偶に愛が重くなるまぞくと、愛されてる男のまちカド物語 R-18パート 作:名無しのモンスター
原作:まちカドまぞく
タグ:R-18 オリ主 神様転生 転生 クロスオーバー メインはシャミ子 微ヤンデレ ♡喘ぎ パイズリ 駄文 感想募集 亀更新
本編よりも更新がすごく遅い気まぐれ作品となりますが、温かい目といやらしい目で見てやってください。
主にシャミ子とオリ主の平地白哉くんがメインとなりますが、偶に他のオリキャラと原作キャラがエッチする場面も書くと思うので、そこそこ期待しながら読んでください。
あと、本格的なR-18の描写は初めてなので、その場面ではR-18作品を投稿した様々な作者の描写を参考にしております。なので描写のクオリティの落差が生じる件についてはご了承の程よろしくお願いします。
本編↓
https://syosetu.org/novel/298708/
記念すべき第一回目は、本編の『転生者・平地白哉と、彼に恋するまぞく・シャドウミストレス優子』の後日談と、『転生者とまぞくが結ばれた、翌日の話。その日はいつもより爽やかだった。』の前日談となっております。これら二話を読んでからだと数倍楽しめる……のか?
白哉くん(オリ主)とシャミ子の初セックス回、始まるよ‼︎
季節特有の蒸し暑さがありながらも、その暑さを涼しい風が程良く中和させている時間帯となった、夏の夜。
蟋蟀の鳴く声が優しく響くこの時間帯の、激安アパート『ばんだ荘』のとある一部屋にて、天井の電球の淡い光が部屋を薄暗く照らしている中、二人の男女が一枚の敷き布団の上で正座して向かい合っていた。
男性の方は平地白哉。雨による事故から知らぬ内に輪廻転生の神から特殊能力を受け取ってこの世界に転生してきた、元サラリーマンの高校生である。金色の瞳をした吊り目を持った、形相も俳優並みに優れている顔立ち。髪は濃い紫色のメッシュ付きで、ハーフアップした肩まである長い銀髪を結っている。
彼の服装は黒い短パンに銀色の線が入ったフード付きの白のノースリーブで青い襟に白い線が入っているジャケットという、何処ぞの捻じれ歪んだ不思議な世界で学園生活を送るアドベンチャーゲームのキャラクターの色違い衣装をしている。
女性の方は吉田優子。先祖返りにより魔族となったため、活動名としてシャドウミストレス優子、あだ名としてシャミ子となっている。茶髪でクセ毛のロングヘアに大きな羊の巻き角がついており、尖端がハート型になっている長く黒い尻尾が尾てい骨から生えている。
彼女の服装は腹・脇・膝に布面積がかかっておらず、上半身は藍色のアーマー風ビキニとなっており、下半身は藍色のマントとガーターベルトが付いているのに藍色の大人の女性なパンツが丸見えという、サキュバスをイメージした露出度の高すぎる衣装となっている。
二人は幼馴染。病院にて白哉が気まぐれな思考でシャミ子と出会ったことで二人は仲良くなり、それと同時に彼の優しさにシャミ子は惹かれ、好意を抱くようになる。
そして数年が経つに連れてシャミ子の白哉への愛情が強くなり、それを危惧した彼女は本人に『自分がもし暴走しそうになったら止めてほしい』と告げる。
高校生になってからシャミ子が先祖返りで魔族となり、彼女の宿敵でもあり親友ともなる魔法少女との出逢いを中心とした様々な非日常の出来事を経験していき……
やがては、シャミ子が自身の記憶を夢魔の力で探ることがきっかけとなり、お互いがお互いに対する想いに改めて向き合い、白哉が告白。それに感涙したシャミ子が了承。二人は交際に発展するようになった。
そして……
「い、いざ始めるとなると、やっぱり緊張しちまうなこれ……」
「そ、そうですね。お互い初めてですし……」
二人は緊張と羞恥によって、お互いに顔が耳まで真っ赤になっており、顔を合わせられないのかお互い俯いた状態になっている。それは何故か。
お互いの今の格好が見るに堪えないからなのか? シャミ子は自他共に肌の露出度が高すぎるが故、不審者と思われても仕方がない格好をしているため、目のやり場に困るものがある……が、否。
白哉もそこそこ肌を露出しているとはいえ、それは腕しか露出していない。シャミ子にとっては、好きな人の鍛えられた筋肉が引き締まった細身の腕などを見るといつもの妄想癖が出てしまうものなのだが。
単純にお互いに顔を見合わせること自体が緊張と羞恥を走らされているからなのか? 否。それならば二人が交際することは先延ばしされている可能性が高い。ましてや片方が均衡を保ちながら会話することもままなっていないだろう。
ならば何故二人は現在のような状況となっているのか。(始めたばかりだが)交際している故に互いの関係性は深い。その中で挙げられる理由が一つ存在する。
「……優子」
「は、はいっ⁉︎」
「ふ……不束者ですが、よろしくお願いします……」
「ッ……‼︎ こ、こ、こちらこそ……よ、よっ……よろしくお願いします……‼︎」
愛撫。新婚でいう初夜と同じもの……ばっさりと言えば性行為。二人はこの後その行為を行うため、それによる緊張が走らされているのだ。
おっと、ここで一部分だけ訂正させていただこう。行うことになったのではない、行わざるを得なくなってしまったのだ。強制。絶対。白哉とシャミ子はこの行為を必ず達成させなければならなくなってしまっているのだ。
何故これから行う行為が絶対必須とされているのか、時を数時間前に遡るとしよう。
♢
それは夕刻。白哉が告白をし、シャミ子が嬉し泣きしながら了承、そして愛を分かち合うキスを行った数分後のことである。白哉はシャミ子に彼女の先祖──リリスの魂が封印されている像を取りに戻ってもらった後、目のの前で一つ深呼吸をし、引き締めた顔で口を開いた。
「お前にはもう一つ、知ってもらわないといけない真実を言っておかないとな」
「へっ? びゃ、白哉さんが転生者であることの他にも、私が知らないといけないことって……?」
「………………リリスさん、説明をお願いできますか?」
白哉はそう言ってシャミ子の持つ像──ごせん像の中にいるリリスに問いかける。シャミ子も一体なんなのだと、自分が両手で抱えているごせん像を見下ろした。リリスはとあるまぐれによって、封印されている状態でも喋れるようになっているのだ。
『へっ? 何故余が説明せねばならぬのだ? ここは白哉、おぬしが説明しても問題なかろうに……』
「貴方と優子の一族のことは、貴方の口から言ってもらわないといけません。そうじゃないとさすがの優子も信じてもらえないでしょうから」
『ぬ、ぬぅ……』
リリスが何かしらの解説を白哉に任せようとするも、シャミ子の真実に対する信憑性を高めるためだという彼の所以に押され、諦めを見せたかのように一つ溜息をついた。
『………………ハァ、仕方ない。シャミ子にはずっと黙ってしまってあの時あぁなったのだからな、確かにこれは余が直々に説明せねばならんな』
「えっと……すみません白哉さん、ごせんぞ。説明って、私に何を教えようとしているのですか?」
話が追いついていないのか、戸惑いながら二人にそう問いかけるシャミ子。そんな今二人が話している話題についていけてない彼女を見て、白哉とリリスは顔を見合わせ、何か通じ合ったのか互いに頷きだした(リリスは像であるため首を動かせないが『うむ』とは言っているので頷いていることは確か)
そしてリリスがシャミ子の問いかけに答えんと、その口を開く(リリスは像であるため口を動かせないがry)
『シャミ子よ……別に責めるつもりはないのだが、お主の行動によって、とある行為と白哉と共に行わなければならなくなったのだ。それを余の口から直々に説明せねばならん。余やお主らの一族にとって大事な行為の一つとなっているのだからな』
「私達の一族にとって、大事な行為……?」
シャミ子はそう言って首を傾げる。
彼女は未だ完全に魔族──夢魔の一族の事についてをリリスから全て聞いたわけではない。しかもその内の一つ──白哉がリリスに明かした方がいいと促されたこと──を今まで隠されている。それ故に、シャミ子は先祖返りしてから三ヶ月前後しか経ってないのだ。
結論。シャミ子が一族に関する情報に対して疎い反応をするのも無理はないということ。まだまだ魔族としては成長期なのだ。だからこそ、魔族に関することを隠してはいけなかったのだ。
これまで隠していた、魔族に関するとある情報。それを子孫に伝えるために、リリスは再び一つ深呼吸。そしてシャミ子と視線を合わせ、再びその口を開く(リリスは像ry)
『単刀直入に言おう……シャミ子よ、白哉と直接抱き合うのだ』
「………………え? はい?」
シャミ子はしばらく硬直し、呆けた声を上げる。彼女にとっては聞き捨てにならない言葉が聞こえてきたためか、それが聞こえたのを信じられないのか、顔を林檎のように真っ赤にし……
「なぁぁぁっ⁉︎ な、な、なんで⁉︎ なんでびゃあああああああああッ⁉︎」
呂律が回らなくなるほどに困惑し、両手に顔を添えながら、何処ぞの作画崩壊してしまう癖のある元ぼっちの凄腕ソロギタリストの如く発狂しだした。そうなってしまうのも無理もない。
シャミ子は小学生の頃から白哉に好意を寄せてきた。彼に対する己の愛の重さを自覚してからはその事を本人に明かし、自身もその愛が行き過ぎた方向に向かわないようにすると誓い、その想いを大事に今まで過ごしてきた。
だがしかし、リリスからの指示によって、その想いを互いにぶつけ合い、愛し合う行為を行わなければならなくなった。それも抱き合う……体と体を密着させ合うという行為によって。その意味を理解し、シャミ子は発狂しだしたのだ。
「な、何故⁉︎ 何故そのようなことをしなければ⁉︎ いや、私もそういったことは白哉さんと一緒にやりたいとは思ってますが……じゃなくてェ⁉︎ ど、どうしてそれを今やらないといけないのですか⁉︎ あっ、でもそれでさらに白哉さんと結ばれるなら……あっ⁉︎ けどやっぱり……」
「お、落ち着け‼︎ とにかく落ち着け優子‼︎」
この言質を素直に取ってもいいのか。それとも理由を突きつけてまた別の機会を持っていけるようにするのか。様々な思考が過り独り言を呟きだしたシャミ子。そんな彼女の身を案じてか、白哉が彼女の肩を揺さぶり宥めさせる。
突然の揺さぶりとそれによる角の重さの影響で『はうっ⁉︎』という情けない声と共に我に返るシャミ子。困惑していたことによつて乱れていた息を整え、落ち着きを取り戻していく。
「す、すみません。取り乱してしまいました……。そ、それでごせんぞ……? 何故私と白哉さんが……だ、抱き合わなければいけないのですか……?」
『まぁ……うん。困惑させてしまったことについては申し訳なかった。ただ、余がそのようなことを言ったのにはちゃんとした理由があるのだ。落ち着いてよく聞くのだぞ』
「は、はい……」
リリスからの説明は以下の通りとなっている。
夢魔の魔族には悠久を共にするパートナー……眷属の上位互換的存在を作る契りがある。その契りを交わした者は、相互の人間関係での相性が良ければ、一族と同じ夢魔の力を得ることができる。
しかしその契りにも欠点が存在する。その契りが何かしらの影響で中断され最後まで行わなかった場合、両者の夢魔の力が不調ながらも自動的に共和され、パートナーとなるはずの者の夢魔の力が魔族の元へ赴き、牙を向く可能性があるのだ。
その契りの方法というのが……リリスがシャミ子に白哉と二人で行うようにと強要させている、愛撫……これR-18小説なんだからもうぶっちゃけちゃえ。セックスである。シャミ子はこの説明を受ける前に『抱き合え』と言われて恥ずかしさのあまり発狂したためか、この場面はこで再び羞恥心を持ったとしても発狂はしなかったのだが。
しかし、ここでシャミ子の脳裏に一つの疑問が過ぎる。
「あの……ところで私って、白哉さんとの中途半端な契りをした覚えがないのですが……また私、いつどこで、どのタイミングによる偶然によって、何かやっちゃいましたか?」
「なんか今の優子の言葉、微妙になろう系構文になってる気がするんだけど……俺の気のせいなのか?」
使うタイミングがテンプレでよくある場面ではない気がする『またオレ何かやっちゃいました?』を発したシャミ子に対し、白哉は些細な事であるとは頭で理解しながらも思わずツッコミを入れてしまう。別にそんなツッコミしなくていいでしょ。
まぁ白哉のツッコミは置いておいて。
リリスから説明を受けても尚、何故そのような行為をしなければならないのかと納得出来ず首を傾げるシャミ子。そんな彼女の反応を見たリリスは一瞬呆気に取られたかのような表情を浮かべたが、呆れたかのように咳払いをし、真剣な眼差しをシャミ子に向ける(目つきぐらいは銅像を通してでも少し変えられるらしい)
『ええっ、コホンッ……シャミ子よ。余がここまで説明してあげたというのに、まだ気づかないとでも言うのか?』
「えっ……?」
『愛撫と関すること、一つはやったことあるのであろう? それも印象深いものであったはずだぞ?』
「愛撫と関係のある、印象深いこと……? えっと、何かしてましたっけ……?」
未だ理解が追いつけていないシャミ子。それでも尚、リリスからの指摘を頼りにこれまで自分がしてきた行動について振り返ることにした。
自分はこの契りとの関係性のあることをしてきたのだろうか。そしてそれはどのような行為だろうか。
白哉に抱きついた時のことか。それは普通の愛情表現だ。
白哉に一度告白した時か。それは実際に白哉の体に何かしたわけではないため当てはまらない。
白哉に不可抗力で胸を揉まれたことか。それはシャミ子の方から何か仕掛けたわけではないため、これも当てはまらない。
白哉が昼寝していた時に無自覚にキスをしてしまったことか。ここは記憶に大きく残っていることではあるが……
「………………ん? あれ?」
と、ここでシャミ子の思考回路が停止される。彼女は今、自分自身も白哉本人も忘れてしまってはいけない……否、決して忘れてはいけない記憶が過ったようだ。
「あっ……」
そして全てを察し、再び紅潮させる。何故、自分が心の底から愛している幼馴染と契り──セックス──をしなければならないのか。それは、自分の無自覚が原因であったのだ。その事実を理解したのか……
「くぁせdrftgyふじこlpくぁせdrftgyふじこlpくぁせdrftgyふじこlpくぁせdrftgyふじこlpくぁせdrftgyふじこlp」
呂律の回っていない言葉を何度も連呼し、その場で右往左往に転がりだした。タイミング的に本人が望んで行ったわけでもなく、無自覚で移してしまった時の行動によって、セックスをせざるを得なくなってしまったのだ。困惑するのも無理はない。
だが。
「ちょっ、また優子が壊れだした⁉︎ お、落ち着け‼︎ 気持ちは分からなくもない‼︎ 俺もそれ知った時はちゃんと(?)悶絶してた‼︎ だから落ち着け‼︎」
「ハッ⁉︎」
すぐ隣に幼馴染の白哉がいる。彼の必死の声掛けから発する声質が、シャミ子の心を不思議と安定させる。内容はアレだが。シャミ子は自分自身でも想定しなかったと感じるほどに冷静さを再び取り戻し、先程のように深呼吸して息と心を整えていく。
「す、すみません。また取り乱して……」
「あぁ……いや、別に気にしてねぇから……」
羞恥心がまだ消えていないのか顔を真っ赤にして俯いているシャミ子を見て、その恥じらいの表情が心にグッときたのか白哉も顔を背けてしまう。
先程付き合うことになったばかりだからか、二人のこの初々しさがリリスの視界に入ることとなる。無論、その光景を作った原因の一つをも作ったリリスに罪悪感が生まれる。
『あぁ……うん、やはり悶絶するだろうとは思っていたぞ余は。言っておくが別に余が完全に悪いってわけではないからな? 一族にも一族なりの都合があるのだし、そもそもそうしなければならなくなった状況を作ったのは誰でもないシャミ子自身だからな? 本人には悪いが──』
「リリスさん、言い訳という名の正論はやめてください。また優子が顔真っ赤になったらどうしてくれるんですか」
『す、すまん……えっ? これ正論にするの?』
このように、罪悪感のあまり必死言葉を並べていっている時に、白哉に指摘を受けてしまうほどだ。
そんなリリスの心境に寄り添えるほどの余裕がないのか、はたまた突きつけられた事実に戸惑いを感じているのか、シャミ子は恐る恐るリリスに対して問いかけの言葉を投げかける。
「えっと……ごせんぞ? どちらにしろ、私と白哉さんが……その……だ、抱き合わないといけない感じ……ですか……? でないとまた、私が夢魔の力を使った時に、白哉さんの方にも悪い影響が出て……?」
『う、うむ。別にすぐにとは言わんが……。実はおぬしが自分自身の記憶を探索してた時にもそのようなことが起こってな、白哉が気絶し、さらにはシャミ子の記憶にあるはずのないものが出た可能性も生じて……』
あっ。シャミ子が発したその言葉によってリリスの説明が遮られる。彼女の説明を聞くうちに、何か思い当たる節が見つかったのだろう。
「もしかして、あの二足歩行の牛さん達やドラゴンさん達のことですか? やっぱりそうでしたか……忘れてしまった十年前の記憶とはいえ、病院で一体どんな事を体験したらアレらが具現化されるんだろうって疑問に感じていたもので……」
そう、シャミ子は理解したのだ。夢魔の力で自身の記憶を探っていた時に現れた、ファンタジー世界にありがちな生物……否、怪物が何故突然襲撃してきたのかを。
そして悟ったのだ。またあのような怪物がシャミ子の夢の中に現れ、その時に白哉がまた一時期とはいえ意識を失うことになるのだと。
『余や桃達はシャミ子が夢の世界で何を体験したのかは知らんが……まぁそういった奴らだろうな、不完全な契りによって出てきたものというのは。その時は白哉もシャミ子の記憶の中に飛び込んでいたからなんとかなったらしいがな』
「いや、そん時の俺は半分無我夢中で【優子を助けたい】って思いながら必死になってたので、なんで優子の記憶の世界に行けたのかは自分でも分かんないですけどね……」
白哉はそう言って、また似たような現象が起きても難を逃れる自信がないと語る。
彼がシャミ子の記憶の世界に行けたのは、気絶していたその時に、彼の夢の中で現れたフードの人物に己の本心はどのようなものなのかと促された後によるもの。何故その出来事によってシャミ子の記憶の世界へ行けたのかは、本人すらも分からずじまいである。
『だが……お主の考えている通り、あのような出来事が起きるのはこれっきりになるとは限らぬぞ。契りが不安定なままの状態で、何かしらの影響が起こり、魔力の波長が不安定になってしまえば……』
「また私と白哉さんが苦しい目に遭う……ってことですか?」
『可能性としては、だがな……』
また夢魔の力で、自身と白哉の身の危険が伴う。それを知ったシャミ子は顔に影を落としながら俯きだした。確実な根拠はないとはいえ、その可能性はあることをリリスに指摘され、不安を募らせてしまったのだろう。そのような反応をしてしまうのも無理はない。
「………………だ、だったら……」
「……? 優子?」
暫しの沈黙を破り、顔を上げて再びリリスの方に向き直るシャミ子。彼女の顔は未だに真っ赤なままではあるが、睨みをも効かせるかのように目つきを尖らせ、何か決心がついたかのような表情を浮かべていた。
そして、再び口を開き二人に告げた。
「私……その契りを最後までやります‼︎」
魔族の契り──セックス──を、最後までやり通す宣言を。
「『………………ハァッ⁉︎」』
無論、このように白哉とリリスは仰天の叫びを上げたが。
「ま、万が一白哉さんに何かあったら困りますし‼︎ そ、その……しょ、正直役得感がありそうで、この機会を逃したらショックと言いますか……‼︎」
「ストップ‼︎ ストップストップ‼︎ 無理して今そんなことをする必要はな───」
色々と無理をしてでもセックスをし、シャミ子と自身に対する身の危険を避けようと考えているのではないか。そう悟った白哉は彼女と向き合い制止を試みようとした……が。
「(あっ……)」
その思考は停止されることとなった。何故なら……白哉との契りを交わすことに決めたシャミ子の表情が、いつになく覚悟を決め、本心を持ってして執り行おうとしている意思が伝わってきたからだ。
「(目が泳いでいたりしていない……本気の眼差しだ)」
この時、白哉は察しがついた。シャミ子は本気で白哉に被害を出したくないという想いを持っている他、これまで彼に対する必要以上の愛情表現をすることを躊躇っていた。シャミ子自身が自分では無くなってしまわないように。白哉や周りを傷つけてしまわないように。
そんな返って己の精神を削っていっていた自分を、彼女は終わらせようと決めたのだ。契りという名の交じり合いを機に、ここで。
その想いを察知し、理解し、そして……白哉も、腹を括った。自分達は交際するようになった身だ。これで彼女との心の壁を崩すことができるのならば……
「………………わかった。お前がそこまで言うのなら……夜またここに……俺の部屋に来てくれ」
了承した。頬を赤らめ、目を逸らしながらも羞恥心を抑えようとしてなんとか視線を合わせようとしながら。
「は、はい……」
ここでまたもやシャミ子が初心となる。結論がどうなるのか理解していたとはいえ、いざ実際に了承の言葉を聞いた途端、耳にし、そして目に焼き付けてしまったのだ。白哉のはっきりとした美声と間を空けながら繋げた了承の言葉、そして恥じらっている時の彼の表情を。
「じゃ、じゃあ……さ、早速私、おかーさんや良に……びゃ、白哉さんの部屋にお泊りすることを伝えるので……そ、それじゃあまた……」
「あっおい、リリスさん忘れ───」
さすがにこうなる事は理解していた、という事実に耐えきれなくなったのか、シャミ子は顔にしてそそくさと白哉の部屋から出て行ってしまった。白哉の制止に耳を傾けず、像であるため動けないリリスを置いていってしまいながら。
『お、置いていかれてしまったか……いや、こうなった原因の半分は直球した余のせいでもあるが』
「自覚はして……いえ、その……ドンマイです」
『白哉よ、今お主余計な事を言おうとしていたか?』
「イエナンノコトデスカネー?」
『片言になっておるぞ……』
♢
数分後、吉田家にて。シャミ子は契りを行う都合上、白哉の部屋に泊まることになった事を母・清子に説明した。(十歳だが頭脳は大人の)小学生である妹の良子もその説明を聞いているため、表現は大雑把にしてはいたようだが。
「───というわけ、なんです……」
「あらあらまぁまぁ……♪」
「そっか……よかったね、お姉」
シャミ子からの説明を聞き終え、清子はご機嫌そうに微笑み、良子に至ってはいつもなら出しそうにないのほほんとした笑みを浮かべていた。話を途中から聞いていないというわけではないようだが、実の娘が仲の良い幼馴染と交際することになったという報告を受けてからこの表情になったのだ。
つまり、今の清子はシャミ子が白哉と結ばれたことを祝福したがっているということであるッ‼︎
「………………あの……おかーさん? 良? 私の話、聞いてましたか?」
「えぇ、聞いてますよ? ちゃんと」
「うん、もちろん」
「(二人とも何やら変に笑ってくるから、反応に困る……)」
このように聞き流しされてないかという勘違いを受けてしまっているが。
「それにしても……優子は本当によかったのですか?」
「えっ? 何がですか?」
「白哉くんとのセッ……おっと、恋人同士で愛し合うための初めての行為、と言った方が良いのかしら。それを眷属の上位互換的存在を作る為のちゃんとした契りを結ぶ為に行う件についてですよ。初めての行為というのは一度きりでしかないのですから、優子はもう少しムードとか……というのは考えないのですか?」
「へっ……⁉︎」
シャミ子は思わず顔を赤らめ動揺し始めた。だが、清子の意見は間違いではないは頭の中で理解していた。
初体験というものは、深く愛し合うための行為、お互いの愛を改めて確かめ合うための行為、そしてその愛を与える新たな生命を生み出すための行為でもある。
その行為を契りの内容上の問題で強制的に行わないといけない……それは白哉に対してこよなく恋愛感情を抱いていたシャミ子にとって不服に思えるところがあるのではないか……清子はそれが心配で仕方がないようだ。
彼女の言葉の意味を完全に理解して一時固まってしまったシャミ子だったが、清子の予想よりも早く落ち着いたのかすぐさま深呼吸をし、彼女との視線を合わせながら口を開く。
「……そんなのは、別になくてもいいんです」
「えっ?」
「発端がどうであれ、その行為で白哉さんが私に愛を与えてくれる。求めてくれる。それに私も答えられる。その事実があるだけでも、私は嬉しく思えるのですから」
確かな答えさえ分かれば、細かい事は考えず契りを交わせればそれでいい。真剣な表情から気の緩んだ表情へと変えながら口にしたその言葉は、シャミ子に心の余裕が持てたことと確かな心身の変化を表していた。
「(やっぱり……優子は心身ともに成長している)」
清子はそんな実の娘の変化に気づき、安堵の微笑みを浮かべる。自分の知らないところでまた成長を遂げている、その事実を知っただけでも満悦感を覚えることができたようだ。
ならばこれ以上の事を言う必要はない。そう思ったのか清子は安堵の息を吐き、再びシャミ子との視線を合わせる。
「……優子がそこまで言うのでしたら、私はとやかく言いません。ただ、許されるのならば一つだけ……」
そう言って清子はシャミ子の口元近くに人差し指を突きつけ……宣告する。
「それを行う時の一秒一秒……それらを大切にしてあげてください。そうすれば、貴方と白哉くんの仲はもっと深まるはずですよ」
「おかーさん………………はい、もちろんそのつもりです」
一瞬キョトンとした表情になるも、母親に背中を押されているのだと勘づいたのか、シャミ子は少し照れながらもそう答えた。
付き合うことになるまでのシャミ子ならば、この時どころか一番最初に清子に契りの事を聞かれただけで悶絶して余裕の心を持たなかったのだろう。
しかし、今の彼女は違う。白哉が自分の重い愛を受け止め、告白してくれた。受け入れてくれた。幼馴染が恋人となって支えてくれることを知って、初めて彼に関する事での心の余裕を作ることができた。
だからこそ、シャミ子は清子に後押ししてもらったのだと気づき、彼女のアドバイスを素直に受け入れたのだ。好意を寄せていた男性と結ばれた少女の変化というものは、意外とすぐに変わるもののようだ。
そんなたった一日で様変わりしたかのようなシャミ子を見て、良子は目を輝かせる。大好きな姉の事を(斜め上に)尊敬しているからこそ、姉が良き方向へと成長していることがまるで自分事のように嬉々としているのだろう。
「お姉すごい……たった一日の間に白兄に女に変えてもらったんだね……‼︎ 良、改めてお姉も白兄も尊敬しちゃう……‼︎」
「りょっ、良⁉︎ その言い方は意味深に聞こえるからどうにか言い換えてくれませんか⁉︎」
戦国時代までの戦のような難しい言葉などの知識を十歳とは思えない程に得ている良子だからなのか、シャミ子は羞恥心で顔を真っ赤にしながらも妹の言葉に指摘を入れる。下手をすれば不適切で鋭敏的な知識を未成年ながらも取り入れてしまうのではないか、そんな不安を抱えながら。シャミ子も十六歳のため充分未成年だが。
「それに、安心もできる。お姉、白兄の事を考えている時は何処か無理しているように見えたから……」
「良……」
この時、シャミ子は察した。良子も清子のように、自分の知らないところで自分の事を見てくれているのだと。そして良子なりに気に掛けてくれているのだと。
そんな良子の頭を、シャミ子は微笑みを浮かべながらそっと撫でた。感謝の意をも込めながら、されども優しく。そして……
「………………心配掛けてごめんなさい良。でも、もう大丈夫ですよ。こんな私の事を白哉さんは受け入れてくれたんです。だから私も白哉さんを愛することに迷いません。『好きであること』を、もう彼の前で隠しません」
「お姉……」
改めて、自らの心境を良子に伝えた。如何なる事態が起きても白哉からは絶対離れない。彼に寄り添っていくのだと、自分達の事を気に掛けてくれた妹を安心させるために。
「それって、白兄とたくさんイチャイチャするってことなの? お姉、積極的になったんだね‼︎ もっとすごい‼︎」
「へっ⁉︎ ……そ、それは……時と場所を弁えながらになりますが……って、もっとすごいって何⁉︎」
その代償としてか、また斜め上での尊敬を込められる羽目になったが。しかもキラキラと輝かせている瞳を向けられながら。頭は良いけど純粋すぎる妹を持つ兄姉は大変、はっきりわかんだね。
そんな姉妹漫才をしている二人を見て、清子はまた微笑みを浮かべた。シャミ子が心身共に成長し、それに良子も促される。その確かな変化に嬉々としているようだ。
───お父さん、見てますか。二人は……特に優子は、私の心配する必要がない程に成長していますよ。
家に置かれているダンボール箱──お父さんBOX──に魂として封印されているままの父・ヨシュアに心の中でそう伝えた。これからの二人の更なる成長を、願いながら。
♢
一方その頃、白哉は一人でに夕食を摂っていた。羞恥でそそくさと退散していったシャミ子に置き去りにされたリリスに、夕食の余り物を添えながら。いつもならば余り物は吉田家にお裾分けしているが、今日の彼はその気になれなかった。何故なのか。その理由は我々が察している通り……
「(夜になれば、優子とあの行為をすることになる……んだったよな。ヤベェ、緊張してきた……)」
この後に行う魔族の契りによる緊張と羞恥心で、シャミ子の顔を何事もなく見ることが出来ないと察しているからである。前世が思春期を過ぎたサラリーマンとはいえ、転生した今の彼は思春期または思春期が過ぎたばかりの高校生で、前世同様童貞なのだ。契り──セックス──するのに緊張が走るのも無理はない。
それ故、白哉は思春期がどうこうである前に男。異性と肌を合わせ身体を交じり合わせることに、興奮と緊張が混ざり合い複雑な感情をも持ってしまう。大抵初心はそのようなものである。
ここでふと、白哉の脳内にとある疑問点が浮かび出した。
「……リリスさん、一つ聞きたいことがあるのですが」
『む? 聞きたいこと? それは何だ?』
そしてその疑問を、リリスに問い出すことにした。
「魔族の契りの話ですが、それを行う為の手順や条件って何かありますか?」
契りの手順。それは悠久を共にするパートナーを作る時に必要であろう最低基準。それを間違えてしまえば契りは無効となり、また今朝のような夢魔の力による非常事態が起きてしまう……その可能性を考慮し、白哉はあらかじめリリスに問いかけることにしたようだ。
『手順や条件、か……別に始める時にでも教えられるが、せっかくだ。先に貴様に教えるとしよう』
「ありがとうございます」
『とはいっても、別に条件は厳しくないぞ。眷属を作る側……シャミ子が危機管理フォームとなり、接吻してから始まり、お互いが一度本番以外の行為で絶頂、そして本番行為で最低一回は交じり合ったまま二人とも果てる……そんな感じだ』
簡潔に言えば、シャミ子が姿を変え、前戯してからのセックスをするだけ。それが魔族との特別な契りを交わす為の絶対条件のようだ。それを聞いた白哉はその手順が来ることを想定していたものの、その内容を妄想したことにより頬を赤らめ顔を押さえてしまう。
「あぁ……あの破廉恥フォーム状態からの優子を抱かないといけない感じですか。辛抱できるかな俺……」
『一族の由緒正しきあのフォームを破廉恥とか言うな‼︎ 傷つくであろう‼︎』
『由緒正しき』。その言葉が真実なのかと疑問を感じたのか、白哉はそんなリリスに対して『何言ってんだお前は』と言っているかのように睨みつける。
シャミ子やリリスの一族は皆共通で、戦闘フォーム──危機管理フォーム──の肌面積が少なければ少ないほと戦闘力が増すとのことだが……普段よりは若干強い程度にしかならないらしい。
つまり白哉がリリスに何を伝えたかったのかと言うと、強くなるには露出度を高くしなくちゃいけない上にその効果が驚愕レベルではないのに、その戦闘フォームを『由緒正しき』と言っていいのか、そういう感じである。
「実際優子も変身したばかりの頃は結構恥ずかしがってましたよ? 一応変身が必要な時の状況が状況だったからって時だけの間の耐性を付けれてはいるみたいですけど、ぶっちゃけあんな露出度の高い恰好を着て恥ずかしがらない方がおかしいですよ。前までの彼女は人間でしたし、リリス達純正の魔族ってわけじゃないですし」
『……そういえばそうだったな。しかし何故あそこまで恥ずかしがっていたのだ……?』
「【何故】、じゃねーよそれが普通なんだよいい加減人間の常識叩き込んでやろうかコラ」
ここで白哉の顔に青筋が浮かび、形相が鬼と似たものと化す。そして静かに、怒り心頭に発した。
『アレ⁉︎ なんか急に高圧的な態度になり始めたのだが⁉︎ いくらなんでも辛辣だぞそれは⁉︎』
「すみません、さすがにイラッとして言い過ぎました」
『アッソウナンダ……』
謝罪の言葉を投げ掛けても鬼の形相を変えようとしない白哉。シャミ子が危機管理フォームになった時の目のやり場やリリスの斜めになっている常識概念、この二つの悩みが彼の溜まった怒りを滾らせていたようだ。
それはそうと、とここで呟きながら白哉は話題を戻す。
「もう一つ、契りの事で質問があります。本番行為で最低一回は交じり合ったまま果てなきゃいけないって、リリスさん言いましたよね?」
『うむ、言ったが?』
「その……それって砕いて言えば、俺のアレを優子に中出ししなきゃいけない……ってことですよね? もしも優子が安全日じゃなかったら、その……妊娠、してしまいますよ? まだ十八歳未満なのに」
十八歳未満……高校生で妊娠することは、シャミ子の高校生活に支障をきたすことと同然である。もしもこの日、シャミ子が危険日なのに契りによって中出しせざるを得なくなってしまえば、最悪退学になってしまうのではないか。白哉はこの世界の本来の時間の流れを考慮した上、その点を危惧しているのだ。
そんな彼の不安を察してか、リリスは一つ溜息をついてから答える。
『心配するでない。成人になってない魔族の卵子は魔力の膜が自動的に常時コーディングされているのだ。精子によってその膜が貫かれることは絶対にない上、魔族や契約者の身体に負担は掛からない。つまり、お主は安心してシャミ子に何度も中出しできるってわけだ‼︎』
「あぁなんだ、よかった……って、言い方ァ‼︎」
リリスのデリカシーのない発言に対し、思わず顔を真っ赤にして怒号を上げる白哉。様々な生物を召喚できる能力を持っているとはいえ、彼も前までは一般人である。否、能力を持っていなくても恥じらいはある。
そのため、先程のようにダイレクトにセンシティブな発言をしてきたリリスに対して怒号を上げられるのだ。これで怒号を上げなかったらただの変態か常識から外れた人である。当たり前。
その反面、誤った妊娠をしてしまいシャミ子の人生が大きく傾いてしまうことがない件については安堵しているようだが。
『だが、今のお主は思春期とも言える年齢だ。好きな女の子と抱き合い、たくさん中出しすることにロマンを感じているのではないkグミュッ』
「邪神像の口でも縫い合わせられるかどうか、確かめてもいいですか?」
『スミマセンデシタ……』
デリカシーを無視した発言を再び口にしたリリスの邪神像顔面に脳天締め、謂わばアイアンクローを決めたァッ‼︎ リリス選手、反撃に転じる術がないため降参を余儀なくされたァッ‼︎ K.O.‼︎ 勝者、平地白哉ァッ‼︎
「……ま、回数とかそういうのはともかく、どっちにしろ今日は優子をいつも以上に愛する気ではありますけどね」
『あっそうなのか……』
「いやアンタの方が引き気味になるのやめてくれません? 泣きそうです」
結局必要以上に抱く気ではあるのか、と捉えて青ざめた顔をしたリリスを見て、先程彼女と似たような思考をしていた白哉は無自覚な人並の憂戚した表情を浮かべた。
無自覚で『いっぱい抱く』と言ったのだ、コイツは。なのにそのとんでもない発言をしてしまったことを自覚していないのだ、今のコイツは。この様子だと、白哉もシャミ子の事となる時はリリス側になる可能性があるかもしれない。いやマジで。
と、ここで白哉が暗い表情を浮かべて溜息をつく。まるでここまで指摘し、軽蔑……ではなくある程度否定してきたリリスの発言を、突然手のひら返しに肯定するかのように。
「俺だって溜まってはいるんですよ? 優子に積極的さと控えめの間らへんでのアプローチをちょいちょい受けていますし、危機管理フォームを直視しちゃってからはアレが脳内から離れなくなりましたし……」
『えっあっ、うん』
「けど……一番溜まってるのは優子の方だと思います。それも多分、俺と病院で話した時からだと思います。ずっと俺にきちんと愛情を振り撒けることが出来ず、『なんとか抑えているのだ』と伝えているかのように見えて、こっちも苦しかった……」
『あぁ……わかる』
そう言う白哉の表情は、笑顔になりながらも影を落としていた。これまでシャミ子の心境と自らの身を案じながらの行動をしていたものの、それが返ってシャミ子を苦しめていたのではないか。そのいった感情で自責していたようだ。
白哉は転生者であり、この世界の本来の歴史についてある程度の理解を持っている。だが自らの行動が気づかない内にシャミ子を純粋ながらも偶に愛の重くなる女子に変えてしまった。その事実を重く受け止めているようだ。
そんな表情を見せている白哉を見て、リリスは……
『……なら、寧ろよかったのではないか』
「えっ……?」
逆に白哉を肯定するように宥めた。
『シャミ子が自らを見失わないように立ち回りながらも白哉に愛情を向けようとしていた、それをお主が気づけただけでもある程度良い方向へと向けられたのではないか。もし気づいていなかったら、或いはシャミ子が自身の心境やお主への愛を自白していなければ……お主はシャミ子が暴走しないようにある程度の立ち回りをすることが出来ず、シャミ子は一人で自責し、いつかは壊れてしまい、望んでいないのに誰かを傷つけてしまっていたはずだ』
「あっ……」
『つまり、お主がこれまでしてきた遠回しの行動は間違いではなかったのだ。自責するでない』
シャミ子の心境を知れた、シャミ子が自白して気づかせてくれた。その事実をリリスに伝えられたことで、白哉はそれに気づき思い返し、自身の気づかぬ内に暗い感情を薄められていた。
たとえ些細なことだとしても、それが良い方向へと進んでくれていたというのならば、それは喜ばしく思うべきだった。そういった思考にも気付かされたようだ。
そしてふと、笑みが溢れる。
「フフッ……そうですね。その二つの事実が両方とも欠けていたら、きっとどこかで取り返しのつかないことが起きてました。……俺、形がどうであれ優子に救われていたんですね」
『同時に苦しめられてもいたようだがな』
「自分の子孫をディスるのやめてあげてくれません?」
『事実を言っただけだが、ディスっていることになるのか……』
先祖にこの批判を受けたことを知ったら、優子はショックを受けるだろうなぁ。白哉はそう思いながらまた苦笑し、気がつけば食べ終わらせていた夕食の食器を洗い始めた。
「優子に俺の事が好きだということを教えてもらって、俺も彼女に対する想いに気づくことが出来た。この経緯を作ってくれた優子には感謝しないといけませんね。……気づく前が大変だったけど、お互い」
『最後のその台詞、お主もシャミ子に対して不満があるということになるのではないか……?』
「アハハ、否定できませんね……」
事実上シャミ子に対する愚痴を溢してしまったことに罪悪感を覚えた白哉。そして彼は決意したのだ。後でそう思ってしまったことを謝り、説教を受けよう、と。
そして食器を洗い終わったのと同時に、インターホンの鳴る音が白哉の部屋に響きだした。気がつけば辺りもすっかり夜空が広がっている。ここまで来るとなると……
「よし、そろそろだな。我が名は召喚師・白哉───‼︎」
刹那。白哉の全身が真っ白な光に包まれ、一瞬にして部屋着とはまったく異なる衣装──民族らしきパリピっぽい衣装── 召喚師覚醒フォームへと変化した。ちなみに彼の衣装が変わるまでの時間、僅かたったの一秒である。
『……何故お主まで召喚師覚醒フォームになったのだ? 別に眷属になる側には行為を行う時の条件とかはないのだが……』
「その為の契りで優子が危機管理フォームになるじゃないですか。だから俺もそれに合わせた方がいいと思ったので……」
『あぁ……なるほど』
つまりは雰囲気作りの為の変身か。リリスはそう納得せざるを得なかった。
そうこうしている内に白哉はすぐさま玄関のドアまで赴き、すぐさまそのドアを開けた。そこには真っ赤な顔で手を後ろに組み、モジモジとしながら立っているシャミ子の姿があった。これから白哉の部屋で行う契りの事で緊張が走っているようだ。
「お、お待たせしました、白哉さん……って、どうして召喚師覚醒フォームの姿で?」
「ちょっと訳があってだな……ほら、ここで立ち話もアレだから、入ってくれ」
「は、はい。お邪魔します……」
白哉が召喚師覚醒フォームになっていることに疑問を感じながらも、彼に促されるまま入室したシャミ子。
そして白哉の部屋に入ってすぐにリリスがいた事に気づいて彼女に即謝罪、続けて彼女から契りを行う時の条件を聞いて危機管理フォームスタートに羞恥心を覚えて発狂、という面白反応のラッシュを白哉の目の前でお披露目する羽目になったのだった。
♢
そして、現在に至る。
契りを行い始めることを告げる言葉を伝え終えた後、シャミ子の肩を優しく掴みながら彼女に真剣な眼差しを向ける白哉。いざ契りを行うとなって、シャミ子が感じている以上の緊張が走り、腕が小刻みする程に震えていた。
「(ヤ、ヤベェ……さっきまで覚悟を決めていたというのに、いざ実践するとなると不安になってきた……イメージと違うことしちゃって、優子が変な気分になったりしないか? そもそも痛がったりしないか? というか……)」
「(……白哉さん、もしかして緊張している……?)」
緊張のあまりか、羞恥心で同じく緊張しているシャミ子に勘付かれたが。
「(あぁそうか。白哉さん……私の身体の事とかに気を遣って、どうにかして負担を掛けさせないようにしようと考えてくれているんですね。それでどうしても強張ってしまって……)」
シャミ子の頬が改めて朱く染め上げられた。彼女の事を気遣って緊張している白哉に惚れ直したのだ。シャミ子が自身の心境を明かした時も見捨てなかった程の優しさを持っている彼だからこそか、今の彼の心境を知っても否定的な反応をしなかった。
それどころか、白哉の頬を優しく両手で添え……
「んっ……‼︎」
「んぐっ……⁉︎」
唇と唇の先端から割れ目まで全てを、重ねた。まさかのまたもや自分よりも奥手なシャミ子から接吻──キス──を受ける羽目になったことに驚きを隠せなかった白哉。動揺を隠せないものの、そのままシャミ子に流されるがまま唇の渇きを奪われていく。
「ふぁっ……ふ、ん、んぅ……♡」
「んぅ……む、う、んんぅ……」
人肌の温もり、柔らかい唇、その端から漏れる熱い息──その全てに、不本意ながらもシャミ子を阻んでいた白哉の煩わしい感情も、彼女に続くように甘く優しく溶かされていく。
「んふっ……! んんっ、ふ、ふぅ……♡」
刹那。白哉の口内に何かが入り込み、舌に生温かく柔らかい何かが触れる。それと同時に、シャミ子の体が一瞬の痙攣を起こしたのかの如く震えた。
「(い、いきなりそこまで無理矢理してきたのか、こいつ……)」
白哉は察した。口内に侵入してきたものの正体は、シャミ子の一般女性よりも少し小さめの舌であったということに。
触れ合った時に発生する刺激の予想など顧みず、魔族になってからの自前となっている不屈の精神で精一杯舌を絡み合わせようとするシャミ子。目尻に踏ん張り時の涙が浮かびながらも、途中で止めて唇を離そうとはしない彼女の顔をその目に焼き付けた白哉は……
「んぅ……」
「んむっ⁉︎ ……んふぅ……♡♡」
良心という名の本能に従うがまま、自身の腕を彼女の腰の上に回した。唐突な人肌の刺激に目を見開き、またもや一瞬の痙攣を起こすシャミ子だったが、その人肌の温もりに支えられたからなのか、蕩けた表情に戻り、舌と舌が程良く絡むようにと顔を動かす。
「はぁっ……ふぅ……♡」
「ん……んぅ……」
「ぁ、ふぅ……んん……♡」
意識するでもなく、互いの存在と熱を求め合うように、赤い舌がたどたどしくも熱烈に絡み合う。その不器用な繋がりを通じて、互いの唾液が混ざり合い溶けていくのが分かって──息が苦しい訳では無いのに、何かに溺れるような感覚が、二人が体験したことのない刺激と抱擁感に変わっていく。
もう、限界だ──。
何かしらの危険信号が、二人の脳内に響き渡る。やがてゆっくりと唇が離れ、長い口付けが解かれる。互いの荒い呼吸とその口元を繋ぐ透明な糸が、その激しさを物語っていた。
「ハァ……ハァ……す、すみません白哉さん。と、突然こちらから攻めるような真似をして……」
「い、いや……け、結構ビックリはしたけどよ……な、なんというかこう……先程までガチガチに緊張してたのが和らいだ、というか何というか……何ならこっちも途中から乗り気になったというか……」
トロンっと蕩けている瞳とチロリと口から舌が出たままの唇、それらを染め上げる程に朱くなっている頬、そして荒めの呼吸を戻さず整えようともしないまま、謝罪の言葉を述べるシャミ子。
しかし、白哉も満更ではなかったためか、同じく舌を出したままの唇を右腕を抑えながら彼女の行為を許した。その代償としてなのか、シャミ子の表情の憂いさを見れず視線を逸らしてはいるが。
そして流れる数秒もの沈黙。それを破るかの如く、シャミ子が唐突に口を開く。
「白哉さん……遠慮なんてしないでください。私、白哉さんとこうしてこれから繋がるんだってことに嬉しく思っているんです。恥ずかしいですが、本当は今すぐにでもしたい程で……だから、白哉さんも白哉さんの好きなようにしてください。白哉さんの思うがままに私を愛してください。でないと私、白哉さんに気を遣わさせているようで、逆に心苦しいです……」
「ゆ、優子……」
まるで物乞いする幼子のように、瞳の奥で涙ぐんでの上目遣いで白哉を見つめるシャミ子。己の思うがままに自分を求めてほしい、そんなメッセージ性が、彼女の表情に表れていた。
その表情を見た瞬間、白哉は気付かされた。否、思い出された。シャミ子は白哉との距離を詰めたかった、寧ろ自分を抱いてほしかった、愛し合わせてほしかったのだ、と。
その事を頭の中で理解していたはずなのに、何故遠慮がちになってしまったのだろうか。白哉はそれを悔やんだ。情け無く感じた。シャミ子に申し訳ないという念を持つようになった。
それらを振り払う為に、シャミ子にこれ以上罪悪感などの負の念を持たせない為に、白哉はシャミ子の危機管理フォームのビキニ部分──詳細は不明だが、紐部分の色が肌に溶けているのか見え辛いため、藍色のビキニの形のニップレスにも見えるそれ──に手を掛け始めた。どうやら決意を固めたようだ。その表れが一見最低だが……
「あっ……」
「……下手すきてお前を気持ち良く出来なくても、笑ったり怒ったりとかしないでくれるか?」
「……そんなことしませんよ。私も初めてなので、寧ろ始まった直後に白哉さんに堕とされる自信ならありますが……」
「それはそれでどうかと思うけどな……ってかそんな自信持つなよ」
苦さを噛み締めているかのように微笑むシャミ子の言葉に、思わず白哉も苦笑する。いくら自分が相手だからといって早い段階でその素人並の技巧で堕ちるのはどうなのだ、と少々悩みながら。
そんな事を考えながらも、白哉は深呼吸して気持ちを改めて整える。そして……
「……そろそろ、いいか? こっちは手の位置からして、もうその気になってるけど」
「……はい。どうぞ」
緊張と遠慮の精神が解れたのか、お互いの頬が三度と朱く染まる。そして白哉は改めて決心した表情を固め、ゆっくりとシャミ子のビキニ部分を彼女の下元まで下ろした。
そうして彼の目の前に見えたのは、シャミ子の美しい乳白色をした豊潤とした乳房。柔らかそうなその双丘は、中に水風船のような大きさの真ん丸状のものが仕組まれたのではないかと思われる程の大きさをしていた。シャミ子が深呼吸を一つするごとにプルプルと弾み、その左右の先端は薄いピンク色が照明によって照らされている。
シャミ子はそれが堂々と白哉の目の前に晒されているという事実にまた羞恥心を持つようになり、一瞬白哉から視線を逸らした。しかし今更逃げるのは相手にとって失礼だと思ったのか、ぎこちなくとも再び視線を合わせた。
「そ、その、白哉さん……ど、どうですか? 私の……お、おっぱいは……」
おっぱい。思春期になるにつれて耳にしたり口に出したりすると恥ずかしくなる言葉を用い、白哉に自分が持つそれについて問いかけるシャミ子。白哉はそんな彼女の言葉を耳にして目を丸くし……
「えっ。えっと……どう、とは?」
思わず聞き返した。初心ならではの反応である。
「……大きさとか形とか、それらを含めて私のおっぱいは白哉さんにとっては理想的なのか……って、意味です。そ、その……恋人である以前にしろ、これからなってくれる眷属にとって理想の主でいたいというか、何というか……」
対するシャミ子は思わず遠回しな答えを出す。男性は女性に対して目がなく、特に胸の部分に目がいってしまいやすい。そのため、シャミ子は自分の胸の形状が白哉の好みに合っているのかと不安がっているのだ。
白哉は自分みたいな大きく丸を帯びたのが好みなのか、これよりさらに大きいものか、はたまた小さい方か、そもそも形状が違うものが好みなのか……
シャミ子のこの問いかけに対して顔がさらに紅く染まっていく白哉。異性としてこの問いかけに答えることに躊躇していたが、それを誤魔化すかの如く一つ咳払いをし、徐に呟いた。
「───綺麗、だな」
「……はへっ⁉︎ き、綺麗⁉︎ よ、良い悪いとかじゃなくて……綺麗⁉︎」
形や大きさの好み云々には触れず、『綺麗』という言葉を口にした白哉。想定していたのは違った答えと別の方向性での褒め言葉に、シャミ子の顔は一気に紅潮する。
「ま、まぁぶっちゃけ胸は大きくて形が整っている方がいいってのが本音だし、優子のそれが理想的ではあるんだけどよ……それ以前に、何というかだな……女性らしさが出てる気がして……」
本心を吐きながらも、白哉は敢えてなるべくその事に触れないような遠回しな発言をし、そして……
「ってかそもそも、胸だけに飽き足らず、俺はお前の全てが好きだぜ。体も、心も」
「……ッ‼︎」
照れ臭く微笑みながらも、シャミ子の全てを肯定する白哉。短文ではあるものの、その効果はシャミ子にとってはかなりの効き目があるようで、彼女の顔から湯気の幻覚が出てしまう程。
「(ど、どうしよう……このまま黙ってしまうと、白哉さんからの褒め倒しのラッシュが起きて倒れてしまって、契りどころじゃなくなりそう……‼︎)」
白哉が次々と褒め言葉を投げかけてくる、その危険性が孕んでいることを察したシャミ子は……
「も、もう恥ずかしいんで揉んでください‼︎ で、でないとその、触れられるよりも、もっと恥ずかしい思いをしたままになってしまうので‼︎ こっちの‼︎ 心臓が持ちません‼︎」
挙動不審に腕を上下にブンブンと振り回し、早く行為を始めてくれと強請る。怒声混じりのその可愛い声質での強請りに一瞬目を丸くした白哉だったが、すぐさま苦笑した。
「わ、悪かった悪かった。それじゃあ、今度こそ……」
「ど、どうぞ……‼︎」
その合図とともに、覚悟を決めるように息を飲んだ白哉の、大きな手が躊躇いがちに乳房に触れた。
モミュ
「んっ……‼︎ んはぁっ……♡♡」
その手がたわわな胸を包み込み、その柔らかさを確かめるように優しく揉めば、くすぐったさに似た何かがゾワゾワ……とシャミ子全身を駆け巡った。それは酷く甘えた声となって、彼女の口から漏れていく。
「(何、これ……自分で触った時よりも、感じちゃう……)」
「……そういや俺、トラブルで二回もこれ揉んでしまってたけど、じっくりと揉むのはこれが初めてだったな……」
「そっ⁉︎ んっ……そんなこと、んふぅ……も、揉みながらはんっ……言わないでくださっ、ひゃんっ……‼︎♡」
グミュ グミュ ムニッ ムニッ
シャミ子の制止も聞かず、彼女の胸を揉んでいる白哉の大きからずともしっかりしている手の動きは止まらない。制止とは言っても、白哉が事故によって誤ってシャミ子の胸を揉んでしまったという思い出話の方を指摘しているだけであって、行為自体を止めるつもりはないようではあるようだが。
ハリと弾力の強い彼女のその乳房は、人の手によっていとも簡単に形を変えられてしまう。それが言いようもなく恥ずかしいのに、気分は高揚して沸き立つ興奮を抑えられない。
お互いが掌の熱と体温で火照るその場所にふと目をやれば、凝視して覚えたはずの、或いは見慣れているはずの胸の先の膨らみがさらにピンッと腫れていた。
「……優子」
「はんっ……♡ 言われなくても、分かってます……んぅ……どうぞ、白哉さんの、あんっ……したいように……♡」
「なら、遠慮なく」
右乳房を揉んでいた左手をゆっくり離す白哉。その乳房にそっと顔を近づけた白哉が、触れられていなかった先端を口に含む。
チウッ
「んひゃあっ……‼︎♡♡」
ピリリ、と淡く痺れるような感覚がシャミ子の胸に広がった。固くなったそれをコロコロと舌先で転がされると、不思議とむず痒さを訴え両脇を擦り合わせてしまう。
その様子を捉えた白哉が視線を乳房からシャミ子の顔へと向けるが、彼女は吐息を漏らしながらも静かに頷く。先程の言葉の通りにしてほしい、そういうサインでの首肯であるらしい。
そのサインの意味を理解したのか、白哉は無作為にシャミ子の胸の先端を舌先で舐め回し続けた。舌のザラザラした肌が当たるごとに、シャミ子は甘い吐息を漏らしていく。
チュウッ チュウッ ペチャッ ペチャッ……
「はぁっ……んんっ……あっ……ひゃん……も、もっとぉ……♡」
無自覚にも耐えてしまうものの、『もっと触れてほしい』という感情を湧き上がらせてしまうシャミ子。片方の乳房を右手の指先で優しくなぞられ、もう片方の先端を口に含まされ舌先で転がされる。その二つの行為によって発生した刺激が、シャミ子の本心を燻らせる。
「……ぷはぁ」
「ふえっ……?」
ふと、白哉がシャミ子の胸から口を離し、もう片方を掴んでいた右手をも離す。
刺激が治ったことでむず痒くなったのか、シャミ子はもの寂しげに涙目で白哉を見つめる。なんでこんなところで終わらせてしまうんですか、と。
「あ、あの……白哉さん……その、この契りは本番行為の前に、お互いが前戯で一回イカないといけないんですよ? なのに、なんでここでやめちゃうんですか……?」
かまってちゃんな猫のように涙目のまま問いかけるシャミ子を見て、白哉は悪気がしたのか苦笑いした。
「それは悪かった。ちょっとな、触るところを変えるために一旦止めようと思ってたんだ。だからそんな顔をしないでくれよ」
「えっ? 触るところを……変えるために……? えっ?」
白哉の言葉の意味が理解出来なかったのか、呆気に取られたような表情を浮かべるシャミ子。そんな彼女を余所に、白哉は自身の右手をシャミ子の股の位置──ガーターベルトの上に履いている大人な雰囲気を見せる黒い紐パンのところ──に静かにその距離を近づけ始めた。
「えっ……⁉︎ あっ……」
全てを察し、思わず顔を右手で塞いでしまうシャミ子。しかし異常な程の羞恥心を持ってしまったのか、手先までもが紅く染まってしまっており、表情に出ている顔色をほぼ隠し切ることが出来ずにいた。
「ふぅ、んぅっ……♡」
やがてその手は、不意かつ不本意に下ろす羽目になってしまう。腰辺りにそっと触れた指先による優しい刺激が、シャミ子の下半身全体の肌に広がっていったからである。
そして瞬く間に、シャミ子の腰のベルトが気づかぬ内に静かに外され、すぐさま下着が白哉の手によってするりと暴かれてしまった。布の中で蒸れた秘部が外気に触れ、感じる仄かな涼しさがシャミ子を更に赤らめさせる。
「あっ………………ご、ごめんなさい……」
「えっ? な、なんで謝るんだ?」
「そ、その、そこ……じ、実はその……こ、ここに来る前からその状態なんです……」
行為を始める前どころか、白哉の部屋に来る前から秘部を濡らしていた。あまりにもはしたない女の子になってしまった、そういう意味でシャミ子は謝罪したようだ。
そんなシャミ子を見て白哉は目を丸くしたが、すぐにクスクスと微笑みだした。
「あぁそうか、準備万端にしすぎたってことか。……マジで可愛いな、ホント」
「そ、そんなんじゃ……うひゃあ⁉︎♡」
弱々しい文句がそこに直接触れる手によって中断され、突如シャミ子の身体に鋭い電撃が──否、快感が走る。
サスッ サスッ
「な、何これ何これ……あんっ‼︎ お、思った以上に……んんっ、き、気持ち良いっ……♡」
「だったら、もっと感じてもらわないとな」
その言葉を合図に、指先が一際敏感な膨らみを優しく撫で始めた。ヌルヌルとした愛液を緩衝材にしたそれは、一撫でごとにシャミ子に痺れるような快感を与える。
スリッ スリッ スリッ
「んあんっ……んっ、ふぐっ、むふぅ……♡」
快感によって漏れ出す甘い吐息が、シャミ子自身の身体に更なる刺激を与えるようになる。気持ち良い、感じちゃう、もっと触れてほしい。吐息が漏れるごとに、シャミ子が白哉にそう言い聞かせているかのように聞こえてくる。
「……今度は指、入れるぞ」
膨らみと膨らみの間にある谷間──秘部の割れ目──に触れたところで、白哉は秘部を撫でていた指を止めシャミ子にそう問いかける。快感をまた中断させられてもどかしくなったためか、シャミ子は息を整えてから即座に頷いた。
無言の了承を得た途端、白哉は人差し指と中指の二本をその割れ目の中に沈め込ませ始めた。水混じりの音がその位置から鳴ったのと同時に、シャミ子の身体もその快感によってブルルッと痙攣する。
クチュッ……
「ひあぁっ‼︎♡♡♡」
今まで一度も開かれたことがなかった膣口が太い指にじわじわと掻き分けられ、すっぽりと中に埋まる。その異物感に困惑こそすれど、滲み出す気持ち良さが下腹部を熱くし、シャミ子の膣が無意識の内にヒクヒクと白哉の指を締め付ける。
クチュッ クチュッ チャプッ チャプッ
「んあっ……‼︎ やっ……ダ、ダメっ……‼︎ んふぅっ……‼︎♡♡」
「ッ……」
まもなくその指がゆるゆると前後に動かされ、強まる刺激にシャミ子は甘い声を上げる。柔らかな襞が隙間なく吸い付き、僅かな指の動きすらも彼女の身体全体に繊細に感じ取らせる。
撫でられるだけだった時よりも大きく発された妖しい嬌声が、シャミ子の口から白哉の耳元に何度も何度も響かせてく。鼓膜を通ってはっきりと聞こえたその声に白哉は思わず唾を呑み、彼女の顔を愛おしく見つめながら思考した。
もっと彼女の身体に触れれば、今まで見れなかった彼女の顔がたくさん見れるのではないか、と。
思い立ったが吉日。白哉は襞に喰い込まれた指の動きを速め、さらにはシャミ子の右胸の先端に再び吸い付き始めた。
「〜〜〜〜〜〜っ⁉︎♡♡♡♡」
上下から発生される様々な刺激がシャミ子に襲い掛かり、手脚や首を縛られた暴れ牛のように身を震わせてしまい、抑えられなくなっていった嬌声が一瞬聞き取りづらい言葉へと変化した。
グチュッ グチュッ チュプッ チュプッ
チュウッ チュウッ コロッ コロッ
みるみるうちに全身を蝕んでゆく快楽の波。小さな凹凸の肌が胸の先端を上下左右に動かすごとに流れる尖りの音。秘部から漏れる生々しい水音。もう抑えが効かなくなった理性の溶けた自分の声が、一際大きくなっていき───
「あっ、やっ、はぁっ……く、来るっ、イッ、イッちゃうっ……ひゃうううっ‼︎♡♡♡♡♡」
ビクンッ‼︎ ビクッ ビクッ
波は最高潮に達して、爆発する快楽が、シャミ子の全身の神経を痺れさせる。シャミ子の開いていた足がガクガクと震え、指を咥え込んだ膣がぎゅっと収縮し、口からは情け無く舌がチロリと出て、吐息を漏らしていく。
「ハァ……ハァ……♡ ふぅ……ふぅ……♡」
まるで空へと昇っていくような浮遊感と身体を内側から焼く熱、その全てが初めての体験で、脳が処理しきれない。シャミ子は頭を空っぽにして絶頂の余韻に身を委ねることしかできなかった。
ふと視線を下に下ろせば、彼の指が蜜口からそっと引き抜かれていた。指にはねっとりとした発情の印が糸を引いており――その異様な光景に、彼の手で自分はこんなにも乱れてたのかと、その事実がまたシャミ子の頭の整理が追いつかなくなった。
「優子、大丈夫か?」
「あっ……は、はいっ……♡」
胸の先端に吸い付いていた口をゆっくりと引き離し、身の心配をしてか頭を撫でる白哉。その手の温かさと彼なりの優しい言葉掛けが、シャミ子の神経を安定させ、心に安らぎを与えていく。
「しょ、正直すごかったです……♡♡ 誰かに弄られた時の方が、自分でした時よりもこんなにも感じられるなんて……♡」
「そっ、そっか……」
あまりもの快感だったからなのか、或いは白哉に自分の身体を弄られた事に嬉々と感じたからなのか、絶頂の余韻が脳内に残りながらも率直な意見を口にするシャミ子。しかも微笑みながらであるためか、白哉はシャミ子のその可愛げのある表情を見て思わず目を逸らした。
「けど、やりすぎですよ……そ、その……私のお、おまんこだけじゃなくて、おっぱいまで弄られた時は、さすがに意識が飛ぶところでした……そのせいで契りが中断しちゃいそうでしたよ……」
「あっ、それは悪かった……」
やはりやりすぎたか。白哉は罰が悪そうに苦笑し、頭を掻きながらシャミ子に謝罪の言葉を掛ける。いくらそれが男の本性だと言っても、彼女に優しい性格である白哉本人に罪悪感がないわけがないのだ。
「………………」
ふわふわとした絶頂の名残に浸りながら、シャミ子は先程のことを思い返し、自分の下腹部にそっと手を触れた。そこはまだじんわりと余韻の熱を帯び、先の快感を待ち侘びるように疼いていた。
ふと白哉の方に視線を向ければ、彼の下腹部が服の上からでもはっきりと分かるほど膨れていたことに気づく。今にも服が破けそうで、破裂しそうで苦しそうに見えていた。
「びゃ、白哉さん……」
「ん? なんだ?」
「次は、その……わ、私が白哉さんに、気持ちいいことさせますね……」
「えっ……」
もじもじとしながらも『奉仕する』と言ってきたシャミ子は、白哉の服の上からその膨らみに手のひらを近づけ、そっと触れる。すると、白哉は大袈裟なくらい焦ってその刺激から逃れ、その場に座り込んだ。
「まっ、待て待て待て待て‼︎ ホント待てって‼︎ あっいや、その……な? 今すぐにはしなくてもいいだろ? いやその、手順的にやらないといけないのだけどよ、まずはお前が落ち着いてからの方が……」
やっぱり恥ずかしい。顔を引き攣らせそう言いながら後ろに下がる白哉を見て、シャミ子はむぅっと頬を膨らませる。そして白哉の左腕を掴み彼の動きを止め、真っ直ぐな目で彼の顔を見つめる。
「……白哉さん。私の色々なところを触ったりしておいて、私を火照らしたら『落ち着くまで待て』だなんて……まるで都合の良い女扱いされてるような気がして嫌なんです」
「ウッ……」
「それに……白哉さんも、本当は相当溜まってますよね……?」
「そっ⁉︎ それは……そうなんだけどよ……」
「むぅっ……」
正論と本心を突かれ、不意にそっぽを向けながらも肯定する白哉。彼自身、本音では好きな人に前戯してもらえるのならば本望だと思っているのだろう。しかし、自分のモノを致してもらおうとするのに罪悪感を感じている。好きな人のはたくさん弄っているという矛盾を起こしているが。
何故この期に及んで後ろめたくなるのだと、痺れを切らしたシャミ子は白哉の腰のベルトに手を掛け、不器用ながらもカチャカチャと音を立てながら素早く外した。
「ちょっ⁉︎ ゆ、優子待て‼︎ マジでまだ心の準備が……」
「わ、私の身体弄った時点でもう覚悟が決まったようなものじゃないですか‼︎ い、いい加減……いい加減私にもご奉仕させろー‼︎」
そう言って、ベルトの固定がなくなり腰への締まりが緩くなった白哉のズボンにも手を掛け、そして……
白哉の大きく斜め上にそそり立つ、優美な彼の身体と反比例しているような凶悪な形状をしたソレを……肉茎を目の当たりにした。亀の頭をした先端は赤く腫れており、棒状のソレは血管が浮き出ていた。
「えっ。あっ……」
シャミ子は絶句した。自分が予想していた大きさよりも遥かに大きく、それでもってビクッビクッと小刻みに震えていたそれを見て、思わず言葉を失ってしまったからである。
放心しながらもまじまじと見つめる中、気がつけば彼女はそれを右手でそっと掴んでおり、その不意とスベスベとした肌を持つ小さな手の感触によって、白哉は顔を真っ赤にし、肩を震え上がらせ歯を食いしばるかのような表情になる。
「ッ……」
スルスルと肉茎の周りをなぞる手による、彼女の雪が太陽の光に混ざったかのような白さと、己の欲望を体現する赤黒さとのコントラストが、妙な背徳感を生みだした。
「あっ。ご、ごめんなさい。私、つい……」
「い、いや、別に嫌がってるわけじゃねェから。女に触られるのが初めてで、その気持ち良さにビックリしただけだから……」
白哉の反応を見て思わず肉茎を掴んでいた手を離し謝罪するシャミ子。しかし当の本人は不快だとは思っておらず、寧ろ『嬉しい』と言い換えているかのような言葉を述べた。
「き、気持ち良さに、ビックリ……? そ、それってつまり、今のは気持ち良かった……ってことですか?」
「あ、あぁ。言葉の通り……です」
「そ、そうですか……えへへ」
自分が無意識に行ったことが、白哉に快感を与えることができた。その事実だけでも喜ばしく感じたのか、シャミ子は思わず微笑みを浮かべた。
本来ならば『汚い』などと言われても不思議ではないソレに触り、『気持ち良い』と言われて良い気分になる女性はいるはずがない。なのにシャミ子はそれを言われて喜びの感情を出している。これが恋人特権、なのだろうか。そうではないのだろうか。
「……でも、不思議です。私と同じ身体の位置のものなのに、興奮した時の形や固さが、私のと違って大きく変わるんですね……あっ。いや、普通の時どころか、これを見ること自体が、初めてだと思うんですけど……」
男性のモノを見ること自体が初めて。それを聞いた白哉は『そんなことがあり得るのか』と言っているかの如く目を丸くした。
「えっ、初めて? えっと、お前のお父さん……ヨシュアさんと一緒に、風呂に入った覚えは、ない……のか?」
「……何故かそういった経験のありそうな記憶が飛んでいっちゃって……」
「そ、そっか……」
魔法少女──千代田桜さんにコアを与えられた時の影響かな。幼少期の記憶が曖昧になっていたのだろう優子の発言に、白哉は思わず一人で勝手に納得した。
「でも……白哉さんのがこんなになっているってことは、私で興奮してくれてるって……ことですよね? 私、嬉しいです……」
甘い言葉を口にされたわけでもないのに、シャミ子は蕩けた表情になって白哉の肉茎を見つめる。本来ならば、ソレを見つめる方も見つめられる方も羞恥心を覚えるはずだろうに、見つめる側のシャミ子は嬉しそうに微笑み───
「……はむっ♡」
ソレを、躊躇なく咥えた。
頬の粘膜が肉茎に絡みつき、口腔内全体のうねる感覚に襲い掛かっていく。唇の肉圧によって真空状態が生まれ、亀頭全体を締め付けて始めた。腰の奥が甘く痺れるような感覚が白哉のソレから全身を通り、彼の腰が無意識に浮いた。
「んぐっ……‼︎」
「(あっ、反応してくれました。嬉しい……) んっ……んふっ……ちゅぱっ……ちゅぱっ……♡」
その反応を見てさらに嬉々としたのか、シャミ子は口全体を使って吸引し始める。そのまま頭を上下させ、ジュポジュポッという音を立てながらのストロークを繰り返す。捲れ上がる唇と肉茎の隙間から唾液と空気が混ざり合った粘液が溢れ出し、泡立った白っぽい液体となって溢れていった。
「んふふっ……♡ んふっ……んんっ……じゅぞっ、じゅぷぅっ……んんっ……♡」
シャミ子はどうやら相当にいい気分らしい。時折喉奥から漏れる声は、白哉にとって非常に扇情的なものとなった。そして何より扇情的になったのは、彼女の目。潤んだ瞳で上目遣いに見つめられ、今にも白哉の下半身に溜まっていた何かが込み上げられそうなっていく。
刹那。
「んふっ………………ぷはぁっ♡」
「へっ……?」
シャミ子の動きがピタリと止まったかと思えば、卑しい声を出しながら肉茎を咥えていた口を離した。あれだけ夢中に咥えていたモノを何故突然開放したのだろうか、と白哉は戸惑った様子を見せる。
ちなみに吸引から解放された肉茎はどうなったのかと言うと、口腔内の感触と快感から離されたことによって収まり、少しの萎みが起き──ることはなく、本人の無意識に、今にも続きが待ち遠しいと伝えているかの如く、ビクンッビクンッと小刻みな痙攣を繰り返していく。
「えっと……それって、俺がお前にさっきした時の真似事? それともそれに対する仕返し、か……?」
「……どれもちょっと違います。その、せっかく白哉さんのを気持ち良くするのなら……」
そう言いながら自分の乳房を優しく持ち上げ、左右に動かして出来た谷間を白哉に見せつけるシャミ子。これから凄い事をします、と宣言しているかのようにたぷたぷと軽く上下に揺らし、白哉の視線がそこへ向かうように誘導する。
何をするのだと不思議そうに視線向けているのを確認したのか、シャミ子は乳房を白哉の肉茎へと近づける為にゆっくりと近寄り……
ずぷんっ♡♡ むぎゅうううっ♡
「んはぁっ⁉︎」
谷間に肉茎をすっぽりと入れ、手で乳房を押し付けるようにして挟み込んだ。柔らかなマシュマロのような感覚が肉茎にぬるりと纏わりついて、凹凸にぴっとりとくっついた。
信じ難いほどのその圧は、今にも肉茎に込み上がる何かを搾り取ろうとするかのように全方位から押し寄せて密着度を増し、一般的なサイズよりも少し大きめなそれによって、亀頭以外全てが包まれて見えなくなった。そして肉茎も亀頭しか見えなくなったにも関わらず、全体を通すかの如くビクンッビクンッと震えを見せる。
これぞ俗に言う、男性が性行為する際のロマンとも言われる象徴──パイズリという性行為である。
「こ、こっちも、使ってあげてみようかな……なんて♡」
小悪魔じみた自分を演出するのが苦手だったのか、それを表現したような台詞を呟いたシャミ子は思わず照れ笑いした様子で白哉を見つめる。対して彼の方はというと、包まれれば埋め尽くされそうなぐらいの柔らかさとハリのある乳丘の感触に襲われ、その気持ち良さによって歯を噛み締める。
「ッ……」
「ど、どうですか白哉さん? い、痛かったりしますか? 初めてなので、加減とかが分からないのですが……」
「い、いや、そんな事ねェよ……しょ、正直気持ち良過ぎて、顔に変な感覚を覚えたから、変な顔が出ちまったのかもな……悪い」
「そ、そうですか……えへへ、よかった……♡」
シャミ子は先程まで、自分の乳房の圧が白哉を苦しめたのではないかという不安を感じていたらしい。しかし彼は正直な感想を述べてきたため、嬉しさと恥ずかしさのあまり再び照れ笑いを見せる。
ふと、白哉がとある点に気づき、シャミ子に問いかける。
「ってか……さっきの咥えてたのといい、それと言い、一体どこで知ったんだ……? ま、まさか前にリリスさんから教わったから……とかじゃないだろうな……?」
行為自体お互い初めてなのに、何故シャミ子がフェラやパイズリの事を知っているというのか。その事実にどうやら白哉は一抹の恐怖を感じていた。
もしもリリスが夢の世界を通して性に関する知識をシャミ子に教えていたとしたら……リリスを信用していないわけではないが、シャミ子に良からぬ知識が入ってしまえば取返しのつかないことが起きるのかもしれない。そう危惧しているらしい。
そうして問いかけてきた白哉に対し、シャミ子はむにゅうっ♡ と亀頭の下部分が見えなくなりそうな程に乳房を押し込みながら、真っ赤な顔で逸らし、そっぽを向けて……
「………………いえ……自分で、調べました……」
はっきりと、されどぎこちない様子でそう答えた。性知識を自ら調べて学んだ、その言葉に白哉は思わず茫然とした表情を浮かべる。
「………………へっ?」
「ほ、ほら、私には桃から借りたパソコンがあるじゃないですか。こういう日が訪れた時のために、事前に覚えたやり方で白哉に喜んでもらえればと思って、それで色々と調べてて……」
「……自分から率先して調べてたってわけか……」
奥手なことが多い彼女が、誰からの誘導もされずに率先して性知識を得ていた。その事実に白哉は今度は顔を引き攣らせて苦笑いを浮かべる。
そしてついでに思った。人から借りた端末でそんなもの調べるなよ、と。
「で、でも……思ってた通り、喜んでいただけたみたいでよかったです。それじゃあ、初めていきますね……ま、まずは、ちょっと汚いかもしれませんけど……んれぇ……♡」
そう言ってシャミ子は、自分の胸の谷間と白哉の亀頭に口から涎を垂れ流していく。普通ならば『汚い』類にされるはずの涎。しかしその無色の液体が被せられたところには、『汚い』類のものがあるとは思えない程の光沢が淫靡に放たれる。
そして、その光沢を放つ胸を持っている腕を少しずつ動かし、胸を白哉の腰に打ち付け始める。
ずにゅ ずにゅ♡ たぱっ たぱっ たぱんっ♡♡
程良く締め付け肉茎に絡みつくきめ細やかな乳肌は、その感触だけで白哉の粘膜と乳房との境が蕩けてなくなってしまうような錯覚を与える。雄の我慢汁と汗、涎の潤滑油は魔族の秘められしフェロモンと相見え、本能を刺激するような性臭を漂わせる。
「っ、あっ……」
「どうですか白哉さん? 気持ちいいですか?」
「あ、あぁ……ぶっちゃけ文句なしだよ、ホントに……」
「そ、そうですか……すごく嬉しいです……♡」
じっと上目遣いで白哉を見据えながら彼の反応を確認するシャミ子。自分の胸の感触が良かったことを知った後、彼の反応を見ながら乳房を挟み込む腕の力に強弱をつける。焦らすように、カチカチとなったソレをほぐすように、優しく胸で包み込むように扱いていく。
「じゃあ……ここからは、ちょっとずつ動きとか変えてみますね……♡ 色々と調べた成果を見せたいので……♡」
ぎゅむうぅぅぅっ♡♡ たんっ♡ たんっ♡
でろおぉぉぉっ♡ ぱちゅっ ぱちゅっ♡♡♡
シャミ子が蕩けた瞳での上目遣いで白哉を見つめながら、宣言通り乳房を持ちながら動かす腕の動きを変えていく。
時折力強くその乳肉を締め付け、激しく破裂音に似た音が鳴るほどに乳を打ち付ける。
時折弄ぶように左右の乳房を擦り合わせては、谷間に溜まった肉茎からの先走り汁を乳肌全体になじませ、さらに密着感が増すようにする。
動きを変えたりされていく内に、白哉の肉茎からは何かが沸き起こり、陰嚢からは煮え滾るような熱が込み上がる。さらには硬さと大きさが増していき、シャミ子の乳肉の中で自己主張を強める。
「あっ……♡ さっきまでよりもすごく反応してくれてる……嬉しいです♡」
当然それはシャミ子にも伝わり、自分の乳房の狭間でいきり立つ肉茎の熱を感じ、彼女は真っ赤な頬をさらに緩めた。そして答えるように、喜びを示すように、彼女の乳房と腕の動きが速くなっていく。乳房を腕で抱えこむようにして、限界まで肌と弾力の圧を高めて上半身ごと上下に激しく動く。
ずにゅうぅぅぅ♡♡ たぱんっ♡
腕が持ち上げられると、開いた肉茎の先端の皮の傘に乳肉が絡み腰が浮きそうな程の感触がそこへと伝わっていき、そして腕が下げられるときにはむっちりとした肌と乳肉を掻きわける感触も重なっていく。
そんな激しい刺激に耐えられるはずもなく、白哉は呻きながらシャミ子に声を掛けた。
「ゆ、優子……‼︎ わ、悪い……そろそろ、出そうだ……‼︎」
「あっ……♡ 私のでイッてくれるんですか? いいですよ、イッてください♡ これ言うの遅いかもですけど、白哉さんの好きな時にイッていいですからね……♡」
ぱちゅんっ ぱちゅんっ ぱちゅんっ♡ ぎゅうぅぅぅ♡
これでもかと激しく白哉の肉茎を擦り上げる乳房。その先っぽは薄紅色の軌跡を宙に描きながら、上下に揺れた。そして白哉の肉茎から爆発する何かが限界に達したとき、シャミ子は両手で思いっきり胸を抱きしめる。
そして、白哉は身体を震わせながらシャミ子の乳房に精一杯腰を押し付けて───
ドピュッゥウゥウッ♡♡♡♡ ビュッ♡♡ ビュルルルッ♡♡♡ ドクン♡♡ ドクンッ♡♡
「きゃっ⁉︎♡♡♡ あっ、ちょっ、なっ、何これ……?♡ 何かが、飛び散ってきて……?♡ と、止まらない……♡♡」
あまりの乳房の圧に肉茎の中に溜められた何かが一気に込み上げ、シャミ子の胸の間で爆発する。その勢いは、本来聞こえるはずのない音が、そこから鮮明に響いてくる程だ。
肉茎を乳房の中で暴れさせながら、凄まじい勢いで液体のようなものが吐き出され迸り、その谷間と勢いによってかかった彼女の可愛らしい顔を白濁でドロドロに汚していく。
吐き出したソレで更に乳房のぬめり気と少しの光沢感が増し、その胸は肉茎に圧倒的な弾力と肌の圧で絡みつき、液体が漏れるのが止まる気配が見当たらない。
ドプッ♡♡ ビュルッ♡♡ ビクッ♡ ビクッ♡ ドロォッ……♡♡
「ハァ……ハァ……♡ も、もしかして、これが……せ、精液……? 初めて見ました……♡ 変な臭いだけど、温かい……♡♡」
初めて目にした実物の、男性から飛び出す白くて濁りと透明感の混ざった液体──精液。実際に見たソレの色彩と粘り気、そして臭いに豆鉄砲を喰らったかのように茫然とするシャミ子。
しかし本人が想定していたものよりは悪いものではないと判断したからなのか、はたまた白哉が先程まで気持ち良くなれた証だと察知したからなのか、シャミ子は白哉の亀頭の先端の隙間から未だに迸るソレを、うっとりと目を蕩かせながら見つめる。
「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……け、結構、ヤバかったな……いやホント、二重の意味で……」
荒い息を吐きながら射精を続けること数十秒。ようやく吐精の勢いが弱まり、快楽に支配されていた白哉の意識は徐々に現実へと戻ってきた。
シャミ子に乳房を押し込まれて受けた刺激と、その刺激を受け続けたことで精を吐き出した時に持っていかれた感覚、これら二つが重なって白哉の身体に襲いかかってきたことにより、彼はこれまでに体験したことのない疲労感と快感によって荒い息を吐き続ける。
本来ならば、男性は精を一度吐き出してしまえば、その日の内に回復させるのは困難とされている。しかし……
「ッ……⁉︎ い、今のを見るとマジでヤベェ……」
白哉が視線を再びシャミ子の方に下ろせば、彼女の可愛らしい顔と淫靡な光沢を放つ乳房が、己が吐き出した精液の濁りと透明感、そしてゼリーのようなねっとりと粘り気を出しながらドロリと垂れていく動作により、さらなる淫靡さを増していく。
その淫靡さとむわりと精液の熱気・臭いが部屋に広がり、それらが相互して可愛らしい顔立ちのシャミ子を淫靡にし、可憐さとは異なる魅力までをも引き出させる。
そのより魅力的になったシャミ子の姿を目に焼き付けた白哉の心臓の鼓動が高まり、精を吐き出したばかりの肉茎が、射精したことによって萎えるどこか先程よりも硬くなっているようだ。血管がビキビキと浮かび上がり、グロテスクな様相を呈している。ビンッと天を突くように立ったソレは、その汚れた亀頭の先をシャミ子の眼前へと持っていく。
「あっ……♡ また、大きくなって……♡ しかも精液が付いている状態で……♡」
胸の中で再び大きく、ビクンッビクンッと跳ねている肉茎。それに付着して垂れている精液。その二つをまじまじと見つめながら、シャミ子は再び蕩けた瞳になる。白哉のそれを見て、何を思ったのだろうか。
「ちょ、ちょっといいでしょうか……?」
「へっ? な、何がだ……?」
何に対しての許可をとっているのだろうか、と白哉は首を傾げる。そんな彼の応答を待たず、シャミ子は精液で覆い被された亀頭へと顔を近づけ───
「んっ……」
ペロッ♡
その精液を、剥がすようにゆっくりと舐め取り始めた。
「うおっ⁉︎ ちょっ、ゆ、優子⁉︎」
「んぐっ……ゴキュッ……♡」
想定していなかったことに驚き制止しようとする白哉の言葉をも聞かず、シャミ子は舌で掬われたそれは自身の口内へと流し込んでいく。ゆっくりと喉奥にまで達したところで、コクリッという小さな音を立てながら飲み込んだ。
「んはぁっ♡ ………………に、苦い……」
「ハァ……ハァ……あ、当たり前だろ。それ食べ物じゃないんだぞ普通は。外に吐き出されたからって飲まなきゃいけないわけでもないし……」
飲精して一つ息を吐き出した後、予想した味覚とは異なっていたからなのか、シャミ子は思わず本音を吐いて苦笑してしまう。その率直な感想が出ることを予想していたのか、白哉は快感後の浮遊感による荒さ混じりのた溜息を吐く。
しかし、ここで白哉の想定していなかった出来事がまた起こる。
「はむっ……♡」
苦いというその感情を顔にも出しながらも、未だに乳房に軽く挟まれている精液が付着している肉茎を咥えだした。それも躊躇いもなく、尚且つまたもや蕩けた瞳で、精液を吸引される度に刺激に耐えようと噛み締める白哉の顔や肉茎を見つめながら。
「んぐっ……んちゅっ……ちゅるっ……じゅるるぅっ……♡」
口内にて、ギリギリ卑猥な形にならない程に肉茎の輪郭が浮き上がらせながら窄まる頬が吸引し、ある程度その頬で支えられている肉茎を舌で舐め回していき、じっくりと精液を肉茎から取り込んでいく。
「んっ……んふっ……ぷはぁっ……♡ ハァ……ハァ……♡」
肉茎に付着していた精液が全て口内で処理されたと理解したからなのか、シャミ子はソレを咥えていた口を、挟んでいた乳房と共に離し、だらしなく口を開けながら息を整えていく。
その普段の彼女が見せない表情が、精液の独特な臭いによってでろんっとした淫靡かつ卑猥へと変貌した顔が、心無しか肉茎の血管が太くなり硬度を上げさしているように見える。否、実際上がっている。
「ゆ、優子……な、なんでわざわざ全部飲んでくれたんだ……?」
恐る恐る、無理強いしてくれた理由について問いかける白哉。それに対してシャミ子は不意を突かれた時のような表情で、顔を林檎のように紅潮させる。そして徐にそっぽを向き、口篭りした声で呟く。
「………………癖になって……」
「は?」
「最初は『恋人なんだし頑張って飲んであげよう』って気持ちでやったんですけど、一口を飲んでみた時に、その……『苦いけどもうちょっと味わいたい』って思うようになって……それで舐め取っていく内に、癖になってしまったんです……」
「そっ……フフッ、そっか」
もじもじと人差し指同士をくっつけながら問いかけに答えたシャミ子。その顔は本音を暴露したあまりか、未だにそっぽを向いたままだ。
しかし、その反応は白哉にとっては効果的であった。本来ならば躊躇ってもいいはずの精液の吸引。それを精液の味覚がよくなくても、下品さのある行為であっても、想い人のために堪えてでも行うというシャミ子の健気さに、白哉は思わず笑みが零れた。
「ありがとうな、優子。すごく気持ち良かったぞ」
「あっ……えへへっ、ありがとうございます」
感謝の意を込めて頭を撫でる白哉。そして彼に優しい対応を受け惚悦するシャミ子。二人の瞳は慈愛に満ちており、互いのその瞳が互いを綺麗に写していた。
「………………優子、そろそろ……いいか?」
「はい……♡ ここ、また苦しそうですよね? 私も、ちょっとウズウズしちゃって……」
刹那。二人の身体が赤紫色・銀色の光にそれぞれ包まれていく。その光が収まった時には……
お互い衣服も下着も付けていない状態、生まれたままの姿──全裸になっていた。白哉は細い身体にある程度鍛えられたことが証明される程の骨格のラインが見え、シャミ子は一般の女性よりも小柄な体躯と健康的な肌を曝け出している。
白哉の召喚師覚醒フォームとシャミ子の危機管理フォームは、変身する前の各々の衣装をイメージしない限り、魔力を使い果たすとその時の衣装が消滅し、今のような姿になってしまう。魔力が微量でも戻れば、変身する前の衣装には戻れるようになるのだが。
生憎、今回二人は契りを行う前にそれぞれ別の部屋で衣服を脱いでから変身したため、今のように魔力を残したまま変身を解除しても問題はなかったのだが。
「「あっ……」」
二人揃って呆気に取られたような声を出す。お互いが片方側のフォーム衣装を解除するとは想定していなかったからなのか、はたまた考えが同じであったことに驚いたからなのか。
「えぇっと……ゆ、優子も、本番をする時は全裸になる派、なんだな……?」
「あっ、は、はい……調べた資料でも、こういう場面では、男女共に全部脱いでいたので……」
「(何の資料を見つけたんだよ……大体予想つくけど)」
思わず苦笑い。そして脳内にてこう思った。勇気を振り絞って調べたのはいいことだが、熱心になる方向性を間違えていないか? と。それでも尚、この時が来ることを想定して前もって準備してきたシャミ子の健気さに、改めて心を奪われた白哉本人がいる。変わった純粋さを持っているという点では、どっちもどっちである。
刹那。白哉の左腕が何かに引っ張られ、何かサラサラとした何かの感触が左手に伝わっていく。
それは、シャミ子の心臓部がある位置の腹部であった。気づかぬ間に左腕をシャミ子の両腕によって引っ張られ、左手を彼女の心臓部に当てられていたようだ。そこから他の体部よりも温度が高く、ドクンッドクンッという心臓の鼓動が、左腕を通して伝わってきたのだ。
「ゆ、優子……?」
「白哉さん……私、本当はこれから私達が行うことなんて、決して来ないんじゃないかって、思っていたんです」
「えっ……?」
シャミ子が突然の一抹の不安を暴露したことにより、白哉は豆鉄砲でも受けたかのような表情になる。『それはどういう意味なのか』と問いかけようとしたところで、シャミ子がまた口を開く。
「前までの私は、偶に愛が重くなる自分が怖くて、それを自覚する度に白哉さんが傷ついてしまっていないかって……そうでなくても、白哉さんを苦しめているのではないかって………………こんな中途半端な女に翻弄されたら、きっと『恋人にはしたくない』って思っているのではないかとも、考えてました」
「……そうか」
そんなことはない、という言葉が脳内に思い浮かばれたものの、それを口にすることを留めた白哉。
彼はこれまでシャミ子に取り返しのつかないことをさせまいと必死に立ち回っており、無理強いまでして彼女が暴走しないかどうかと警戒していた。そんな『彼女との距離をおこうとしているように見える』と思われても仕方のない行動を繰り返してきた。そのため、彼女が零した不安を否定することが出来なかった。
だが。
「けど……今思えば、よかったなって思うようになりました。こんな私を貴方は受け入れてくれた。そして過程がどうであれ、これから私を抱いてくれる。その事実が嬉しくって……今みたいに心臓がドキドキするぐらい、私はこんなにも昂っちゃってます。昂りまぞくです」
「優子……」
笑顔もまた零れる。偽りとなる要素が何一つ存在しない、健やかで可憐な笑みだ。愛する人に対して本当に見せたかった、その純粋な想いが直接白哉に語りかけてきているような、そんな表情をしていた。
そんな恋する乙女の顔の印象が強いシャミ子の笑顔を見て、白哉は改めて可憐な彼女に見惚れ、惚れ直したように呆気に取られた表情になった。そしてまた微笑んだ。
「ありがとうな。そう言ってくれると、俺も嬉しいよ」
「は、恥ずかしいです……」
率直に白哉に感謝の一言を述べられ、思わず彼の腕を持っていた手を離しそれで顔を抑えてしまうシャミ子。隠しきれていない顔の部分である額や顎を覗くだけでも分かる程、照れ隠しで顔を真っ赤にさせている。そうなる程に恥ずかしく、そして喜ばしく思っていることなのだろう。
「スゥ……ハァ……」
一つ深呼吸をし、顔を隠していた腕を下ろす。顔色も日照りも元に戻ってはいないものの、ある程度の覚悟は決めたようだ。ゆっくりと布団のところに腰を下ろし、そのまま仰向けの状態へと倒れ込み、ゆっくりと脚を開いた。
そこには軽く膨れ上がった鼠径部が見え、さらには綺麗なピンク色の秘裂をゆっくりと指でくぱぁと開いてその中の膣口を白哉に見せつける。そこからとろとろと溢れる液体──愛液が膣口から垂れ、微量ながらもそれは布団に染み付いた。
「(あぁ……私達、これからするんだ……)」
シャミ子の心臓が鼓動を起こす。これから自分はどうなってしまうのだろうか。予想していたのとは違う感覚に襲われるのだろうか、意識が飛んでしまうことはないのだろうか、それとも……
「(ちょっと不安なのは否めない。でも……それでも私は白哉さんに、これからしてもらうことを期待してしまう……早く、早く来てほしいです……)」
無自覚か、シャミ子は鼠径部から発生するピリピリとした刺激に襲われ、まだかまだかと白哉がこちらに近寄って来ることを祈るか如く、潤んだ目での上目遣いで彼の顔を見る。そして待ちきれなくなってきたのか、両手を差し伸べ、甘えの言葉を投げかける。
「……白哉さん……そろそろ、お願い、します……」
「……あぁ、分かった」
こくりと頷く白哉。表情は平然を装っているかのように見えるが、内心はそうもいかなかったようだ。咄嗟に左手で心臓を押さえる仕草をしており、そこからドクンッドクンッという鼓動が鳴り響いている。その妖艶な姿で甘えてくる彼女に期待されているのだと、心の底から分からされたようだ。
そして、ついにその時が訪れる。
白哉がゆっくりと布団に少し浮かせるように腰を掛け、彼が来ることを待ち望んでいるシャミ子の鼠径部へと近づき、蜜口に剛直を再現したような、己のソレ宛てがう。先端が入口の媚肉に僅かに食い込むと、シャミ子はピクリと身体を揺らした。
ニュプッ……♡
「んっ……‼︎♡ あっ、来る……ついに……」
「力、抜いとけよ……」
白哉の言を受けたシャミ子が、深く息を吸う。いくら少し前に行った丹念な愛撫からずっと潤っているとはいえ、眼前に立ちあがる欲情の権化はやはり、指二本しか受け入れたことの無い彼女の膣にはあまりに大きいように思える。
それでも白哉にできるのはただ、それを強引に押し込むことだけ。己の無力さに打ちひしがれつつも、身体の先に感じる彼女の熱に抗うことは出来ず……白哉はシャミ子が息を吐いた隙に、意を決して腰を沈めた。
ヌップ♡ グプグプッ……♡♡ ズプンッ♡♡♡
「はぁっ……あっ、んんっ‼︎ ふはぁっ‼︎♡♡♡ あぁ……♡♡」
「んぐっ、ふぅっ……キ、キツッ……」
窮屈な柔筒が無理矢理に押し広げられ、否応なしに肉茎を飲み込んでいく。突然の圧迫に驚いて襞の一つ一つがぴったりと纏わり付き、迎え入れたそれを包み込まんとする膣の動きに白哉は内心舌を巻くが、そんな感嘆も、シャミ子の口から漏れた鳴声と、彼女の目尻からポロポロと流れてきた涙を前に消えていった。
「んっ……んふっ………………」
「……痛いか? 優子」
「ふえっ……? い、いえ、痛くはな──」
「ここから破瓜での血が出てないとはいえ、痛くなかったら涙なんか出さないだろ」
「えっ……? あっ……」
先程まで涙を流していたことを自覚していなかったのか、白哉の指摘に気づいたシャミ子はその涙を腕で拭った。自覚がなかった証拠としてか、目尻に涙を少し溜めたまま苦笑を溢す。
そして先程の指摘によるものなのか軽く舌を噛み、息を吐いた。ただし、そこに込められているのは苦痛ではなく、身も心も満たし尽くすような充足感であった。
「これは、違うんです。今まで込み上がってきたものが、溢れ出たみたいなだけでして……」
「……本当、か……? 無理はしない方が──」
「嘘じゃ、ないです……」
彼の指摘を否定するように首を横に振り、その言葉を遮り、また息を吐く。今度は己の感情を整えているかのように、ゆっくりと。
「私……すごく嬉しいんです。白哉さんが、自分のを私の中に入れて暖かくしてくれて……それで、貴方と一つになれたことを、実感させてくれて……♡」
自らの下腹部をなぞり、うっとりと微笑むシャミ子はそう言って、潤んだ赤茶色の瞳を白哉に向けた。彼はその輝きに魅入られ、目が離せなくなる。
「ッ……優子……」
「白哉さん……」
互いに熱い視線を交し、両手を差し伸べるシャミ子に導かれるように、白哉は顔を寄せ、真っ直ぐにその唇を奪う。
吐息を交換し、唾液を惜しげも無く熱い舌を通じて混ぜ合わせて、彼女の生き生きとした鼓動を、甘い息遣いを、触れ合う口だけでなく、深々と絡み合う繋がりから感じ……それが、何よりも白哉に実感をもたらすのだった。
「んっ……んふっ……ふうっ……」
「むうっ……んはぁっ……んんっ……♡」
今、平地白哉は、シャミ子と交わっている。
他のどんな女性よりも背丈は小さく、それでもって胸は大きく、人間にはない角と尻尾がある、その可愛らしく憂い肢体を組み敷いて、蜜で蕩け切った彼女の純情なる蜜壷に、燃えるような己の肉欲を突き立てて……
白哉は今、シャミ子、シャドウミストレス優子と──吉田優子と、セックスをしているのだと実感させる。
口の中より熱く柔らかな粘膜は、呼吸に合わせて蠢きながら白哉の愚息を熱烈に締め付けて離さない。そんな彼女の挙措全てが紛れもなく彼女の生の証であり、白哉はその事に果てしない喜びと愛おしさを感じるのだった。
数分もの時が経った。どちらからともなく顔を離して、シャミ子はじっとりとした熱情を余すことなくその視線に乗せて、口を開いた。
「………………白哉さん、動いてください。早く、貴方を私のものにしたい……そして、私も貴方のものになりたいんです」
銀鈴の声音の囁くような甘い誘惑。その口から発されたのは、溺愛する者を束縛するという、独占欲と畏怖の念の強い台詞。隠し通すことのない彼女の本心に、白哉は恐怖や絶句などせず──思わず乾きのない笑声を溢す。
「……ハハッ。愛が重すぎるな、そのセリフは」
「フフッ、もう開き直りました。私は白哉さんに対して時々愛が重くなります。最近嫉妬することはないですけど、白哉さんが他の女の人と仲良く話していると嫉妬します。独占したくなります。けどみんなとは仲良くなりたいです。矛盾してます」
「笑顔でめっちゃ開き直った……清々しい程に」
白哉に対する本心を隠し通すのをやめ、積極的になることを誓ったシャミ子。笑顔で愛する者の前に対しての素直な感情をそのまま出すことはかなり効いたのか、白哉の顔は真っ赤になる。そして『愛されている』という事実に対して微笑んだ。
恋人が愛が重いことを改めて暴露してきたにも関わらず、引き気味にならず『恥ずかしい』という感情を出すだけで済ませられている。これが愛の重い女性の恋人になった者の余裕というべきだろうか。
「それじゃあ……待たせてしまって悪かったな。動くぞ」
「は、はい……どうぞ……♡」
シャミ子の甘い承諾と甘い誘惑に、白哉は息を飲み、彼女の手を取り絡める。もう逃がさないとばかりに滑らかな手をぎゅっと握って、白哉はゆっくりと腰を引いた。
瞬間、柔襞が竿をなぞる心地よい抵抗感が白哉とシャミ子の背筋を駆け巡り、止まることなくまた奥に押し付ける。
ヌポッ……♡ ヌポッ……♡ ブヂュッ……♡ バチュッ……♡ ブヂュッ……♡ バチュッ……♡
「っんあっ……‼︎♡ はぁっ……♡ んうっ……♡ んはぁっ……♡」
ゆったりと繰り返される抽挿に、シャミ子は鈍い痛みと痺れるような快楽を混ぜ合わせたような声を漏らす。
その襞の一つ一つまで味わい尽くすように肉茎が出入りしていく毎に、その度に溢れてくる透明な愛液が結合部を艶めかしく飾り、静かな水音が彼女の嬌声の間隙を縫って漏れていく。
ズップ♡ ズップ♡ ズッ♡ ズッ♡
「はうぅっ♡ ふぅんっ♡ きっ、気持ちいいッ……♡ 白哉さんのっ、気持ち良すぎ、ます……♡♡」
「……俺もだよ。ヤベェ程気持ちいいッ……」
恍惚とした表情で初めてのセックスに感じ入り、そう絞り出したシャミ子の声には、いつしか痛みという要素が消えていた。その順応が早いのは、彼女がこれまでに非日常を経験したことで持ち合わせた適応能力の高さのおかげか……
などと考える余裕は、白哉にはもう残されていなかった。
粘膜が触れ合い、僅かな摩擦と圧迫がもたらされる度に、桃色の唇からは甘い吐息が漏れ、細くも太くもない程良い腹周りをした腰がピクリと浮き上がる。端正な面持ちは全身を駆け巡る快楽に力なく蕩け、それでも赤茶色の視線は白哉を捉えて離さなかった。
パンッ♡ パンッ♡ ズチュッ♡ ズチュッ♡ ドチュッ♡ ドチュッ♡ グチュッ♡ グチュッ♡
「ひゃあぁんっ⁉︎♡♡♡ はっ♡ 激しっ♡♡ いきなり♡ はげしくっ♡ しちゃ♡ はんっ♡♡」
瞬く間に、本能のままに抽挿のペースを上げていく白哉。腰と腰、それらにじっとりと滲んだ汗が重なり合う音が部屋中に響き渡り、その音がBGMの代わりとなって鳴り続ける。
シャミ子の表情は、肌と肌がぶつかり合う度に、惚悦による快感で歪んでいってはいるものの、元からの愛おしい顔立ちによるものなのか、その可憐さは失われてはいなかった。
グニュッ♡ グニュッ♡ ムニュッ♡ ムニュッ♡
「ひゃんっ⁉︎ んうっ……♡ んあんっ……♡ お、おっぱい……♡ もんじゃらめえええぇぇぇ……♡」
抽挿を繰り返しながら、白哉は目の前でたゆたゆと無防備に揺れる膨らみを掴み、手のひらに馴染ませるように揉み込む。夕日に当てられたかのように明るい健康的な人肌の色に、じっとりと滲んだ汗が更なる色香を放ち、ピンと張った桃色の突起を優しく摘めば、耐えかねたシャミ子はきゅうと締めつけを強める。
彼女の心に、身体に直に触れて、それら全てをどうしようもないほど愛おしく、この手に放したくなくて───
「優子ッ……‼︎ 好きだ、好きだッ……‼︎」
「あんっ……‼︎♡♡ わ、わたしもッ……‼︎♡ んんっ♡ すきです……‼︎♡ んはぁっ♡ だいすきッ……‼︎♡ はなれたく、ひんっ♡ ないですッ……♡♡ もっと、そばにいたいッ……‼︎♡♡」
口をついて出た愛の言葉は、白哉がシャミ子を想っている――その証拠に、違いない。
そして、目の前でこの上なく幸せそうに微笑む彼女に、下腹部からせり上がってくるこの熱い欲望を、本能のままに全て注ぎ込んで……愛おしい彼女を、改めて自分のものにしたい。自分色に染めたいという欲求を、制止する理由など、もはやどこにもなかった。
「ッ……‼︎ そろそろ俺、出そうだッ……‼︎」
「はんっ♡ んあっ♡ ひんっ♡ だっ、だして、ください……‼︎♡ びゃくやさんの、せーし♡♡ ぜんぶっ、だしてっ……‼︎♡♡♡」
全身に玉の汗を浮かべて息を切らしながら、そう懇願する彼女の膝を白哉は抱えて前倒しにする。自重を利用してぎゅっと腰を押し付けると、限界の近い愚息の先がコツンと最奥に当たったのが分かった。この先の子宮に、届かせなければならないのだと、直感する。
ドパンッ♡ ドパンッ♡ ズンッ♡ ズンッ♡ ジュプッ♡ ジュプッ♡ ズパンッ♡ ズパンッ♡
「あっ♡ あっ♡ ふあっ♡ ひゃっ♡ イクッ♡ イクッ♡ イッちゃいますぅ♡♡」
「……何度でもイッていいんだ。出すまでに、俺も一緒に気持ち良くやってやるからッ……」
そのまま白哉は何度も子宮口に押し付け、腹の底を抉るように緩急をつけて前後させる。その威力に悲鳴をあげるシャミ子に応えるように、白哉は暴力的なまでの快楽に震える抱き心地の良い身体を抱き寄せた。
彼女のいい香りと混じりあった汗の匂いが、生を象徴する熱い鼓動と体温の温もりが、耳元にかかる甘い息と嬌声が、思考のなにもかもを支配して理性を奪い去っていく。
ズポッ♡ ズポッ♡ ズボッ♡ ズポッ♡ ドチュッ♡ ドチュッ♡ ドチュッ♡ ドチュッ♡
「はんっ♡ ふぅっ♡ あぁ♡ ひゃあんっ♡ だしてっ……‼︎♡ だしてっ‼︎♡ はやくっ♡ だしてくださいっ‼︎♡♡♡ いっしょにっ♡ イキたいですっ‼︎♡♡♡」
そんなひとつになってしまいそうな程の熱い抱擁が、シャミ子を快楽の頂きへと導いた。魂を震わせるような絶叫と共に、腕の中の身体が一際大きく跳ね、ピンと伸ばされた足がガクガクと震え始める。
次の瞬間、柔らかな襞を纏わりつかせる膣が急激に蠕動を繰り返し、まるで白哉のものを丸ごと飲み込もうとするかのように圧迫が強まった。
想像を絶する快楽に頭が真っ白になり、揺らめく意識の中なんとか奥深くに腰を差し込むと──
「ッ、出るッ‼︎」
ビュルルウウゥウウゥッッッ‼︎♡♡♡♡♡
「あっ‼︎♡♡♡♡ ふにゃあああぁぁぁあああぁっ‼︎♡♡♡♡♡」
すぐに、白濁が尿道から飛び出していく、あの鋭い射精感が全身を駆け巡った。
己の精を、本来聞こえるはずのない、白哉の愛情の込められた精が放出される音と共に、彼女の子宮の中へと余すことなく流し込んでいく。
それは共鳴する彼女の胎内にあっという間に飲み干され、その先の卵子に辿り着いてしまいそうなほど熱く、その喜びに全身の細胞が快哉を叫ぶ。
ビュクビュクッ‼︎♡♡♡♡ ドクンッ♡♡♡ ドクンッ♡♡♡
「で、でてるぅっ……♡♡♡ びゃくやさんの、せーし♡♡ なかに、でてるうううぅっ……♡♡♡」
「ッアッ……くっ……ハァ……ハァ……」
今白哉に与えるのは、心の底から沸き立つような肯定感だった。白哉の今が、己と彼女の身と心を案じ歩んできた道が、彼女への愛情の証によって、正されていく。そんな、心の安寧であった。
脳裏に染み付いた強烈な快楽と心地よい安堵感が、吐く息と共に薄らいでいく。それに若干の寂しさを覚えつつも、今はまだやり切った満足感が脳内を占めていた。そうして白哉はぺたりと寝台に座り込み、身体を繋いだまま忘我の境地を味わう。
ドクッ……♡♡ ドクッ……♡♡
「ハァ……ハァ……♡♡ あっ……♡ す、すごいっ……♡ 白哉さんの、精子が、こんなにっ……♡♡」
「……なんか、自分の欲深さに引いちまって恥ずかしくなるな……」
今も脈打つ腟内は溶けて混ざり合ってしまいそうなほど熱く、塞いでいるのにも関わらず結合部からはあまり余った精液が漏れ出ていた。その見るからに淫猥な光景から目を逸らせば、紅く濡れた瞳と視線が絡む。
「あっ………………白哉、さん……」
「……ハハッ。魔族特有の自動的な避妊魔法がなかったら、絶対孕んだよな……」
たっぷりと時間をかけて二人は今の瞬間を噛みしめるように精を吐き出し、お互いに身体を預け合う。その余韻を示すようにシャミ子の身体は汗ばみ、その薄い朱色の肌はピンク色に火照っていた。
「……卒業したら、絶対に孕んでやりますよ、白哉さんとの赤ちゃん。町を守る女帝としても、子供を健やかに育てられるおかーさんまぞくとしても、立派なまぞくになってやりますから」
「……つ、強く出たなお前……」
荒く甘い息を吐きながら笑顔を見せるシャミ子に対し、白哉も一抹の不安を持ちながらも微笑み返す。そしてひとつ息をつき、白哉は名残惜しくもシャミ子のを塞いでいる己のものを引き抜こうとして……
「あっ、まっ、待ってください‼︎」
途端に、離れようとする白哉をシャミ子は脚で彼の腰を羽交い締めして引き止めた。ぎゅっと掴んで離さない少々短めな脚と固く結んだ口元に並々ならぬ意志を込めて、僅かな躊躇を振り切りシャミ子はそっと口を開く。
「あ、あの……その……も、もう一回、お願いできますか……? ほ、ほら、白哉さんのおちんちんだって、二回も出したのに、まだ硬いままですし……も、元々契りとして行っているので……ほ、保険として、契りの重ね掛けを、してもいいんじゃないかな、って……」
どたどしく紡がれた、その一言は容易く白哉の情欲をかき立ててしまう、悪魔の声色をしていた。火を灯された心に一拍遅れて反応する白哉の肉体、その感触を自身の身体の中に捉えた白哉は幸せそうに微笑み、腰に絡めているその脚の力を高めていく。
「………………お前から誘ってきたからな。何度でも契りを交わしてやるよ。今夜は、まだ寝かせないぜ……?」
鋭い視線、その金色の瞳に宿った熱に当てられて、シャミ子は目を細め、うっとりと妖艶な笑みを浮かべる。
「嬉しい……♡ どうぞよろしくお願いします……♡」
聞き慣れたはずの愛おしい可憐なる声に、新たに加わる艶めいた音色。それを皮切りに、二人の熱く濃厚な夜は更けていった。
♢
「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……」
「フゥ……フゥ……フゥ……フゥ……♡」
魔族の悠久を共にする眷属になるための契りを終えてから、かなりの時間が経過した。白哉が己の性欲を尽きるまで吐き出し、シャミ子が彼の溜まったそれを受け止め続けていく内に、すっかり夜も更けてしまっていた。
布団のシーツは、二人の性行為によって流れ出た大量の汗を吸って未だにびしょびしょに濡れたまま。無論白哉とシャミ子の身体は今でも汗が滲み出ており、シャミ子に至っては先程までとはいえ、白哉が吐き出した大量の精液を浴びていたのだ。
どれほどの時間、どれくらいの量の精を白哉は吐き出したのか、本人ですらも想定出来ずにいた模様だ。
「わ、悪い。さすがにヤリ過ぎた……せめて髪にはかからないようにはしてたけどよ……」
「……ど、どれだけ吐き出してくれたんですか……さ、さすがの私でも、ほぼ全身に浴びるほどの量が出るだなんて、想定外でしたよ……」
「そ、そりゃあ部屋とかの問題で自慰出来なかったってのもあるし……」
白哉が己の精をぶつけ過ぎたことに対して謝罪の言葉を述べるが、それでもシャミ子は彼を完全に許すことのできる気分ではなかった。自身に付着した精液を見て、欲望のままに身体を重ねてきた白哉との行為が頭から離れられずにいるようだ。
頭から湯気が出ているかのような幻覚を出しながら顔を真っ赤にするも、シャミ子は己の羞恥心を殺し、白哉と顔を向かい合わせる。そして……
「びゃ、白哉さんッ‼︎」
「へっ⁉︎ は、はい……⁉︎」
高らかな声で、彼の名前を呼んだ。突然の声量に白哉が戸惑う中、シャミ子はひとつ深呼吸をし、また口を開く。
「ほ、本日を持って、貴方は契りによって、私と悠久を共にする唯一無二の眷属となりました‼︎ こ、これでもう、貴方は私のものです‼︎ な、なので……こ、これからは……か、可能性な限りでいいので、私の事を優先して動いてもらうように……よ、よろしくお願い、します……」
どうやらシャミ子は、これからは白哉の事を独占することを宣言しようとしているようだ。だが宣言することに対する羞恥心と、自身の生まれながら優しい性格が勝っていたためか、宣言の途中から再び顔を真っ赤にし、言葉を詰めてしまう。
これには白哉も思わず苦笑の声を出す。シャミ子が気弱くなったことに対してではない。精一杯の想いを伝えようとして必死なその姿を喜ばしく感じたからである。
「わ、笑ったなきさまー‼︎人が恥ずかしさを押し殺しながら頑張って宣言したというのに、なんだその反応はー‼︎ ……じゃなくて、すみません。やっぱりわがまま、でしたか……?」
「……いや、もうわがままでいいんだよ。お前は魔族なんだから、もっと魔族らしく欲張りになっていい。俺もその欲張りに応えられるように頑張るからさ」
そう言って白哉はシャミ子の頭を撫でる。自分の本心を偽らず、ありのままに生きてほしい。そんな想いで彼女の思想を肯定しながら、彼女に自信を持たせようとしているようだ。
「……‼︎ な、なんだかすごく恥ずかしいです……」
重い愛の要求の肯定と不意の頭の撫で撫でに度肝を抜かされたのか、返ってまたもや恥ずかしがって顔をさらに真っ赤にさせるシャミ子。白哉との絡みとなると受けに弱くなってしまう性分なのだろうか、はたまた彼女の愛や己の恋心と向き合い開き直った白哉の愛情表現に押されてしまったからだろうか。
だからといって、一方的に攻められたり攻め返されたりされるわけにはいかない。改めて思い知らせてやるんだ、私は元から彼に対して愛が重くなる女であることを。
そう自分に言い聞かせたシャミ子は、顔を真っ赤にしながらも再び白哉と視線を合わせる。
「……けど、それで言質取りましたからね。これからは魔族として積極的に白哉さんにアプローチできるように頑張りますので、覚悟してください」
そして、ゆっくりと彼との距離を詰めていき……
チュッ
彼の唇に、軽く口付けした。
「へっ……はっ……えっ……?」
「こ、このように、不意打ちのキスとかだって、しちゃいますから……」
三度羞恥心で顔を真っ赤にさせるシャミ子。対する白哉は、シャミ子が先程のタイミングでキスをすることを想定していなかったのか、咄嗟に同じく真っ赤になった顔と口元を手で覆い隠した。
そして先程耳にした、彼女の宣言が脳内に再生される。『積極的にアプローチをする』、『不意打ちのキスだってする』。
つまりはこういうことだ。これからシャミ子は『時折白哉の隙を突き、大胆なアプローチを仕掛ける』つもりだ。
それらを理解した白哉は仰向けになり、、口元を隠していた手を今度は目が隠れる位置に移動させる。それでも彼の心境が顕になっている顔は完全には隠しきれていない。効果は的面である。
「………………ハァ……ある意味将来有望な女帝の眷属になってしまったな、俺」
「むうっ……きさまそれは私を馬鹿にしているのか?」
「いやしてねェから。時間が経つごとに誰もが想像できない程のすごい存在になってることだろうな、って意味で言ってるだけだから。馬鹿にする気なんてないから」
「………………フフッ。それならそういうことにしておきますね」
白哉が徐に呟いた言葉の意味を理解したのか、可愛げな微笑みを浮かべるシャミ子。恋人になる前からいつも側にいてくれた幼馴染の言葉だからなのか、立派な女帝になった自分を妄想して笑みが零れたようだ。
そして、彼からの言葉を聞いて安心したのか、シャミ子は一つ小さく欠伸をした。
「ふわぁ……安心したらなんだか眠くなっちゃいました」
「そうだな。明日はみんなに俺達が付き合うことになったのを報告しないとだし、寝るか」
そろそろ就寝の時間になることを確信した白哉は、天井の電球の電気を消し、一枚の毛布にシャミ子と共に入った。男女二人が一つの布団の中に入る、まさに恋人や夫婦の特権である。
「それじゃあ……おやすみ、優子」
「はい……おやすみなさい」
初めての就寝直前での挨拶の交わし合い。それを手短く済ませ、シャミ子は白哉の胸元に踞り、可愛げな寝息を立てながら深い眠りについた。
そんな彼女の寝顔を見て、白哉は微笑みを浮かべた。魔族だとか性格だとか関係なく、ただ一人の女の子としてぐっすりと眠りについている幼馴染を、慈愛に満ち溢れた瞳で。
「愛してるぞ、優子。これからもずっと」
寝ているシャミ子を優しく抱き寄せ、続けて深い眠りについた白哉。己の気持ちに気づかせてくれた愛する幼馴染とは、絶対に離れ離れにはならない。そう胸に誓いながら───
まさかのハーメルン作者デビューして、初めて45000文字も書くとは……どおりで本編最後の投稿から約3ヶ月前までもかかるわけだ……(マジしんどっ)
けど、こうして白哉とシャミ子を本格的に繋げられたのはマジで嬉しいッ‼︎ 達成感を感じる‼︎
機会があればまた書きたいなー。シチュエーションとか募集しようかな? いつ書くかは知らんけど。
閲覧ありがとうございました‼︎ またこの作品でお会いしましょう‼︎ いつになるかは知らんけどッ‼︎(オイ)