セッ○スしか娯楽がない! 作:性戦の別府
其の一
転生者が目覚め、ユリウスの記憶が流入完了した後に分かったこと。それは「あれ? 自分オリジナルより強くね?」だ。
若く健康的な肉体、強大な魔力、それを完璧に制御出来る操作性……。
彼は目覚めた直後に自身の中にロプトウスが潜んでいないかどうかを調べて、いないと確信した。これは冷静に考えればあり得ない話だ。
転生者が“剣と魔法のファンタジー世界”から転生してきたのなら、転生直後でもそれが出来るのは説明がつく──かもしれない。しかし彼は令和日本から転生してきた一般人。魔法なんて実在しない世界出身の人間がこうも簡単にこちらの世界の魔法を操る。やはりあり得ない話である。
ただし何らかの特典、あるいはチートを得て転生したというのなら話は別だ。
「死んだときの記憶は……うん、ある。その後に神様らしき御方と出会った記憶は……無い。無いけどそーじゃなきゃ説明がつかんぞこれ」
ふーっ、と強く息を吐き気持ちを切り替える。どれだけ考えてもわからないものはわからない。だから特典やチート云々についての考察は一度放棄することにした。
「オレはユリウスに転生した。そして現時点でロプトウスに覚醒したオリジナルよりも強い──と断言出来る。それさえ分かっていれば大丈夫だろ」
気持ちを完全に切り替え、これから先どうすべきかと頭をひねり始めたところに───
「ユリウス! 目覚めたのですね!?」
「──────」
美しい女性が部屋の中に飛び込んできて、そのままの勢いでユリウスを抱き締めた。
「良かった……! 本当に良かった……! 貴方が突然倒れて昏睡状態になって……! 本当に、本当に目が覚めてくれて良かった……!」
妙齢の美女はまさぐるようにその手でユリウスの身体に触れていく。走って来たのだろうか、ほのかに汗の匂いがする。しかしそれは不快に感じる匂いではなく、むしろ……。
「ユリウス? 大丈夫ですかユリウス? ……“母”のことが分かりますか?」
「──はい、大丈夫ですよ……母上」
母上という言葉に妙齢の美女──ディアドラは安堵の笑みを見せる。
ユリウスは原作知識から、そして流入した記憶から彼女が母ディアドラであるとすぐに分かった。
……しかし、彼女を“母”として見ることは出来なかった。十年、二十年と共に暮らしていたならば母として、家族として見ることが出来た。しかし転生者にとってディアドラは“知っている初対面の女性”でしかない。
「ユリウス…! ああユリウス…! 良かった…本当に……!」
そう言ってディアドラは再度ユリウスを抱き締める───その頭部が彼女の柔らかい胸に埋まるように、強く、強く……。
転生者の前世は性欲が強い男だった。40歳を過ぎてなお毎週風俗店へ行き性欲を発散させていたレベルだ。金を稼ぐのは風俗に行くためと豪語すらしていた。
そんな男が。妙齢の美女に抱き締められたら。その胸に顔を埋めてしまったら。あまつさえ美女が流した汗とその匂いを全身で感じ取ってしまったら──
我慢など出来るはずがなかった。
「……ユリウス? どうしたの? ユリウ──!? ユリウス!? 待ってユリウス、どうしてそんな───あぁ!!?」
時間にして半日。ディアドラはユリウスに犯され続けた。
ユリウスには二つの幸運があった。
一つは父アルヴィスは政務で忙しくこの屋敷へ来れなかったこと。
そしてもう一つの幸運は、ユリウスの強姦を止めに来たのはユリアただ一人だけだったことだ。
ユリアとの「母に手は出さないこと。代わりに自分がユリウスの性奴隷になる」という契約はこの時に交わした。
ディアドラとのセックス。そしてユリアとの性奴隷契約からのセックス。
この二つを経験した転生者ユリウスは、自身の中に大きな野望が生まれたことを自覚した。それを果たすため彼は動き出す。
そして時は流れ半年後───グラン歴771年 秋。
ユリウスの野望、その第一歩が始まる。
◆ ◇ ◆
「………」
妙齢の美女が窓から見える外の風景を眺めている。
彼女が“娘”と共にこの屋敷へ連れてこられてから一週間。こんなにも穏やかに過ごせたのは何年振りだろうか。
「………」
かつていた場所では、年単位で拷問を受けていた。いや、“あの女”に言わせれば、あれは拷問ではなく躾か。
ほんの少し服を捲れば。生涯消えることのない傷がある。それも幾つも。
それだけではない。彼女はもう“女性”としても終わらされている。
躾は彼女の全身に傷をつけるだけではなかった。“あの女”は複数の男をけしかけ、何度も何度も……。
その結果、彼女はもう二度と子供を産めない身体になってしまった。
「………」
自分達母娘がどうしてこの地へ連れてこられたのか。彼女はそれを正しく理解している。
ユリウスと名乗ったあの少年。彼が自分に対して向けた視線の色。それは何度も見たものだ。
あの城の地下室で。自分を玩具にして遊んでいた男達と同じ───
「───はっ…! はっ…! はっ…!」
乱れた呼吸を急いで整える。……あそこで過ごした日々はそう簡単に忘れることが出来なかった。
(ティニーは……娘だけは絶対に守ってみせる……)
あの地獄としか言えない生活の中で彼女は───ティルテュは娘だけは守りきった。それは彼女が持つ唯一の、しかし一番の誇り。
すべてはティニーのため。愛する娘のため。
これからこの部屋に来る新しい“飼い主”相手に決死の覚悟で交渉に挑む。
(アゼル……わたしに力を貸して……)
勝算ならある。ユリウスは自分を性欲の対象として見ていた。そこを上手くつければもしかしたら……。
残りの生涯をあの少年の性奴隷として使うことになったとしても、わたしは娘だけは絶対に守ってみせる───
◆ ◇ ◆
「───私の身は自由にしていい。だけど娘ティニーは見逃してほしい。あなたはそう言いたいわけだ」
「ユリウス様。わたしはあなたの慈悲にすがることしか出来ない哀れな女です。この身であれば自由にお使いいただいてかまいません。ですので何卒慈悲を賜りたく……」
ユリウスの足下にひざまずき、額を地面に擦り付けながらティルテュは懇願する。それが演技かどうか、ユリウスには分からなかった。
故に暗黒魔法を使う。ティルテュに悟られないように、こっそりと。
暗黒魔法の一つに“精神への干渉”がある。原作でとある大司教がディアドラの記憶を消し、ユリアを洗脳したのがそれだ。
その“精神への干渉”は、ちょっとした応用で相手の言葉の真偽を確かめることが出来るようになる。今回ユリウスはそれを使った。
(……うわっ、マジのセリフだった。母は強してやつかぁ)
結果は真。ティルテュは自分が奴隷になる対価に娘に手を出すのは止めてほしいと本気で言っているのだ。
彼女の覚悟は理解出来た。しかし───
「ティルテュ。あなたは自分の立場を分かっているのかい? それともあなた達母娘を“保護”してグランベルまで連れてきた理由が想像できないとか、そういう感じかな?」
「……ユリウス様がわたし達を“保護”したのは、ご自身で楽しむため……」
「なんだ、わかってるじゃないか」
なら片方を見逃すだなんてあり得ないよね。そう続けるユリウスにティルテュはなにも言えなかった。
しかしここは何らかの慈悲を、希望をティルテュに見せる必要があることも彼は理解していた。今この時も彼女の精神に干渉しているが、少しずつヒビが入ってきているのが分かる。もし本当に無慈悲にこの母娘を犯してしまえば取り返しのつかない結末を迎えるだろう。それはよろしくない。ハーレム計画はまだ始まったばかりなのだ。初手で躓くわけにはいかない。
「ま、こうは言ったけどさ。あなた達二人にはチャンスをあたえるつもりだよ。ブルーム卿からくれぐれもって言われたし、一度くらいはあたえないとね」
「チャンス──そ、それはどういった……!?」
「はいはい、嬉しいのは分かったから落ち着いて。それで、二人にあたえる慈悲───チャンスなんだけど」
ユリウスは屈託のない笑顔でそれを告げた。
そしてティルテュはそれを受けた。
今宵、最初の性戦が始まる───
◆ ◇ ◆
夜を過ぎ深夜になる時間帯。
ユリウスの私室に二人の女性が訪れた。
一人は元フリージ家の公女ティルテュ。そしてもう一人はその娘のティニー。
「やあ、待ってたよ。……うん、そのネグリジェ、なかなか似合ってるじゃないか」
「ありがとうございます、ご主人様」
「あ、ありがとうごさいましゅ…!」
穏やかな笑みを浮かべるティルテュに対し、同年代の男の子に肌を晒すのが恥ずかしいのか、ティニーは首まで真っ赤に染まっている。
対照的な二人を見てクスリと笑った後、ユリウスはティルテュの手をとりエスコートした───そう、彼のベッドまで。
「ではティルテュ、ボクがあたえた“慈悲”の確認だ。ボク達はこれからなにをする?」
「今日から一ヶ月、深夜から日が昇るまでの時間、わたしとご主人様はティニーの目の前でセックスをします」
「二人の勝利条件は?」
「ティニーが“なにもせずに”最後まで見届けることです」
「その逆、敗北条件は?」
「……ティニーがご主人様とのセックスを望むことです」
「はいよく出来ました。ティニー、きみもルールは分かったね?」
「は、はい……!」
「よろしい───では始めるとしよう!」
ユリウスは大きく柏手をうち、宣言する。
「これより性戦の開始を宣言する!」
スマホでSS作るのくっそ辛い