「――――――ぅ……」
己の身体を余すところなく包み込む柔らかさを感じて、高町なのはは固く閉じられていたその瞳をうっすらと開いた。
ぼんやりと濁ったその視界に映り込むのは、黒一色で染め上げられた闇の世界。
目覚めたばかりのベッドの中のような、得も言われぬ心地良い微睡みを誘う暖かさ。
「こ、こ……どこ……?」
霞がかかったようにはっきりとしない頭の中は、己が今まで何をしていたのか、何故このような状況に置かれているのか、そのような記憶の欠片の一つ足りとも、全く浮かび上がる様子が無かった。
全身余すところなく、激しい運動を繰り返した後のようなずんと重たい倦怠感がまとわりついている。
その重さを無視して身体を動かそうと試みるも、少女の四肢は何かに絡め取られているかのように微動だにしない。
僅かに伝わる、硬い水の中に漬け込まれているような抵抗感。
精一杯に両腕を天に伸ばした、万歳の格好で体勢が固定されているようだった。
未だ覚醒し切る様子の無い彼女の脳は、本来ならば極めて危機感を覚えるはずのその状況をも、まるでどうでもいい事のように素通りさせて行く。
半ば程度まで開かれたトロンとした瞼で、身体中に与えられる柔らかさと暖かさを受け入れた。
「あった、かぁい……」
口から微かにまろびでたその言葉が、静寂の中に唯一の響きとなって彼女自身の耳朶に飛び込む。
暗闇の中、聞こえてくるのは脱力しきった呼吸と、少女の中心でゆっくりと脈打つ心臓の鼓動だけだった。
どれほどの間そうしていたのだろうか。
彼女の感覚ではとてもとても長い間、そうやって闇の中に佇み続けている気がしていた。
しかしながら、それほどの時を置いても未だ彼女の意識ははっきりと目覚める様子は無い。
「んぅ……」
両手と両足を固定していた何かから、不意に幾つかの触感が彼女の皮膚を滑るように移動を始めた。
線のように感じられるその感覚は、触れるか触れないかという微妙なくすぐったさを柔らかな肌の上に残しながら、上から下へ下り、または下から上へと登っていく。
二の腕と太もも、胸部、臀部。
丁度おへその当たりでそれらは合流し、すれ違う。
その軌跡には、もどかしいようなくすぐったさと気持ち良さがじんじんと残り続けていた。
「もう……、くすぐったい、よぉ……」
なのはは、自分の口角がにへらと上を向いていくのが分かった。
親しい友達の指先が肌の上を通りすぎていった時にも似たあの感覚が、消えることなくずうっと残っているような不思議な気分。
とても、気持ちが良い。
お腹でぶつかり合った幾つかは、少しの間その場に留まるようにぐるぐると臍の当たりを彷徨った後で、再びそれぞれの方向へと前進を開始する。
今度は更にゆっくりと、小さな彼女の身体に、その心地良さを入念に刷り込んでいくかのように。
「ぁ……、はっ……んふ……んん……」
なのはが初めて味わう、自然と口から声が漏れてしまうような感覚。
漆黒の闇に閉ざされた視界の中で唯一与えられるそのもどかしい刺激に、彼女の心は次第に引きこまれていった。
皮膚を滑るくすぐったさの後に訪れる、ぴりぴりと痺れるような電流にも似た何かが肌の上を様々な角度で縦横無尽に這いまわる。
ともすれば抱きかねない、嫌悪感や拒絶といった意思はしかし、少女の内に欠片足りとも芽生えることは無く。
自身が包み込まれている暖かな空気にも後押しされ、快感が皮膚を通して全身に染み入るにつれ、絶対的なまでの平穏がその胸中に刻一刻と満たされていった。
お母さんに抱っこされているみたいだなぁ、と未だ幼い彼女はトロンと目尻を垂れさせぼんやりとその記憶を反芻する。
「ふは……ぁ、ん……んぅっ……」
いつしか、無軌道に身体中を這い回っていただけだったそれらは、次第に肌の上の特定の場所を往復するように動きを変化させていた。
それは少女の微かな産毛が震える耳の裏であったり、つるりと滑らかな脇の下であったり、または未だ膨らみかけの小さな胸の周囲へと。
これまで全身に無秩序に与えられていただけだった刺激がそうして各部へ集中すると、自然、与えられる心地良さもこれまでとは一線を画する、はっきりとした輪郭を帯び始める。
まどろみの只中にある彼女の意識とは裏腹に、次第にその吐息は荒いものへと変わり始めていった。
重点的に触れられているそれら部位には、刺激の強さに応じて更に沢山の血が送り込まれているように、心臓の動きに合わせてぞくんぞくんと痺れとも痒みともつかない感覚が走る。
「んっ………は、ぅ……ん……なん、だかっ……これぇ………」
次から次へと身体を抜けていくその感覚に、肌の上を滑るものの動きを必死で脳内で追い掛け始めている自分を、なのはは自覚した。
今、それは太ももの内側から身体が震えるような刺激とともに登って、あるいは下ってきている。
下腹部をゆっくりと滑る幾つかが、おへその穴の中へちらりと入り込んだ。
くるりと、身体の内側を舐め回すようにそれらが蠢き。
「―――あぅっ♡」
その瞬間、吐息とは違うはっきりとした声がなのはの口から飛び出した。
おへそを中心として、全身に一瞬にして電気が走ったような感覚。
無論、少女がこうして未知の感覚の声を上げている間にも、その元凶は進行を続けている。
微かに浮き出た肋骨の上を滑り、辿り着くのは僅かな胸の膨らみ。
与えられる快感に過敏に反応しているのか、既にぷくりと張り詰めている、その桜色の先端を掠めるように回り込みながら更に、上へ。
小さな突起を中心として、波状にじわりと皮膚から浸透してくる、痛痒いような喩えようもない気持ちの良さになのはの喉は再び声を上げた。
「ふあっ……♡ はぁ…は、あん……んぅう……ふっ……♡」
首筋に走る、優しく撫でられるのに似た、身体の震えを抑え切れないぞくりとした快感。
耳の裏側まで到達したそれらが、辿り着いたその場所をさわさわと羽毛でくすぐるようなもどかしさで繰り返し愛撫する。
頭骨を間に挟むだけの己の脳で直接その切ない刺激を味わうかのように、なのはは必死でそのむず痒さに意識を集中した。
そんな折だ。
つぷり、と微かな音を感じとる。
自分の耳の穴の中に何かが入り込んだのだと、なのは自身の感覚がその音の正体を直ぐに教えてくれた。
ドクンドクンとそこから響く音は、彼女自身の鼓動とは異なるリズムを刻んでいて、それは今も彼女の身体を這いまわるものと同じ拍を刻んでいるようだった。
「は、あ、あ、あ―――♡」
身体の内側に触れられるというのは、ここまで気持ちが良いものなのかとなのははどうしようもなく甘い吐息を吐き出す。
両方の耳の穴の中を、侵入したそれらが一時足りとも止まること無く奥に突き進んでいくのがわかった。
霧がかかり続ける少女の頭の中には、その感覚器官の構造なんてものは全く浮かび上がることは無く、自身では決して触れられぬ秘められた場所を貫かれ愛撫されるような異質な感覚こそが全てだった。
耳穴の奥の感覚を暴かれれば暴かれるほど、それに比例して突き抜ける快感。
知らず開いたままになってしまっていた唇からは、溢れでた唾液がつうっと顎を垂れ落ちていった。
そして、遂に、それは再奥部まで辿り着く。
何が終点であるのか、彼女には全く理解出来ていなかったが、それでもその場所こそが目標とされていた場所なのだと、察することができた。
耳穴を貫通したそれらが動き回っているのは、なのはの頭の中、なのである。
本来の彼女であれば、例えどの様な状況に置かれていたとしても、そのあり得ない事実を受け入れる事など無い筈だった。
しかしながら、如何なる理由によってか完全なる覚醒を妨げられていたその意識は、度重なる刺激によってすっかりと弛緩してしまっている。
おかしいものをおかしいと感じる事すら、不可能なまでに。
「あ――、にゃ……ぁ―――ッ」
こつんこつんと、脳の表面を臨むそれが、まるで少女に問いかけるかのように二度三度とノックをする。
呼応するかのように、ぐにゃりと歪む視界。
その一瞬に神経の隅々までを貫いた驚くべき快楽の槍は、なのはの身体の奥深くに突き刺さったまま、決して抜け出ようとする気配は無かった。
受け入れさえすれば、これ以上のものが与えられる。
確信めいた思いが、なのはの顔にこれ以上ない程の笑みを浮かばせ。
「い、いよぉ……あなたの、すきなよう、に……し、てぇ……」
何ら躊躇う様子も無く、彼女は問いに対する答えを、口にした。
「は、ぁ――――――ッ♡♡」
その言葉を待っていたと言わんばかりに、その場に留まっていたそれらが瞬時にさらなる奥へと侵入を開始する。。
文字通りの、脳天から突き抜けるような強烈な刺激がなのはの身体に押し寄せる。
「ぁ、あっ……たまの……ぉ、なかっ……あぅんっ――!」
真っ暗だったはずの視界が、一瞬にして鮮烈な白へと染まっていった。
全身のありとあらゆる感覚が侵入を許した頭部へと一気に吸い寄せられてしまったかのように、他の部位から伝わっていた筈のあらゆる情報が消え失せる。
己の脳内をかき分けられるという、そのあり得ない快感になのはは全身を雷で打たれたように激しく痙攣させた。
全てが侵されていく。
その事実が、堪らなく心地良かった。
「ほじほじって……、されてるっ……のぉっ……あ、もぉ……きもち……いいっ……よぉっ! はひゃあっ……!」
それは、少女の頭の中心部を一直線に目指して進んでいるようだった。
なのはの時間感覚ではまるで牛歩のような速度に感じられる侵攻。
一瞬一瞬が過ぎる度、神経そのものに直接叩きこまれていく破滅的なまでの途方も無い刺激。
もはやそれによって自身がどれほどの声量で喘ぎを上げているのかすらも彼女の意識の埒外である。
「あっ――ひ、にゃっ……! う、ん……、もっと……いい、よっ……、き、てぇ――――、きてぇッッ!!」
ただひたすらに、待ち侘びていた。
それが、己の最も根幹へと到達するその瞬間を。
「ッ――――あ゛ッ―――」
最後の扉が、静かに破られた。
そんなイメージが、刹那に訪れた平穏の中を駆け抜けて。
最も大切な何かに、先端が物凄い勢いで絡みつき、侵食していく。
そんな気がした。
「ひゃ、あ―――あぁ――――――♡♡♡」
これまでで最も激しい快感の波がなのはの身体を襲った。
意識など、その前では容易く消滅してしまうの程に、強く、苛烈な。
「にゃ、――にッ―――でて、る――――――のッ!!? ~~~~~~――――ッッッ♡♡♡! 」
ドクン、と耳に入り込んだそれから鼓動とはまた異なる、大きな音が響く。
唐突に訪れた熱さがそこから、中枢へと入り込む先端までをあっという間に通り過ぎて、吐き出された。
何もかもがとろけて無くなってしまいそうな、そんな熱が、己の根源から頭の中全体に広がっていく。
ドクリ、ドクリと何度も何度も吐き出され、浴びせかけられ、浸潤させられ――――作り替えられていく。
「――――――ッ♡♡ にゃ――――――、ぁあ゛♡ぁあア゛あぁぁぁあ―――――――ッ♡♡♡♡」
固定された身体の、それぞれの関節が悲鳴を上げるほどに、限界を越えて身体を反らしながら彼女は声を限りに叫び続けた。
これで自分は死んでしまうと確信するほどの殺人的な衝撃が休む間もなく責め立ててくるというのに、意識が落ちるような気配は微塵もなく、次から次へと叩き込まれる既知外の快感にぐしゃぐしゃになった顔をそれでも振り乱しながら、途絶えることなく嬌声を上げ続ける。
そんな状態がどれほど続いたのか。
不意に、その波が途絶えた。
「んはぁっ………!」
頭の中へと潜り込んでいたそれが、役目の終わりを告げるかのように静かに引きぬかれていく
耳の穴から最後の先端が抜け出てく、ニュポンッという音が、焼き切れたなのはの意識に妙にはっきりと響いた。
「はぁ……はぁ……はぁ……ん……ぁ…」
全身から頭の中に集められた熱を乗せるかのように、荒く湿った息をひたすらに吐き出す。
先程まであれだけ与えられていた快感が、その瞬間から全てが止まってしまった。
身体のそこかしこに、気が狂わんばかりのもどかしさだけを残して。
しかし、手足を固定されている彼女にはそれを自身で慰めるという事すら許されない。
しんと静まり返った暗黒の世界に、なのはの激しい呼吸だけが響き続ける。
それがか細く、規則正しいものになるまでには、そう時間は掛からなかった。
☆
「お目覚め?」
再び意識を浮上させた時、なのはの視界にはあの漆黒の闇は欠片足りとも残っていない。
何かに促されるように瞬く間に覚醒した彼女の意識と共に開かれた瞳。
その眼には、背筋が粟立つほど美しい女の顔が大きく映り込んでいた。
縦に長い、人ならざるような瞳孔を持つ鋭く切れ上がった真紅の瞳が、目覚めた少女の顔をじぃと覗き込んでいる。
視界の端では、自らが輝きを放っているかのような白銀の長い頭髪がちらちらと揺れていた。
きめの細かな褐色の肌のそこかしこに刻まれた黒い紋様や、毒々しいピンク色の唇も。
「あ、なたは……」
思わず口を開いて、酷くかすれ切った己の声に驚く。
その後を追うようにして、意識の上では今しがたの、闇の中でのあの異常な体験が脳裏に蘇り、更に彼女の驚愕の色は深まった。
何故、自分はああも無防備なまま、あの感覚を受け入れていたのだろうか。
現在のなのはの意識は、その異質さを自覚する事が出来るまでにははっきりと目覚めているようだった。
だからこそ、先の己の一幕をどうしても信じる事が出来ない。
目の前の女にそれ以上の問いかけを投げる事すら思い浮かばず、彼女は自身の内側に潜り込みかける。
「あら、無視? ……まださっきの影響が残っているのかしら」
押し黙ったなのはを見ていた女が、何事かを呟く。
己が何をしていたのか、何をされたのか。
分割思考の中、明確な答えなど出るはずも無い自問を繰り返し、絶望的な気分に浸っていた少女にはそれに反応する余裕など残されていなかった。
「ねぇ、ほら。これを見て。思い出せるかしら」
「―――ッ!?」
己の存在を無視された事で唇を尖らせていた女だったが、やがて思い出したかのように背後の空間へと手を後ろ手を伸ばす。
そして再び目の前へと戻されたその褐色の手に握られていたモノを認識した瞬間、なのはそれまでの全ての思考を止めて息を飲んだ。
それは、白銀の支柱の半ば程から真っ二つに切断された、彼女の相棒たるデバイスの無残な姿だった。
ドクンと、怒りとも悲しみともつかないどす黒い思いが彼女の心を震わせて、目の前で酷薄に笑うその女が、自身にとってどの様な人物であったのかをようやく思い出すことが出来る。
「ヴァイパー・ニェーブル……!」
「ごめいとお」
小馬鹿にするようなその声に、ぎり、と強く奥歯を噛み締める。
その女は、なのはの記憶の中ではつい先程まで持ちうる全ての力でもって相対していた存在だった。
名も無き管理外世界の研究に訪れた、一隻の次元航行艦を僅かな時間で見るも無残な姿へと変貌させてしまえる程の、規格外という他無い恐るべき力を持った超弩級の魔女。
人並み外れた耐久値を誇る少女だけが生き残ることが出来たその一撃も、女にとってはほんの少し腕を振るった程度でしか無いようで。
意識が闇に墜ちる前の最後の光景は、打ち振るわれた女の腕を防ぐかのようになのはの眼前で両断されるレイジングハートの姿だった。
そして彼女は今となってはもはや何を言うことも出来ず、彼女の目の前でその変わり果てた姿を晒している。
「その子を、返してっ!」
「えぇ、いやよぉ。まだやらないといけないことが残ってるんだから」
「何を―――っ!」
激昂するなのはは、その骸へと感情のままに手を伸ばそうとした。
けれどもその手が何かに触れる事は叶わず、金属が打ち鳴らされる重苦しい音が響いて、彼女はまたしても自身が四肢を拘束されていた事に気が付いた。
巨大な岩から直接削りだされたような、無骨な椅子の形をしたものに真っ黒な鎖でもって縛り付けられている。
その身は、薄衣一枚纏わぬ生まれたままの姿だった。
「―――ッ! 離してっ!」
「時空管理局、だったかしら。私、そういうのって嫌いなのよね、何となく。有象無象の奴等が、あんな風に偉そうにしているのを見せられると、イラッとするじゃない」
ヴァイパーと呼ばれたその女は、なのはの声を素知らぬふりをして聞き流し、手の中の残骸を弄びながら独り言のように呟いた。
「でも、可愛い女の子とか男の子なんかは大好きなのよねぇ。だから、貴女みたいな娘があの船に乗っていたのはとっても嬉しかったの。こんなに可愛い娘があんな組織の中で変に大人になっちゃうなんて、勿体無いと思わない?」
ひたりと、剥き出しのままのなのはの胸の中央、本来は待機状態のそれが常に置かれていたその場所に、レイジングハートの切断部が突きつけられる。
その鋭利な刃物と化したような先端が放つ輝きに、一瞬なのはは息を飲み、動きを止めた。
「だからね、貴女をこれから、私のものにするの」
「―――馬鹿に、しないでっ!」
その突拍子の無い台詞に、恐れに硬直してしたなのはの怒りが沸点を超える。
本来の彼女であれば、相手ともっと分かり合おうとするだろう、話し合おうともするだろう。
しかしながら今の少女にそんな余裕は微塵もなかった。
目にしてしまったのだ。
一瞬にして物言わぬ死体と化した、あの船の乗組員たちの姿を。
長年連れ添ってきた相棒は無残な姿へと破壊され、更には己を一個の人間としてでは無く人形か何かであるように扱おうとしているという事実。
未だ10代前半の彼女には、自身の激情を抑えるだけの理性は残されていなかった。
自分でも驚くほどに煮えたぎる心の中、敵意の篭る視線でバイパーの瞳を睨み返す。
鎖が擦れ合う音が、より激しく打ち鳴らされた。
「そんな目で見たってだぁめ。もうこれは、決まったことだから」
突き付けたその杖でもって、なのはの白い肌の上をなぞるように触れていきながら、ヴァイパーはにっこりと微笑んだ。
あまりにも美しく、壮絶に。
くるくると、おへその周りに円を描くように、触れるか触れないかといった具合に金属の冷たさが少女に伝わる。
「貴女は、私に逆らえないの」
「な―――ッ、ふゃあぁっ!?」
彼女が一つ、指を鳴らした。
その音に呼応するかのように、なのはの頭の中で聞いたことが無い様な奇妙な音がどくんと脈打つと、一瞬にして、肌に触れていたレイジングハートの残骸、その先端から、信じられない快感が響き渡った。
鼻にかかった甘い声を反射的に上げてしまう自分の身体を、なのはは信じられないという顔をして見下ろす。
「さっき、貴女の頭の中を弄らせてもらったのよ。覚えてるでしょう?」
「やっぱり、あれはっ……!」
耳の穴から侵入した何かが頭の中を弄り回すなどという非現実的な記憶が、果たして本当のものであったのかと訝しんでいたなのはであったが、女の口調はそれが現にあったことなのだと示していた。
頭の奥に唐突に生まれた鈍いその響きは、そのまま彼女の全身に広がって行くように、じぃんという痒みとも痛みともつかない感覚が皮膚の上と下をそれぞれ這って行く。
俄かには信じられないことだが、自身の脳になんらかの細工を施されたという宣言に絶望的な気分に襲われながらも、なのはは気丈にヴァイパーを力強く見上げた。
「そう、その瞳が可愛らしいわ。大丈夫、痛くしないから。とっても気持ち良くなって、私のことだけしか考えられない身体にしてあげる」
女は感極まったように己の身体に腕を回し、ゾクゾクとした背筋を震わす喜びと期待に打ち震える。
真紅のその瞳の奥には、既に幼い少女が己へと屈服し、傅く姿が出来上がっていた。
今までに彼女が手中へと収めてきた数々の獲物達と同じように。
「ほら、頭の中が段々とぼぅっとしてくるでしょう? あなたの全てが私を望むように、その中に埋め込んであげた特別な術式の結晶が根を張り始めているの」
「うっ……、はぁっ……こんなの、私は、全然っ……!」
「そう、そうやってできるだけ長く意地を張ってみせてちょうだいな。貴女の負けは、もう決まっているのだけれど」
「私は、まだ、負けて―――はぁうッ!」
「ほぉら」
再び女の手の中の残骸が、なのはの身体を這いまわる。
ただ、腹のあたりを何気なく通り過ぎていくだけだと言うのに、彼女が今までに感じたことがある中でも最大級の快感が弾けていった。
「っぐ……ぅんっ……んん……!」
そのあまりにもの悦びに、素直に反応を返してしまいそうな自分の喉から湧き上がる声を必死で抑えこむ事しか出来ない。
なのはには、現状を打開するための考えは何一つ思い浮かばなかった。
理由は不明だが、以前は身体の中にあれほど蓄えられていた筈の魔力の存在が、今は全く感じられない。
彼女を非凡たらしめているそれらが無くなってしまえば、その身体は歳相応の力しか持たない唯の人間である。
だから、せめて何かの機会が訪れるまでの間、ひたすらにこの屈辱に耐えねていかねばならぬのだという、そんなどうしようも無い考えだけが彼女に出来る全てだった。
「あっ、ぐぅ……っ! ひっ……ん……ぅんっ…!」
女はいやらしく微笑みながら、彼女を弄ぶように、肌の至る所へとその腕を動かしていく。
そうして与えられる快感と、更には頭の中でズクズクと疼き続ける奇妙な感覚が、それぞれに比例していくかのようにどんどんと大きくなっていくのがなのはには分かった。
再び霞がかかりはじめた脳内に、今までの自分には無かった、信じられないような思考が生まれ始めているのも理解できる。
このままじゃ駄目だ、と自覚しながらも、しかしその四肢は無情に鎖を打ち鳴らすのみだった。
「ほら、気持ち良くなってきたでしょう? 貴女の頭の中に、定着し始めているのよ、下僕の印が。御主人様に、気持よくしてもらいたいって、叫んでるの」
「そん、なのぉっ! ……わたしは……思ってないっ!!」
「あはっ、大丈夫よ。もうすぐ、そう思うようになるから、ねっ」
「んひぅッ、ぁあぁっ――――――!」
レイジングハートの先端が、彼女の意思に反してぷっくりと膨れ上がり始めていたその桜色の乳首に軽く打ち付けられ、響く衝撃。
全身に一瞬にして広がったそれは、いつか何処かで味わったことがあるような電撃のに良く似ているのでは無いかと思われた。
ぱくぱくと口を開閉し、なのはは声にならない声を何度も発する。
潤み始めていた視界が、あっという間に真っ白に染められていくようだった。
そんな身体の反応に触発されるように、偏頭痛にも似た鈍い痛みを伴う快感が脳内から波のように身体中に降り注いで、甘い疼きと変貌していく。
そのもどかしい感覚に、少女は一瞬、何もかもを忘れてそこに浸っていたいと思ってしまった。
持ち前の強固な意思が、脳裏に浮かんだその考えを慌てて打ち消す。
「んふふ、だんだん良くなってきた」
「こんなのっ……ぜんぜんっ……あぁっ、ん…!」
「いいじゃない、大切なお友達だったんでしょう? この子も。貴女を気持ち良くできて、きっと嬉しいって思っているわよ」
「れいじんぐはーとをっ……ばかにしない、っでぇ……よっ……!」
「ふふふ……」
「や、はぁあああっ―――! あふっ……あ、あぅうああっ……!」
荒い断面と成り果てた杖の先でこねくり回される淡い桃色の突起は、ヴァイパーの腕が動くその小さな動作だけで、そこが破裂してしまうのでは無いかという程の異常なまでの快感を生み出していた。
必死でそんな非常識な刺激に耐え続け続けているなのはの身体はしかし、既に戒めから逃れようとするようにでは無く、大きく反応する身体の動きによって鎖が打ち鳴らされている状態だった。
じんじんと頭からその四肢へと雪崩れ落ちてくる鈍い疼きは、まるで入れ物に水を満たすようにその身へと溜まっていった。
時を追うごとに、その蓄積された疼きがより一層の快感を増幅させていく。
「ひ……あ、うぅうう……、ぐ……やぁああ……ッ、も、ぉぉお……」
「んー? もう? 何がもう、なのかしら」
「はぁあうんっ……、なん、でも……なぁっ……いっ……ひぅッ!」
「そぉう? こんなに気持ち良くなってるみたいなのに、まだ足りないのかしら」
「ぅあッ―――! ひ、ひゃうぅうあ……!」
精一杯の抵抗。
そんな彼女の虚勢をあざ笑うかのように、ヴァイパーはそれまで弄んでいた小さな乳房からレイジングハートの先端を遠ざけた。
絶え間なく与えられていた刺激が止んだその瞬間、僅かに気を抜いてしまったなのはだったが、そんな彼女の脱力を見計らったように、力なく開かれていた足の間へ再びその杖が潜り込んでいく。
くちゅり、と粘液質で淫靡な響きがなのはの耳にまで届き、脳がぞくぞくと揺さぶられるような快感に襲われる。
「あら、もうすっかりと。まだ子供なのに、ここは随分と大人びているのね」
クスクスと笑いながら女が少女の秘部の入り口を撫であげると、既に快感に屈してしまっている身体がひとりでに動き、ゆっくりと足を開き始めた。
照明の元に徐々に明らかになるその隠された場所は、既にぱっくりと口を開けて、白濁し始めた淫液によっててらてらと淫靡に輝いているのが見て取れる。
「ひやぁッ―――! ダメぇッ……そこ、さわらない、でぇ……!」
「どうして? とっても気持ち良いでしょう」
「ぁあぁあッ……それ、は……はっ……そうだけ、どぉ……ッ!」
ニヤリと、ヴァイパーの口元にこれまで以上に凄艶な笑みが浮かべられた。
悦辱に悶え続けるなのはは、気がついていない。
女のその問いかけに、少女は確かに快感の存在を認めてみせた。
つい先程までの彼女ならば、絶対に認めようとはしなかった筈なのに。
「ひ、ひゃああぁっ……、あ、は、きゅ、ああっ……!」
彼女の頭の中へと送り込まれ深く根を張った術式が、その脳を染め上げた結果を明確に反映させていた。
ただ素直であれば良い、そう囁き続ける頭の中の声が、知らず知らずの間になのはの思考を蝕んでいく。
それに付随するように、凄まじい快感を己の身に与えてくれるヴァイパーの存在が、彼女の頭のなかで次第に大きなものへと膨らみ続けていた。
「あ、あはぁッ……! ふにぁッ……あ、はぁぁあんッ……!」
「ねえ、オチビちゃん? 私にこんな事されて、こんなにされちゃって、悔しい?」
「や、だぁッ……、わたひはッ、まけな、い、のぉお……っ!」
「あら、そう。それじゃ、こうされるのは、どう?」
大陰唇の周りをそろそろと撫で回していた切っ先が、秘裂の上で包皮に包み込まれながらもはっきりとその存在を主張している陰核へと伸びた。
ぐいっと、肉を押し付けて食い込むその先端。
「あ―――ッ!? にゃ、はアァあアッ――――――!」
今までで一番の嬌声。
包皮からぷりんと勢い良く剥き出されたピンク色の小さな豆を、それは容赦無く弄ぶ。
なのはの身体が一際大きく跳ね上がって、腰が椅子の尻から飛び上がった。
プシっ、とその割れ目から勢い良く飛び出す無色の液体。
「――――――あッ♡♡、ひ――――――ッ♡♡♡」
ガクガクと仰け反り続けたその身体が激しく震える。
遥か天を見上げるがごとく直角に逸らされた顔は、彼女が受けた衝撃の強さを物語るようにだらしなくとろけきっていた。
「あら、もしかして初めてだったのかしら?」
「にゃにこれへぇえええッ―――! はひッ―――しゅ、ご―――ッ!!」
ヴァイパーはそんな事を呟きながらも、彼女の状態を気にすること無く再び腕を動かし始めた。
高みへ持ち上げられていた意識が再び引き戻されて、なのははこれまで以上の激しい声をあげる。
次から次へとその芽に突き刺さる爆発的な快感。
「ほら、ほぉら、もっと大きな声で鳴いてみなさい」
「ひッ、のぉお――――――ッ! やっ――、え、はぁ――――――ッ!」
長く長く続いたその飛行から、ようやく戻って来たかに思えたなのはの意識が、彼女の容赦の無い責めによって再び旅立とうとしていた。
はじけ飛ぶように震え続ける身体から、大粒の汗の雫が絶え間なく空気中に飛び散り、纏わりつくような湿度を生み出している。
「まッ、たぁああぁ―――ッ!? クルッ―――なにかぁッ、きちゃうのぉッ――――!」
「そう、やっぱり知らなかったの? イクって言うのよ。ほら、言ってみて。イクッ、イクうっ、って」
「イ、ク―――!? はひッ―――! イクッ、イっちゃうッ―――! ふにゃはぁぁあああああっ―――♡!♡!♡!!」
それまで激しく打ち鳴らされていた金属音が、瞬間、止まった。
開いたままの口から唾液を垂れ流しながら弓なりに身体を反らし、なのはは再び忘我の境地へと旅立っていく。
何もかもがどうでもいいと思えるくらいの絶対的な快感に包まれて、彼女はとてつもない幸福に包まれていた。
そしてそのタイミングを待ち侘びていたかのように、再び彼女の脳内を魔術の光が染め上げる。
真っ白になった頭の中を縦横無尽に飛び回る黒い塊が、遠のいていく意識の代わりに少女の精神に定着し、それを侵食していくのだ。
「あ―――、ひ………ぁ―――ッ………♡」
声帯を空気が通り抜けるだけの、言葉にならない音がぶつ切れに飛び出す。
見開かれた彼女の目は、既に焦点を結んでいない。
ヴァイパーはなのはの身体から杖を離し、絶頂からその精神が再び舞い戻る様子を静かに見守っていた。
ゆうに一分以上の後、張り詰めていた身体がようやく弛緩し、ぐったりとした少女へと微笑みかける。
「はい、気持よかったねぇ。これからはちゃんと、イキそうな時はイクって私に言うのよ?」
「はぁッ、はっ……。わ、かりましたぁ、ごしゅじん、さ、まぁ………」
驚くべき事に。
なのはの口から飛び出た言葉には、最早元来の力強さは微塵も感じられなかった。
女に対して媚びへつらうような、そんな甘ったるい響きでもって、なのははヴァイパーを主人と呼んだ。
うっとりと潤んだ瞳に満足気な微笑み。
それはほんの僅か前の彼女からは考えられない、空気を歪ませるように艶のある雰囲気を醸し出していた。
ヴァイパーはその色に狂ったようななのはの笑みを満足気に眺める。
「ねえ、なのはちゃん。今、私の事をなんて呼んだの?」
「はひゃっ……ふぁんっ……、ごしゅじんさ、ま……ぁっ……てぇ」
「そう。それはあなたが、私のものになってくれるってことで、いいのかしら?」
「ふぇ……。ごしゅじんさま、のものぉ……?」
「そう、わたしの、もの」
締りがなく緩んだ笑顔でなのははその言葉を繰り返した。
もはや彼女の頭脳は、ヴァイパーに埋め込まれた特製の異物によって完全に掌握されていた。
あっけないものでは無いかと内心バイパーは僅かに息を吐きながら、最後の確認として彼女が己の立場を口にする瞬間を待つ。
しかし。
「い……やぁっ……」
了承の言葉を述べる筈だったなのはの口が紡ぎだしたのは、弱々しいながらもはっきりとした否定。
「へぇ……」
少しだけその目を見開いて、ヴァイパーは感嘆の声を上げた。
彼女の頭脳はあの絶頂へと叩きこんだその瞬間に完全に掌の上に収めたはずで、身体は当の昔に屈服しているというのに。
それでもなのはは、最後の一線を越えまいとしていた。
その曲げ切れぬ強固な意思に、彼女は称賛を送る。
バイパーは一瞬見るもの全てに恐怖を与えるような凄まじい笑みを浮かべた。
「あら、私の事、御主人様って言ってくれているじゃないの。なのに、まだあなたは私に従うつもりは無いっていうのかしら」
「はへぇっ……。ごしゅじんさまは、ごしゅじんさまだけど……ッ、ダメだって、いってるのぉ。いっちゃダメだって、ずうっとぉ……!」
「ふぅん。それはいったい誰が?」
「れ、いじんぐ、はぁと、がぁ………」
そっと、ヴァイパーは己の手の中でモノ言わぬ棒きれと化したデバイスの成れの果てへと目を向けた。
それは何も語ることは無い。
無いはずだが、しかし彼女を支えているのはその声なのだと言う。
「そう、わかったわ」
得心したように呟き、女はなのはの縛り付けられた椅子から離れていく。
「なのはちゃん、私、少し用事ができちゃったの」
「ふぇ……? よう、じ?」
「そう。だからね、少しの間あなたを気持ち良くしてあげられ無くなっちゃうんだけど、どうする?」
「えぇ……、いやだぁっ……。もっと、きもちいいの、ほしいよぉ……っ!」
「そうよね、やっぱりそうよね。だ、か、ら」
女は己の口の中で何事かを呟いた。
キィン、と乾いた音が空気に走る。
その音に呼応するかのように座り込むなのはの周囲の床に、既存の魔法体系とは全く異なる魔法陣が幾つも現れ、そこから肉の色にぬらぬらとテカる大小様々な触手がうぞうぞと蠢きながら生えてきた。
それらは一瞬の躊躇いも見せず、自身の表皮を空気に触れさせたその瞬間から、なのはの身体めがけて襲いかかる。
全身に絡みつく熱い肉の感触に、なのはは歓喜の声をあげた。
「あはぁ……ッ! これも、きもちいい、のぉッ……♡」
気付けばその身体を縛り付けていた鎖は解けて消え去っていた。
なのはの四肢に巻き付いた肉蔦達は、空中へと彼女の身体を大きく持ち上げ、全身への激しい愛撫を開始する。
「暫くしたら戻ってきてあげるわ。それまでその子たちに、色んな所、可愛がってもらいなさい」
ヴァイパーはなのはに楽しげに告げる。
早速響き渡り始めた甘い嬌声に、なのはがそれを聞いていたのかはわからない。
気にせずに彼女はその場に背を向ける。
両手の間で、少女の最後の拠り所となっているという、そのデバイスの破片を弄びながら。
「あ゛ッ♡ ぉおあああッ―――! ひっ―――♡ ひゃあぁ゛あ゛―――ッ♡!」
「それらめッ♡―――またイクッ! あひいゃあぁああ―――ッ♡! あ♡ おぉッ♡ イク、イクイクイクイクイクイ゛クぅッ―――――――――♡♡♡ッ!」
「ひきぃいいぃッ―――! おしりッ♡ おひりぃッ――――――! じゅぼじゅぼきもちひぃのぉおおお――――――ッ♡♡!!」
時間の感覚などと言うものが、なのはの内側から消え果てて久しい。
自分がどれだけの間、そうやって触手の海の中で嬲られ続けているのか、そんな考えはその頭の中からすっかり消え去って、ただひたすらにこの世のものとは思えない快楽に悲鳴にも似た嬌声を止めどなく上げ続けるのみだ。
触手達の吐き出す白濁した体液に塗れたその身体は、全身が薄く染まってしまうほどに赤く熱を帯び、唯一つの場所を除いて、身体中の穴という穴に触手が入り込んでその内部をかき回していた。
頑なにそれらが触れようとはしない箇所は、触れられてもいないというのに大きく咲き誇り、その真っ赤に充血した粘膜の向こう側には未だ残る乙女の証すらも見て取れた。
瞬く間に開発されきった尻穴を大きく広げながら、体内に貯めこまれた大量の粘つく液体を細かな触手たちとともに排出する。
我を忘れるほどの素晴らしい開放感に、彼女は恍惚とした表情でその身体を痙攣させる。
「ただいま。どう? 楽しんで貰えてるかしら」
何度目かもしれぬ繰り返しの中、いつの間にかヴァイパーはその場に現れていた。
空気に色が付いてしまうのでは無いかと言うほどに、濃密にその場に満ちる淫気を芳しそうに吸い込みながら、女は笑う。
その手の中には、真っ赤な宝石の結ばれたネックレス。
だがしかし、その輝きの中に時折本来有り得なかったようなドス黒い濁りが顔を覗かせている。
「はひぃッ! もうっ、これぇッ! だいしゅきれしゅッぅ―――♡♡!」
薄れかけた意識の中でも、その声には反応せねばならぬという己からの命令によって、なのはは掠れた声で必死に言葉を返す。
「そう、気に入ってもらえてよかったわ」
「はひゃぁぁああああんッ♡♡♡」
ヴァイパーは宙吊りになった彼女に歩み寄り、触手にねぶられていた乳房へと手をやった。
それまでその肌の上を蹂躙していたそれらは、女の見えない力に怯えるようにその手の振れる範囲から己が身をくねらせて引いていく。
彼女の手が肌に触れた瞬間、なのははたったそれだけの刺激で絶頂に達してしまった。
それは、今まで触手に与えられてきたどのようなものよりも深く、そして高く。
少女は、己の身体が、諸手を挙げて悦びの声を上げているのがはっきりと自覚できた。
彼女こそが私を一番に気持良くしてくれる人なのだと、そう主張するように。
「それじゃあ、一応聞いておくけれども」
「ふひゅぅ―――ッ、は、あはぁ………♡」
「まだ貴女は、私のものにはなってくれないのかしら?」
肌の上をなぞるだけの、やわらかな刺激を与えるだけ愛撫を続けながら、ヴァイパーはなのはの耳元でそんな事を囁いた。
一瞬、彼女の身体が快感とは異なる理由で硬直する。
認めてしまえと囁く声が脳裏で銅鑼のように激しく響いていた。
しかし。
「い、ゃあぁ……」
その内なる声とは裏腹に、なのはは再びそれを拒絶した。
何故頑なにそれを認めようとしないのか、彼女自身にも既によく分かってはいない。
目の前の女に全てを捧げてしまえば、今よりももっと大きな快感を与えて貰えるはずだと理解しているのに、少女の身体の奥底に残された何かがそのことを決して認めようとはしないのだ。
「うふふ……」
女は笑う。
数百年、あるいは数千年。
長い眠りより目覚めて初めの獲物が、まさかここまでの拾い物だったとは思いもしなかった、と。
悦楽に蕩け切ったなのはの瞳の奥に、未だに残り続ける光を見据える。
あの時、既にデバイスは完膚なきまでに機能を停止させていた。
いかなる使い手であろうとも、完全に死んでいるものと心を通わすことなど出来はしない。
だからそれは、自身の相棒を破壊されたことによる怒りが見せた単なる幻聴。
そしてその怒りこそが、全身を支配されてもなお彼女の最後の拠り所となって、その光を燃やし続けていった。
それが宿る場所はきっと、彼女の心。
「ねぇ、オチビちゃん。これが何か、分かるかしら」
ヴァイパーは、そうして彼女を支える最後の柱を壊しにかかる。
ちゃらりと小気味の良い音がして、手の中でデバイスに結ばれたチェーンが揺れた。
「ぁ……、れいじんぐはーと、だぁ……」
「そう。貴女がとっても悲しそうにしていたから、こうして直してあげたのよ。嬉しい?」
「ぅん……うん! ごしゅじんさま、だいすきぃ……っ!」
そもそもそれを破壊した張本人がヴァイパーだということを、最早彼女の意識は思い出そうとしない。
目の前にかざされたその宝石と、それを持つ女を、熱の篭った目で交互に見つめた。
しかし、今までと変わらぬ姿に戻っている様に見えた彼女の相棒は、未だ一言も言葉を発することなく、ただその淫らな空気の元で己を煌めかせていた。
「はい、返してあげるわ」
「はぁ……ぃ……」
「ちゃんと直っているかどうか、確認してみてくれないかしら。私、ちょっと自信が無くて」
首に掛けられ、再び本来のあるべき場所であるなのはの胸元へやってくるレイジングハート。
白濁した液体に塗れた肌の上で唯一真紅の輝きを反射するその姿を、幸せそうな目でうっとりと目を細めるなのはに、ヴァイパーは告げた。
その言葉に何ら歯向かう様子も見せず、少女はこくりと首を振り。
「ぅん……。わかりまし、たぁ……。れいじんぐはーと、せっと、あっぷ……」
『―――All right』
その言葉を紡いだ。
その刹那。
彼女の身体を包み込む眩い光。
不浄の体液に覆われたその身体の上を覆っていく真に暖かな光の波が、次第に形を為してなのはの肌の上へ重なった。
瞬き一つの間に、バリアジャケットの展開は終了する。
服装も、そしていつの間にかその手に握られていた杖すらも、何も今までと変わりは無い。
「あはぁ……」
もう何も言うことはない。
そう、なのはは確信した。
心の底から隷属した素敵な御主人様と、ずっとずっと自身を気持ち良くしてくれるもの達に囲まれて、そして更には最大のパートナーすらもこの手に戻ってきたのだ。
それ以外に欲しい物なんて、他にあるの?
「ふふ……」
幸福感に満たされて一杯一杯のなのはは気付かない。
彼女にその相棒を手渡した女の顔が、愉悦に浸りきった艶やかな笑みを浮かべ続けている事も。。
展開されたデバイスの中枢、真紅の宝石の内部が、毒々しいマゼンタ色にうねっていることも。
「ぇ……? ひゃ、ふぅあ……ッ!」
幼女の様に曇りの無い微笑みを浮かべていた彼女の顔が、唐突に歪められた。
外見上は、何一つとして変わった所は無い。
ヴァイパーの手も、触手達も、彼女の身体には殆ど触れておらず、彼女の身体に刺激を送り込んではいなかった。
しかしながら少女は先程までと全く同じ様に、どろどろに溶けた甘ったるい声をその唇の間から漏らし始める。
「は……ひぃ、あッ! なんでぇッ……? はひゅぅ、やぁあああんッ―――♡!」
「んー? どうしたのかしら?」
その答えを知りつつも、敢えてヴァイパーは問いかける。
「ひぅうッ……! なにか、ふくのなかぁッ―――うねうねしてるぅ………ッ!」
「あら、そう。きっと貴女のお友達も協力してくれているのね。もっともっと気持ち良くしてあげる、って」
「はぁあああっ……れいっ、じんぐはーと、がぁ……ッ?」
再びぼやけはじめた視界で、なのはは己の右手に握られていたそのデバイスへ視線を向けた。
チカッ、チカッ、とその反応を確認するように明滅する宝石。
『More ecstasy is given to you』
無機質な声が、そう告げる。
「へぇっ……? あッ♡ ふぁぁああああッ――――♡♡ッ!」
バリアジャケットの内側に余すところ無く敷き詰められた無数の細かい触手達が、彼女の身体を這いまわった。
服の上からその状況を伺うことは出来なかったが、その薄布一枚隔てた場所では先程の触手達に与えられていたものに勝るとも劣らない、ねっとりと纏わりつく愛撫が少女の肉体を苛烈に責め立てる。
「あ゛♡ が、はぁああうッ――♡! あぁあぁあ―――――ッ♡♡!」
「あらあら、そんなに気持ち良くしてくれるなんて、とってもいいお友達なのね」
「んにゃ、ッああ、あッ! れいひんぐはぁとおお―――ッ! やッ、にゃあぁぁああ―――っ♡!♡!♡」
触手の生地にすっぽりとに飲み込まれたなのはの身体は、再びの絶頂地獄へと導かれる。
故に少女は気付かない。
先程まで己の手に握られていたそのデバイスが、ひとりでに浮き上がり、長いスカートの中、ぱっくりと口を開いた秘所へと宛てがわれている事を。
既にその先端部は、金属としての硬さを失ったおぞましい肉塊へと姿を変え、真紅と濃紫桃に染まったコアから這い出す、大小様々な触手達が入り口を解きほぐすかのようにピンク色の粘膜をくちゅくちゅと刺激していた。
「初めては私が貰いたかったのだけれど」
悶えるなのはを楽しそうに眺めながらヴァイパーは独り言のように呟く。
「でもまぁいいわ。無二のパートナーだものね、これ以上の幸せは無いでしょう」
『Stanby ready』
「さぁ、思いきり突いてあげなさい」
『All right. My Load』
「ひぃッ、ぎ、ああああああッ――――――!」
これまでとは違う、ずん、と鈍い衝撃がなのはの身体に走った。
女の指示により、ついぞ触手達には触れられることのなかった彼女の最後の花園に、醜悪な肉の槍と化したレイジングハートが侵入を開始したのだ。
まるで少女の肉体に現在の状況を理解させるかのように、酷くゆっくりと、幼い膣肉をかき分けながら奥へと進んでいく。
「へひゃぁああッ♡!? はいってくる! はいってきてるのおッッ! おっきひぃいい―――ッ♡♡!」
ミチミチと狭い通路を突き進まれるその初めての感覚に、なのはは感極まった声で悦びを露わにする。
レイジングハートの先端は、タップリとした時間を掛けてその肉の中を少しずつ割入っていき、やがてゆっくりとその動きを止める。
這い出した繊毛触手が、その歩みを滞らせた純血の証をコツコツとノックする。
それと同時に、皮膚を這いまわる触手達の動きが、一斉に止まった。
絶頂感に煮えたぎっていた少女の頭に、僅かばかりの理性が戻ってくる。
「さぁ、なのは。どうして欲しいかしら?」
ヴァイパーが囁く。
悪魔のような、いや、悪魔そのものといった笑顔が、彼女の精神を煮込みすぎたシチューのように蕩かしていった。
「にゃ、ぁっ………。もっと、もっとしてぇッ……。もっとさきにいったら、きもちよくなれるのぉ……ッ!」
半ば叫ぶように、なのはは続きを求める。
唯一、からかうように与えられる己の膣の中の微かな快感に、もどかしそうに身体を揺らしながら。
「してあげてもいいけど、それにはあともう一つだけ、貴女はお願いしないといけないわね」
「ふぇッ……ぇ、なに、なにぃ……ッ?」
「私のモノになる?」
「あはぁっ……、ん、ふぅうう………」
「何を迷うことがあるのかしら。気持ちいでしょう? たまらないでしょう? 貴女の大切なお友達もちゃんと返って来て、あなたの為に尽くしてくれているのよ? 他に何か、足りないものがあるかしら」
つうっと、その長い爪がなのはの首筋を撫でていった。
それだけで、とてつもない幸福感と快感が彼女の身体に響く。
「ない? なにも、ない……? うん、……とっても、しぁわせえ………」
「そう。なら、言っちゃいなさいな。私のモノになりますって。頷くだけで、もっともっと気持ち良くなれるのよ」
「ほんとう……?」
「えぇ、本当」
ヴァイパーはにこりと笑った。
先ほどまでの悪魔の様に見えた筈のその笑みは、今ではまるで絵画に描かれた天使のように神々しいものとして少女の心を打ち震わせる。
彼女を支えていた最後の柱が、音を立てて崩れていくようだった。
己を取り囲む世界は柔らかく、心地良く、幸福で。
既に最大の友は、その身を包む素敵な快楽と共に彼女の元へと戻ってきている。
本当に、そうだろうか。
微かに問いかける声は、暗い無意識の底へと力無く沈んでいき。
――――やがて、何も聞こえなくなった。
「なるぅ………」
「もう一度」
「なるッ、なりますっ……! ごしゅじんさまのものにッ、なのはをッ、してくださいッ!!」
「うふふ……。はい、良く言えました」
「―――は、ひゃッ―――! あ゛ぉおお゛ぉっあぁああぁ―――――――――ッ♡♡!!」
満足気に、彼女の主人が指を鳴らす。
それを合図に、レイジングハートは少女の儚い防壁を一瞬の内に突き破り、なのはの身体の奥深くへと一気にその身を潜り込ませた。
痛みなど微塵も感じられず、ただ身体の内側を蹂躙される悦楽に支配され、まるで野獣のように荒い咆哮を上げながら、なのはは達した。
しかしながら達していながらもなお、彼女を貫いたその槍は休むことなく抽送を開始する。
サイズに見合わぬ太い触手が小さななのはの秘裂から出し入れされる度、撹拌される激しい水音と共にその腹部が上下していた。
「あがッ―――♡! ひぎぃうッ♡! うぁあ゛あぁッ――――――♡! あ―――ッ♡!!」
「さあ、どうかしら?。さっきよりも、もっともっと気持ち良いでしょう」
「う、んッ―――! はひぃぃぃいいい―――ッ!! きもひいいれすッ♡! ばかになるぅ―――ッ♡♡! わらひばかになっちゃうよぉごひゅじんさまぁあああ♡♡♡――――――ッ♡!!」
素直に頷いた事へとご褒美だと言わんばかりに、彼女の肌の上に再びレイジングハートからの触手愛撫が降り注ぐ。
脳内の処理能力を安々と超えるほどの地獄のような快感に、彼女の身体は上り詰めたままになっていた。
そして、また。
彼女が自身の隷属を言葉にした瞬間から、完全に支配を受け入れたその細胞一つ一つまでが、主人であるヴァイパーの望むままにその在り方を変えようとしていた。
吹き出した汗によって髪の毛が張り付いた額や、滂沱の涙を流し続ける目元から頬にかけて、主人の身体に刻まれているものと同じ法則性を持った黒い文様が浮かび上がり始めている。
じわりじわりと滲むようにその漆黒の刻印が肌に定着するにつれて、更には少女の肌が、髪が、主人である女と同じモノになろうとするかのように褐色へ、白銀へと変貌を遂げていく。
すぅっと、静かに、その白い肌の上を女の肌色が侵食していく様は、まるで既存のなのはという存在そのものを塗り潰そうとしているかのようだった。
やがて完全に変貌しきった自身の姿に気が付いた少女は、肉体的な刺激とは異なる精神的な快感に包まれて、様々な体液に濡れた顔に花の咲き誇るような美しい喜びを浮かべる。
「あはッ♡! わたしッ♡ ごしゅじんさまとッ、おんなじになっちゃってるよぉッ♡♡ みて、みてえごしゅじんさまッ! おそろいになっちゃった、おそろいになっちゃったのぉ――ッ♡♡!」
「あぁ、本当に可愛らしいわぁ貴女。とっても気に入っちゃった。これからずうっと、可愛がってあげるわね」
「あは、あはぁあああッ♡♡! すてきっ、うれしいですッッ♡♡!! ごしゅじん、さまぁッ―――♡♡♡!!」
「だから特別、もう一つプレゼントをあげる。なのは、もう一度あなたのジャケットを展開しなさい」
「んんんぁぁあッ♡! わかりッ、まひたぁぁっ! れいじんぐはーとぉッ♡♡、れいじんぐ、ッはぁとッ―――せっと、あぁぁぁ―――ッぷ!」
『I got it』
「お、ほぉッ―――ッ♡♡!!?!?」
彼女の胎内を蹂躙し続けていたそれが、溢れ出る悦蜜に塗れながら応答した。
何本もの触手を生やし、なのはを突き上げていたレイジングハートのコアが、唐突にその球体そのものを少女の蜜壷の中へと潜りませていく。
本来ならば入るはずの無い大きさである筈だが、まるで少女の膣内にサイズを適合させるかのように縮んでいった宝玉は、触手によって抉じ開けられた子宮口からその内部へと到達した。
そして、溢れ出る魔力光。
それはなのはの胎内から肉体を、皮膚を、衣服を透過し、その場を怪しく染め上げる。
本来淡い桜色であったはずのその光は、そのコアの色と同色の、濃い紫とピンクが交じり合う毒々しいものへと変化していた。
やがてそれは意思を持つかの様に、なのはの身体全体を覆うように姿を変えていく。
その光の中で、青と白の清純さに満ちた魔法少女の衣装が桃色の霧へと分解され、再び身体の上で形を為していった。
通常のバリアジャケットの展開よりも僅かに長い時間の後、新たな衣装を纏ってなのはは石床の上へとすたりと降り立つ。
身体を覆うのは、以前の衣装の風体を帯びながらも、全く異質な装束だった。
首元に大きく嵌められる、隷属者である己を主張するかのような巨大な鎖の巻きついた無骨な首輪。
凹凸の少ない胴体を包み込むのは、形だけを見るのならばそれまでのバリアジャケットの上着部分に似ていた。
上半身から両手の甲までを覆うそれはしかし、ツヤツヤとした光沢に満ちた黒に染まっている。
少女の身体のラインは張り付くような生地の下でぴっちりと浮かび上がり、その胸部は切り取られたかのように素肌を露出させる。
先端だけは、上下から伸びた一本の革紐に覆われているものの、ぴんと張り詰めた乳首をむしろ強調するかの様に膨れ上がっていて、全体を見せつけている場合よりも尚淫猥な雰囲気を醸し出している。
剥き出しになった下腹部には、可愛らしいお臍を中心とするように、褐色の肌の上を怪しく輝くマゼンタの硬質な紋様が浮かび上がっていた。
まるで胎内のレイジングハートが姿を変えてその皮膚の上に現れたかのように、ヴァイパーのそれとはまた違った法則を持つ、皮膚と一体化した宝石によって刻まれた心臓を象る紋様。
大きくその脚を覆い隠していたロングスカートもまた上着と同様の色に染まりながら正中線に添うって二つに分割され、秘所と臀部を隠す本来の役割を忘れたように、両の脚の側面へふわりと広がっていた。
むき出しになった脚は、大量のベルトで縛り付けられるゴツゴツとしたサイハイブーツへと変貌し、その秘部を覆い隠していた下着は、最早下着と呼べるのかも怪しいものへと書き換えられている。
長く垂れ下がる腰布と一体化し、胸部と同じく秘裂の形すらもそのまま外に表すように食い込む黒艶のショーツ。
陰部の中央を走るラインに沿って、それを開放すれば今すぐにでもその内部にモノを咥えることが出来ると言うかの様に、一筋のジッパーが引かれている。
「あはぁっ……! すごい、かわっちゃったぁ………!」
中指から二の腕までを覆う、エナメルのような質感を持った生地を撫で上げながら、なのははほぅと息を吐いた。
未だ幼い少女が身に纏うには些か淫靡に過ぎる、淫蕩という言葉を具現化させたかのような衣装。
ぎゅっと自身の身体を抱きしめる様に両腕を回した少女は、ゾクゾクと背筋を震わせながらその新たなジャケット姿の己を眺める。
その姿から、かつての愛らしい魔法少女の姿を思い浮かべられる人間が果たしてどれほど存在するのだろうか。
「うん、とっても似合うわね。可愛いわ、なのは。着ている物も、私とおそろいの素材よ」
自身の身体を包み込む、同じように露出過多のボンデージを指さしながらヴァイパーは言う。
熱の篭った吐息を吐き出しながら、着ているだけで性感を刺激されるような己の新たな衣装を味わうなのはの目には、既にあの高潔な輝きは浮かんではいなかった。
不思議とその目つきすらも、以前とは異なる鋭いものへと変貌しており、ドロリと濁った瞳はその存在の根幹にまで刻み込まれた己の主人へと向けられている。
「えへへ。これから、もっともぉっと、気持ち良くしてくださいね、御主人様」
十の半ばにも満たぬ年齢の少女が浮かべるには酷く場違いな、淫蕩な空気を立ち上らせる微笑み。
舌先が、ゆっくりと、その唇を舐め上げた。
主人へと、それを見せつけるかのように。
ヴァイパーは、己の手中に堕ちた獲物を、満足気な目で眺める。
つまらない相手であればそこらへ捨て置こうとも思っていたのだが、なのはは彼女の予想以上に美味しく味わう事が出来る拾い物だった。
その顔の前へと、片手を差し出す。
差し出された彼女の指を躊躇なく咥え込み、犬のように舌を這わせるなのはを見下ろしながら、ヴァイパーは心地良さげに吐息を吐いた。
淫らな空気の漂う室内に、主の指先へと奉仕する悦びに満ちた少女の、くぐもった声と水音が木霊する。
それが再びの嬌声と変わるまでには、そう長い時間は掛からなかった。
褐色系淫堕ち幼女、刺青と無機物埋め込みのソースを掛けて。
これは悪堕ちじゃねえよ、と感じられた読者の方は申し訳ありません。
百合調教悪堕ちものとかもっと増えてほしいなと思って多分二年くらい前に書きました。
どうぞよろしくお願いします。