「柊、茉莉花さんと一緒にちょっと飲み物を買ってきてくれないか」
まだ同居をする前、三回目くらいの顔合わせの時に父がそう言ってきた。目的は飲み物を買わせることではなく、義妹になるかもしれない相手と二人っきりにすることだろう。
断る理由もないので貰った金を握って近くのコンビニまで一緒に行った。けれど会話のキャッチボールが一往復で終わっては二人してしばらく黙り、気まずくなって話すが結局長く続かないことを何度も繰り返した。
ぎこちない雰囲気のまま適当な飲み物を購入した帰り道。おもむろに茉莉花が、
「一人で歩いていると周囲から不躾な視線を向けられて迷惑なんです」
と話した。確かに人混みでも簡単に見つけられる優れた容姿に気品を纏ったその佇まいは目を引くことだろう。
「でも今日は、柊さんがいたからあまりそういう視線が来なくて助かったんです」
女子一人よりかは男女で歩けばナンパもされないという意味だろうか。
「なので今度、二人で映画でも見ませんか?丁度観たかった映画があるんです」
もちろんと返答をした。ぎこちないと思っていた空気は彼女からすると心地よかったみたいだ。嬉しい気持ちになったがぎこちなさを自分だけが感じていたことに対して少し赤面した。
▽▲
「今日は兄さんと一緒に映画を観に行きます」
休日の朝ご飯を食べた後、両親にそう言って外出の準備をする。その最中何処に行くのかとかを色々聞かれる。
「何処行くのー」
「近くのショッピングモール」
「ついでに服とかもみようかなと思ってます」
「夕飯はどうするー」
「いつまで向こうにいるか分からないから用意しなくていいよ」
「もう高校生ですから勝手に食べますよ」
そんなことを話しているうちに映画へ行くのに疑われないような荷物の準備ができた。靴を履いて玄関を開ける。
「いってきまーす」
両親は扉が閉まるまで手を振り見送りをしていた。両親が行くと思っているショッピングモールだが、車での来店を基本で考えているのか高速道路のインターチェンジがすぐ近くにあるからそうしたのか分からないけれど、大量の車が停められる駐車場を有している。重要な情報は近くにインターチェンジがあるということだ。
期待を胸の内のだけに隠すことができずに殆ど早歩きで移動していた。映画館を内包する施設を横目に歩き続け、インターチェンジ近くのラブホテルを見上げるに至る。夜中は緑と青の妖しい光に照らされる如何にもな見た目をするビル、だが昼間の今はただのラブホテルだ。
今日はここで殆ど一日中茉莉花とセックスをするつもりだ。事前の情報でこのホテルにSMルームがあるという情報を仕入れている。そこに入室をしようと一週間も前から話し合っていた。
事前に清算方法などで店員と関わることが無いと調べ上げているが、高校生の身分では何か不都合があるかもしれないのでマスクを着けている。意味がないだろうが着けないより安心感がある。これだけで不安感が和らぐのだから儲けものだ。
屋内に入りタッチパネルで部屋を選ぶ。目的のSMルームの部屋番号が選択できるのですぐさま選ぶ。部屋のある階まで上がるため昇り専用エレベーターに乗りこむ。エレベーター内は俺と茉莉花だけで、もう他人には出会わないと思いようやく肩の力を抜くことができる。息を深く吸い込むとエレベーター内が香の匂いで充満していることに気付く。マスクを少しずらせば、何の香りかは分からないが確かに匂いがする。気のせいではなかったようだ。隣を見れば同じようにマスクをずらしてこちらを見上げている。なんだか可笑しくてお互いに少し笑う。緊張をほぐすことができてよかった。もう少しこの空間に居たかったが目標階にたどり着いたので降りる。
フロアのマップを見て部屋番号と位置を確認したら歩き出す。部屋番号が示されているプレートが赤く点滅している。他の部屋のプレートを見れば緑色に点灯している、こうすることで部屋を間違えないようしているのだと心遣いに感心した。扉を開け室内に入る。期待していたが精算機と内扉があるだけで拍子抜けした。なんだか騙された気分になったので茉莉花の尻を服の上から強く揉んだ。
「あっ♡」
抗議を為に視線を向けてきたが直ぐに情欲で塗れたそれに変わる。それに今は性的興奮よりも初めての来るラブホテルに対する知的好奇心の方が大きい。靴を脱いで扉を開ける。
「お~」
「凄いですね」
まず目に入ったのは壁一面の大きさの鏡に映った自分たちの姿だ。次に床に照明があり、それが青色に光ってなんとも特別な気分になる。
「兄さん、兄さん。これってSM用の手枷足枷ですよ」
壁から伸びる鎖にボンテージテープが取り付けられているものが四つある。これを使えば大の字に拘束されて体の全てを曝け出し隠すことができない。さらに全身を映しても余裕のある鏡もあるため拘束されてしまえばどうしようとエロい気分になってしまうだろう。
「このスク水無料でレンタルですって。わぁ凄い、学校の教室以外で見る教卓と黒板って変態的ですね」
部屋の一角には学校の教室を模したスペースがある。黒板にはちゃんとチョークがついているし、教卓もあるなら生徒用の机と椅子もある。その近くにスクール水着がハンガーにかけられているので絶対着せようと心に誓う。
他にも有料のコスプレ衣装が四六種類もあったり、アダルトグッズの自動販売機があったり、ジャグジー付きの風呂など色々なものがあった。取り合えず風呂にお湯を張ろうとして熱湯の蛇口を捻って触ってみたら思いのほか熱くて大きな声を上げてしまった。
「どうしました兄さん」
なんて聞かれてしまい、上手いこと誤魔化そうとしたが言い訳を思いつかず素直に熱くてビックリしたと告げた。それを聞いてキョトンとした顔をしたが直ぐコロコロとした笑顔になる。気恥ずかしく悔しいので茉莉花の手を取って蛇口から出る水に触れさせれば同じく声を上げて驚いた。
「お風呂の温度が丁度良くなるように任せます。その間お茶の粉末があったのでそれを飲めるようにしときますね」
熱湯と冷水の蛇口を調整していい温度になるまで緩めたり閉めたりを繰り返す。いい温度のお湯が出るようになったので風呂場の扉を閉めて茉莉花の元へ向かう。
彼女はお茶を淹れ終え、備え付けの電マにコンドームのようなものを取り付けようとしていた。
「ああ、これ電マ用スキンのトイドームってものです。防水用なんですかね」
大きさはコンドームより大きい様だが、それでも簡単に取り付けにできるようなものではないらしい。手間取っているようなので手の平を差し出し受け取り装着させる。おお、なんて言われたので丸まっているゴムを滑らせるようにするのがコツだと教えた。コンドームと一緒だ。けれどコンドームと聞いて自分に縁がないことと思ったのだろう、如何にも興味が無さそうだ。
「あ、これ見てください」
そう言われ、指さされたテレビを見る。
「食べ物と飲み物の注文とか、AVはもちろん映画とかの映像作品も見られたりするんですよ。アイスとかのデザートもありますよ。無料で貰えるデザートもあるんですって」
食べ物も頼めてそれ以外もできるなんて、実質飲食店に置いてあるタッチパネルの上位互換ではないだろうか。ラブホのテレビ、恐るべし。
「それに有料のコスプレ衣装なんてものもあるみたいですよ」
ラミネートされた紙が綴られたものを手渡される。それによれば実に四六種類ものコスプレ衣装がある。注文はテレビからやるとのことだ。衣装のカタログを流し見したが、どれを着せてもエロく飾り立てることになるだろう。
「コスプレエッチもやりましょうね」
何とか知的好奇心で押さえつけていた性欲が、その言葉を聞き欲求へ従うことにする。だが服を脱ぎ去ろうとした俺の手を押さえ、
「折角なので、兄さんの服を私が脱がしてもいいですか」
なんて言ってきた。確かに今まで相手の服を脱がす、と言ったことをやったことが無かった。家で普段違うことをするよりかは、いつもと違う場所で始めての事をするのも乙だろう。
「じゃあ脱がしてくれ」
そう言えば小さくやっと、と呟いた。
「上から脱がすのでバンザイしてください」
サッと半裸にされ服は適当に部屋の隅に投げ捨てられた。下半身もこの勢いでされるかと思ったが、ズボンのみを脱がされパンツ一枚にされる。
「うわ♡勃起しすぎてパンツ破れちゃいますよ♡」
一週間前からこの日のためにオナ禁もして備えていた。ようやくお預けが終わってセックスすることができるのだからフル勃起ぐらいする。それにセックスは何度もやったがフェラチオは口を大きく開けるのははしたないと、今まで一度もやって貰ったことがない。チンコの近くに顔があるという事実により興奮する。
「全部脱がしちゃいますね♡」
パンツの裾をもってゆっくりと下げられる。勃起した亀頭に衣擦れの刺激が辛い。鼠径部が見えるまでパンツを降ろされたが、チンコの先端はまだ姿を現さない。いよいよ限界なところで止まり、
「えい♡」
という掛け声で完全に脱がされた。突っ張りがなくなり勢いよく上を向き、茉莉花の鼻先をかすめる。一週間分のオナ禁に、先ほどラブホテルへ殆ど駆け込むように入ったから少しオス臭かったのかも知れない。何度か軽く匂いを確かめられる。それで満足したのか鈴口に触れるようなキスをしてから立ち上がった。
「次は私の番ですね」
獣欲に導かれるがままにシャツとロングスカートを剥ぎ取り下着姿にする。全裸姿は数えきれないほど見ているが下着姿を初めてだ。軽く脂肪が乗った胸を包むブラに、性器のあたりが黒く濡れているショーツ。何より初めからお互いの服を脱がし合うよう誘導しようとしていたのか、上下同じ柄で合わせているのが愛おしさと性欲を煽る。
「俺に肌透けてるエロ下着を見て欲しいから脱がし合いを提案したのか」
「……そんなの聞かなくても分かるでしょう」
そっぽを向いて蚊が鳴くような声でそう答えた。そんなことより、と言葉を続け。
「感想、教えて下さいよ」
「俺を興奮させるためにエロい下着を着てくれたんだろ。最高に決まってるだろ」
写真で残したいくらいいい光景だったが、俺も茉莉花も性欲が限界に近い。それに事後にでも写真は撮れる。全裸にしようとしたら、
「あっ」
と叫んで手を掴まれる。
「走って汗臭いかもしれないのでシャワー浴びさせてください」
なんて言われる。掴まれた手を逆に握り返して抱き寄せる。体の間に腕を差し込まれて隙間を作られるが、その程度の隙間では彼女の甘い匂いは誤魔化せない。
「全然気にならないよ。それに蒸れたチンコを匂い嗅いでおいて自分だけ恥ずかしいなんて道理が通らないよ」
「いや、でも、兄さんを不快にさせたくないので」
「むしろ今までよりメスの匂いが堪能できて興奮する」
「兄さんはいいかもしれないですけど単純に私が恥ずかしいって理由もあって」
「今の俺の匂いは不快?」
「……この匂いに包まれて寝たいです。その程度には、まぁ、はい」
そうは言ってるが腕の力は抜けないし、この調子では下着を脱がすことは難しい。
これからセックスする女をどうしても自分の手で生まれたままの姿にしたい。説得を試みているが頑なに拒み続ける。そうしていると俺の頭に名案が浮かぶ。
「本当に嫌だったら抵抗をしないでくれ、そうしたら風呂場に行こう。無理やり犯して欲しかったら激しく抵抗して。ブチ犯してやるよ」
俺の言葉を聞いて抵抗を止めた。腕の突っ張りも緩めたので力を込めれば容易に抱き寄せられるだろう。しかし抵抗しないなら大人しく風呂場に行く約束だ。背中まで回した腕を解く。両手をダランと下げたが、その手を取って先ほどと同じようになるように動かし、自身の手が離れても落ちないのを認めた途端に体を捩って抵抗するふりした。
「シャワー浴びたい女の子を無理やり手ごめにして♡自分の性処理優先するなんて酷いです♡メスが本気で抵抗してもオスがちょっと力を入れれば直ぐ負けちゃうんですよ♡何もできないんですよ♡兄さんはそんな鬼畜な人じゃないですよね♡」
レイプ希望宣言。こんなことされて理性など保てるものか。
手首を掴み、爪先立ちになるまで上へ引っ張り上げる。後は片手で押すしかできない。完全に力負けし、陵辱から逃れることができないのを認識したのだろう。鼻の下を伸ばし、ニンマリと笑った。
ベッドへ仰向けになるよう突き飛ばす。太ももに脛を乗せ、両腕を頭より上で纏めて手首を掴む。この状態なら殆ど力を込めずとも、体重だけで身動きを封じられる。茉莉花が出来ることは胴を少しくねらす程度の動きしかできない。
ショーツの上からマンコを潰すようにすれば、濡れて黒く変色した範囲がいとも簡単に広がった。脱がせば粘ついた液がショーツの内側と性器の間に橋を架ける。全部脱がそうかと思ったが、雰囲気が出るので片足にパンツが引っ掛けた状態にする。視覚的に楽しめるとともに、乱暴にされている実感も強いだろう。ブラは無理やり上にずらした。
「兄さんって嫌がる女性を無理やり犯しちゃう人なんですね♡幻滅です♡」
茉莉花はマンコをビショビショに濡らし、乳首を勃てながらそう言った。