「Sinサイバー・エンド(女騎士口調、美巨乳ふたなり、半竜)が、
レインボー・ドラゴン(お姫様風、ロリ巨乳、会話のドッヂボール、半竜)を悪堕ちさせます。」
*ただのふたなりじゃないのでご注意ください。
『ポケットモンスター Erotic Generation』を読んでる人なら、ピンとくるかもね。
*半竜の意味は、ラミアみたいな下半身ドラゴンってことです。
3-1、究極ドラゴン対決、再び
罪に堕ちる虹の宝玉
モノクロ模様の部屋に、2人の美しい女性がいる。ただし2人とも人間ではない。共にラミアのように下半身が竜尾、上半身が人間――半人半竜の姿であった。一方は気を失ったまま十字架に磔にされており、対する者は、立ってその姿を見つめていた。
「さあ、目覚めろ。宝玉の姫よ……」
片方の女性の、朝露のように凛と澄んだ声が、眠りについていたもう1人女性――お姫様の意識を呼び起こそうと、言葉を紡ぐ。
なるほど確かに、十字架に磔にされているのは、齢十四前後のお姫様のように見受けられる。服や竜尾のあちこちに七色の宝玉が飾られていることから、お住まいは虹の国か、あるいは宝玉の国かと思わせる、半人半竜のお姫様。しかし実際には『お姫様』などではなく――彼女の正体は、『宝玉獣』の頂点に君臨する、『究極宝玉神レインボー・ドラゴン』である。
顔の輪郭は月のように、貴くも優しい光と、すこやかな丸みを帯びている。ウェーブを描きながら背中の白鳥のごとき整った翼まで伸びる銀髪は、天使の輪を描くほどに光っている。そこに花を添えているのは、七色の宝玉で作られた、小さく可愛らしい髪飾りだ。
ひなたでよく干したシーツのように白い肌と、フリルのたっぷりついたホワイト・ドレスには、ほとんど境界が見えない。綿のような白さと同時に、空気をたっぷりと含んだフリル付きのドレスには等間隔に、やはり7つの宝玉が飾られている。ふわふわのフリルに負けじと、胸元はホワイトムースのような柔らかさを見せながら豊かに実り、上半分を外気に晒している。申し訳程度の短いスカートの下は、銀の鱗と七色の宝玉で形作られた竜の尻尾だ。
「ぅ……んっ……」
眠そうにしつつも、お姫様が目を開く。琥珀と紫水晶――2つの宝玉によるオッドアイに映し出されたのは、長身で竜骨の兜を被った美女であった。
「ふふふ……磔にされた気分はいかがかな?」
口調こそ丁寧だが、腕を組んで胸元を強調しつつ、やや上から視線を浴びせつつ訊ねてきた。お姫様は、少しの間ボーっとしていたが、思い出したように意識をはっきりさせると同時に、話し始めた。
「はじめまして。私、『究極宝玉神レインボー・ドラゴン』と申します」
「……うん? あ、あぁ……ご丁寧にどうも」
「なぜか腰から上が人間の姿になっていますが、元々はれっきとしたドラゴンです。よろしくお願いします」
「あ、あぁ……こちらこそよろしく……」
なんとなく、仕方なく会話のペースを合わせてはいたが、彼女――『Sinサイバー・エンド・ドラゴン』の中では、疑問が生じる。実は初対面ではないのだが……という疑問よりも、もっと大きな疑問である。
(なんで気分を訊ねたのに、自己紹介をし始めたんだ? 自分が十字架に磔にされていることも、大して気にしてないし……)
ちなみに、レインボー・ドラゴンの中では自己紹介タイムはまだ続行中である。
「あなたのお名前は?」
ともかく、Sinサイバー・エンドは、話を合わせることにした。
「私か? ふふふ、当ててみるがいい。言っておくが私たちは初対面ではないぞ。私も人間の姿に変わっているが……誰だか分かるかな?」
そんな少しいじわるな質問をされて、レインボー・ドラゴンは改めて眼前の人物を観察し始めた。
無駄なく細めに整った輪郭の顔。左目は切れ長で鋭い眼光を放ち、右目は白と黒の半月からなる眼帯で隠されている。鋼のようなストレートの銀髪の上に被っているのは、龍の髑髏を模した兜だ。
白銀と黒金で造られた鎧は、胸元を半分ほどしか隠しておらず、魅惑的な奈落の谷を露わにしている。腕はスラリと長く、兜と同様に、龍の髑髏に似た手甲へと続く。下半身に脚はなく、人工合金の鱗で覆われた長い尾で自立していた。
その姿に、レインボー・ドラゴンには心当たりがなかった。
「うーん……わかりません。家族なら知ってるかもしれません」
「家族? 家族って?」
「はい」
――沈黙。
時間にして数秒なのだろうが、それが妙に長く感じられた。瞬間が永遠になるようなことは流石にないが。
サイバー・エンドは頭を抱え、レインボー・ドラゴンは首を傾げた。
(「家族って?」に対する回答が「はい」だ、と……? どういう、ことだ……!?)
(こちらが「はい」と答えたのに、どうして質問を続けずに、黙っておられるのかしら……?)
何とか沈黙を破ったのは、食い違いを理解したサイバー・エンドだった。
「すっ、すまんな。質問しなおそう。家族とは誰のことだ?」
「わかった! 『サイバー・エンド・ドラゴン』ですね!」
サイバー・エンドは再び頭を抱えることになった。レインボー・ドラゴンも首を傾げる。
(……なんでこのタイミングで答えたんだろうか……)
(おかしいですね? 絶対サイバー・エンド・ドラゴンだと思ったのですが……)
不安になったレインボー・ドラゴンは待っていられず、確認を取ろうとする。
「あの……間違っていましたか? あ、サイバー・エンド・ドラゴンっていうのは、あなたの正体のことですよ? 家族のことじゃないですよ?」
「うん。知っているし、当たっている」
「家族っていうのは、ヨハンと、ルビーと、トパースタイガーと……」
「すまんな。それは割とどうでもいいんだ……」
頭を抱えたまま返事をし、考え込み、溜め息をつく。
(こんな調子で、パラドックス様から受けた使命を果たせるのだろうか……)
彼女――Sinサイバー・エンド・ドラゴンは、パラドックスから『レインボー・ドラゴンをSinモンスターに堕とせ』という使命を与えられている。しかし、会話もままならない者を相手に、そんなことができるのか――と、思考を巡らせた中で、気がついた。
(余計な寄り道は不要! さっさと目的を果たせば済むことだったか!)
彼女は美しい銀髪を振り払い、会話のドッジボールで剛速球を投げてくるお姫様に、新たな気力を以て臨んだ。
「さて、そろそろ本題に入らせてもらおうか。レインボー・ドラゴン。お前は、どんなときに幸せを感じる? 楽しいと感じる?」
天然という枠を突き抜けたお姫様ですら「これのどこが本題なのかしら?」という疑問を持ったが、それをあえて口にすることはなく、
「そうですね……。家族とお茶したり、遊んだり、お話したりするのが楽しいです! あ、家族っていうのは、ヨハンと、ルビーと、サファイア・ペガサスと……」
「うん。家族のことはもういいぞ。他には?」
止められるまで素直に話した。
「でも本当に、家族と過ごすのは楽しいですよ? 家族以外のことだと、あとはデュエルでしょうか。十代っていう人や、いつも忙しそうなネオスって人は、一緒にいて楽しいですよ」
「なら、傷つけることは?」
「えっ……?」
レインボー・ドラゴンが楽しげに平和な日常の話をしているにもかかわらず、サイバーエンドは妙な方向に話を持っていった。
「自分の身体に宿る強大な力で、他人を傷つけることは、楽しくないか? 踏みにじることは、壊すことは、殺すことは――」
「そっ、そんなの――いけないことですよ?」
レインボー・ドラゴンは、またも会話になっていない答え方をする。しかし今回は、テンポのズレや勘違いではない。深く考えることを避けている。
「いけないことをするのは、なかなか楽しいぞ?」
「だっ……ダメなものは、ダメなんです!」
叱るのが下手な母親か、ひどく幼い子どものように、レインボー・ドラゴンは大した理由も出せずに拒否するだけである。
「良いか悪いか、という基準ではない。愉しいか楽しくないか、これが今の問題だ。
それに――『究極宝玉神レインボー・ダーク・ドラゴン』。お前があの姿だったとき、ずいぶん楽しそうに我がサイバー流を蹴散らしていたではないか」
「お、覚えてませんよ……。レインボー・ダークだったときのことなんて……」
たとえ本人が覚えておらずとも、それは事実だった。異世界における、ユベルが憑依したヨハンと、丸藤亮がデュエルした際のことを指している。
パラドックスが、ヨハンほどの決闘者を敵に回してまで、レインボー・ドラゴンを手中に収めようとしたのには訳がある。このカードは既に一度、闇に堕ちた経験があるだ。それをもう一度闇に堕とすのはたやすいだろう……というわけだ。
「まあ……論よりも証拠、と言うだろう? 少し――イケないことをしてみようではないか」
お騒がせ&お待たせしました。
なんとか9月11日までに投稿出来ました。
ゆっくり楽しんでいってください。