「ほほう、なかなかな手並みだ。君もやっぱり男の子だねえ」
傍らのダ・ヴィンチが立香の汗を拭いてやる。
本当に軽くだけ拭き終わると、待ちきれない様子で手を引いて寝台から下ろし、部屋の隅に案内した。
「さあ、横になりたまえ。うつ伏せでね」
部屋の隅には、おそらくダ・ヴィンチが持ち込んだのであろう怪しげな道具が並んでいる。膏薬も強壮剤も、並べられた道具の一部に違いないが、ひときわ大きなものがある。
台だ。
それも磔台のように四肢と胴体を固定する形状で、見るからにおぞましい。
「あの、ダ・ヴィンチちゃん?」
拷問器具の類でないことは、造り主とこの夜の趣旨を考えれば判るが、でなければこんな恐ろしい形状の道具をなにに使うか想像もつかない。
「ふふ、私と荊軻くんを後に回したんだ。使うかどうか迷っていたんだが、興奮の醒め方も忘れた私たちを悦ばせるには、君にもそれなりに鳴いてもらわないといけない」
膝カックンをされた。
崩れ落ち、台の上に身を投げ出され、意を含まれていたのだろう荊軻が素早く腕を拘束した。
「ちょ、ちょっと!」
「ああ、もうちょっと上にずり上がって。そうそう。穴があるだろう? そこからオチンチンを出したまえ」
ふにふにと、立香の尻を撫でながら、いつもの調子で指示を出す。
慣れというものはおそろしい。反射的に言う通りに体を動かしてしまう。
「よしよし。さあ完成」
台は、寝心地を考えてか意外にも綿を敷いていて柔らかい。拘束している手枷は鎖で繋がった革製のもので、別に痛くない。鎖も純粋な鉄製ではないらしく、しかも長さに余裕があるから不自由さはあまりない。
とはいえ、拘束は拘束である。手は脇腹より下に持っていけず、胴体に触れもしない。しかも自由になっている足はダ・ヴィンチが持って、がば、と開かれている。
「うんうん、綺麗なお尻だねえ。窄まりが可愛くヒクヒクしているよ。君はよくシャワー上がりの私を無防備だと責めるが、こんな可愛いお尻を野暮ったい服の中に隠すなんて、君は無粋だなあ。
衣装もいろいろ持ってきていてよかった。着せるのが楽しみだよ」
嫌な予感に顔を向けて道具の群れを見ようとするが、それどころではなくなった。
「んれろぉん」
ぬめりとした質感が、尻穴を撫でた。
「ふふふ、これは素質のありそうなアナルだねえ。一舐めしただけで随分反応が好い」
立香の足を磔台の側面で拘束して閉じさせないようにして、ダ・ヴィンチは尻に顔を埋めて舐めた。
「れるれるれる、んふ、れられろ、へあ、れろれろ」
舌の腹で何度も往復し、その度に、感じたことのない官能が立香の全身を巡る。
くすぐったいに似ているが、それだけではない。快楽とも僅かに違うようだが、とにかく、もっと続けてほしいという欲求が生まれてくる。
だが、そこには耐え難い羞恥がある。思わず、
「や、やめて、ダ・ヴィンチちゃん。そこ、汚いから、ぁ」
「れるれる、いやいや、大丈夫さ。君の体に汚いところなんてないぜ? ちょっと汗で蒸れてしょっぱいくらいさ」
まるで気にした様子もなく、ダ・ヴィンチは肛門への舌愛撫をやめてくれない。
何度も舐め上げ、口を窄めて舌先を突き出して、閉じた菊門をつつく。自然と綻んだ肛門は涎をたっぷりとまぶした舌の先端を受け入れ、ほんの少しだけ、体内へ舌が侵入した。
「んああ・・・・・・」
悩ましい声が立香の喉から漏れる。
思わずごくりと、事の成り行きを見守っていた四人が唾を呑んだ。
「好い反応だ。君は本当に素質があるな。もっと可愛がってあげたいが、今回の趣旨はこっちじゃない。今回はね、君に悲鳴をあげてもらおうというところだ」
すっと、ダ・ヴィンチの両手が立香の性器に伸びる。
肉棒にまとわりついたアルトリア・オルタの愛液と尿道から漏れ出した精液の残りがローションの代わりである。
ダ・ヴィンチはそれを両手と指に絡めて、イソギンチャクのように肉棒を包むと、一気にしごいた。
「やあああ!」
立香から悲鳴が漏れる。
亀頭も裏筋も鈴口も、敏感な場所を漏れなく抑えた激しい手コキである。それを、射精直後の敏感な時にやられれば、男なら誰でも悲鳴が漏れる。
「愛らしいねえ。まだまだ序の口さ」
ダ・ヴィンチは尻を舐めながら容赦しない。
そぎ落としそうなほどの激しさで手と指を滑らせ、搾り出すような手つきで立香を責める。
射精や絶頂を引き出す目的ではない。だから優しさは僅かだけ。ダ・ヴィンチは立香の悲鳴が聞きたいだけだ。だから終わりなど、図りようもない。ダ・ヴィンチが満足するまで、この脳髄を焼くような快楽は続けられる。
「いや、やああ! ひゃ、ひゃめて! ああああああ!」
舌など回らない。悲鳴を恥ずかしいと感じる余裕さえなく、立香は叫んだ。
「やめてほしいかい、マスター?」
「やめて! 許してぇ!」
「じゃあ声を我慢して反応をなくすんだ。その可愛い声が響く限り、私は止めないよ。だって止めさせてやりたいと誰も思わないからねえ。
みんな聞いているよ。身動ぎ一つしないでじっと耳を傾けているよ。君の、可愛い可愛い悲鳴をね」
左手が亀頭を包み、すりつぶすように蠢く。
「あひいいい!」
男にしか判るまい。
強すぎる快楽に脳を焼き尽くされるような感覚。ダ・ヴィンチは全て知っている。知っていて与えてくるのだ。
立香は身を捩らせてなんとかこの快感から逃れようとするが、手足は拘束されて鎖が鳴るだけ。肉棒は穴から顔を出していてしかも握られている。逃れられるわけがない。
「イグゥ、イグ! イグイグ!」
「イクかい? イキそうかい? でもまだイケないよ。なにか出そうならそれは」
言い終わらぬうち、肉棒から透明な液体が大量に噴き出した。
断続的に、大量に、あまり粘度のない透明な液体が水たまりを作るほど噴出された。
潮吹きである。
立香の体は拘束台の上で何度も跳ねた。全身を突っ張って搾られるままに潮を吹き、全て出し尽くしてもダ・ヴィンチは念入りに亀頭をこね回して搾り取る。
「ふふ、味はしないね」
手と指にべったりと付着した潮をぺろりと舐める。
立香は放心状態である。
人生でこれほどの快感を味わったことはない。絶頂や官能の向こう側を覗いたような、そんな感覚だった。
「さて、ぐったりしているうちに支度をしようか。みんな、手伝って」
手枷と足枷を外し、首の据わらぬ赤子のように脱力した立香の体を持ち上げて、仰向けに寝かせる。
「ダ・ヴィンチ、どれを着せる?」
荊軻が道具類の中から衣服を掴む。
「ああ。水着がいい。他は少し露出が少ないし、デザインも差異がないからね」
立香の耳に、やり取りは入らない。忘我というより、半分気を失っている。なされるがままに着替えを終えさせられ、
「さあ、あれだけ出したんだ。喉が乾いたろう? 飲みたまえ」
上体を持ち上げられ、口元にコップをあてがわれ、言われるままにそれを飲む。ダ・ヴィンチ特性の栄養剤だ。
やがて、立香は正気に戻る。
戻って、驚いた。
「ふえ!?」
拘束は解かれている。いや、腹をベルトで拘束されているから、完全に解放されたわけではない。
五人が拘束台に寝かされた立香を囲み、見下ろしている。
だが驚いたのはそこではなく、立香の身に纏った衣装だった。
「ほう、これはこれで悪くないものだ」
アルトリア・オルタが呟く。
立香が身に纏うのは女性用の水着。白地に赤いボーダー。両の乳房を隠すビキニを首から下げた輪が通って吊っている。下は無論ハイレッグ。鋭角に切り込んだ三角の頂点から、僅かに萎えた肉棒の先端が覗いている。
「倒錯的ですね」
「なんと胸の躍る光景でしょう。王はなにを召されてもお似合いになる」
かあ、と立香の頬が赤くなる。
「ちょ、ちょっとなんですかこれ! こんな!」
水着のブラ紐は背中で止められているから、寝た姿勢では外せない。腹が止められているから、両手が自由でも脱げないのだ。
じたばたと暴れる立香を満足気に見下ろして、ダ・ヴィンチは言った。
「マスター、君に女の子の快楽を教えてあげよう」
言うなり、胸に手が這った。
両脇に立ったシェヘラザードとランサー・アルトリアが水着越しに立香の胸を揉む。膨らんだ乳房を愛撫するような手つきで、立香の平坦な胸を撫でる。
「ああ、水着越しにぴん、と尖った乳首が判りますよ、我が王」
「なるほど、これは愛らしいものですね。ダ・ヴィンチにわざと外すように言われています。もどかしいでしょうが、少し我慢ですよ、主」
甘いため息の漏れそうな、優しい愛撫。
だが本当に女のように扱われるのは羞恥心が耐えられない。抵抗しようと手で隠そうとするが、
「いい格好だ。そら、邪魔をするな」
アルトリア・オルタが両手を拘束した。
一方、下半身はというと、
「そうそう、痛くない程度にね。いい感じだよ」
「ふふ、玉が水着からはみ出ている。不格好なのだが、何故こうも胸がときめくのか」
「それはまあそうだろうね。なにせ我らが愛しのマスターだ。どんな姿でもときめくに決まっているよ」
荊軻が足を持ち上げて、ダ・ヴィンチが股間に触れる。
「お尻を舐めた時、反応がよかったからね。君には素質がある。そこそこ解れているだろうし、早速始めようか」
水着の尻の部分だけをずらし、ローションでたっぷり指を濡らして、
「ひっ!」
「ああ、怖がらないで。力を抜いて深呼吸して。なんなら目を閉じて、胸の心地よさだけを感じていればいい。どうしても怖いなら、もう少しアナルを解そう」
にゅるにゅると、菊門をなぞる指の感触。
窄まりを指が上下するたび、ちゅ、と僅かに指の腹を肛門が吸い付く。指に塗布されたローションがナメクジの這った跡のように伸び、それを菊門がひくひくと蠢いて飲み込んでいく。
充分に解れた反応だが、立香には抵抗感がある。だが、それとは別に、もっと触って欲しいという欲求もあった。
「そう、深呼吸。二人とも、そろそろマスターの大好きな乳首をイジメてあげて」
水着越しにシェラザードとランサー・アルトリアが乳首を摘まむ。
「んあっ」
思わず漏れる甘い声に合わせて、ダ・ヴィンチが立香のアナルに指を差し込んだ。
「あう・・・・・・」
まったく抵抗感なくぬぷりとダ・ヴィンチの人差し指の第一関節まで飲み込んだ。立香には感触で判る。括約筋で締め付けるダ・ヴィンチの指の感触が。
「ぬぷぬぷ飲み込んでいったよ、マスター。落ち着いて。まだ人差し指が一本入っただけだし、これ以上挿れるつもりはないからね。さあ、深呼吸」
座薬を入れる時以外に味わったことのない挿入感に、平静でない精神を落ち着けるために、ダ・ヴィンチは指を動かさない。この感覚を馴染ませ、慣れさせるのだ。事実に抵抗感がなくなれば、快楽を引き出すことも出来る。
「うう・・・・・・」
漏れるのは甘い吐息。
自身の慰みで開発された乳首による甘い快感が、尻の挿入感を和らげる。シェヘラザードとランサー・アルトリアは入念に乳首を愛撫する。摘まんできゅきゅと乳首を扱き、指を押し当てて転がし、爪先で優しく弾く。
体が跳ねるほどの快感。同時に感じるのは、睾丸の奥、ダ・ヴィンチの指先のぎりぎりにある場所への疼き。
立香には、そこがなんなのか判らない。だが確実に乳首を愛撫されるたび、疼いている。ダ・ヴィンチには想像がつくが、そこはまだ早い。もっと疼きを蓄積させてからでなくてはいけない。
「さあ、指をゆっくり動かしていくよ。気持ち良かったら声を我慢しないようにね。君がお尻と乳首を愛されて漏らす喘ぎ声は、ここのみんなが聞きたがっているものだ。遠慮しないでいいよ」
ゆっくりと差し込んだ指を出し入れする。
「ああっ!」
立香の喉から大きな声が漏れるが、果たしてそれは快感のためなのか。
戸惑いが大きい。勝手に膝や太股が震え、遅れて腹の奥からじんわりと広がっていく甘い感触。未だ快楽にまで昇華されていないその甘い感覚は、乳首を愛撫と同化して脳を蕩かせていく。
「うあ、ああ、あ、ああ・・・・・・」
肛門括約筋に感じる摩擦。ローションで充分な潤滑を得た指と括約筋の丁度良い摩擦が内臓を弄ばれる被虐心を煽る。
「ふ、恥ずかしい姿だ。だがそれも、我々の独占するものだと思えば胸も弾む」
頭上で聞こえるアルトリア・オルタの声も、羞恥を煽る。
「コリコリの乳首がとっても指に心地いいですよ、主」
「ええ。もっと開発して差し上げたいです、我が王」
二人が堪え切れず、水着をずらして直接指で愛撫する。
「とろとろの我慢汁がどんどん溢れてくる。ひくひく蠢いて、触ってくれと催促しているが、こちらはお預けか、ダ・ヴィンチ?」
「女の子の快楽だからね、おちんちんはこの後、私と荊軻くんの膣内に入って啼いてもらうさ」
ダ・ヴィンチは立香に気づかれないように、指を入れ替える。人差し指から中指へ。ほんの少し太さの変わった感触はあったが、浸るような快楽の中で気づかない。
「残念だ。さっき舐めてもらったお返しに私も気持ちよくしてやりたかったが」
「じゃあ玉を撫でてあげたらいいよ。優しくね」
「女に玉などあるまいに。男の体とは面白いものだ」
言われた通り、荊軻が陰嚢を撫でる。
指の腹で掬うように、睾丸には触らない程度の優しさで、ゆっくりと何度も。
「さて、そろそろいいかな」
ダ・ヴィンチが中指を根元まで差し込む。元々肛門と直腸は排泄器官だから、そもそも指程度は難なく飲み込むように出来ている。この場合も、別に根元まで飲み込んだからといって、立香に変調はない。
ダ・ヴィンチが指を軽く曲げて、探るように指を動かした。
「こっちかな、いやこっちか。ん? ここか、ここかな?」
指をゆっくりと引き抜きながらとんとんと腸壁を軽く叩く。
「あうっ!」
「お、あったあった。ここだね」
指先に、腸壁越しに豆のような感覚がある。優しく何度もノックすると、立香が体を跳ねさせた。
「乳首を入念に愛撫したからねえ。こことは快楽神経が繋がっているし、ああ、好い具合に疼いていたらしいね」
とん、とん、とん、と一定のリズムで優しく叩いてやる。
括約筋がぎゅうとダ・ヴィンチの指を締め付け、電流でも流されたように立香の体が弾んで声が漏れた。
「とても初めてとは思えないねえ。きっと自分でたくさん乳首をイジメていたから、こっちは開発されるのをずっと待っていたんだろうねえ」
「なに、これぇ!」
前立腺である。
立香も話には聞いていたが、頭の中を快楽で埋め尽くし、視界を時折白く染め上げるこの感覚は当然ながら初めてであった。
女の身の四人には、何事か判らない。
「ふむ、反応が好いのは喜ばしいが、どういう理屈だ、ダ・ヴィンチ」
若干心配そうに、アルトリア・オルタが訊いた。
「前立腺と言って、女の子になれるスイッチさ。これでドライオーガズムを味わうと病みつきになるんだぜ?」
「ドライ? ドイツ語か?」
「いえ、怖い方のアルトリア様。おそらく、乾いた、という意味かと。射精をしない絶頂ですね?」
「さすがシェヘラザードくん。よく知っている。ここと乳首をイジメ続けると、射精しないでイケるのさ」
そんな会話の最中も、愛撫は続いている。
立香は悲鳴をあげながら、この強すぎる快楽から逃れようと、しかしもっと味わいたいと、恐怖と期待の混じった気持ちで体を持て余し、何度も身を捩らせる。
「射精するのとは体力の消耗が違うのでしょうか」
「いや、どっちかというと射精の方が楽だよ。なにせすぐに冷静にもなれる。ただこっちはね、深いんだ。それに射精しないからプロラクチンの分泌が行われず、興奮が冷めない。望むなら連続で絶頂することだって出来るよ」
「そこまでは存じませんでした。つまり我が王に何度でも悦びの高みに至っていただくことが可能なのですね」
「そういうこと。まあ本人は泣き喚くだろうけど、前立腺をイジメる時のコツは、怖いとか嫌だとかいう言葉を口にしない限り、陰湿に執拗にやることだよ」
「あ、はあああ!」
ひと際大きい悲鳴が漏れた。
「まだ絶頂は出来ないみたいだね。まあ無理もない。なにせ未知の快楽だ。きっと怖いんだね。
二人とも、荊軻くんとオルタくんに代わってくれるかい」
言われるままに、四人は位置を変えていく。
「立香くん、シェヘラザードくんとアルトリアくんに抱きついて、甘えてごらん。大丈夫だからね、君はどこにもいったりしないし、どうもならないからね。なにが起きても、なにを見せられても、私たちは君を嫌いになったりしないからね」
荊軻とアルトリア・オルタが交代して乳首を愛撫し、シェヘラザードとランサー・アルトリアは立香の頭を囲んで抱いた。
立香は、不安と恐怖があるのだろう。自由になった両手で夢中でシェヘラザードに抱きついた。
「力抜いて。呼吸と快楽だけ意識して、身を任せて。赤ちゃんになっていいんだよ。いや、寧ろ赤ちゃんになってくれ。四人のママが君をたっぷり可愛がってあげるから。というか、可愛がらせてくれ。私たちのこの昂った庇護欲を発散させるために、君には無理を言っても赤ちゃんに戻ってもらう」
自分の願望ではないのだと思わせることが、羞恥と抵抗から逃れる一番の近道である。ダ・ヴィンチの思惑通り、立香の体から力が抜けた。
「よしよし、いい子だ」
徐々に括約筋の蠢動の間隔が短くなり、指に合わせた一定のリズムで体が跳ねてきた。もうじきである。
「うあああ!」
シェヘラザードにしがみつく腕の力が強くなった。
「よしよし、ママですよ、ママがいますよ。怖くないですからね」
シェヘラザードが頭を撫で、ランサー・アルトリアが背中を叩く。
ちょうどその時、その瞬間が訪れた。
「・・・・・・っ!」
体内に蓄積された快楽が、許容量を超えて爆発したイメージであった。
立香は背を仰け反らせ、びくんびくん、と体を跳ねさせ、呼吸さえ出来ない。頭の中でなにかが弾けたような強烈な快楽に視界までが染まり、数秒、その漂白の瞬間を味わうと、虚脱した。
「っ・・・・・・は、はっ、は、あ、あ・・・・・・」
ようやく呼吸が戻る。女性が絶頂した時と似ている。
(こんな、こんなすごいものを・・・・・・)
女性は絶頂する際に味わっていたのか、と立香は感心するような恐れるような気持ちで、波が引くのを待つ。
「う~ん、可愛いねえ。最高だ。私のも君に貫かれたくてぱくぱくしているよ」
指を抜く。名残を惜しむように締め付ける括約筋が、乳をねだる赤子のようで愛らしい。
「さて、余韻の冷めやらぬ立香くんを運んでくれるかい、みんな」
腰のベルトを解き、ぐんにゃりと脱力した立香を抱えて寝台に運び、枕をあてがって寝かせる。
「い、今のが・・・・・・?」
「そうだよ、ドライオーガズムだ。凄かったろう? でも、喉が乾くくらいで、まだ足りないんじゃないかい?」
そのことを証明するように、ぐっしょりとカウパー腺液で腹を濡らした肉棒が、天井を向いてそそり立ったままひくひくと脈動した。