※この作品はR-18です。

男の俺は聖女になれませんが……聖女の力を覚醒させるチ××はあります!   作:elly

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序章  『どうして俺が女子校に……?』 ②

第三話

 玄関を出ると、馬車が待っていた。

「荷物はもう積み込んであります。足りない物があれば、ご連絡ください。それでは行ってらっしゃいませ」

 押し込められるようにして馬車に乗せられると、別れを惜しむ間などなく、馬車はすぐに動き出した。

(困った……)

 改めて自分が置かれた状況を考え、ルパートは頭を抱えた。クレアのふりをして学校に行けと言われたものの、〈ルズベリー女学園〉に関しては、全寮制の聖女養成学校としか知識として持っていない。

(こんなので学校生活なんてやっていけるのか……? ただでさえ男っていうハンデを抱えているのに)

 不安しかない。

 長い馬車旅であったが、移動中の景色を楽しむことも、寝ることもなく、ずっと未知の学校生活のことばかりを考えていた。

 

 

 馬車は〈ルズベリー女学園の〉校門の前でルパートと荷物を降ろすと、さっさと走り去ってしまった。

 生徒なのだから、このまま校門をくぐり、敷地内に入ればいいだけの話なのだが、まず最初にどこへ行くのかもわからない。

 校門の外から見る限り、この学校の敷地はかなり広そうだ。しかも、敷地内にはいくつもの建物が建っており、下手に入ろうものなら、確実に迷子になりそうだ。

 そして、通りすがりの学園関係者を捕まえようにも、到着した時間が悪かったせいか、周囲にはそれらしき人は全くいない。

(困った……。このまま誰かが来るのを待つべきか……?)

 途方に暮れ始めていたその時だった。

「そこの君!」

 背後から突然呼びかけられたのだ。

 

 

第四話

「は、はいっ!」

 反射的に返事をし、おそるおそる背後を振り返った。

(うわっ、すごい美人……) 

 そこには、スラリとした長躯をルズベリー女学園の制服に身を包んだ美女がいた。

(あれっ? この人、もしかして……?)

 ルパートが彼女の素性に気づいたのと同時に、

「んっ。君はもしかして……ヘイヴァース家のご令嬢ではないか?」 

 と向こうもルパートの素性に気がついたみたいだ。

「は、はい。クレア・ルイーズ・ヘイヴァースです。あのグラント家の……」

「ああ。アミーリア・グレイス・グラントだ」

 忘れるはずがない。アミーリア・グレイス・グラントはルパートの初恋の相手だ。

 

 

「再会できてうれしいよ。元気そうでなりよりだ」

 アミーリアが案内役を引き受けてくれて助かった。

「あの、私のことを覚えて下さっていて光栄です……」

「忘れるはずなかろう。君たち双子の姉弟の愛らしさは評判だった。君こそよく私のことを覚えていたな」

「せ、先輩のことは一日たりとも忘れたことはありません!」

 そう。アミーリアのことを忘れたことはない。ただ単にアミーリアが初恋の相手だったからではない。アミーリアが昔から頭抜けて美しかったのだ。

 プラチナブロンドのロングヘア―とサファイアブルーの瞳は幼い頃と変わらないが、当時の面影を残しながらも、表情がすっかり大人の女性になっている。

(ごくっ……)

 そして、ルパートはアミーリアのある部分から目が離せないでいた。

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