※この作品はR-18です。

ケモミミの女の子+異種姦ときどき おねショタ   作:霧里

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その後

あの後、僕が目覚めたのはベットの上だった。

 

「もう3日か…」

 

長いような、短いような。

 

2日は寝込んで目が覚めて、動けるようになるまでもう一日。

 

この日、僕はあの洞窟にまで足を運んでいた。

 

そこにはあったのは、灰と、燃えかすと、それだけで。

砂糖が焼け焦げた後の様な匂いの中、かすかに漂っていたのは、彼の魔力の残り香だった。

 

魔法使いみたいだったなって。

目が覚めたその日。僕を助けてくれた彼の事をそんな風に思い返していた。

 

なんとなくだ。

 

いつの間にか成長していた彼の事が誇らしく、でも、僕の知らない彼の後ろ姿が、どうしてか面白くない。

 

「ふーん。いつの間に、変なこと覚えちゃって…」

 

でも、それにしたってやっぱり燃えすぎに思う。

 

そりゃトレヤくんが魔法の大天才だった、なんて話もあるかも知れないけど。

 

「あ、そう言えば…」と思い出したのは、あの花の蜜が肌に触れた時、アルコールみたいな感じがした事だった。トレヤくんもやけに慌ててたし、火をつけたまでは良いものの、思った以上に燃え広がちゃったのかもしれない。

 

「ふふっ…」

 

ちょっとのドジ。無茶をするようにはなったけど、そういう所は まだまだ可愛く思う。

 

助けられちゃった。

 

お姉さん風なんか吹かせておきながら、あんなかっこよく助けられちゃうと立場がない。恥ずかしい所も一杯見せちゃったし、これから一体どんな顔をして彼に会ったら良いもんか。

 

少しだけ、大人になっていた彼の姿を思い出すと、胸がドキドキと高鳴ってしまう。

 

ぜんぜん分かんなかった。まるで気づかなかった。

いつも見ているつもりになって、ずっと子供なんだと、何も見えてはいなかった。

 

そりゃ、嫌がるよね。

 

何をしてみせても子供扱いされたんじゃ、きっと僕だって拗ねてしまうだろう。

 

次に会ったらなんて言おう?

 

ありがとう? ごめんなさい?

 

それも素直に言えるかどうか。

 

「あははっ…。なんかもう、トレヤくんの事笑えないや」

 

今だって考えてしまう。ふとした瞬間にトレヤくんの事を思い浮かべて、それで、その度、僕の顔は熱くなってしまうんだ。

 

 

ー

 

森から帰ったトレヤくんは、しこたま怒られた後、しばらく家から出られなくなっていた。

 

心配するお姉さんの気持ちもまぁ、分かる。僕だって、あんな事がなければ、きっと同じ様にしてたかも知れない。

 

でも今は、そんな事よりも彼の顔が見たかった。

 

邪な理由、だなんて思いたくはないけれど。

でもやっぱり、勢いでしてしまった口約束が気にならない筈がない。

 

「続きって…別にそう言うんじゃ」

 

だって、アレは、花の匂いでおかしくなってただけで、二人でちょっとエッチな事もしてしまったけれど、あんなの別に怪我の治療してたみたいなもので、絶対ノーカンだと思うし。

 

少しすれば、落ち着くだろうと思っていたのに。

日が立つ程、彼のことが恋しくてしょうがなくなっていた。

 

「続き…続きかぁ」

 

枕を抱いて、ベットの上をごろごろ転がり、自分の身体をもて余す。

 

あんな風に言われて、断れる男の子ってどれだけいるんだろう?

 

いくら、あの匂いでおかしくされていたからって。それでも僕の手の中には、彼の感触が残っていたし、肌に出来た火傷よりも熱く、精液の熱がくすぶっている気さえする。

 

まだ、匂いが抜けきってないんだろうか?

 

彼の事を考えていると、お股が疼いてしょうがない。

 

トレヤくんが部屋に閉じ込められたのは、ある意味では良かった。

そうじゃなければ、次の瞬間にでも彼を押し倒そうとする自分と戦わないといけない所だった。

 

エッチしたい。僕の方こそ、あの続きをして欲しい。

 

思えば思うほど、彼の事が恋しくなり、思えば思うほど、今までの自分が分からなくなる。

 

どうやって? どんな風に? どんな事を?

どんな顔で彼と会って、何を話していたんだろう?

 

「いや、だめでしょ。だって、トレヤくんは…」

 

近所に住む年下の男の子で、それこそ弟みたいなもので。

好きだけど、そういうんじゃなかったはずで。そりゃ、気になってなかったと言えば嘘だけど。

 

でも、嬉しかったんだ。

 

僕の事を魔法使いみたいに助けてくれて。

抱えられた腕の中が、あんなに頼もしくなっていて。知らない内に成長していた彼の姿に、ドキっとさせられてしまっていた。

 

自分の部屋の窓から、彼の家の方を覗き見る。

 

「うっ…。どうしよ、また僕」

 

エッチな事を考えて、エッチな気分になって、エッチな事をされたくなって、逸る心を慰めようと、女の子の部分に指が伸びかけたその時だった。

 

足音が聞こえる。

 

聞き馴染んだ足音が僕の家の前で立ち止まると、遠慮がちに扉を叩いていた。

 

 

ー

 

「ごめん、ハナっ。俺が勝手なことしたから、あんな目に会って…」

 

扉を開けた先にいたのは案の定トレヤくんだった。

 

謹慎が解かれた後、彼のお姉さんに「謝ってこい」と家を叩き出されたらしく、僕の事を見つけ途端、真っ先に頭を下げてくる。

 

「ごめん」と、最近の彼にしては素直で驚く反面。それは少し前までの、幼かった頃の面影にも重なって見えた。

 

「もういいって、僕も助けて貰ったし」

「でも、それは」

 

そんな風な繰り返し。

 

自分のしでかした事で僕まで巻き込んで、今回は たまたま運が良かっただけ。一歩間違っていれば、お互いどうなっていたかも分からない。

 

自分が許せないんだろう。気持ちはわかる。

 

次に会ったらお説教からだねって思っていれば。人伝に聞いても分かるくらいに、お姉さんに怒られまくったトレヤくんの姿が目に浮かんでいた。

 

憎まれ役を代わってくれた…。でもないんだろうけど、結果的にはそう。

むしろ、僕が許してあげないと、彼はずっと自分を責め続けてしまいそうだった。

 

別に、彼の事を楽にしてあげたかったんじゃない。僕が楽になりたかっただけ。これから先会う度に、僕への後ろめたさが ちらついたんじゃ敵わない。

 

今こそ練習の成果を見せる時だった。

 

「ありがとう、助けてくれて。それと、ごめんね」

「なんで、ハナが謝るのさ?悪いのは…」

「トレヤくんだって成長してたのに、ずっと子供扱いしちゃってた」

「それはいいんだ。いやだったけど…ハナが心配してたのも分かるから」

「そっかぁ…。大人になったんだねぇ」

「それをやめろよ。いったそばからさぁっ」

「えー。君がいいって言ったのにぃ」

 

しみじみと、トレヤくんの頭に手をおいて、髪をくしゃりと撫で付ける。

少し嫌がるように頭を逃しながらも、つられて彼の肩からも力が抜けていった。

 

ああ、そうだ、こんな風だった。

 

くすくすと僕が笑って、ふんっとトレヤくんが鼻を鳴らす。

そんな風にじゃれ合って、それがまるで、挨拶みたいにいつも繰り返していた。

 

それからはいつも通りだった。

 

「魔法なんていつ覚えたの?」

 

なんて、当たり前の疑問をようやく口にできた気さえする。

 

とりとめのない話だ。

 

寝込んでいて退屈だったとか。部屋に閉じ込められて暇だったとか。

洞窟の焼け跡を見に行ったこととか、お姉さんに怒られたのを僕のせいにされてみたり。

 

話してる内に、トレヤくんも調子を取り戻し「ごめん」と謝ることも無くなっていた。

 

だからだろう。ついというか、物の弾みで口にしてしまったのは。

言わなければよかったのに。これは多分、僕の胸の内で有耶無耶にしておくべき話だったのに。

 

「ねぇ、約束って…覚えてる?」

「…うん」

 

何とは言わないけれど。それで話の内容を察したトレヤくんは、顔を真っ赤にして俯いてしまった。

 

「…」「…」

 

覚えてはいる。だけど、うんともすんとも返らない返事に沈黙が重なり、ギクシャクとした空気が流れ出した。

 

どうしよう?

 

言ってしまった手前、僕がどうにかしないといけないんだけど。

 

でも、どうしよう?

 

ほんと、どうしよう?

 

トレヤくんから求めてくれれば話は簡単だったのに。

いや、会った早々「ごめん」よりも「続き」を言われたら流石に僕も怒ったかも知れないが。

 

約束の話をした途端に、ぎこちなくなった彼の仕草は、忘れていたと言うよりも、気にしないように努めていたというような塩梅だった。

 

あの時は、あの匂いに どうしようもなくなっていただけ。

いざ正気に戻ってみると、なんとも夢のような一時で、そのまま夢にしてしまうのがきっと正しかった。

 

でも、それは無理だ。無理になっちゃった。

 

あの時の強烈な快感は、もとから合った彼への好意に火をつけてしまうには十分で。多分それは、トレヤくんからしても同じだったんだと思いたい。

 

「お部屋、行こう、か…?」

 

恥ずかしい。お部屋に行って何をするんだって、それは何かしたいんだけど。遠回しなお誘いを口にするだけでも、顔から火が出そうだった。

 

「…うん」と、トレヤくんが小さく頷いて、部屋に向かう僕の後を、ちょこちょこと着いてくるのにすら、身悶えそうな衝動が湧き上がる。

 

あ、好き。

 

トレヤくんの事が好き。

 

控えめに言ってエッチがしたい。

 

今はもう。彼の事以外を考えるのが無理だった。

 

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