敗北勇者(♂)と淫魔王(♀)のマジカルチンポハーレムライフ 作:ぷうち☆りん
今回はセイバードラゴン様のアイデアを再構築しました。
弱肉強食は世の真理……と賢者面した曲学阿世の徒は大面を下げて喧伝する。
(この凄惨な光景のどこに世の真理があるというのだ!)
ライルはそんな輩を心の底から軽蔑していた。 近年稀に見る凶作……というオーガ領に付いてくるといって聞かなかったミアンとニンニンを連れ立ちながらオーガ領の現状を見て彼は魔人でありながらも心を痛めた。
しかし炊き出しの列には乱れなく、ある種の秩序が形成されていた。子供が先で老人は後。そういう並びになっていた。
「ちょっと食ってみるか?」
「よせ。俺達3人が腹を満たせば他の3人が飢える事になる」
好奇心から発したミアンの提案をライルは表情を険しくして咎める様に語気を強めて言う。その一言にミアンとニンニンは押し黙るよりなかった。
「おねーちゃん達お腹すいてんの?」
「じゃあオイラのをやるよ」
身なりの貧しい、汚いボロを纏う兄弟らしきオーガが割れた茶碗を差し出す。
中には煮えた石が入った粥とも水ともつかないものが入っている。
「い、いやいい。それよりテメーら、なんで粥に石なんて入れてんだ?」
「ねーちゃん知らねーのか? 石を入れるとよ、嵩が増して沢山食べた気になれるんだぜー!」
まるで名案であるかのようにへへん、と鼻を啜りながら兄らしきオーガが言う。
恐らくかさ増ししたつもりにして余った分を弟に分け与えているのだろう。
ライルは泣きたくなったが天を見上げてそれを凌いだ。
「辛くは……ないのか?」
「大丈夫、大丈夫。ディニア様やコモト様がいるし、それにさ。アルテア様が精霊女王様の力を狩りて大地に恵みを与えて助けてくださるって聞いたしさ」
「へへ、大地に恵みが戻ればまたウドンも食べられる様になるかな〜?」
「バカだなあお前は。女王様は今お忙しいんだぞ。俺達にウドンなんか作ってる時間はないんだぞ」
「だって〜」
(アルテアやあの精霊女王が魔族を助けるだと……? そんな事があるものか……!)
勇者として会った経験からライルは確信する。だが幼子2人の夢を打ち砕く様な真似はライルにはできる筈もなかった。
「そうか……。それより、領主の館を何処か知らないか? 案内してくれればいいものをやろう」
「へへっいいぜ! ついてきな!」
オーガというよりはホブゴブリンの様な機敏さで二人はライル達を先導した。
(おい、ライルのヤツ道は知っている筈だろ? ボケたか?)
(ボケているのはそなたの頭でござる。
安易な施しは相手を侮辱する。あの兄弟の誇りを傷つけぬためわざと道を尋ねたのでござる)
ともかく、一行は領主の館に案内された。
女王はディニアであるが領主は息子のコモトだ。
「ここだぜ」
「ああ、ありがとう。これはほんの礼だ」
数枚の金貨を与えると兄弟達は館に入るライル達を両手を振りながら見送っていった。
ー
「あなたがフォルディア様が派遣なされたライル様ですね? 噂はかねがねお聞きしております」
執務室に通されたライル達は、オーガ族の秘書に案内され質素な作りの机にて政務を執り行う領主らしき人物に挨拶を受けた。額には鬼の角、耳の上には龍の角という異形以外は涼しげな顔立ちで細面な美青年の姿があった。
(どことなくゴウゴの面影があるな)
ライルはフォルディアの知己である魔龍王の事を思い返した。ディニアとゴウゴがそういう仲であったのかは聞いてはいないがゴウゴやファルーユの性格を鑑みて有り得ぬ話ではない。
「おい。わざわざオレ達を助けを求めたにしては出迎えもなしとはどういうワケだ? しかも名乗りもしねえとは、田舎オーガは礼儀も知らねえのか?」
と、その辺りでミアンが机に足を乗せながら恫喝する勢いで領主に食ってかかる。
並の者なら取り乱し、這いつくばって
許しを乞うだろうが……。
「礼を尽くすのは互いを認め合ってからです。こちらを蛮族と侮るのならば蛮族のやり方に合わせていただこう。それにしても……純血を誇るくせに粗野な女だ」
「アン? オレとお前は初対面だろうが……」
やはりディニアの息子故か、あるいは一国一城の主がためか、この程度の事で縮み上がる胆力ではなかった。
「非礼を詫びよう。押しかけ助っ人たる我々に出迎えはそもそも過分だ」
「……」
どこか冷たい、観察する様な眼差しを領主はライルへ向ける事にニンニンは不満であったが主たるライルの顔を立てるため、と押し黙る事にした。
「……では、改めて自己紹介といきましょうか。私はコモト。女王陛下に代わりましてまずは感謝を」
コモトは漸く頭を下げるとミアンは一応引き下がる風にして足を下ろした。
「某はニンニン。ライル様の護衛にして……」
「存じております。フォルディア様の信頼も厚く、聞けばフォルト、ライラの養育も任されているとか。噂以上に可憐ながら忠義に厚い方とお見受けします。
オーガ族の中には忠臣ヅラをしながら旧主を足蹴にするのも厭わなぬ上にオーガロードなどと僭称する恥知らずな卑劣な者もちらほらおりまして。それに比べてなんとも羨ましい。指を咥えるばかりなせいでため息も出ませんな」
「いや〜、それほどでもあるでござるが、こうはっきり称賛されては面映ゆい♪」
「バカ、社交辞令だ」
「あー、これだから確固たる背骨が無き故歪んだプライドと僻み根性しか持たぬ蛇女は始末に負えぬでござるよ」
「抜かしたな! テメー!」
ミアンの痛烈なツッコミも聞き流して浮かれるニンニンを横目にライルは違和感の様なものを感じる。よそものへの不信感とは違う笑顔に秘められた敵意のようなもの。無欲な勇者として幸か不幸か宮中に何度か招かれた時、こうした感情を寵臣、忠臣、諫臣、あるいは奸臣からを問わずこちらに向けられてきた事を彼は思い出した。
(波風を起こす必要はない。彼もオーガ領の自治権を守ろうと必死なのだ。で、なければあの孤児達が胸を張ってディニアや彼への信頼を示す筈がないのだから)
そうした心の機微は生まれついての強者であるフォルディアにはないものだ。
だから自分はそこをフォローしていけばいい。ライルはそう考えて大人の振る舞いを心がけた。
3人が通されたのはボロ宿であったが特に不満は言わなかった。
ー
そしてその夜のこと。
コモトはライルより先に凶作の原因をユールから閨にて大凡聞き及んでいた。精霊女王のマッチポンプ。
ある種の自作自演がことの真相であった。
報告を受けた後ユールからの誘いで一晩を共にしている。
聞けばコモトは色事に極端なまでに淡白。私が幾ら手を尽くしてもゆらぎもしないと秘書の愚痴を聞いたユールはそれならば籠絡するのも容易いと踏んでいたのだが……。
「はあっ♥ あああっ♥♥♥」
まるで手綱でも握るかの様に銀色のツインテールを背後から引っ張られ、ずぶうっとコモトのペニスがユールの胎内に突き刺さる。まるで己を自らのものであるのを示すかの様なその強引なピストンに、ユールはただ甘い声を上げる事しか出来ない。
(しまった……! 完全に僕の見立てが甘かった……!)
破戒神テクノブレは最愛の使徒、我々の世界の言葉でいう所の推しが雌として敗北しつつある惨状に歯噛みした。
彼がユールに与えた加護は大きく分けて2つ。エナジードレインの大幅な強化。
それと外的な魔法からの保護。
例え精霊女王オフェーリアの魔法であろうと彼女の肌には火傷の一つも負わせることもかなわない。
だが……。 所謂自己強化、バフに関しては例外である。その間隙を突かれたのだ。
コモトは自らの肉体ならびに持続力を強化、更にユールの能力を向上。媚薬やら幻術による干渉ではないのだからテクレブレの加護によって弾く事ができないのだ。
「はっ……あっ……す、少し……休ませて……お願い……」
ユールは四つん這いになり肩で息をしながらコモトへと頼み込む。恐らくライルとの一夜を除き、この様な哀願をする彼女の姿をテクノブレは知らない。
「ダメだな。貴様から仕掛けた勝負とやらだろう」
「あっぐ……うあぁ〜〜〜♥♥♥」
痺れが止まらず、だらけつつある肉襞に喝を入れるかの様に炙られた鉄杭を思い起こさせる肉棒がユールの股間に根本まで差し込まれる。するとどうだ。ユールは苦悶の叫びとは思えぬあられもない嬌声をあげてしまったではないか。
(いかん……完全にこの小僧のペースだ。なんとかしなければ……なんとかしなければ……)
「く、ふ、あ……はあ……はあ……♥
根本までずっぽり……股間が密着して……♥熱い……♥あつぅい♥♥♥」
最奥まで届く極太ペニスに陰唇まで押し広げられる快感に新しい蜜を放出しながらユールは法悦に耽る。
「く、ふっ……。子宮口も降りてきてるな。そんなに俺の子種が恋しいのか?」
「あ、ああっ♥そ、そうっ♥コモトの赤ちゃん汁が欲しくてたまらないの……お願い。コモトのおちんぽミルクでユールをママにして……♥♥♥」
うっとりと目を閉じながらペニスの形が浮き出る下腹部を撫で回してユールは乞い願う。これが涙や洟を垂らして不様に屈服しながらの懇願であるならば一時的な狂乱に過ぎぬ、とテクノブレは一笑に付すだろう。
しかしどうだ。この様に頬を赤らめて、自ら腰を振るのみならず懸想するかの様に受胎を懇願するなど……。
「……いいだろう。俺も母上と魔竜王の戯れでこの世に生を受けた身。どのように生まれたか、で俺達の在り方は決まらない。
どう生きるかだ」
「……そうね。気が合うわ」
バックの姿勢から側臥位に体位を変えて二人は視線を合わせる。凌辱から和合へ。
「そろそろ限界だ……」
「ええ、どうぞ♥ 貴方の出したい時に……いつでも……」
「ならば、お前が達した時に……な」
コモトはユールの細く白い腕を掴み、新たな体位へ。
「んむっ! む……ちゅう……じゅるっ……」
所謂正常位。唇を重ねて互いに舌を絡ませる。しかし唇の柔らかさを味わう様なものから一転、激しく情熱的な舌使いに変わっていく。
「んん……。い、コモト♥ わたし……そろそろ……」
「そうか……俺も……だ……」
コモトがユールの舌に強く吸い付くと同時に、彼女の膣内で肉棒が爆ぜた。
「ん〜〜〜♥♥♥」
その瞬間、ユールは絶頂に達した。凄まじい勢いで吹き出す潮。膣襞が痙攣しながら肉棒を締め付け、精を一滴たりとも漏らさんとする様に淫らに蠢く。
(く、いかん……! このままだと……!)
テクノブレが脂汗をかきながら耐え忍ぶ中、テクノブレとコモトの加護と法力がぶつかり合って奇妙な波動が生まれる。
その波動の余波のせいか、テクノブレの姿が顕現する。
「はあ……♥はあ……♥ あ……貴方は?」
「……キミにはこの姿を見せたくはなかった」
「そう……。それより……少し、眠らせて……」
テクノブレの姿は所謂人間のものではない。不定形のスライムじみた独特の肉体により構成された奇妙かつ不気味な不具の姿。天界にあった時には創生神の過ち、いや世界のエラーとした生じた不浄の神として忌避され、何百年もの間嘲笑されたのである。あらゆる男神が彼を見下し、あらゆる女神が汚物を見るかの様に彼を疎外した。
そんな中で彼は自らを悪であり穢れとした天界の神々を心の底から憎悪した。
『お前達が僕を邪悪と罵り、不浄で醜悪だとせせら笑い、人や魔を劣悪なりと戒めるのならば! 僕……いや、俺はその本分を全うしよう! この世の戒めなるものを悉く破壊し尽くしてやる!!』
そうして彼は破戒神を名乗り、天界に戦を挑んだ。これが神戦の始まりである。
天地の戒めを破り、魔界の戒めを破り、異界の戒めを破り、更には夢と現実の戒めを破り、様々な魔の軍勢を結集したのだ。
初めは劣勢であったのだが、淫魔の王、魔界の竜王、地龍の龍帝、怪人の王の助力もあってか彼の勢力は拡大。天界で勝利するのは慈愛を謳い異界の門を開き、異界の神を籠絡した挙げ句異世界転移、異世界転生なる禁術を用いてまで徹底抗戦した女神アルテアの軍のみ。
あっと言う間に天界の神々は全滅寸前まで追い込まれた。
そうした次第でどうしたらいいのか解らなくなった神々は遂に天界の門を封鎖してあらゆる戦線を放棄。地上を魔王によって支配された穢れた土地と一方的に断罪し、無視する事にしたのだ。
(ざまあみろ!)
その時の高揚と解放感はテクノブレの生涯で最高の瞬間であった。彼は人類を支配したり自らを崇めさせ、奴隷にするつもりも頭からなかった。自分は奴等とは違う。
寧ろ神々の様に信仰の道具にしない事で、天界の神々にお前達は自らを万全で全能と嘯くだけで己の醜悪さを我々に押し付けて悦に浸っていた愚かで憐れな道化なのだ。と示して恥の上塗りをさせることでその溜飲を下げたのである。
『まあ、良いのではないか? この戦の旗を振ったのはそなたじゃ。この地上はそなたの望むがままにせよ。余は……そうじゃな。この戦で行き場のなくなったものでも取り纏めてやるとするかの』
『ふむ。そうだね。今更勝利が確定してしまった戦いに私は楽しみを見いだせない。
この辺りが潮時かな。魔界に戻った所で私もキミたちとの切磋琢磨で強くなりすぎてしまった。この地上のどこかに骨を埋めるのもいいかもしれないな』
『そうか。なんだかワラバイも気が抜けてしもうたわい。フォルディアめが南に行くならばワラバイは東の田畑を耕し鉱山でも拓くか。しかしゴウゴ。若いくせに随分枯れておるのではないか? ワラバイには実は娘がおってな、今度会ってみんか?』
『そうねえ。所でゴウゴ。私、人間という存在に興味があって……』
そうして彼ら、彼女らは隠遁したのだが。
神戦の敗戦を唯一最大の恥辱とし雪辱に腐心する神々がいた。その中心たる女神がアルテアである。
それが神戦からフォルディアが魔王と謗られるに至り、アルテアが勇者達を見出し鍛え上げる理由であった。
と、この事はユールとはほぼ関わりはない余談ではあるのだがテクノブレや彼の知己の名誉のために記しておく。
ー閑話休題ー
「随分とユールを責め立ててくれたものだな」
若干の恨み節を込めて声と音の中間のような、会話というよりかは交信に近い形でテクノブレはコモトに語りかける。
「それで、男と女のやること。珍しいものでもないだろう。破戒の神とは女の在り方だけは淫婦であれと縛るものなのか? 祖父から聞いていた話とはまるで違うが……」
若干の皮肉を込められる胆力はゴウゴの気風を確かに受け継いでいた。中々の器量だがあのライルとかいう小僧と似た雰囲気がテクノブレには癪に障った。
「ああ……貴様は怪人王テツジンの孫にして女王ディニアとゴウゴの息子だったか。
なるほど……」
若干の沈黙が2人の間に流れる。
破戒神たるテクノブレの前にはあらゆる戒めも封印も、眼前にある者が秘している感情のうねりや鬱屈も鏡に映すが如く、ありありと映し出されていた。
「どうやら貴様もライルなるアルテアの間者に煮え湯を飲まされた口の様だな」
「……」
コモトは答えなかったが、眉が僅かに釣り上がる。
「貴様もフォルディアに懸想していたのだろう? ヤツは理不尽なまでに強く、美しい。だがあまりにも強すぎるが故に一人で戦う事を好み、統率や政治といったものにはまるで重きを置かない。
幸いにしてアクエスとかいうサキュバスロードを傘下にし、担当させている様だがいつ反旗を翻すかわかったものではない。
負けることはあるまいが、フォルディアの威名に不要な傷がつくのは避けたい。
だから貴様はオーガ族らしくもなく魔導を修め、政治を学び、軍学に勤めた。違うか?」
「……」
「そこでだ。私に与して卑劣なアルテアの魔の手……」
立板に水といったテクノブレの言葉の数々に何一つ間違いはなかった。
そう、コモトはフォルディアを愛していた。いや、愛しているというのが適切だ。
そして振り返る。彼女との想い出を……。
ー
「うえぇぇぇん。ふえぇぇぇん」
嘗てのコモトは泣き虫でかつ弱虫だった。
オーガの女王と魔竜の王の血を受け継ぎながら膂力に優れるわけでもなく、ブレスを吐けるワケでもない。
さして秀でた所もない凡庸なオーガ。
それが当時の彼の評価であった。更に父親のゴウゴは自分という息子がありながらファルーユなる異国の女と添い遂げる道を選んでしまった。
「きっと息子があまりにも不甲斐ないからディニア様にも愛想が尽きたんだろう」
上が快男児や女傑であっても下がそうとは限らない。いや、寧ろ見当違いな逆恨みや一方的な主への鬱屈を抱え込み、そのつまらない自尊心を慰撫するための捌け口を求めるものだ。
そんなワケでコモトの性格はそうした神であろうとも救いたくなる気も起こらなかった真の弱者の鬱憤の捌け口になったのだ。
彼は自分をこの世に不要な存在だと信じ込む様になりこのままでは心のネジ曲がった存在になるのは時間の問題だった。
そしてそんな自分を可愛がってくれたガンテツも流行り病で亡くなってしまった。
そんな葬儀の場であったら人目も憚らず泣いていたコモトは一人の女性に抱きしめられる。
「これ。男子がその様に泣くでない。
とは言え祖父が亡くなったとあらば、やむを得ぬか」
「えぐ、うぐ……僕は、僕は、いらない子で……かわいそうなヤツなの?」
「誰がそう言ったかは知らぬが一切聞く耳を持つな。所詮何かを引っ張らねば立つこともままならぬ根無し草どもの戯言じゃ」
「ぼくは……ここにいてもいいの?」
「良いぞ。余が許す。 異を唱える者があるならば申せ。 この魔王フォルディアに従順ならざるものとして相応の報いがあることを覚悟の上でな」
項を優しく撫でられるとあれ程溢れていた涙がピタリ、と治まった。赦された気がした。自分は生きていてもいいのだ。
誰かにとって必要な存在になれるのだと。そして彼の心にどっしりとした根が生えた。
ディニアはコモトを嫌っていたのではなく、ゴウゴと別れた事によりコモトに対して罪悪感と気まずい思いを抱えており、どう接していいのか解らなくなっていた。
そんな2人の橋渡しをしたのは妙な話だがファルーユであった。
「コモトちゃん。勉強は楽しい?」
「うん、楽しいよ。僕、一杯お勉強して、フォルディアさまのお役に立つんだ!」
「ふふふ。そうか、そうせい。今のお主にならば討伐されることを考えてやっても良いぞ」
フォルディアが植えた他人を信じる事、自分を信じる事の種をファルーユが育む。
皮肉な事に神戦の御伽話では邪悪な存在とされる2人の魔王と悪神がコモトの心を真っ直ぐにしたのだ。
大木、あるいは金剛柱の様に確立した自己を持ったコモトをせせら笑うものはもうどこにもいない。
いじけた風どころ例え戦乱の嵐が起ころうとも彼は些かも動じず困難に対処し、自身の力と意志で道を切り拓いて行く事だろう。更に時は流れ……。
「そんな! フォルディア様をいじめるヤツがいるなんて許せない! 僕がいってそんな奴等やっつけてやる!!」
「まあ、コモトくんったら。 すっかりフォルディアの勇者様ね」
「そうか。やはりそなたに宿るのも魔族の勇者の気風か……」
ファルーユは若き英傑の誕生に微笑むがフォルディアはどこか淋しげな、自分を倒しうる者が到来する事の当てが外れた事への落胆を僅かに匂わせたがそれもすぐに掻き消す様に笑顔を向けた。
コモトにとってフォルディアの笑顔を見ることは何よりも嬉しい。
「さて、コモトよ。そなたは明日成人になるのであったな」
「はい。でも、まだまだ未熟です!」
「それはそうよ。でも焦ってはダメよ♥
貴方はまだまだこれからの男なのだから♥」
むにゅうっ♥ と頭にコモトの顔程もある柔らかな極上の枕にも等しい豊乳を乗せながらファルーユはコモトの育ち盛りな肉体の肩にそおっと手を這わせながら甘く囁く。
「は、ははっ! はいっ!!」
「なんぞ。コモトは女子と肌を通わす事に躊躇いがあるのかの?」
「な、ないでも……ありますっ!」
「要領を得ぬのう。あるのかないのか、はっきりとせぬか」
「あ、あう……あ、あるます……うう……」
コモトは顔を真赤にし、俯いた。
女性に興味はある。但し対象はフォルディアとファルーユに限定されてはいたが。
「ふははははっ!! コモトはまだまだ子供じゃのう! その様な初心さでは余の勇者に至るにはまだまだ遠いのう」
そんなコモトはフォルディアとファルーユには微笑ましく映ったが、当のコモトは気が気ではない。
(だって……だって、フォルディアさまはお胸も大きいし、お尻も大きくて、腰はくびれてて……優しくて、お強くて……)
「まあ、良いわ。明日の成人の儀を楽しみにしておくがよいぞ♥」
「は、はい……」
「うふふ……♥」
何やら2人の笑みに怪しさが見え隠れした気もしたがコモトは己の不純を恥じるかの様に目を瞑り考えない事にした。
ー
そして始まった成人の儀。
この地にあるオーガは成人になった暁には度胸づけと繁殖力の強化のためにとある女オーガに童貞を捧げるのがしきたりなのだ。
「か、母さん……!?」
「ああ。私だ」
無論実子とて例外ではない。コモトの前に現れたのはディニア。
妖艶にして淫靡な瞳、艶やかに流れる烈火の様な黒髪。成熟した女体を惜しみなく晒しだすかの様に……いや、実際コモトを挑発するかの様に己の肢体を強調する。
(あ、ああ……母さんの……お胸……♥)
「こら……♥お前はこれから大人のオーガになろうというのに……♥ 母の乳房に吸い付いて♥♥♥」
注意はするが引き剥がしはしない。寧ろコモトの望み通りにさせるかのように胸襟を開く。
「あむ……♥んくっ、んむっ……ちゅうっ♥♥」
「あっ……あんっ♥い、いいんだぞコモト♥私に全てを曝け出すんだ。ほら、お前のここは、チンポはもうこんなに……」
ディニアは右手で自分の乳房を揉みしだきながら左手でコモトの怒張したペニスは擦り上げる。するとたちまちのうちにコモトは母の乳を吸いながら果ててしまった。
「んくうっ♥♥♥ ち、乳首ぃ♥♥♥ 噛むなあっ♥♥♥」
「ご、ごめんなさい母さん……」
罪を詫びるかの様にちろちろと舌先で噛み跡のついた勃起乳首を舐め回す。
「ん……♥いいぞ、その調子だ」
ディニアは優しくコモトの頭を撫でる。
しかし、それは母性愛というより眼前の男オーガの子種を胎内に注がれるために、より強い雄を孕むための行動だ。
「さあ、コモト……♥♥♥」
「う、うん……」
コモトには今のディニアは母ではなく、一人の女としてしか映らなかった。そしてそれは母も……。
「んうっ♥♥♥」
腹筋にコモトは自らの怒張腰を落としていく。
「あ、ああっ! 母さんの中っ! 凄いっ!!
「く、ああっ……♥♥♥ コモト……♥♥♥
その調子だっ……♥♥♥その次は……母さんの中を……押し広げてっ……♥♥♥」
ぐちゅぐちゅとディニアの膣口から愛液が吹きこぼれる。まるで2人の結合を急かすかの様に。
「あ、ああ……母さんのお腹でっ! 僕のチンポが溶けちゃうっ!」
「イ、コモトは……♥私の可愛い子だ……♥♥♥」
ディニアは腰を振りながらコモトの唇を奪う。
「んむううっ!? んっ、んん……」
それは母から子への愛情表現ではない。女として雄と交わる事を望む雌の本能による行動だ。
「う、うああっ!」
びゅっ♥ どぴゅるるううううっ♥♥♥
コモトのペニスが大きく跳ねるとディニアの腹に新鮮なザーメンがどくどくと注ぎ込まれていく。ディニアはうっとりとした表情で自分の腹部をさすりながら官能の極みに達する。その顔はまるで雄として自身を孕むうる資質に目覚めたものへ期待の眼差し雌のものである。
時としては僅か数分間の交わり。しかしコモトにとっては悠久の時を過ごしたかのような充足感があった。
(これで僕はフォルディア様をお守りできる一人前の男になれたかな……)
ぼーっと天井を見つめながらコモトはフォルディアの期待に応える男になれただろうかとぼんやり考えた。
「さて、成人の儀とやらは済んだのであろう? では余もコモトとまぐわおうかの♥」
(えっ!?)
幻聴でも幻覚でもない。むにゅり、と柔らかく暖かな肉の塊が自分を挟み込んでくる。
「ふふ♥さあコモト……♥ 存分に余を愉しむがよいぞ」
コモトは幻術でもかけられたかの様に前後不覚に陥り、フォルディア、そしてディニアにもにされるがままであった。
「これっ♥ ディニアめ♥ コモトは漸く貴様から乳離れしようと言うのに♥ 余のジャマをするでないわっ♥♥♥」
「んぶっ♥♥♥ んむっ♥♥♥ だ、だめだ♥ まだまだ♥ まだまだ昔かまってやれなかった分があるっ♥♥♥ コモトの童貞は私のものだっ♥♥♥」
「何ぃっ♥ なんと強欲な♥」
首から上を持ち上げると全裸のフォルディアとディニアという二人の美女が自らのチンポを乳肉で慰撫しあいながら牽制までしている。 あまりにも現実離れした光景。しかしこれは夢でも幻でもない。
フォルディアの乳に挟まれ、ディニアの口に己のペニスをしゃぶられているという紛れもない事実なのだ。
更に……。
「わぶっ!?」
天井に蓋をするというよりかは蒸し上げる様な熱気を伴った美巨乳がコモトを視界を塞ぎ項に太腿の肉感と暖かな体温が伝わってくる。
「ファルーユさ……んむっ!?」
フォルディアやディニアの豊乳をも凌ぐ大きさと柔らかさを誇る乳房に顔を埋められながらコモトはファルーユに頭を撫でられる。
(うっふふふ♥流石はゴウゴの息子ねコモトくん♥ あんなにおっきくて……太くて……♥ あの人のチンポそっくりだわ♥
いえ……ビキビキに脈打って♥誰かを孕まそようって気概はあの人より上ね♥♥♥
とっても素敵よ♥♥♥」
あのフォルディアと同じ位に憧れたファルーユは念話にてコモトの成長に歓喜する。
そして……。
(ああ、コモトくん♥ こんなに逞しくなっちゃって……♥ 私、もう我慢できないわ♥♥)
「あうっ!?」
ファルーユは自らの裸体を以てシックスナインの態勢に移行し、尻を彼の顔に押し当てながら亀頭を乳房の谷間に飲み込んだ。
「はい♥ そこまで♥ あ、あんっ♥♥♥
コモトくんっ♥♥♥ オマンコペロペロする前にぃ♥♥♥ 少し待ってぇ♥♥♥」
「ほ〜お♥ 流石余が見出したコモト♥
もうファルーユめを組伏す気概を見せるとは♥ よいぞよいぞ♥」
「当たり前だ♥ 私のコモトだぞ♥」
勇み足すら英断であるとのお墨付きをファルーユはコモトに与え、フォルディアもそれに同調する。
「ん、もうっ♥ コモトくんっ♥ キミは一番最初に誰とセックスしたいのって聞きたいのにぃ♥♥♥」
「うむ。それは失念しておった。それは成人の儀ではないのだからのう♥ コモトの意思を尊重せねばの♥」
「ふん♥ コモトは私の可愛い子だっ♥
当然私を選ぶに決まっている♥♥♥」
パイズリ奉仕をファルーユに一時的に譲り、ディニアとフォルディアは態勢をコモトに寝そべる姿勢へ変更すると二人は耳元で彼を誘惑する様に囁く。
「ほれ……触れてみい♥ 余の勇者にならんとするそなたの気概に当てられてすっかり発情してしまった淫魔王の肉壺じゃ♥
これはそなたの童貞を捧げねば許してやる事はできんぞ♥♥♥」
ぐちゅっ♥ぐちゅぐちゅ♥とコモトの指を飲み込み舐めすする最愛の魔王の肉壺に自らの分身を納める許可をフォルディアは与えた。
「だ、だめだぞ♥コモト♥♥♥ まだ母さんとの成人の儀が済んでいないじゃないかっ♥♥♥ ゴウゴがした様にお前も……何度も念押しする様に♥チンポを私の奥にゴリゴリ押し付けながら♥♥♥ 孕めっ! って叫びながら子種汁を破裂するくらいに叩きこむんだっ♥♥♥ ああっ♥ 成人の儀とかもういいからっ♥ 母さんを♥ 私を♥ 犯して孕ませてくれっ♥♥♥ 息子の♥ コモトの赤ちゃん産みたいいっ♥♥♥」
一方のディニアも負けじとばかりに自らの膣をコモトの指に擦り付けてそう懇願する。
「ふふ♥ ディニアったら……♥」
ファルーユは妖艶に笑いながらもどこか嫉妬と羨望が入り交じった様な表情を見せる。
(ああ、ディニアが羨ましいわ……。
自分の子供と和姦で孕めるだなんて……)
そしてファルーユはそんな2人の様子を微笑ましく見ながらも内心穏やかではない。
(でも、パイズリ童貞は私が貰うわね……♥♥♥)
トドメとばかりにファルーユの豊乳に挟まれながら、ディニアとフォルディアの熟れきった蜜壺に指を慰撫されるコモトはもう限界であった。
「んっ、んん! したいっ!! 僕はっ!!
フォルディア様とセックスしたいっ!!」
赤裸々に叫ぶコモトだがその眼には一点の曇りもない。それは正しく彼の宣誓であるのだから。
「ふふっ♥良かろう♥これ、二人とも♥
少し離れぬか♥ これではコモトが愉しむ事が出来ぬ♥」
「ぬ……♥」
「はあ……♥ 名残おしいけど仕方がないわね♥」
渋々と下がる二人を尻目にフォルディアはコモトを招き入れる様に仰向けに寝転がり、両手を拡げて彼を迎え入れる。
「さあ、余を孕ましてくれ……♥」
「はい! フォルディア様がお望みなら!」
フォルディアは妖艶に微笑み、コモトもそれに答えるかの様に彼女の両腿を掴みながら覆い被さり、自身を挿入する。そしてゆっくりと腰を前後させる。
「んあっ! ♥ああっ! ♥♥♥ これっ!! これがっ!! 余の勇者のチンポかあっ! ♥♥♥ あんっ!! あはっ! ああんっ!!! ♥♥♥」
「ううっ……! フォルディア様! フォルディアさまあっー!!」
「くはあっ♥♥♥ せ、急くでないっ♥♥♥
余がこの態勢で雄を迎えるなどめったにはないのじゃぞおぉっ♥♥♥」
雄の本能をむき出しにして腰を振るコモトにフォルディアは翻弄されながらもその喜びと快楽に身を委ねる。
「んあっ! ♥ あんっ! ♥ これっ、これが余が望んだ勇者の子作りじゃぁっ♥♥♥」
「はっ、はいっ!! 僕はっ! フォルディア様の勇者でっ!! 貴女を孕ませますっ!!」
コモトの陰茎が子宮口をノックする度にフォルディアは絶頂に達し、潮を吹きながらコモトの精を搾り取る。
「んああっ! ♥♥♥ これっ、これが余が待ち望んだ……♥ あんっ!! あはっ! ああんっ!!」
「フォルディア様っ!! 僕の子を産んでくださいっ!!」
コモトはフォルディアにそう叫ぶとフォルディアは快楽に蕩けた表情で微笑む。
「う、うむっ! ♥♥♥ 産むぞっ♥♥♥ そなたの子種で孕むぞっ♥♥♥ 勇者の子種で余は孕むぞおおおぉぉっ♥♥♥」
「ううっ!! フォルディア様あっ!!」
コモトの腰の動きとフォルディアの腰の振りが同調し、そして……。
どびゅるるるっ!! どびゅーっ!!!
ダムが決壊するかの様に大量の子種がフォルディアの子宮へと流し込まれていく。
「あ、ああっ♥♥♥ これっ……これが余が待ち望んでいた雄の子種じゃあぁっ♥♥♥」
フォルディアは快楽と幸福感に満たされる中、コモトも精を吐き出しながらその余韻に浸っていた。
「はあ……はあ……フォルディア様……」
「ん……♥ ふふ、コモトよ……♥」
「はい……?」
「これからも励めよ……♥」
「はいっ!!」
小気味良い返事であった。そんなコモトをひょい、とファルーユが引き離してその胸に挟み込むかの様に抱きしめる。
「あっ……ファルーユ様……」
「さあ、コモトくん♥ 次は私としましょ♥
私ね……貴方とずっとセックスしたいな……ってキミが成人になる日までガマンしていたんだから……♥♥♥」
この上ない至福の表情でファルーユはコモトに囁く。
「はいっ! 僕もずっとしたかったです!!」
コモトは鼻息も荒く頷く。そんな様子をディニアとフォルディアは微笑みながら宝珠を磨き上げる職人の様にファルーユの乳房に奉仕しながらダイヤを削るノミを打ち込むかの様に膣奥をペニスで穿つ。
恐らく無意識の上であろうがゴウゴの血を引いたと確信できる苛烈ながら慈しみのある責めにはファルーユすらも酩酊してしまった。
「あんっ♥♥♥♥ いいわあっ♥♥♥ コモトくんっ♥♥♥ 一人前のオスオーガになって♥♥♥ お姉さん嬉しいっ♥♥♥」
「ふむ……まだまだ青い。ファルーユやディニア如きは意のままにできても余を酔わせるにはこれからじゃのう……」
「精液垂らしながら威張ってんじゃないのさっ♥♥♥ コモト♥ 次こそは私とだよっ♥♥♥」
三者三様にコモトを鍛え上げる成人の儀は夜が明けるまで続いた。
ー
結局その後、コモトはフォルディアを孕ませるには至らず。コモトはフォルディアと距離を置いた。無論、己の力量不足を恥じたためである。 これでは勇者どころか幹部の席に座る資格すらなし。とコモトは更に克己と修練に励んだ。
それが第一の誤りであった。
「なに? アクエスが勇者ライルとやらに敗北した?」
「はっ。ライルなるものは精霊女王の首飾りによりアクエスの幻を看破し討ち果たしたとか」
「ふむ……」
思わず口元が歪んでしまう。部下の手前、かろうじて手で隠すのがやっとであった。
彼はアクエスを初めから信用していなかった。 所詮外様の邪神を崇めて立ち行かなくなったからフォルディアに擦り寄った二心を抱く奸臣にして獅子身中の虫。
それがコモトのアクエス評である。
「しかし、妙ですね。かのアクエスめはサキュバスロード。淫魔の君主なのですから男性であるライルとやらを籠絡するのは容易い筈では……?」
秘書である女性のオーガメイジが顎に手を当てながら訝しむ。
コモトにすれば公然と淫魔の君主などと僭称すること自体がフォルディアへの不敬なのだから。
フォルディアは許していたが、コモトには我慢がならなかった。
それ故、そんな女魔を粛清してくれたのだからライルなる人間の勇者を敵視するどころか、寧ろ良くやってくれたと褒める気すらあった。
「ライルとやらは勇者であるとの事だが、アルテアめ……まだ神戦の屈辱を忘れんと見える。暫くオーガ領は守りを固める。
精霊女王が我らとの約定を破り母上、いや女王陛下が対策に当たっている今、迂闊には動けん。但し魔王陛下より何らかの要請があればすぐに親衛隊だけでも動ける手筈を整えておく様に」
「ははーっ!」
さらに……。
「ミアンが敗れた? 俺を卑しい混血と罵ったラミアンナーガか。純血などに拘るくせに……存外不甲斐ない。
ニンニンめ。某こそ四魔衆最強だと? 馬鹿な女だ。 スレイ様、俺、イフレ卿がいれば事は足りる。四魔衆などフォルディア様のそうしたものがあってもよかろうな、という余興が作ったお飾りに過ぎん。尤もあの忠義は俺も見習うべきところはある。」
さらにさらに……。
「ジャック、オールドメイド、ジョーカー、エース……更にはスレイ様やイフレ卿までもが敗れた!? 間違いないのか!」
「魔王城の結界が消失しました……! 疑う余地はありません! 四魔衆はこの地上から消失! 無量の母体【マザーウィスプ】であるスレイ様と夢幻の殲滅者【マインド・スレイヤー】たるイフレ卿が消失した以上フォルディア様以外、もはや魔王陛下の眷属を復活させる手段を持つものは存在せず……コモト様!? 何処へ!」
(まさかライルという男がここまで慮外の強さを得るとは……完全に俺の失策! フォルディア様よりお咎め、一時の不興を買おうとも俺が早々に出向いて殺しておくべきだった……!!)
当時の自分に時を巻き戻せるならば殴ってでも討伐に赴かせる。それがコモトの後悔であった。
「お待ち下さい! コモト様であっても今のライルを止める事はかないません! 殺されてしまいます!」
「離せっ! 倒せぬまでも腕、いや指か目の一つでも抉ってこなければ俺の気が収まらん!!」
「いけません! 魔王様より厳命が下されております! 一切の手出しや推参は無用! かように血が沸き立ち、鬱屈の炎が余から消え去るのは久方ぶり。いやさ神戦の時以来、当に初陣の心地ぞ、と」
「……くっ」
苦虫を噛み潰した様な顔でコモトは秘書の縋りつきと嘆願を聞き入れた。彼は恥辱のみではなく嫉妬で其の身を震わせた。
(フォルディア様の心をここまで動かせる……!? ライルとはどの様な男なのだ!!)
ー
そして、今に至る。
「どうだ。このまま惚れ抜いた女がアルテアの間者に籠絡されては貴様も浮かばれぬだろう? 私に与すれば嘗ての感心を貴様に戻す事もできるだろう」
破戒神ならぬ悪魔の誘惑であった。
しばしコモトは沈黙するがやがて口を開いた。
「その使徒を連れて失せろ、奸物。俺はフォルディア様の鬱屈を紛らわせる事はできたがライルの様に鬱屈を晴らす事はできなかった。その時点で俺はフォルディア様の伴侶に足る器量ではなかったのだ」
「……なるほど。貴様もその口か。ならばそれも良かろう」
不定形の肉塊か霧に代わり、ベッドで寝息を立てるユールを包んでいく。
纏わりつくのではなく親が子を嵐や災害から少しでも守るように優しく包み込むようだ。そしてユールと共に一旦オーガ領から去っていった。
月はコモトを慰めるか、或いは嘲笑っているのか仄かな満月の輝きを以て彼を照らしている。
因みに原作ルートが最良のパターンです。
コモトがライルを早めに潰す→フォルディアが本気を出せない→狂気の道へ
ライルがユール、マリー、クタン、ブレイズ、?と6人パーティー組む。→実はこれならフォルディアを倒せる→けど迫害されて全員殺される。なぜならアルテアがそう仕向ける。
「私の真実と、私に不都合な事を知るものはあってはならない」
ヒロインって誰が好き?
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フォルディア
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ユール
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ミアン
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ニンニン
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アクエス
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スレイ