ちなみに原作とは違い、こちらはグールズが早くも日本で暗躍しているという世界線です。王国編はすっ飛ばしました。
バトルシティ編……ではないですが、一応時系列はその辺り。
ゲストには懐かしいあのキャラも……?
──静香が退院と同時に米里病院から失踪した。
狐蔵乃がその報せを聞いたのは、学校での昼休み中の事だった。
兄の城之内は妹が姿を消した事に深いショックを受けていたが、狐蔵乃は心配していなかった。
……何故なら彼は知っているからだ。いつの間にか行方不明になった静香の居場所を……
「すまねぇ、狐蔵乃……俺、もうどうしたらいいか……」
授業が終わると、狐蔵乃と城之内は揃って学校の屋上に向かった。そこでフェンスの向こう側を眺めつつ、二人は今後の事を話し合う。
「それで城之内、これからどうするつもりだい?」
「あぁ……まずは警察に捜索願を出すつもりだ」
そう言って城之内は青い学ランのポケットに手を入れ、中にある物を取り出す。それは何やら一枚の写真で、写っているのは白い包帯を巻いて目隠しされたピンク色のパジャマを着た静香と、彼女を守るように取り囲む見知らぬ黒服の男達の姿だった。
「この写真に写ってる男達は恐らく誘拐犯に違ぇねぇ。こいつらは俺が病院に来るよりも前に静香を病院から連れ去ったんだ……ッ!」
写真を握り締めながら悔しげに歯軋りする城之内に対し、狐蔵乃は無言のまま腕組みをして考え込む。
(ぷぷっ……焦ってる焦ってるぅ~。ほんとはボクのパパに頼んで城之内の母親を催淫薬で操ってエッチさせて、静香ちゃんをお嫁に貰うって事で無理やり保護しただけなんだけどねぇ……)
心の中でほくそ笑みながらも、それを一切表には出さずに狐蔵乃は呟く。
自称超能力予言者である狐蔵乃の実家はとある教団の教祖の家系であり、彼もまたその教団の後継者として育てられてきた。
そして必死に努力して人心掌握術を学び、信者達の悩み相談を受けては超能力予言と称して占いを的中させていった結果、いつしか狐蔵乃は“天才”と呼ばれるようになっていたのだ。
両親はそんな息子を褒め称えていたし、信者達は口々に彼の事を神の子だと崇めた。
……しかし狐蔵乃本人はというと、別にそんな名誉や地位に興味は無かった。狐蔵乃が超能力予言者を名乗るようになったのも、すべては可愛い女の子達からチヤホヤされたいが為である。
自分が惚れ込み選んだ魅力溢れる彼女達がいつまでも傍に居て、自分の事だけを愛してくれるように……狐蔵乃はその一点にのみ拘っていた。
その為に教祖の父親に土下座までして静香の手術費を前借りしたり、兄である城之内を利用して彼女の心を揺さぶったり、邪魔になる城之内の母親を催淫薬で操り、自分の父親に献上する形でこちら側に有利な一方的な取り引きを持ち掛けたりと、あらゆる手を裏から回してきた。
その結果、ついに狐蔵乃の目論見通り静香は自分の手元に落ちてきてくれたのだが……
「……悪いですが、それは止めておくといいかもしれないですねぇ」
「……なっ!? ど、どうしてだよ!?」
狐蔵乃の言葉に城之内は激昂する。だが彼は気にせず言葉を続けた。
「第一に、城之内のお母様が静香ちゃんを“信頼できる知人の家”に預けたと言ってる以上、警察に駆け込むのは得策ではないと思いますよぉ? 第二に、もし仮に警察が捜査を開始したら、すぐにでも静香ちゃんを連れ戻すでしょう。そうなったらやっと目が治って落ち着ける環境を取り戻した静香ちゃんの心は完全に壊れてしまうかもしれません」
「……ッ!!」
狐蔵乃の冷静な指摘に城之内は顔を青ざめさせる。そして拳を震わせながら落下防止用に設置された屋上のフェンスを強く掴むと、彼は行き場のない怒りを吐き出すかのように叫んだ。
「……ょう……ちくしょうッ!! 俺には何もしてやれねぇ……あんだけ妹を守ってやると言いながら、退院した事も知らされずにいた兄貴失格の俺なんてよぉ……ッ!!」
涙を流しながら力強く叫ぶ城之内の姿に、狐蔵乃は流石に罪悪感を抱かずにはいられなかった。
(ちょっとやり過ぎたかなぁ~……まぁでも、いずれ静香ちゃんとはちゃんと会わせるって決めてたし、城之内にはボクの使い古した親衛隊のまぁまぁレベルの女の子でも適当に与えてあげれば大人しくなってくれるでしょう。それより問題は……)
城之内の件に関してはこれでいいとして、狐蔵乃としてはむしろこれからの事の方が重要だった。
(……まさかほんとにあの一発で孕んでいたとは……女の子の勘ってやつですかねぇ?)
目隠しされた状態の静香を病室のベッドで何度も繰り返し中出しさせた結果、静香の子宮内には既に新しい命が宿っているらしい。
念の為に静香に渡した妊娠検査薬であっさり陽性反応が出た時、狐蔵乃は思わず呆然として笑いが止まらなかった。
授かりものとはいえ、杏子やミホよりも先に受精卵を仕込んでやった優越感──それは何とも言い難い快感だったからだ。
(それにしても……静香ちゃんがボクの赤ちゃん孕んだって知った時の城之内の母親の泣きそうな絶望顔、マジウケたなぁ~。ぐふふふっ!)
愛する娘の退院と聞いて慌てて病院へとやって来た城之内の母親に近付いて催淫薬を飲ませた上で、病室のベッドでお見舞いの挨拶に来ていた狐蔵乃の父親と一緒に並んで母娘仲良く犯した後に妊娠検査薬を使わせたのは他ならぬ狐蔵乃だ。
その時の泣き続ける母娘が見せたそれぞれ意味合いの異なる表情を思い出してニタァと笑みを溢すと、狐蔵乃は次の手を考える為に思考を回転させる。
(さ~て……次はどうしましょうかねぇ? しばらくは静香ちゃんもお腹パンッパンに膨らます準備で安静にする必要あるからエッチ禁止でしょうし……)
狐蔵乃は考える。杏子、ミホ、静香というとびっきり可愛いエッチな巨乳美少女達を手に入れてきた。
三人娘の調教は全員順調に進んでいるが、まだまだ物足りない。もっとたくさんの女の子を侍らせ、ハーレムを築いてチヤホヤ甘やかされたい。
そんな欲望を叶えるべく、狐蔵乃は頭の中で早くも次の計画を思い浮かべた。
(……学校関係の目ぼしい女の子はもうあらかた食べ尽くしたし、杏子ちゃんとミホちゃんレベルの可愛いドスケベ美少女は居ないし……そろそろ街に繰り出して一般の女性達にも手を出しましょうかぁ~)
隣で意気消沈する城之内を尻目に、狐蔵乃は邪悪な笑みを浮かべる。そして心の中で新たなハーレム計画を考えながら、彼はその場から立ち去るのだった。
──その数日後、狐蔵乃はとある駅前の噴水広場で待ち合わせをしていた。
今日は日曜日の昼過ぎという事もあって、噴水広場は多くの人々で賑わっていた。そんな人達の中に紛れながら、丸々と太った小柄な体格の狐蔵乃は周囲の景色を見渡す。
「お~い、狐蔵乃く~ん!」
するとそこに、狐蔵乃の待ち人である一人の巨乳美少女が姿を見せた。イメチェンでも考えたのか、茶色がかった短めの髪をポニーテールにしてピンク色の髪留めで纏めている。
活発そうなノースリーブの白い服装を着ていて、黒いタイトなスカートは危うくパンチラしてしまうほどのミニ具合だ。
一見すれば元気一杯な明るい今時とギャル風の女子高生といった感じだが、彼女の胸元はボタンがはち切れそうになっていて、歩く度にその大きなGカップの胸が激しく揺れ動く。
彼女は極めて露出度の高い服装のせいで周囲からかなりの視線を集めていたが、当の本人は気にする素振りすら見せていない。
そして待ち合わせしていた狐蔵乃の元に辿り着いたその極上の美少女は、ニッコリと微笑んで話し掛けてきた。
「えへへ、ごめんね。待った?」
「いえいえ、ボクも今来たところですから。それより今日はまた一段と美味しそ──失敬。可愛らしい格好ですねぇ、杏子ちゃん」
狐蔵乃がそう言いながら手を差し出すと、待ち合わせ場所に現れたその美少女は嬉しそうに頬を染めて手を握り返す。
──彼女の名前は真崎杏子。狐蔵乃が通う学校の同級生であり、既に幾度となく身体を重ねたセフレ関係である。
そして同時に、狐蔵乃がコレクションする可愛らしい美少女達の中でも一番のお気に入りでもあった。そんな彼女との意外と初めてだったデートを楽しむべく、狐蔵乃は早速とばかりに杏子を近くの喫茶店へと誘う。
「ささ、まずは喫茶店にでも行きましょうか」
「うんっ! 今日はミホも静香ちゃんも居ないし……久しぶりに二人っきりで明日の朝までラブラブデートしちゃお♡」
こうして狐蔵乃と杏子は、そのまま仲良く手を繋いで喫茶店へと向かう。入店してから二人して窓際のテーブル席に向かい合う形で座ると、若い女性店員に注文を伝えた後、狐蔵乃は彼女に尋ねた。
「それで杏子ちゃん、急にデートしたいだなんて……何かボクに話したい事があるんじゃないんですかぁ?」
「うん……実はそうなの……狐蔵乃くんに相談があって」
「ほほう、相談ですか。一体どんな内容なのか気になりますねぇ……」
興味深げに目を細める狐蔵乃に対し、杏子は真剣な眼差しで口を開く。そして彼女が口にしたのは、狐蔵乃にとって予想外過ぎる言葉だった。
「ふ~む……新しくオープンしたデュエルモンスターズのカードショップのアルバイトですか……」
注文した飲み物が届くまでの時間、狐蔵乃はふっくらとした顎に手を当てて考え込む。
「うん……私、幼馴染みだった遊戯と一緒にデュエルモンスターズもやってて、城之内や本田にも勝てちゃうくらい結構強い方なんだ。だからそれを活かした仕事でもう少しお小遣いが稼げたらなって思って……その、ダメかな?」
わざとらしく胸元の谷間を寄せ上げ、上目遣いで見つめてくる杏子の頼みに、狐蔵乃は少しだけ悩むような素振りを見せた。
「まぁ、まだ目隠しが取れない静香ちゃんに例の裏ビデオ撮影は危なくてさせられませんからねぇ……しかし杏子ちゃん、それは誰かに学校で頼まれた──そうでしょう?」
「う、うん……まぁ、そういう事になるかな」
狐蔵乃の鋭い問いに、杏子はバツが悪そうな表情で答える。何故なら杏子がこのバイトを持ち掛けられたのは、クラスメイトの海馬瀬人に頼られたからに他ならない。
クラスでもかなり人気の高い杏子だが、ある日突然──転校して来て間もない海馬に話があると切り出された。
最初は以前の狐蔵乃のように自分の身体目当ての誘い出しかと警戒したが、どうやら彼の用件は自分の予想とは違ったようだ。
……というのも、最近になって童実野町内に新たに出来たという決闘者の集まる大型カードショップ──そこで働く新しいスタッフを何人か短期間で探しているという。
海馬の狙いはイマイチよく分からないが、詳しい話は後日海馬コーポレーションでという話だったので、とりあえず返事は保留にして狐蔵乃に報告したのだ。
「ふ~む……まぁいいですよ。ただし条件があります。その立ち会いの場にボクも呼んで下さい。流石にボクの居ないところで見ず知らずの男と杏子ちゃんが一緒になるのは許せませんからねぇ」
「ぁ……や、やだもぅ……狐蔵乃くんったら……♡ でも嬉しいっ!」
狐蔵乃からの承諾を得た杏子は頬を赤らめながらも満面の笑みで礼を言う。するとそこに注文していたコーヒーとケーキが運ばれて来たので、二人は会話を中断させて女性店員に注目する。
「お待たせしました~。こちらが当店オリジナルブレンドのホットコーヒーと、チョコレートケーキでございます。では、ごゆっくりお楽しみくださいませ(……うわぁ、何この客……身体中くっさいしキモデブじゃん……ブッサぁ)」
愛想良く笑顔で接客した後、二人の目の前にコーヒーとケーキを置いた女性店員は狐蔵乃を見て内心嫌そうな顔をした。
(おまけに……こっちの娘は胸元開いてるけど、これって絶対ブラジャー着けてないよね? どんだけおっぱいデカいのよ……ビッチ過ぎない?)
続いて狐蔵乃の向かい側に座る杏子にチラッと視線を向けると、その豊満な巨乳の存在感が否応なしに伝わってきて思わず目を奪われる。
……それもそのはず。杏子はその発育止まらないエッチな巨乳のせいで白いブラウスがはち切れそうなほど窮屈に圧迫されており、ボタンが今にも弾け飛びそうにぷるぷると震えている。
(あ~……この可愛い顔した女の子、こんなキモデブ男にこのあとラブホで好き放題ヤられちゃうんだろうなぁ……でもなんか雰囲気的に売春とか援交じゃないみたいだけど、流石にちょっと男の趣味悪いわぁ……)
そんな事を思いながら、女性店員はカウンターへと戻って行く。一方その頃、周りの人々からそんな風に思われているとは露程も知らない狐蔵乃と杏子はカップに注がれた香り高いコーヒーを堪能する。
そして二人して一息吐いたところで、狐蔵乃は声量をかなり落として本題に入った。
「……さて、杏子ちゃん。話は変わりますが、そろそろ次の計画に移りたいと思います」
「次の計画……っていうと、また私達の他に新しい女の子を捕まえに行くの? はぁ……もぅ、どうしてこう男ってヤツはみんな……せっかくのデートなのに……狐蔵乃くんサイテー」
呆れた様子でジト目になった杏子もまた狐蔵乃と同様に、カップに注いだミルクとシロップをゆっくり掻き混ぜながらぽつり呟く。すると狐蔵乃は手にしたカップをテーブルに置いて慌てて否定し出した。
「い、いえいえ! 誤解しないで欲しいんだけどぉ~、別にボクは杏子ちゃんやミホちゃん達を放置して他の女にちょっかいを出すつもりはありませんよ~」
「ふぅ~ん? 私達に内緒で静香ちゃんを孕ませちゃったくせに……へぇ~、狐蔵乃くんそういうこと言っちゃうんだ~?」
「ぐぬぬ……っ! そ、その事は二人に全裸土下座して何度も謝ったでしょ~!?」
責めるようなジト目モードの杏子の口調にたじたじになる狐蔵乃。すると杏子はクスッと笑ってから話を戻す。その表情からは先程までの不機嫌さが消えており、普段通りの明るい笑みを浮かべて伝える。
「あははっ♪ うそうそっ! ごめん、狐蔵乃くん! 冗談だってばぁ~!」
そう言ってペロっと舌を出しておどけてみせる杏子。そんな彼女の可愛らしい小悪魔チックな仕草に、狐蔵乃は思わず安堵の溜息を漏らす。
「くすっ♡ 今のは最初の時に私を薬で眠らせて無理やりエッチした罰♪ あの時は本気で嫌がったけど、何だかんだで気持ち良かったし、そのぅ……おちんぽも……ねっ♡」
……そう。実は狐蔵乃は以前、杏子をクロロホルムという睡眠薬品で眠らせた上で許可なく強引に彼女と性行為に及んでいた。
……しかし、彼女はその後すぐに目を覚まして狐蔵乃から理不尽なゲームを挑まれ、何度か抗った末に処女膜を奪われ、幼馴染みの遊戯が見ている目の前で狐蔵乃に抱かれる事を求めてしまった。
今でこそ、正気に戻った杏子は狐蔵乃の犯罪行為を許してセフレの関係を長く続けているのだが、それには彼女なりの理由があった。
「……ねぇ、狐蔵乃くん。私やミホがどうしてあの後も助けを求めたり裏切ったりしないで、ず~っと毎日いつでもどこでも好きなだけエッチさせてあげてるか──わかる?」
「ぇ……え~と……それは、杏子ちゃん達がボクの事が好きだからじゃ……?」
「もぅ、違うわよバカっ!」
恐る恐る答えた狐蔵乃に対し、杏子は少し怒ったように言ってから少し恥ずかしそうに狐蔵乃へと告げる。テーブルの向こうに居る狐蔵乃に話し掛ける為に、杏子は頬を赤らめて誰にも聞こえない小さな声量で囁く。
「……だから、そのぅ……き、気持ち良かったのッ!! ちょっと気になってた遊戯が見ている目の前でヤッちゃう狐蔵乃くんとの寝取られセックスが……っ♡ 最初は私だって本当にすごくイヤだったのに──でも、あんなすっごいちんぽ知っちゃったら……もう他に何も考えられなくって……♡」
……それは、狐蔵乃が今まで聞いた事のない杏子の心の内の告白だった。頭から湯気が噴き上がるくらい真っ赤になりながらも、杏子は狐蔵乃に想いを伝える。
「だから……私もミホも多分、今の素の状態で狐蔵乃くんと毎日しちゃってるエッチがだ~い好き♡ 静香ちゃんにやってたような口先だけのインチキな超能力で洗脳する必要なんてない──本当は私達三人全員、もうとっくにその女の子泣かせな極太ちんぽなしじゃ生きられない、子作り大好きスケベな花嫁奴隷にされちゃってるんだもん──狐蔵乃さま♡」
「あ、杏子ちゃん……」
テーブルの上に置かれた狐蔵乃の両手の上に自らの手を重ねながら優しく微笑む杏子の愛の言葉を聞いた瞬間、狐蔵乃の心は感動のあまりドクンと跳ね上がった。
杏子のその言葉に嘘偽りはない。確かにこれまでも何度か催眠プレイと称して洗脳状態にしてから、狐蔵乃は三人娘と淫らな肉体関係を持った。
しかし……その全てはあくまで彼女達の自発的な行動によるもの……決して強制的なものではない。杏子やミホ、そして静香もやろうと思えば三人で結託して性犯罪者の狐蔵乃を破滅させる事も出来たはずなのだ。
……だが、実際にはそうしなかった。それどころか、今じゃむしろ自ら進んで狐蔵乃に身体を捧げて奉仕する始末。
……それは何故か? 理由は単純。狐蔵乃がそうであったと同じように、彼女達もまた狐蔵乃に不思議と心奪われていたからだ。
狐蔵乃がどんなに最低で最悪のクズ野郎でも、彼のモノに惚れ込み、愛してしまっていたから……
「あ~もぅっ! いつまでもこういう話は苦手なんだからっ! はい、おしまいっ! それよりほら、早くケーキ食べよっ! 今日はせっかくの楽しいラブラブデートなんだからっ!」
「あっ……う、うん……そうだねぇ」
周りの視線を気にしてテーブルに身を屈める杏子に急かされる形で、狐蔵乃は再びコーヒーとケーキを口に運ぶ。
「ん~、甘くて美味しいぃ~っ♪」
「ははっ、ホントだねぇ~(……ボクはさっきの杏子ちゃんの話と、今も見せてるその可愛らしい笑顔でお腹一杯なんだけどねぇ)」
幸せそうな杏子の笑顔を見て、狐蔵乃もまた自然と笑顔が溢れる。それから二人は仲良くあ~んして食べさせ合ったりしながらケーキを食べ終えると、すっかり甘くなったコーヒーを飲み干し、席を立って会計を済ませた。
──その後、喫茶店を出た二人が恋人を装って仲良く手を繋いで歩いていると、カード屋らしき店舗の入口に数人の子供達が屯しているのが見えた。
狐蔵乃と杏子はその様子が気になって、こっそりと店の様子を窺ってみると──
「翔吾、お前また負けたのか? これで五連敗じゃん。あ~あ、つまんねー」
「うぅ……しょ、しょうがないよ……僕のカード弱いし……」
どうやら小学生ぐらいの男の子達が店内のデュエルスペースでデュエルモンスターズの対戦をしていた帰りのようだ。
「はぁ……もういいや。オレ、翔吾と遊ぶの飽きちゃったから帰るわ」
「俺も俺も~。翔吾なんかじゃデュエルの相手にならないし、帰ってみんなでカプモンでもしようぜ!」
そう言うと、三人組の少年は荷物を纏めてその場から離れて行く。すると一人取り残された翔吾と呼ばれた青髪の少年は、捨てられた仔犬のように瞳を潤ませながら項垂れてしまう。
「あの子──」
「知っているんですか?」
杏子は視線を翔吾という男の子に戻してから呟く。どうやらちょっとした知り合いらしい。
「うん、話した事はないけど……たしか、遊戯の友達だったと思う。私も遊戯とカード屋で遊んでた時に何度かデュエルしているところをチラッと見てたけど、あの青山翔吾って子……たしか今まで一度もデュエルに勝てた事がないって遊戯が──」
「ふむぅ、なるほど……それで仲間外れにされていると」
杏子の詳しい説明を聞いて、狐蔵乃は納得したように呟く。そしてすぐさま青山翔吾という幼い男の子を分析し、何やら良からぬ事を企む。
(ぐふふっ、これは暇潰しに良いカモを見つけたかも……)
狐蔵乃は内心で邪悪な笑みを浮かべ、そっと杏子と繋いだ手を離すとそのまま翔吾へと歩み寄っていくではないか。
「おやおや、お困りのようだねぇ?」
「えっ……なっ!?」
いきなり見知らぬ男に馴れ馴れしく声を掛けられ戸惑う翔吾だったが、狐蔵乃は構わず続けて言葉を紡ぐ。
「やぁ、青山翔吾くんだね? さっきの事は見させてもらったよ。それでね~、ボクの占いによるとキミは近いうちに最強のレアカードを引き当てるッ!」
「えっ、あ……う、占い師さん……ですか?」
狐蔵乃の唐突な登場と発言内容に、翔吾は呆然と立ち尽くす。そんな彼に対し、狐蔵乃はニヤリと笑ってから学ランの内ポケットからメモらしき紙切れを一枚取り出すと、それを翔吾に手渡す。
そこには黒いマジックで書かれた汚い手書きの文字で『レアカードを引き当てる』とだけ書かれていた。
ちなみにこの文面を考えたのは他でもない狐蔵乃本人である。自称超能力予言者の彼は予めバレないように、学ランの内側に隠し持った適当なメモ用紙にこういった内容の文章を何枚も書いて用意しておいたのだ。
杏子は未来予知が出来ると言われる天才の狐蔵乃が実はただのインチキ詐欺師だという事を既に知っているので、半ば呆れたような困り顔でやれやれとばかりに苦笑いする。
しかし、狐蔵乃の実力を知らない翔吾は目の前に差し出された謎の紙切れに戸惑いながらも、つい受け取ってしまう。
「こ、これ……なんの冗談ですか? こんな物渡されても……」
「まぁ、お近付きの印でとりあえず持っておきなよ。ほら、杏子ちゃんの事はカード屋で何度か見た事くらいあるでしょう?」
狐蔵乃の言葉に半信半疑ながらも素直に従う翔吾。そして隣に立っていた杏子の姿に気付くと、彼女は眩しい笑顔で手を振る。
「あっ……えっと、杏子姉ちゃん……? こ、こんにちは」
「えへへっ! 翔吾くん、やっほ~♪」
杏子の姿を目にした途端、翔吾は先程までの不安げな表情から一転して明るいものとなる。
……やはり翔吾が遊戯と仲の良い友達同士だというのは本当らしく、杏子は遊戯同様翔吾にとっても憧れの存在だったようだ。杏子はそんな純朴な少年に対し、優しく微笑むと頭を撫でてやる。
「翔吾くん、久しぶりだねっ! 元気してた?」
「う、うん……杏子姉ちゃんも、こうして話すのは初めてだけど……その、遊戯兄ちゃんの言う通り、すごく……大人っぽくて綺麗だ……」
「あはっ♪ もう、お姉ちゃんそんなに褒めても何も出ないぞぉ~♪ くすっ──でも、ありがと♡」
杏子に優しく頭を小突かれ、照れて顔を赤く染める翔吾──狐蔵乃はそれをニヤついた笑顔で温かく見守っていた。
(ぐふふ、近所の憧れのお姉ちゃんが優しくしてくれるのは嬉しいでしょうねぇ……この冴えないガキも後々使えそうですし、遊戯と同じくちょっとサービスしてあげましょうかぁ~)
狐蔵乃は内心で思考を巡らすと、素早く杏子に向けて意味ありげなウインクをする。すると、杏子もまた狐蔵乃の意図を察して同じようにウィンクを返す。
既に狐蔵乃の性格を熟知している杏子は彼の邪な考えをすぐに理解した。それを踏まえて翔吾に視線を戻すと、杏子も少し演技じみた感じで翔吾に優しく語り掛ける事に。
「──ねぇ、翔吾くん。良かったら私と一緒にカード屋に行ってお買い物しない? 翔吾くんの好きなカード買ってあげるよっ!」
「えっ、でも……い、いいの?」
杏子の誘いを聞いた翔吾は驚き、目を丸くして彼女の瞳を見つめ返した。
「もちろん♪ でもその代わり、私のお願いを一つ聞いてくれる? もしそのお願いを聞いてくれたら、翔吾くんの欲しいカードを今度プレゼントしちゃう! ふふっ、どうかな?」
「お、お願……い? うんっ! 僕、何でもするよっ!」
杏子の言葉に即答する翔吾。その返事を聞くと、杏子は悪戯っぽい笑みを浮かべてから翔吾の耳元に口を近付けて囁く。
「じゃあ、お姉ちゃんとちょっとだけ“遊んじゃおっか”──二人っきりで、誰にも邪魔されない場所で──ねっ♡」
「……えっ!? う、うん……わかった……杏子姉ちゃん」
杏子の意味深な言葉に一瞬だけ動揺するも、翔吾は嬉しそうに首を縦に振った。杏子はそんな翔吾の肩に手を乗せたまま彼を近くの路地裏に連れ込み、そして──
「んぢゅ……れろぉ……んちゅ……んっ……んんぅ……ん~……ぷはぁっ!」
「んぁ、ぐっ……あ、杏子姉ちゃん……うぁっ……や、やめてぇっ……!」
誰もいない薄暗い路地で杏子は翔吾を性的に襲っていた。ズボンとブリーフパンツを脱がせ、露わになった翔吾の可愛い赤ちゃんサイズのモノを口に含んで舌で愛撫し、時には手で擦り上げる。
「くすっ♡ 翔吾くん、気持ち良い? あっ、翔吾くんの皮被りクソ雑魚ちんちん……ピクンって反応してるねっ♪ それに、なんだかすこ~し大きくなってきたみたいだし……ふふっ、もうイっちゃいそうなのかなぁ?」
「はぁ……はぁ……ぼ、僕ぅ……こんなの知らないよ……うあぁっ!?」
「ふふっ、いいんだよ翔吾くん。男の子はね、こうやって年上のお姉ちゃんにエッチな事されるのが大好きなお年頃なの♡ だから、遠慮せずにこのままお姉ちゃんにいっぱい甘えて良いからねっ!」
翔吾は生まれて初めての快楽に抗えず、そのまま杏子による絶妙なフェラチオによって口内で悶えてしまう。
「うぁ……あぁ……だ、ダメだよ……出ちゃう……杏子姉ちゃん、何か変なのが出ちゃうよぉっ!」
「あはっ、大丈夫♡ それはエッチな男の子なら誰でも出るものだから……我慢なんてしなくていいの。ほら、そのままぴゅっ、ぴゅっ出しちゃえ♡」
杏子がそう言ってから翔吾のモノを強く吸い上げた瞬間、翔吾の小さな包茎ペニスから僅かな精液が放出された。
色は薄くて水っぽく、量もかなり少ないが──それでも翔吾にとっては紛れもない初射精である。それを口に受けた杏子はゆっくりと翔吾の幼竿から唇を離すと、妖艶な笑みを浮かべながら彼に語り掛けた。
「ふふっ、ごちそーさまっ! 翔吾くんの初ザーメン……飲みやすくて美味しかったよっ♡」
「はぁ……はぁ……は、恥ずかしいよぉ……杏子姉ちゃん、僕……こんなの……!」
翔吾は頬を真っ赤に紅潮させ、瞳を潤ませて杏子の顔を見上げている。一方、期待してそうな翔吾の可愛らしい仕草を見て、杏子は内心でほくそ笑む。
(ふふっ、ちょろいわね……やっぱり遊戯と同じか)
翔吾は見た目も性格も、とてもではないが女慣れしたタイプには見えない。そんな彼が年上の綺麗な女性に優しくされて、しかも自分の初めてを奪った相手に好意を抱くのは必然と言えよう。
杏子はこれ見よがしに胸元の深い谷間を寄せて上げると、そこから覗いた真っ白でぷりっぷりに実った乳袋をわざとらしく翔吾に見せつける。
杏子の大きな乳房は彼女が着ていたノースリーブの白い服から溢れてしまいそうになっており、翔吾は豊満な膨らみをだらんと鼻の下を伸ばしたまま凝視していた。
「ねぇ、翔吾くん──もしよかったら、これからお姉ちゃんと時々エッチな事しちゃうお友達になってくれるかな?」
「はぁ……はぁ……う、うん! 僕、杏子姉ちゃんと友達になりたい……う、ううっ……!」
杏子はすっかり骨抜きにされた翔吾の様子を見て満足げな笑みを浮かべると、今度は彼の小さな身体を優しく抱き締める。そして翔吾の頭を優しく撫でてやりながら、甘い淫らな声で囁く。
「よしよ~し♪ 翔吾くんは本当に良い子だね♡ お姉ちゃん嬉しいなぁ……あっ、そうだ! これからは狐蔵乃くんとも仲良くしてあげてくれる?」
「こ、狐蔵乃……さん? さっきお姉ちゃんと一緒に居た変な人……?」
翔吾は杏子にそう言われ、先程出会った胡散臭い醜悪男の事を思い出す。
「そう、あの人ちょっと臭くて怪しいけど……でも本当はすごく優しいお兄ちゃんなの。翔吾くんにもきっと優しくしてくれると思うから、たまには一緒に遊んであげて欲しいなっ♪」
「う、うん……わかった」
杏子の言葉に素直に従う翔吾。杏子と彼の様子を少し離れた位置から眺めていた狐蔵乃は、口元を大きく歪めて邪悪な笑みを見せると、内心ニヤニヤと笑いながら呟く。
(ぐふふ──計画通り。これでこのガキも遊戯と同じくボクの操り人形ですよぉっ!)
杏子の巧みな誘導と話術により、青山翔吾という冴えない見た目の少年は、今まさに完全に狐蔵乃の手中へと収まったのだ。
その事を確信している狐蔵乃は、翔吾と杏子の会話に聞き耳を立てる。杏子は翔吾を抱き締める力を少し強め、彼の耳にふぅ~……っと息を吹き掛けながら甘く誘う。
「ねぇ、翔吾くん──悪いけどお姉ちゃん達、これからエッチなデートの続きがあるから、また近い内に会おうねっ♡ ふふっ、楽しみにしてるわ……かわいい皮被りちんちんくん♡」
「う、うん……僕も……また杏子姉ちゃんに会いたい……おちんちん、気持ち良くしてほしい……です」
杏子は翔吾の耳元で囁くと、最後に彼の頬にぷちゅっと優しいキスをしてから離れた。
「くすっ♡ 気が向いたらそのうちね、ばいばい♡」
翔吾は名残惜しそうに杏子の柔らかい唇が触れた頬を触っていたが、やがて彼女は狐蔵乃に抱き着いて翔吾にしてあげた以上に熱烈な優しいキスを頬にしてあげると、腕を組んでイチャイチャしながら去っていく。
一人残された翔吾はしばらく惚けた表情でその場に立ち尽くしていたが、自分が持っていたデュエルモンスターズのデッキケースがズボンのポケットから無くなっている事には気付かなかった。
「う~む……ほんとに使えない雑魚カードばかりですねぇ。こんなデッキでは同級生から馬鹿にされるのも納得ですよ」
──翔吾と別れた後で、街中を歩く狐蔵乃と杏子は翔吾からこっそり盗み出したデッキケースの中身をチェックする。狐蔵乃は翔吾が使っていたデッキのカードを手に取ると、それをまじまじと見つめてから呆れた溜息を漏らす。
彼の言う通り、翔吾の使っているデッキはかなりの低レアリティかつ低ステータスのモンスターカードばかりで構成されていた。
「……これじゃあ、とてもじゃないですが使い物になりませんよ」
「でもまぁ、仕方ないんじゃない? だって翔吾くんはまだ小学生なんだし……」
杏子はそう言いながらも、困ったように苦笑いを浮かべて狐蔵乃の隣を歩く。翔吾は確かに低学年の子供だが、それでも実家がカード屋である遊戯の数少ない友達である。
そんな子供が使うデッキとしてはあまりにも貧弱過ぎるし、そもそもそんなカードをわざわざ集める理由すら見当たらない。
「……どうやら遊戯のヤツ、後輩の彼と遊んであげてるくせにデッキを強化してあげようとかそういう先輩らしい気遣いは全く無いみたいですねぇ。全くもって薄情な奴ですよ」
「あはは……そうかも。私も今日久しぶりに翔吾くんと会ったけど、遊戯や城之内達とカードやってた頃からちっとも変わってなくてびっくりしちゃった」
杏子がそう答えると、狐蔵乃は腕を組みつつ何やら考え込む。
(……カード屋の常連であろう青山翔吾を使って海馬瀬人の情報を探ろうと思いましたが、この程度のレベルではとても期待できそうに無いですねぇ……となると、やはりここはボクが直接本人に接触するのが手っ取り早いですか……)
そんな風に思考を巡らせていると、不意に隣を歩いていた杏子が歩みを止めて何やら感嘆の声を上げる。
「わぁ……すごく綺麗な
杏子の反応に釣られて見ると、そこにはモデルのようなプロポーションをした美しい褐色肌の黒髪美女が家電専門店のショーウインドウの中に置かれた大量のテレビ画面の中で微笑んでいた。
白い布を基調とするエジプト風の古い民族衣装を羽織っており、その隠し切れないスタイルの良さも相まってまるで異国の女神像を思わせる神秘的な雰囲気を醸し出している。
狐蔵乃もテレビ画面に映る彼女を一目見た瞬間、目を見開いて思わず足を止めてしまった。
「うひょ~! これはなかなかの上玉ですねぇ! ほらぁ、胸元の谷間なんてあんなに上乳が見えちゃってますよぉっ!」
「……えっ? あっ、本当! すごいおっぱい……っ!」
狐蔵乃と杏子が食い入るようにテレビを見つめていると、その女性がこちらに向かってウィンクする。すると、テレビのスピーカーから流れる音声が彼女の声色を聴かせてくる。
『──え~、近々日本の童実野町で行われる古代エジプト発掘展の管理責任者でもあるこちらのイシズ・イシュタールさんは、なんと20歳という驚きの若さでエジプトの考古局の局長に就任するほどの超エリート考古学者だそうですね!』
『ふふっ。えぇ、まぁ……この度は日本で行われる古代エジプト展を開催でき、海馬コーポレーションの皆様方にはとても感謝しております』
ニュースバラエティ番組のアナウンサーからの紹介にイシズという名前の彼女は微笑む。彼女はエジプト人でありながら流暢な日本語を話し、アナウンサーのインタビューに対しても丁寧な受け答えをしていく。
その様子をテレビの前でしばらく見た後、狐蔵乃はイシズを気になりつつも杏子を連れてデートの続きに向かうのだった……
いよいよイシズ来日。
ちなみにこちらの姉上、アニメ終盤で見せた上乳見えちゃう谷間強調の服装です(笑)あれはエロい。