手足が縛られ身体が引きづられていく。
いま捕まる訳にはいかない。せめてトレヤくんが逃げるまで時間を稼がなきゃ。
「にげ、て、トレヤくん…走って!」
僕の事を助けようなんて思わなくて良い。君だけでも逃げてくれれば、僕はもう、それで満足だから。
ナイフを握り直し、触手を切り捨てる。
一本、二本と、だからって、片腕の自由を取り戻した所で何も変えられず、すぐに別の触手に腕を絡め取られると、それでおしまいだった。
「このっ! 離せっ、離してってばっ!!」
普段ならこんな蔦程度、引き千切るくらいは出来たのに。
身体に力が入らない。洞窟に飛び込んでこの方、ずっと続く甘い匂いに感覚を狂わされている。
身体が火照って、肌がむず痒くなって。
力を入れる度に、ビクリと反応する身体から気が抜けてしまう。
手首を縛られ、太ももにまで巻き付かれ、服の隙間から覗くお腹に、細い首筋に、触手に触れられた肌が性感を訴え、胸がドキドキと高鳴ってくると、それは快感へと変わっていった。
発情させられてる。
もうすぐに、心の栓が外れてしまいそう。
もっと早くに、この洞窟から出るべきだったんだ。
でも、我慢できなくて、欲望に流されて。
こんな状況なのに、どうしても思い出してしまう。
勃起したおちんちんの感触。精液の熱い迸り。
恍惚とした感情に心を奪われ、何も考えられなくなっている間は、ただただ幸せだった。
「だめっ、いやっ…ちがうの、こんなの…っ、いたっ!!」
ぎっと、鈍い痛みに手首を縛られた。
力が緩み、取りこぼしたナイフを拾おうとして手を伸ばす。
「あっ」と、声を上げている間にも、ナイフの切っ先は指を掠めて落ちていき、僕はただそれを見ているだけしか出来なかった。
ナイフを掴もうと伸ばした手が、蔦に巻かれて縛り上げられる。
開いた腋の中へ、袖の内側にまで触手が入り込んでくると、ドキンっと胸が大きく高鳴った。
だってそこには、僕のおっぱいがあったから。
胸に巻き付かれ、乳首を弄られて、その先を想像しただけで興奮の音が強くなる
甘い、甘い匂いがする。
ポタリと、切りつけた蔦の先から雫が溢れていた。
濡れた肌がヒヤリとする。肌を流れ、乾いていく雫は、強烈な甘い匂いを生み出し、僕の頭の中を淡く染めていく。
これだ、この匂いだ。この匂いに僕たちはおかしくさせられて。
でも、わかった所で、どうしようって言うの?
悔しいくらいに全身が熱い。この匂いが連れてくる快感を、僕は知ってしまっている。女の子を意識させられて、気をやるくらいに気持ちよくさせられて、イヤとか、ダメとか、意地の問題じゃないんだ。
もう、そういう所に立っていられない。
お腹の巻き付いてきた蔦に身体を引き上げられる。
遠のく地面を少しでも近づけようと手を伸ばし、だけど、掴んだ小石は頼りなく、指先からこぼれ落ちていく。
振り返れば白い花。
白くて、大きな花が咲いていて、それはまるで、口を開けた獣の様にも見えた。
「トレヤくんっ、あ、だめ…僕…もう」
花弁の中に飲まれる瞬間。僕を見上げる彼と目が合った。
「逃げて」聞こえたかどうか分からない。ただ、足を止め、声を上げ、それが最後に見た彼の姿だった。
ー
お尻に濡れた感触が伝わり、倒れ込んだ背中にそれは滲んでくる。
バシャンっと、尻もちに、手を付いて、手首が浸かるくらいには、その液体は花の奥で溜め込まれていた。
甘い匂いが鼻につく。強烈な花の香りに、頭がおかしくなりそうだった。
琥珀色のその液体に浸かった肌が、かぁっと色めき立っていく。
ドクンっと、心臓が強く打ち、どんどんと肌が火照っていくと、甘い匂いは強さを増していった。
ひんやりと、肌寒いくらいの液体が、僕の体温に当てられて生ぬるいものへと変わっていく。まるで、アルコールで肌を拭かれた時の様に、ドロドロとした液体は、すぅっと冷たく感じた後、濡れた肌が今まで以上に熱くなる。
熱を持ち、火照った肌の上で蒸発した液体が甘い匂いに変わると、鼻から、口からと入り込み、身体の中から快感で溶けていきそうだった。
「はやく、でないと…でなきゃ…っ。トレヤくん…トレヤくん…」
もう声も聞こえない。触手に囲まれてて、それでも上手く逃げて欲しいと願う。
開いた花弁の窓からは、まだ洞窟の天井が見えていた。
でも、よじ登ろうにも花弁は深く、琥珀色の液体が染み付いた壁は、手を掛ける場所すらも見つけられない。爪を立てて、引っ掻いて、なんとか花弁に穴を開けようとも敵わなかった。
所詮植物なんだろうと思っていても、その花弁は分厚く、傷をつけた所から琥珀色の液体が滲み出すと、もうどうしようも無い。
手が滑る。それだけならまだ良くて、濡れた肌が熱くなり、爪の隙間にさえ性感の熱が灯る頃には、まともに力も入らなくなる。
今すぐにでも自分を慰めたい。彼の事を考えていないと、もうとっくに自分の体に手を掛けている所だ。
「このっ、このっ、出してっ、出してってばっ、この…はぁっ、はぁっ…!!」
引っ掻いて、殴って、自棄になって蹴飛ばして、でもダメで。
睨みつけるように上を見ても、手が届く事もない。
足を曲げて、力を溜めて、もしかしたら届くんじゃないか、そう思った時だった。
ぐっと、手首が引っ張られる。
飛び上がろうとした不安定な体勢のまま、足が滑り、背中から花の底に倒れ込んでしまう。
広がった性感が、背中に熱を広げていく。
琥珀色の液体に浸かった肌が、ムズムズと落ち着かなくなる。
でも、それが気持ちいいと感じてしまったんだ。
もっと触れて、もっと擦って。
反射的に身を捩り、蜜に浸った背中を擦り付けると、ゾワゾワとした快感に身体が悦んでしまう。
もっと、もっと…。
声になりそうな感情を慌てて飲み込み、なんとか振り絞った理性で身体を起こそうとするけど、それもダメ。
「え、なに…?」
手首が縛り付けられている。
外で僕を縛っていた蔦のような触手とはまた別の。
先端に、黄色い房を実らせたその触手は、どこか見覚えのあるものだった。
それは、たとえばそう、植物の、花の、雄しべにも似ていて…。
雄しべの形をした触手たちに縛られた僕は、植物の、花の、雌しべの様だった。
そんな想像に身震いする。
お花の真ん中で身体を開かされて、これから自分がどうなってしまうのか。
怖いのに。でも、それ以上に僕は…。
花の底。滴った蜜溜まりから、触手が次々と伸びてくる。僕の手足を縛っただけではまだ足りず。大きいのから小さいのまで、身体に絡みついてくると、剥き出しの肌の上を舐め、服の中にまで入り込んできた。
雄しべの形をした触手たちは、撫でるように僕の身体を這い回りながら、琥珀色の液体を、甘い香りのする花の蜜を塗りたくってくる。
首元、袖の内側、上着の裾、衣服の隙間から入ってきた触手達に肌を撫でられる。
胸元を、腋を、お腹の上をくすぐられ、敏感になっていた肌が性感を強くすると、嫌でも身体が熱くなっていく。
だって、しょうがないじゃない。
これは、この液体のせいだから。
分かっていてどうにかなるものじゃない。
触られれば触られるだけ気持ちが良かった。
もっと触って欲しいとまで思う。
気づけば、触手は太ももの付け根にまで伸びていた。ズボンの隙間に入り込み、僕の女の子の部分にまで触れてくる。
得体のしれない触手達に、身体を弄り回されていた。
下着の上からでも、大事な割れ目の縦筋にまで触れらると、確かな快感が下腹部に広がり、期待の音が胸を打つ。
おっぱいに巻き付き、乳首を弄られ、下腹部に触れる触手にドキリとさせられる。
滴る花の蜜が性感帯に塗り込まれていく。
濡れた肌は感度を上げて、火照った肌に快感の火が灯る。育ちきった性感が熱を生み、あまりの気持ちよさにフワリと身体が揺れてしまう。
「ひゃっ、あっ、あ、あぁぁぁ、くっ、ぃゃ、ひうぅっ、あっ…♥」
声が抑えられない。どうしたって感じてしまう。
快感が心臓の音を大きくして、胸の内から叩かれた乳首が固さを増していった。
脇腹を刺激され、くすぐたいのが気持ち良くなる。
身体のあちこちから生まれる快感に身悶えていると、おへその中にまで触手の先端が入り込んでくる。グリグリと、短い刺激に腰が震えて、緩んだお腹が解けそうになってくる。
同時に、全部同時にだ。
順番に可愛がってくれるような気遣いは、触手達は持ち合わせていなかった。
ズボンの隙間から入り込んだ触手が、遂には下着の中にまで食指を伸ばすと、僕の女の子の部分に直接触れられ、甘い蜜の冷えた感覚の後、すぐにも割れ目が熱くさせられる。
「あ、やだ、そこ、は、ぁぁっ。いっ、ひっ、ふぅ…ふぁぁぁ、あ、ゃ、なのに…んっ♥」
吐息が熱い。甘い声が出てしまう。
女性を示され、快感を植え付けられて、どうにもならない興奮に期待が募る。
そのまま乳首を扱かれたい。彼のおちんちんにしたみたいに、乱暴にされたら、それはきっと気持ちがいい。
そのままおへそを掻き回されたい。身体の中に一番近い場所を、ほじくられながら、グリグリと触手の先で掻き乱されたら、それもきっと気持ちがいい。
そのまま、そのまま…。
それから、それから…。
僕の、女の子の部分を…。
考えようとして、考えたくなくて、それはきっとやっちゃいけないことで、でも耐えきれなかった。我慢なんて、もう無理だった。
お腹の奥が、かぁっと熱くなる。
奥から奥から溢れてくる。花の蜜とは違う、僕自身の蜜が溢れて止まらない。
そのまま犯されたい。早く僕を気持ち良くして欲しい。
男の子の、動物のおちんちんですら無い。
何か、よくわからない、得体の知れない花の化け物の性器を自分の中で受け入れる。想像するだけで、おぞましい光景だった。でも、想像しただけで、身体が熱くなってしまう。
もう、気持ち良い事だけで一杯だった。
トレヤくんと肌を重ねた時より、気持ち良くなれるんじゃないかって。
最低な期待に、そんなのだめなのに、でも考えてしまう。思うだけでもう、下腹部からくる疼きを止められない。
「んちゅっ…ぁ、ん、う、にゅぅ…んんぅぅっ…あっ」
唇に、触手の先が、そこに実った黄色い房が押し付けられる。
それは果実のようで、気泡のようで、ブヨブヨとしていた。
唇の上に押し付けられ、擦り付けられ、だんだんと膨らみ、風船の様に張り詰めると、パンっと、あっけない音と共に僕の口元で弾け飛ぶ。
溢れた白濁色の液体は、まるで、男の子の精液みたいにドロリと流れ、黄色い果実から飛び出した花の精液は、僕の顔をベタベタと汚していった。
あ、ダメだ。これ飲んだら、絶対ダメになる。
唇の隙間から滲んできたその味は、とても優しい甘さを含んでいた。
もっと飲みたいと自然と舌が勝手に動き、蜜の味がする精液を舐めてしまう。
一度味わえば止まらない。
舐める度、飲み込む度に、身体の中から熱が生まれ、強く刻む鼓動の音が全身に快感を巡らせていく。
最初にちょろっと、でもそれじゃ足りなくて、滲んでくる精液を舐めているだけだった舌先は、次第に唇の外へと向かって伸びていった。
ポタリ…ポタリ…。
触手の先端から滴り落ちる白濁色の果汁。
口を開き、少しでもその雫を受け取ろとして、伸ばした舌先にまた、黄色い果実が触れていた。
別の触手の、まだ果実を実らせた先端が僕の口の中へと入り込む。
「んふっ、あっ、んぅぅ、ぺ、ちゅっ…れろっ、ん、あはぁぁっ、あっ」
黄色い果実を舌にのせた僕は、子供の頃、貰った飴玉を舐めるみたいにして舐め回す。けど、噛み砕きはしない。だってそれが楽しみだったから。
飴玉の、甘いお砂糖の、固まった部分が溶けてきて、それが薄くなっていくのがわかる。その奥にはさらに甘い、練乳の白い幸せがあるのを知っていた。
噛み砕けばそれはすぐに、お口を幸せにしてくれるのは分かっている。
でも、それはなんというか、せっかちな気がしてもったいない。
外側の甘い部分も楽しんで、一杯一杯舐めて遊んで。
もう少しかな、もう少しかなって、薄く、小さくなっていく飴玉を舌で転がした。我慢に我慢を重ねて、噛み砕きたい衝動を押さえつけて、ふと舌先に溢れた練乳の甘さと一緒に噛みしめるのが好きだった。
口の中が溶けていく。甘い甘い、幸せが広がっていく。
甘い甘い飴玉は、でも、あの時の様に小さくならず、むしろ僕の口の中で大きく膨らんでいた。
それは子供心に感じていた幸せよりも膨らんで、僕に大きな期待を抱かせるには十分に実っていく。
最初は余裕のあった口の中も、すぐに膨らんだ果実に塞がれてしまう。
顎が疲れるくらいに開かされ、押し出そうにも、飲み込もうにも、僕の口からは動かせなくなる。
口の中で一杯に膨らんだ果実。
パンっと弾ける瞬間が待ち遠しい。
堪らなくなって、自分で噛み潰そうとして、けど弾力のある表面に弾かれる。
果実の表面に傷が付き、甘い雫が滴って、それが口の中に広がると、もう拷問の様にも感じていた。
早く、早く、それが飲みたい。
黄色い果実の奥、白い果汁で喉を潤したい。
「あ、くっ、んっ、んっ、あぁぁ…んんぅぅっ」
潰れろ、潰れて…はやく、はやく。
閉じれなくなった口を動かして、果実の表面に少しでも傷をつけようと歯を立てた。甘い果汁に誘われる。もうそこに滴る汁が、何だったのかも覚えていない。
グチャグチャになった口の中。
唾液と、琥珀色の花の蜜。そして、滲み出した白い果汁で口の中が溢れ返る。
パンっと、何の前触れもなくそれは弾けた。
ドロリとした甘さが口の中を埋めつくし、ドロドロと流れて喉奥へと消えていく。
「ごく、んくっ…ぇ、ほっ、あっ、んんぅぅっ、んくっ…んくっ」
エヅイてでも喉を鳴らす。一滴だって漏らしたくない。
喉に張り付き、流れ落ちていく感覚でさえ気持ちがいい。
ごくり、ごくりと、白濁液を飲み込んで、食欲と性欲にお腹が満たされていく。
果実の潰れた触手が口から引き抜かれる。
口元から溢れた白濁液を惜しむように、白く汚れた舌先が追いかけてしまう。
ペロリと舐め、ゴクリと最後の雫を飲み干して、僕は深い深い溜め息を吐いた。
身体がふわふわする。心が幸せだった。
気持ちがいい。全身が気持ちよくって幸せで、自分が置かれている状況でさえ忘れていた。
何かしていたはずで、何しなくちゃいけないのに。
でも、僕はどうしてこんな所に居るの?
ああ、でも、ここはこんなに気持ちがいい。
気持ちがいいなら、もうなんだって良いじゃない。
見上げた花弁の隙間から、洞窟の天井が見える。
覗いた月明かりに照らされて、一瞬だけ呼び起こされた野生の勘みたいなものが、頭の片隅で警笛を鳴らしていた。
そうだ…。早く、ここから出ないといけないんだった。
起き上がろうとして、でもダメで。腕を伸ばそうにも巻き付いた触手は離してくれない。そんな事をしている内に、身体の疼きは強くなると、いつしか逃げることさえも忘れて、僕はもっと、気持ち良くして欲しいとさえ願ってしまう。
ああ、洞窟の天井が狭くなっていく。
眠りの前。瞼が落ちる様にゆっくりと、意識を手放すみたいに花弁が閉じていく。
いや、だめ、たすけて、だれか…。
本能的な恐怖が実を結び、快感に染まっていた身体に絶望を呼び起こしていた。
「あ、とれ、や…くん? にげ…ぃゃ、たすけ、たすけてよ…ぼく」
ふと口から出た名前。心を奮い立たせる音階も、唱えた先から形を無くしていく。
言っちゃダメなのに、縋っちゃいけないのに。彼が無事なら僕はそれでいい。それでいいのに、その顔を思い浮かべてしまう。好きだった男の子の顔を、最後の瞬間くらい思い出したくって。
その時だった。
ごぉっと、聞き慣れない音がしたのは。
チリチリと、メラメラと、甘い匂い掻き消すほどの焦げ臭い匂さが立ち込めた後、閉じた花弁の一部が ごっそりと焼け落ちた。
赤い炎が舌を伸ばすように花の内側へ入ってくる。
白い花びらが黒く染まって崩れだす中。広がった穴の向こうから、ぐっと腕が伸ばされた。
「ハナっ! こっちにっ、手をっ!!」
「へ…とれ、や…くん? あっ、トレヤくんっ!!」
その声にハッとさせられる。
大好きな男の子の名前を口にして、快楽に溶けていた頭がハッキリと理性を取り戻していた。
彼に手を伸ばし、彼に手を掴まれて、その腕の中に抱きしめられる。
「逃げるよっ! 早くっ!!」
「うん…。でも、まって、僕…からだ。あっ…動けなくって、君は先に」
花の中から引きずり出され、トレヤくんに支えられながらも、地面に崩れ落ちてしまう。
快感に緩みきった身体は、生まれたての子鹿よりも酷い有様だった。
文字通りの足手まとい。彼の身体に捕まりながらも、震える足は立つことさえもままならない。
「バカっ! 置いてけるかよっ。急がないと、この辺ヤバいんだって」
「ヤバいって、え?」
気づけば燃えていた。
何がという訳じゃない。
何でもかんでもだ。
この洞窟に根を張っていた、あの白い花の全てが燃えている。
「これ、全部…トレヤくんが、やったの?」
「良いからっ、話は後っ。力入んないなら俺に掴まっててよ!」
「あ、ちょっ…きゃっ!!」
どこにそんな力があったんだろう。
抱かれたその腕は、記憶の中のトレヤくんと代わりはないのに、僕を抱き上げる力は強く、抱きしめられていると、どうにも安心してしまう。
たんたんと、燃え盛る洞窟の中を駆け抜けていく。
それ、僕の仕事だったのになって。思いながらも、ただ、腕の中で揺すられている。それはまるで、揺り籠に抱かれているような心地で、疲れ切っていた僕の身体は、ついウトウトと、彼の腕の中で力を無くしていった。