ウナ「東北のエッチが短いぞ~! こんなんじゃ、読者さんが怒り出すぞ~!」
それに関しては、まだジャブ程度ですので。
他のキャラと絡み(物理)を始めれば、皆さんは満足できるかと思います。
ウナ「まずは初手、ウナなんだよな?」
構想はね。
でも、構成が色々変わったから、そこも修正していかないといけないね。
ウナ「これを貼ったら、1章の修正もするんだろ?」
うん、ここと整合性が取れないところもあるだろうからね。
私たちは思い出話をしながら、その時の事を話しては笑い合って、本当に幸せな時間です。
授業参観の時の兄様、スーツ姿が別の人のようで、それでも決まっているというのでしょうか。素敵でした。
「あんな姿、二度としねぇぞ」
とか言うので、私は兄様の腕に縋って言います。
「そんな事を言わないでくださいよ。格好良かったですから。兄様」
私が顔を兄様の腕に擦り付けると、兄様は反対の腕で頬を掻いて上を向いてしまいます。
「なぁ、いつから俺の事を、そう呼ぶようになったんだっけ?」
「えへへ…… 呼んでいいか聞いたのは最近でしたっけ。でも心の中では、すっと兄様って呼んでましたよ?」
「なんてこったぃ。効くんだよなぁ、それ」
私の言葉に観念したかのように兄様は空を仰いで、空いた手でパチンと目を覆ってしまいます。
それは効くでしょうね。兄様はイケナイ趣味の持ち主なんですから。
それを知ったのは、兄様とイタコ姉さまがお酒を飲むようになって、私が時間を持て余すようになってからでした。
イタコ姉さまはそわそわと、でも嬉しそうにお料理をしています。
さっき、お昼ご飯を食べたばっかりなんですけどねぇ。
きっと壁の向こうでも、兄様がお料理をしてる事でしょう。
前にも一度、イタコ姉さまが二十歳になったお祝いに兄様がワインとお料理を持ってきた事があるんです。
それに味を占めたイタコ姉さまは、また兄様の空いてる日を聞き出して、こうして一緒に飲む機会を作ったという訳です。
私が言うのもなんですが今のイタコ姉さま、恋する乙女っていう感じです。
兄様としては、お料理のできる女性と言うのはどうなんでしょうか? 私もお料理を覚えようか、真剣に悩んでしまいます。
ふと見ると、オーブンレンジが煙を吹いています。
「イタコ姉さま、あれ、焦げてませんか?」
「ちゅわぁ! いけませんわ! お隣さんに料理できない女だと思われてしまいますわ!」
やっぱり、イタコ姉さまも兄様を狙ってるのですね。判ってはいましたが。
オーブンから取り出した物を見てみると、鶏モモの味噌漬け焼きでしょうか? 端の方は黒く炭になっています。
「ちゅわぁ…… どうしましょう。こうなったらお刺身を買ってきて、それをお出ししましょうか……」
イタコ姉さまが悩んでるので、私は火に掛けっぱなしでこっちも焦げた匂いを出そうとしてる手鍋の火を止めました。
「ちゅわっ! 危ないところでしたわ! きりちゃん、ありがとうね」
大丈夫なんでしょうか? 主に兄様の胃腸的な意味で。
あんまりにも心配なので、私は部屋を出て兄様にお知らせに行きました。
ノックすると、少し開いた窓から兄様の「どうぞ~」って声がします。
玄関入ってすぐがお台所なんですよね。
「オジサン、胃薬の用意はありますか?」
「何だいそりゃ?」
私は袋のままの鶏モモを茹でてる兄様に、イタコ姉さまの惨状を説明しました。
「問題ないね。味噌焼きはそのまま低温でもう一度焼こう。芯まで火が通っていない方が問題だ」
「え? でも、焦げてるんですよ?」
「味噌は焦げやすいし、端の方でしょ? 多少の焦げなら風味になるからね。鍋の方は水を足して弱火で煮込もう」
良いんでしょうか? イタコ姉さまは自業自得とは言え、兄様も食べるんでしょうし。
「伝えておきますけど、オジサンは何を作ってるんですか?」
「何だろうね?」
いや、自分で作ってるものくらい、把握してくださいよ。
「鶏モモを水を使わずに茹でて、細く切ってキュウリと茹でモヤシと和えて冷やして…… 味付けはどうするか。いや、鶏モモサラダって事にして、ソースは数種類作るか」
あ、名前が判らないだけで、普通のお料理でした。
楽しそうに準備してますけど、やる事は宴会。私はお料理はもらえますけど、会話に入ることはできません。
兄様に貰ったお古のスマホで時間は潰せますけど、少し寂しい気がします。
「そうだ、きりたん」
兄様は私の名を呼んで、今の方に行ってしまいます。そしてすぐに戻ってきて、私にカギを渡しました。
「はい?」
どう見ても部屋の鍵です。これ、兄様の部屋の?
「俺たちが飲んでる間、退屈だろ? 俺の部屋のパソコンでも使って遊んでてくれよ。何しても構わないからさ」
「え?」
さっきから私の口からは、疑問符しか出ません。
「でも、オジサンの部屋にも、大事なものがあるんじゃないんですか? そんなところに他人一人にするなんてダメですよ」
「そっか~、きりたんはそんな悪い子なのか~」
「そうじゃありませんけど、でも……」
私が躊躇っていると、兄様はため息をつきました。
「嫌味でも何でもないからね。ついでに言えばカメラなんかもないぞ」
「何の事ですか?」
私がまるで話を呑み込めないでいると、兄様は少し間をおいて……
「階段よりはマシだろ?」
………………
顔に赤みが差していくのが判ります。
「バカ! エッチ! 変態!」
私は一声ごとに、兄様を平手で叩きます。もぅ!
兄様が言ってるのは、初めて会った時の事です。
部屋の中で場所がないのでつい、階段で……その……お股を触ってしまった事です。
「私はそんなエッチな子じゃないですぅ~!」
叩かれているのに、兄様は大笑いを続けます。
確かにたまにそんな気になっても場所にも困ってますし、ありがたいと言えばそうなんですけど、そんな気を使わなくても良いじゃないですか!
「みんなだけずるいのだ! ボクも食べたいのだ!」
「そうは言ってももんちゃん、その姿じゃ驚かれちゃうでしょう? 残しておくからそれで勘弁してくださいな」
「ボクはこの姿でオジサンと飲んだことがあるのだ。大丈夫なのだ!」
「それでこの前、二日酔いだったんですか。酔っぱらい妖精……」
「ずんだもん、今回はお外でずんだ餅食べててね。埋め合わせはするから」
「絶対なのだ! 次はボクも一緒に飲ませるのだ!」
そして夕方。
イタコ姉さまのお料理と兄様の持ってきたお料理で、兄様も交えての豪華な晩御飯になりました。
「はい、お隣さん、どうぞ」
兄様が自分の部屋から持ってきたお茶碗に、イタコ姉さまが一升瓶のお酒を注ぎます。
ラベルには「上善如水」とありますが、なんて読むのでしょう? (じょうぜんみずのごとし、です)
私のと同じくらいの大きさの茶碗に、なみなみとお酒が注がれます。
「お隣さん、その、焦げてしまいましたが、お口に合いますでしょうか……?」
あ~あ~あ~、イタコ姉さま、すっかり恋する乙女の顔です。私のライバルです。
「それじゃいただきます」
私たちはご飯のおかずで食べてますけど、兄様はいきなりお酒です。
イタコ姉さまには「胃腸に悪いし悪酔いするから、先に少し食べておくと良い」と言いながら、自分は構わずお酒です。
鶏モモの味噌焼きを一切れ食べて、飲み込んでからお酒を含みます。
「美味いよ。いい感じに中まで火が通ってるから、柔らかいね。美味い」
「良かったですわ。それではわたくしも頂きますね」
皆でそれぞれ、好きなものをつつきながらご飯を食べていきます。
私とイタコ姉さまで、密かに兄様のサラダを取り合っていたのは内緒です。
イタコ姉さまはご飯は少なめにして、お猪口でお酒を飲み始めています。兄様にお酌してもらってる、良いなぁ。
「お隣さん、この厚揚げは味付けはされてますか?」
と、イタコ姉さまは分けて取った厚揚げを少し食べて言います。
「あ~、それは醤油か麺つゆ、好きな方を掛けて食べてくれ」
「あぁ、道理で……」
イタコ姉さまは麺つゆを冷蔵庫から取り出して掛けました。そして一口。
「あっ、これ、美味しいですわ」
「自慢の手抜き料理だ」
手抜きなのに自慢なんですか。それでは私も一口お醤油でいただきます。
あっ、美味しい。
厚揚げの上に生姜と刻みネギがあるだけですけど、その風味に油の絡んだ醤油がすごく合います。
厚揚げの豆腐部分のしっとりとした舌触りと滑らかさが口の中で合わさって、風味と触感を楽しめます。
……ご飯に合うかと言われれば、これはナシだと思いますが。
「もしよろしければ、作り方を教えていただけないでしょうか?」
私が兄様の部屋に行ったときには手を付けてませんでしたし、作り方は見てませんけども難しいんじゃないでしょうかね?
しかし、意外な答えが返ってきました。
「厚揚げを一口大に切ってオーブンで焼いて、生姜とネギを載せただけだよ」
「「「はい?」」」
三姉妹揃って妙な声を上げてしまいました。
「いや、ホントにそんだけ」
兄様も厚揚げを取って分けて、麺つゆを付けて飲み始めます。
「それでこんな美味しくなるのかしら?」
「強いて言うなら、厚揚げを炭火とかで炙ればもっと美味いんだろうけど、面倒だわな」
不思議そうなずん子姉さまですが、兄様は真偽の判らない嘘は言わない人です。嘘だと判る嘘は言いますけど。
そしてご飯が終わり、本格的な宴会になってしまいます。
「きりたんは向こうで遊んでていいわよ。片付けは私がやっておくから」
ずん子姉さまが言ってくれますが、片付けくらいは手伝いたいです。
テーブルで話を続けるイタコ姉さまと兄様を居間に残して、私はお料理の乗っていないお皿を台所に運びます。
「ずん姉さま、ここに置きますよ?」
と並んだ時にいつもと違う、ずん姉さまの低い声。
「私はお隣さんが、イタコ姉さまに変な事をしないか見張ってるのよ。きりたんも覚えておいてね」
なんか背筋の冷えるような声でしたが、私はそれでも言い返します。
「にい…… お隣さんは、そんな人じゃないですよ」
「大丈夫よ、私が気を付けてるから」
でも、仮に兄様とイタコ姉さまが付き合っちゃったら、兄様は義兄様になるのかな? でも……
そういう意味では、ずん姉さまに期待しても良いのかも知れません。
どう見てもイタコ姉さま、兄様の事が好きなんですよねぇ。
「きりたん、酒飲みの話を聞いても暇だろう。俺のパソコンでゲームでもしてればいいよ。2時間くらいは飲んでるつもりだから」
台所にも居場所がなくなって居間に戻ると、兄様が声を掛けてきました。
ゲームですか、何があるんでしょうか?
確かにお酒も入ってるし、私にはオカルトの話は判りません。
と言うかイタコ姉さまは赤くなってるのに、その何十倍も飲んでる兄様は一向に酔う気配がありませんね。
でも、私はそろそろ兄様の事が判ってきました。考えちゃいけない。うん。
「それじゃオジサン、パソコンを借りますね」
と、お部屋にお邪魔することにしました。
「お邪魔しま~す」
誰もいないのは判ってますけど、声を掛けて私は上がりこみます。
お昼にお邪魔した時と、そんなに変わってませんね。変わるはずもないですけど。
食器の位置とかが変わってるかもしれませんが、そんな間違い探しをする気はありません。
私はとりあえずパソコンの前の椅子に座って、電源を入れます。
学校のパソコンと違って、すぐに立ち上がって風景の画像になりました。
最新のパソコンはすごいんですね。
私は兄様から借りてるスマホしか分かりませんが、検索の仕方は知ってるつもりです。
えっと、ブラウザ? と言うやつでインターネットを検索するんですよね。どれでしょう?
判らないので、画面のあちこちをポチポチやってると、それらしい画面が開きました。学校のブラウザはクロームですけど、兄様のパソコンはファイヤフォックスとあります。何が違うのでしょう?
それでもG〇〇Gleは開けましたので、色々と検索ができます。
とは言っても、特に検索したいことなんてありません。
私もスマホを手にしてから、音街とあんなのを見た、こんなのを見たと情報交換してますけど、音街はどんなのを教えてくれましたっけ?
『東北、いいか? 自分の好みと「体験談」って組み合わせて調べると、すごいのが出てくるぞ』
と音街が見せてくれたのは、文字だけですけど大人の人のエッチな体験談……
音街あなた、少しエッチすぎやしませんかね?
私は心の中で、親友にツッコミを入れました。
『うン。東北だって好きなくせにぃ。ほれほれ、そうは言っても身体は正直だぞ』
そう心の中で言ってるのは、心の音街でしょうか、悪魔でしょうか。
私はキーボードで文字を探しながら「年上、男性、体験談」で検索しました。
さすが、スマホに比べると、パソコンは段違いに早いです。
すぐに大人同士のエッチな話がいっぱい出てきて、私は思わず最初の画面に戻しました。エッチすぎます!
大人の人は、こんなにエッチな事をしてるのでしょうか。でも、他に何をして遊んでるんだと言われれば、確かに……
大人の人だって遊ばないわけじゃないでしょうし……
兄様も、エッチな遊びを、大人の女の人としてるのでしょうか。
そう考えると、なんか心のがもやっとしてしまい、パソコンを操作する手が止まりました。
『もうしょうがないなぁ。それじゃ東北、エッチだけどギャグなんかはどうだ?』
お願いです音街、エッチから離れてください。いえ、記憶の中の音街ですが。
音街に教わった通りに「母娘相姦、SS」で検索します。
また文字だけですが、上から二つ目のがそうでした。読んでみましょう。
…………
「ふっ、ふふふっ……!」
何と言うか、馬鹿らしいです。娘がお母さんとエッチする本を持ってて、それが見つかっちゃう話です。
お母さんは自分が犯されると思って必死に否定させようとするけど、結果として娘の本性を暴いてしまいます。
そして最後はエッチになるかと思ったら、よろしくと言って寝ちゃうんです。
見事な投げっぱなし芸と言うやつでしょうか。
あ~、笑いました。
バラされたくない秘密を知られると人間、どんな反応をするか判りませんもんねぇ。
でも私はすでに、兄様に一人でエッチしてるところを見られてしまっています。
私の場合は固まってしまってましたね。
兄様だと…… 想像できません。
兄様は想定外の時、うろたえたりしますけどもそれは演技なんです。すぐに真顔になって、決まってた事のように対策を口にしてくれます。
『判らないぞ~、もしかしたらオジサン、エッチな動画とかを隠し持ってたりするかもしれないぞ?』
だから音街! 人の考えの中に出ないでください!
これも前に音街と話したことですけど、兄様がそんなの、持ってるはず…… でも……
持ってたらどうしましょう? いえ、それこそさっき読んだのじゃないですけど、兄様だって大人なんですから、エッチな事はするはずです。
と言いますか、パソコンの横にあるティッシュボックス…… そう言う事でしょうか。
…………
私だって、一人でエッチしてるところを見られたんです。私が兄様の恥ずかしい秘密を知ったっていいはずです。
私はブラウザを閉じて、パソコンの画面を見つめました。あるんでしょうか?
パソコンの何もない最初の画面にはいろいろなアイコンとフォルダがあります。
でも、ほとんどが英語のタイトルだったりして、私には読めません。
日本語なら読めますけど「共通」「USBドライブ」「お気に入り」、後は「サブ〇ーティカ」「MikumikuDance」とゲームのアイコンです。
まさか「お気に入り」の中にあるはずがないです……よ……ね……
拝啓、親愛なるお兄様。一番最初に置くのは楽に開けるかも知れませんが、止めた方がよろしいかと思います。
フォルダを開くと、いくつかのフォルダ。
動画ファイルのサムネイル? も肌色が多いですし、あからさまに女性の姿です。
あれ? でもなんか…… こっちのサムネイル、どう見ても子供……ですよね……?
私は頭が真っ白になりました。
裸、動画、子供……
マウスを操作する私の手は、震えていました。頭の中は「まさか!?」の一色です。
ダブルクリックすると、動画が始まりました。
画面の中では小さい…… 私くらいの女の子が、男の人のその…… おちんちんを手でこすってます。
場面はすぐに変わって、女の子が男の人に裸で跨って…… おちんちんをお股でこすってます。
カメラは近づいたり遠ざかったり、男の人のおちんちんも、女の子のワレメも、全部見えちゃってます! それどころか、ワレメの上の方のクリトリスも見えちゃってます!
胸なんかまるで膨らんでません。私と同じくらいです!
あ、あ、あ…… おちんちんで割れ目をこすって、女の子は真顔だけど口の端からよだれが垂れてるのが写ってます。
き…… 気持ちいいんでしょうか……?
いえ、指でいじっても気持ちいいんですから、もっと気持ちいいに違いありません。
私も思わず、パンツの上からお股を押さえてしまいました。そこからじんわりと気持ちいいのが広がっていきます。
また場面が変わって、同じ子でしょうか? 裸で大股開きで寝そべっています。
ワレメは少し広がって…… 中はきれいに映ってませんが、愛液でしょうか? 部屋の明かりに反射して光ってます。
そのワレメに……! 男の人が、摘まむように口を付けました! そして一舐めして、女の子の胸を映します。
肋骨の浮き出た、まるで膨らみのない胸、虫刺されのような乳首…… 私と変わらない大きさです。
兄様は、こういう裸を見て興奮するんでしょうか……?
そして! おちんちんが女の子にだっ! 出し入れされてます! うわっ!?
でも、女の子のワレメは写ってます。それじゃどこに……?
謎のシーンは10秒くらいで終わって、また男の人が女の子のワレメを舐め、それから広げるようにして揉んでます。
唾液でワレメはテカテカに光ってます。
そんな画面を見ながらいつしか私も、お股を押さえた指を少しづつ動かしてました。
画像は女の子のお尻を後ろ? 上? から映してて、男の人は腰を動かしておちんちんを女の子に出し入れしています。
そこで画像は終わりました。
私は呆然としながら、それでも指は止まりません。
お股をいじる手を左に変えて、右手は次の動画を探します。
今度は白人の女の子、私よりちょっと年上くらいでしょうか? いえ、歳なら同じくらいでしょう。
胸は肋骨が目立つほどでもなく、乳首は虫刺されですがちょっとだけ膨らんでいます。音街くらいでしょうか。
そんな女の子が、白い部屋でカーペットに横になっています。
黒いハーフキャミソールにスカート? パレオ? そんな姿です。
場面はすぐに女の子と白人のハーフパンツの男の子が肩を寄せ合う、と言うか壁に寄りかかって抱き合うような感じのシーンになります。
ちょっと怪しいですけど、仲のいい兄妹に見え…… と、頬を寄せるようなキス。いえいえ、国によっては親愛の挨拶だったはずです。
そしてじゃれ合った後には、お互いのパンツの中に手を…… そんな親愛の挨拶がある訳ありません!
楽しそうに兄妹はパンツの中を探り合い、そして兄のパンツを下げ毛の生えてないおちんちんを出します。
そのおちんちんは子供なのに、硬くなって大きくなってます。学校で習いました。勃起と言うやつです。
そして妹の方は、おちんちんを剥きあげて…… ああなってるんですね…… えっ!?
妹が楽しい遊びのように、おちんちんの先にキス……しました!
その衝撃に、私もお股を強く抑えてしまいまいます。なんか、指先が湿ってきたような感じがします。
これが…… 快感…… また、お股から頭に痺れるような快感が走ります。指が止まりません。私のお股からは、小さく湿った音がし始めています。
兄の方も、お礼とばかりに妹のパンツを下げて、ワレメにキスをします。舐めるようにではなく、遊んでいる感じです。
お互いに触り合い、撫で合い、覗き込んだり…… いつしか服を脱がし合って、お互いに裸になってしまいます。
それでも画面の中の兄妹は、カメラに向かっていつもの遊びのように笑顔を向けます。
あまりに自然で、あまりに異常です。
遊んでる中で、兄のおちんちんは勃起したり縮んだり…… こんな風に変化するんですね。
そのうちに兄妹は裸のまま、兄は寝そべり、妹はそれに逆さにまたがるように…… おちんちんを、ワレメを舐め合います。
あれは気持ちいいのでしょうか? でも、男の人は気持ちいいみたいですし、ワレメを舐められるのはどんな感じなんでしょうか。
私の指はパンツの脇から中に潜り込み、自分のワレメを左右にこすり続けます。じんわりじんわりと…… お腹の奥が熱くなって、頭が痺れてきます。
動画に集中してるはずなのに湿った水音が、兄様の部屋に響きます。兄様の部屋……
この動画を見て、兄様もおちんちんを大きくしてるのでしょうか…… 画面の中のように自分でしごいたりしてるのでしょうか。
兄様と同じ場所でっ! 同じようにっ! エッチな事をっ!
あっ! あっ! あっ…… あ……
もう止まりません!
私の指は考えてもいないのに激しく動いて、ワレメの前の方のクリトリスをこすり、それに続くワレメのふちをなぞります!
歯を食いしばって声を出さないようにしますけど、目は見開いて画面を見続けます。
動画では兄妹が並んで座って、妹はおちんちんをしごき、兄はワレメをこすります。あ、あんな風にしごけば気持ちいいのでしょうか。兄様もああいう風にしごいてるのでしょうか? 兄様はああいう風に触ってくれるのでしょうか!
あ……っ!
「ふ~~~っ! ふ~~~~っ! ふ~~~~っ……」
抑えなきゃ! 抑えなきゃ……
私のとりわけ荒い息遣いが、兄様の部屋に響きます。パンツはすっかりぐしょぐしょに湿ってますが、それでも指は止められません。
さっきみたいなすごい快感は来ませんけども、じんわりとした気持ちよさが続いています。
動画はまだ一杯ありますが、きりがなさそうです。
私はゆったりと左手を動かしながら、お宝フォルダを漁ります。
下の方にスクロールしていくと、画像になりました。
でもサムネイルを見る限り、やはり子供。私と同じくらいか、少し前後の歳くらいです。ダブルクリックすると、画面いっぱいに裸が映ります。
全裸だったり下だけ裸だったり人種も様々ですが、9割が虫刺されのような乳首です。
あ、女の子のワレメから出てる白いの…… あれが精液…… でしょうか?
画像の方は女の子の下半身がほとんどでした。どれも毛の生えていない、細い子供のものばかりです。
男の人が出ないので、私も少し落ち着いてきました。左手も勝手に止まります。
まだ頭の芯がぼうっとする気がしますが、何とかものを考えられそうです。
まずは兄様のティッシュを何枚か…… 何枚もですね、頂いてお股を拭いてパンツの水分を少しでも取ります。
椅子のクッションに染み込んでしまった水分も、可能な限り吸い取らせました。
そうして後始末をしながらも私の頭の半分は動画で見たエッチな画像、おちんちんや精液、それに男女で触り合い抱き合い、舐めあったりするので一杯になってます。
もう半分は…… 兄様は、悪い意味で子供が好きなんでしょうか。私のワレメも舐めたいと、私と裸で抱き合って、動画のように……
私は構いません。これまで兄様は優しかったし、色々としてくれました。これまで私は、兄様が好きでした。
でも、それもこれも、兄様は私にエッチな事をするためにしたことなんでしょうか。
優しい言葉も、抱きしめてくれたのも、授業参観も、全部、全部……
そう思い至って、私は俯きながら作業を続けていきます。椅子のクッションから水分を抜いてると、また、水滴がクッションに落ちました。
「あれ……?」
私が頬を触ると、濡れてます。
違いますよね。違いますよね?
駄目です。私は兄様が好きです。それでも好きです。
兄様は、子供が好きなんですか? 私が好きなんですか……?
全部片づけが終わり、元通りとは言いませんけど、それなりにはなりました。
兄様なら…… これまでの兄様なら、笑って許してくれるでしょう。
いえ、今も笑って許してくれるでしょう。でも、その笑顔の裏で何を考えているのか、信じられなくなった私がいます。
いつも面白い事を言ったり、優しくしてくれたその目は、私をやらしい目で見ていたので…… でも……
それだけのために、あんなに優しくしてくれるでしょうか。
どうしても、私は兄様を信じていたい。そんな気持ちも確かにありました。でも、どうすればいいのでしょう。
私はまとまらない考えと、ショッキングな記憶を頭に詰めたまま、兄様の部屋の明かりを消して部屋を出て鍵を閉めました。
私たちの部屋に戻ると、兄様とイタコ姉さまは楽しそうに、ずん子姉さまは訳が判らなそうな顔をしてました。
私は出来るだけ明るい顔を作って、ずん子姉さまに向けました。
「ただいま戻りました」
「あら、きりたん。涙の跡があるわよ。どうしたの?」
駄目でした。ずん子姉さまに隠し事は出来ません。でも、本当の事も言えません。
「パソコンを使わせてもらったんですけど、ちょっと怖い動画を見ちゃいまして。オカルトの」
近くで兄様とイタコ姉さまがオカルトの話をしてるので、釣られてそんな事を言ってしまいました。
「泣くほど怖いなんて、そんなのがあったの?」
「えぇ、ちょっと口には出せないほどです」
「あれか? 本物の血を使った幽霊がって奴とかの特集の」
何も知らないはずなのに、兄様が助け船を出してくれます。それに乗ることにしましょう。
「えぇ、何であんなのを持ってるんです? まったく、どこで手に入れるんですか」
「ちゅわっ? それって、本当に呪われる日本画のではないでしょうか? お隣さん、そんな動画があるんですか?」
「昔の心霊特集のだよ。興味があったけど、消すべきだなぁ」
「それが良いと思いますわ。もし消せなかったら、わたくしに言ってくださいまし」
「そうされてもらうよ」
と、また兄様とイタコ姉さまは、楽しそうに話を続けます。
本当に楽しそうに。その様子を見ると、兄様がロリコンだなんて事を忘れてしまいそうになります。
「それじゃ、私は気分が悪いんで、横になります」
着替え、特にパンツを履き替えたいですけど、兄様がいるところでそうするつもりはありません。兄様は嬉しいかも知れませんが。
「そっか、それじゃ騒いじゃいけないな。今日はここらへ引き上げるとするか」
着替えるように言うどころか、兄様は退散しようとしてしまいます。一升瓶を持ってるところが、ちょっとオッサン臭いですけど。
「ま、俺だって見たけど大丈夫だったんだ。きりたんもショックを受けただけで、問題はないだろ。それじゃ、お休み~」
あ、行ってしまいました。
兄様に何か聞けるはずもありませんでしたが、それでも素っ気なさすぎます。
私たちはと言えば、狭い部屋なので、テーブルを片付けないと布団が敷けません。なのでずん子姉さまがテーブルの上を片付けて、イタコ姉さまがよろよろとテーブルを畳んで壁に立てかけます。
限界だったのでしょう。イタコ姉さまは布団を敷き終わると、そこに倒れこんで寝てしまいました。
「まったくもう。きりたん、イタコ姉さまに布団を掛けてあげてね」
「判りました」
言われた通り、私は掛け布団を出して、イタコ姉さまのお腹に掛けてあげます。そして自分も布団を敷いて、掛け布団に頭まで潜ってしまいました。
目を瞑ると兄様と話したこと、助けてもらった事、楽しかったことが浮かんできます。
嘘ですよね? 兄様、私の身体が目当てなんじゃないですよね……?
たまらず、小さく言葉に出してしまいます。
「兄様……」
何ででしょう。愛しい人の名を呼んでるのに、こんなに悲しい気持ちになるなんて……
次の日の目覚めは最悪でした。目がゴロゴロします。寝ながら泣いてたのでしょうか。
でも、泣こうが何だろうが、一日が始まるのを私は知っています。
起きてご飯を食べ、シャワーを浴びて歯を磨いて、学校に行かなければなりません。私がどんな気持ちでも、世界は動いていくんです。
そして私の好きな世界の一部、音街が私を迎えに来ました。
「とーほくー、愛しのウナちゃんが迎えに来てやったぞ~!」
誰が愛しのですか。私の愛しの人はただ一人…… です。
えぇ、兄様が、私を愛していないと決まったわけじゃありません。用意を済ませた私は、ランドセルを背負って玄関を出ます。
「お待たせしました」
「おはよ! とーほ、うわっ! すごい顔だぞ!」
言わないでください。瞼が腫れて、凄い事になってるのは自分でも判ってるんです。
「何があったんだ? 聞かせろよ」
と、右へ左へと回り込んで、音街は私を覗き込んできます。
えぇい、うっとおしい! と言いたいですけど、音街の顔は真剣そのものです。
「な~ってば~」
私は歩きながら周りを見て、声の聞こえる範囲に人がいないか確かめました。
「音街、今から話すことは、決して誰にも言ってはいけませんよ?」
「なんだ? 怪談でも始めるのか? まだ朝だぞ?」
「下手な怪談よりも怖いですよ。兄様のエッチな動画…… 見つけちゃったんですよ」
私が呟くと、対照的に音街は飛び退って叫びました。
「マジか!? どんなんだった!? 凄かったか!? 教えろよ~!」
何て言えば伝わるのでしょう。でも、兄様は何か悪い事をしたわけじゃないし、ここで音街が騒ぐと、大事になりかねません。
私が黙って俯いてると、さすがに音街も心配そうに覗き込んできました。
「まさか東北、盗撮でもされてたのか? 警察行くか?」
「ぶっ!」
何てことを言うんですか音街! 兄様は部屋を貸してくれる時にも、真面目な顔でカメラなんてないって言った……ん……ですよ……
そう言えば見た中に、盗撮物はありませんでしたね。
「何か言えよ、東北~」
言わば兄様の好みのものしか入ってないはずですから、盗撮は好きじゃないと思いましょう。
なんで朝から私は、兄様の性癖をチェックしてるのでしょうか。
でも、相手が子供だってだけで、痛い事をしてたり縛ったりとかはありませんでしたね。
「東北が言えないとなると、ロリータ物の動画ばっかりだったとかか?」
私は思わず足を止めてしまいました。
いっぱいに開いた眼で、音街を見つめると、ため息をつかれました。
「ほれ見ろ、やっぱり変態だっただろ? こういう場合はどうすればいいんだ? 警察か?」
「警察、なんですかね? でも兄様、法律に違反するような悪いことはしてませんよ?」
「ロリコンなんて犯罪だろ~! 東北にエッチな事をしようって言うんだぞ!」
やはりそうなんでしょうか? 私にエッチな事をするためだけに…… いえ!
「本当にそうでしょうかね? もっと何か、深い事情があると思うんですよ」
「どんな事情で、ロリコン物の動画を持ってるって言うんだよ」
「う~ん、あるんですかね?」
「ないだろ」
気が付くと警察に行くと言う音街を止めて、私は兄様を助けようとしてました。
もう一度、せめてもう一度お話して、事情を聞かせてもらいたい。
兄様が悪い人じゃないって、証明して欲しいんです。
その話は途切れ途切れに、授業を挟んだりして続きました。
その度に音街はすぐに警察に行こうとするし、それに対して事情を聴くべきと何度も説得しました。
音街は今日は仕事もないらしいので、帰りも一緒…… って、どこまで付いてくるんですか!?
「もちろん、東北の家に着くまでだぞ。彼女を守るのは、彼女の役割だからな!」
「誰が彼女ですか、誰が」
そんな事を話してたら、アパートの前にまで着いてしまいました。
「ここまでくればもう大丈夫だな。あとは階段を上がるだけだな」
「大丈夫って、私は兄様を信じたいんですよ」
「信じて東北が乱暴されるのか? ウナは嫌だぞ?」
と、そこに黒いバイクが急停車します。
一度、後ろに乗せてもらってから道行くバイクを見るようになりましたが、あんな改造は一台しか知りません。兄様です。
私たちの前で止まって、ヘルメットのバイザーを上げてこっちを向きます。
「やぁ、きりたんに……音街さんだっけ? 学校帰り?」
「出たな! 変態ロリコン男!」
そんな兄様に、音街はランドセルを盾のように構えて私の前に出ます。
あの、音街、そんな親の仇みたいに見なくっても。
「会っていきなり、何を言うんだよ。人聞きが悪いなぁ」
「人聞きが悪いも何も、東北に何をしたんだ。話によってはウナが許さないぞ!」
そんな風に、チワワのように勇ましく威嚇する音街に対して、兄様はため息を一つついて、バイクを降ります。
「やっぱりね、昨日からきりたんの様子がおかしいと思ったら、それか。それしかないよな」
それでも兄様は落ち着いた、でも悲しそうな声で言って、バイクを駐輪場に押します。
そしてスタンドを出して停めて、そこに腰かけます。
「弁解させてもらえるならありがたいよ。でも、ここでする話でもないよな」
「そうですよね、人に聞かれたい話でもありませんし」
「オジサンの家はダメなのか? ウナもオジサンのパソコンを見たいぞ」
「見せられるかぃ! どうせ君が見たいのは一部のファイルだろ!」
「東北には見せて、ウナには見せられないのか!? やっぱり変態だな!」
「外で変態変態言うんじゃねぇ! ご近所さんに怪しまれるだろ!」
「怪しむも何も、本物の変態じゃないか! 時代の求める本物!」
「そんな時代嫌だわ!」
あの……? この二人、ほぼ初対面ですよね?
何でいきなり口喧嘩、と言うか、仲が良いというか…… 何やってるんでしょうね。
いつまでも外で遊んでいても仕方ないので、私は提案します。
「今日は誰もいないはずですし、私の家で話をしませんか? オジサン、弁解できるんですよね?」
私が割り込むと、兄様は黙ってしまいました。
「オジサン?」
「う~ん、弁解、説明…… 何を言っても、言い訳にしかならないわな。それでも聞いてくれるなら、聞いて欲しい」
「聞かせてください。私はオジサンの話を聞きたいんです」
そして私たちの部屋に、兄様と音街がいます。
音街が「こう言うのは二人で話すもんじゃないのか?」と言いましたが、兄様の方が強く拒否しました。
「こう言うのは第三者がいた方が良いんだ。それに、俺がきりたんを襲ってもいけないだろ?」って。
兄様、あなたは襲う方でしょうに、なんで襲われない方法を教えてくれるんですか。
それどころか、部屋に入るときにもアドバイスが出ました。
「ドアは開けといてくれ。そうすれば君たちが大声を出したら外にも聞こえるし、何かあっても一人は外に逃げ出せるだろ?」
「何かする気なのか?」
「念のためだよ、念のため」
また音街がランドセルを盾に構えますけど、兄様は意にも会しません。
なんか、おかしいです。
兄様は私を、子供を襲いたいはずなのに、まるでその逆の方法を教えてくれます。
とにかくテーブルを出して、長い辺に兄様と音街は対面して座りました。
私が麦茶を3人分用意するために台所に向かうと早速、話が始まってます。
「さぁ、怪人ロリコン男! お前の罪を数えるんだ!」
「誰が怪人じゃ! きりたんどころか、女の子に指一本触れたことはないわ!」
「触れたいって思ってるんだろ!? 隠してもウナにはバレバレだぞ!」
「そりゃ触れたいが、人間には理性ってものがあるんじゃ!」
私がグラスを取るのに台を用意したりグラスを選んでる間にも、壁の向こうでは楽しそうな会話が続きます。
「その理性は本当に働いてるのか!? 週休二日で残業もないんだろ!」
「そんなホワイトな仕事、やってみたいわ! 残念ながら俺の理性は24時間365日間営業だ! 笑顔の絶えない仕事場です!」
「それでか! そんなキツい仕事だから理性はサボるんだな! オジサンの理性は労働基準局に駆け込むべきだと思うぞ!」
グラスを用意して麦茶を注ぐと、トクトクと音を立てて流れていきます。
麦茶の香りって夏って感じですよね。冬にヤカンで沸かして飲むのも良いものですけど。
「とにかく、きりたんに接するときは理性フルパワーだ! 脳内をゲシュタポのごとく監視して回ってるわ!」
「ゲシュタポが何か知らないけど、その監視が甘いから、東北が泣くことになったんだろ。オジサン、何をしたんだよ!」
「何もしてねぇわ! 俺はきりたんの笑顔を見たいだけだ! きりたんの涙には…… まぁ、充分な価値はあるが、俺は用はねぇ!」
その割には何回も泣かされましたが、それは私の勝手なものばかりですね。
私は麦茶のグラスをお盆に乗せて、私は二人のところに向かいます。
それにしても兄様、私と話すときはいつも落ち着いた感じなのに、あんな風にも話すんですね。
「何が涙に用はない、だ。今朝、東北は泣きはらした顔で出てきたんだぞ!」
「ちょっと待て! 俺にはアリバイがある! 弁護士を呼べ! 弁護士が来るまで俺は何もしゃべらないぞ!」
私は二人の間、テーブルの短い辺について、二人の前にグラスを置きます。
「はいはい。弁護士ですよ。二人とも少し落ち着きましょう」
私が間に入ると二人は黙りましたけど、息が荒いです。でも、口喧嘩と言うよりも、なんだか楽しんでるようにも思えます。
と、会話が無くなってしまったので二人が麦茶を飲んでる間に私が切り出します。
「オジサン、済みません。パソコンの中の動画、見ちゃいました」
「あ~」
兄様はグラスから口を話して、気の抜けた声を出しました。
「まぁ、実のところ半分は、見つかってもいいかな、とは思ってたんだ」
「ほれ見ろ! いたいけな東北にえっぐい動画を見せて、涙目にして喜ぶ変態なんだ!」
ここぞとばかりに、音街が言葉を挟んできます。
「はいはい。音街、もう少し話を聞きましょうね。半分は、ですか」
「うん……」
兄様は誰の方も見ずに、グラスに目を落としてます。
「やっぱりさ、辛いんだよ。変態なんかやってると。好きな相手どころか、普通の人にも理解されないからね」
そう言って私を見る目は、笑顔なのに寂しそうでした。
「辛いんなら辞めればいいじゃないか。そんな事を言って、好きでやってるんだろ?」
「あのな、音街さん、だっけ? それは君に女の子を辞めろとか、猫に猫を辞めろというようなものなんだぜ?」
なんか、話が深い方に行きそうですね。でも、もう少し聞いてみましょう。
「ウナで良いよ。さん付けで呼ばれるとくすぐったいな」
「女の子を呼び捨てにするのはなぁ。あ、きりたんは語呂が良いから勘弁してね」
そう言って私に向けた時だけ、兄様はいつもの穏やかな笑顔です。
重い荷物を運んできて腰を下ろした時のような、力の抜けた笑顔でした。
「俺だってさ、ロリコンを辞めようと、大人の女性を好きになろうと努力した時もあったさ。だけどね、なんか違ったんだよ」
「オジサン、恋人とかいなかったのか?」
「音街!」
私が遮る前に、音街は遠慮のない質問をぶつけます。そこまで聞いたら、プライバシーの侵害じゃありませんか?
「居たことはあるよ、一応。長いし面倒だから居たとだけ言わせてもらうけどね」
「東北より美人だったり、可愛かったりしたのか?」
「いいや、きりたんが一番だ。つ~か、そうじゃなければ、きりたんをここまで構わないよ」
「や~い、ロリコ~ン」
「うるせぇ」
「音街、話が進みません。兄様、続けてください」
兄様に目を向けると、グラスが空になってます。
そんなに喉が渇いてたのか、緊張してるんでしょうか。
「だからさ、バレて逃げられたらちょっと安心したかもね。女の子を傷つけないで済んだな、って。さ、今から悲鳴を上げて逃げても良いぜ?」
「それじゃ東北、お言葉に甘えて悲鳴を上げて逃げようか。ここに変態がいま~す!」
立ち上がろうとした音街の服を掴んで、私は座らせます。音街の方も本気じゃないので、大人しく座ってくれました。
私は兄様の目を見て、心を込めて言います。
「私は逃げようと思いません。ただ、兄様に聞きたいことがあるだけです」
「どうぞ。ここまで知られりゃ、何でも答えるよ」
兄様も私の目を真っすぐに見てくれています。心の奥底まで見せてくれるように。
沈黙。部屋のどこかで水滴が落ちる音が響きました。
前も勝手に動いてくれたんです。私の口に期待しましたが、錆び付いたように動こうとはしてくれません。
その口を動かすのに、すごい心の力が必要でした。
「兄様は…… 子供なら誰でも良いんですか? エッチな事が出来るなら」
また水滴の音。
「イエスでもあるしノーでもあるね。きりたんと知り合う前なら、イエスだと思う」
「やっぱり変態じゃないか」
これまで黙ってくれてましたが、音街が口を挟んできます。
「変態じゃないとは言ってないさ。それは認めるよ、ここまで来たら」
「もう少し良いですか。私と知り合う前はそうだとしても、知り合った今なら?」
「身体だけを求めようとは思わないね。無残に散らして満足するよりも、もっと話して、もっと色んなものを一緒に見て、触れ合いたいって思う相手がいるんだからさ」
兄様はそれでも真っすぐ私の目を見ています。私の目を見て言いました。それって……
「あのさ、ウナはどうすればいいんだ? このまま二人がイチャイチャしてるところを見てればいいのか?」
「音街! 私の事なんて言ってないじゃないですか!」
そうです。まだ兄様は、私が好きだとは言ってません。
ただ、私に子供の出てるエッチな動画を見つかっただけなのです。
「この流れで東北じゃなかったら、ウナは何をしてるのかな~、ってなるぞ?」
「ついでに言えば、俺も何をしてるんだかな~、になるな」
「で、東北じゃないのか? ほれほれ、ウナが見てるから、好きなだけ愛の告白をすればいいぞ」
「ここでウナちゃんだったらどうするんだよ?」
また音街が出てきて、アホなことを言い合ってます。
音街、防犯ブザーを引こうとするのは止めなさい。それは脅迫の道具じゃないんですよ。
「という訳で、ウナちゃんには振られちまったぃ。いや、残念だなぁ」
兄様、そういう事はもっと残念そうに言いましょうよ。本心じゃないんでしょうけどね。
「東北のオジサン趣味は判ったからさ、付き合っちゃえばいいじゃん。オジサンも不満はないんでしょ?」
「はいストップ!」
音街の言葉に、兄様が勢いよく手の平を出しました。
「俺の方に、まだいろんな問題があるんだ。おいそれときりたんに好きだなんて言えないよ」
「そうなんですか……」
兄様に好きだとは言ってもらえませんでした。残念さに私は俯いてしまいます。
「それってさ、もう東北の事が好きだって言っちゃってないか?」
「えっ!?」
その言葉に、私は勢いよく顔を上げました。
「言えねぇって言ってるだろ」
「言っちゃえよ~、変質者~」
「言えねぇんだって。問題を片付けさせてくれ」
「何だ何だ? ほかの女の子と別れ話でもしてくるのか?」
「どうしてそうなる」
あっけにとられた私は、兄様と音街がポンポンと会話するのについていけませんでした。
私は私で、兄様の言葉を考えてしまいます。
「兄様? それじゃ、どうすれば兄様に好きだと言ってもらえますか?」
「兄様!?」
私の言葉に、音街が変な声を出しました。あっ……
とっさに口を押えましたけど、どうなるものでもありません。
「そっか~、東北はファザコンだけじゃなくて、ブラコンでもあったのか~」
「い、良いじゃないですか! こんな優しい人が兄様だったら良いなって、ずっと思ってたんですよ! いけませんか!?」
ニヤニヤしながらからかってくる音街に、私は思わず大きな声を出してしまいました。
そこで兄様の方を見ると、優しそうな笑顔でこっちを見てました。
「構わないよ。そう呼んでも。うん。俺も嬉しいし」
「その優しさは下心満載だがな!」
音街、変な事を言わないでください。
「それで、どうすれば、か…… きりたんがすることは、特にはないよ。全部俺の心の問題だしね」
「心の問題ですか。それなら待っても良いですか?」
私が返すと、兄様は深いため息をつきました。
「良いよ。でも、どれくらい待たせるか判らないから、他に好きな奴ができたら、そっちに行ってくれな?」
他に好きな人…… 思い当たる人すらいません。クラスの男子はバカばっかりですし。
なので私は、満面の笑顔で答えることにしました。
「嫌です。私は兄様を愛してるんですから」
私の横で音街が首をすくめて横に振ってますけど、放っておきましょう。
「やれやれ、光栄だな。なるべく期待に応えるようにするよ」
「なぁ、何か仲直り? したようだけど、ウナは帰っちゃってもいいか?」
「それなら俺もお暇するとしよう」
音街がそう言うと、兄様も立ち上がろうとします。
「兄様、もうちょっとゆっくりして行ってくれればいいのに」
「そ~だそ~だ、東北とイチャイチャチュッチュして行けばいいだろ?」
「そうするには早すぎるから退散するんだよ! 判ってくれよ!」
「そうは言っても、お隣なんですよね」
「一人で考える時間をくれよ~」
なんかワイワイと閉まらない結果になりましたが、兄様との気まずい関係はこれで終わりました。
元通り、で良いんですかね?
そんな感じで、なし崩し的に兄様と呼ぶようになりましたし、有耶無耶なままですが兄様は私が好きですし、私も兄様が好きだと伝えました。
相思相愛って奴です。
そして今、公園デートしてます。
ここで二人の関係をはっきりさせて、正式にお付き合いしたいです。いえ、するべきでしょう!
「兄様、あの時は本当に、悲しかったんですからね」
「俺としては、本当にきりたんに逃げて欲しかったんだけどねぇ」
兄様は私の食べかけのから揚げを一口で食べて、包みをレジ袋に入れます。兄様、本当によく食べますねぇ。
二人とも全部食べ終わって、飲み物を飲んでくつろぐ感じになりました。
天気はよく、わずかに風が吹いています。
あれから兄様は普通に話してくれますが、問題は片付いたのでしょうか?
私から聞いてみてもいい事なんでしょうか?
私は兄様のジョークに笑いながら、言い出すタイミングを探します。
(つづく)
という訳で、今回も短かったきりたんの一人エッチ。
次とその次はエッチなしにして、その次あたりかなぁ?
今回の後半は、うまい具合に有耶無耶にできたと思ってるので、この話を引っ張れればいいなぁ。
引っ張って伸ばせなかったら、引っ越しの話も入っちゃうかな?