セッ○スしか娯楽がない! 作:性戦の別府
グラン暦772年 春 グランベル帝国直轄領アグスティ 某施設
朝日を背にユリウスは歩く。供回りはいない。彼は一人でここに来た。
アグスティ城内にあり、しかし誰も寄り付かない場所にある施設。ここに“ある女性”が監禁されている。ユリウスはその女性に会いに来たのだ。
目的地である部屋の前につく。ユリウスはノックをせずにそのままドアを開けた。
部屋の中にいた女性は入ってくる若き国主をキッと睨みつけ、歯をむき出しにしながら怨嗟の声をあげる。
「ユリウス皇子ィ……!」
「こんにちは、ミセス・ヒルダ」
彼女の名はヒルダ。フリージ家当主にして現北トラキア王国国王ブルームの正室
ユリウスは入口のドアを閉めた後、ヒルダの全身を下から上までナメるように見る。その視線が原因か、じんわりとヒルダの身体全体が反応した。
「くっ……! また
「現在の感度は30倍。さて、今日はどこまで耐えられるかな?」
「黙りなッ! 邪教に魂を売ったゲスがッ!」
ユリウスが一歩近づく。ヒルダは一歩下がる。
それを繰り返し壁際まで追い詰められたオンナは、息も乱しながらも気勢を上げる。
「私に手を出してごらん! あの人が黙っちゃいないよッ!」
「あの人? それって、ふふ、ブルーム卿のことかな?」
「そうさ! あの人なら! 私の夫なら必ずッ!」
「くふっ……くくく……!」
思わず笑う……いや嗤うユリウスに、ヒルダは「なにがおかしい!」と激昂する。
彼が嗤うのも当然だ。ブルーム達は既に彼女を切り捨てている。しかしヒルダはその事実を知らない。知らずに彼女はブルームを、家族を信じているのだ。そのありさまは道化そのもの。道化が道化と気付かずに騒ぐ姿は、嗤いを誘うのに十分すぎた。
ユリウスは「貴女は家族に捨てられた」という事実を伝えていないし伝えるつもりもない。今ここでその事実を伝えた場合、彼女の精神は壊れてしまう。それはとてもよろしくない。
ユリウスにとってヒルダは重要な人物となった。精神や肉体の支配を行える暗黒魔法の訓練に必要な
ヒルダは名門ヴェルトマーの血族、さらに聖戦士の傍系である。肉体も精神も高水準で揃っている。モルモットとしてこれ以上ないほど彼女は最適な存在だった。
嗤いを止め、息を整えた後、ユリウスはヒルダの眼前へと立つ。オンナは憎きオトコを睨みつけるが──
「さあヒルダ、セックスの時間だよ」
「クソ……ガキが……ッ!」
──その誘い言葉に肉体が耐えきれなかったのか、ガク、と両ひざをつく。……彼女の股はドレスの上からでも分かるレベルで濡れていた。
ユリウスはそれを見て満足気にうなずきヒルダのドレスをはぎ取る。子を二人産んだと思えないほどの艶のあるオンナの裸を見て、オトコもまた限界を超える。
オトコは腹まで反り返ったナニをオンナのアソコへズブリと挿入し、蹂躙を始める。
「ぉ、ぉお、おぉっ♡ おおぉおぉぉ♡♡♡」
「ははは! ヒルダぁ! お互い楽しもうぜぇ!」
小さな窓から差し込む朝日を明かりにし、二人のケモノがまぐわいあう。このセックスは昼まで続いた───
◆ ◇ ◆
グラン暦772年 春 グランベル帝国直轄領アグスティ
「ノディオン王国王女 ラケシス様──ご入城!」
案内役の兵士を先頭に“招待客”がアグスティ城内を歩く。左右には完全武装したアーマーナイトが真っ直ぐに立ち、槍を掲げていた。
兵士達が纏う空気は客人を歓迎するものではなく、動き一つ一つを注視・監視するというもの。客人に対し向ける態度ではない……が、彼らがそうなるのも無理はなかった。何故ならその客人は敵対していた組織の者達。つい先日まで殺し合いをしていた相手である。
そう。その“招待客”はグランベル帝国と敵対していたアグストリア解放軍である。
この場に訪れた代表の中にはあの獅子王エルトシャンの妹姫ラケシスがいる。出自が出自のため彼女が解放軍の代表であることは容易に想像出来た。
ラケシス王女率いるアグストリア解放軍は、今日、グランベル帝国に降伏する。彼女達はそのためにアグスティへ来たのだ。
話は数日前に戻る。
獅子王エルトシャンの一粒種、アレス。彼がグランベル帝国陣営に加わったことが大々的に発表されてから数日。アグスティ外部にある駐屯基地まで白旗を掲げた騎士が現れた。
その騎士は自らを「解放軍に所属する騎士である」と名乗ったあと、一つの文書を取り出した。それは自分達の敗北を認め投降するためのもの───降伏文書である。
その降伏文書はアグスティ城のユリウスおよびアレスのもとまで届けられる。二人は内容を確認したあと「調印式を開くから代表はアグスティ城まで来るように」という内容の文書を使者に持たせた。
それからさらに数日後──現在。アグスティ城玉座の間にて調印式が開かれる。
グランベル帝国の代表はアレス。アグストリア解放軍の代表はラケシスだ。
調印式は“解放軍の降伏”を認めるという形で終わる。時間にして半刻もかからなかった。
グランベル側は大きな拍手をもってこの結果を受け入れた。対する解放軍側は顔をうつ向かせ涙を流している。
アグストリアの問題はこれで片付いたといっていいだろう……。
◆ ◇ ◆
アグスティ城玉座の間
「……アッサリと
「まさか。ラケシス王女がこちらに降るであろうことは予想していた。しかし解放軍すべてが降伏とまでは、ね」
調印式終了後。ユリウスとアレスはその場に残っていた。二人が抱いている感覚を言葉にすると不完全燃焼であろうか。
アレスは気持ちを切り替えるように頭を振ったあと、隣に立つ“
「確かお前は伯母上を欲しがっていたな」
「うん。もしかして惜しくなった?」
「いや……」
ふう、と息を吐く。今日、アレスは初めて
美しかった。どこか惹かれるものがあった。それは彼の中に生まれた初めての感情だ。
しかし……
「……俺は、俺は母上を裏切れん」
アレスの母グラーニェは、夫のエルトシャンが侵略者であるシグルドに殺されたと言い、憎んでいた。シグルドを、そしてシグルドをアグストリア国内へ迎え入れた王女ラケシスを絶対に許せないと恨んでいた。
それは間違いであると指摘したのがアレスの隣に立つ友人ユリウスだ。
ユリウスは資料をもとに懇切丁寧に説明した。
エルトシャンの主は度し難い愚王であったこと。
連合を形成する国々は、ノディオンを除くほぼすべてが野心を持っていたこと。
そして最後には……エルトシャンは愚王シャガールに謀殺されてしまったこと。
ユリウスは包み隠さずすべてを話した。
ふざけるな! そんなはずはない! そう激昂するアレスに対しユリウスは「なら自分の目で確かめてみるといい」と強引にアグスティまで引っ張ってきた。
アレスは一ヶ月ほど時間をかけてアグストリア国内を旅した。
そして……ユリウスの話が噓偽りではないことを理解した。してしまった。
エルトシャンはアグストリアを代表する英雄。その主である愚王シャガールは死して当然の存在。
そしてシグルド公子。彼は善政をもってこの地を統治しており、父エルトシャンに並ぶほどの英雄と誰もが称えて……。
自分の中にあったモノがボロボロと崩れていくのをアレスは感じた。
だからこそ言える。母の憎しみは、恨みは間違いだった。
そしてラケシス。アレスは今日初めて母以外の肉親に出会った。
話したいことがある。知ってもらいたいことがある。
しかし……それをしてしまうと母を裏切ることになってしまう。
アレスは、あの哀れな母を裏切ることは出来なかったのだ。
「俺と伯母上は縁が無かった。そう割り切ることとする」
「分かった。なら遠慮なく貰うね。……ああそうそう、ラケシス王女の護衛に女騎士が一人いたでしょ。あれも貰うから」
「女騎士? ああ、確かジャンヌとかいったか。構わんぞ。構わんが……女遊びもほどほどにしておけ。お前、そのうち刺されるぞ」
「だーいじょーぶ。その辺りは上手くやるから」
「そうか。……俺は部屋に戻る。なにかあれば使いをよこせ」
「ん。お疲れ~」
アレスが玉座の間から去っていった。その場に残ったのはユリウスのみ。
ユリウスは玉座に座り直し、ニヤリと笑みを浮かべた。
(欲しいモノは手に入れた。アグストリアの攻略はこれにて完了といっていい)
アグストリア王女ラケシス。それに仕える女騎士ジャンヌ。
ダーナの踊り子リーンと、その母であり独自のルートで投降してきたシルヴィア。
(まさかシルヴィアまで……くふふ……)
(ここは一気に! ……というワケにもいかないか。アレスとの“約束”もあるし)
ユリウスはアレスを引き入れるために“ある取引”を行った。その取引内容にはアレスの教育も入っている。少なくとも一年間、ユリウスはこの地から動けない。
手に入れたオンナ達も調整しなければならない。これにもまた時間がかかる。
そして……今はまだ“火種”をまく時期。ユリウス自らが動くには早すぎる。
(まずはラケシス達の心を堕とす。それから十二魔将化させて……うん、どうしても時間かかるな!)
やれやれとため息をつきながら立ち上がる。原作キャラハーレム化計画───そのゴールはいまだ見えず。しかし、だからこそやりがいがある。
(……夕食まで時間はあるな。よし、なら味見でもしとくか!)
ユリウスの姿が消える。ワープの魔法だ。
彼は今日手に入れたオンナをさっそく楽しむようだ。最初に犠牲となるオンナの名は───
おひさしぶり!
※誤字報告ありがとナス!