※この作品はR-18です。

儚き華は夜に散る   作:生魚

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瀬田薫ローター責め

 どうしてこんなことになったのか、もはやその記憶すらない。「それ」が振動するたび私の耳に入ってくるこの熱を帯びた甘い吐息の主が自分であることに、そろそろ嫌気がさしそうだ、なんてことぐらいしか考えることができなくて。

 

 振動が強くなる。ガク、と身体が痙攣する。頭の中が真っ白になり、あふれんばかりの快楽に全てを任せ……ることが、またできなかった。

 

 これで三十回目、だろうか。私が絶頂に達する前に、振動が止まったのは。そろそろ達したいと伝えんばかりに私の下着には愛液が染み出しているのに、目の前でスイッチを片手に笑う男性は素知らぬふりだ。

 

 私をこんな目に遭わせて、何が楽しいんだろうか? 彼の真意はわからない。だが、彼がこの私の姿を見て愉しんでいるのは確かだ。私はそれが、心底気持ち悪かった。

 

 だが、そんな気持ちさえも、この振動がかき消すから。難しいことを考えるよりも快楽に身を任せたい、そう思ってしまうほどに私は絶頂を求めていた。

 

 すごくイきたそうにしてるね、男はそう笑う。それもそのはずだ、私は現に三十回も絶頂を禁じられているのだから。私はわざとそれを見せつけるように足を開き、彼を、いや、彼が持つリモコンのボタンを誘う。

 

 こんな恥ずかしい格好、普段の私ならしないのに。犯してください、と願うように腰を振って、絶頂をねだるなんてこと、しないのに。

 

 上、下、上、下……多分、今の私のこの姿を鏡で見たら、私は正気を失ってしまうだろう。だけど、どうしてだろうか。へこ、と腰を動かすだけで、全身に稲妻のような快楽が走った。

 

 私が腰を下に下ろした瞬間、急に振動が強くなった。私はその耐えきれないほどの快楽に思わず倒れ込んでしまう。

 

 振動の勢いは止まらない。焦らされて感度が何倍にもなった私の秘部を、それは瞬く間に蹂躙していく。

 

 部屋中にバイブレーション音と私の甘い喘ぎ声が響き渡る。腰の痙攣は止まらない。

 

「イ“、ちゃ……っ……」

 

 その時、私は、初めての絶頂を迎えた。

 

 〜

 

「もうやめてくれ、許してくれ、私、もう、イきたくな……あ”っ」

 

 私は、今まで、何回イったんだろう。それすらわからなくなるほど、私はこの機械で絶頂させられていた。前よりももっと愛液でぐちょぐちょになった下着は、もはや下着の役割を果たしていない。

 

 さっきと打って変わって快楽だけを与えられる恐怖でどうにかなりそうだが、押し寄せる快楽の波がそれを考えることを許してくれない。

 

 逃げ出したいのに、抜け出したいのに。身をよじってより快楽を感じようとしてしまう自分が、本当に嫌だ。はしたなくて、かっこ悪くて、本当に嫌なのに。

 

 男が放つえっちだね、という言葉も、本当は気持ち悪くて仕方がないのに。

 

 今や、その全てが快楽へと変わっていた。

 

 快楽の波が押し寄せる。甘い絶頂が訪れる。その時、私の意識はブツリと切れ、次目覚めた時には時計の針が四時間後を指していた。

 

 薫ちゃん、寝てる間でも潮吹いてイってたよ、楽しげに笑う男の声に、私は笑みを浮かべることしかできなかった。

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