※この作品はR-18です。

湊友希那リョナシリーズ。   作:美肉。

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湊友希那がチェンソーで殺害されるリョナ小説。


チェンソー湊友希那っ!

 両手でチェンソーを構える男は湊家に進入し、真っ先に便所に向かった。確信というか自信のある力強い足取りだった。

 木製の扉の前で男は足を止めた。中に湊家一人娘・湊友希那が入っていることは調査済みだった。

 男はチェンソーから右手を離し、T字のスターターグリップを勢いよく引き上げた。接続されたロープがチェンソー本体からピンと伸びたがチェンソーは無音だった。男は右手を戻してまたすぐにグリップを引き上げた。反応はなかった。チェンソーは何かその機能を喪失したかのように無音だった。男はまたグリップを戻し、次は最後のひと押しといった様子で勢いよく引き上げた。すると反応があった。チェンソーの内部のエンジンはようやく眠りから覚めたかのようにヴヴヴと音を立てて駆動しはじめた。チェンソーの調子は良好だった。エンジンの震えは腕を介して男の身体さえ震わせ、その本体から伸びる薄いガイドバーに従うように連なるソーチェーンも高速回転を開始していた。

 ガタンッ……、という音が奥から鳴った。それは扉の向こうから鳴る音だった。便所の中の友希那が何か異変を感じ取ったようだった。

 男は何か振り落とすかのように木製の扉をチェンソーで破壊して突撃した。友希那は弾かれたように悲鳴を上げた。男はチェンソーを振り上げた。友希那はほとんど無防備のままただ右腕を反射的に持ち上げた。高速回転するソーチェーンはその手首に切り込みを入れた。ぱっくり裂けた皮膚の向こうから鮮やかな血が垂れ、友希那は手首を左手で握りながら絶叫した。男は間髪入れずにチェンソーを振り下ろした。友希那は左手を駆使してそれを防いだ。泣き叫びながらヤケクソ気味にチェンソー本体部分を押し留め、鍔迫り合いのように二人は拮抗した。男は身体を前方向に力ませた。友希那の方向にガイドバーがせり出るように迫った。鋭利なソーチェーンが音を立てながら回転を続け、友希那の鼻頭にまで迫っていた。両目を見開き、引きつった悲鳴を漏らす友希那は歯を食いしばって耐えていた。男は諦めたようにチェンソーを引っ込めた。もちろん友希那を見逃すわけではなかった。男はその声色をかき消すようにチェンソーを思い切り振り上げた。

 男が繰り出すチェンソーは友希那の左肩を大胆に切り込んだ。傷口から間欠泉のように赤黒い血液が大量に溢れた。友希那の顔面は切迫していた。脂汗が浮き、唐突に十歳ほど歳を取ったように視た。男は構わずチェンソーを振り廻し、今度は友希那の右手の指を横一列に切り捨てた。指は血液を撒き散らしながら周囲にころころと転がり、指のなくなった右手もまた鮮血で溢れた。男はさらにチェンソーを友希那に向けた。今度は左肩を狙った。猛獣の唸り声のような重低音を響かせながら、チェンソーは友希那の柔らかい肉を豪快に断ち切った。けれどそれは男にとって、具体的に人体を切断している感覚ではなかった。筆で友希那の肌に文字を書くみたいに、男は高速回転するソーチェーンを友希那に触れさせているだけだった。たったそれだけで友希那の皮膚は細かく千切れ、肉が裂けて骨さえ粉砕された。

 男は肩から入ったソーチェーンをさらに押し込んだ。胸元を斜めに切断し、腹部の上の位置にまでソーチェーンは進んだ。大きな傷から流血が止まらなかった。それらはソーチェーンの激しい回転によって上向きに飛沫として打ち上がり、壁や天井に細かい赤色の模様を残した。

 便所という狭い空間の中で男は一方的だった。血まみれになった友希那は男がチェンソーを離すとその場に身体を落とした。壁に背を付け、ずるずると落下して血だまりの中に音を立てて尻を触れさせた。もうほとんど力が残っていないようだった。

 男は下向きにチェンソーを構え、友希那の顔面に刺し込んだ。顔面左側に縦方向に入ったチェンソーは鋭い音を上げながら友希那の皮膚や頭蓋を粉砕した。細かい粒のような友希那だったものが便所内に吹き荒れ、男はチェンソーを押し込んだ。ソーチェーンは友希那の眼窩にめり込んだ。眼窩内部には眼球がはめ込まれており、回転するソーチェーンに触れた眼球はその場でぷるぷると震えた。まるで痙攣しているように視えた。男はチェンソーをさらに押し込んだ。頭部を切り刻みながらソーチェーンは友希那の眼球を傷付け、次の瞬間小さな締った音と共に友希那の眼球は眼窩の中が爆ぜた。男はチェンソーを引き抜いた。潰れた眼球は眼窩の中でとろりとくたびれていた。蛞蝓に似た様相だった。

 男は床に対し平行になるようにチェンソーのガイドバーを構えた。狙うは腹部だった。ガイドバーはなんの抵抗感もなく友希那の腹、その内部にまでずっぷりとめり込んだ。ソーチェーンはもちろん音を上げながら高速回転を続けているが、間もなくその音の中に肉が潰れる湿った音が混ざり合った。

 男はチェンソーを使って友希那のことを内側から切り刻んだ。ぐちゃぐちゃに粉砕された内臓はさらにソーチェーンによってかき混ぜられ、その振動は友希那の身体そのものを激しく震えさせた。何か溺れているような泡立った声を友希那は漏らした。肺や胃から血が持ち上がり、ごぽごぽと喉元で溢れているようだった。男は友希那からチェンソーを引き抜かなかった。友希那に差し込んだままチェンソーを右方向に大きく動かし、腹部を横一直線に開いていった。ヴヴヴと呻り続けるチェンソーは薄い肌を簡単に切り分けた。やがて奥まった位置からどろりと大きなものが視えてきた。

 それは小腸だった。

 チェンソーによって切断された小腸が友希那の身体の奥の位置からずるりと滑り落ち、複雑な管をえがきながら床にまで垂れていった。湯気が立った。それは友希那の小腸から漂う内臓の湯気だった。友希那の体温が湯気として発現し、白くもうもうと空気の中に立ち昇っているようだった。男はチェンソーのエンジンを停止させた。ヴヴヴ……、と速度を落として音が静まり、ソーチェーンが完全に停止した。

 湯気は空気の中に溶け、間もなく友希那の命も途絶えたようだった。

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