※この作品はR-18です。

FGOハーレム   作:お一

9 / 10
ハーレムパート

「あぁん、ツレないなあ、マスター。一発だけなのかい? せっかく何度もイカせてもらったんだ。遠慮しないで空撃ちになるまでゆっくりしていきなよ。

 君がいつもこっそり覗いてオカズにしているアニメみたいに、オマンコから溢れた精液の水たまりを見てみたい。君なら出来るだろう?」

 

「ちょ、ちょっと、なんで知ってるの!?」

「あはは、こと君に関して私に知らないことなんてないさ。なにせ君は私のマスターだぜ?

 なんでも知りたいのは当然さ。ところで、君はあのヒロインの中じゃ、褐色のエルフみたいな子が好きみたいだけど、あの姿になろうか? 女王より従者の方が好みみたいだが、なにか拘りがあったりするのかい?」

 褐色と聞いて、シェヘラザードが身を乗り出した。

 

「あの、ダ・ヴィンチ様、そのお話はもう少し詳しく聞けますでしょうか」

「ああ、語り部に話して聞かせるなんて貴重な経験だね。いいとも。マスターの嗜好を把握するのも大切なことだ。そういえば、金髪の盟主の回もよく使っていたね。女神の生まれ変わりだったかな。なかなか、ランサー・アルトリアくんによく似ている。重ね合わせて使ったりしたのかな?」

 

 拘束され、好き勝手に犯されたあとだというのに、よくここまで舌が回る。それも別に意趣返しというわけではなく、本当に自分が把握している立香の好みを共有しようという、ただそれだけの意図しかない。

 性質の悪さはやはりダ・ヴィンチである。

 立香は赤面して後ずさる。すると、背後からアルトリア・オルタに手を引かれて寝台に倒れた。

 

「ふむ、あれだけのサーヴァントと契約していながら誰にも手を出さぬから、或いはと心配していたが、人並みなところもあるものだ」

「い、いや、その、別に重ねたりとかは、その、まあ少しなら、いや、でもほんとに」

「なにを狼狽える。感心しているだけだ。好い女が傍に居て、女も貴様を憎からず思っている。そこになんの欲求も芽生えぬような奴に救えるほど世界とは単純でも優しくもつまらなくもあるまい。

 だが気に食わぬこともある」

 立香の上に乗り、汗を拭いてやりながら、ダ・ヴィンチを振り返る。

 

「ダ・ヴィンチ。そのアニメに金髪でスレンダー、スーパーモデルとやらも裸足で逃げ出す高貴な王族は出てこないのか。立香はそれを見て、ある一個人の名を叫びながら果てたことはないのか」

「そのアニメには出てなかったよ。というか、立香くんが誰かの名前を呼びながらイクところは見たことないなあ。どうも失礼だとか嫌がるだろうとか考えるようだよ」

「そうか」

 ぷくり、と立香を見下ろすアルトリア・オルタの頬が膨らんでいる。

 

「まあマスターの好みはかなり広いみたいだねえ。可愛らしい女優の出ているアダルトビデオも使っているようだし、偏った嗜好ではないようだよ」

「手広いというわけか。それはそれで気に入らんな」

「男性の生理欲求というものなら、責めてはいけません、黒い聖剣の私」

 名指しされたランサー・アルトリアが頬を染めて俯いたまま窘める。

 

「ふん、重ね合わせてオナニーに使われた女の言い様は随分余裕がある」

 露骨な言葉を使われると、もうそれだけで許容量を超えるらしく、援軍は簡単に沈黙させられた。

「なにもむくれることはない。マスターの趣味が広いのなら、そこを掘り下げればいいだけの話だ。立てるか、マスター?」

 汗を拭い終わった立香の手を引いて、荊軻が寝台を下りる。

 

「あんまり無理をさせちゃいけないよ。さすがの立香くんと私の栄養剤でも、こう何度も絶頂すると疲れる。男には回数制限というものがあるからね」

 シェヘラザードによって拘束を解かれたダ・ヴィンチが、男のような仕草で肩と首を回しながら忠告する。荊軻も、そんなことは判っている。

 

「勃たないのならそれでもいいさ。眠りたければ途中で眠ってもいい。ただ、まだまだ愛で足りない。これまで発露の機がなかった君への愛情を、もう少し発散させてやりたいのさ」

 テーブルに備え付けられた椅子に立香を座らせ、背後から耳を口に含む。

 わき腹から徐々に広げた指を這わせ、優しく愛撫していく。

 

「うあ・・・・・・」

 興奮と官能の冷めやらぬ体に、染み通るような愛撫で立香からため息が漏れる。

 いつの間にかシェヘラザードも歩み寄って、立香の前に屈んで胸に舌を這わせた。

「お一人の手慰みはどのようになさるのですか、我が王。お気に入りのライブラリを見ながら、右か左か、お好きな手をこうしてそそり立ったモノへ」

 萎えてしまった立香の肉棒を優しく手に取り、ふにふにと握り、指を陰嚢へ這わせてくすぐる。

 

「ええ、きっと我が王は空いたもう片方の手で、お好きな乳首をこうして慰めておいででしたのでしょう」

 言葉の通り、シェヘラザードは立香の乳首を指先で捏ね、もう片方を口に含んだ。

「ですが、乳首とは両方を責めてようやく快楽を得る一対のもの。きっとお寂しい思いをなさっておいででしたのでしょう」

 

「そうなのかい、マスター? だったら今度からは私の部屋においで。幾らでも乳首を舐めてあげよう。一人でする時の手伝いくらいなら、目くじらを立てる者もそう居ないだろう」

 耳元で囁きながら、首筋にキスをする荊軻。

 

「眠れぬ夜はどうぞ私をお招きください。お一人の手遊びを邪魔するような無粋は致しません。足りぬ場所を申し付けていただければ、そこを、たっぷりと愛撫させていただきます」

「指をしゃぶってごらん、マスター。上手におしゃぶり出来たら、君の唾液でねとねとになった指でお尻をイジメてあげよう」

 人差し指と中指を口内に差し入れられ、立香は言われるままにしゃぶる。

 いつの間にか、シェヘラザードの手の中で肉棒がまたそそり立っていた。その様子を見て、ダ・ヴィンチは感心したように顎を撫でた。

 

「さすが私たちのマスターだ。まだまだ元気らしい。じゃあみんな、服を全部脱いで、ベッドに並んで」

 ランサー・アルトリアとアルトリア・オルタがドレスを脱ぐ。ダ・ヴィンチはとっくに全裸だから、腰に手を当てて皆の様子を見ている。

 荊軻が立香の背後で襦袢の袖を引き抜き、シェヘラザードは立ち上がって衣装を脱いだ。

 

 全員、どんな王も見たことがないというほどに魅惑的で神聖な裸身を灯りの元に晒し、言われた通りベッドに並んで横になる。

 ダ・ヴィンチの指示通り、上体を持ち上げて、寝台の縁から足を投げ出し、片方の足を掲げて手で太股を支える。

 

 五人並んだ姿は、とてもこの世のものとは思われない。この絶景を叶える者が、藤丸立香以外にこの世に居るはずがない。天にも昇る優越感であった。

 感動して惚ける立香に、ダ・ヴィンチが止めの一撃を放つ。

「さあ、マスター。君専用のズリ穴だ。好きな穴に好きなように突っ込んで、好きなように腰を振ってくれ。射精なんて気を遣わなくていいんだ。気まぐれに突っ込んで抜いて、また突っ込んでは抜いて、気が向いたら種を放ってほしい。

 みんなまだまだ、君のオチンポと精液が欲しいんだ」

 

 誰もその言葉を否定しない。

 ほんのりと頬を染めて、ダ・ヴィンチの言葉は皆の心境を代弁しているという事実を肯定する、僅かに媚びた上目遣いで立香からのお情けを待っている。

 既に何度目の射精を終えているのか。両手でなければ数えられないだろうが、もうそんなことは関係ない。この光景を見せられて、そんな言葉を浴びせられて、襲い掛からない男など居ない。

 欲望のまま、涎を垂らしたシェヘラザードの膣に突き入れた。

 

「こ、光栄です、我が王。これだけの方々の中から、一番に私を選んでいただけるなんて」

 一度目は、あまりの感動と官能で味わうことの出来なかったシェヘラザードの膣の感触。

 むっちりとよく実った腰と尻が表すように、肉厚で、それでいて柔らかい。包み込まれる、という表現が最も適しているだろう。

 全身を包容されるような多幸感が広がる。温かい湯に浸かっているような錯覚が、起こり、立香は思わず脱力した。

 

「ああ、心地いい・・・・・・」

 数度の射精を経て、五人と性交して、立香にも感触や具合を確かめる余裕が出来つつある。これほどの心地よさは、他の四人の誰にもない。

(でも、みんな凄い)

 無論のことだが、頭の中で比べてみると甲乙などとてもつけられない。壺に絵画に歌、写真に小説と、決して比べることの出来ない芸術が五つ並んでいるのと同義である。

 立香は腰を動かさず、最奥まで突き入れたまま止まり、呼吸と共にゆったりと収縮する膣内の感触を楽しむ。

 

「妬けるなあ。そんなに安らいじゃって。指でいいから貸しておくれよ、マスター」

 隣のダ・ヴィンチが言う。

 指示通り指を入れると、ダ・ヴィンチの膣はあれだけ乱暴に犯された後だというのに、好物を咥えたように嬉しそうに受け入れた。

「ふん、業腹だが貴様は主賓だからな。傲岸も不遜も今は許そう」

 

 左隣にはアルトリア・オルタが、皆と同じように足を掲げて性器を見せつけている。膣口がヒクヒクと蠢き、愛液が垂れて尻の谷間に消えた。

 本来ならダ・ヴィンチと同じように求めたいのだろうが、そこはやはり意地っ張りのアルトリアである。素直には言えない。

 そういうアルトリア・オルタの気持ちを察したというより、餌をねだる雛のようなアルトリア・オルタの膣口に好奇心をくすぐられて、こちらにも指を入れる。

 

「あ、ああ・・・・・・」

 思わず漏れるため息は立香。

 男性器、右中指、左人差し指に感じる膣の感触。背筋まで震える背徳感と優越感。しかもまだ、ランサー・アルトリアと荊軻がねだるような視線を寄越して、姿勢を変えずに待っている。

 辛抱堪らなくなって、立香は腰を引き、指を抜いてアルトリア・オルタに挿入する。

 

「う、くっ、え、遠慮のないことを。貴様も王の顔が板についてきた、なあ!?」

 本人の気性と同じく、小生意気な締め付けをする膣に耐えきれず、立香の腰が動く。

「どう、オルタ? 気持ちいい?」

 反応を窺いながら腰を動かす。

「くっ、ふっ、あ、ああ、悪く、な、いっ、く・・・・・・」

 奥歯を噛んで声を堪えているが、時折訪れる強い快感。自分では触ったことのないそれを持て余しながら、強がりを言う。

 

「こ、ここ? ここがイイ?」

 亀頭の上部を腹側の膣壁に押し当てながらゆっくりと引き、押し当てながらまた突く。

「くうっ!?」

 声が漏れた。どうやら性感帯を見つけたらしい。

「ここだね、ここが・・・・・・」

 ずん、ずん、と一定のペースで突いていく。

 

「ま、待て、ちがっ、ひ!? ふ、くっう、うう、し、しつこいぞ、貴様!」

 抗議するが、既に目尻が下がり、口元が緩んでいる。蕩けた女の表情になっている。

「ひ、いんっ、く、あくっ、く、うう、うは、はっ、あん、ああ!」

 どんどん反応がよくなっていくアルトリア・オルタに気をよくして、立香は調子に乗って腰を動かしていく。

 

「くひっ!? ば、バカな、私が、うあうっ!?」

 掲げた足がぴんと張りつめる。

「んううう、ぅ!」

 唸り声が漏れ、体が硬直した。絶頂したのである。

 満足して、立香は肉棒を抜いた。泡立った愛液が亀頭にまとわりついて、引き抜かれた膣口から糸を引いた。

 

「くふ、う、図に乗って、あとで覚えていろ、立香」

 荒い吐息で、恥ずかしさを誤魔化すように立香を睨む。腰が抜けてしまって、負け惜しみを言うくらいしかしようがないのだ。

 そんなアルトリア・オルタに苦笑して、立香は隣を見る。荊軻が、意を察して微笑み、膣口を指で開いて誘った。

 生唾を呑んだが、あの体位で犯された記憶が蘇って、悪戯心が鎌首をもたげた。

 

「え、んはあっ!?」

 嬌声を上げたのはランサー・アルトリアである。

 ランサー・アルトリアはダ・ヴィンチの隣だから、最も右端。左端の荊軻とは対極の位置にある。立香は素早く歩み寄って、ランサー・アルトリアが戸惑うよりも早く挿入した。

「くっ!」

 立香から声が漏れる。

 初めてに比べれば、絶頂した分だけ余裕があるが、相変わらず腰が痺れるような優しい締め付けである。

 立香は腰を抱いて前に倒れ込み、ランサー・アルトリアの豊かな乳房に顔を埋めて腰を振る。

 

「あ、主、あるじぃ・・・・・・いっ」

 抱いてやった。幼子を抱くように優しく。

 甘えるように頬を擦り付けながら、前後運動でなくグラインドをさせていく。

「んんっ!? んっ、ひ、ひっ、い、いひ、いいっ」

 肉をこじ開けるような、まだこなれていない媚肉を染め上げるような、そんな腰つき。ランサー・アルトリアの全身に腰から浸透するような快楽が広がっていく。

 

 なんという被征服感。このまま全て身を任せ、主の思うがままに、淫らで都合の良い雌へと変貌してしまいたい欲が、ランサー・アルトリアの喉から嬌声を引き出す。

「むはあぁん、んは、は、はっ、あん、んっ、んんっ!」

 快楽と被征服感に陶酔したランサー・アルトリアは絶頂の予感さえ感じ取れなかった。呆気ないほどあっさり絶頂した。全身を駆け巡る快楽の電流に脳を焼かれながら、主を離すまいと脇を締めて乳房の牢獄に頭を閉じ込め、足で腰を抱く。

 無意識に、ランサー・アルトリアの屈服した雌は媚肉を痙攣させて愛しい肉棒を抱き込んで蠢動する。

 

「んくっ!」

 堪らないのは立香である。

 全身で媚びられるこの快楽に流されて射精しては、あまりにも勿体ない。おそらく次の射精で完全に出し切るであろうという予感があって立香は歯を食いしばる。

 平素のランサー・アルトリアであれば、そういう立香の様子に気がついただろうが、今はただ、この跪きたい雄に蹂躙される悦びに酔っていたい。

 やがて絶頂の波が引き、落ち着いて、押し寄せる疲労感もあって脱力し、ようやく立香を離す。

 

「嬉しいよ、アルトリアさん」

 頬にキスをして、肉棒を引き抜き、隣のダ・ヴィンチの膣口に当てがって腰を進めた。

「んふふ、よく来てくれたね、マスター。さっきのお返しだよ」

 立香の首を抱いて、ダ・ヴィンチは立香を歓迎した。

 が、腰を進めようとする立香を制して、ダ・ヴィンチが腰を前後させた。

 

「君も疲れたろう? 腰が筋肉痛になるくらい頑張ってくれたんだ。ここは一番、私が労ってあげよう」

 悪戯っぽく笑う。なんとも優しい言葉で、さすがは自分に対して年長者の余裕を失わないレオナルド・ダ・ヴィンチであると感心するところだが、何故か立香は厭な予感がした。

「んあ・・・・・・」

 異変は、やはり挿入した筈の男性器からであった。

 ダ・ヴィンチは立香の首に手を添えて、足を蟹が挟むようにして腰を抱いて前後運動をしているが、その動きが随分早く、小刻み。

 

「ふふ、亀頭だけを入口でちゅぷちゅぷされるのは気持ちいいだろう? 痺れるような快感だろう?」

 言葉の通り、ダ・ヴィンチの膣口は立香の亀頭だけを吸い込み、出たり入ったり、断続的な刺激を与えてくる。

 浅い抽送は、最も敏感な場所を直接刺激するものなだけに、身を捩るほどの快楽が腰から脳へ駆ける。

 

「ねえ、マスター。さっき荊軻くんやシェヘラザードくんが言ったように、これから一人でオナニーすることもあるだろうけど、こんな夜を越えてしまって、果たして満足出来るのかな?」

 快楽に膝が震える立香とは違い、ダ・ヴィンチは余裕である。

 眉根を寄せる立香の額に悪戯をするようにキスをして、

 

「きっと唇も、耳も、乳首も、タマタマもアナルも疼くよ。なんならオチンチンだって、手でシコシコされるだけじゃ物足りなくなって、鈴口も雁首も裏筋も、前立腺まで疼いて堪らなくなるさ。射精するだけじゃ満足出来なくなる。

 そんな時、どこを訪ねて誰になにをおねだりすればいいのか、判るね?」

 激しくももどかしい快楽の奔流に晒されて、立香はその催眠術のような話術に思わず頷きそうになった。

「いい根性だ、ダ・ヴィンチ。正々堂々と抜け駆けをするつもりだな。部屋に招かれるのならともかく、招いた貴様がまさか一人遊びだけで終わらせるわけはあるまい」

 

 肘をついて不満顔のアルトリア・オルタ。この夜の発起人からすれば、見逃せる筈のない単騎駆けである。

「恥ずかしがり屋の立香くんが自分から、オナニーが物足りないから手伝いに来て、なんて言える筈ないだろう? 私なりの優しささ。私の工房なら防音だってしっかりしているし、適任だろう? なあに、別にお手伝いは一人限定ってわけじゃない。

 私だってこんな可愛くも逞しいマスターを独り占めするつもりはないよ。今回の人選で、阻まれる側になったお茶目さんたちはともかく、他の子たちも希望があれば同席してもらうつもりさ」

 

「数名、喜んで立候補されそうな方が浮かびます。理性の蒸発なされた騎士様や、二人一組の海賊稼業の方など筆頭候補ではないでしょうか」

 シェヘラザードが不安げに言う。

 歯止めの利かなそうな連中だから、この宴には選考漏れしたのだが、そういう条件なら漏れることもない。危険である。

「ちょ、ちょっと、ダ・ヴィンチちゃん。勝手に話を進めないで」

 手を優しく振りほどいて、立香が腰を引く。

 

 人間関係を重視する立香としては、大きく変動してしまう事態を望まない。立香にとっても、立香本人の不満足などは度外視しても、この夜は一夜限りの宴にしておきたい。

「ああ、抜いちゃった。残念」

 ダ・ヴィンチが笑う。

 

「うっかりさんだなあ、マスター。この宴がこのまま秘密のままで終わるわけないだろう?

 きっとどこかから漏れるさ。漏れ聞いた時、みんながどういう行動に出るか、想像のつかない君じゃないだろう? 試しに清姫くんや頼光くんを参考に考えてみよう。抑えるにはそれなりに条件や場を用意しないといけないのさ」

「それ、俺が軽蔑されるパターンが凄い思い浮かぶんだけど。アタランテやマルタさんは口も利いてくれなくなりそうだよ」

 

「それはないよ。君の頑張りも、その背に追う重責もみんな判っている。アタランテくんが嫌いなのは浮気だ。君は誰とも交際していないから浮気じゃないし、マルタくんも他の文化を理解する柔軟さを持った聖人だ。心配はないさ」

 立香には判らない。元々、他人が自分をどう思っているかということに関しては途端にセンサーが鈍くなる。決して自己評価が高いとは言えないから、仮に感じ取れたとしてもそれを信じることは出来ないだろう。

 

 が、なにせあのダ・ヴィンチの言うことだ。丸呑みは危険だが信用はしていいだろう。だが、今後について不安なのは間違いない。

「マスター、こっちに来ておくれ。そんな些末事は吹き飛ばしてあげよう」

 言われて振り向くと、荊軻が指で膣口を広げて手招きしていた。

 立香は荊軻の前まで歩み寄り、腰をぐっと進めて深いところまで挿入する。荊軻の媚肉は、失った片割れを迎え入れるように嬉しそうに締め付ける。

 ちゅうちゅうと甘く吸い付いてくる膣肉の感触に、立香の腰も思わず早まる。

 

「君に挿れられるのは落ち着くよ。ああ、そう、そうだ。黒い騎士王にしたように勇ましいのもいいが、そうして甘えられると胸が疼く」

 なるほど、立香の腰の動きは細かく早い。快楽を貪るというよりは、年の離れた姉の気を引く弟の所作に似ている。

 最奥部の感触だけを味わうための小刻みな蠢動。荊軻は半身を起こして抱きついて耳を噛む。

 

「うっ、ふっ、は、ああ、気持ちいいよ。とっても。このまま一晩中繋がっていたい」

 耳元で囁かれる。

 さっきまでの不安や今後を思う計算などどこかへ吹き飛んで、この心地よい温かさにずっと浸っていたい気分になる。

 

「寂しくはないか? どこか言ってくれたら指でも舌でも足でもなんでも使って、その寂しさを埋めてあげるよ。ああでも、そうなると抜かないといけなくなる。私としては寂しいが、でも感じる君を見られるならそれでも我慢出来る」

 最奥部をしつこく突く立香の肉棒の先端を、荊軻の深い部分の膣肉が絡まって、くぐもった水音が荊軻の腹の奥から聞こえてくる。

 

「んんっ! くっ、ああ、まずいな。先に、イッてしまいそうだ・・・・・・物足りなくないかい? ちゃんと射精出来そうかい?」

 心配するように顔を覗き込む荊軻にキスをして、

「気持ちよくしたいんです。みんなが俺にしてくれたみたいに、たくさん」

 

「く、ふっ、ズルいな、君は。そんなことを言われたら、ますます・・・・・・」

 言葉の終わらぬうちに、荊軻の背が反った。身を仰け反らせて天を仰ぎ、小刻みに震える。

「んぎっ、ひっ、んう!」

 びくんびくんと、腕の中で女性が震えるのは何度味わっても最高の気分になる。

 荊軻の負担にならないよう、肉棒の位置は変えずに降ろしてやり、痙攣が収まったところで抜く。

 

「んはあ・・・・・・」

 絶頂から降りてきて、荊軻は立香の目を見て笑った。

「まったく驚くよ、君の成長は。もう一人前の男だ。抱いてやりたかったが、これでは抱かれる悦びにハマってしまいそうだ」

 立香は照れたように笑って頭を掻いた。

 いつものことだ。立香は常に余念なく、自分と自分の周囲の状況を把握して、その中で出来る最善を自分の道徳心と良識の許す限り全力を尽くす。性技に於いても変わらない。

 

 そのひた向きさがなによりの長所だ。その長所をなによりも尊い美徳と見るから、立香と契約したサーヴァントは立香を放っておかれない。

「我が王、ぜひこちらにいらしてください」

 シェヘラザードが誘い、立香は言われた通りに移動する。

 

「さ、私の中へ。お疲れでしょう」

 そういえば、シェヘラザードだけは絶頂させられていない。法悦の喜びをシェヘラザードにも味わってほしい。

 とはいえ、立香の性技など、処女や童貞から見ても稚拙である。四人の女たちは立香の性技ではなく耐久力と優しさに勝手に法悦してくれたというのが適当であろう。焦らしに焦らされたから、絶頂までの余裕を失ってくれたに過ぎない。

 シェヘラザードには通用するだろうか。立香は不安になりながらも再びシェヘラザードの中へ己を埋めた。

 

「良いのです、我が王。動かずにそのまま」

 シェヘラザードが立香を引き寄せ、半身を倒させて抱き締める。

「全身が緊張しておられます。射精を堪え、快感をセーブして私たちのために、気を張って耐えてくださったのです。さぞお疲れでしょう。

 

 どうか私の中でゆっくりと、疲れを癒してください。腰など動かさず、ぬるい湯に浸かるように、どうぞくつろいでください」

 まさしく母の如き抱擁。

 立香の肉棒が萎えない程度に優しく締め付ける膣。背を抱かれ、胸に柔らかな乳房の感触。このまま全て預けて、なにもかもを忘れて漂うように脱力してみたい。

 

 きっと、他の四人もそれを許してくれるだろう。このまま眠っても、きっと五人とも優しく微笑んで後始末をしてくれ、汗まで拭いて立香を起こさぬよう布団を掛けてくれるに違いない。

 その優しさに浸る心地よさは、地上の愉悦全てを集めたものに等しい。

 当然、立香もそれに浸って忘我する欲望に駆られるが、他人が自分に向ける感情には疎いくせに他人の変化に敏感な立香は、膣の物欲しげな蠢動を見逃さない。

 

(シェヘラザードさんは、待ってくれている)

 待っているのに、それは自分の私情に過ぎないと抑え、立香に安らぎを与えようと耐えている。ならば、自分の使命はもう判った。

 立香は腰を動かした。

「ごめんね、シェヘラザードさん。俺みたいなガキじゃ、きっと満足させられないけど、でも、頑張るから・・・・・・!」

 

「んああっ! お、王、私のために・・・・・・」

 自分を貪り、苛み、己が快楽のために食い散らかしてきた王とは違う。マスターという名の王は、対等に自分を見て、気遣いを真心と受け取り、それに報いるために自分の欲を振り払って動いてくれる。

 シェヘラザードが感じた悦びは、とうてい他人には理解できない。

 この幸福感の中では、どんな技巧も細工も児戯。女を貫き蕩かせるのは、この優しさ以外にはありえない。

 シェヘラザードは初めて、身も蕩ける多幸感を味わった。

 

「ああ・・・・・・!」

 絶頂したわけではないが、身の内から溢れんばかりの多幸感を持て余して背が反る。褐色の喉が反って顎が天を向き、感に堪えたため息が何度も漏れる。

「ああ、我が王・・・・・・」

 どんな言葉でどういう所作をすれば、生まれてから死ぬまで、そしてそれ以後の英霊としての生の中でも味わったことのないこの悦びを、立香に伝えられるだろう。

 

 幸福に犯される脳でシェヘラザードは必死に、懸命に考える。

 死なぬためではないこの思考すら、幸福である。

「愛して、おります、マスター」

 結局、そんな言葉。人類が愛を知ってから擦り減るほどに使われたありきたりな言葉しか、浮かばなかった。

 だが、そこにこめた思いは通じる。

 

 巧言でなくていい。甘言でないからいい。

 飾り気のない純真で無垢なその言葉こそ、最も単純に心に染み入る告白である。

「ああ、もうダメ・・・・・・!」

 シェヘラザードは立香を抱いた手を離す。

 このまま最奥に射精してもらいたいが、そこまでこの主を独占するのは、この夜のために集った四人の同志に悪い。

 

 乱暴に引き抜かれるその瞬間、この夜最高の幸福を得て、シェヘラザードは確かに、悦びの高みに至って身を震わせた。

「射精る・・・・・・!」

 引き抜かれた瞬間、精液が噴いた。

 この夜、最後の射精である。これ以上はもうなにをしても勃起さえするかどうか。責められて絶頂したとしても空撃ちになるだろう。

 

 それだけに、睾丸に残った最後の一滴まで吐き出すような豪快な射精が、身を寄せあって最後の精液をその身に受けようと集った五人の身を染めていく。

 腹、脇、胸の辺りを白くする。

 焼けるように熱く、蕩けるように甘い快感が五人の、精液を掛けられた場所から広がっていく。

 立香はもう立つことさえ出来ない。その場に崩れ落ちるように膝をつき、荒い呼吸を繰り返す。

 

 誰かが、そんな立香に寄り添う筈なのだが、皆、掛けられた精液を失うのが惜しくて身を捩ることさえ躊躇っている。

「ああ、勿体ない。垂れてきた。せっかくあの立香くんが自分のものにしようとぶっかけてくれたというのに」

 ダ・ヴィンチが言う。声音にいつもの悪戯っぽさがない。本当に惜しんでいる。

 

「疲労困憊といったところか。よくやったな、立香。手を貸してやりたいが、ダ・ヴィンチの言う通り、身を起こすと垂れてしまう。もうしばらく、酔わせてもらう」

 アルトリア・オルタが腹の精液を掬って口に含む。

「ああ、すみません、主。腰が甘く痺れてしまって、私は立つことさえ出来そうにありません。これは、令呪のように私の身に主を刻んでしまったようです」

 ランサー・アルトリアは本気でそう思うらしく、下腹部を愛しげに撫でている。

 

「この匂い、この感触、ああ、これは困ったかもしれない。マンコはもう君の形を覚えてしまったし、頭もどうやら覚え込まされたらしい。きっと酒を飲むと思い出すな、これは」

 荊軻が精液を掌で潰し、肌に塗りこむように広げている。

「困ります、こんな・・・・・・・」

 一人、様子の違うシェヘラザード。

 腹にかけてしまったから不快だったのかと立香は案じたが、そうではないらしい。

 

「王の寵愛を、バーサーカーの方と争ってしまっては、いきなりばっさり、或いは毒でころり、背後から焼き殺されてしまうかも・・・・・・ああ、でも、でも、この喜びを一度限りなどと、とても・・・・・・」

 絶頂の余韻に陶酔して、シェヘラザードはうわごとのように呟く。

「芯から惚れさせたか。これは、立香に女を抱かせると関係が拗れるな。気をつけて配分をすることだ、ダ・ヴィンチ」

「任せておきたまえ。我らのマスターの身辺のことだ。手抜かりや遊びのないよう、万能の名に恥じない調整役(ペースメイカー)をしてみせるさ」

 

 こうして、宴は終わった。

 立香を含めて、この部屋の全員が腰を抜かしてしばらく動けず、疲労感も相まって事後の処理をなにもしないまま眠ることになった。

 翌朝、マシュが起こしに来る寸前に目を覚ました全員が、てんやわんやで支度をして、顔を合わせるのも気恥ずかしい空気のまま散会することになった。

 

 

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