時は江戸時代。この頃、戦が起こらなかったため、武士の仕事は今の公務員のようなものしか残っていなかった。誇り高い彼らは、決して農業や商売などに手を出さず、そのため武士は仕事の量に対して人数過剰となった。後継となる長男や他家へ養子に入るチャンスのある次男以外は、部屋住みと呼ばれ、肩身の狭い思いをした。部屋住みはする仕事もなく、ただ兄に養われるだけの存在であり、社会にとってデメリットしかない存在だったのだ。平三郎もまた部屋住みであり、座敷で座っているしかすることもない。また当時、障害者に対する差別は酷いものだった。妹お冬のように両手足の指が6本、顔に黒い大きなシミのあるオナゴなど、家の恥とされ、これまた座敷の中に押し込められているのみだった。
葉月の初め。夏真っ盛りで、座敷は湿気に満ちている。参勤交代で藩主が江戸に行くとなり、家中の者は皆都会を求めて藩主について行ってしまった。父はすでになく、母は長兄にしか興味がない。美濃の鉄砲足軽の屋敷である我が家に残ったのは、平次郎、お冬、父の母たる祖母お柿、そして女中二人のみ。
お柿と女中二人は頻繁に墓参りだの神社⛩️へだの行くから、兄妹で二人きりになることが多い。カルタ、しりとり、羽つきもとうに飽きた。何か刺激はないものか。そう非常に退屈していると、兄妹で似た立場にあるからこそ分かる互いの苦労話が盛り上がり、最近どうも平三郎は妹と仲良くなってしまった。
この状況で男子の考えることは一つだが、妹は平三郎に体を許す筈もあるまい。常識的にはそうなのだが、家の外に出ることもなく、ヒマでしょうがないお冬は、夏の暑さに悶えつつ、上着を脱ぎ出し、程よい大きさの乳を晒した。平三郎の目の前で。
平三郎は当然唖然としたが、衝撃を受けるフリをして喜びつつ、妹の乳房を凝視したのは言うまでもない。まぁ平三郎も暑さと痒みに苦しみ上裸なのだが、オナゴがするのは流石に別物だ。
目があったが、無言。どこか女らしい脇毛から、モワッと女の匂いがする。左右の6本指の手で両胸を隠し、背を向けられたが、なんと女らしい背中であろうか。
「お兄ちゃん、大好きだよ。」 その一言にさらに衝撃を受けた。コイツ、ストックホルム症候群か? と現代の兄なら疑うであろう。
非日常を同じ空間で過ごした男性を女性が好きになり、共感と共に愛欲を感じる現象。ストックホルム症候群。
妹の真意は?
❤️ ❤️ ❤️ お冬が突然丸出しの胸からのしかかってきた。柔らかい小さな手は固き棒へと浴衣越しに触れる。兄妹の性愛。