※この作品はR-18です。

狐娘にTSするだけ   作:アFOX

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これ、もしかしてR18タグ……?


無知の知ってなんか卑猥

「よし……行くか……」

 

 とある家屋の玄関口にて、ぽつりと呟く少女が1人。

 着たるは戦(意味深)の巫女装束、狐たるもの耳立たせ、癒しへ導くその尾っぽ、これぞ理想の狐っ娘。

 

 某ショッピングサイトで購入したインナーはその殆どが来週に届くと気づいたのは今朝方の明朝頃、現在手元にあるのは、ずり落ちる程規格の合わないボクサーパンツと、プレミア機能で昨日届いた、もはや布切れではないかと思いたくなるほどの際どいドスケベ下着のみであった。

 よりにもよって巫女服の袴に当たる部分は少し長めのスカートタイプであり、階段といった高低差の生まれる場所では偶発的に見えてしまう可能性がある。それらを考慮した時、履けない物より履けるものを選ぶ必要が生じる。自分は人としての恥じらいや倫理観は捨てたつもりは無く、本来であれば個人で楽しむ範囲内でのみこれらの衣装を着用するつもりであったのだ。よもや、お披露目がこのような公衆の面前になるとは購入当時の自分は思いもよらなかったであろう。

 

 つまり、これより町へと繰り出そうとする1人の狐っ娘は、客観的に変態と呼ぶに値する着こなしをしていることになる。全力で駆け抜けた後のような心臓が脈打つ音が嫌に耳に聞こえる。体温は明らかに平時より高まっており、それらを意識すると、自身の息遣いがより激しくなる。

 今までに体感した事の無い背徳的な感覚が脳を支配し、甘美な快楽を生み出している。

 

「へ……へへ……これは、しょうがなくて……儂の生きるのに、大事じゃから……ふへ……」

 

 自身の内側に言い聞かせるように、少しづつ言葉を紡いでいく。本来であれば良くない事なのに、そうせざるを得ないという相反した事実が、少しづつ自身の何かをねじ曲げようとしているのを感じる。1度歪になってしまったら、確実に戻れない、大切な……。

 

「ふー……ふー……♡大丈夫、1時間だけ、1時間だけお外に出るだけじゃから……」

 

 かくして、人の世に狐っ娘が放たれた。

 なお、近所のお店で買うという発想に至らなかった事をここに記す。

 

 △△

 

(い、今のところは誰にも不審がられては無さそうじゃな……。これで大騒ぎになっておったら儂の人? 狐生終わりじゃからな)

 

 市役所までは最寄りの駅から2駅ほどの距離のため必然的に大通りを歩いていく必要があるのだが、その最寄り駅さえも自宅から片道10分ほどの距離。普段であれば気負うものなど何一つないのだが、今日は違う。自分の狐生を左右する、過分ではあるがXデイと呼んで差し支えないようなハプニングを抱えてしまっている。可能な限り人目につかないよう道の端っこの方を歩いているのだが……。

 

(やっべぇぇ……めっちゃ見られておる……やっぱり儂が可愛いからか……? こんな事ならマスクしてくるんじゃった……!)

 

 何時ものように自然な立ち振る舞いをしていれば、時折美少女の狐っ娘が巫女装束を着て町を闊歩しているという物珍しさに人々は振り返る程度なのだが、今現在はそれらに加え道の端の方を背徳感から、わちゃわちゃ手を動かしながら歩いているため、より一層すれ違う人々に興味を持たれてしまう。

 

 思えば、この自己肯定感の高さはどこに由来するのか。

 以前までの自身は平々凡々という4文字に当てはまるような人間で、突出した特技もなければ容姿も人並み程度であった。加えて飽き性の気質であったため、何か人に自慢できる特技をと始めたギターも半年も経たずにインテリアの仲間入り。心機一転、物書きを志したものの遅筆で、それほど活字に触れて来なかったため語彙力もなく、仕舞いには作品が完成する前に筆を折った。

 そんな自身にとって、人に自慢できる長所がないという事実は歳を経る毎心の片隅に影を落とし、気づけばそれはコンプレックスとなっていた。本当に我ながらめんどくさい性格だと思う。

 

 さて、そんな愚かしい人間が、ある日取ってつけたかのように10人入れば7、8人は振り返りそうな美貌を兼ね備えた狐っ娘になった場合、それはもはや劇物であり、プラスアルファ自身の性癖に根掛かりしてしまうようなそんな狐っ娘にTSFしてしまった場合、過剰な自己肯定感・自己愛を通り越して、もはや欲情するに至るのは自明の理であるだろう。古事記にもそう書いてある。

 

(昨日のお兄さんは、何も違和感ないって言っておったんじゃがのう……こ、こんなに見られるのは、ふ、不本意じゃあ……♡)

 

 言い聞かせるように事実を否定してみるものの、心のどこかで自信を見てほしいという承認欲求が巣食っており、自己肯定感の高さも相まって思考に反するように嬉しくなってしまう。尻尾が犬のようにはち切れんばかりに暴れ回り、お耳もピルピルっと嬉しそうに照れている。充足感に包まれたのも束の間、自身は今とんでもない下着を装着していることを思い出し、急いでスカート毎しっぽを押え付ける。

 

(も、もしかして見え……)

「あ……さ、さらばじゃぁ……」

 

 捨て台詞を呟き、急いでその場から足早に立ち去る。急いで人気の少ない路地裏に逃げ込み、先程の出来事を振り返る。

 

(も、もしかして儂のこのお耳と尻尾、儂の感情に呼応して暴れ回るのか……? ま、まずいぃ……!! 儂ポーカーフェイスとは無縁の人種なんじゃ!! このままでは大衆の面前で無自覚天然ドスケベ下着晒してしまう……! )

 

 ここから最寄り駅まで5分程度の距離まで近づいたものの、思わぬ伏兵に自身の尊厳を壊されそうになってしまう。この大通り一帯の路地裏はどこもかしこも行き止まりになっており、人気の少ないエリアを通じて駅まで辿り着くことは困難を極める。

 創作で見るような、獣人特有の敏捷性や跳躍力があれば石垣や屋根を伝って人っ子一人居ないオリチャーを開拓することが出来るのだが……。ふと気づく、この身体になったという事は、もしや身体能力も向上しているのではないかと。

 

「ものは試しじゃな、それ! ん゛っ!! ほれ!!! いよ゛いしょぉ!!!!」

 

 ぴょーん、ぴょーん、と効果音が着きそうなほど高く飛び上がったつもりだったのだが、目線は特に変わらず。そればかりか、以前の体躯の時よりも跳躍力が落ちてしまっているではないか。

 

「へっ……へっ……へっ……お゛かしぃ……以前よりも飛べんくなっておるでは無いか……へっ……へっ……」

 

 舌を出し、空気を求める。どうやら行動の節々が狐のそれと同様のものになっているようで、このようにして体温を調節しているのだろう。いや、今はそれは置いておいてこの窮地から脱する方法を見つけ出すしかない。もしかすると、意識しないと能力が向上しない可能性もあるのではないか。その可能性に至った自分は少しの休憩を挟んで再挑戦することにした。

「ふー……やるかの……。せいやっ!! めざめよっ!!! うおぉ゛!!!! しゃ゛っっっ!!!!!」

 

 何度か繰り返していると、少しづつ疲労が溜まってきたのか、身体がSOSを上げ始める。

(あ、まずい脇腹が悲鳴を……! やばいヨダレが!! もう無理じゃ……!!!!)

 

 何度目かの跳躍で到達点に届いた頃、ようやく自身の限界がとうの昔に過ぎていたことを知ると、自由落下の法則に従って徐々に地面が近づいてくる。

 

(あ、あれ……これ儂まずくね……? どうやって着地するんじゃ??)

 

 気づいた時にはもう遅く、ヨダレを撒き散らしながら「んげっ!」という断末魔と共に地面に吸い込まれた。

 

「へっ……へっ……」

 

 地面にうつ伏せになるように倒れ込み、美少女にあるまじくご尊顔からチョロっと飛び出した舌がアスファルトを舐めている。巫女装束は度重なる跳躍で乱れに乱れ、一見狐っ娘が乱暴されてしまったのではないかと勘違いしてしまうような現場が生まれてしまった。

 ふと、喧騒が後ろの方から聞こえてくるので少しお耳をピクっと傾けてみると、自身の安否を心配するような声が聞こえる。中には「警察に届けた方が良いのでは……」などと恐らく先程までの奇行を知らないだろう人までもが自身を気にかけているようだ。息が未だに落ち着かず、どうすれば良いものかと考えを巡らせていると、子どもの甲高い声が突如響く。

 

「あー!! キツネさん!!」

 

 身構えていなかった心持ちのせいか、不必要に驚いてしまう。お耳がピンと張って、尻尾も直立して……直立……直立……???! 

 直後、より一層喧騒が大きくなる。思わず耳を塞ぎ外部からの声をシャットダウンしたが、明らかに見られておる……!! 

 

(あ……ああ……そ、そんな……ちがうんじゃ……わしはそんなドスケベな子じゃ……! ああ……!!)

 

 胸の動機が高まり、次第に鼓動の音が頭を支配していく。ドクン、ドクンと脈動が波打つ度に自身の置かれている環境を自覚し余計に混乱してしまう。

 

(あ……いま、わし、視られとる……♡)

「へっ……へっ……へっ…………んへっ……♡」

 

 そして、視界がまっしろになって……

 

 

 

 △△

 

 pipipi、pipipi、pipipi。アラームの音が鳴る、どうやら先程の出来事は夢の中での出来事だったようだ。何故か体は火照っており、イヤに思考は明瞭であった。

 

(それにしても、ちょっとリアルで……わし、あんなにいっぱいの人に視られたら……ど、どうなって……♡)

4話が少しアウトかもしれなかったのでR18タグ設定したのですが、併せてR18のお話、ここの小説で書いてもよろしいでしょうか?

  • 大丈夫
  • 別のタイトルでやって欲しい
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