※この作品はR-18です。

もしもワンピースの世界にプロメテウスが転移していたら……   作:カチコミ侍ニン任にん

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 『ハーメルン』においては、1年程ぶりに投稿させていただきます。もしかしたらいつもよりも誤字・脱字の方が多いかもしれませんので、ご注意ください。

 それでは、どうぞ!







本編
第一話 五皇‶狂帝海賊団″


 

 

 

 

 

 【偉大なる航路/グランドライン】前半の海——別名‶海賊たちの楽園″と言われている海。

 その海に存在している『アラバスタ王国』からほどほど近い海域に、とある船があった。

 

 その船は商船などではなく、海賊の船であった。

 

 しかも、その船に乗っている者たちはただの海賊ではない。ここ最近世間を揺るがした『アラバスタ王国』にて起こった‶王下七武海″であるクロコダイルが仕組んだ【国堕とし事件】にて、表沙汰にこそなっていないがたった7人という少人数でクロコダイルを倒して事件を未然に防いだ、『麦わらの一味』であった。

 

 

 そんな一味は、アラバスタ王国での事件を終えたことで、久しぶりにのんびりとした雰囲気の中で航海をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがと。これ代金ね」

 

「クワ~」

 

 ゴーイング・メリー号の甲板にて、ボーイッシュな短髪黒髪が特徴の女性が、ニュースクーという船乗りたちのために新聞を配っているカモメから新聞を受け取っていた。

 

 そんな女性の後ろから、麦わら帽子をかけた左目の下に切り傷がある少年が、女性に対して声をかけた。

 

「お~い、くいな~。何してんだ~?」

 

 男の名前は、モンキー・D・ルフィ。この『麦わらの一味』の船長であり、せんだっての事件において‶王下七武海″サー・クロコダイルと真正面から闘い勝利した男である。

 

 そんなルフィからの問いに女性——くいなは、手に持った新聞を見せながら情報収集だと答えた。

 

「情報収集よ、船長」

 

「じょうほう、しゅうしゅう…?」

 

「あ~、ルフィに言っても分かんないか……。まぁ、新聞には色々なことが載っているから、それを見て世間を知ろうって話」

 

「ふ~ん…」

 

 くいなからの問いの返しに対して、ルフィは首を傾げながら興味のなさそうな声を上げた。しかしこの反応はある意味正しいものだ。

 ルフィにとって好きなことは美味しい食べ物やワクワクすることであり、くいなが行っている情報収集などは余程内容に興味がない限りはしないことであるからだ。まぁ、元々人生のほとんどを【東の海/イースト―ブルー】にある『ゴア王国』の片田舎の『フーシャ村』か、その近くにある『コルボ山』という山の中で育ってきた彼にとって、そのようなことに興味がないのも仕方がないのかもしれない。

 

 そんなルフィの反応にくいなが「いつもながら何とも」といった感じでやや呆れ顔をしていると、船の後方から長い鼻が特徴の少年が彼女に話しかけた。

 

「ルフィにはそんなこと言ったって無駄だぞ~、くいな。こいつの頭の中には冒険と肉のことしかねぇからなぁ」

 

「ウソップ………いや、確かにそうね」

 

 少年——ウソップからの言いように流石に言い過ぎじゃないかと一瞬思ったが、これまでの冒険の中でのルフィの行動と言動の数々を思い出した結果、彼の言っていることは何も間違っていないと思い、それに対して肯定の意を示した。

 

 そうやってルフィの世間に対する興味のなさに改めて認識したくいなは、手に持った新聞の表紙の記事に目を通していった。

 

「くいな~、何やってんだー?」

 

 そうしていると今度は、背の小さいトナカイとも人とも言えぬ者がくいなに声をかけた。

 

 その者は‶麦わらの一味″において船医の役割を持っていて、【ヒトヒトの実 モデル‶人間″】の悪魔の実を食べた『トニートニー・チョッパー』であった。

 

「情報収集よ、チョッパー。………どうやら、【偉大なる航路/グランドライン】でまた五皇の‶狂帝海賊団″が暴れたらしいわね。その所為で世界政府加盟国が一つ滅んだ、と書かれているわ」

 

「おいおいおい…! 国滅ぼすなんて一体どんな化物どもなんだよ~!? クロコダイル並みにヤベェ奴らじゃねぇか!」

 

「ホントよねぇ……。これから先は、あんな奴らとずっと戦わなきゃいけないのよね……」

 

 くいなが新聞の一面に大々的に載っている事件のことを、ルフィとは違い興味があり覗こうとしているウソップとチョッパーに話した。

 

 それを聞いたウソップとチョッパーは、先日にアラバスタ王国での『バロックワークス』との戦闘のことを思い出したのか顔を少々青くさせている。

 特にチョッパーは、故郷を一度‶黒ひげ海賊団″という海賊に滅ぼされた経験があるためか、無意識的にも体がブルブルと震えてしまっている。

 

 そんな2人に影響を受けてか、くいなもアラバスタでの『バロックワークス』との戦いをふと思い返した。

 

 

 

 彼女が戦ったのはMr.1こと『ダズ・ボーネス』のペアである、『ミス・ダブルフィンガー』であった。ボスであるMr.0ことクロコダイルのペアを除けば、組織内で最強ペアというのは伊達ではなく、殺し屋のとしての技術もさることながらトゲトゲの実を食した『‶棘(とげ)″人間』ということもあり、くいなは苦戦を強いらされた。

 

 最終的には一味の仲間である女性の助力を受けたことで、2名共に重傷を負いながらも何とか撃破することはできた。しかし、くいなとしては一人で倒せなかったことが悔しかったし、もしも仲間の助力がなければ確実に殺されていたと今でも思っている。

 

 

 

 そんなことがあったためか、くいなはこれから先も『ミス・ダブルフィンガー』のような……否、それ以上の実力者たちと戦っていくことがあるのかということに、いつもは思わず表情を硬くしてしまう。

 

 そんなことから暗い雰囲気が漂いはじめている3人であったが、とある男が彼らに声をかけたことでそれが払拭されることとなった。

 

「——ビビッてたってしょうがねぇだろが」

 

「! …ゾロ?」

 

「おお、何だよお前! 起きてたのかよ!」

 

 そう言ったのは甲板にて先程まで横になって眠っていた緑髪が特徴の男だった。

 

 その男の名前は、『ロロノア・ゾロ』。先のアラバスタ戦後にて、Mr.1を撃破したことで晴れて船長のルフィに続き賞金首となった男だ。

 ゾロは体を起こすと、先程まで呑気に爆睡していたとは思えない程真剣な目つきとなって、3人に対して言い放った。

 

「俺たちは頂点目指してんだ。それを邪魔すんだったら、相手が誰であろうと倒す。ただそれだけだ。それにまだ先のことをいちいち考えて立ってしょうがねぇだろうが」

 

「ぐ、ぐうの音もでねぇ……!」

 

 ゾロが発した言葉は、海賊としては何一つ間違いのない正論であった。頂点を本気で目指すのであれば、誰であろうと倒すしかない。でなければ‶海賊王″になるなど夢のまた夢でしかない。

 

 それにゾロとしては、ルフィを‶海賊王″にするということ以外にも叶えたいことがあった。それはくいなと約束した『‶世界一の大剣豪″になる』というものだ。彼にとってはもう剣士でなくなったくいなのためにも、是が非でも叶えたいものなのだ。

 

 

 

 ——今のくいなは、刀を握ることは出来ない。

 

それは彼女が11歳の時に、自宅の階段から転落したことが原因であった。階段の一番上から転げ落ちたため命を落してもおかしくはなかったが、彼女は咄嗟に身体を丸めて頭を庇ったことで死ぬことはなかった。しかし、頭を腕で庇っていたために両方の腕を負傷してしまったのだ。しかも打ち所が悪かったために、骨が内部でバラバラとなってしまったようで、村の医者からは日常生活は問題ないが『腕に後遺症が残る上に、もうひとたび同じような怪我をすれば二度と腕が使いものにならなくなくため、剣士になるのは諦めた方がいい』と言われたのだ。

 くいなは女の身でも最強の剣士になることを目指していたが、医者から「剣士になるのは無理だ」と言われたことで自身の夢が永遠に叶えることが出来ないと理解してしまった。くいなは夢が叶えられないことに涙を流していた所にやって来たのが、当時彼女の父親が師範をしている道場で剣の指導を受けていたゾロであり、彼は彼女の代わりに自分が‶世界一の大剣豪″になると大声で言い放ったのだ。

 ゾロとしては今まで自分が一度も勝てなかったくいなが、最強を目指すどころか剣士にすらなれないという理不尽に納得することが出来なかったのだ。それにこれまで泣く顔どころか弱音の一つも吐いたことのなかったくいなの弱弱しい現状を見て、道場の仲間であり同じ夢を抱いていたライバルとして、何とかしてやりたいと思ったのだ。

それで思いついたのが、自身と彼女の夢でもある‶世界一の大剣豪″となること。自分が最強となれば、自分が今まで一度も勝てなかったくいなも、間接的ではあるが‶世界一の大剣豪″となることができると思ったからだ。

 

 そう言ったこともあり、ゾロは自身のため、そしてくいなのためにも‶世界一の大剣豪″を目指しているのだ。

 

 ゾロからの覚悟の纏った言葉を聞いたくいなは、暗いことを考えるのは自分らしくないなと思い先程までの不安感を拭い去ると、不器用ながらも自分たちのことを心配してくれた彼に対して感謝を述べた。

 

「……確かにそうね。ゾロにしては珍しくいいこと言うじゃない! ありがと!」

 

「おい! それどう言う意味だ!?」

 

 ゾロは揶揄いの含んだくいなからの言葉に声を荒げたが、そこには怒りなどの感情は全くなく、むしろ彼女の様子が普段のようになったことに安心していた。

 

 すると船の扉が開き、中から一組の男女が出て来て甲板にいる皆に対して食事が出来たことを告げた。

 

「皆さ~ん! ご飯が出来ましたよ~!」

 

「くいなちゃ~ん❤ 俺が愛を込めた渾身の料理ができたよ~~~~ん♪」

 

 男の方はサンジで、女の方はカヤという名前である。両名ともこの『麦わらの一味』の一員であり、サンジはコック、カヤは学者という役割を持っている。

 

 その2人からの声を聞いた男4人は、各々が嬉しそうに声を上げて船の中へと向かっていった。

 

「うっほーいっ! 飯だーーーー!!」

 

「「お腹ペコペコー!」」

 

「おい、酒はあんのかアホコック」

 

「うるせぇ! 騒ぐんじゃねぇよバカ共! それと誰がアホコックだ!? このマリモ剣士!!」

 

「たくさん作りましたから、いっぱい食べて下さいね」

 

 くいなは食事というだけで大喜びして船の中へ入って行く仲間たちの後ろ姿を見ていると、まだ未来のことを心配していた自分のことが何だか馬鹿らしく思った。

 

「(そうよね。まだ先のことをあんまりに気にしすぎてもしょうがないわよね……) ——ちょっとルフィ! 私の分まで食べないでよー?」

 

 くいなは一先ず新聞での記事のことなどを心の中にしまい込むと、読んでいた新聞を畳んで仲間たちが居る船の中へと入って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ———時は遡り、一週間ほど前。

 

 

 

 

 

 場所は、【偉大なる航路/グランドライン】後半の海——別名『新世界』という海にある、ドッカンドカ島。

 

 

 

 その場所はくいなが読んだ新聞に掲載されていた【五皇‶狂帝海賊団″】によって滅ぼされた、【世界政府】に加盟しており‶世界会議/レヴェリー″への参加も認められた国、『ツイド王国』がある島である。

 

 その国は『新世界』において、有数の軍事国家として栄えていた歴史を持つ。新世界で近隣の島の幾つかに戦争で勝利し、それによって得た莫大な報奨金で更に軍備を整えたことで、海賊が跋扈している最も危険な海の中でも国民が平和を享受できる強国であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ————しかし、それももう過去の話。つい数時間前に、その国は滅ぼされてしまったのだ。

 

 

 

 その『ツイド王国』の王城には、現在『世界政府加盟国』ではあるはずのない(ドレスローザ王国などは除く)、“海賊旗/ジョリー・ロジャー”が掲げられていた。

 その海賊旗というのは、『新世界』どころか世界中にて知らない者はほとんどいないといって過言でない程認知されている、【狂帝海賊団】のものであった。

 

 そして、その王城の城下にある街では、正に地獄と言っていいような光景が出来上がっていた。

 

 以前までの『ツイド王国』戦争国家ではあるものの、街の中は人がにぎわい街並みもとても美しいものであった。

 しかし、今は見る影もない。建物の残骸や血と肉の焼ける異臭、火薬の臭いが街中を漂い、平和を享受していた百数万の民たちは皆ものを言わなくなった骸となっていて、それが山積みされたものがあちこちに見られた。

 

これを以前の『ツイド王国』の街並みを知る者が見れば、もはや別物と言う他ないであろう程の変わりようである。

 

 

 

 そんな地獄のような光景な場所において、数千人規模の集団の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

「——アルベド様。王城の制圧及び国民の抹殺、完了致しました」

 

「…そう、ご苦労様」

 

 メイド服を着て腕に棘の付いた手甲を装備した眼鏡を掛けた女性が、純白で胸元が開いたドレスを着た頭から突き出した山羊の様な角、腰からは漆黒の天使の翼を生やした絶世の美女に、そう話しかけた。

 

 絶世の美女の名前はアルベドといい、狂帝海賊団にて【十二狂典】船長を支える最高幹部12人の内の一人であり、今回の『ツイド王国』での戦争において指揮官に任命された者であった。

 

 

      『 五皇 狂帝海賊団

   【十二狂典 第三席】 ‶男殺し″ アルベド

       懸賞金 10億6100万ベリー 』

 

 

 アルベドは自身の幹部である女性から任務の報告を受けると、任務前に主から厳命されていたことについて女性に確認した。

 

「ユリ。ちゃんと王族は『生け捕り』にしたんでしょうね?」

 

「はい、ご命令通りに」

 

 アルベドからの問いに対して女性——ユリは、問題ないと答えた。

ユリはアルベドの配下の中でも、海賊として戦闘は勿論のこと部隊の指揮や事務仕事、家事までもこなす万能な者であり、そのことから実質的にアルベドの右腕であると言える。

 

 そんなユリも当然賞金首であり、アルベドほどではなくともその金額は十分高額なものである。

 

 

      『 五皇  狂帝海賊団

    【十二狂典 第三席 配下(幹部)】

    ‶破拳″ ユリ  懸賞金 2億ベリー 』

 

 

 

「今こちらに連れて来ていると——……どうやら、丁度来たようです」

 

 ユリが話をしながらこの国の王城の方へとふいに目を向けると、タイミングよく彼女と同じくアルベドの幹部数人とその部下たちが、縄や鎖で拘束されている王族たちを連行している様子が見えた。

 

 王族たちは未だに国が滅亡したことで地位というものが何ら価値のないものなったことに気づいていないようで、連行されながらも自身の身分は王族だと豪語して開放するように喚いていた。

 

「放せ! 我々は王族だぞ!? 放さんかこの無礼者どもが!!」

 

「この汚らしい者どもめ! さっさと放しなさいっ!?」

 

 だがアルベドの部下たちがそんなことで開放などするわけもない。彼女たちからしたら、喚いている者たちが王族だろうと何だろうと関係がなかった。仕えるべき主はたった一人であるし、その主の敵であるのならば誰であろうと容赦がないのだ。

 

 そのため散々喚いていた王族たちは、結局開放などされるわけもなく、アルベドの前まで連れてこられて無理矢理跪かされた。

 

 すると、王族たちの先頭にいた王冠を付けた男——この『ツイド王国』の国王が、目の前で自分たちを見下ろしているアルベドに対し、大声で早く解放せよと怒鳴りちらし始めた。

 

「貴様らァ……!! さっさとこの縄を解け! こんなことをしてただで済むと思っているのかァ!? 私を誰だと思っている! 私はこの『ツイド王国』の第23代————うごっ!?」

 

『国王様…!?』

 

 だが、国王の言葉は最後まで述べられることはなかった。なぜなら、アルベドが手に持っていた漆黒の戦斧の側面にて、国王の顔面を殴ったからだ。

アルベドの持つ戦斧は、彼女と同じくらいの大きさのため彼女の細腕ではとても振り回せるものではないと思うが、実際はその武器にて多くの海賊や海兵などを殺して来ている。

 

普通なら顔がひしゃげるか首から上が飛んでいったりするものだが、国王は死ぬこともなく痛みに悶えている。それはアルベドがかなり手加減して殴ったために死なずに済んだのだ。

ただ、手加減していても歯の何本かが折れていたりするのだが、アルベドは気にしない。なぜなら彼女からしてみれば『死にさえしなければ』、何をしてもいいのだから。

 

 そうして殴られたことで蹲った国王に対し、アルベドは戦斧の刃を彼の首に当てながら言葉を発した。

 

「うぐぐ……っ」

 

「うるさいわね。貴方が王だろうと何だろうと関係ない。プロメテウス様を裏切れば、誰であろうと死ぬしかないのよ…!!」

 

『っ!?』

 

 アルベドは王族たちからの文句を一瞥すると、彼等に向けて殺気を込めた【覇王色】を放った。

【覇王色】とは数百万人に一人という割合でしか現れない【覇気】の一つであり、相手を気絶させたり、纏うことで攻撃力を上げたりすることの出来るものである。

アルベドは【覇王色】の持ち主であり、それを特定の方向に放つことが出来るほど扱いなれている。通常であればアルベドほどの実力者の【覇王色】を受ければ、常人でしかない王族たちは気絶を免れないはずである。

 

 ではなぜそうならないのかというと、それはアルベドが手加減をして放ったからだ。アルベドたちからすれば王族たちが騒ごうが暴れようが自分たちから逃げられることはないので無視してもよいが、彼女としては現在の自分たちの‶立場″も分からずにプロメテウスのことを裏切ったクズ共が好き勝手叫んでいることがストレスであったため、黙らせるために行ったのだ。

 

 因みにアルベドが言う‶裏切り″というのは、『ツイド王国』が100年程前から現在まで続けていた狂帝海賊団との‶貿易″を一方的に破棄してしまったことだ。

 実は『ツイド王国』は、100年ほど前は現在のような強国ではなく、むしろ世界政府の中では弱い部類の国であった。ではなぜ現在は有数の強国となれたのかというと、それは狂帝海賊団との‶貿易″によって武器や人員、食料を供給してもらえたからだ。即ちそれは狂帝海賊団がいなければ、今の『ツイド王国』はなかったと言うことであり、本来なら狂帝海賊団に対して恩があるはずなのだ。

 ではなぜ‶貿易″を止めたのかというと、それは現在国王の地位に付いている男が、『ここまで国は大きくなったし、世界政府の後ろ盾もあるのだから狂帝海賊団と組むのはもう止めよう』と思い、ほぼ独断で臣下たちの意見も聞かぬまま決断してしまったのだ。国王である男としては、今後の王国の更なる繁栄のためにも『海賊との貿易』という後ろ暗い過去を断ち切る必要があると思い行動したのだ。

 まぁ、現実はそれの所為で王国は滅ぶこととなったのだから、なんとも皮肉な事である。

 

 

 

 

 

 ——場面を戻そう。

 

 

 

 アルベドの思惑は成功したようで、彼女から放たれる威圧感に先程まで顔を真っ赤にして喚き散らしていた王族たちは、今ではそれが嘘かの様に静かになり顔を真っ青に染めてブルブルと怯えてしまっていた。

 

 彼らは理解してしまったのだ。怒らせてはいけない虎の尾を踏んでしまったことを。今や自分たちは‶狩る側″ではなく‶狩られる側″であることを。

 

「あ……ああ………っ」

 

「うふふふふっ。ようやく自分の‶立場″ってものが理解できたようね。…でも安心なさい。プロメテウス様は貴方たちを殺さぬようにお命じなされた。その慈悲に感謝しなさい」

 

 アルベドはようやく己が立場を理解した彼らの状況に笑みを浮かべた。それは万人を魅了するほどの破壊力があるが、今の王族たちにとってはそれすらも恐怖をあおる材料でしかない。

 

 そんな彼らに向けてアルベドは安心させるように今彼らが望んでいるであろう言葉を発した。

 王族たちは最初アルベドの言っていることが分からなかったが、少しすると言葉の意味を理解できたようで、彼等の内の一人が恐る恐ると彼女に対して先程の発言が事実かを問うた。

 

「ほ、本当か……!?」

 

 生きられると聞こえて、生への執着が強くなったのか縋るように聞いて来る王族たちに対してアルベドは肯定の言葉を発した。

 

「……ええ、本当よ。王族は、皆生かせとおっしゃられたわ———」

 

 それを聞けた王族たちは、まだアルベドが話している最中にもかかわらず喜色を露わにする。

 だがそれも当然であろう。先程まではもう死ぬしかないと絶望していたのだから、生きられると知れば喜んでしまうのは当たり前であろう。

 

 

 

 

 

 

 ——それが‶ぬか喜び″であることを知らずに。

 

 

 生きれると喜び安心しきっている王族たちに、アルベドは続きの言葉を発した。

 

 彼等にとっては、‶絶望″なことを。

 

 

 

「——‶材料″として、活用するためにね♪」

 

『…………えっ?』

 

 アルベドの口から出た『材料』という言葉を聞き、喜色に溢れていた内心はどんどん先程の様に不安へと傾いて行った。

 少しすると先頭にいる王が、アルベドに対して『材料』という言葉の意味を問うた。

 

「ざい、りょう……だと…?」

 

「ええそうよ、‶材料″。ちょうど魔獣たちの『食料』と武器製造のための『皮』が不足気味だったの。プロメテウス様の慈悲に感謝するのよ。塵クズ以下の何ら価値もない貴方たちに、あの御方が『材料』としての価値を見いだしてくれたのだから」

 

 王からの問いに狂気を込めた笑みを浮かべながら、『材料』という言葉の意味を述べたアルベド。王族たちはそれを聞くと、再び顔が真っ青になる。後半の『皮』というのはよくわからないが、前半の『魔獣の食料』というのの意味はしっかりと理解できていた。

 そしてアルベドから魔獣という言葉から、無意識的に彼女の後ろにいる‶化け物″のことを見てしまう。

 

 するとタイミングよく今回連れてきていてアルベドの後ろに待機していた魔獣たちが、涎をポタポタと垂らしながら呻き声を上げたことで、彼等は悲鳴を上げてパニックを起こしてしまう。

 

『グルルルル……!』

 

「ひっ、ヒィィィィィィィ!!??」

 

「いっ、嫌だぁああああああ!! ば、化物の餌になるなんてぇぇぇぇ!?」

 

「お、お願い助けて! 何でも、何でもするから…っ!?」

 

 何人かはアルベドや周りの配下たちに対して命乞いを始めているが、アルベドは勿論のこと配下たちもそんなことを聞き入れることはない。

 

 アルベドはそんな彼らを後目にアルベドはその場を後にしようとしたが、それは邪魔されることとなった。

 国王——いや元国王の男が、アルベドの足を掴んだからだ。

 

 アルベドが男に足を掴まれたことで彼女の配下たちは顔を青くし、本人は目を見開いて男の顔を見ている。その目には見て分かるほどの怒りが込められている。

 

 しかし、男はパニックであるためにアルベドや周りの彼女の配下の顔色に気付くことが出来ずに、命乞いの言葉を口にしている。

 

「た、頼む…っ! 助けてくれぇ!! あの時のことは謝る!! 私にできるどんなことだってやる! だから———ごばっ!?」

 

「——私の身体に触れてんじゃないわよッ!!!!」

 

 アルベドは顔を真っ赤にして男の身体を今度は手加減せずに殴り飛ばした後に、そう叫んだ。それは先ほどの【覇王色】などお遊びとしか思えない程の殺気であり、王族たちは全員気絶(王は除く)し、アルベドの仲間であるはずの配下たちでさえ恐怖で震えてたりしている。

 

 だがそれを放った本人はというと、そんな周りのことに気が付かない程怒り狂っているようで、先程の一撃で既に重症な王に対して何度も戦斧で殴りつけている。

 

「ごほっ! ぐべぇ! ん゙がっ! ごえっ!?」

 

「私の! 身体に! 男で! 触れて! いいのは! プロメテウス様だけよ!! 薄汚い家畜の分際で、触れるんじゃないわよ!!?」

 

「あ、あのアルベド様! それ以上は死んでしまいます…!? 殺すのはプロメテウス様の命に反してしまいます……っ!!」

 

「!!」

 

 そんな怒り狂うアルベドを止めたのは、配下の中で真っ先に正気に戻ったユリであった。彼女はあのままだと王を殺してしまうと思い、今の状態のアルベドを止めるために有効な男の名前を使いながら彼女を羽交い絞めにして説得したのだ。

 

 それは成功したようで、ユリがそう告げるとアルベドは王を殴るのを止めた。男の方も顔がブドウの様に赤黒く腫れあがっているが、生きてさえいれば問題ないのでユリは気にしなかった。

そしてアルベドはというと、未だ興奮した状態ではあるがゆっくりと深呼吸をしており、そうしていくことでだんだんと平常心を取り戻していった。

 

「…………ふぅ。そうね……危うく御方のご命令に背いてしまうところだったわ。ありがとうね、ユリ」

 

「い、いえ…配下として当然のことです」

 

 アルベドは自身を止めてくれたユリに対して感謝を述べた。もしも自分があのままであれば任務は失敗となり、彼女が全てを捧げる主からの信用を下げてしまうところだったからだ。

 そんなアルベドからの感謝の言葉にユリは、表面上はいつも通り冷静そうにしているが、返しの言葉には未だ先程までの彼女の恐怖心が残っていたようで震えてしまっていた。

 

 しかし、メイドとしてのプライドなのか、内心に手その恐怖心を振り払うと、今度は声尾を震わせずにアルベドに話しかけた。

 

「この‶家畜″たちと死体の搬送は私の方で行いますので、アルベド様はプロメテウス様の元へご報告に行ってくださいませ」

 

「! ——そうね! 報告は大事だものね! 情報に差異があってはいけないから‶直接″、会いに行くのは普通のことよね!?」

 

「は、はい…」

 

 ユリがそう言うと、アルベドの表情が先程の怒りが嘘かの様に喜色に溢れた。

 

 ユリがそう提案したのは、今のアルベドの精神状態だと搬送の途中にも問題が起きかねないため、それを防ぐためのものである。しかも、これはアルベドにとっても愛しの主に会いに行けるというメリットがあるため、両者にとって得のある提案であった。

 

 アルベドは顔を綻ばせながらユリからの提案に了承すると、‶直接″報告行った方がいいよなと、彼女に対して顔をぐっと近づけて同調を促した。

 ユリはアルベドからの同調圧力に押されてややひるみながらも「はい」と返事を返したことで、アルベドは満足げにうんうんと頷いた。

 

「(ああ……っ/// 愛しのプロメテウス様っ❤ 貴方様の忠実な僕、アルベドが今参りまする……❤) ——それではユリ。頼んだわよ」

 

「はい、畏まりました。アルベド様」

 

 アルベドはユリにそう言うと、背中に生えている漆黒の翼を動かして空中に浮かぶと、愛しの主がいる本拠地の方角へ向けて高速で飛び去って行った。

 

 ユリはアルベドがいなくなると、自分と同じく残った配下たちや部下たちの指揮を取っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ————‶新世界″ ブルムンド島。

 

 

 

 

 そこは『五皇』である【狂帝海賊団】の本拠地であり、新世界においては知らない者はいないと言ってもいいほど有名な島である。そして、その島の中央には豪華な巨城が建てられていて、そこには海賊団の総督である男とそれに仕える配下たちが住んでいる場所であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んぎぃ❤❤❤❤!? ん゙おっ❤❤❤❤ ひぐっ❤❤❤❤」

 

「カハハハハハハハ! いいぞォ、もっと喘げ! もっと俺を楽しませろ…!」

 

 その城の一室のベッドにて裸の男女が、行為——所謂セックスを行っていた。

 ベッドの上にて四つん這いになっている女に覆いかぶさるようにバックから攻める男。その激しさゆえか『パンッパンッ』と身体がぶつかる音と、『グジュ』と男のペニスが女のマンコを攻め立てる水音が部屋に響き渡っている。さながらその性交はもはや、『獣の交尾』といっても差し支えないものであろう。

 

「オラッ! そろそろ射精すぞ! しっかりマンコ締めて受け止めろよ、メイっ!?」

 

「んひぃっ❤❤❤❤!? んんぐっ❤❤❤❤!? ひっぎぃぃぃいいいいいいいいいいいっ❤❤❤❤!?(ああっ、プロメテウス様のオチンポ様が…膨れて来てるぅ…❤❤❤❤ またぁ、子宮内射精ぃ…されちゃうぅぅぅ…っ❤❤❤❤)」

 

 そして女に腰を激しく打ち付けていた男の方がどうやら限界が近いようで、女に対して射精することを告げた。女の方は男のペニスによって数えきれないほど絶頂させられ、何十回と射精されていたことで頭が完全に蕩けてしまっていて男の言葉は届いていなかったが、自身の身体の中に突き刺さっている男の剛直が再び膨れてきていることから射精が行われるのだと理解してした。

 

 そう理解したことからか女の方はマンコを更に締め付けて、男のペニスを刺激して射精を促してくる。それがトドメとなったようで、男はペニスを女の最奥まで突き入れるとそのまま射精をした。

 

「オラッ! 受け取れ……っ!!」

 

「ん゙んん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っっっ❤❤❤❤❤❤!!??」

 

 男のペニスから大量の精液が女の子宮内へと放出されていく。ほんの数秒経っただけでも女子宮内が満タンとなるが、それでもなお射精の勢いは衰えずに入りきらなかった精液が接合部からドボドボと溢れ出てきている。

 男の精液は、量はさることながら濃度も粘着力もすさまじく、まるでそれはゼリーの様であり射精されたら受精は間違いないと思える程である。

 

 射精された女からすれば、子宮内から感じ取れる男の精液の温度はまるでマグマの如く熱く、その熱と快感によって文字通り思考が溶けてしまいそうであった。

 

「あ゙ぁ…っ❤❤❤ ん゙……っ❤❤❤(ああ………❤❤❤ プロメテウス様の、貴重な子種が…私の子宮にぃ……っ❤❤❤ こんなの…しあわせすぎるぅ~~~っ❤❤❤)」

 

「カハハハハハハハ。よく射精たぜ…!」

 

 数分してようやく射精が治まったようで、男は女のマンコから自身のペニスを引き抜いた。するとまるで放流時のダムの様に精液が逆流して外へと溢れ出していった。美人な音が腰をビクビクとされながらマンコから精液を垂れ流している光景は、見ているだけでも男の性欲を否応にも刺激してしまうであろう。

 そしてその光景を造った張本人の方はというと、これまで何十回と射精を行っているのにもかかわらず、ペニスの硬さは衰え知らずのようで未だに反り返っている。

 

「はぁ……❤❤❤ はぁ……❤❤❤ お掃除、いたしますね……❤❤❤ ——んむっ❤❤❤ れろっ❤❤❤ んろろろっ❤❤❤」

 

 美女は射精の余韻から少しは回復したようで、身体を置き上げて顔を未だに硬さを保つ男のペニスに近づけると、それに舌を延ばしてお掃除フェラを始める。

 舌をピッタリと密着させながらペニスにこびり付いた愛液や精液を啜り取っている。しかしその動作は数時間前のものと比べると、緩慢で精度が落ちていると言わざるをえない。それはフェラを受けている男も理解していることであった。

 

「んじゅるるるる……っ❤❤❤ ——ぷはぁ…っ❤❤❤ んはぁ……っ❤❤❤ はぁ……❤❤❤」

 

「…ちょいと休憩とするか」

 

 美女がお掃除フェラを終えたのを見ると、彼女に対して今日右傾することを述べた男。その男からの言葉に、女は困惑の声を上げた。

 

「で、でもよろしいのですか? まだオチンポ様もこんなにガチガチですのに…」

 

「お前がもう限界じゃねぇかよ。別に続けてもいいが、今日はたっぷりと愛し合いたい気分だからよォ。お前がダウンしたら意味ねぇだろ」

 

「っ❤❤❤ プロメテウス様……❤❤❤」

 

 女はプロメテウスからの自分を気遣う言葉を聞くと、それならば断わるのは返って失礼に当たると知っているため、素直に有形の提案を受け入れた。

 

抱き合うようにして寝転がった2人。ベッドのいたるところには愛液やゼリー状の精液が飛び散っており、それだけで2人の行為がどれほど激しいものであったかは一目瞭然である。

 

 長い茶髪の美女——メイは男に甘えるように自らの魅惑的な身体を押し付ける。

彼女は新世界では一般市民や海兵だけでなく海賊からも恐れられており、知らぬ者はいないと言われるほどの大海賊である。

 

 

      『 五皇 狂帝海賊団 

    【十二狂典 第八席】 ‶溶海″ メイ

       懸賞金 6億1500万ベリー 』

 

 

 

 だが、そんな彼女も現在は目の前にいる男に媚びるようにくっ付いている。もし、彼女の戦闘時の姿を知っている者が現在の彼女の姿を見たら仰天することは間違いないだろう。

 ただ、狂帝海賊団に所属している者たちにとっては、その光景は何ら不思議なものではなかった。

 

 なぜなら———

 

 

 

 

 

「お前のマンコは相変わらず熱々で最高だったぜェ……! メイ♪」

 

「んふふふふっ❤ プロメテウス様に悦んでいただき、恐縮です❤」

 

 

 ———この男は唯一彼女が認める上の存在であり、彼女が所属している狂帝海賊団の総督、プロメテウス・バーキュラー本人であるからだ。

 

 

 

     『 五皇 狂帝海賊団 【総督】

    ‶狂帝″ プロメテウス・バーキュラー

      懸賞金 60億9510万ベリー 』

 

 

 

 

「もうお前とは何十年もの付き合いだなァ。あの頃の怯えていたガキが、こんなにイイ女になるとは……カハハハハハハハ。時間ってのは面白れェもんだ」

 

「~~~っ❤❤ そんなぁ…‶イイ女″、だなんて……っ❤❤❤」

 

 別にプロメテウスは昔のことをふと思い出しただけであって褒めたわけではないのだが、メイにとっては彼から‶イイ女″と言われることはとても栄誉なことなことなのである。

 

 そんな風に、昨夜から先程まで何十時間もの間交わり続けていた二人がピロートークに花を咲かせていると、ドアをノックする音が聞こえてきた。

 プロメテウスが入れと言うと、メイド服を着た女が入って来た。彼女は狂帝海賊団の船員兼メイドであり、プロメテウスに対して報告があるためこうして部屋までやって来たのだ。

 

「…失礼いたします。アラバスタ王国に忍ばせた密偵から連絡がありましたので、ご報告に参りました」

 

 メイドの彼女がそう言うと、プロメテウスは目つきを変えた。その表情は女と遊んでいる時の雄としてものではなく、数十万にも及ぶ海賊たちを束ねる狂帝海賊団の【総督】としてのものであった。

 

「アラバスタから? 何だァ、もうあの砂ワニ小僧が国盗りしやがったのかァ? それとも失敗したかァ? カハハハハハハハ」

 

 プロメテウスはアラバスタにて‶七武海″サー・クロコダイルが、『国盗り』を行おうとしているのを自身が所有する【諜報組織‶ぬえ″】から報告で以前から知っており、クロコダイルに何か動きがあれば報告するように命令していたのだ。

 

 プロメテウスとしては、クロコダイルの計画が成功しようと失敗しようと面白い展開になると踏んでいた。そのため彼は笑みを浮かべて楽しそうにしながらメイドにどうなったのかを尋ねた。

 

 問われたメイドは、結果について淡々とプロメテウスに答えた。

 

「…どうやら‶七武海″サー・クロコダイルの国盗りは失敗したようです」

 

「……そうか。それで、誰があいつを倒したんだァ? 海軍か? ‶CP/サイファーポール″か? それとも大穴でアラバスタの国軍かァ?」

 

 メイドから聞かされた結果に、少々がっかりしてしまったプロメテウス。

どちらにしても面白いことになるとは思っていても、プロメテウスは少なからず‶計略家″であるクロコダイルのことを評価していたため、10年以上かけた計画が成功させることを期待していたのだ。だが結果としては‶失敗″。プロメテウスとしては、何だか裏切られた気分となった。

 

 プロメテウスは内心の期待外れ感を一回横に置いておくことにし、今度は『誰』がクロコダイルの計画を阻止したのかが気になったためメイドに問いかけた。

 

 プロメテウスとしては、十中八九『海軍』か『CP』の仕業だと思っている。彼等だって無能ではないため、クロコダイルが何かを企んでいることぐらいは予想していると思っているため、そう当たりを付けていた。最後に関しては『もしそうなら面白いな』という、冗談が多分に入っているものであり、内心では有り得ないと自分で言いながらも確信していた。

 

 しかし、プロメテウスの予想は、良い意味で外れることとなった。

 

「いえ、どちらでもなく海賊に敗れたと言っておりました」

 

「! ……ほぅ~、それはどういうことだァ?」

 

 メイドからの予想外の答えに目を見開いたプロメテウス。しかし、それは一瞬のことであり、直ぐに目を細めるとその海賊のことについて続きを促す。その目の中には、先程の失望感とは違ったワクワクと楽しそうな雰囲気が感じ取れた。

 

「どうやら【麦わらの一味】という船員が7人だけの海賊にやられたようです。船長の首には3000万ベリーの懸賞金が掛かっているとのこと」

 

「麦わらァ~? 聞いたことがねぇなァ……名前は?」

 

 『麦わら』という言葉に、プロメテウスは‶偉大なる航路/グランドライン″前半での有名な海賊たちのことを脳内にて次々と挙げていくが、そのどれもが『麦わら』という異名を持っていない事を確認した彼は、‶超新星/ルーキー″かと当たりを付けてその人物の名前を聞いた。

 

「……船長の名前は————『モンキー・D・ルフィ』、とのことです」

 

 相手の名前を聞いたプロメテウスは、同じく『モンキー・D』の名を持つ者のことを思い出すと、大声を上げて笑い出した。

 

「モンキー……ガープの家系か! カハハハハハハハ! なるほどそれなら納得がいく!しかし、いくらあの野郎の家系でも、懸賞金3000万の奴があのクロコダイルを倒したわけだ!? カハハハハハハハ!! 

 

 

 

 

 

 ————最高に面白れぇじゃねェかァ……!!」

 

 

 プロメテウスの様子を見ていたメイドとメイは、驚きを隠せないでいた。なぜなら、自分たちの主であるプロメテウスが、ここまで楽しそうにしている様子を見るのは数年ぶりであったからだ。

 

 しかし、当の本人であるプロメテウスは2人が驚いていることなど気にせずに、メイドに対して『麦わらの一味』について調べるように命令を出した。

 

「おい! その【麦わらの一味】について調べろ! 船長のことは勿論、クルーの経歴や家族、故郷、出身、何でもだ!」

 

「畏まりました」

 

 メイドがそう返すと、プロメテウスは調査の結果でどんな報告がされるのかと、今からでもそのことを楽しくて仕方ないのか笑みを浮かべている。

 

 すると、メイドが退出しようとした時に、再びドアがノックされ声が聞こえてきた。メイドが少し扉を開けると、そこには同じメイド服を着た女の姿があり、部屋を出ようとしたメイドに何かを話すと、部屋に入ることなく下がっていった。

 

 そして退出しようとしたメイドは、再びプロメテウスの方へ顔を向けるとたった今同僚から聞かされた内容をそのまま彼へと話した。

 

「…プロメテウス様。どうやらアルベド様が帰還なさり、プロメテウス様への謁見を求めているとのことです」

 

「アルベドが…? 頼んでいた件がもう終わったのか。……わかった、ここに来るように伝えろ」

 

「かしこまりました」

 

 そうプロメテウスが返事をしたのを聞くと、今度こそメイドは部屋を後にした。

 

 そして暫くすると、再び部屋のドアが開いた。普通ならプロメテウスの許可なく彼の私室に入ることなどは許されないが、彼やメイは【見聞色】によって扉越しでも‶気配″から相手が誰なのかが分かったため、そのことに何か言ったりはしない。

 

 部屋に入って来たのは、先程メイドから話のあったアルベドであった。彼女は部屋に入ってベッドの前まで来ると、その場で跪いてプロメテウスに対して帰還の挨拶をした。

 

「…プロメテウス様。【十二狂典 第三席】アルベド。ただいま帰還いたしました」

 

「おう、ご苦労だったなアルベド。こんな早く終わらせてくるとは、やはりお前は優秀だなァ。カハハハハハハハ」

 

「…お褒めの言葉、恐縮にございます(いよっしゃぁ~~~~~~~!! プロメテウス様に褒められたーーー!!)」

 

 プロメテウスからの労いと称賛の言葉にアルベドは表情では平静を装っているが、内心では彼に褒められたことに舞い踊りそうなほど気分が高ぶっていた。

 

 そんなアルベドの内心を知らないプロメテウスは、彼女のことは信頼しているが念のために任務がどうなったのかを問うた。

 

「ちゃ~んと王族どもは『生け捕り』にしたよなァ? あいつらには生き地獄を味わってもらわなきゃいけねぇんだからよォ…!」

 

「ご心配には及びません。ご命令通り生け捕りにしておりますので」

 

 アルベドから問題ないとの言葉を聞くと、プロメテウスは安心したようで「よくやった」と言いながら笑みを浮かべた。

 報告自体はもう済んだので普通なら部屋を退出するのが正しいのだが、アルベドはそうしようとはせずに顔を少々赤くさせながら2人のことを見つめている。その目にはどこか女としての‶期待″が込められていた。

 

 それに真っ先に気が付いたのは、同じ女性であるメイであった。そしてメイは、そのアルベドから視線を受けて良いことが思いついたようで、隣にいるプロメテウスに話しかけた。

 

「プロメテウス様、少々よろしいでしょうか?」

 

「ああ? どうしたメイ」

 

 プロメテウスは唐突に話しかけて来たメイを不思議に思ったが、彼女が自分に対してメリットのない話をしないことを知っているため、彼女の話の続きを促した。

 

「はい、実はこの後の続きをアルベド様に代わっていただきたく思いまして」

 

「!」

 

「……なぜだ?」

 

 メイがそう言うと、アルベドは下げていた顔を勢いよく上げ、期待を込めた目線でプロメテウスのことを見つめる。プロメテウスはなぜそのことを言うのかと、彼女に発言の理由を問うた。プロメテウスとしては別にアルベドとセックスする子は何も問題はないが、メイがわざわざ譲る理由が分からなかったからだ。

 

 問われたメイは、プロメテウスに訳を話していった。

 

「私は先程までの疲れがまだ取れていません。そんな状態でプロメテウス様の奉仕はできませぬ。それに……任務を成功為されたアルベド様に、‶ご褒美″を授けてあげるべきでは?」

 

 話を聞いたプロメテウスは、メイからの理由に納得してそれならばそれを拒否する理由はないと思い、彼女からの提案を受け入れることにした。それに彼からしても、ここ最近色々と任務を負かせていたアルベドに対して、何か褒美をやりたいとは常々思っていたのだ。

 

「良いだろう。お前は構わないか、アルベド?」

 

「はいっ! まっったく、構いませんわ!!」

 

 アルベドからしては愛しの主と久しぶりに愛し合うことが出来るのであらば断わるなんて選択肢はなく、プロメテウスからの問いににべもなく是非にと答えた。

 

 プロメテウスとアルベドの返事に笑みを浮かべたメイは、ベッドの傍らにあるナイトテーブルに置いてあったバスローブを羽織ると、退出する旨を告げた。

 

「それでは私はお風呂にて汚れを落としてまいりますので、これで失礼します(アルベド様、楽しんでくださいませ♪)」

 

「(! メイ! 貴女本っ当に最高…!!) ええ、またねメイ」

 

 メイは部屋から出ていくためにアルベドの横を通った時に目線にて楽しむようにと伝えており、それが理解できたアルベドも彼女に対して感謝の意を述べた。

 

 そうしてメイが部屋から退出するのを見送ったプロメテウスは、扉から目線をずらしてアルベドを捉えると、ベッドに上がるように言った。

 

「ベッドに上がれ、アルベド」

 

「——はいっ❤❤❤」

 

 アルベドはそうプロメテウスに命令されると、嬉々として行動を始める。まずは自身が来ている純白のドレスを脱ぎ捨てた。その下には下着を付けていなかったためか直ぐに彼女の女神の如き白く美しい肢体が露わになった。それは‶海賊女帝″と言われる世界一美しい海賊にも引けを取らないもので、そこらの男であればそれを見ただけでも襲い掛かりそうになるであろう。まぁ、アルベドのその魅惑に満ちた裸体を見せるのはこの世でたった一人と決めているため、そのようなことは永遠に起りえないことではあるが。

 

 そうしてドレスを脱いだアルベドはベッドに上がると、四つん這いにプロメテウスへと近づき自身の豊満な胸を彼の胸板に押し当てながら宣言をした。

 

「それではこれから先は、このアルベドが続きを行わせていただきます❤❤❤ 私の身体を隅々まで味わって、楽しんでくださいっ❤❤❤」

 

「ああ、よろしく頼むぜ。アルベド♪ 子宮にたっぷりと射精してやるからよォ…!」

 

「~~~っ❤❤❤ はい❤❤❤ アルベドの子宮に、お情けをください❤❤❤」

 

 そうアルベドが言い終わると、2人の影が重なった。

 

 

 

 そして、その部屋から再び嬌声が響き渡ることとなり、それは数十時間にまで及ぶこととなるのだった。

 

 

 

 

 

 

 





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