「おいおい、何だぁ? 米軍か自衛隊が暴れてんのかぁ?」
「それだったら昨日から砲撃の音やら銃声が聞こえてもおかしくないと思うわ」
姉と彼女の一緒にいた人達と共に、妹の避難場所へ向かっているのだが避難しているであろう場所辺りで、轟音と距離があるのに地面を介して伝わってくる振動を伴いながらドンパチしている存在がいるのでかなり不安だ。
他の奴らは兎も角、妹だけでも救い出したないなと思いながら慎重に近づきながら姉の真理と話し合っていた。
「姉さん、どう思う?」
「あれはサーヴァントの戦いじゃない?」
「だよなぁ………はーヤダヤダ」
世界が崩壊してから、2日目でまだまだサーヴァントの運用に不安がある中での戦闘は避けたい所ではあるが、ここで躊躇しても埒が開かないので慎重に進むと建物が瓦礫になってできた広場の中心に、複数のサーヴァントがいるのが確認できた。
その内の半数近くが色のあるサーヴァント、簡単に言ってしまえば普通のサーヴァントなのだが残りの半分以上が真っ黒のシャドウ・サーヴァントであり、普通のサーヴァントの方は普通の人を庇っている様に見える。
そして、よく見ていると普通のサーヴァントを指揮している人物は俺らの妹の様に見えるので、姉を見上げると彼女も察した様に頷いたので作戦を伝える事にした。
「全員、彼らの戦いを確認したな? 今から助けに行くぞ!」
『了解!』
「助けに行くのは俺と俺のサーヴァント達! 姉さん達は残ってバスを守ってくれ!」
「分かったわ」
俺の言葉に、了承の返事が返ってきたのでバスの扉を開くとエミヤ達が次々に出て、シャドウ・サーヴァントの討伐に向かったので俺も運転席を降りて彼らの元に向かった。
「ちょっ!? 何!? 何なのよ!」
「訳あって助力する事にした。我々のマスターにとって、君らは重要人物なんでね」
「重要人物って………」
「よぉ」
「あっ」
突如として、自分と契約していないサーヴァントが複数人も現れた事に妹はかなり混乱した様子だったのだが、俺が姿を現した事によって敵ではない事を認識した様だ。
「………遅い、遅いよぉ」
「悪かったな。来るのに手間取った」
そして、安心した様で涙ぐむ彼女の肩に手を置くと涙を拭ってから言葉を続けた。
「話は後! そうだよね?」
「あぁ、そうだ。シャドウ・サーヴァントを排除してからな」
「うん!」
俺の反応で、やる気が戻った彼女は守るだけで手一杯だった状況から一変した今の状況で的確な指示を飛ばし始めたので、俺はそのサポートに徹する事にした。
何しろ、妹のサーヴァントが6体なのに対してシャドウ・サーヴァント側は8体と数の上で不利だったのが、俺と共に行動しているサーヴァントと合流した事で形勢は逆転して誰一人失う事なく、シャドウ・サーヴァント側の殲滅する事に成功した。
「お疲れさん。無事でよかったよ」
「全くよ! にぃにぃはいつも来るのが遅いよ!」
「すまんすまん」
その事を確認した後、妹に声を掛けると怒った状態で文句を言われたので、話半分で聞きながらいつもの調子でやり取りをしていると両親の話になった。
「それでパパとママは?」
「今も連絡が取れねぇ。LANEで定期的にメッセージを送信してるんだが既読すら付かねぇし」
「………そっか」
「まー、それでも姉とは合流できたのが幸いだな。じゃなかったらかなりしんどかっただろうし」
俺の言葉に、反抗期の真っ最中だった妹は暗い表情になったので深くは触れずに話題を変えたのはいいが、俺でさえも悲観的な気持ちを抑えながら行動してきたので気が緩むと部屋の隅で蹲りたくなってしまうからだ。
すると、姉のサーヴァントに会ってみたいと言う話題になったので、妹と共に行動していた人達の安否確認をしてからバスに乗り込み、帰路に着く事となった。
☆☆☆☆☆
「おぉーすげぇ。アパート出来てんじゃん」
「うん。流石に自宅に他人を入れたくはないと思ってね」
「一応、聞くがインフラも完備済み?」
「勿論、周囲から新たに引っ張ってきてるから問題ない」
「さっすが、トラロック。都市神様の名は伊達じゃねぇぜ」
「褒めても何も出ないわよ?」
自宅の近くで、バスから降りて帰宅すると自宅付近の建物が変わっていて一軒家の建物を壊して10戸建て程のアパートにしていたので偶々、外にいたトラロックに聞いてみると彼女なりの配慮だった。
いくら、自宅の中身を拡張したからと言って流石に赤の他人を招いて住まわせるのには抵抗があるので、アパートと言っても別の建物に住まわせるのは良い判断だと思う。彼らにとっても心の整理はしたいだろうしね。
これで、彼らが心変わりしてこちらに襲ってくる可能性は残る形になったが、これに関しては経過観察に限るので彼らでアパートの部屋を決めさせた後、俺らは俺らで再会を喜びあった。
「2人とも、無事でよかったわ」
「えぇ、パパとママは仕方ないとしてもねぇねぇとにぃにぃに再会できたのはよかった」
「ああ、無事で何よりだ」
正直に言って、世界が崩壊した直後は自分の身を守る事で精一杯だったし、LANEで連絡を取り合っても姉妹は既にくたばっていて赤の他人が操作してたらどうしようか、と言った不安があったので本当に安心した。
その為か、少し涙腺が緩んで涙目になってしまったが姉妹も同じ様な状態だったので暫くはしんみりした雰囲気になったが、ひと段落した所で互いのサーヴァントについて改めて確認する事にした。
俺:エミヤ、両儀式(剣)、トラロック、キングハサン、モルガン、ポール・バニヤン、伊吹童子、紫式部、ティアマト、楊貴妃
真理(姉):斎藤一、オデュッセウス、アルジュナ
佳奈(妹):魔王信長、織田信長(弓)、織田信勝、坂本龍馬(お竜さんもいる)、沖田総司、茶々
(改めて確認すると、結構バラけてるなー)
俺ら3人は、それぞれ趣味が違うので好きなサーヴァントも違っているのだが、姉妹は高身長イケメンと日本史で偏っているのに対して俺は一貫性がないなと改めて思った。
なんせ、キャラの性能よりも見た目で判断していた部分が多かったのでそこまでこだわりがなかったのも大きい。
その結果がこれなのだが、その事で姉妹に爆笑されながらも崩壊前の調子で会話をしていると体が安堵したのか、空腹を訴えできたので全員で昼飯にでもしようと思う。助けた彼らに食べる気力はないかもしれないが。
無事、帰還しました。
なので、そろそろ濡れ場を展開しようと思います。