※この作品はR-18です。

男の俺は聖女になれませんが……聖女の力を覚醒させるチ××はあります!   作:elly

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第一章  『聖(性)なる力目覚める!? 幼馴染とせがまれエッチ』 ⑤

第九話

「ローナ、こんなところで何やっているんだ?」

 なるべくローナを刺激をしなように、穏やかに尋ねた。

「……」 

 しばらくの間、ローナは沈黙していた。

 ルパートはローナの返事を待ち続けるしかなかった。

 長い時間が経過したような気がした。ローナの返事を待ち続けるのも、しんどくなってきたときのことだった。

「そっちに行ってもいい……」

 消え入るような声でローナは言った。

(え? こっちに来る? それって……)

 ローナが言わんとしていることは、ルパートのベッドで一緒に寝たいということだろう。

 大胆な申し出に、ルパートはどぎまぎした。しかし、ローナの声色からすると、ルパートが期待しているようなことは起こりそうにない。

「うん……いいよ」

 本来なら、断らなければならないのだろうが、ルパートは断れなかった。

(添い寝するだけだ。添い寝するだけなんだから、何もやましいことはない!) 

 

 

 寮のベッドは当然だが一人用で、二人で一緒に寝ることはできなくはないが、かなり体を密着させる必要がある。

 ルパートはぎりぎりまで体を端に寄せ、ローナのために場所を空けた。

 ローナが静かにベッドの中に入ってきた。

 すると、ふわっと甘い匂いが立ち上り、鼻孔をくすぐった。

(これがローナの匂い……)

 思えば、今回に限らず、女の子にこんなに接近することはなかった。

(こっちがドキドキするよ……) 

 眠気は完全に覚めていた。

 

 

第十話

「ルパート君、あのね……」

 ローナは静かに口を開いた。

「私……この間の面談で……もう、後がないって……」

 ずっと堪えていたのだろう。ここまで言うと、ローナはしゃくり上げ始めた。

「テストの点数が悪かったってことか……? だったら、次頑張れば……」 

 ルパートは、無言でローナの手を握った。勇気づけるつもりだった。

 するとローナは、話を続けた。

「ううん……違うの。問題なのは成績じゃなくて、〈聖女の力〉の方なの……」

「……」 

 かける言葉がなかった。

 学科や実技の成績であれば、どうにでもなる。しかし、〈聖女の力〉だけは努力だけではどうにもならないからだ。

 〈ルズベリー女学園〉は国立の聖女養成学校であり、入学できるのは、〈聖女の力〉を持つ者のみだ。

 〈聖女の力〉を持たざる者は、この学園を去らなければならない。

 〈聖女の力〉は個人差が大きい。ヘイヴァース家やグラント家のような名家の娘は、大抵、安定した強大な〈聖女の力〉を生まれつき持っている。だが、それ以外の者の〈聖女の力〉は、必ずしも安定していない――〈聖女の力〉が弱くなったり、ある日突然力が消えてなくなるということも無きにしも非ずだ。

 そして、残酷ではあるが、一度〈聖女の力〉が弱まったり消えてしまうと、もう二度と〈聖女の力〉が元に戻ることはない。きっとローナにも、〈聖女の力〉が消える傾向が出てきたのだろう。

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