「まあ……論よりも証拠、と言うだろう? 少し――イケないことをしてみようではないか」
そう言うと、サイバー・エンドは軽く乾いた音で指を鳴らす。それに応えて、沼に沈んでいくかのようにズブズブと、レインボー・ドラゴンを磔にしている十字架が床に呑まれていく。その動きは、疑問符を浮かべ続けるお姫様
の顔が、サイバー・エンドの臍より下あたりに来たところで止まった。
「ほう、いい眺めだな」
「えっ? 何がですか?」
おそらくレインボー・ドラゴンは、鏡があったとしてもその意味を理解できなかっただろう。無垢で上品なお姫様の上目遣いと、たわわな乳果とその谷間というコンボである。彼女自身ほど無垢で天然でなければ、羨望や下心が隠しようがないほど湧いてくるのは当然だろう。そんな中でサイバー・エンドは、下心を全力でぶつけにかかった。
「イケないことの第一段階。その美しく穢れなき身体で――こいつを受け止めてみろ」
サイバー・エンドが力強く、腰周りを隠す鎧を取り払う。そこには、美女と呼ぶべき顔立ちや張りのある乳房とは、決して相容れぬものが生えていた。
「えっ……。えっ……?」
はっきりその意味をわかっていないレインボー・ドラゴンだからそんな反応で済んだが、まともな婦女なら悲鳴を挙げるような、凶悪な肉棒だ。レインボー・ドラゴンの丸い顔を縦断できるほどの長さを誇り、ドクドクと血管が脈打つ。さらに、茎が部分的にサイボーク化されており、筋肉とはまた異なる硬さを以て、強烈な摩擦を生むことが予想される。
(えっ……これ……お風呂で、ヨハンが洗ってるものと、同じですか……? でも、女の子には、付いてないものですし……生きてるみたいに、びくびくしてますし……何なんでしょう……これ……)
沸き上がる関心に戸惑う少女をよそに、サイバー・エンドは、その熱く硬い肉棒にして鉄棒を、雪玉のような巨乳の谷間へと突き刺した――。
「ふっ……あっ……!?」
この興味関心をどう表現しようかと迷い、溜め込んでいた吐息が甘く零れた。視線は、自分の胸の谷間に挿入された生き物のような何かへと釘付けになっている。
「く……! これが……パイズリと、呼ばれるものだ……」
快感で声を震わせながら、サイバー・エンドは解説を始めた。
「ぱい……ずり……?」
「そう。本当は、愛し合っている間柄でなければ許されない卑猥な行為だ。無論だが私はお前のことなど愛していない。そんな相手に『パイズリ』という許されざる奉仕をしている気分は、どんなものかな?」
「どんな……って……」
レインボー・ドラゴンは、自分の気分を表すことよりも、いま起こっていることを把握することでいっぱいいっぱいだった。そんな中で、サイバー・エンドは剛直のピストン運動を開始する。
(あぁ……すごい……。私のおっぱいの間に、熱いものが突き刺さって、擦れて……。すごく熱いです……。おっぱいが、やけどしそうです……)
押しては返す肉棒の動きに合わせ、やわらかい乳肌が、鍋で熱せられているように波打ち、輪郭を歪ませる。そんな激震巻き起こる胸元の奥にある心臓は、雄の勇ましさを感じてときめき始めていた。
(おっぱいだけじゃない……。体も、熱くて……。胸が……ドキドキして……。イケないことなのに、なんだか幸せな気分になっちゃいそうです……)
全身から甘酸っぱい汗が噴き出し、心臓が激しく脈打つことで、「はぁっ……はぁ……」
と、レインボー・ドラゴンの呼吸も乱れてきた。
「ふふ……どうだ? イケないことをするのは気持ちいいか? まあ私自身も当然気持ちいいが……」
「んぁっ……そんなことぉ……」
「ないとでも? なら試しに、この淫らな姿を『家族』とやらに見られているところを想像してみるといい」
「んっ……んっ……」
レインボー・ドラゴンは言われた通りに想像をしてみた。
もしそんな状況なら、ヨハンが、ルビーが、サファイアが、エメラルドが……止めさせようとして、声を張り上げるだろう。他の宝玉たちも同じようにするか、こんなことを強要しているサイバー・エンドに、憎悪の言葉を浴びせるだろう。しかし、それらは無視され、淫らな奉仕が続いていく。淫らな奉仕を、続けていく……。
(……たの、しい……?)
レインボー・ドラゴンの中で、愉悦に関する黒い価値観が湧き上がってきた。
(家族との絆より、こんなお肉と金属の棒を選んでしまうだなんて……。そんなとんでもないことを、私はするの? 出来てしまうの? それって……愉しい、ような……)
自分の中で生まれた感情に、レインボー・ドラゴンは戸惑いを隠せなかった。
「まだ迷っているようだな……。そんな迷いを生む頭脳を、麻痺させてやろう。この――追加攻撃でな!」
そう宣言すると、サイバー・エンドは一旦ピストンを止め、下腹部に力を込め始めた。すると、肉棒の根元の少し上に瘤ができて、そして……。
「ふっ――ああああああっ!!」
絶頂したのではないかと疑うような嬌声と共に天を突いたのは、新たに「生えた」淫らな二塔であった。つまり、サイバー・エンドの股間にあるのは……。
「3本……!?」
「その通り。デュエルモンスターズとしての『サイバー・エンド・ドラゴン』に3本の首があったように、人間の姿になった私には、3本の陰茎があるのだ……」
「いん、けい……?」
「……この後おねだりされた時、『陰茎』では興醒めだな。『おチンポ様』と呼ぶがいい」
「おチンポ、さま……?」
世間知らずな虹の姫は、その非常識な呼び名を、不思議そうな顔をしつつも受け入れてしまう。だが、それを復習しようと開いた口に、先ほどサイバー・エンドが言っていた『追加攻撃』が叩き込まれた。
「おチン……」
「それ、2本ぐらい咥えられるだろう?」
「んぐぅ!?」
新しく生えた二本の半機半獣の剛槍は、お姫様のかわいらしい口を押し開き、無理やり突き込まれた。
「くぅ……っ! す、すさまじい快感だな……! 『Sinサイバー・エンド・ドラゴン』に生まれ変わったときのことを思い出すぞ……!」
子ども部屋のように小さい口に、巨人のように大きな2本の装甲ある肉棒。隙間などあるはずもなく、自ら脈打つ振動だけで亀頭同士がすさまじい摩擦を快感を生むのである。しかもそれが神経を伝って脳へ至るまでの間に、パイズリによる、母性で彼女を酔わす、柔らかく優しい快感まで混ざっているのだ。気持ちよくないはずがない。
だが、あらゆる刺激に慣れていないレインボー・ドラゴンは、さらに余裕がない。
(くちの中……ぜんぶ……! 唇も、歯も、舌も、頬の裏も、上も、下も……! あぁ……! おチンポ様以外、感じられないです……!)
頭の中も同様であった。拒むにせよ、受け入れるにせよ、いまこの状況では『おチンポ様』こそが一番大事なもの。この熱さ、苦塩っぱさ、濃厚な臭さ、金属の味、力強い脈動こそが……。それ以外の思考が、言葉が、頭から消えていく……。
だが、彼女はまだ単純になることが出来なかった。異なる2つの本能が争いを始めたからだ。
(いき、くるしいです! も、もう、いやです……!)
(おい、しい……です! もっと、ほしいです……!)
生存本能と性欲の争いに折り合いをつけたのは、元凶たる二本の肉棒だった。
「はぁ……! そろそろ……動くぞ!」
そう言うと、サイバー・エンドは彼女の小さな頭をがっしりと鷲掴みにして、相手の顔と自分の肉棒――その両方を動かし始めた。最奥まで突き入れられた2本が動くには、退くしかない。カリ首と装甲で粘膜を擦りながら肉棒が引かれていくと、性欲が紛れた。亀頭だけ咥えている状態にまで至ると、呼吸と嚥下をする余裕ができた。
「ふ――っ! ふ――っ!」
鼻で大きな息をすると、酸素と共に淫臭が肺を満たす。コクンコクンと嚥下した唾液は、大量の先走りを含んで粘度を増していた。
そこから、パイズリにおいて1本の肉棒で行われていた抽送が、口という穴一つと、二本の剛直を加えて再開された。突き入れられるたびに『おチンポ様』以外の存在が虚無へ消え、引き戻されるたびに雄のフェロモンとエキスがレインボー・ドラゴンの身体に染み渡る。胸元のほうは、乳首が勃起して、服の中という乳房の居住スペースがさらに圧迫される。
自らの本能によって淫らに踊らされている彼女の心に、サイバー・エンドは一石を投じた。
「ふふふ……。レインボー・ドラゴン。お前、自分が『イケないこと』をしている自覚はあるか?」
(イケない、こと……? あぁ……おチンポ様……おチンポ様……)
「こんな熱心に3本も咥えて、挟んで……。お前の家族が見たらどれほど悲しむかな?」
(か、ぞ……く?)
装甲ある凶悪な肉棒が引き戻された僅かな時間を使い、想像を巡らす。
ヨハンは、豪雨のような涙を流しながら、サイバー・エンドを罵倒することだろう。トパース、アンバー、コバルトは、驚きのあまり硬直してしまうだろうか。アメジストは、痛ましさ故に目を逸らしてしまうだろうか。
そんな悲劇を夢想したレインボー・ドラゴンの心は……。
混じりけのない黒さで、それを愉しんだ。
(キモチイイ……。愉しい……です……! 愉しいです! 誰が何を言おうと、泣き叫ぼうと――私の気持ちよさ、私の欲望の前には無意味だなんて! イケないことを、私だけが、悦んで、罪悪感もなしに成し遂げられる! 私って、なんて凄いの! なんて、強いの!!)
彼女の闇に反応したのか、長い間彼女を拘束していた十字架の手枷が外れた。
両手さえ自由なら、淫らな遊戯に夢中な陵辱者を蹴散らし、この部屋から脱出するぐらいの地力を、彼女は有している。しかし彼女は――その両手で、自分の乳房を両側から強く揉みしだいた。挟み込まれた肉棒も諸共に……。
「んくっ……。んふぅ!」
同時に、唇を窄め、限りある肺活量を肉棒を吸うために行使する。舌は絡みつく蛇のように、敏感な裏筋や、味の濃い鈴口などを狙って丹念に舐め上げる。
両手の解放をきっかけに、サイバー・エンドからレインボー・ドラゴンにターンが移ったかのようであった。
「うっ!? いきなり……吸い付きと舌使いが……!? それに胸まで……!」
(もっと……ご奉仕したい……。イケないこと……してみたいです……!)
ぎっしりと二槍で詰められているはずの唇から、どこか甘い唾液と塩辛い先走りが混じった粘液が零れる。粘液は柔らかい谷間に落ち、3本目の動きに合わせてグチュグチュと淫らな音を奏でる。レインボードラゴンの行為が激しくなったことで、一気に互いの体液――唾液、汗、カウパー液の分泌量が増えたのである。
そして、互いの心と神経に蓄積された快楽値も、2人のキャパシティを超えようとしていた。
「くぅ! でる……出るぞ! 3本とも……3本とも! う――受け止めろッ!」
(ああっ……ギチギチに張り詰めて……。おチンポ様が、3本とも……何か出すんですね……! そんな変なもの、くちで、おっぱいで、受け止めてしまうなんて! 最低で、最高で、楽しいっ! たのしいっ!! きもちいいっ!!)
ただでさえ快感と興奮で膨張していた剛直が、さらに一回り膨らんだかと思うと――精液、口腔、快感中枢……それらが爆発を起こした!
「うおあうあうああぁぁああああ――――っっっっ!!」
「んンむあぬぐぅぅぅぅうううう――――っっっっ!!」
爆音に代わって、天を衝く絶叫がバキバキと響く。粘膜と神経を焼き切る灼熱を帯びた白い溶岩は、胸の谷間と小さな口腔に大洪水を起こしてもエネルギーを失いはしない。あり余った移動力で、桜色の乳首と真っ赤な食道を擦る。胸を隠していた白のドレスを透き通らせ、胃液を白く濁らせた。
爆風が「弱まった」ところで、サイバー・エンドは口腔の2本を、水槽の栓を抜いたときのような音と共に引き抜いた。
「あっ……」
口を半開きにして、名残惜しそうな表情を見せるレインボー・ドラゴンの顔に、弱まりつつも間欠泉程度の勢いは残していた精液がぶっかけられる。整った可愛らしい顔に、琥珀と紫水晶のオッドアイに、お菓子を待つように小さく開いた口に、億千万の精子が飛びかかる。レインボー・ドラゴンは、眼と顔の穢れを払う真似はしない。閉じられた口の奥で泳ぐ無数の真っ白な生命を、ゆっくりと、じっくりと……一つとて余すことなく咀嚼し、ソルトの利いた苦みを味わっていく。
(こんなの……食べ物の味、じゃないです……。食べたらイケないものです……。あぁ……イケないことをすると、全身が震えて、熱くなって、敏感になって……キモチイイです……)
精液と陰茎の全てを堪能し終わったところで、レインボー・ドラゴンは完全に磔から解放された。彼女の身体は、受け身も取らずに崩れ落ち、その後仰向けに寝返りはしたが、それ以上動こうとしなかった。
精子の味と愛撫はあまりに強烈で、レインボー・ドラゴンを絶頂に導いていた。頬は紅潮し、乳肌は精液の跡が紅く残り、その頂で紅い勃起がドレスを貫かんばかりに自己主張していた。絶頂の余韻によって「はぁ……はぁ……」と、肩で息をして、竜尾は地に臥せ、まともな体力は残っていない……かと思われた。
「ふ……ふふ……。凄まじい快感だったが……互いに、ここで終わる訳にはいかないだろう?」