※この作品はR-18です。

新・嗜虐西遊記─北遊記/ビ・ク城篇【終了】   作:ドン・ドナシアン

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8  命の半分の行方

「相変わらず、敏感な身体ですねえ、沙那姉さん」

 

 朱姫がくすくすと笑って、指を沙那の股間から抜く。

 沙那は肩で息をしつつ、歯噛みした。

 この悪戯娘が──と思ったが、調子の乗った朱姫に無駄な抵抗をすると、むしろひどい目に遭わされることが多いので、込みあがった苛立ちを我慢する。

 もっとも、せめて睨みつけるくらいのことはしてやりたいが、床に打ち付けられている立て板に頭を固定されているので、その板が邪魔になって、沙那の視界を遮っている。

 いまや、朱姫は完全に板の後ろ側の胴体側にしゃがんでいるのだ。

 そのとき、膝で折り曲げた状態で固定されている片側の太腿になにかを巻かれたと思った。

 戸惑ったが、反対の脚を押されるようにして開かされて、反対の腿にも、同じものを嵌められた。

 

「あっ、なにするのよ──」

 

 太腿に巻く革枷のようなものを両脚に嵌められたのだと気がついて、慌てて脚を閉じようとしたが、その左右の腿の革枷と革枷のあいだにある棒のようなものが邪魔されて、脚を閉じられない。

 沙那は困惑した。

 

「ちょ、ちょっとなにを装着したのよ。すぐに外しなさい──」

 

 沙那は板に固定さえている顔を懸命に後ろにやって叫んだが、そもそも、後ろを向くともできずに、わずかに顔を曲げられるだけだ。

 

「なにって、ここで男兵を迎える準備ですよ。忘れたんですか? 沙那姉さんは、二級奴隷として、男兵に犯されなきゃならないんですから。あのコク・ジュが命令してたでしょう。今夜は最低三人ですって。その結果次第で、もっと増えると思いますよ」

 

「はああ? なにってんのよ……。うわっ、触んないでったらあ」

 

 朱姫が四つん這い状態の沙那の身体に再び手を入れて、沙那の媚肉になにかを塗り込み始めたのだ。

 それがなにかわからないが、朱姫のことだから得体の知れない媚薬に決まっている。宝玄仙も媚薬つくりや霊具作りの天才で、強烈な淫具や媚薬を作っては沙那たちを実験台にするが、最近の朱姫は宝玄仙以上に、えげつないものを作ってくる。

 そして、やっぱり実験台にされるのは、沙那と孫空女なのだ。

 その朱姫が持ち出した媚薬だ。かなりの効果があることは間違いない。

 ただでさえ、飲まされた媚薬で疼きがただれそうになっている身体に、さらに強い媚薬を足されるのはぞっとしてしまう。

 

「沙那姉さんは二級奴隷ですからね。いっぱい感じましょう。だから、媚薬です。そもそも、二級奴隷っていうのは、男兵の性欲の解消に使われるんですけど、それは手段であって、目的じゃないんですよ。目的は、そのお尻に入っている淫丹石です。男兵に犯されることによって発生する淫気をそこに溜めるのが目的なんですから」

 

 朱姫が沙那の股間の亀裂の入口に続いて、さらに奥に油剤を塗り込んでくいく。

 やっぱり媚薬だと思った。

 塗った場所がどんどんとただれるように熱くなる。

 さらに、陰核にも塗り込んできた。

 

「あ、ああっ、ああっ……。や、やめなさい……、あっ、と、とにかく、意味がわかんない……」

 

「意味はありますよ。魔石って知っていますか? 道術とか、魔道とか呼ばれるものの力の源を集めて凝縮した塊です。この軍塞は、貢物奴隷を集めて、それを生産してるんです。二級奴隷と三級奴隷でそれを作るんですよ」

 

「魔石って……、あっ、ううっ、も、もういい加減にして──」

 

 朱姫の淫らな手管は続いている。

 必死に腰を振って払おうとするのだが、腿のあいだに棒枷をされてしまったので、ほとんど抵抗はできない。

 沙那は翻弄され、身悶えるしかなかった。

 

「まあまあ、話を聞いてください。沙那姉さんの今夜の相手は三人って、コク・ジュが言っていたでしょう? あれって、沙那姉さんが淫丹石を充満するのに、どのくらいの男兵をあてがえばいいか検証するためなんです。コク・ジュも効率よく淫丹石を完成させたいだけで、過剰に男を抱かせて、無駄に消耗させる気はないんですから」

 

「だから、意味がわかんないのよ──。ちょ、ちょっと──。ひいいっ」

 

 沙那はのけぞって悲鳴をあげた。

 肉芽の根元に糸のようなものを巻きつけられたのだ。

 さらに、両方の乳首にも……。

 その三本の糸を束ねられて、くいくいと引かれる。

 

「ああっ、そんなあ──。ああっ」

 

 沙那は胸と股間をうねらせて、大声をあげた。

 

「だからあ、沙那姉さんは、淫丹石に淫気を集める家畜のような存在なんです。それが二級奴隷なんですよ。この軍塞は、東帝国からの占領地であるこの一帯の女を定期的に納めさせて、魔石を生産して北帝国の都に送る義務があるんだそうです。話によると、北の女王様が病気で、それを治癒するために、毎日大量の魔石が必要とのことで、それを作っているらしいです」

 

 朱姫が会話を続けつつ、さらに媚薬を塗り込んでくる。

 今度はお尻に塗ってきた。

 ただ、そこには、淫丹石とやらの捩じり石が根元まで埋まっているので、拡がっている肛門の周りに塗るのだ。

 すると、そこがほかの塗られた場所と同じようにじんじんと熱く疼きだす。

 

「お、お前、いい加減にしなさいって──」

 

 さすがに激怒して、声を張りあげた。

 すると、乳首と肉芽の根元に喰い込んでいる糸をぐいと引っ張られた。

 

「ひいいいっ」

 

 沙那は四つん這いの身体を限界までのけぞらせた。

 

「ふふふ、いまは、あたしの言うことを聞いた方がいいですよ。沙那姉さんの運命を握っているのは、あたしなんですから。あたしの可愛い人形です。男兵を入れて、この糸を渡しちゃいますよ。あいつら、馬鹿だから、面白がって引っ張り回すに決まってますから。そうしたら、こんなものじゃ済まない苦痛が襲うことになりますよ」

 

 またもや、朱姫が糸を強く引く。

 だが、最早、媚薬で股間が熱くなり過ぎて、痛みよりも快感が上回っている、それだけ、媚薬を塗られた場所が熱くて、ただれたようになっているのである。

 

「そ、そんなことしたら……承知し、しないから──ひいいっ」

 

 文句を言おうとしたら、またえげつなく朱姫が糸を引く。

 沙那は泣き声をあげさせられる。

 

「まあ、それで話を戻しますけど、だから、ここの将軍のビク・トは、夫人のハク・エンに命じて、貢物奴隷を使って、魔石と代替になる淫丹石を作ってるんです。普通は魔石って、術師が自分の身体から力を注いで時間をかけて、霊気を充満させるんですけど、ほかにも作り方があるんです。それが淫丹石であり、霊丹石なんです……。あっ、そういえば、ルードの海の向こうには、畑から採集するように土から魔石が大量に生産できる森があるって噂もありますけど、まあ、本当じゃないでしょうねえ」

 

「く、くだらないことばかり喋ってないで、やめなさいって──」

 

 沙那は叫んだ。

 

「はいはい……。じゃあ、これでいいですか?」

 

 やっと朱姫が散々に引っ張って沙那を弄んでいた糸を緩めた。

 一瞬、ほっとしたが、すぐに沙那は、むしろこっちに方が辛いのを悟った。

 媚薬による身体の疼きが、刺激がなくなったことで耐えられなくなってきたのだ。

 すでに、完全に朱姫の悪戯の術中から逃げられなくなっていることがわかった。

 

「くっ、うう……」

 

 股間の疼きに、思わず甘い息を吐く。 

 

「……ふふ、どうしたんです? とにかく、話を続けますね……。道術の力の源は“霊気”です。それは北帝国が魔道と呼ぶものも同じで、自然界の中にある力を術者が集めて込めた石が“魔石”です。でも、効率よく同じものを作る方法のひとつが、“霊丹石”です。これは人の生命力を絞って、空の石に力を注いで作ります。生命力を絞られて、霊丹石に生命力を注ぐのが三級奴隷です」

 

「はあ?」

 

 沙那は驚いた。

 生命力を絞る?

 なんだ、それは?

 

「だから、三級奴隷に選ばれると、生命力を絞られて、あっという間に破棄処分です。でも、もっと効率がいいのが、二級奴隷ってことです。生命力の代わりに、男女の性交によって、集まる“淫気”を込めるんです。淫丹石に。三級奴隷は生命力を奪ったらもう使えませんけど、二級奴隷は体力を回復して、男兵に抱かせれば、いくらでも力を充満させた淫丹石を繰り返し作れるので、たくさん淫丹石を作れる二級奴隷は大切にされます。その見極めをするのが、あのおかしな籠壺であり、最初のお仕置き調教なんです。でも、面白いですよね。魔石に似たものを生命力ではなく、男女の性交によって作られる力を集めて作れるんですから」

 

 朱姫が一生懸命に説明をしようとしてくれるが、さっぱりと頭に入ってこない。

 それよりも、繰り返し刺激を受け続けていて、いまは一時的に放っておかされている局部が熱くてつらい。

 もうどうにかして欲しい……。

 だけど、それで理解できたこともある。

 

「……だ、だから、わたしの途中で媚薬をこっそりと飲ませたの……?」

 

 あのコク・ジュに受けたお仕置き調教のとき、沙那を責める女官のひとりに化けた朱姫は、ほかの者にわからないように沙那の口に媚薬を服用させた。

 それで、身体が燃えあがり、沙那はコク・ジュたちのまえで醜態を晒すことになったのだ。

 

「感謝してくださいね。まあ、淫乱な沙那姉さんだったら、小細工をしなくても大丈夫とは思いましたけどね」

 

 すると、朱姫が愉しそうな笑い声とともに、再び、ねっとりと肉芽を柔らかく指で刺激してきた。

 今度は、触るなとはいわなかった。

 ほんの少しのあいだなのに、むしろなにもされないのが辛かったのだ。

 ただ、見えないだけに、刺激が数倍にも跳ねあがり、沙那は一瞬にして、快感を飛翔させてしまった。

 焦らされていた感じになっていた分も、一気に衝撃が襲ったのだ。

 

「んぐううっ」

 

 腰をがくがくと震わせて絶頂する。

 

「ええ? いまのでいっちゃたんですかあ? わっ、すごい、もう淫丹石が真っ赤」

 

 朱姫がちょっと驚いたように言った。

 沙那はかっとなった。

 

「調子に乗るんじゃないわよ──。き、嫌いになるわよ──」

 

 沙那は真剣に怒鳴った。

 

「えええ──?」

 

 やっと朱姫が当惑する様子になる。

 操っていた糸も完全に手を離した。

 なにを言っても調子に乗るのをやめそうになかった朱姫が、こんなんで手を引いてくれるとは思わなかったけど、とにかく、ひと息つくことはできた。

 だけど、すぐに疼きが辛くなる…….

 

「はあ、はあ、はあ……。は、話を戻すけど、とにかく、さっきの話が確かなら、ご主人様から奪われた命の半分は、ここではなく、北帝国の帝都に送られた可能性が高いかもしれないわ。あんたが言っていた、魔石の代替だけど、ご主人様から奪った命の半分の塊こそ、極限まで力を密集した集合体よ。牛魔王のことを思い出してよ」

 

 沙那は言った。

 

「え、ええ? だったら、どうするんですか──? ここにはないということですか──?」

 

 沙那の言葉に、朱姫が衝撃を受けたようになった。

 しかし、論理的に考えればそうだ。

 なにをどう使うのかはわからないが、北帝国の女王が病気で、治療のために大量の魔石を必要としているとすれば、宝玄仙から奪った力は、淫丹石とか、霊丹石とかとをちまちま集めるよりも、余程に都合がいいものだろう。

 

「とにかく探しなさい──。誰に渡るとしても、ご主人様の命の破片を体内に保管するだけで、強力な力を入手できるんだから、奴隷のような存在にも、下手な家人にも渡さないわ。ご主人様から奪った力はそれだけの価値があるの──。考えられるのは、将軍のビク・ト、女主人のハク・エンくらいよ……。あっ、それと、ちょっとだけ見た義理の娘だというハク・コ──。この三人に絞って調査しなさい。三人でなければ、ここにはないわ。ご主人様を抱えて、北帝国の帝都に向かうわ。ここで探すのは無駄よ──」

 

 沙那は言い切った。

 

「わ、わかりました」

 

 朱姫が頷くのがわかった。しかし、すぐに怪訝そうな表情になり、続けて口を開く。

 

「あっ、でも、ハク・コって、あの虐げられている娘ですよねえ。あいつも調べるんですか?」

 

「むしろ、本命だと思っているわ。だって、おかしいもの」

 

「おかしいって……。まあ、わかりました。ビク・トとハク・エンは調べ尽くしたんです。じゃあ、ハク・コを調べてみます」

 

「結構よ……。じゃあ、媚薬の効き目を抜いて。コク・ジュには適当な報告をしとくのよ。沙那という二級奴隷には、男兵を抱かせるのは必要ないとかね──」

 

 沙那は言った。

 すると、やっと板の前側に出てきた朱姫が沙那の顔を覗き込んで、にんまりと微笑んだ。

 

「な、なによ……?」

 

 沙那は朱記を睨む。

 

「取り引きしましょうか、沙那姉さん」

 

「取り引き?」

 

 悪い予感しかしない。

 絶対に、おかしなことを企んでいる。

 

「沙那姉さんも、毎日、男兵に犯されたくないですよねえ。そもそも、いまから三人以上に犯させろって、あたしはコク・ジュに命じられてんですから……」

 

「そ、それは、あんたが適当に……」

 

「どうしようかなあ……。沙那姉さんがあたしと取り引きしてくれるんなら、男兵には、操心術で沙那姉さんを犯したと思わせて、なにもせずに返すんですけど、めんどくさいしなあ……。普通に犯させればいいか。折角のこの糸も無駄になるし……」

 

 朱姫が板の向こうに手をやり、沙那の肉芽と乳首に繋がっている糸を掴んで軽く引く。

 

「くうっ──。な、なによ、取り引きっていうのは──?」

 

 沙那は声をあげた。

 

「あたしに甘えてください。誘うんです。そうすれば、男兵に操心術をかけてあげます。明日からについても、面倒見にきます。でも、拒否すれば、沙那という二級奴隷は、淫乱でいくらでも淫丹石を作れるし、身体も丈夫だから、一日百人くらいでも問題ないって、コク・ジュに言いますよ」

 

「あ、あんたねえ……。そ、それでわたしに媚薬を塗りまくったのね──。淫丹石に淫気をすぐに集められるって、結果を残せるように……」

 

「まさか、沙那姉さんを陥れるようなことを……。それで、どうなんですか? 甘えます? それとも、男兵がいいですか? どっちにしても、もう疼いて我慢できませんよね。どうするんですか?」

 

 朱姫がいやらしく微笑んだ。

 沙那は歯噛みした。

 だが、もうどうしようもないくらいに身体が追い詰められていることも確かだ。

 媚薬で燃えあがらされた身体は、すでに耐えるられる限界を越え、息も詰まるような官能の疼きに沙那は追い詰められている。

 

「う、うう……。あ、あんた、あとで酷いからね……」

 

 沙那は朱姫を睨む。

 

「そうですか? それでどうするんですか」

 

 でも、朱姫は堪える様子もない。

 余裕綽綽で沙那を見つめ返してくる。

 沙那は屈した。

 

「……ううう……。わ、わかったわよ……。苛めて……。沙那をもっと苛めてください……。というか、もう意地悪しないで……」

 

「ははは、わかりました──。たっぷりと苛めますね──。任せてください。あっ、でも、その前に適当な男三人を入れますよ。大丈夫です。操心術をかけて、沙那姉さんを犯した気分にさせて、追い返すだけです。だけど、その後は、あたしの玩具になってもらいますからね。簡単には許しませんよ」

 

 朱姫が元気よく応じた。

 

「もう好きにして……」

 

 沙那はがくりと項垂れた。

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