「まあ、またこれほどに。我が王の精力を鑑みると、よくぞこれまでお一人の手仕事で我慢をなさっていたことです。お命じいただければ、私がいつでもお手伝い差し上げたのですが」
「人格の善性と賢さだな。どうあっても女を無理やり犯すのは善性が許さぬだろうし、流れに身を任せれば後が怖い。しかしそれにしても恐れ入る。よくぞ寝床に忍び込む女どもに手を出さず過ごしてこれた。正に鉄の自制心だな」
単純にそういう度胸がなかったという見方もあるが、そこは黙っておいた。
「ふふん、まあとはいえだ。さすがに一回射精すると男は冷静に戻るものだ。いきなりさあぶち込めと言われても、勃たないものはしようがない。
お互いの興が醒めない程度にゆったりしようじゃないか」
さすがに生前は男であったかもしれないダ・ヴィンチは男の生態をよく判っている。
下着を男のような簡潔な手つきでぱっと外し、シェヘラザードを促して立香を囲む。
「さあ、おっぱいで窒息させてあげよう。苦しかったらどれかの乳首を含んで吸いたまえ。癒し殺してあげよう」
ダ・ヴィンチが自身の谷間に立香の頭を抱き込み、シェヘラザードも同じように逃げ場を塞ぐ。
頭部をすっぽりと魅惑の渓谷に収められてしまった立香の、むせかえるような女の淫らな体臭に、脳が蕩けた。
「そおら、ぱふぱふ、ぱふぱふ。全国の少年たちがドット越しに想像した夢の時間だぞ?
それも二人分だ。存分に味わいたまえ」
「あっ、我が王、もう吸われますか? ええ、遠慮なさらず、どうかご存分に」
柔らかく、すべすべとした極上の人肌の感触が、頬に額に鼻に瞼にある。目隠しでゲームをするように、違う感触を求めて顔を滑らせ、その感触を見つけると口に含んで吸う。
女から官能を引き出す舌使いではない。赤子が母から母乳を求めるような、幼子が母性を要するような、稚拙な吸い付きである。
「あ・・・・・・あ、あ」
乳首から伝わる刺激は、立香がアルトリア・オルタや荊軻から受けたものとは比べるべくもない。吸い付きの間隔も一定で、気持ちいいというよりもくすぐったいに近い感覚である。
だが、それが胸の奥を疼かせる。
いつも精一杯に背伸びをして、健気に頑張っている立香が幼子に戻ったように甘えている。その事実が甘く胸を疼かせて、このまま抱き締めて食い殺してしまいたくなる。
「う~ん、目の前で他の女のものばかりに夢中になられるとさすがに妬けるなあ。こっちも吸ってみないかい? 甘いかもしれないぜ?」
立香の思考は働いていない。色香に蕩けて、そんなものはどこかに流れてしまった。
言われるままに口を離し、顔を動かしてダ・ヴィンチの乳首も吸った。
「お! おお、これは発見だ。私にも母性というのがあったのか。いいよ、立香くん。もっと強く吸っても痛くない。いや、寧ろ君に吸ってもらえるなら多少痛いくらいでもいいかもしれないなあ。
これから行き詰ったら君を工房に招いて、ちょっとばかりおっぱいを吸ってもらおうか。ああ、捗る捗る。頭の中でいろんなアイデアが愛情と一緒にスパークする。欲情するなあ。このまま持って帰りたいよ」
喜ばれると、立香も嬉しい。夢中になって吸った。
「・・・・・・あの、我が王。味比べなどなさっては如何でしょう。硬さも大きさも、おそらく違いましょう。よりお口にあうものを競われては」
シェヘラザードも、なにやら寂しい気持ちになった。
立香は言われるままに、求められるままに乳首を吸うが、片方を吸って少しするともう片方からお呼びがかかる。
面倒になって、二人の腰を抱いてぐっと近寄せ、乳首の先端を突き合わせて、二つとも同時に口に含んだ。
「うはあ! こいつは、思ったより強烈だな。あのマスターがこんな強欲になるのか。ああ、供物になるというのはなかなか甘美だ。これはハーレムで満足するのはちょっと厳しいなあ。ちゃんと向き合ってお互いの心と体を存分に貪り尽くしたいよ」
「ああ、我が王、貴方に私を捧げられるこの幸運を愛しく思います。眠れぬ夜はいつでも私をお呼びください。この陶酔に私の咄が加われば、どんな夜も越えられます」
夢寐に迷うような調子で、二人はこの一夜限りという前提を壊しに掛かる。
が、それを咎める者は一人も居ない。正にこの夜が百年も続けよという気持ちになってしまっているのだ。
それは、アルトリア・オルタとて例外ではない。
焦れたようにぺちりと立香の太股を平手で張って、
「膝立ちになれ。乳はそのまま吸っていろ」
言われた通りの姿勢になると、アルトリア・オルタは膝立ちで立香に背を向け、手をついた。
「女に気を遣いながら腰を振るのもしんどかろう。次はなにも気にするな。ただ腰を振っていればよい」
ドレスを捲り、膣口を指で開いて腰を突き出した。
ぞんざいな手つきと口調だが、開いた膣口から愛液が一筋垂れて落ちた。太股も薄明かりにてらてらと光っているから、乗り気でないということではない。
思わず生唾を飲み込んで、乳首を吸うのも忘れてアルトリア・オルタの腰を掴み、この夜初めて、なんの遠慮も躊躇もなく自分の肉棒を埋めた。
「んん! ぐ、ふっ、ふ、ふ、んは、ふ、太い、な。生意気な存在感だ・・・・・・」
確かに、小柄なアルトリア・オルタの膣のサイズから言えば大きいだろう。
しかし抵抗らしい抵抗もなく、膣はずぷりと差し込まれた肉棒を飲み込む。立香の指で一度絶頂して以来、放っておかれた反動だろう。甘えるように、膣は立香の肉棒を締めつける。
「うう、き、きつい、ああ、ダメ、オルタ、そんなに締めちゃ」
「し、仕方がない。だいいち、貴様なにを怯んでいる。好きに腰を振れと言ったろう。わ、私に気を遣うな」
ただでさえ気苦労の多い立場の立香である。情交の時くらい、好き勝手にさせてやりたいというアルトリア・オルタの気遣いであった。
だがどうにも、性分なのだろう。
このサイズ感では受け入れている本人は呼吸さえもつらいのではないかと考えて、最奥まで辿り着いたところで様子を窺う。
荒い呼吸ではあるが、肩は動いている。背中に汗が浮かんでいて、なんだかひどく気の毒に感じられた。
「大丈夫?」
「耳がないのか、貴様。気にするなと言ったろう」
怒ったような答えが返ってくる。
元来が負けず嫌いだから、自分の言を覆されるのは好きではない。誤りを正すことはあるが、出来ると言ったことを気遣われるのを好まない。
だが、立香からすれば、自分よりも小柄で、剣士らしく筋肉がついているといっても出力の大半を魔力で補っているから華奢な部類で、そんな少女が男の獣欲のままに嬲られて苦しくないわけがない。
況してや生真面目なアルトリアの系列である。なにか、まったく別方向にそれが作用して意地になっていることもあり得る。
アルトリア・オルタの体に負担を掛けないよう、小刻みに揺すって反応を窺う。
すると、それが伝わったのだろう。
きっ、と眉を寄せた怒り顔で振り返った。
「立香、貴様の優しさは女を傷つける。覚えておくがいい。気遣いは人を癒すだけではない。時に大きく傷つける。貴様はいま、私の矜持を踏みにじった」
その表情が、あまりにも悲痛であったから、立香も気遣いを捨てた。
「いいんだね、オルタ?」
「ふ、言われてすぐ直すところが貴様の美点だ」
覚悟を決めて、立香は腰を振った。
「ふぐっ!」
圧迫感と勢いで、アルトリア・オルタから思わず声と呼気が漏れた。
そのままぱんぱん、と腰と尻がぶつかる音が響く。
「く、うう!」
実は、立香にも余裕がない。
アルトリア・オルタの膣は立香の肉棒をぎりぎり飲み込むという最適のサイズ感で、尚且つ、襞と膣壁に高さがあって、凹凸を感じられる。
柔らかい肉の襞が不規則な間隔で肉棒を包み、それらが呼吸や刺激に反応して収縮し、甘く締め付ける。それを自分の好きなタイミングと速度の前後運動で擦り付けるのだ。
脳が快楽を感じるよりも、肉棒と睾丸自体がその快楽に悲鳴を上げ、勝手に鈴口から精子を多量に混ぜたカウパー腺液を垂れ流す。
初めての感覚である。
気持ちいい、と頭で感じるよりも先に体がそれを訴えている。丹田に力を込め、歯を食いしばっていなければとっくに放っていた。
「んっ、くっ、ふ、ふっ、は、はっ、あっ」
アルトリア・オルタも、主人に身を捧げる心地でこの抽送に身を任せているが、かといって苦痛や衝撃に耐えているだけではない。
男の身勝手な前後運動では、女は寧ろその激しさに苦痛を伴うことが多い。アルトリア・オルタも例外ではなく、この激しさはどちらかというと痛みに近い。
が、あの立香がそれをやっていると思えば、優越感と嬉しさが勝る。そういう気持ちは体から徐々にだが快楽を引き出していく。
苦痛と快楽が紙一重で同居する、不思議な感覚だった。
「うああっ、もうダメ! だすよ、オルタ!」
伺うのではない。宣言している。膣も子宮も自分のものだという、無言の占有権の主張が込められていた。
そう感じ取ると、アルトリア・オルタとしてはさっきまで感じていた優越感も、夢中で貪られる嬉しさも極まって、寝台についた手を立香に伸ばし、手を握って、
「ああ、出せ! 射精しろ! ただし一番奥だ! 子宮口もこじ開けて、一滴も漏れぬほど奥に出せ! 私の体の一番奥まで、貴様の精液をたらふく注げ!」
爆ぜるように、亀頭が震えた。
立香はアルトリア・オルタの両手を掴んで、馬を乗るような手つきで体を持ち上げ、最も深くまで差し込んで射精した。
言葉の通り、降りてきた子宮口に鈴口を押し付けて、その狭い入口を割って入るように精液を射出した。
この夜、もう四度目の射精というのに、粘っこい感触がアルトリア・オルタの腹の奥で踊っている。
未知の感覚。触れることはおろか、人体の生理運動でしか感覚で捉えることもなかった子宮の内部に、無遠慮に侵入して蹂躙してくる精子の群れ。なにかを失った感覚があるが、それ以上に、腹を満たされたという満足感もある。
法悦ではないが、それと引き換えに出来るほどの満足感。アルトリア・オルタは法悦で硬直した立香の手から身を離すと、寝台にどさりと崩れ落ち、腹を撫でた。
「ふ、ふふ、満腹には遠いが、好い感覚だ・・・・・・。なるほど、これが」
女の幸せというやつか、と口元を吊り上げた。
そんな、あまりにいつも通りで、あまりに似合いすぎる笑みを零すアルトリア・オルタを見下ろすと、射精したばかりの肉棒がその征服感に甘く蠢動した。