「さて、そろそろいいか、マスター?」
荊軻が足を持つ。
「え、ちょっと!?」
「長いお預けだったからね。すまないがマスター。加減が出来そうにない。なに、大丈夫さ。君は、泣き叫んでくれればいい」
立香の足を持ち上げて腰を浮かし、そこに自分の腰を落として肉棒を飲み込んだ。
まったく、長かった。
ここまで何度も子宮が疼くほどに愛らしさを見せつけられ、愛撫もし、されもして、ようやく辿り着いたと言って過言でない。
早くこれを飲み込みたかったのだ。これまで何度も、膣口がこの肉棒を欲しがって収縮して疼いたのだ。早く、自分の体で悦ばせてあげたかったのだ。
「こ、こんな格好・・・・・・」
「似合っている。犯される女の気持ちも味わってみるといい」
男が女を強姦するような体勢で、荊軻は立香を犯す。
荊軻の膣は既に、生易しい律動では物足りない。熱く滾った膣はそんな愛らしく慎ましい運動では満足しなくなっている。
この疼きを取り去るには、もっと乱暴に。
「お、おお・・・・・・」
傍らの四人が思わず感心するほど、激しい水音と肌のぶつかる音。
荊軻の膝まで濡らしかねないほどに溢れた愛液が待ちわびた立香の性器と絡み合って、無関係の者にさえ羞恥を煽るほど激しい音を立て、それに負けないほどに腰と腰のぶつかる音が響く。
「う、うは、はは! こんなにビンビンにして、いやらしいな、マスター」
言葉通り、女のように犯されていながら立香の肉棒は硬くそそり立つ。身に受ける屈辱感さえも、今の立香にとっては昂奮を煽る材料にしかならない。
「ああ、いい・・・・・・いいよ、最高だ。ん、んんっ、君の泣き顔は本当にそそる」
ぺろりと、荊軻が嗜虐的に舌なめずりをする。
立香は、ドライオーガズムとこの体勢のためか、目尻に涙が浮かんでいる。強い快楽と激しい抽送に声が漏れ、正に女の子のようだった。
「ふふ、我慢しているのかい? 可愛いな。いつでもぶちまけてくれていいのに、私に気を遣ってくれるのだね」
やはり、荊軻である。
好き勝手に犯しながら、立香への気遣いという余裕は失わない。今宵まで女性と肌を重ねたことのない立香に、女を満足させる持久性は望まない。
女性の性交時の満足感は、絶頂という事実だけに帰依しない。寧ろその過程の方がはるかに重い。即ち、互いが互いの体と心を気遣い、慈しみ、愛し合うという行為そのものである。
故に、荊軻には立香が泣き叫ぶだけでいい。快楽に咽ぶだけでいい。それなのに、立香は荊軻に気を遣って、さっきまで愛虐を受けた尻穴を締めて歯を食いしばり、絶頂の波に耐えている。
ひどく胸を締め付ける、愛しい所作であった。
「ああ、我慢した甲斐がある。私も、イキそうだ・・・・・・!」
荊軻もここまで散々焦らされてきたのである。絶頂までの余裕はかなりなくなっている。
それも、荊軻の好みの律動である。言葉より早く、その瞬間は訪れた。
「ぐ、く、ううっ!」
立香の足を掴んだまま、悶絶するように一瞬、背を曲げるが、すぐに仰け反って痙攣した。
「う、射精る・・・・・・!」
その膣壁の収縮に耐えられず、立香も達した。元々身長が百六十もない小柄な荊軻である。膣内はひどく狭く、それらが待ちわびた肉棒を喜んで収縮して愛撫するから、柔らかい肉襞が立香の亀頭を含んで律動し、雁首に引っ掛かって睾丸の精子さえ吸引するような吸い付きを見せる。寧ろよくぞここまで耐えたと称賛されるべきである。
まったく衰えない量と粘度の精液を荊軻の最奥に発射し、所有権を示す。
「うう・・・・・・」
「う、ん、はあ、ああ、いいものだ。熱いな。腹がひどく熱い。それにネバネバとして、君のものにされた実感があるよ」
法悦に嗚咽する立香の頬を撫でる。絶頂と昂奮から自分をうまく取り戻す術を知っている、大人の余裕であった。
「うっ、は、あっ、あ、は・・・・・・」
立香は息も絶え絶えである。
無理もない。この夜五回目の射精である。どんな精剛でも音を上げるだろう。全身を包む疲労感は、忘我と共に心地の良い眠気を与えてくる。
このまま寝台に突っ伏して、居並ぶ女体の温かさを感じながら眠るのはどれほどの幸福感をもたらすかしれない。
が、そういう立香の精神とは違い、何故か肉棒は甘い疼きを発している。
射精直後の肉棒は荊軻の体内で一射の最後の一滴も吸いだされ、ずるりと引き摺り出された時には柔らかくなっているが、その根元と睾丸の奥に、未だなにかを求めるような疼きがある。
「立香、もう眠るか?」
アルトリア・オルタが顔を覗き込む。
気遣うような、珍しい表情だった。
「う、うん、そうだね、そうしようかな・・・・・・」
と言いながら、立香は体を起こす。
体はまだ欲しがり、そして理解しているのだ。
自分を待ちわびて発情するメスが、まだ居ることを。
「ダ・ヴィンチ殿、こちらに」
ランサー・アルトリアがダ・ヴィンチを呼ぶ。
「なんだい?」
気軽に応じて背を向けたところ、実に素早い動作でランサー・アルトリアは事を終えた。
「お、お?」
くるりと体を回転させられ、台に寝かされ、手を取られるとがちゃりと手枷が嵌まる。心得たシェヘラザードが足枷も終えて、ダ・ヴィンチは拘束台に寝かされた。
「飲め、立香」
アルトリア・オルタが立香にコップを差し出す。中身は当然、ダ・ヴィンチ特製栄養剤だ。
「さんざん好き勝手をやらかした天才に、目に物を見せてやれ」
手を引かれて寝台を降り、拘束台に無防備な肢体を晒すダ・ヴィンチの前に連れられた。
「おお、なるほど。こういう趣向か。なかなかいいかもしれないねえ」
ダ・ヴィンチは両手足を拘束されながら余裕である。
が、立香の肉棒が急に硬さを取り戻し、びん、と上を向いて跳ねた。
「こ、これ・・・・・・」
「好き勝手に犯されたのだから、好き勝手に犯してやれ。見ろ。とっくに準備は出来ている」
アルトリア・オルタがダ・ヴィンチの膣口を開く。
どろり、と愛液が溢れ出た。
「溜まった鬱憤を晴らせ」
鬱憤などはないが、日頃から距離感の近いダ・ヴィンチに言いたいことはあった。
それが、この絶対的優位な立場で燃え上がった嗜虐心と結びついて、立香はダ・ヴィンチの腰を掴むなり一気に挿入した。
「ふぐっ!」
躊躇も遠慮もない。いきなり根元まで差し込む。
乱暴に突き入れられた立香の肉棒を難なく飲み込んだダ・ヴィンチの淫らな洞窟は、ようやく餌を与えられた雛のように嬉しそうに蠢動した。
「くっ・・・・・・!」
驚いたのは立香である。
いったい、どういうことだろう。
何故ダ・ヴィンチの膣壁は一切の隙間もなく肉棒を締め付けるのか。本来なら亀頭と雁首の形にめり込んで、雁の裏などは浮いてしまう筈なのに(現に他の四人はそうだった)何故型に嵌めたようにぴっちりと収まるのか。
「ま、また変なことしたね、ダ・ヴィンチちゃん!」
「ば、バレたか。なあに、メディカルチェックの時に、君に悪戯をして勃たせたことがあったろう? その時に形状と大きさを測って、丁度いいように膣内の構造を変えておいたのさ。なあに、別に変な改造じゃない。
寧ろ女は迎え入れたオチンチンに合わせて少し形状が変わるんだ。馴染むというやつだね。それを初めからやったというだけさ」
この行為の動機は、立香を満足させたいという欲求だけではあるまい。寧ろダ・ヴィンチの好奇心と悪戯心が大きな割合を占めるに違いない。
立香は乱暴にダ・ヴィンチの乳房を掴み、揉みながら腰を動かした。
「くっ、この、ダ・ヴィンチちゃんはいっつもこうだ!」
「う!? お、おうっ、く、ん、ふ、ど、どうしたんだい、マスター?」
膣口から溢れた愛液が泡立つほど激しい腰つきで、この夜で初めて、立香は自分の快楽を貪るためだけに動いた。
「契約してからこっち、見せびらかすみたいに!」
ダ・ヴィンチは気安いから、接触も多い。肩を抱くことも何度もあったし、なにかを教える時は正に手取り足取りである。
「こっちが我慢してたのも、知ってるくせに!」
「くひ、ぃい! こ、これは、思ったよりイイぞ!? まずい、な。ちょ、ちょっとマスター、一旦落ち着こうか・・・・・・」
拘束されて、意のままにされるという事実が想像よりダ・ヴィンチの被虐心を煽る。深く突かれた時、この抽送と焦らしのために降りてきた子宮口をこつん、こつんと突かれるのも蕩けそうだ。
「こんな、こんな柔らかいものを・・・・・・!」
胸を鷲掴みにして揉みしだく。例えようもない甘美な質感。掌に時折引っ掛かるのは勃起した乳首である。
それを抓って、
「腕に押し当てたりして笑って、ダ・ヴィンチちゃんはほんとにもう!」
「き、ひいい! あう、うう、くっ、うはっ、これは、ホントにまずい。先に、い、イキそう・・・・・・!」
予感は的中である。
言葉の終わらぬうちに、ダ・ヴィンチは全身を突っ張らせて絶頂した。
「う、くっ、また、こんな!」
媚びるように収縮してうねる膣内に、立香は仕返しするように腰を前後させる。
「なっ!? あ、ひい、い、いひぃ! ちょ、ちょっと、い、イったから! いま、イったんだからぁ!」
珍しいダ・ヴィンチの狼狽。常に冷静さを失わない、なんなら自分の死も組織の崩壊も視野に入れても動じないダ・ヴィンチの慌てぶりに、立香は夢中である。
「く、うう! 終わらないよ、ダ・ヴィンチちゃん。自業自得だ!」
覆いかぶさって、思うままにダ・ヴィンチの肢体を貪りながら腰が動く。
初めて見せた立香の、獣のような犯し様に、既に回復してきたシェヘラザードやランサー・アルトリアの膣が疼いた。
「ヤ、ヤバ、これ、何回もイカされるやつだ・・・・・・!」
細かい絶頂なら既に何度も味わっている。
執拗な子宮口へのノックと、内臓を引き摺られるような抽送、なによりも、あの立香がこんなにも夢中にダ・ヴィンチを貪っているという事実。
「くうっ、う、うっ!」
何度目の絶頂か。全身の筋肉が緊張して突っ張り、喉が反り、視界が白く染まる。
(あ、出た・・・・・・)
忘我の中、ダ・ヴィンチは腹の中に吐き出された精液の感触を知る。
膣内に吐き出されるゲル状の感触。その中の何億という精子が自らの内臓を蹂躙するという事実。思わず、背が震えた。
(あ、これはクセになる・・・・・・)
絶頂の最中でありながら、そう分析するだけの余裕があるのはさすがダ・ヴィンチであろう。立香は最後の一滴まで吐き出して、余韻までダ・ヴィンチの中で味わってから腰を引いた。