※この作品はR-18です。

狐蔵乃様のドスケベ超能力   作:聖夜竜

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今回は短めエロなし。

いよいよ四人目のヒロイン、イシズ攻略編突入です!

挿絵はすみません……作成コスト不足でしばらく停止します。


イシズに誘われて

 

 ──その日、狐蔵乃は学校帰りに杏子と二人で海馬コーポレーションの本社ビルへと向かっていた。

 

 目的は勿論、海馬コーポレーションの次期社長であり、『カードの貴公子』と仇名されるあらゆるゲームのスペシャリスト──海馬瀬人に会う為である。

 

 海馬コーポレーション本社ビルに到着した二人はエレベーターに乗り込むと、そのまま海馬が待つ最上階を目指す。そしてエレベーターを降りると、廊下を少し進んだ先にある扉の前で立ち止まった。

 

 その扉には海馬コーポレーションの社長室と書かれた金色のプレートが掛けられている。

 

「ここね……」

 

 杏子は軽くノックをする。すると中から返事があった。

 

 ……どうやら海馬は既に中にいるようだ。杏子はそのまま扉を開けると、狐蔵乃と共に部屋の中へと足を踏み入れる。

 

 そこには二人の人物が待っていた。一人は窓際のデスクに座る派手な白いロングコートを羽織った茶髪の男で、もう一人は応接用のテーブルが用意された黒い高級ソファに座ってコーヒーを飲んでいる。

 

 二人とも見覚えのある顔だった。一人目はもちろん杏子を今日呼び出した海馬瀬人本人──そしてもう一人の人物は、意外な事に最近テレビで引っ張りだこの有名人イシズ・イシュタールであった。

 

「ふぅん……来たか。真崎杏子、まさか本当に一人ではなく、見るに耐えん薄汚れた醜い豚を連れて現れるとはな」

 

 言いながら海馬は杏子の隣に立っている狐蔵乃を一睨みする。だが狐蔵乃はその視線にも怯む事なく毅然とした態度を見せた。

 

 一方、そんな男二人のやりとりを見てソファに腰掛けたイシズはクスッと笑みを浮かべると口を開く。

 

 彼女の声もまた、見た目通りの透き通るような美声で聞き惚れてしまいそうになる程だったが、どこか妖艶さを感じさせる響きも秘めていた。

 

「どうです? 瀬人──わたくしの予言した通りでしょう。彼女は何も知らされずに一人で来るような愚か者ではありませんよ」

 

 そう言って杏子に微笑んで見せる彼女に、海馬は不愉快そうな表情で吐き捨てる。

 

「ふぅん、何が予言だ……くだらん。最近真崎杏子はその豚と共に過ごすのがお気に入りらしいからな……一緒に来る可能性は充分あると思っていた」

 

「ふふふ、失礼。それは貴方がわたくしの話を信じていなかったという証拠では?」

 

 イシズが挑発的な口調で告げると、海馬は更に不機嫌になる。

 

「黙れ! オレは貴様のような女のオカルト話を信じるつもりはない! いきなり二人で会いたいと誘われてみれば、古代エジプトがどうだのと──くだらん!」

 

 イシズの言葉を一蹴する海馬。しかしイシズは気にせず言葉を続ける。彼女にとって海馬の態度など取るに足りない些細な問題なのだ。

 

「……まぁいいでしょう……わたくしの話はこのお二人にも少なからず関係する話です。まずは本題に入る前に自己紹介をしておきましょうか──初めまして。わたくしの名はイシズ・イシュタール──古代エジプトに伝わる墓守りの一族、呪われたイシュタールの血を受け継ぐ者です」

 

 イシズの自己紹介を聞き、狐蔵乃と杏子はそれぞれ頭を下げて会釈する。それからお互いの簡単な挨拶が終わったところで、杏子が気になっていた事を海馬に尋ねる。

 

「ねぇ、海馬くん……どうして私をここに呼んだの? それに海馬くんとイシズさんの二人が知り合いなんて初めて知ったんだけど……」

 

「それはこれから話してやる。だがこのイシズという女が知り合いだったという事は否定させてもらうぞ。オレは日本で古代エジプト展をやりたいとエジプト政府の電話で我が社に依頼され、今回仕方なく協力してやっただけに過ぎん」

 

 海馬は素っ気ない態度を取る。だがイシズは微笑を浮かべたまま、特に反論する事もなくそれを受け入れた。

 

 杏子はイシズと海馬がどういう関係なのか疑問に思ったものの、とりあえず今はその話は置いておく事にした。それよりも海馬が何故自分をここに呼び出したかの方が重要なのだ。

 

「えっと……たしか新しく出来たカード屋のアルバイトをして欲しいって話だったよね? 一体どんな仕事をさせるつもりなの?」

 

「ふぅん……実は最近、『グールズ』という名のレアカード強盗集団の動きが活発になっていてな。奴等はあらゆる違法な手段でデュエルモンスターズのレアカードを奪い、大量のレプリカを密造し、自分らの利益にしているという話だ」

 

 海馬が淡々と説明を始める。どうやら海馬は最近、レアカードの窃盗事件がこの日本で多発している事を知っており、その原因究明の為に独自に調査を行っていたらしい。

 

 そこで目を付けたのが、最近になって急に売り上げを伸ばし始めたという謎のカード屋だった

 

「グールズ……前に遊戯のおじいさんから少し聞いた事があるわ。なんでも凄腕のデュエリストを『レアハンター』と呼んで雇っているとか。それで海馬くんはその新しくオープンしたっていう怪しいお店の潜入調査を私に依頼したいってわけね?」

 

「そうだ。あそこのショップはオレの監視下ではないからな……過去に学校の校則で禁止されているアルバイト経験があり、デュエリストと呼ぶレベルでもない貴様なら上手くやれるだろうと思って声を掛けたに過ぎん」

 

 杏子の問いに海馬が即答すると、杏子は意外そうな表情を見せる。

 

「へぇ……随分と私の事を調べてるみたいじゃない。もしかして海馬くん、本当は最初から私がこの依頼を受けるって分かってたんじゃないの?」

 

「ふぅん、馬鹿を言うな。オレは自分の部下に命じて調べさせただけだ」

 

 ジト目になった杏子の言葉に海馬は動揺せずに鼻で笑うと、視線だけをイシズに向けて口を開く。

 

「そしてこのイシズという女はどうやって調べたのかは知らんが……その店を経営しているオーナーがグールズの関係者だという情報を掴んだらしい」

 

 海馬の発言にイシズはソファに腰掛けたまま静かに片手を挙げてみせる。その優雅な動作に狐蔵乃と杏子が視線を向けると、イシズは冷静な口調で話し始めた。

 

「わたくしは先程、瀬人にも申し上げました通り……グールズの根絶やしを考えているのです。そして彼等の活動拠点であるあのカードショップに潜入し、その全貌を掴む事ができれば……わたくしは彼等に制裁を加える事ができるかもしれません」

 

「……つまり、それがイシズさんがエジプト展を利用してまで日本に来た目的──ですか?」

 

「はい、その通りです。ふふっ、貴方は本当に賢い娘ですね……杏子にはわたくしの願いを聞いて頂き、わたくしや瀬人と共に手伝って欲しいのです。もちろん、報酬もお支払い致しますよ」

 

 そう言ってイシズはようやくソファから立ち上がると、歩いて杏子と狐蔵乃の前に歩み寄る。

 

 近くで香る女性特有の甘い匂いに思わずドキドキして見惚れる狐蔵乃は危うく鼻の下を伸ばしたスケベな顔になり掛けたが、何とか太腿を抓って耐えると初めてイシズに対して問い掛ける。

 

「イシズさんの目的はよ~く分かりました……その為ならば杏子ちゃんをお貸ししてあげてもいいでしょう。ですが少々危険過ぎじゃありませんかぁ?」

 

「狐蔵乃、安心してください。杏子にお願いしたいのはあくまで偵察のみ──グールズとのデュエル行為などは一切行わせないつもりですので」

 

 イシズは笑顔を浮かべながら答える。しかし狐蔵乃はその言葉を鵜呑みにするほど、お人好しな性格ではなかった。

 

 ……狐蔵乃の警戒心は当然の事だった。イシズがどんな人間かまだ分からない以上、彼女が言う事を全て信用するのは危険なのだ。だからこそ狐蔵乃はイシズに対し、より突っ込んだ質問をする。

 

「ほほぅ……ですがイシズさん、もしもグールズが杏子ちゃんに手を出した場合──どうするつもりなのかなぁ? まさか考えてなかったとかはありませんよねぇ?」

 

「………」

 

 狐蔵乃の意地悪な指摘にイシズは何も答えなかった。ただ無言のまま笑みを浮かべているだけだったが、その笑みからは底知れぬ闇の気配が感じられた。

 

 ……だが狐蔵乃も引き下がるつもりはない。何故ならばイシズの提案はあまりにもリスクが高過ぎるからだ。

 

 それにイシズがグールズの関係者だと確定した訳ではないのだから、イシズに杏子を預けるのは危険極まりない。しかしイシズの話を聞く限り……どうやらその店はグールズの日本でのアジトの一つらしい。

 

 イシズの話によれば、新しくオープンしたばかりで順調に売り上げを伸ばしているというその怪しいカード屋の何処かにもし本当にグールズのアジトが隠されているのであれば、そこで働く人間は全員グールズの手先である可能性が高い。

 

 そんな状況で人間性最低最悪のグールズの連中が杏子に危害を加えないと保証できるだろうか……?

 

「ほぅ……ただの醜い豚だと思っていたが、なかなか頭は切れるようだな。面白い──今回の話、このオレも協力してやろう」

 

 黙って話を聞いていた海馬はそう言って狐蔵乃とイシズの間に割って入る。

 

「……どういう風の吹き回し? あの海馬瀬人が他人に協力するなんてさぁ」

 

「ふぅん、勘違いするな。オレはグールズのやり方が気に入らないだけだ。それにこのイシズという女はオレが知る限りでもかなり優秀な人材だろう。そんな女がわざわざエジプトから日本に来てこのオレという、史上で最強のデュエリストに協力を求めてきたんだ──その程度の頼みぐらい聞いてやっても構わないと思っただけの事」

 

 海馬はそう言って不敵な笑みを浮かべる。

 

「ふふっ、流石は『カードの貴公子』と呼ばれるミスター・瀬人──貴方ならそう言ってくれると分かってましたよ」

 

 イシズには既にこの未来が見えていたのか、海馬の言葉を聞いた彼女は満足そうに微笑む。

 

 一方、海馬はイシズの上手くいったとばかりの表情を見ると不愉快そうに眉を顰める。どうやら海馬はイシズのような強かな女が嫌いらしい。

 

 ……とは言え仕事人としての彼女は海馬にとって非常に有能な存在であるらしく、海馬はそのまま話を進める。

 

「イシズ・イシュタール──貴様の狙いは恐らくグールズの壊滅か、もしくはペガサス・J・クロフォードがこの世に生み出したという幻のレアカード──『神のカード』を我が物にする事だな?」

 

 海馬の確信めいた問い掛けに対し、イシズは妖艶な微笑みを浮かべるだけで詳しくは言わなかったが、その曖昧な態度こそが彼女の肯定の証だった。

 

「ふふっ、ご想像にお任せします」

 

 しかし海馬もまたそれを察するとニヤリと笑う。グールズという存在を知った時点で海馬は既に、その悪名高き闇の組織を潰す事を決めていたのだ。

 

 グールズを放置すればいずれまた犠牲者が現れ、現在のカード市場に転売された大量のレプリカカードが流れ出す可能性がある……そして海馬コーポレーションを経営する若き社長の海馬はその事を誰よりも懸念していた。

 

 故に彼は自らの手でグールズを殲滅する為に近々行動を起こすつもりだった。そこにイシズと杏子、狐蔵乃が手を貸してくれるというのであれば、海馬としても断る理由はない。

 

 グールズも流石に女性が潜入調査に乗り込んでくるとは思っていないだろう。更にはこのイシズという女──どういうカラクリかは分からないが、かなり正確な未来予知の能力を持っていると思われる。

 

 イシズの予言を馬鹿正直に信じるつもりはないが、それでも彼女ほどの能力者ならグールズの潜伏場所を突き止められるかもしれない。

 

 そう考えた海馬はイシズの申し出を承諾し、杏子が例のカード屋で働けるよう取り計らう事に決めたのだった。

 

 

 

 

 

 ──その数日後、イシズや海馬と協力関係を結んだ杏子は正式にその店のアルバイトとして働く事になった。

 

 杏子の話では面接は特に怪しまれる事なくあっさり終わったらしい……まぁ、それは当然と言えよう。そのカード屋は一見、ごく普通の店に見えるものの、実際にはグールズの息の掛かった闇営業である。

 

 表向きは最近人気急上昇中のカード屋としてオープンしているが、裏ではレアカード強盗やレプリカ製造を行う為の活動拠点として利用されており、既にかなりの被害が出ているという話だった。

 

 そんなところに現れた新しいアルバイト店員──しかもスタイル抜群のむちむちぷりっぷりな巨乳美少女ともなれば、当然店長が放っておくはずもない。

 

 杏子は早速その店で働く事が決まり、現在は学校帰りに毎日その店で数時間だけ働いている。

 

 そんなある日──白い布に身を包む民族衣装を着たイシズ・イシュタールは童実野町の街並みを探索していた。元々彼女は一人で行動する事を好む性格で、普段はあまり街に出る事はしないのだが……今日は少し違った。

 

 ……というのもイシズは今、とある人物と待ち合わせをしていたからだ。駅前に位置する噴水広場の付近でイシズがその人物がやって来るのを待っていると、やがてイシズの姿に気付いたのか、その人物はゆっくりとこちらに歩み寄ってきた。

 

「お待ちしておりました──狐蔵乃」

 

「ほほぅ……待ち合わせの時間ピッタリとは……やりますねぇ」

 

 イシズに名前を呼ばれた待ち合わせ相手の狐蔵乃は意外な表情で呟くと、イシズに向かって軽く会釈をする。

 

「いえ、それほどでも……それより今回はお忙しい所、わたくしの為に時間を割いて頂きありがとうございます」

 

 イシズが丁寧に礼を述べると狐蔵乃は笑顔を浮かべて片手を振る。エジプト人のイシズがわざわざ遠い異国の地である日本までやって来た理由──それこそは彼女が現在進行形で協力しているグールズの件である。

 

 杏子の潜入調査が始まってから特に何事もなく進んでいるが、今回はまたどのような理由で狐蔵乃を呼び出したのだろうか……

 

 狐蔵乃がイシズの隣に並ぶと、二人はそのまま街並みを歩き始める。イシズは横目で狐蔵乃の様子を窺うと、狐蔵乃は相変わらずニヤニヤと笑っていた。

 

 ……この男は只者ではない。日本を訪れる時からイシズは知っていた。狐蔵乃は未来予知が出来る超能力予言者と名乗っているが、その正体がただのインチキ詐欺師だという事を……

 

 こうして話すのは海馬コーポレーションでの顔合わせ以来二度目だが、狐蔵乃はイシズの前では絶対に自分の本性を現さない。

 

 ……しかしイシズはそれが狐蔵乃の人を騙す際の姿だと見抜いていた。何故ならイシズには狐蔵乃が未来を見透す能力など持ち合わせていないただの一般人だという事が分かっていたからだ。

 

 『千年タウク』と呼ばれる黄金に輝く首飾りを身に着けたイシズはこのアイテムの力で本物の未来予知の力を手に入れた。

 

 千年タウクは所有者が望めば、どんな未来の光景であっても視る事が出来る──つまりその気になればイシズ自身が望む通りの未来を覗く事も可能なのだ。

 

(狐蔵乃……彼を味方に引き入れる事ができたら心強いのですがね)

 

 ……しかし未来が見えると言っても、その能力は絶対ではない。むしろ未来が見えてもそれを活用できない事の方が多い可能性すらある。

 

(わたくしが飛行機の中で見たビジョン……それはわたくし一人でグールズのアジトに乗り込み、首領となってしまった弟のマリクとの闇のデュエルに敗れ、『千年ロッド』の能力でマリクやグールズに従う囚われのしもべにされてしまうという未来──)

 

 日本行きの飛行機の中で未来予知したイシズは海馬コーポレーションの協力で日本の童実野町に巣食うグールズの本拠地を突き止め、自ら囮となって潜り込む事でグールズの首領となった弟のマリク・イシュタールと対決するという未来の内容を思い出す。

 

 ……しかしイシズが見た未来のビジョンはそこで途切れてしまった。その後、マリクに敗れたイシズがどうなったのかは分からず、そこでイシズの意識は途絶えてしまう。

 

(わたくしが見たあのビジョン……あれは一体、何を意味しているのでしょうか……?)

 

 イシズは自分の予知した未来に疑問を抱いていた。今までも何度かイシズはこの黄金の首飾りを使って様々な人間の未来を覗き見て来たが、あんな結末を見たのは初めてだ。

 

 イシズは頭に浮かんだ疑問を振り払うように首を横に振る。今はそんな事を考える時じゃない。とにかくまずは闇堕ちした弟のマリクを倒し、グールズを潰さなければならないのだ。

 

 イシズは気持ちを切り替えると、改めて隣を歩く狐蔵乃の様子を確認する。

 

(狐蔵乃……彼は杏子やその他の少女達を超能力と称して言葉巧みに操り、淫らな行為を強要する卑劣な性犯罪者──しかし一方では目の病気を抱えた不幸な少女を助けようと密かに動き回り、絶望しかなかった少女の暗い未来を変えた……)

 

 狐蔵乃は普段から嘘偽りで塗り固められた言動で周囲の人間を信じさせ、虜にさせる人心掌握の天才だ。

 

 そして彼もまたグールズを潰すという目的を持っている事だけは間違いない。恐らく彼はグールズのような下品で野蛮な男集団から杏子を守りたいのだろう……だからあの場でイシズや海馬コーポレーションに協力したという訳で。

 

(……理由はどうあれ、完全な悪人でないのは確かみたいですし……ここで彼と一日お付き合いして、彼の魂の本質を見定めてみましょう)

 

 イシズは決意を新たにすると、ふと気になる視線を感じて辺りを見回す。

 

「………」

 

 人混みに紛れ、黒いローブで姿を隠した怪しいフードの人物がこちらを注意深く監視しているのが分かる。

 

(あれは……ふふっ、リシドね。まったく、日本に来てからはわたくし一人で好き勝手やらせてもらうと釘を刺しておいたのに……本当に心配性なんですから)

 

 イシズは内心で小さく溜息を吐くと、リシドと呼ばれた黒ずくめの怪しい人物に気付かれないよう静かに狐蔵乃を連れて歩き出す。

 

「ねぇ狐蔵乃、実はわたくし──日本という未知の国を体験してみたいのです。わたくしはエジプトだと有名人過ぎて常に政府の監視の目が……しかしここは自由で安全な日本──そこでもし宜しければ、貴方の案内をお願いできませんか?」

 

 リシドの監視を欺く為にイシズがそう言い出すと、狐蔵乃は予想外の展開にドキドキしながら挙動不審になる。

 

 四人目の新しい女の子を欲していたタイミングで、まさかイシズという絶世の外国人美女と一緒に街中を歩けるなんて夢にも思わなかった。

 

 そんな風に考えてデレデレしている狐蔵乃に対し、イシズは妖艶な仕草で豊満な胸の谷間をチラ見せしつつ、上目遣いでクスッと微笑む。

 

「駄目……ですか?」

 

 イシズの魅惑的な誘いに思わず鼻の下を伸ばす狐蔵乃だったが、すぐに我に返ってブンブンと首を横に振った。

 

「い、いいえ! もちろん大丈夫ですよぉ~! ぐへへへへ!」

 

 狐蔵乃はイシズの願ってもない言葉に二つ返事で了承すると、狐蔵乃はあっさりとその誘惑に負け、イシズに引っ張られる形でそのまま街を練り歩いていく。

 

 ──狐蔵乃とイシズ、出会ったばかりの奇妙な超能力者同士の思惑渦巻く怪しい日本観光は始まったばかりだった。

 

 




本作における海馬について。

:海馬は狐蔵乃登場前に闇遊戯にマインドクラッシュされて善人化。王国編もスキップしたので復活早いです。
:遊戯の状態が色々とアレなので、海馬もそこまで遊戯に固執してない。
:海馬瀬人(17歳)、原作と違って学校に通う機会多め(忘れちゃいけないけどこの社長……高校生なんです(笑))。
:海馬のブルーアイズ愛は変わらない。オベリスク?クリティウスの牙?いませんよそんなの。
:モクバは今のところ空気。ヒロイン力強い原作と違って攫われたり捕まったり洗脳されたりしないので、このニーソマンもモクバァァァァ!にはならないはず。
:今日より童実野町はバトルシティにな……りません!
:海馬は今後ともレギュラーキャラとして出番多め(間違いなく男キャラの中では遊戯や城之内より優遇されて活躍します)。

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