絶頂の余韻だけが、僕を支配していた。
「ん…ぁ、はふっ。はぁ、はぁっ、んっ、ふぅ、ふはぁ…あ、ぁぁ…♥」
ふるりっと、身体が震え身を捩る。
甘い痺れ、甘い快感に崩れ落ちた身体はだけど、地面に倒れる前に、トレヤくんの腕の中に支えられていた。
「あ…。とれや、くん…ぼく、嫌だった? お姉ちゃん風ばっかふかせて、きらいになったり、した?」
それは、快感で惚ける頭の中で、だけど膨らんでくる不安みたいなもの。
もしかしたらって。
普段は気にもしないのに。絶頂の後、丸裸にされた心は、薄い氷よりもデリケートになってしまっていた。
「ううん、ごめん。俺がちょっと…やりすぎただけだから。ハナが可愛くて、ちゃんと好きだから、嫌いとかなくて、だから…ごめん」
「へ? あ…んっ」
ズボンの留め具が外されてる。
それを止める間も無いままに、足元へと落ちていくズボンを、僕はぼぅっと見送っていた。
「あはっ。はぁ…ぼく、こんななのに、まだしたいんだ?」
「ていうか、俺は出来てないし…。今更、我慢とか、ちょっと」
「もう、ダメだよ? 少しは…加減も分かんないと…」
仕方がないなっておもう。
やっぱり僕はお姉ちゃんで、だけど、彼が求めてくれるのは素直に嬉しい。
「じゃあ、帰りは君が、背負って帰ってね? 多分、僕、ダメだから、さ?」
「うん、分かった。ちゃんと連れて帰るから」
「ふふっ。ほんとかなぁ、もう…ちゅっ」
キスを交わす。それ以上の言葉は必要もなかった。
足首に引っかかっていたズボンと、落ちた下着から足を引き抜いていく。
丸出しになった腰を抱えられ、僕の身体はあっさりと、トレヤくんの腕の中に持ち上げられてしまっていた。
「うわっ、力持ち…。いつの間にそんな鍛えて?」
「ごめん。魔法でちょっとズルしてる…」
「カッコつけちゃって」
「カッコくらいつけたいだろ…」
「まぁ、そうだね。うん、僕だって、可愛く見られたいとは思うし」
自由になった両手は自然と彼の身体を手繰り寄せ、細い首に回されていた。
ぴたりと、密着した身体。ドキドキと直に伝わってくる鼓動の音に、ほぅっと吐息がこぼれてしまう。
トレヤくんに身体を抱えられ、抱きつきながらもゆっくりと腰を下ろしていく。
そこにある。気配でわかる。
熱くて、固くて、大きくて、ビクンビクンと、元気よく跳ねているのが、間近に見る彼の様子から、見なくても伝わってきた。
おちんちんの先端が割れ目の入り口を掠め、甘い痺れに声を漏らす。
森の中。村人達が使う狩り場からは離れているとは言え、外で身体を重ねる行為は、この前よりも僕たちを興奮させていたように思う。
割れ目が開く。奥から愛液が流れてくる。
膨れ上がる異物感に、僕への入り口が開かれていく。
だけど、それは嫌なものではなくて、むしろ愛おしくて、好きな人の腕の中で抱かれている感覚は、素直に僕を陶酔させていった。
ズルリ、ズルリ…。
腰が落ち、身体が滑る。
深い所へ、おちんちんが入り込む。膨らんだ先端が奥へと飲み込まれ、フルリと震えた身体から、目眩のするような快感が湧き上がってきた。
「あっ、はぁ…あ、はい、って…はぁはぁっ、トレヤくんの、僕の、なか…っ」
逃さない、離したくない。好きで好きで堪らず、反射的に彼の身体を抱きしめる。
薄い筋肉に、まだ頼りなさを残す身体の線。魔法だなんてズルをして、だけど、精一杯に抱きしめられると、胸の中に温かいものが満ちてくる。
全部あげたい。僕は、彼のものなんだって跡をつけて欲しい。
「ハナっ、ごめっ。俺、これ…我慢できなくてっ」
抱き抱えられたまま腰を引かれ、入り口の辺りから勢いをつけた おちんちんが、再び僕の深くを突き上げた。
深くて、大きいストローク。お腹の奥から捲られて、突き上げられて、乱暴なくらいの快感に、絶頂が足音を立てて近づいてくる。
グチャグチャと、中を掻き回されながら、僕の深い所が突き上げられた。それは次第に感覚を短くしていくと、バラバラだった快感にが一つに纏まり大きさを増していく。
「はっ、はっ、あっ、ふぁっ、やっ、んんぅっ、あ、あ、やっ…♥」
お腹の奥を何度も小突かれながら、キスをするのも忘れて抱き合った。
強く、強く、お互いに腕を回して、押し付けあった肌が擦れるだけで心地が良かった。
もっと、もっとと身体は熱を持つ。無意識に腰が落ちていくと、遂には おちんちんの先端が、僕の一番深い所に触れていた。
子宮に、赤ちゃん出来る所に届いちゃってる。
おちんちんをより近くに感じようとして、きゅぅっとお腹に力が入ってしまう。
ここに出されたらって、考えるだけで興奮が止まらず、ゾクゾクした快感に腰が揺れ動く。
トレヤくんの熱い吐息が胸元に拭き掛かる。「ハナ」「ハナ」と、耳元で何度も名前を呼ばれる度に、甘えるみたいに尻尾を振って、耳がパタパタと動いてしまう。
「あ、ふぁっ、いい、よ? トレヤくん。僕も、ぼく…気持ちいいの、一緒だから…もっと、もっと、君のこと、僕にっ…!」
何でもしてあげたい。何でもさせてあげたい。
愛おしさがうず高く積み上がっていた。
愛情と快感とが混ざり合い、そんなものが幸せだと感じてしまう。
ドクンっ…。一際強い感情が、高鳴った鼓動と共に胸を叩いた。
こつん、こつんと、深い所を刺激されて。身体がその気になっていく。
きゅぅっと、お腹の奥で生まれる熱。それと同時に中が締まり、おちんちんを強く強くと抱きしめる。
「あ、くぅぅっ。ハナ、だめ…そんな、したら、俺もうっ…!!」
「出してっ。はぁっ、んはっ、出すんでしょっ、ぼくのなかっ。めちゃくちゃにしたいから、こんな事までしちゃってっ。いいよっ、いいからっ。気持ちいいの全部、僕が、僕以外は、イヤだから、トレヤくんっ、トレヤくんっ…んんっ!」
ゾクリとした。
快感がお腹の奥から湧き上がり、頭の中が真っ白になる。
ガタガタと腰を揺らし、カチカチと歯を鳴らして、甘い悲鳴を上げながら涙で視界が霞んでいく。
トレヤくんの身体を抱きしめる。トレヤくんに身体を抱き返される。
締め付ければ締め付けるほど、固く、大きくなって、熱い肉の塊が僕の中でドンドンと暴れだす。
興奮で膨れ上がった おちんちんが、一番深い所を突き上げると同時に、ドクンと大きく弾けた。
分かる。分かっちゃった。
子宮の入り口が、おちんちんにキスをされてる。
ぴたってくっついて、ぐぅっと押し付けられて。
熱い、熱い、精液の感触がお腹の中で弾けると、広がって、それが気持ちよくって堪らず、声を上げて快感を叫んでしまう。
「ぅ、ひっ、くぅ、あ、あぁぁっ。あ、でて、トレヤくんの、これ、これ…ふぁっ、すき、この、ああ、ドクドクされて、ぼく、君のでいっぱいに、なって…あぁっ♥」
ドクンドクンと、僕の鼓動と彼の鼓動が重なっていく。
ドクンドクンと、重なって、僕の中に彼の精液が流れ込んでくる。
ふわふわとして、くらくらとして、気持ちよくって、幸せで。
目一杯に抱きしめて、精一杯に抱き返される。
やがて、射精が落ち着き、快感の波が遠のいていくと、僕たちはその場で崩れ落ちるように倒れてしまった。
「あ、こらっ…もう。ちゃんと、支えててくれないと」
「ご、ごめん。ハナ…怪我、無かった?」
「平気。君こそ、大丈夫? 擦りむいたりしてない?」
「してはないけど…」
「してはないけど、何?」
彼の上に跨って、見下ろす僕の姿は、果たしてどう見えていたのだろう?
興奮で火照った肌。着ている服はほとんど無くなって、流れる汗に、甘い吐息が重なると、おっぱいの膨らみが小さく揺れる。
恥ずかしそうにトレヤくんが顔を逸らしていた。
その頬は新しく色づいていて、僕の体の下でムクムクと、彼のおちんちんが大きくなっていくのにも気づいてしまう。
「続き、する?」
「…うん」
頬を染めるトレヤくんの足の間に身体を移すと、今度は僕が仕返しをする番だった。
「あ…ちゅっ、れろ…はふっ…む、く…ちゅぅぅっ」
仕返しに、やり返す。
トレヤくんが僕の乳首をイジメてくれたみたいにして、彼のおちんちんを口の中に含み、舌先で先端をくすぐっていく。
吸い付き、精液の滲む割れ目を舌先でほじくって、ビクビクと震える彼の腰を押さえつける。
「もう、動かないで。綺麗に出来ないじゃん」
「あっ、かっくぅぅっ。ま、ハナ、今は…俺、出したばっか、で」
「それで? 僕の時は散々イジメて、自分の時は許してほしいんだ?」
「それ、は…」
意地悪を言うと、口ごもってしまう彼が可愛らしい。
懲りずに調子に乗った僕は、ますますと悪戯心を膨らませていった。
「ねぇ? じゃあ、どうして欲しい? 止めて良い? おちんちんこんなにして、お姉さんに見つかったら何ていうの?」
「なにって…それ、は。あうっ…ハナ、まっ」
彼のおちんちんから口を離し、僕の涎を肉棒に塗りたくっていく。
ビクン、ビクンと、腰を震わせて、ムクムクと元気よく育っていく おちんちんはすぐに射精の気配を匂わせてきた。
「ぺろ…。いいよ、僕は別に、トレヤくんが素直になるまで続けるだけだし、あむ…ちゅぅぅっ、ふぁむ、ん、んぅぅ」
先端を舐め上げ、キスをして、咥えたおちんちんを飲み込んでいく。
ぱっと、口の中いっぱいに広がる精液の匂い。
舐めて、吸い取っている内に、張り詰めたおちんちんが ドクン、ドクンと、固くなっていく。
「ふはっ…ね、言って? コハナお姉ちゃんって、僕の口の中に おちんちん出したいですって? 飲んであげるよ? 上手に言えたらさ。お姉ちゃんだもん、そのぐらい幾らでもしてあげるから」
悔しそうな、物欲しそうな彼の視線にゾクゾクとした。
後どれだけ耐えられるんだろう?
必死に僕にお願いをする姿を、今からでも想像してしまう。
「べー…ろっ。ん、ちゅっ、れろ、はむ、んんぅぅぅ…ちゅぅぅっ」
おちんちんの先端を舐め、舌先でくすぐって、口の中に飲み込んで、吸い上げる。
「ひぅっ♥ あ、あ、あ、やめ、ハナ…そんな、されたら…」
トレヤくんの腰がガクガクと震えだす。切なげに、短い悲鳴を繰り返し、今にも射精したそうに声を上げる。
「んぅぅ…はぁ。じゃあ、言って? 今ならお姉ちゃんって、言うだけでいいよ? 僕は、君と違って優しいからね?」
再び、おちんちんを口の中へ。でも、それ以上は何もしてあげない。
ただ、口の中でビクビクと震える おちんちんを咥えたまま、彼が音を上げる姿を一目見ようと、上目遣いで様子を伺う。
「はぁ、あ、ぁぅ、お、お姉ちゃん…おねが、い。俺…が悪かったから、だした、出させて…」
「っっっっ~…♪」
それは歓喜なのだろうか?
エッチな気分になる所を刺激された訳でもないのに。僕の言いなりになる彼の姿が愛おしく、悔しそうに声を漏らす姿が堪らない。
快感とは違う興奮が胸を高鳴らせていた。
悪いお姉ちゃんだなって思いながらも、ゾワゾワと膨らんでくる興奮に、尻尾の毛がフワッと膨らんでしまう。
「れろ、ん、ん、むっ、ちゅっ、はむ…ちゅっ、ちゅっ…んんっ!!」
舐め上げ、吸い付いて、喉の奥におちんちんの先端を届かせる。
口の中一杯に広がるトレヤくんの味。頭の向こうから響いてくる彼の気持ちよさそうな声がくすぐったくて、耳がパタパタと動いてしまう。
弄りたい。
自分の所も弄って気持ちよくなりたいのに。でも、おちんちんを咥えるのもやめられず、トレヤくんをイジメる手に力が込もる。
「だ、めっ! ハナっ、ねえちゃっ…おれ、もう…でてっ…」
所在なさげに動いていたトレヤくんの手が、僕の頭を掴んでくる。
押さえつけられて、押し付けられて、おちんちんの先が喉の奥に届くまで沈められると、その先端がビクビクと震え出していた。
もう出ちゃうんだ。そんなに出したいんだ。
破裂しそうなくらいギチギチに勃起して、可愛げの無くなった おちんちんが僕の舌の上を滑っていく。舐めて回してあげようにも、ほとんど口は塞がれて、前後に擦ってあげるのが精一杯だった。
頭を撫でられながら、お口の中を犯される。
僕を撫でる手は優しいのに、押さえつける力は強く、彼に使われている心地は、ますますと僕を興奮させていった。
口の中で おちんちんが、ビクンと大きく震え上がる。
頭を抑える手に力が入り、喉奥にまで容赦なく入り込んでくると、精液が一気に流れ込んできた。
「んくっ、あ、か、ふっ。ちゅっ、は、ん、んぅぅっ、んくっ…んくっ」
飲みきれない。ドロドロの精液が喉に絡みついて引っ掛かる。
咳き込みそうなのを我慢して、息が詰まりそうな中、コクリコクリと、必死にトレヤくんの精液を飲み込んでいく。
「くふっ…あはっ、っ、っ…んあっ、あぁぁぁ、はぁっ、はぁっ…ちゅっ、れろ…ぺろ…ふぁむ…んく、ん、ん…くっ」
射精が落ち着き、ようやく余裕が出来始めると、トレヤくんの匂いの混ざる自分の吐息に、頭をクラクラとさせられた。
すごい匂い。
体中どころか、中からも彼の匂いがしてくる。
お腹の中、喉の奥から、口元から流れる雫から。
こんなの、獣人じゃなくたって、分かる人が嗅いだら分かっちゃうんじゃないかってくらい、彼の精の匂いが僕の身体に染み付いていた。
「ちゅっ…ぺろ、んっ、はぁ…はぁっ。ほら、これで、綺麗にって、あ、もうっ!」
最後にぴゅっと、震えたおちんちんの先から精液が吹き上がり、熱い雫が僕の顔にまで掛かってしまう。
せっかく綺麗にしたのに。
僕の指にまでダラダラと、噴き出した精液の残りが垂れてくる。
「そんなに、気持ちよかった?」
「うん…ごめん。いっぱい、出しちゃって」
「良いんだよ。僕が良いって言ったんだから…それよりも」
「あ…これは、ちがくて…」
これは一体どういう原理なんだろう?
2度めの射精を終えたはずなのに、彼のおちんちんは、またすぐに固くなっていた。
「それも魔法使ってる? だめだよ、エッチな魔法ばっかり覚えたら」
「違うって…ハナが、エッチなことばっかりするから」
「それは…違わないか。何? お口だけじゃ、足りなかったんだ?」
「気持ちは良かったけど…やっぱり、俺…」
こうなるともう、なし崩しだった。
3回目だろうが、4回目だろうが、トレヤくんが満足するまで付き合って上げたくなる。
「じゃあ、さ? もっとしちゃおっか、僕も、君の舐めながらさ…ほら」
トレヤくんの上に跨って足を開くと、溢れた愛液の雫がおちんちんの上へと落ちていく。
「ハナ…すごい、エッチだ」
「あんま、さ? エッチエッチって言わないで…んっ」
いいながらも、そう言われることが気持ちよくて堪らない。
恥ずかしいのに、エッチなんだって言い聞かせられているみたいで、エッチな目で彼に見られていると、どんどんと羞恥心が無くなっていく。
自分から腰を落とす。割れ目におちんちんが入ってくる。
腰を掴まれ、そのままドンドンと、跳ねたボールみたいに身体を弾ませる。
突き上げる動きに合わせて、僕は腰を揺らしながら、彼の上でまたイきそうになっていた。
「く、あっ、ハナっ、出すよっ俺、また全部…」
「いいっ、いいよっ。中でいいから…僕も、中が…あっ♥」
絶頂の余韻も覚めないまま、快感に呆けた身体の感覚が戻らない。
四つん這いにもなれず、上半身を投げ出したまま、彼に腰を抱えられると、またすぐに、おちんちんが僕の中に入ってくる。
「ほら、ハナっもっとお尻、こっちにさっ」
「や、だ、だめって、そんな僕、犬みたいに、あぁっ」
今度は犬みたいに後ろから、尻尾を掴まれながら乱暴に腰を打ち付けられる。
ほんとに獣になったみたい。もう何度もイッて、もう何度も射精された後なのに、彼のおちんちんで乱暴に犯されると、それだけで今まで以上の快感に全てが流されていく。
「ハナっ、もっと声、俺ハナの声好きだから、もっと、聞かせて」
「あ、そんなの、ぼく、やっ♥ 言われたら、我慢、また、ふぁっ、あ、ふぅぅ、あっ、あ、はっ、はっ、はっ、いっ、んぅぅぅぅっ…♥」
その後。
2回3回と何回でも、2転3転と何度でも、僕たちは代わり番こに体勢を変えながら、その日は一日中愛し合っていた。
ー
あの後、やるだけやって、ボロボロになった二人でなんとか家に帰りつき、お風呂に入るまでが精一杯。なのに、二人でお風呂に入りながらも、もしかしてって考えてしまうのが厄介だった。
なんか、自分が分からなくなっている。
昔の僕ってどんなだっけ?
こんなエッチな事ばっかり考えてはいなかったはずだけど。
「ハナ…その、あんま見ないで」
「え、見てないし…。いや、見てたけど、さ」
大きくなってた。
そりゃ、さっきまでに比べればまだ可愛いものだけど。
視線が吸い寄せられる。ドクンって心臓が跳ね上がる。
ヤバい…。ヤバイヤバイヤバイヤバイ…。
トレヤくんが可愛い。
頬を赤らめ、隠すように腰を引いて、でも、おちんちんは大きくて。
まるで期待をするように、僕の目の前でビクンっと跳ねるともう無理だった。
「トレヤ、くん…。僕が、さ? 洗ったげるから。ほら、動かないで」
「ちょっ、ハナ。まっ、だめって…また、そんなしたら、おれっ」
悪いお姉ちゃんだなぁ。
だけど、そうとは思っても、本気で止めようとしない彼だって悪いと思う。「だめ」とか「まって」とか、そんな中途半端なお願いは、僕の嗜虐心を高めるだけ高めた後、いざ射精の瞬間ともなれば、お互いに歯止めなんか効かなくなっていた。
「はぁ、はぁ…あー、むり、今日はもうだめ。僕バカになってる…」
一体どれだけやったんだ?
今日一日で、今までに重ねた数よりも多くの愛情を交わした様に思う。
お風呂から上がってベットにバタン。
二人並んで横になると、それだけで精一杯で、もう、それだけで今日は店じまいだった。
「でさ、ハナ? お願いの事なんだけど…」
だからこそ、その言葉は寝耳に水だったと言うか。
僕の隣でぐったりと、精根尽き果てたように倒れ込んでいたトレヤくんの呟きに、僕は半ば食い付くような勢いで身体を起こしてしまっていた。
「はぁっ!? アレだけ僕とエッチしといて、まだお願いがあるっていうのっ!」
「ちがっ。でもだって、ハナとエッチしたいなんて、俺一言もっ」
「ん、まぁ。いっては…ない、ね。うん、それは、確かにそうなんだけど」
思い返してみれば、エッチして欲しいって、トレヤくんの口からそうと言われた訳ではない。
ただ強引にキスをされて、僕が勝手にそう思い込んで、盛り上がってしまっただけで。
しかしだ、だけどさ…。
「いや、でもなんか騙された感が酷いし。あんなにされたんじゃあさ、僕もうお嫁にいけないんだけど。分かる? お風呂入ったのにまだ君の匂いするんだよ?」
「じゃあ、俺と結婚しよう」
「へ…」と、間の抜けた声が漏れていた。
「それが、なに? お願いなの?」
分かりきった答えをもう一度聞きたくなって、催促するみたいに同じ問いを繰り返す。
「うん、まあ。俺と、結婚してください。何度聞いても同じだよ」
「…」「…」
長いような気まずいような沈黙は、でも、くすぐったくてなんとも居た堪れない。
いつまでも続くような沈黙じゃない。
ていうか、僕が答えないことには話が進まず、それに気づいた僕は「ふふっ…」と、一人で笑ってしまっていた。
「僕を断れなくしてからプロポーズとか、トレヤくんもズルっ子だよね」
「大人になってからって。ハナがはぐらかすからだろ」
「そう、だったね。ああ、そっか。それで魔法まで使っちゃって、僕を捕まえようって頑張ったんだ?」
「そうだよ…わるいか」
「ううん、ぜんぜん。そっか、そうなんだ…」
なんというか、そこまでされると断りきれないと言うか。
まだ早いかなって思ってはいたけど、僕の事をこんなに欲しがってもらえるのは やっぱり嬉しい。
「じゃあ、いいよ。ちょっとズルかったけど、僕が負けたのは確かだし。ちょっと早いけど、うん。僕は、今日から君のお嫁さんだ」
「えっと、じゃあ…えーっと。よろしく…コハナ」
「うん、よろしくね。トレヤ」
二人くすぐったく微笑んで、どちらからでもなく顔を寄せると、僕たちはキスを交わし合っていた。
おしまい。
ご覧頂きありがとうございました。
エロトラップダンジョンでもやろうかと思った名残り。
お姉さんじゃなくて、お姉ちゃんからしか得られない栄養があると思う。
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