新・嗜虐西遊記─北遊記/ビ・ク城篇【終了】 作:ドン・ドナシアン
「ひがあああっ」
沙那は絶叫した。
局部とお尻の穴……。
さらに、左右から乳房にも電撃棒を当てられて、電撃を流されたのだ。
しかも、長い──。
いつまでたっても電撃が終わってくれない。
沙那は、必死に身体を振って、電撃棒から逃れようともがいた。だが、腰は前と後ろから、乳房は左右から棒を突きつけられているのである。
しかも、首を床に器具で固定されているのだ。
それに、目の前のコク・ジュという女官に頭を踏んづけられている。
逃げようがない──。
しかし、もがいているうちに、沙那は四本の電撃棒のうち、左から責める棒からだけ電撃が流れてないこと気にがついた。
視線を向ける。
すると、その女がかすかに首を横に振った。
沙那ははっとした。
「いいわ」
コク・ジュが声を掛けた。
四本の電撃棒が離れる。
沙那はその場に突っ伏した。
「汚いのう──。二度目の失禁か? そんなに小便の上に寝るのが好きか?」
コク・ジュが沙那の頭から足をどけながら嘲笑った。
それで、沙那はいつの間にか、自分がまたもや失禁してしまったことに気がついた。
「お前の立場を教えておく。二級奴隷とは、ここにいる兵たちの性欲を満足させる性便所女よ。それでも、貢物奴隷として連れてこられた女どもの大抵は三級だからのう。お前の淫乱さに感謝するんだな……。ところで、まだお仕置きをお強請りする気にはならんか? 今日はお前で最後だから、いくらでも時間がある。コク・ジュ、その雌が屈服するまで続けよ」
そして、椅子に座っているハク・エンがなにかの合図を出す気配をしたのがわかった。
沙那は慌てて口を開く。
「さ、沙那です──。お仕置き調教をお願いします──」
自尊心のために意地を張っても、大抵はなにも得ることなく終わる。
沙那はそれを肌身で知っていた。
仲間ととともに、亜人と呼ばれていた魔族の王にばらばらに監禁されたのはいつだったか……。そのとき沙那は、酔客の魔族兵の集まる酒場で破廉恥な見世物に出演させられた。
客たちの見物する演台に拘束され、焦らし責めをされて、調教をしてくださいと口にしろと繰り返し強要されたのだ。沙那は屈服せず、頑として応じなかった。すると、焦らし責めから一転して、強烈な痒み剤を塗られて放置責めをされたのだ。
あれは苦しかった。
しかも、素直に応じなかった罰として、夜になって檻に戻されるとき、痒みの消える解毒剤をこれ見よがしに、目の前で捨てられたのだ。
とにかく、あれで沙那は悟った。
意地を張っても、なにもいいことどないのだ──。
「ははは、なんだい、気が強そうだったから期待したのに、もう屈服したのかい……。まあいい。そこにいる四人がお前につく調教師だ。二級奴隷として、兵に犯されるお前の世話人でもある。お仕置きを願いでな」
コク・ジュが笑った。
四人というのは、さっき沙那に電撃棒を当てた女たちのことだろう。コク・ジュと同じような女官風の服装をしている。
夫人のハク・エンの部下が女官長のコク・ジュで、そのコク・ジュのさらに部下という感じだ。
「ちょ、調教師様……」
とにかく、沙那は言った。
「声が小さいわよ──」
後ろ側の女が背後からお尻に穴に電撃棒を当てられる。
沙那は恐怖した。
「調教師様、お仕置き調教をお願いします──」
ありったけの声で絶叫する。
「ははは、そうお仕置きが欲しいのね……? 名前はサナだったわね?」
離れて見守っているハク・エンから満足したような声がかかる。
「は、はい──。沙那はもう逆らいません。お仕置きは十分に味わいました。申し訳ありませんでした」
「まだ始まってもいないわよ。最初に言ったけど、これはお前の身体に懲罰の怖さを教え込むための調教なのよ。屈服する気になったとしても、それは頭の中だけのことでしょう? お仕置きで徹底的な服従を身体に叩き込んであげるわ。それがお仕置き調教よ。コク・ジュ、試しなさい」
ハク・エンが声を掛ける。
「はい……。お前たち、この雌犬の顔をあげさせなさい」
コク・ジュが沙那の周りの四人に告げる。
すると、左側のひとりが近づいて、金具で首を床に押しつけられている沙那の髪と顎をぐいと掴む。
「ひぎっ」
思い切り髪を引っ張られて顔を正面に向けさせた。
だが、そのとき、顎を押えている手からなにかを口に入れられた。
一瞬のことで、周りの誰も気がつかなかっただろう。
口に入ったのは、なにかの薬のようだ。
瞬時に唾液に溶けてしまった。
躊躇ったが、沙那は溶けたものを呑み込む。
その途端、身体がかっと熱くなって、全身に強い疼きが沸き起こった。
媚薬だ──。
しかも、かなり強烈ななものだ。
沙那は歯噛みした。
「ほら、サナ、お前は二級奴隷だからね。屈辱を与えられれば股ぐらを濡らし、叩かれればやっぱり股を濡らし、懲罰でやっぱりまんこを濡らす……。それが二級奴隷の雌犬だ」
顔を無理矢理に正面に向けさせられている沙那の顔に、コク・ジュが革靴の裏を押しつけてきた。
それこそ、堅い靴の底で顔全体をぐりぐりと痛めつけられる。
「どうだ、口惜しいかい? それとも、こんなことをされて嬉しいかい、サナ?」
「うっ、ぐっ……」
容赦のない踏みつけだ。
だが、痛みよりも、こうやっていいようになぶられているという事実が沙那の心を冷やす。
嬉しいわけあるわけない。
怒鳴り散らしたいのを必死に我慢する。
「う、うれひゅいです……」
顔を踏まれながらなのでうまく喋れない。
いまだけだ……。
屈服したふりだけだ……。
自分に言い聞かせながら言った。
「本音じゃないのが丸わかりだねえ。お前は芝居は下手なようだ。感情が外に出やすいのかねえ。まあ、だから、お仕置きをしてやるよ。さあ、もう一度、調教を強請ってごらん」
コク・ジュがやっと靴をどける。
髪の毛から手も離され、沙那ががくりと脱力した。
「ほら、息をする暇があったら、コク・ジュ様の命令に従うのよ」
お尻に電撃棒を突きつけられて電撃を流される。
「はがああっ」
沙那は絶叫した。
「まだ、言わないの?」
すると、別の方向から身体に電撃棒を突きつけられて電撃を注がれる。
悲鳴とともに、懸命に棒から逃げると、反対方向から電撃棒が襲う──。
沙那は身体を暴れさせた。
「ひぎいっ、もうやめてええ──。言います──。言いますから──」
必死に叫んだ。
そのあいだも、電撃棒をあちこちから押しつけられる。
逃げられないのだ──。
「いつ言うのよ。いまでしょう」
またもや逃げた方向から新しい電撃棒──。
沙那は泣き叫んだ。
「調教──、ひぎいっ──。調教してください──。お、おし、おき……があああ──お仕置き調教を──んぎいいい──」
沙那は電撃を浴びせられながら必死で叫んだ。
すると、ひとりの女が沙那の股間を指差しながら笑った。
「あらあら、こいつ、股を濡らしてますわ、コク・ジュ様。どうやら、嗜虐癖の女だったようですわよ」
「ああ、本当かい?」
すると、ちょっと怪訝そうに、コク・ジュが沙那の正面から腰側にまわり込んできた。
ほかの女たちも集まっていく。
「こりゃあ、驚いたねえ。どうやら、最初からいたぶられると股を濡らす変態女だったようだ。だったら、それほど手間をかけずに、お仕置き調教が終わりそうだよ。だけど、もう少し時間をかけて、極上の二級奴隷として仕込んでやろうか」
コク・ジュが満足そうな笑い声をあげた。
しかし、それは、さっき口に強引に放り込まれた媚薬の影響だ。電撃拷問で股間を濡らしたと揶揄される屈辱に、沙那はそれは違うと叫びたくなったが、さすがにそれをしないだけの分別はあった。
「……とはいっても、だったら次の段階でもいいかもね。淫丹石を尻穴に入れてやることにするとしようか。電撃鞭でここまで股間を濡らすような淫乱女なら、多分、たっぷりと良質の淫丹を満たしてくれるだろうさ」
コク・ジュだ。
淫丹石?
なんだ、それ──?
しかし、嫌な予感しか沸いてこない。
「ふふふ、あたしが受け持ちます、コク・ジュ様」
すると、さっき沙那の股間が濡れていると騒いだ女がそばにある台からなにかを取ってきて、沙那に近づいてきた。
そして、わざとそれを沙那の顔側に持ってきて見せる。
女が示したのは、ねじりの入った蝋燭を思わせる長細い棒状のものであり、根元だけが大きく膨らんでいた。
「な、なにをしようというのよ……?」
沙那は鼻白んだ。
確か、お尻に入れると言ったような……。
「これは淫丹石よ。これをお尻に挿入して、たくさんの男兵と愛し合ってもらうことになるわ。男女のまぐわいで、人は“淫気”をいう人の生命力に似たものを発生するんだけど、この淫丹石はそれを吸収して蓄積してくれるのよ。たくさん気持ちよくなって、良質の淫丹石をいっぱい作ってね」
沙那に淫丹石を見せている女が笑った。
なにをされるのかがわかって、沙那は顔が引きつるのがわかった。
よりにもよって、そんなものを……?
しかも、かなりの長さだ。
長さだけなら、沙那の手首から肘ほどの長さがある。
「ちょ、ちょっと待って」
「待たないわ。ちゃんと潤滑油は塗ってあげるから」
女が一緒に持ってきた油剤のようなものを淫丹石に塗りたくりだす。
そして、後ろに回り込む。
「ちょ、ちょっと待って──。まだ、覚悟が──」
沙那はもがこうとした。
だが、暴れようとすると、ほかの女たちから電撃棒を突きつけられる。
激しい電撃が数箇所から襲う。
「ふぎゃあああ──」
沙那は獣のような悲鳴をあげた。
電撃棒が離れ、ぐったりとしたところをさっきの捩じり棒のような淫丹石を肛門にあてがわれる。
じわりじわりと内側に挿入してくる。
お尻の粘膜が無理矢理に押し広げられて、淫丹石の捩じりに巻き込まれていく。
「ううう、ああっ、あああっ、やめて……。あああっ」
「やっぱり変態女ね。また愛液が垂れ出てきたわ」
さらに淫丹石が奥に奥にと向かう。
ただ、口惜しいことにお尻の穴が拡げられていく苦痛よりも、灼けるような快感の方が大きいのは事実だ。
沙那はこぼれそうになる嬌声を必死に我慢した。
「あら、あっという間……。もっと苦労するかと思いましたけど、簡単に入ったわ……。コク・ジョ様、終わりました」
女が手を離した。
すると、挿入された淫丹石の根元の膨らみが拡張した感覚が襲い、沙那のお尻が栓をされたみたいになった。
「ひああっ」
沙那は身体をのけぞらせた。
「お前、もしかして、お尻の調教も受けたことがあるね? 最初は気が強いのかと思ったけど、大した変態だよ」
コク・ジョが後ろで大笑いした。