※この作品はR-18です。

異形少女と棲む日常   作:ジャンボ田西

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第2話

異形の少女である“化子(ばけこ)”を拾ってから約二週間近くが経過した。彼女は初めて性行為を経験してからとういうもの、その快楽にすっかりと嵌(はま)ってしまったようだった。彼女の嵌りようと言えば、ほぼ毎日のように継音(つぐね)が仕事から帰って来たと同時に誘うほどである。

そしてそれは、久々の長時間残業で疲れ果てて帰宅してきた今日も変わらなかった。

 

「…た、ただいま~…………」

 

「おかえりっ、言織(ことおり)。早速シャワーに行くぞ」

 

「お…………、おう……」

 

彼が玄関の扉を開けた瞬間、彼女は目の前に立っていた。人間外れの超スピードをいつものように披露したかと思えば、彼の服の袖を掴んでシャワーへ誘う。これも普段通りの行動であり、掃除が簡単だということに気づいてからは毎回そうしていたのだ。その為、ベッドで致したのは最初の数回までだった。

いつもであれば彼にとっても嬉しい行動なのだが、今日ばかりは疲れが溜まっており性欲よりも睡眠欲が大幅に勝っていた。

 

「……化子、悪いけど今日はちゃっちゃと晩御飯を食ってすぐに寝たいんだ。勿論、その分の埋め合わせは明日……は無理そうだから明後日するよ。な?」

 

少女の頭を撫でながらそう言う継音。だが、そんな都合の良い話を彼女が許すはず等無かった。彼の言葉を聞いた瞬間に雰囲気が変わり、首を横に振りながら僅かに怒っている声色で文句を言い始める。

 

「それは駄目だ。私は本当に退屈で、セックスだけを楽しみにしてたんだ。それなのに、してくれないなんて……あんまりだ」

 

真顔で男に詰め寄る少女。だが、それも無理ないことだった。

何故ならば三大欲求のみを満たして来た彼の部屋には娯楽の品など、AV観賞用のテレビかエロサイト巡回用のノートパソコンしか無いからである。テレビを点けても彼女には理解出来ない番組しか無く、パソコンに至っては触れることすら禁じられている。

そんな退屈この上ない部屋で孤独のまま、彼が働いている数時間を過ごさなくてはならない彼女にとっては、彼との性行為が唯一の娯楽であり生き甲斐なのだ。

 

「だから、早く。シャワーに行こう」

 

男の要求を却下した彼女は袖から手を離すことなく引っ張り続けている。カッターシャツの裾から覗(のぞ)いている触手はウネウネと蠢(うごめ)き始め、今にも彼の身体を拘束してきそうな状態だった。

 

「いや、本当に今日は疲れてて体力も無いんだ。だから、明後日は休みだから必ず時間を取るよ。君のために何でもするからさ」

 

「ん? 今、何でもすると言ったか?」

 

苦し紛れに彼が漏らした失言を、彼女の耳はしっかりと聞き洩らさなかった。こういう所は彼に似てきてしまったのかもしれない。

継音は「しまった」と思ったが、時すでに遅し。彼女の纏(まと)うオーラが怒りから一変し、高鳴る期待一色となった。こうなってしまっては取り消しも出来ないだろう。

 

「…………ウン、…何でもするよ。……出来ることなら…………」

 

喉から出そうになる「やっぱ無しで」を必死に抑え込み、抑揚の無い口調で彼は言いきった。それを聞いた彼女は満足したように頷く。

 

「そうか、それなら良かった。そう言ってくれるのなら、今日ばかりは我慢しておいてやろう。…………ふふ、明後日が楽しみだな」

 

「……、そうだね」

 

可愛らしい笑顔を向けてくれる少女に喜びつつも、明後日が必ず訪れることに恐れを抱かずにはいられなかった。

 

(まぁ、でも……流石にとんでもない要求は無いだろう。まだまだ純粋な子だし、きっと不安がる事なんて無い。…………多分)

 

心の中で自分にそう言い聞かせる彼だが、それでも不安の種は取り除ききれない。彼女の学習速度を考えれば、どんな要望を持ち掛けてきても不思議は無いのだ。

だが彼にはいつまでも悔いている暇など無い。自分と彼女の分の晩飯をこれから大急ぎで作る必要があるのだから。

 

◆ ◆ ◆

 

そして、来る二日後。――つまり約束の日。

継音は少女の前で正座をしていた。これから一日中、彼女の言う事は守らなくてはならないのだ。

 

「……それで、俺はどうすれば良いでしょうか」

 

少女に頭を下げながら問いかける男。それを見つめる彼女は、黙ったまま考えているような素振りを見せている。そして、暫くした後に彼女は口を開いた。

 

「言織が触るなと言っていた物。あれに触れる権利と、あれがどういうものかという説明が欲しい」

 

「あれ、…………とは?」

 

彼が彼女に触らないように命じた物など、この部屋には一つしか無い。白々しく訊ねる彼に、彼女は指と触手を使って部屋のノートパソコンを指し示した。

 

「あれだ」

 

「……、あれ…………ですか…」

 

渋々といった様子で立ち上がった彼は彼女の前にパソコンを置いてやった。

 

「触っても良いか?」

 

「…………はい」

 

壊されるかもしれないという恐怖と同時に、彼女がこの部屋以外の世界と繋がってしまうかもしれないという恐怖を感じていた彼は、これまで頑なに触れることを拒んでいた。しかし『何でもする』と言ってしまった以上、彼女の要求を拒否することは出来ない。

苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべる彼の目の前で、少女はノートパソコンにペタペタと触りながら訊ねた。

 

「これはどういう物なんだ? 言織の性格上、不要な物をここに置いておくことはしないと思うのだが……」

 

「それは、そうですけど…………」

 

伊達に数日も一緒に暮らした仲ではなかった。彼女は彼の性質を正確に見極め、置かれた物体が何かしらの意味ある物だと考察した。

これ以上の隠し事は不可能だと理解した継音は彼女の目の前で機械を起動して見せる。

 

「おおっ、光った。地味に眩しいな」

 

「これは『パソコン』って言って、調べ物や人とのコミュニケーションとか……まぁ色々なことが出来るものです。ただ、俺のは性能が高くないんであんまり出来ることは無いんですけどね」

 

「ほう。何か変な記号が羅列してあるが、これは何を意味しているんだ?」

 

(そっか、文字とかは知らないんだ)

 

誰かに日本語を教えて貰ったのであろう彼女も、アルファベットどころか平仮名さえ未知の模様に映っていた。

流石に一からローマ字だの何だのを教えられるような程、彼は教え上手というわけではない。彼は言葉を濁しながら彼女にこう言った。

 

「えぇ~っと、ちょっと説明が難しいのでそれはまた後日ということにして頂けないでしょうか? 何でもするとは言いましたが、俺の知能的に即席でパソコン教室を開くのは無理がありまして……。明日の帰りにでも必ず、参考資料を買って参りますので今日のところはお許しを…………」

 

「ふむ、そうなのか。そんなにもこれは複雑な代物なのか…」

 

「その通りでございます。一歩間違えれば二度と使えなくなってしまう、大変にデリケートな物でして……」

 

「そんなに脆(もろ)い物なのか? …………、そうか…」

 

言葉巧みに少女を誘導する継音。明確な嘘は一度も吐かず、彼女にパソコンの知識が入ることを少しでも遅らせようとしていた。

 

「それならば、仕方ない。詳しい説明はまたの機会にしよう」

 

顎に手を当てて思案していた彼女がそう言って、彼は胸を撫で下ろした。企み通りに進んで安心した彼はパソコンを持ち上げて片付けようとした。

 

「あ、少し待ってほしい」

 

「えっ!?」

 

だが、その手を少女が掴んで制止した。

 

「詳細な説明は不可能でも、言織はそれを扱えるのだろう? ならば、実際にどうやって使うのか見せて欲しい。そうすれば、直感的に理解できる部分もあるだろう」

 

「え゛っっ!?」

 

想定外過ぎた彼女の言葉に彼は固まってしまう。安堵していた分、彼の気持ちの落差は激しかった。

好奇心旺盛な瞳を向け、彼女は彼に言葉を続ける。

 

「私は一切触らないと約束する。だから、普段通りに言織が使っている様子を見せて欲しい。それなら問題は無いだろう?」

 

「そ、れはぁ~…………、そうなんだけど……」

 

普段通りにと言えば、彼は専らエロサイトを巡ることにしかパソコンを使用していない。そもそも彼女が部屋で過ごすようになってからは殆ど触ってすらいない。部屋の外を知ることが無いのは良しとして、彼の秘蔵コレクションを彼女に曝(さら)け出すのは大変に宜しくなかった。

もちろん、彼女を欺いて普段とは異なるサイトを巡る事も可能ではある。が、彼女にパソコンを教える約束をしてしまった以上は知られるのも時間の問題だろう。仮に今はやり過ごすことが出来たとしても、彼が仕事中に一人で発見することは容易に想像できる。

であれば、彼女の目の前でボーダーラインを引いてしまう方が安全かつ正確。

 

「わかった。でも、一つだけ約束して欲しいんだけど…良いかな?」

 

「なんだ?」

 

「俺がこれから『ここは見ないで欲しい』って言ったところは、これから先に何があっても絶対に見ないようにして欲しいんだ。わかった?」

 

「うん、わかった」

 

お得意の予防線を張ったところで、彼は彼女の前でパソコンの操作をしていく。ブラウザを開いて以前までお世話になっていたサイトへアクセスし、パスワードを入力して購入履歴を開いた。

それら一連の動作を、化子はしっかりと見て学習していく。

 

「……………………」

 

彼女の視線に多少のむず痒さを覚えつつ、彼はお気に入りのエロマンガを表示させる。

小学校の頃から仲が良い幼馴染の高校生男女が、ちょっとしたすれ違いから喧嘩をして口も利かなくなってしまう。そんな中で女の方が告白されたことを切っ掛けに、男の恋心に歯止めがかからなくなって、女へ告白した勢いのまま両者の合意のもと行為に及ぶ――。という内容の純愛作品だ。

彼の中で一、二を争う名作を少女と一緒に読み進める。文字を読めない彼女はモノトーンな絵を目で追い続けていく。

 

「…ちょっと待って欲しい」

 

男の告白シーンが終わり、男女が致し始めたところで化子が継音に声をかけた。不思議そうな瞳を彼に向け、彼女はここ二週間で覚えた単語を交えて疑問を投げかける。

 

「これは何をしているんだ? どうしてチンポを口に含んでいるんだ? 美味しいのだろうか」

 

彼女が疑問に思ったのはフェラチオだった。女性器へ挿入することしか知らない彼女にとってみれば、不可思議な行為でしかなかったのだろう。

それを聞いた継音ははぐらかす様に答える。

 

「う…うーん、どうなんだろうね~」

 

「…………気になる。やってみたいな……」

 

真剣に画面を覗き込んで考えていたかと思えば、彼女はそう言うなり流れるような動きで彼のズボンのチャックを下ろし始める。あまりに素早く自然な動作に反応出来なかった彼は、気が付くとイチモツをがっしりと掴まれていた。

 

「えっ? ちょっ、待って……」

 

「スンスン、変な匂いがするな。とても美味しそうには思えない」

 

「そりゃそうでしょうね。だから、ほら――」

 

「…………あむっ」

 

彼女の感想を聞いて必死に制止しようとする彼だったが、それよりも速く彼女は彼の陰茎を咥え込んだ。

彼女の口粘膜は女性器と同じくらいに小さく狭い空間で、丁度良い温度と柔らかい感触が敏感なイチモツを包み込む。蜜壺とは違った心地よい感覚に、彼は思わず声が漏れ出そうになってしまう。

と、同時に彼女は肉棒を吐き出して咽(むせ)た。

 

「おえっ、おいしくない。大き過ぎて息も出来ない」

 

「そりゃあそうでしょう。だから、もうやらなくて良いよ。ね?」

 

少し咳き込む彼女の背中を擦りながら、彼は止めるように言い続ける。

どうして性欲の権化とも言える彼がこんなにもフェラを拒絶するのか。それは、彼の抱く信念にあった。「性行為はお互いが気持ち良くなってこそ意味がある」と考えている彼にとって、フェラだけでなく手コキやパイズリ等も男の欲求を満たすだけの行為だと信じて止まなかった。見るのは嫌いでなくとも、実際に行うのは忌避感を抱くのだ。

凡(およ)そ、倒れていた少女を見かけるなり致すことしか考えてなかった外道が持ちそうにない思想を胸に、彼は彼女を気遣いながらイチモツを仕舞おうとした。

 

「ま、待って……欲しい」

 

しかし、またしても彼女は彼の手を止めさせた。そして彼から視線を逸らすこと無く、言葉を続ける。

 

「言織、気持ち良さそうだった。言織が気持ち良いなら、私は続けたい」

 

「いや…そんな…………、別に気持ち良いなんて――」

 

「思わなかったのか? 気持ち良くなかったのか?」

 

歯切れの悪い返答をする彼に、化子は問い詰めた。

彼の僅かな表情の変化すら見逃さなかった彼女に、嘘を吐くなど無意味でしかない。

継音は少しの間沈黙を貫いた後、観念して頷く。

 

「…正直、気持ち良かったよ」

 

「そうか、それなら良かった」

 

「でも――」

 

その上で断ろうとした男より先に、彼女は再びイチモツを握って口に頬張る。スピード面において只の人間である彼が彼女に敵うはず等ないのだ。

僅かな間を置いて襲い掛かった快感に、今度こそ彼は気持ち良さそうな声を漏らす。

 

「くっ、んっ……はぁぁっ。化子、少し待ってくれ……。気持ちの整理が…………」

 

口淫を必死に止めようとする彼の手を触手で払いのけ、パソコンの画面を見ながら少女は見様見真似(みようみまね)で肉棒に喰らい付く。

ただ咥えているだけで緩急も無い稚拙な動きだが、それでいて筋は良かった。責めるべき場所を理解しているような彼女の口は、女性器に勝らずとも劣らない名器の貫禄を有している。

 

「……んむっ、はむっ、…どうだ? 気持ち良いか? はむっ」

 

「気持ち良い。良いけど、ちょっと待ってくれ」

 

「……ぶはぁっ」

 

彼女が問いかけてきて口の動きが緩んだところで、彼はようやく彼女を引き離せた。唾液で妖艶に濡れている彼のイチモツが震えているのを見ながら、彼女は自身の顎を擦って感想を口にした。

 

「…顎が痛い。外れそうだった」

 

「そんなに言うならやめれば良いのに……」

 

「でも、言織が気持ち良さそうにしてくれるなら頑張りたい。言織のおかげで食う物には困らないし、色んな事を教えて貰えた。だから私も、言織のために何かしたい」

 

「化子…………、そっか……」

 

彼女の健気で献身的な本音を聞いて、彼はチクリと胸が痛む。継音は最初から彼女をセックスフレンドとして拾ったのに、それを知らない彼女は彼の行動一つ一つに感謝の念を抱いてくれている。

産まれた時から変わらないナチュラルクズの彼でも、そんな言葉を聞いて何も思わない程ではなかった。

 

「よし、わかった。それじゃあ、俺の指示通りにしてくれるか? 今のままだと相当やりにくいだろうから、俺が出来る限りアシストするよ」

 

ひたむきな彼女の想いに応えたい。

そう思った彼は、彼女の頭を撫でながらそう言った。

 

「うん、わかった」

 

彼の言葉に頷き、化子はイチモツに顔を近づけて待機状態に移った。真剣な表情で肉棒を見つめ続ける彼女の様子には、シュールな笑いが込み上げてくる。

 

「まずは舌で舐めてみて。しっかりと味わうように、チンポ全体へゆっくりと舌を這わせていくんだ」

 

「こう、か?」

 

彼の指示を聞きながら、彼女はピクピク動く陰茎に手を添えて根本から先端にかけて舌を動かしていく。生温かい吐息を吹きかけつつ、粘液を纏(まと)った柔らかい舌がゆったりとしたスピード感でイチモツを滑っていく。丁寧に洗ってくれているかのような優しい舌使いに彼は息を漏らす。

 

「はぁ……、良い。とても良いよ、化子……」

 

「れろぉぉぉぉっ、んっ…それなら良かった。れろっ、れろぉぉ……」

 

「そのまま、裏筋も。この部分も、同じように」

 

様々なアングルからイチモツを舐める彼女の頭を撫で続けながら、彼は相棒の裏側を指差して言った。

 

「わかった。……、れぉぉぉぉっ」

 

玉袋付近に舌をくっつけてから、一直線に唾液を塗り込む彼女。指示されながらとは言えど、初めてと思えない絶妙な力加減の舌技を繰り出されて男の腰が浮きそうになった。

しかし、あまりに素直な反応を見せては負けたような気がしてしまう。そんな下らないプライドから、彼は何とも無い体を装って次の指示を出す。

 

「良いよ、……凄く良い。それじゃあ、今度はこの窪みの部分を舐め回してみてくれるかな。綺麗に一周するんじゃなくて、こう……ペロペロする感じで。分かる?」

 

「うーん、これで合ってるか?」

 

段々と余裕が無くなってきている所為か、説明に雑さが滲み出始めた継音。擬音を交えた感覚的な指示に首を傾げながらも、彼女は自分なりの解釈で従った。

カリ首へ舌を這わせた彼女は、そのまま左右に動かしてみせる。やはり説明が難解だったのか、ただ舌先で細かく舐めるだけ。それでも充分に快感は覚えるのだが先程に比べてしまうと物足りない。

 

「えぇ~っと……。もう少し舌全体を使う感じで、動きも多少大きくしてみて」

 

「わかった。れろっ、れるれるっ……」

 

彼が出来る限りに具体的な指示を追加すると、彼女の舌の動きが一変する。

小さくて細々としていた彼女の舌は、大きく滑らかな動作で敏感なカリ首を舐め始めた。幼い容姿の少女が顔を動かしながらイチモツへ舌を伸ばす様は淫靡そのもの。触覚だけでなく、視覚からも伝わるエロスに男は戸惑いを隠せない。

 

「なぁ、本当に今日が初めてなの?」

 

あまりの気持ち良さと呑み込みの速さに、彼は思わず問いかけた。実際、彼女の異常すぎる成長速度は不自然極まりなく、本当は全て知っているのではないかと考えるのも当然な程だった。

だが、そんな彼の疑問に彼女は自然な様子で答える。

 

「私は言織に色々なことを教えて貰った。言織に出会うまでは、山で暮らしてたことと戦うことしか知らなかった」

 

「まぁ…………、そうだよね」

 

期待してた通りの返答に、彼は呆けた顔で頷く。彼女に嘘を吐く思考があるのかは謎であるが、少なくとも彼の目には彼女が真実を語っているようにしか見えなかった。――否、嘘を吐いていないと信じこんでいる。

 

「…あぁ、気持ち良いぃ…………」

 

胸に抱いた不信感は拭えないが、その小さな蟠りは彼女の口淫による快楽と比べれば遥かに些末なことだった。

高まる性的興奮で陰茎の先端から我慢汁が溢れてくる。

 

「…………ん、味が変わった」

 

唾液塗れでベトベトの見た目からは分からないだろうが、イチモツを味わっていた彼女にはすぐに気づける変化だ。その反応を見た継音は、また新たな指示を出す。

 

「よし、それじゃあ次は先っぽに軽く唇でキスをしてみて。一回だけじゃなく、何度でも……俺を上目遣いで見つめながらね」

 

「うん、わかった」

 

その行為の意味を聞く事も無く、少女は従順に彼の指示を聞き入れた。赤く綺麗な双眸を男の顔へ向けたまま、言われた通りに唇でのキスを繰り返す。

少女のあどけない顔が見つめている状況で、少女に陰茎への口付けを要求している。この背徳感が彼の心を刺激し、更なる興奮へと誘っていく。

 

「凄く良いよ、化子。とても可愛いね」

 

「ちゅっ、んちゅっ、ちゅっ…ちゅぱっ。そうか?」

 

「ああ、とっても…凄く可愛い。……それじゃあ、そのままゆっくりと咥えて」

 

「…うん、わかった」

 

彼女の舌を、唾液を、唇を味わった肉棒はガチガチに勃起しており、最初に咥えられた時より更に硬く大きくそそり勃っている。

ビクビクと震える陰茎をじっくりと観察した後、化子は躊躇(ためら)いながら大きく口を開いて少しずつそれを口腔へと侵入させていく。しっかり焦らされたイチモツを温かな感触に再び包まれて、男はそれだけで絶頂してしまいそうになる。

相変わらず小さな口粘膜に、男のイチモツがゆっくりと吞みこまれていく。

 

「んんっ、んむぅぅっ……」

 

肉棒の半分くらいで限界が来たのか、彼女はそこで顔を止めた。それに対し継音は優しく微笑んで彼女の後頭部を撫でる。

 

「無理はしなくて良いよ、出来る範囲で。苦しかったり、辛かったりしたらいつでも吐き出せば良いから。……そのままゆっくりと顔を前後に動かして」

 

「……、……」

 

彼の言葉にコクコクと頷き、首を引いて頭部を股座から離していく。その動きに合わせて段々と逞しい肉棒が姿を現し、そして彼女が顔を前に動かして再び呑みこまれていく。

非常に緩慢な動作だが、狭い彼女の口内が肉棒へ密着してくる快感は凄まじい。

 

「んっ、んふぅぅっ、んんっ、んむぅぅぅぅっ、んんっ、んふぅうぅぅ……」

 

柔らかい粘膜がイチモツと擦れ、裏筋を這っている彼女の舌が僅かに動いて刺激する。

口での呼吸が難しく苦しい状態であるはずだが、彼女は一切吐き出そうとはせずに丁寧な口淫を続けている。

そんな彼女がとても愛おしく、継音は彼女の頭を両手で優しく撫でながら言葉をかける。

 

「化子の口、とっても気持ち良い。気持ち良いけど、本当に無理だけはしないでね? 苦しかったら遠慮せずに口を離して良いからね?」

 

「んぅっ、じゅるるっ、んふぅぅ…………」

 

彼の声に頷いて応える少女。

口内に唾液が溜まってきてるのか、イチモツが引き抜かれる度に口端から溢れて零れ落ちている。その光景はとてもいやらしく興奮するものだが、彼にとっては心配になるものでもあった。そして、彼の心配は現実となった。

 

「んんぅぅっ、…んぐぅっっ! んんっ、んんっっ~」

 

「化子!? 大丈夫かっ?」

 

溜まった唾液が気管に入ったのか、彼女は陰茎を咥えたまま激しく咳き込んだ。それを見た彼は慌てて腰を引いてイチモツを抜くと、彼女の背中を擦ってやる。

 

「えほっ、えほっっ。だ、大丈夫……。問題ない…………」

 

「大丈夫じゃないよ……。もう止めろとは言わないけど、せめて途中で休憩を入れて欲しいな。心配だからさ」

 

「げほっ、けほっ……。でも――」

 

一息ついて落ち着いたのか、彼女はまた竿を咥えようとした。それを慌てて止め、彼は彼女の肩を掴む手に力を入れた。そしてお互いの目を見つめ合わせると、珍しく声を荒らげて強めに注意する。

 

「『でも』、じゃない! 俺に加虐趣味はあるけど、君が自ら苦しみにいこうとするのは好きじゃないし、気持ち良くなんてなれない。もっと自分を大事にしてっ」

 

「……言、織…………」

 

ツッコミどころのある叱責だったが、それでも彼女の心には刺さったようだ。彼の真剣な表情から、自身の過ちに気付いて反省した態度を示す。

 

「ごめんなさい。もう、心配かけさせない……」

 

「本当に? 息苦しくなる前に休んでくれる? もう無理はしない?」

 

「うん、ちゃんと休む。無理しない」

 

「…………よし、じゃあ続けて良いよ」

 

彼女の言葉を聞いて彼はそう言うと、自身のイチモツを差し出した。時間を置いてしまった所為か、少しだけ小さく萎んでいる肉棒。

深呼吸をして落ち着いた少女は、しっかりと唾を飲み込んでイチモツを咥える。

 

「んむ……、んっふ…ちゅずっ。ちゅるる、っ…んん~~、んっ、ぷあっ……大きくなってきた…………」

 

最初の内は先程よりも口の中へ収めやすかったサイズだったが、舐めたり吸ったりしている間に段々と元の逞(たくま)しさを取り戻していった。

今度は怒られないようにと一旦口から陰茎を吐き出し、一息吐いてから彼女は再び彼の怒張したそれを咥え直す。ゆっくりと焦らないように、それでいて舌を巧みに使った彼女の責めは明らかな成長を感じさせるものだ。

 

「うあ……、凄ぇ。君、本当に呑み込みが速い。才能あるよ……」

 

「んっ、ちゅぷ……れるれる。……そう? はむっ……ん、ちゅるるっ………きもち、いい?」

 

「ああ、最高。素晴らしいよ」

 

「んふっ、そう言ってくれると……私も嬉しい。……ちゅぱっ、れろっ……んむっ、じゅぷぷ……」

 

彼が教えた舌の動かし方を交えている、口内へ含めたり舐めたりする仕草は艶めかしい事この上無く、その刺激と言えば彼がお世話になっていた嬢のそれと比肩し得る領域に達している。

あまりの快感に、彼は早くも射精の我慢が限界に近づいていた。普段よりも数段速い彼の限界は、彼女の卓越した性的才能(セックスセンス)が原因なのだろう。

 

「ごめん、化子。君の口と舌が気持ち良すぎて…、もう射精(で)そうだ」

 

「ちゅずっ、じゅるる……、ぷぁっ。……でるって、精液が?」

 

「そう、精液。ちょっと早いけど……、くぅっっ…………」

 

「ちゅぱっ、ちゅぱっ……れろれろれろ…。うん、いいよ……だして……」

 

彼がそう言うや否や、彼女の責めの激しさが増していく。

頭の前後運動は速まりイチモツを吸い上げる力が強くなる。そして、力強く吸い上げられたと思えばいやらしい音を鳴らして口から引き抜き、お得意の舌技で教えられた裏筋やカリ首を重点的に責め立てる。

 

「れるれるれるっ、あむ…じゅずずっっ、ぢゅりゅりゅっ…じゅぽっ。はぁっ、はぁっ、……はむ、じゅぷぷぷっ…ぢゅぱぁっ…。れろれろっ、ん~~っ」

 

「うぁぁぁっっっ、それ…………やばい……」

 

一体どこで覚えたのか、彼女は時折下品な音を立てながらイチモツへとしゃぶりついた。その音が、光景が、感触が――彼の興奮を一層昂らせていく。お淑やかに陰茎を咥えては猥らなフェラ音を奏で、上目遣いを意識しながら敏感な肉の竿を舐め回す。

 

「はぁっっ、はぁっっ、…化子っ。口の中に射精して良いかっ、それとも顔にぶっかけようかっ」

 

「んふぅっ、んふぅっ。じゅずずずずっっ」

 

堪える事は出来ないと悟った彼が彼女に、口内射精か顔射かの二択を迫った。すると彼女は返答とばかりにイチモツを今までで最も力強く吸い上げた。恐らく、口内射精をお望みなのだろう。

その答えを受け取った継音は高まり続けた射精感に身を任せた。

 

「でっ、射精るっっっっっっ!」

「んっ、んふうぅぅうぅっっ!」

 

尿道を駆け巡る迸(ほとばし)りに耐えきれなくなった彼は、少女の顔を両手でしっかりと掴みながら絶頂を迎えた。ビュクビュクと撃ち出される白濁液が彼女の口内で弾け、喉の奥へと流し込まれていく。

脈打つ肉棒から解き放たれた熱々の粘液によって喉を塞がれた彼女は、鼻で荒々しく息しながら少しずつ子種汁を飲み下す。

 

「んくっ、んくっ、ごくっっ……ぷぁぁっっ。…はぁ、はぁ、はぁっ…………不味い。あんまり、美味しくない…」

 

「くっ……ふぅ、…………飲むものじゃあないからね」

 

「…………でも、嫌いではない。寧ろ…………好きかもしれない、この味……」

 

「そうなの? それが?」

 

疑念たっぷりの視線を向ける彼に、彼女は頷いて答える。

 

「うまく、言えないけど……とても変な匂いで……、変な味で……。それでも、飲み込んだら……少し安心する。…ような、気がする……」

 

「そうなんだ、……よく分からないけど化子が好きなら別に良いか」

 

精液の味については興味の無い男は息を整えると、射精の余韻に浸る間も無く少女に問いかける。

 

「それで、化子。フェラは気持ち良かった?」

 

「…………? それを訊くのは、私の方だと思うが……」

 

「いいや、俺が訊きたいんだ。……それで、どうだったんだ?」

 

曲げられない信念を抱く彼にとって、この質問は非常に重要だった。フェラが男を気持ち良くするだけで、女性側がまったく気持ち良くなれないのであれば彼の趣味にはそぐわない。ただただ苦しいだけならば、彼は彼女に頼まれても金輪際させないつもりでいた。

真剣な眼差しを向ける彼に、化子は少し考えた後に口を開いた。

 

「息苦しさは、あった。チンポが大きくて顎が外れそうだったし、口は塞がれているから息もあまり出来ない。チンポも変な味がした」

 

「そうか…………」

 

彼女の返答を聞いて、彼は納得した。

嘘を吐かない彼女がそう言うのであれば、フェラは気持ち良くなんてないのだと。ただ息苦しさを与えるだけで、一方的なものなのだと。

しかし――、

 

「…でも、言織のチンポを舐めていると股がムズムズしてきて、身体の奥から熱くなってきて…。私のおマンコ、こんなになったんだ」

 

彼女はそう言葉を続け、シャツを捲(めく)り股を開いて見せた。

彼女の秘部からは透明な蜜が溢れ出し、トロトロにほぐれていた。また、割れ目の筋肉が伸縮を繰り返して、物欲しそうにいやらしく動いている。

明らかに性的興奮を示している少女の股間部を目の当たりにして、彼の思考は停止した。

 

「…………すっごい、濡れてる」

 

どうにか口を開いて捻り出した言葉は、小学生並みの感想だった。混乱している彼の手を引いて、彼女は立ち上がってこう言った。

 

「早くシャワーに行こう。私、もう我慢できない。早く言織のチンポ、私のマンコに挿れて欲しい」

 

継音は、頬を紅潮させながら誘う彼女を前にして理性を保てるような男ではない。その言葉を聞いた瞬間に愚息をムクムクと屹立させて立ち上がった。

そして彼女に手を引かれるまま、シャワーへと向かう。

 

「ほら、早く早く」

 

脱衣所で素早く衣服を脱ぎ捨てた少女は、もたもたしている男を急かしながら手首を引っ張り続けている。そうして彼が全裸になった瞬間、浴室の扉を開いて連れ込んだ。急な展開の変化に追いつけていない継音の目の前で、彼女は壁に手をつきながら尻を振って誘惑する。

いつも積極的な彼女だがここまで大胆なアピールをするのも珍しく、それを前にして手出ししないのは男が廃るというものだろう。

 

「そんなに挿(い)れて欲しいなら、思いっきりブチ込んでやるからな」

 

「んっ。お願い、来て…………」

 

深く考えることを放棄した彼はそう言って、細い腰を両手で固定して濡れそぼった割れ目にイチモツの先端を押し付ける。愛液の大洪水を起こしている少女の秘部は、少し力を加えただけでも呑みこんでしまいそうな程に受け入れ準備万端だった。

 

「ふあっ、ああぁっっん! ぅ、あぁぁぁぁ…………」

 

いやらしく揺れている臀部に向けて彼は勢いよく腰を打ち付けた。その衝撃で膣内に溜まっていた粘液が爆ぜ、小さな尻肉が揺れる。もう何十回と肉棒を捩じ込まれた彼女の膣壁は未だに狭く、最初と比べれても殆ど差異が無いくらいにしっかりと密着してくる。

 

(ぅあ、今日はちょっとやばい…………)

 

後背位は何度か経験あるが、大概彼女の背中に生えている触手が気になって行為に集中出来ないことが殆どだった。しかし、こと今日に限っては大きく違っていた。彼女の誘惑で情緒がバグったのか、それとも彼女の献身的なフェラが嬉しかったのか、単純に慣れてしまっただけなのか。

無防備に映る彼女の後ろ姿が彼に並々ならぬ興奮をもたらせていた。

 

「…………なぁ、化子?」

 

「はぁぁ、……なぁに?」

 

「今日はいつもと違う姿勢でヤってみないか?」

 

気が付くと彼はそんなことを口走っていた。

彼の提案に対して僅かに考える素振りを見せた後、彼女は頷いて答える。

 

「うん、わかった。どうしたいの?」

 

彼の胸の内に眠る感情を知らない彼女は特に悩んだ様子も無い。それがまた、彼の理不尽な嗜虐精神を加速させる。

 

「特に難しいことじゃあないよ。両手を壁じゃなくて、床について欲しいんだ」

 

「わかった。……こうか?」

 

彼の支えを受けながら少女は両手を床へ移動させ、四つん這いのような状態になる。その態勢になった彼女は後ろに目線をやって男に訊ねた。

 

「…ああ、それで良いよ。そのままじっとしててね……」

 

素直に従う彼女に怪しい笑みを浮かべる彼は、腰から太腿へ手の位置を移す。そして、思いっきり勢いつけて彼女の両脚を持ち上げた。

 

「きゃあぁぁっっ!」

 

突然体重の大部分が両手に掛かった彼女は思わず悲鳴を上げる。

大きく姿勢が変えられたことにより、イチモツが擦る膣襞の部分も変わった。これまで体験したことの無い刺激を受けて、思考が混乱していく。

 

「んくっ、ひぅぅぅ……」

 

膣奥の方でカリ首が引っ掛かり、下腹部の内側から身体を持ち上げられているような状態に両腕が震えた。

 

「…………。これはお仕置きなんだからな」

 

生唾を飲み込んだ男はそう言って腰を引く。反った肉棒がゾリゾリと直腸側の膣襞を抉り出て、出っ張った亀頭が尿道側を擦り潰す。体重が乗っている所為か、普段よりも一層激しい性感に化子は悲鳴染みた嬌声を上げた。

 

「ひぐぅぅぅっっ!? ま…、待っ――ひぁぁぁぁぁっっ!」

 

絶頂直前でなければ滅多に崩れない少女の表情が一擦りで肉悦に歪む。だらしなく開いた口から涎が零れ、余裕の無さが窺える。

それでも彼の腰は止まらず、激しくイチモツを押し入れた。子宮を押し潰すかの如く行われる力強いピストン運動には、いつものような優しさが欠片すら残っていない。

 

「これぇっっ、らめぇぇっ! おなかっ…つぶれりゅぅ! んぎゅっ、まっひぇ……ことおりぃぃっ! んぐぅぅうぅぅっっ」

 

「君がっ、自分をっ、大切にしないからぁっ! 俺が罰を下すんだ! オラッ、しっかり反省しろッ!」

 

キャラと口調が豹変した彼に恐怖したのか。優しさを感じられない性行為が苦しいのか。はたまたその両方なのか――。

彼女はいつにもなく弱気な声色で涙を流しながら謝罪する。

 

「ごめんなさいぃっ、ごめんなさいっっっ! そんなにっ、おこるとおもわなくてぇっ……。ことおりにっ…んひぃぃぃっっ! ことおりにぃ、きもちよくなってほしくてぇっっっ……んはぁぁぁっ」

 

「あぁ気持ち良かったよ、凄く嬉しかったよ! でもそれで俺に心配かけさせて良いわけないだろっ。オラッ、オラァッッ」

 

「はひぃぃぃぃっっ、ひゅみまへんれひたぁぁぁっ! もう、ひまへんっっ……ひんぴゃいぃ、かけまひぇんんっっ!」

 

太腿を掴む男の両手に力が入り、打ち付ける腰の激しさが増していく。

陰茎で掻き出された粘液が彼女の腹部を伝って垂れ落ちる。膣内ではカウパーと本気汁が掻き混ぜられ、白く濁りながら泡立っている。秘部と陰茎が離れる度に糸を引き、そしてぶつかると弾けて飛散する。

 

「んああぁぁぁっっ、らめぇぇぇっっ! んぐっっっ、あアぁぁっっっ! いひきっ、とんじゃうぅぅっっ……あたまっ、まっひろにぃぃっっ!」

 

フェラで火照った身体に突き刺さる叱責の肉杭。窮屈な蜜壺を引っ掻き回して最奥を圧(お)し潰す力強さに、彼女は抵抗出来ないまま一方的に啼かされる。

そんな様子が男を堪らなく欲情させるのだ。

 

「これは罰なんだぞっ、わかっているのか!?」

 

「はひぃぃぃっっっっ、わかってりゅうぅぅっっ! んあぁぁっっっ、ひぎゅうぅっっ……ぃうぅぅぅっっ!」

 

「それなら何をそんなに悦んでいるッ! ご褒美じゃあないんだぞっ」

 

「わかってりゅっ、わかってりゅけどぉぉおぉっっ! チンポぉっっ、きもちいぃぃっっっっ! こりぇっっ、むりぃぃっっ…んひぃぃっっ」

 

彼に教え込まれた快楽には抗いようもなく、覚えた淫語を口にしながらイチモツを迎え入れる。その様は屈強な男に組み敷かれる淫乱少女そのものであり、自ら腰を振っているようにさえ見えた。

 

「これかっ! これが良いのかっ!」

 

「んにゅううぅぅぅっっっっ!!」

 

相手が苦しいなら云々と言っていた男は何処にいったのか。

いつも以上に怒張した肉棒を力任せに挿入し、敢えて引っ掛かるように引き摺り抜く。罰と言うにも行き過ぎているレベルだ。

 

「反省してるなら絶頂(イ)けッ! 謝罪アクメしろぉぉっ! 誠意を見せながら、俺の前で無様に絶頂しろォぉぉっっ!」

 

「ひゃぁぅぅぅっ! しまひゅぅぅっっ、イッひゃいまひゅぅぅ~~~っっ!」

 

雄叫びを上げて少女の全身が小刻みに痙攣する。結合部からパシャパシャと愛液のシャワーを降らせ、膣内が何度も収縮を繰り返した。

今日一日の上下関係も忘れ、二人は呼吸を乱しながら粗暴な行為で快楽を貪る。

 

「ひゅー…ひゅー…ひゅー…、もう…………らめ……」

 

著しく体力を消費した少女は脱力し、身体を支えている肘から崩れ落ちようとした。

 

「――っ」

 

が、すぐさま継音が身体を抱き上げたおかげで顔を床にぶつけることなく済んだ。そこで彼は自身がやり過ぎてしまった事を理解し、彼女に謝罪する。

 

「ごめん、やり過ぎたね。ちょっと厳しくし過ぎた」

 

「はぁぁ、はぁぁ、…いいよ。私のために怒ってくれたのは、理解してる……から」

 

息を整えながら、彼女は彼の過ちを許した。

流石にこれ以上を求めるのはバツが悪いのか、継音は射精しないまま女性器から肉棒を引き抜く。性欲よりも申し訳無さが勝ったのだ。

 

「…………射精(だ)さないのか?」

 

「えっ?」

 

だが、彼女は訝しむような声でそう問いかけた。今までセックスと射精はワンセットだったのだから、片方が無いのは不自然極まりなかったのだろう。

それに対して男は手を振りながら答える。

 

「いや、化子も疲れてるだろう? 今から射精(だ)すまでセックスは、流石に君の身体に良くないって。だから今日はもう止めておこう、ね?」

 

「……、そうか…………」

 

彼が止めようと言われて押し切れる彼女ではない。

――が、だからといってこのまま何もせずに引き下がれる彼女でもない。

 

「でも、セックスは駄目でもフェラは良いだろう?」

 

「……駄目。結局、君の負担が大き過ぎる。そもそも君だって顎が痛いって……」

 

「うん、言った。…………、でも考えがある」

 

そう言った彼女は徐に立ち上がって継音を見つめる。

何か怪しい雰囲気を感じた彼は、少し後退(あとずさ)った。何を企んでいるのか分からない彼女に、多少の恐怖を覚えたのだ。

 

「考えって、いったい――」

 

そう問いかけようとした瞬間、彼女は彼の腰辺りへ飛び掛かってハグをした。何が起こったのか理解できない彼だったが、それと同時に自身のイチモツが温かい空間に包まれている感触がした。

 

「よく考えたら、私には口が二つある。しかも、こっちの方が大きいから言織のチンポでも苦しくない」

 

そう彼女が口にして、男はハッとした。

確かに、彼女の腹部には大きな口が開いている。小さな口ではギリギリであっても、腹部の口であればかなり余裕を持った口淫が可能となる。

彼には到底思い付かない発想だった。

 

「どう? 気持ち良い?」

 

顔を上げて彼に訊ねる少女。その表情に苦痛の色は見られない。

 

「……あぁ、とっても気持ち良いよ」

 

「良かった」

 

呆けた顔で答える彼に彼女はそう言って嬉しそうに笑った。

 

「――っ、…」

 

出会った頃からは想像も出来ない自然な笑み。

彼は不覚にも、その表情を見て胸が高鳴った。そしてその反応は、大きな口に包まれている愚息にも表れる。

 

「あっ、ビクッてした。これが良いんだな」

 

厚い舌で巻かれている肉棒が一際大きく脈打つ。それを快感の表れと勘違いした彼女は、舌を使った責めを激しくさせた。

少女マンコでフル勃起していた彼の陰茎へ送られる新たな刺激。ヌルヌルの舌が優しく抱きしめるように、それでいて強く擦り上げる。

 

「くっ…ふぅっ…。これは、凄いな……」

 

小さな口で扱かれるのも気持ち良かったわけではあるが、やはり少女の苦しそうな表情がちらついて落ち着かなかった。しかしこちらは彼女の表情に苦痛の色が微塵も無く、それどころか身体を上下させる腰の動きが艶めかしく映っている。それに、彼女の大きな口は絶妙な舌技を受け継いでいるので得られる快楽に大差無い。

彼にとって、女性器と並ぶ名器だった。

 

「やばい、もう射精(で)そう……」

 

「いいよ。好きな時に出して、ほらっ」

 

彼の気持ち良さそうな顔を見た化子は、イチモツを責め立てている舌の動きにラストスパートをかけた。

肉棒全体を包み込んでは上下に扱き、亀頭を先端で丁寧に舐めて、溢れるカウパーを啜り上げる。動作は変わらないままスケールだけが大きくなった彼女の舌に、彼の高まりきった欲望が出口付近まで込み上げてくる。

 

「射精(だ)すよっっ、口内(なか)にっっっっ」

 

「……うん、来て。――――んっ…」

 

少女の肩を掴んで男の腰が浮き上がる。そして、狭い出口を押し広げるかの如き勢いで解き放たれる熱々精液。それを全て舌で受け止めた彼女は、彼の身体を強く抱き締める。

ドクドクと脈を打つ陰茎に巻き付けた舌をゆっくりと解き、吐き出された白濁を少しずつ奥へ奥へと運んでいく。

 

「……、ふぅ。ごちそうさまでした…………」

 

「はぁ…、はぁ…、はぁ…、……お粗末様でした…………」

 

嬉しそうな笑みを向ける少女に、男も優しい笑顔を返す。

心地よい虚脱感と疲労感、そして解放感に包まれる余韻を楽しみながら彼はふと気になった事を彼女に訊ねた。

 

「そう言えば、そっちの口はどこに繋がっているんだ? 前々から思ってはいたけど、あまり使わないから特に気にしないようにしてたんだが……」

 

「うーん、よく分からない。……多分、こっちの方と同じ場所に繋がっていると思う」

 

顔の方の口を指さしながら彼女は答える。

 

「それも分からないのか……。分からないことだらけだな、化子は」

 

呆れたような声色でそう呟く男。

ここ二週間で彼女に関することは色々と訊いてきた彼だが、彼女に纏(まつ)わる情報は何一つとして得られていなかった。訊ねて理解した生態よりも、実際に見て理解したことの方が多いくらいには質問した甲斐が無かったのだ。

 

「仕方無いだろう、私には自分の身体がどうなっているのかなんて理解する方法が無い」

 

「それは…………そうだな、その通りだ」

 

少女に正論を返されて継音は黙り込んだ。彼自身、授業等で習わなければ自分の内部がどうなっているのかなど知ることは無かっただろう。人間は長い年月で培った医学のもと、身体の様子について凡そのことを理解している。しかしそういった文化が無く、そもそも個体数で恐らく人間より劣っているであろう彼女に、自分の中身の様子を知ることなど出来るはずも無い。

 

「…………言織。今になって思い出したのだが、今日は私の言う事を聞いてくれる日のはずだったよな?」

 

「あっ。…………そう、だったな」

 

沈黙を続けていた彼に、化子がそう問いかけた。何だかんだと有耶無耶(うやむや)になっていた約束事を思い出し、彼の背中に冷や汗が伝った。

思えば、今日一日で彼女が命令した回数と彼が命令した回数に大差は無く、それどころか彼女は罰と称した性行為で泣かされ、絶頂させられている。

約束を破ってしまった事を怒られると思った彼は、ガタガタと震え出す。

 

「私の言う事、本当に何でも聞いてくれるのか?」

 

「は、はいっ。勿論ですとも、出来る事ならば何なりと」

 

震える声でそう答えた彼の腰に、きつく腕と触手を巻き付けて動けないようにホールドする少女。怯えるような、訝(いぶか)しむような彼の視線の先で彼女は安らかな表情を浮かべて言葉を紡いだ。

 

「ずっとずっと、一緒にいて欲しい。私から…、離れないで欲しい」

 

「……………………」

 

それを聞いて、彼の胸が僅かに疼いた。理由は彼にも分からないが、最初の口淫中にチクリと走った痛みを思い出したのかもしれない。

返事に詰まる彼の答えを、彼女はジッと待っている。

 

「…、ああ離れないよ。離れたいって言われても、……俺は離さない」

 

「…………、うん。ありがとう…………」

 

長い髪を撫で梳(と)かしながら継音がそう答えると、彼女は小さく微笑んだ。そして、激しい絶頂による疲労感からかすぐに寝息を立て始めてしまった。

 

「おいおい、こんな所で寝てたら風邪引くぞ……」

 

彼女を起こそうと肩を軽く叩いてみるが、彼女が目を覚ましそうな気配はしない。もっと強く身体を揺らせば起きるかもしれないものの、彼が激しくし過ぎてしまった為に疲労させてしまったことを考えれば、そこまでする気にはなれない。

 

(もう少しだけ、このまま寝かせておこうかな)

 

そう考え、彼は彼女の頭に手を置いた。

静かな寝息を立てて安らかに目を閉じている彼女の表情は、それだけ見るならば年相応の少女にしか見えなかった。それこそ、白髪人種の子どもと一緒に暮らしていると考えても不思議では無い程に。

 

「……………………」

 

自分の身体へ抱き付いたまま眠りにつく化子を見下ろしながら、彼は考えていた。

どうしてそんなお願いを口にしたのか。一体、何を感じ取ったのか。――そして、どうして自分は「離さない」と即答できなかったのか。

少女同様、分からないことだらけの問いかけに彼の心は引っ掛かりを感じていた。普段であれば一分も経たない内に思考放棄してしまうような事を、彼は真剣に悩み続ける。

 

(…………俺は、化子(この子)をどうしたいんだろうか……)

 

眠り続けている彼女の身体をシャワーで洗い流しながら、心の中の蟠(わだかま)りと対峙する継音。

自分らしくないとは思いつつも、結局その日中ずっと彼は自分自身に問いかけていた。

 

 

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