男の俺は聖女になれませんが……聖女の力を覚醒させるチ××はあります! 作:elly
第十一話
「私ね、娼館に売られたの」
「‼」
ローナの衝撃の告白に、ルパートは絶句した。
(娼館? それって娼婦ってことか……? いや、娼館の下働きって可能性も……)
どうしてもローナが娼婦をやっているところが想像できない。
「どうしてそんなことになったんだ……?」
「うん……。うちのお父さんね、事業に失敗して借金抱えちゃったんだ……ぐすっぐすっ……」
最後の方は涙声になっている。
「ごめん……そんなことになっているなんてちっとも知らなかった……」
ローナが大変な目に遭っていたのに、何も知らないでのん気に暮らしていた自分が憎い。
「お客さんを取らされる直前に、この学園の入学許可をもらって……せっかく今の生活から抜け出せると思ったのに……ひっくひっく……」
「ローナ泣くな。俺が何とかしてやるから……うちで働けるように父さんと母さんに頼んでやるよ、なっ!」
我ながらいい考えだと思った。
「それは無理……」
「何でだ? うちの両親だってローナのことは知ってる。昔の知り合いが困っていたら、助けてくれるに決まってる!」
「お父さん……事業を始めるときに、ルパート君のご両親からお金を借りているの……借りたお金も返せないのに、雇ってくれなんてとてもお願いできない!」
「あ……じゃ、じゃあ、身請けするってのはどうだ……?」
「そんなお金どうやって用意するの……?」
「それは――」
両親から借りる――と言いそうになり、即座にそれは無謀だと気がついた。
第十二話
「ありがとう、ルパート君。でも、もういいの……」
「もういいって……諦めるなよ! もっと考えよう、そうすれば――」
自分でも無責任なことを言っていると思った。
(ローナを連れて逃げるか……?)
ふとそんな考えが頭をよぎった。
「あのね、ルパート君。お願いがあるの」
突然、ローナが話題を変えた。
「お願い?」
「うん……その……私の処女を奪って欲しいの」
「えっ! そ、そんなこと……出来るわけないだろ!」
ルパートは激しく拒否した。なぜなら、処女を失うことは、完全なる<聖女の力>の喪失を意味するからだ。
この場でルパートと関係を結べば、ローナは退学になり、娼婦となることがすぐに確定する。
「ルパート君、聞いて。遅かれ早かれ私は<聖女の力>を失うの。このまま娼館に戻って、好きでもない男の人とそういうことをするのは嫌なの……せめて最初のときくらいは、自分の決めた人と……だからお願い……」
ローナはまた泣き出した。
「ローナ! わかったよ。俺でよければ……」
まさかこんなところで、幼馴染とヤることになるとは思わなかった。
「ルパート君、初めて?」
「うん……」
「そっか……ごめんね。こんなことになっちゃって……」
「いや、いい。ローナに比べれば大したことない。俺に出来ることはこれくらいだからな」
ローナの負担にならないよう、努めて明るい調子で言った。
「じゃあ、脱ごうか……」
ルパートとローナは、お互い背中を向けて全裸になり、ベッドに潜り込んだ。