男の俺は聖女になれませんが……聖女の力を覚醒させるチ××はあります! 作:elly
第五話
――ジャー!
(終わったみたいだな……)
水を流す音がして、ローナが身支度を終えたようだ。
(どうにかやり過ごせたみたいだな……)
今度はルパートが安堵する番だった。
ローナの足音が聞こえ、ルパートは完全に安心しきっていた。
「きゃあっ!」
短い叫びが聞こえた次の瞬間、シャワーカーテンが床に落ちていた。
ルパートは、何が起こったのかわからなかった。
目の前には、尻もちをついたままの姿勢でいるローナがいる。
「いたたたたたた……」
尻をさすりながら、ローナがゆっくりと立ち上がる。
「ごめん、クレアちゃん。カーテン壊しちゃった……って、えっ! あなた誰?」
ロングヘア―のかつらをかぶっているが、バスタブからのぞいているのは、男の上半身。服を着ているときは何とか騙せたが、もう騙せない。
「ま、待て、ローナ! これは違うんだ!」
ルパートは思わず立ち上がった。すると、勃起したままの男根も露になった。
(しまった!)
後悔したがもう遅い。
ローナの視線は、ルパートの股間に釘付けになっている。
「あ、あああああ……」
ローナは顔を引きつらせながら、後退している。
(ヤバい!)
「き、き、きゃあ――」
「ローナ、落ち着け! 俺だ! ルパートだ!」
第六話
「え……ルパート君? ルパート君がどうしてここに?」
ローナが本格的に悲鳴を上げる前に、ルパートは自分の正体を明かした。それが功を奏した。
「とにかく! 事情はちゃんと話すから、部屋で待っててくれ!」
バスルームからローナを押し出した。
ローナには事情を話してもいいと考えていたが、こんなに早く正体を明かす羽目になるとは……。ここは覚悟を決めなければならない。
ルパートは、急いで着替えをした。
(ローナ、どこにも行っていないよな……)
不安を抱えながらバスルームから出ると、ローナはベッドのふちに腰かけ、うつむいた姿勢のままじっとしていた。
「ローナ」
声をかけると、ローナは力なく顔を上げた。
「……というわけだ。俺はクレアが見つかるまで、ここでクレアのふりをしなきゃならない」
ルパートは、包み隠さず全てをローナに打ち明けた。
ローナはルパートの話を、静かに聞いていた。
(いくら幼馴染とはいえ、お互いもう子供じゃないんだ。恋人同士でもない年頃の男女が同室なんて嫌だよな……)
「わかった! 協力するよ!」
いきなり両手を強く握られた。
「へっ……?」
予想外の答えだった。
「あの、ローナ……?」
「幼馴染が困っているんだもの。当然じゃない!」
「いや、でも……男と一緒の部屋なんて嫌じゃないのか?」
こんなにもあっさりと協力が得られると、かえって不安になるものだ。
「どうして? そりゃあ全然知らない男の人だったら嫌だけど……ルパート君だもの。平気だよ!」
ローナの瞳には迷いがない。本心からであることは間違いない。
「わかった。力を貸してくれ」
「うん!!」