セッ○スしか娯楽がない! 作:性戦の別府
グラン暦772年 春 グランベル帝国直轄領アグスティ郊外 ユリウスの屋敷
「私とシルヴィアをユリウス様の奴隷にしてほしい。そうお話しして欲しいの」
そのセリフに思わずティルテュはピクリと一瞬だけ眉を動かす。
正面から見据える。彼女はこちらの様子をうかがうような表情をしていた。
(……二人は手を組んでいる?)
真っ先に思いついたのがそれだ。調印式よりも前に二人はどこかで合流し「降伏後はこうやって動こう」と示し合わせていた可能性。降伏後、二人が“保護”され、その後は奴隷という形で皇子の近くまで接近するために……。
しかし即座にそれはありえないと否定する。皇子が二人を保護した理由は“聖戦士の血を引く女性”だから。もっとストレートに表現すると“極上のオンナだから”になる。ユリウス皇子が女狂いのドスケベだと知っているのは、屋敷を管理しているメイド達、ティルテュとティニー母娘。皇帝も知っている可能性はある。メイド達は皇子に絶対の忠誠を誓っているのでそこから情報が漏れることはない。当然だがティルテュ達や皇帝からもだ。
戦争で降伏を選択した場合、軍の代表は普通は処刑される。ラケシスは
ユリウス皇子の“女好きのドスケベ”という情報を二人が知っていたというのならば話は変わってくるが、そうでないならこの状況を予想通り、予定通りというのはありえない。ありえないのだが……引っかかるのが先ほどの二人の態度だ。
(ラケシスが目で合図らしきものを送って、シルヴィアはそれに軽くうなづいていた)
そこには何らかの意思疎通があった。その内容まではさすがに見抜けなかったが。
(……あの子を呼んでおいてよかった。あの子なら二人が皇子の敵かどうかが分かる)
この部屋の両隣は空室となっている。その一つにティルテュの同僚が気配を消して潜んでいる。
その同僚は“心の声を聞くことが出来る能力”の持ち主───サラ。
彼女の能力であればラケシス達が何を考えているのか正しく分かるだろう。
ティルテュはカップの中身を飲み干した後、静かに立ち上がる。
「ラケシス。さっきの言葉はユリウス様に伝えておきます。だけどわたしに出来るのはそこまで。貴方達がモノにされるかどうかはあの御方次第よ」
「ええ、分かってます」
「そう。……わたしはもう戻るけど、シルヴィア、あなたはどうする?」
「ラケシス様ともう少しお話したいわ」
「分かった。なら夕食はラケシスといっしょになさい。あとでメイド達に運ばせます」
「うん。ありがとう」
怪しまれないように、ゆっくりと部屋を後にする。
退室後、となりの部屋へ振り替える。部屋の入り口は開いており、そこには自分の娘とそう変わらない年齢の少女サラが立っていた。
足音を立てずにサラへ近づいたあと、小さな声で質問をする。
(サラ。声はださないで。首を振るだけでいい。……あの二人は敵?)
首を横にふるふると横に振る。
(わかった。今はそれで充分。ではサラ、あなたはこのままあの二人を監視。“能力”でなにか分かったらわたしまで報告をお願いね)
サラがこくりと首を縦に振るのを確認したあと、ティルテュは歩みを再開した。
(二人が敵じゃないことはわかった。でもあの奴隷になるって言葉は……う~ん……絶対になにか狙いがあると思うんだけど。いえ、今はおとなしくサラからの情報を待つとしましょう)
二人にどのような思惑があったとしても、最終的には主のもとへ堕ちてくる。“敵意”が無いのであればなおさらだ。
ティルテュは「よしっ」と頷くと、足取り軽く、愛娘が待つ部屋へと歩き始めた───
◆ ◇ ◆
「……行った?」
「たぶん」
「そう……」
部屋の入り口で外の気配を探っていたシルヴィアの言葉に、ラケシスは一息をつく。これからする話を旧友であるティルテュの耳には入れたくなかった。
ラケシスは口直しのためにお茶を淹れなおした後、声を低く抑えて訊ねる。
「シルヴィア。以前私に送ってくれた手紙の話だけれど」
「うん。あれを読んだからこそラケシス様も奴隷とか言ったんだよね?」
「……ええ」
監禁されていたシルベール砦から救出された数日後、ラケシスのもとへ二つの手紙が送られてきた。
一つはかつての仲間レヴィンから。もう一つが目の前にいるシルヴィアから。
手紙の内容はどちらも共通していた。ユリウスは暗黒神ロプトウスである──と。
ただしシルヴィアからの手紙はもう一つ踏み込んだものとなっていた。それは……
「このままではユリウス皇子と古代竜族は確実に激突する。二人の戦いの余波は大きく、大陸の実に三割が焦土となる……」
「それもグランベル帝国を中心に。クロード様にくだされた神託によれば、人がまともに住めなくなるレベルでひどいことになるらしいわ」
「それを避けるためにあなたは皇子に降伏すると決めた」
そのセリフにコクリと頷くシルヴィア。
手紙の内容。それはシルヴィアの夫である“クロード神父”がブラギの塔で再度神託を受けた時に知り得た「未来の情報」だった。
未来は「本来の未来」から「別の未来」へと変化したこと。暗黒神ロプトウスこと闇の神器に宿る邪悪な意思は
肝を冷やすとはこういうことなのだろうとラケシスは慄いた。闇の神器にロプトウスの邪悪な意思が宿っている話など初めて知った情報で、さらにその意思の元である本体……古代竜族のことも初耳だった。言い伝えではロプト皇帝や十二聖戦士にチカラを与えたのは異大陸に存在する古代竜族であるとされているが、それは迷信だと彼女は思っていた。しかしクロード神父が賜った神託からそれらは迷信ではなく真実であると確定してしまった。さらにあのレヴィンがその古代竜族と特別な契約を交わしているということも手紙には記されていた。ここまで来ると驚くなというほうが無理だ。
ユリウス皇子はその古代竜族の、暗黒神ロプトウスのチカラを完全に自分のモノにしている……らしい。暴走の危険性はないというのは朗報だが。
しかし問題は三つ目の……
「誰が予想出来る? 今代のロプト継承者がただの色狂いだって!」
「神器に宿っていた暗黒神の邪悪な意思は消滅。チカラだけは残り、そのチカラを皇子は手に入れた……」
「そして手に入れた暗黒神のチカラをオンナとのセックスに利用しているんでしょう? ……バカじゃないの!?」
お手上げ!と両手をあげるラケシスとシルヴィア。二人の表情は疲労と同時に苦笑が浮かんでいた。
問題はユリウスが特定の女性──旧シグルド軍の女性およびその娘達のことに執着していることだった。あの皇子は自らの欲望を満たすためだけに旧シグルド軍の女性を追い求めているのである。
ぐてっ、とテーブルに身を預けたラケシスは、空になったコップをつつきながら話を続けた。
「レヴィン王の……レヴィンの協力者だったわたしが降伏した以上、彼は確実に様子を見に来る。暗黒魔法で支配されたかそうでないかの確認のために」
「暗黒魔法で支配されていないことがわかったら……」
「ええ。そこでようやくわたし達の話を彼は真剣に聞いてくれるようになる」
前提となるそれが間違っていた。歴代のロプトウス継承者はともかく、今代は共存可能な相手。邪悪か否かと問われれば間違いなく邪悪だが、しかし許容出来るレベルであった。
ラケシスが「はぁ」と呆れたようにため息をつく。その顔には心底疲れの色が見えていた。色狂いのロプト継承者に、甥のアレス。考えなければいけないことがありすぎる。
(降伏の調印式の時、アレスが帝国の代表としてあの場に立っていた)
新入りのアレスが帝国代表として調印式に出る。それは通常ならば有り得ない話だった。本来ならユリウス皇子が代表として立つべきだった。仮に皇子以外が代表として出るにしても、ヴェルトマー家に長く仕えている譜代の家臣から選ばれるべきだ。間違っても新入りの、それも元敵国の英雄の子であるアレスがなって良いモノではない。
しかし現実に帝国の代表として現れたのは甥のアレスだった。式に参加していた皇子の家臣団が不満の顔を一つも見せずに控えていた──どころか降伏調印の際には拍手喝采すらしていたのだから、ラケシスが困惑するのも無理はないだろう。
ギシッ、と音がなるほどにイスに身をまかせた後に息を吐く。視線だけを動かせばシルヴィアも同じような恰好で天井を見上げていた。
「皇子に……帝国について何もかもが分からないことだらけ。だからこそ私達は知りたいことを知れる場所に踏み込む必要がある」
「うん。私はクロード様を、ラケシス様はベオウルフさんを裏切ることになるけれど……」
「すべては守るためよ。わたしはもう覚悟をきめたわ。あなたと同じようにね」
そうだ。自らの貞操を売るのは守るため。
この大陸の平和を。そして“子供達”の未来を守るため。
クロード神父が受けた“神託”の内容と、再会したティルテュから聞いた身の上話から、ユリウスは色狂いではあるが自分のオンナに甘い男であることを確信した。ならば迷う理由などどこにもない。
「かつての仲間を裏切ることになったとしても、わたし達は進む。それがわたし達の覚悟よ──」
◆ ◇ ◆
同時刻 屋敷にあるユリウスの私室
「おっ、ぉっ、おぉ~~~……」
ずる、ぬぷ、と静かな音をたててユリウスのイチモツが少女の膣内に入っていく。
少女──“レイリア”は騎乗位の姿で、息も絶え絶えにユリウスのを受け入れる。
そして、
「ん……ユリウスさま……」
「ふふっ、おいで」
傍らに控えていたもう一人の少女“リーン”を片手で抱きしめ、そのまま濃い目のキスを始めた。
リーンとレイリア。二人はアレスを帝国サイドに引き入れた時に確保した“戦利品”だ。
少し前アレスをスカウトしにダーナの街へ向かったユリウスだが、実はアレスこそがもののついでであり、本命はこの二人の少女だった。
二人は同じ孤児院出身であり、夢は「両親を探すこと」と共通していた。だからだろうか、二人は自然と義姉、義妹という関係になっていった。
二人は孤児院の院長から「母は踊り子だった」という話を聞いた。故に二人はそろって踊り子になり、ダーナの街で働き始めたのだ。
二人にとっての不幸はダーナの領主ブラムセルに目をつけられたことだろう。
この時期、二人はまだアレスと知り合ってはいなかった。故に守ってくれる者など誰もいない。
だからこそこうなるのは必然だった。
『ほっほっほっ。レイリア、わかっておろうな?』
『わかってるわ。あたしのことは好きにしていい』
『うむうむ! 物わかりが良い娘はきらいじゃないぞ!』
『(リーンは……義妹はあたしがまもる……!)』
史実(原作)でリーンが登場するシーン。そこにレイリアの描写が一切ないのは代替ユニットだからという理由だけではなく、リーンを守るため犠牲になってしまったからなのだろう。
この世界でもレイリアの純潔と尊厳はブラムセルに踏みにじられてしまったが、命までは奪われなかった。何故なら彼女が死ぬ前にユリウスが
なおブラムセルは暗黒魔法により精神を操作され、今では真っ当な領主としてダーナを運営している。
そして現在……。
「ユリウスさま♡ ゆりうすさまぁ♡」
「レイリア、まだイっちゃダメだよ。イくときは僕と一緒だからね」
「ユリウスさま……あたしも……」
「ふふっ、リーンは本当にアソコをいじられるのが好きだね。ほら、たれ落ちた愛液でシーツがびっしょりだ」
腰を動かす余裕がなくなったレイリアと、同じく膝立ちする余裕がなくなったリーンはユリウスに身を預けるようにしなだれる。
蕩けた眼で自分を見つめてくる美少女二人に気をよくしたのか、ユリウスは腰と愛撫する指を激しく動かし始めた。
「お゙っ♡ お゙っ♡ お゙っ♡」
「イきますっ♡ イっちゃいますっ♡」
あまりの快感に“ぷしっ!”と派手な音とともに潮をふくリーンとレイリア。その直後──
びゅる! びゅるるっ!
「あっ! あっあっあっ──♡」
「うっ、ふぅ……」
──ユリウスはレイリアの膣内へ大量に射精。その
自分に身を預け、とろんとした瞳で快感の余韻に浸るリーン達を見て、ユリウスは「転生最高!」と喜びをかみしめた。
体力を使い果たし動けなくなった二人の美少女へ代わる代わるディープキスと正常位セックスをしながらユリウスは『原作ヒロインはやっぱ最高だな』と考える。
ティルテュは娘を守るためにすべての痛みを受け入れた。レイリアはリーンを守るために純潔を捧げ、その身の蹂躙を許した。
彼女達の姿にユリウスは誇りを、気高さを感じた。言語化が出来ない美しさを感じた。自己犠牲以上の何かを感じ取ったのだ。
そのヒトとしての在り方が美しい美女、美少女と自由にセックスが出来る。これを最高と言わずに何を最高というべきなのか。
ユリウスは期待していた。ラケシスとシルヴィアがあっさりと降伏、投降したのは勝機が無くなったから以外の理由があると。そしてその理由は数日以内に判明するだろう。
「とても楽しみだ。彼女達とスる日が」
ドロリとした体液にまみれた二人の美少女の頬を一撫でしたあと、ユリウスは立ち上がる。
窓から見える外の景色は、朝日が昇る様子を見せていた──
レイリア(代替ユニット)をどうするかでかなり悩みました。
アレスくんの正室にすべきか、ユリウスのハーレムに加えるべきかガチで悩みました。ぶっちゃけここまで投稿出来なかった原因の一つです。
あ、この作品のラケシス夫はベオウルフになってます。
作中に出すことはないのでここで設定を箇条書きで書いときますね。
・ラケシス、騎士として実直なフィンに兄エルトシャンの影を見て惚れる
・フィンは「私と結ばれてもラケシス様は必ず後悔する」とラケシスを振る
・後悔の意味を理解出来ず荒れていたラケシスは、最終的に自分の傍にいてずっと守ってくれていたベオウルフと結ばれる
・子供(デルムッド)が産まれたことで自分がかつてフィンを兄の代わりとして見ていたと自覚→後悔の正体に気付く
・原作五章でベオのセリフ「お前の気持ちは知っていた」はこの世界でも言われており、二重の意味(兄エルトシャン、フィン)が込められている
・「待って!ベオウルフ!」→そしてバーハラの悲劇へ
今書いてて思ったけど、この設定だけで短編書けそうですね。誰か書いて?