブを描いているところ以外は至って普通。
あらゆる面で普通の男なので若干俺とキャラが被ってしまっている。
「おはよう大。今日も彼女と登校したのか。サザンじゃないけど俺もお前が羨ましいよ」
ヒデは俺に挨拶すると肩を叩きながらそうぼやく。目を瞑りながらしみじみと言うなよ……。あと、サザンも頷くな。
「今日も皆元気タイね。僕は昨日抜きすぎてちょっと疲れてるタイ。あ~腰が重い」
怠そうなセリフを言いながら一人の大男がのっそりと椅子から立ち上がった。彼の名は次藤 比良戸(ひらと)。皆からは次藤くんと呼ばれている。
とても大柄な男で身長は185センチもある。しかも筋骨隆々でスポーツ万能と来た。
ただし彼にも欠点があった。
「ま~た次藤くん抜きまくったのか。よくそんな体力持つね~。オレっちは精々3回が限界だよ」
「3回!? 僕は最低でも毎日10回は抜かないと収まらないタイ。3回とか信じられないタイ」
サザンと次藤くんはお互いにオナニーの回数を言い合いどちらが適正な回数かを議論し合った。
そうなのだ。次藤くんは極度の性欲魔人でエロいことの知識に関しては誰にも負けない。
しかもよくクラスでエロ談義をするものだからクラスの女子達からの評判は良くない。これが彼の欠点だった。
「おいおい。お前ら、そんなことで競い合ってどうする。朝のホームルーム前にエロ談義とかお盛ん過ぎるだろ」
ココぞとばかりに常識人っぷりを発揮しながらヒデが二人の猥談に割り込んだ。
「けっ。ま~たヒロが真面目ぶってやがる。そういうお前はどうなんだよ」
「回数の話? 俺も3回が限界だよ。普通だよ、普通」
「お前も3回しか出来ないのか。最近の若者は軟弱タイね~」
これが俺らの日常だった。毎日思春期の若者らしくエロい話に花を咲かせながらぐうたらする。どこにでもある普通の風景。
しかし、最近はちょっと変わった気がする。
「そういやなんでこんな話になったんだっけ?」
「サザン。お前が大の彼女みたいな女が欲しいって言ったんだろ?」
「ああ、そうだったそうだった。朝のあんなイチャつきを毎朝見せられたらなぁ。毎日あんなおっきな胸で腕を挟まれてさぁ」
サザンが鼻の下を伸ばしながらニヤけ始める。
それに続いて次藤くんも鼻の穴を膨らませながら妄想を始めた。
「良いタイね。流石の僕もあんな巨乳で扱かれたら数秒で撃沈するタイ。毎日あの胸を好きに出来る大が羨ましいタイ」
ちらりと盗み見ると昨日シコり過ぎて弱っていたはずの次藤くんの腰の一物は怒張をし始めていた。水筒ほどの大きさの巨根がギンギンに尖ってズボンの前で苦しそうにしている。
ズキンッ。
「っ!?」
俺はまた変な胸の痛みを感じた。なんだ、これ今朝も感じた痛みに近いぞ。
「おいおいっ! お前らふざけ過ぎだ。大の彼女なんだぞ。変な妄想は辞めろ」
流石にヤバいと思ったのかヒデが二人の妄想を止めてくれた。
「す、すまなかった。お前の彼女だもんなあの子。悪い」
と、サザンは素直に誤った。
「僕も悪ノリが過ぎたタイ。申し訳なかったタイ」
次藤くんもサザンに続いて頭を下げた。
「いや大丈夫だよ。俺の彼女は可愛いくてスタイルが良いからな、みんなが羨むのも仕方ないさ」
俺は場の雰囲気を取り戻そうとわざと得意げに言ってやった。
その様子を見て二人は安堵したのか、苦笑しながら俺の方を小突いてきた。
「この野郎。また彼女の自慢かっ!」
「まったく、気を使って損したタイ」
「元はと言えばお前らが悪いんだぞ。とは言え俺も大の彼女自慢はうざいと思うけどな」
3人は笑いながら調子づいた俺をからかい初めた。どうやらいつもの調子に戻ったようだ。
「でも本当のことだからなぁ。俺の彼女は超かわいい。これは揺るぎない事実さ」
「はっはっは! でも良かったタイ、大が本気で怒ってなくて。彼女でエロい妄想を始めてしまって注意された時、僕は心配で心配で気が気じゃなかったタイ」
ホッとした感じで安堵の表情をした次藤くん。だが俺は知っていた。
彼の股間が未だに怒張していたのを……。そして必ずエロい女を見て興奮したら抜かずには居られない事を……。