敗北勇者(♂)と淫魔王(♀)のマジカルチンポハーレムライフ 作:ぷうち☆りん
「成る程。かくしてオーガ領の問題は解決した……と」
「ああ。暫くはディニア女王とコモトがオーガの集落を治める事になるだろう。
アスターテによる武装商船団による支援と交易路の中継点、それにコモト自身の有能さがあれば、オーガ領は益々繁栄するな」
夫であり片腕でもあるライルからの報告を受けて淫魔王であるフォルディアは玉座で微笑む。
「見事な采配だライルよ! 流石余が見込んだ男である!」
「俺がそうしたワケではない。皆が皆、己の範囲でやれる事を果たしたまでだ」
謙遜の類ではなく、事実であると断言するライルの態度にフォルディアは少々気怠げな表情となる。
「何とも奥ゆかしい事よなあ。望みはないのか?」
「あるとすれば君と俺の子の健やかな未来だな」
「むぅ……何とも淫魔王殺しの旨い男よ。
しかし、答えが退屈すぎる。もう少しこう、望む褒美はないものか?」
「褒美か……」
と、言われてもライルは答えに窮した。
財貨、武具、名誉、そういったものには興味がない。それこそ今のフォルディアとの関係性とその愛の結晶たるフォルトとライラが報酬としては十分過ぎた。
とは言え、フォルディアに子守ばかりさせるのも気が引ける。
「なら、フォルトとライラの乳母か子守を任せられる者が欲しい」
「はっはっは! なんとそなたらしい答えよな。相わかった! 誰ぞあるか!」
「ここに」
フォルディアが鈴を鳴らすと種々の悪魔達が現れた。どれもこれも一騎当千の兵である事は疑う余地はない。
「人、魔、獣人は問わぬ。広く天下に喧伝するのじゃ。淫魔王の子、フォルト、ライラの乳母か子守にならんとする者を求むとな!」
「御意」
何とも贅沢な使い方だが平穏な世であるという事の証左だろう。とライルはフォルディアのやり方に異は唱えずに成り行きに任せる事にした。
それがいけなかった。
ー
「し、新規四魔衆だとォ!?
コラーッ!! どういう事だ! テメー!」
まずいの一番にライルに食ってかかったのはミアンである。
「まあ落ち着け」
「何が落ち着けだ!!」
「そう急くでないミアンよ。
物事には行き違いという事があるものぞ」
ライルの襟を掴んで彼を持ち上げようとするミアンをフォルディアがチッチ、と指を振りながら制する。
「フォルディア様! オレは確かにアークデーモン達から聞いたんですよ!?
フォルト様、ライラ様を護衛する親衛隊を束ねる新幹部、引いては新四魔衆を募集するって!!」
しかしミアンは四魔衆としての自身に単なる称号ではない誇りを持っている。
行き違いで済ませられたらたまらない。
「知らんのう。ライル。そなたが余に気を遣ってその様な募集をかけたのか?」
「いや、そういうワケでは……」
この分では四魔衆とはフォルディアの
『そうした者たちがあっても良かろう』と
お遊びで集めた存在と知ったら精神が破壊されるも知れないなとライルは考える。
それもあってミアンに対して適切な弁明が浮かばなかった。
さらにさらに……。
「聞いたでござるぞ! ライル様! フォルディア様! これは一体いかなる仕儀にて!」
「また煩いのがやってきたのう」
「煩いとは異な仰せ! 某らはもう不要とでも仰りたいか!」
「まあ、不可欠な存在かと聞かれたら……はい、とは言わんのう」
「「……」」
フッ、と鼻で笑い肩を竦めて少々意地悪く笑みを浮かべるフォルディア。
2人の瞳からハイライトが喪失し、アイデンティティに深刻なダメージを受けたのかがくり、と両者は膝から崩れ落ちた。
「しかしのう。無用の用、という言葉もある。必要なもののみ在れば良いというにはこの大陸は広すぎるではないか?
どうじゃライル? 余はいい事を言ったであろう? 惚れ直したか?」
「元々惚れきっているから直すも何もない」
「! 全く♡そなたは……♡」
夫婦の甘く、熱っぽい時間が流れかけたがライルは嗚咽する2人の存在を目の橋に入った瞬間、意識を現実に戻す。
「せっかくの御高説だが、2人には届いていないぞ」
「おお、そうであったな。実はかくかくしかじかなのだ」
「はあ。まるまるうまうまと言うワケでござるな」
「オイ! 会話が成立してねーぞ!!」
ミアンのツッコミはともかく、簡単に説明を受けた二人は納得した様である。
ともかく乳母、子守の募集が広くなされ、
アクエスの一次試験を突破した猛者により
玉座の間にて面接が行われる事に相まったのだが……。
ー
「マリーです! この度は乳母の候補として立候補致しました!!」
「シスター服の聖女が乳母として淫魔王たる余の城に乳母として立候補!?
情報を詰め込みすぎじゃ!! 『らのべ』なるもののタイトルか貴様か!!」
いきなり顔なじみの聖女が来たものだからライルとフォルディアは卒倒しかけた。
教えとはなんだったのか。そしてフォルディアが言った『らのべ』とは何か。色々ツッコミ所はあるが取り敢えずライルは冷静になって応対する。
「しかし乳母と言っても母乳は出るのか」
「出ません!!」
ふんす、と見事な豊峰を顕示する様に張り出して誇らしげにマリーはライルの質問に答える。ライルは目眩を起こしかけた。
あのネクロ・ジャイアントの死臭と毒気に眉一つ動かすことのなかったあのライルがである。
「話にならぬな! 帰れ! 交通費は出さぬ!」
呆れた様子で玉座に座り直し、フォルディアはマリーにしっし、と手を振って追い返そうとした。
「待ってくださ〜い! 一緒に冒険した仲じゃありませんか〜! 話だけでも聞いてくださいぃ〜!!」
足に縋る様にしてマリーはフォルディアに懇願する。問答無用で転送しなかったからまだチャンスがあると見込んだのか。
「え〜い! 鬱陶しい! 離せ!」
「はい! 話します! 実はですね!」
「その話せではない! ライル!
こやつは天然かつ善良の風を纏うが其実自分に都合よく流れを持っていこうする奸物ぞ!」
「わからんでもない」
ライルは苦笑しつつ二人のやり取りを眺めて腕組みしていた。が、放っておいてばかりもいられないので話だけでも聞く事にする。
「私がライルさんの子供を身籠れば、私が側室となって、フォルト君やライラさんにも乳母が出来てハッピーハッピーじゃありませんか〜!!」
「何がハッピーじゃ! 突飛な事をほざきよって!! 次じゃ次!」
流石に限界と判断したのかフォルディアは転移魔法を発動させ、マリーを教会へと送り返した。
ー
「うっふふ♡お久しぶりね♡」
「あ、ああ……」
そして次に現れたのはファルーユであった。邪竜帝として嘗て神戦をフォルディア共々戦い抜き、今は魔竜王ゴウゴの妻に落ち着き霊峰にて隠遁生活を送っている美女である。隠遁して尚黒髪ロングと雪原の様に白い艶肌、隠遁して尚生命力に満ち満ちた妖しい魅力のツリ目、特に目を引く目を引く爆乳は白いドレスから今にもまろび出そうな程である。
「今度はそなたか。子守ならいざ知らず、乳母となるとのう……」
フォルディアは旧友を相手にジト目を送り返り、自身の髪を指で巻き取りながら言う。
「そなた、戯れにライルと交わった時の事を忘れておらぬのではなかろうな?」
「あら。私とてその辺りの機微くらいは弁えているつもりよ?
それに貴方とライルの間に割って入るつもりなんてないわ♡
ゴウゴだって許す筈もないし」
「わからぬぞ? ゴウゴは万事ああ、そうかと割り切る男である事は余は知っておる故な。 奴めは多頭竜故か愛情なきものではないがどこか精神が分裂気味で執着のない所がある」
「そうでもないわよ?」
表面は穏やかながらも二人の女のやりとりは張り詰めた空気が漂う。互いにライルという男を取り合うというよりも女同士の器量比べ的なやり取りをしている様にライルには思えた。
「じゃあ乳母として俺の子供の面倒を見るのはいいのか?」
「いや、良くない。オーガ領の顛末を知ってどうしているかと各地に挨拶に回るついでに戯れに興じただけの事であろう」
「あらあら。流石に現役復帰した淫魔王様。その位はお見通しよね♡」
「別に復帰したつもりはないがの。
人間どもが何もしなければ余の方とて何もせぬだけの事」
強張った空気が一気に解れ、親衛隊のアークデーモン達も緊張を解いた。
「では乳母になるつもりはないのか」
「何ぞ。ライルめはファルーユに執心か?
執心なのか? 余は許さぬぞ!」
フォルディアはガバッと立ち上がり、ライルに目を吊り上げて詰問する。
性愛に対しておおらかであるが譲れぬラインはあるらしい。
「いや。それは誤解だ。ファルーユの知見や女帝としての統治の経験は俺や君にはないものだから、2人に教授して欲しいというのが俺の本音だ。
それに彼女の生命力に満ちた母乳ならばフォルトやライラも健やかに育つ事は疑いないだろう」
「ふふふ♡ライルはもう立派な父親ね」
「むう。そうであったなら先に言わぬか。
しかし前者はともかく後者はならぬ」
父親としてのお墨付きを賜ったのはライルにとって光栄であったが乳母が務まらぬというのはどういう事か。と、ライルは疑問を抱く。そしてフォルディアは続ける。
「まあ、論より証拠じゃ。ファルーユ」
「ええ。血液の方が分かりやすいけど……♡んっ♡」
フォルディアが転送魔術により哺乳瓶をファルーユの手元に持ってくると、ドレスの裾を捲り、豊満な乳房を溢れさせた。
戸惑うライルを制するようにするとファルーユは慣れた手つきで未だ鮮明な桜色の乳首より、ぷしっ♡と鉄砲水の様に乳白色の液体を放出させ哺乳瓶に注ぐ。
「ライル。飲んでみよ」
フォルディアに促されるままに哺乳瓶をライルは手に取ると口に運ぶ。
確かに母乳にしては粘りと味が強いが、どうということはなさそうだ。
希釈すれば何とでもなりそうな代物にライルには感じられたが……。
「流石フォルディアが認めて、子供を産むほどに惚れただけの事はあるわね♡」
「無論のことよ。アルテアなどの傀儡にするにはあまりに惜しい」
何故母乳を飲んだだけで一目置かれるのかライルには理解しかねた。
その様子を見たフォルディアは若いアークデーモンの一人に下知してファルーユの母乳を飲ませる事にする。ライルに注がれた後、まだ残っていたものを飲み干すと……。
「ファルーユサマバンザイ!」
「ファルーユサマバンザイ!」
「ファルーユサマバンザイ!」
なんと親衛隊でありながら両手を挙げてファルーユを賛美し始めた。
しかも左右のアークデーモンまで同調する有様。
「貴様ら! ここはフォルディア様の玉座の間だぞ!!」
「若造めらが! 邪竜帝の色香に当てられ
フォルディア様に拾われた大恩を忘れおって!!」
老いたアークデーモンらが抜刀、槍を構えて乱心した若手を成敗しようとした刹那、
「控えい!!」
万物を融解する夢のブレスを含んだ一喝が玉座の間を揺らすと若手達ははっと気がついた。
「「「申し訳ありませぬ! フォルディア様!」」」
親衛隊としての使命を思い出し、すぐさま全員が彼女に平伏した。
「良い。この様にファルーユの体液は生命力に溢れすぎでのう。この者めの体液を浴びると彼女に精神が適合してしまうのじゃ。長くすれば肉体も含めてのう。
ゴウゴかそなたか或いは今は亡きテツジン、その孫のコモト位で無ければ自我を保つことは叶うまい。おぉ、テクノブレもおったわ」
事の次第を把握してライルは驚くとともに納得もした。神々を打ち負かし、この世界を放棄させるまでに至った実力というものを。
「それじゃあ、そろそろ戻りますわ♡
次にお会いするのは我が娘が育った時になりそうですわね♡」
「まあ、それは遠い内の事ではあるまい。魔族や竜族は肉体の成長が早い故な」
旧交を温めたのはいいが乳母の存在はどうなったのか……とライルの頭に思いがよぎるがフォルディアが笑顔で頷いているのを見て何も言わなかった。
ー
「では次の者」
「はい!!」
小気味よい返事と共に現れたのは、ライルとは特に面識のない女性であった。
傍目には桜色の絹糸を思わせる長髪をハーフアップに結い上げ、腰まで届く髪は歩くたびに揺れ、どことなく冒険者じみた軽装を纏ってなお高貴にして朗らかな印象を周囲に与える。髪は金と銀の細工が成されたかんざしで留められ項やうなじが露わとなっていた。
「おぉ、イモトではないか。ディニア本人が来たらどう追い返したものかと思うておったが」
「お久しぶりです! フォルディア様!」
明朗快活という形容詞がこれほど似合う女も居るものかと思えるほどの存在感。それがライルが彼女、ディニアの娘の第一印象だった。
「しかしディニアの娘が何故乳母に立候補などしたのだ?」
ライルは当然訝しむ。
ディニアという女王がいる以上、長女である彼女が次期オーガ領の領主になるのは疑いようはない。そのような存在がわざわざ乳母や子守という地位に甘んじる魂胆が分からない。
しかし彼女はそれを察していたようで丁寧に説明してくれる。
「母やコモト君はオーガの民を導く為に尽力し続けてきました。それに比べ私はまだ未熟です。だから乳母として働いて少しでも社会やこの世界を知り、いずれは母の跡を継ぎたいと思い立候補しました」
「ふーむ……」
フォルディアは斜め上空を見て思案顔になる。
(フォルディアは奔放ではあるが愚鈍ではない。俺が考えることくらいは簡単に
察するだろう)
「その文言はコモト辺りが草案であろう?」
「えっ!? どうして解ったんですか?」
「分からいでか。武はそなた。文はコモトとオーガ領の外では謳われているのを知らぬと見える」
不敵な魔王顔で笑みを浮かべるフォルディアに対して、イモトに看破された緊張や動揺は見られない。
「あとのぅ。その引き連れている半死の男は何者ぞ」
(あの男は確かアマイとかいう男ではなかっただろうか? ユールを自分のパーティーから追放した雷鳴の勇者なる者だとアクエスから聞いてはいたが……然程の男でもなさそうだ)
「タスケテー……タスケテー……」
目は虚ろにしてイモトに支えられる様に歩き、幽鬼の様にうわごとを呟いている。
気をやられているのではないか、とライルはイモトに尋ねてみた。
「あ、ライル様ですよね? えぇ。紹介させていただきますね。この方はアマイさんと言って、私の夫なんです! キャッ♡言っちゃいました♡」
いやん、とばかりに恥じらうイモト。
こんな弱輩をなぜ夫として受け入れたのか、ライルには分からなかったがなにせ男女の事である。 自分やユールには分からないアマイの良さがあるのかもしれない。
と思い直す事にした。
「これ、アマイとやら。タスケテー……タスケテー……だけではなにが何やら解ったものではない。何かの呪いか? それともオーガ族の方言かの?」
「流石フォルディア様! オーガの女性と身体も心も通じ合った男性はタス・ケテー。
古代の言葉で貴方を愛していると口走ってしまうのだとお母様から聞かされました!」
「タスケテー……タスケテー……」
「もう! アマイさんってば!! 照れちゃいますよぉ♡」
得意満面なイモトはその様に語り、ライルの表情をより困惑に満たした。
(これは嘘だろうな。オーガの繁殖と混血による同化を推し進めるための方便だろう。ディニアもオーガ族を存続させるために必死なのだな……)
憐れに思うが助けてやる義務もないのでアマイの事は捨て置く事にした。
ー
「碌なメンバーがおらぬのぅ。では!
最後に飛び入り参加とやらの者! 来るが良い!!」
パンパン、と手を叩いてフォルディアは半ば遊びに飽きた様な顔で最後の候補者を招き入れる。そして現れたのは……。
ニンニンと同じくレディアサシンらしき服装を纏う覆面の女性であった。
「フクメン、でーす!! ヨロシク、でーす!」
ニンニンが無理をして裏声を出しているかの様な声色だった。まさか、とは思うが確たる証拠もなく糾弾するワケにはいかない。
「ほーお、フクメンとやら。そなたはどこの生まれぞ?」
「ハーイ! 私はワノクニの生まれでござ、デース!!」
「そうかそうか。余の配下にもニンニンという者がおるのだが、其奴はグリモワールで造られたキメラアニマであるというのに自分をワノクニ生まれのレディアサシンと思い込んでおる哀れなヤツでのう……。
今では臆面もなくござる口調でキャラつけをしておる始末よ……」
「えっ、そうなんですか」
フォルディアはニンニンの身の上話をフクメンにするや受けての本人、もといフクメンは完全にニンニンそのままの声色ながらござる口調も忘れて反応した。
(フォルディア、趣味が悪いぞ)
(まあそう言うでない。これも戯れよ)
「まあ、それをそなたに話しても詮無き事であったわ。さて、フクメンとやら。
乳母になるに当たってじゃが、そなた乳は出るのか?」
よくよく考えれば当然の質問である。
母乳の出ない乳母など聞いた事がない。
「いえ、それが……。尽きましてはフォルディア様にお許し頂きたい事がございますデース」
「乳母になると決まったワケでもないのに厚かましいことじゃ。まあ良い。申してみよ」
「では……」
もっともらしく咳払いをしながらフクメンは胸の前で手を組み祈る様にして話し始める。その声色は既にニンニンのものである。
「その、ライル様との子を為せば、授乳という名目でライル様と交流を図る機会に恵まれると思うのです!」
「ほう……」
フォルディアは目を細め、ライルは額に指を当てて嘆息した。
「あらまあ! ライル君がお相手とは大胆ね〜! でも私、そういうの好きよ!」
いつのまにか戻ってきていたファルーユがニンニン改めフクメンの告白に感嘆の声を漏らすがフォルディアは余裕綽々といった塩梅である。
「良かろう。そなたが子を孕むまで好きなだけ貸し出してやる。ライルがそうしたいと言うならば第二夫人になるも良かろう」 「あらあら?」
フォルディアを知るものから見れば有り得ぬほどの譲歩であった。
それ故か……。
フクメン、いやニンニンは覆面を自ら剥ぎ取り、歓喜に沸き立った。
「やった! やった! やったー!!
言質取った! 言質取ったでござるー!!
ライル様! 新婚旅行は王都、帝都、そしてあの大樹、海……。ああ! どこに行こうか迷ってしまって決まりませぬ!」
そしてニンニンはライルの前まで駆け寄って手を握り、ぴょんぴょん飛び跳ねながらフォルディアとライルとの会話を繰り返し唱えつつ、新婚旅行のプランに想いを馳せる。
「お断りだ」
「え?」
「打算で誰かに抱かれて子を孕み、人を縛り付けようする女はこちらから願い下げだ」
ニンニンの動きが止まり、次の言葉で心臓が止まったのだろうか、顔面蒼白となってビターン! と床に倒れた。
転じてフォルディアはしてやったり、という顔を浮かべていた。
「ははははは! ニンニンよ! まんまとライルめに振られよったわ!」
(やれやれ……)
ニンニンには悪いがライルは正直な気持ちを述べたまでだ。そしてライルの目から見てニンニンは悪女ではない事は明白なのでこれしきの事で闇堕ちする事はないだろうという確信もある。
ー
「ら、ライルが生きているだって!?」
「ええ」
場所は変わってオーガ領。
食糧問題が解決し、大樹からの癒しの気により土壌も水質も改善された今、荒涼たる大地も緑化されつつある。
そんな地に文字通りに降り立ったのは黒髪に灰色のメッシュが入った髪型と、閉じられた糸目が特徴的な美女であった。
しかしそれよりも印象的なのが紫色の手足の装甲、背中に装備された竜の翼の様なユニットに対して他の部分は大分軽装である事か。胸部の膨らみはフォルディア以上。ちゃっかり臍まで出している。
「しかし、龍狩人にして紫電の勇者と謳われたルエリル様が何故この様な辺境に?」
「貴方には関わりのない事だ」
コモトの質問にルエリルは剣もほろろな態度を取る。オーガが嫌いというよりもライルの生存に関する情報以外は全て雑音に過ぎないといった様子である。
(恋は盲目か、あるいは火牛。
ならば火牛らしく突っ走らせるのもフォルディア様にはいい暇潰しにはなるだろう)
コモトは早々に諦め、自分が知っている情報を整理してルエリルに渡すことにした。
これで彼女がどう動くかはコモトの知るところではない。
ー
「成る程。ならばこの国に向かえば、私のライルに逢えるというわけか……」
コモトやディニアからある程度の情報を得たルエリルは直ぐにでも背部の飛行ユニットを展開して飛び出そうとしたが。
「はーい。いらっしゃ〜い!
どんな女の子でもむちむちぷりんぷりんになる父ちゃんのマッサージ如何ですか〜!」
「父ちゃんのマッサージを受ければどんな男が相手でもメロメロめろんになりますよ〜!」
近くでカッパーとシルヴァンは前にも増して呼び込みに励んでいた。
なお衣服はボロではなく義父のゴルドールによって清潔感のあるものに新調されていた。
「お前達、その話を詳しくっ!!」
「わわっ!? 何々お姉ちゃん!?」
糸目が開かれると青い目を爛々と輝かせてルエリルは双子の元に駆け寄った。
「私に父ちゃんとやらのマッサージを施してくれ。最上級のものを!!」
「はーい! 1名様ごあんなーい!!」
果たしてこの結果は吉と出るのか、凶と出るのか……。
ルエリオはセイバードラゴンさんのアイデアをベースに魔改造したものです
ヒロインって誰が好き?
-
フォルディア
-
ユール
-
ミアン
-
ニンニン
-
アクエス
-
スレイ