※この作品はR-18です。

生徒が迎える「男の子の日」の話   作:夜の機動戦士

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Chapter 02:白石ウタハと各務チヒロ

人肌

 ミレニアムサイエンススクール非公認のハッカー集団ヴェリタス。その実質的リーダーを務める各務チヒロは、不自然に小さな歩幅で部室棟の廊下を急いでいた。

 

「あぁ……何でこんなタイミングで……」

 

 下半身が熱い。スカートの裾を持ち上げる肉塊からは猛烈な獣欲が流れ込み、システムエンジニアには欠かせない冷静な思考を妨げる。三年生のチヒロは「男の子の日」への対処も慣れたものだった。スケジュールを把握し、一人で淡々と処理するようになって随分経つ。だが、ここの所の案件で心身共に消耗が激しかったせいか、本来予期されたスケジュールより早くに発作(・・)が起きてしまったのだ。

 

 夜に取引先との打ち合わせを控える彼女は、日の高い内に取り急ぎ処理を済ませる必要があった。日頃と違ってバランスの取りづらい足を引き摺って歩き続けること数分、部員が在室であることを確かめて、チヒロはエンジニア部の戸を叩いた。

 

「やぁ、来たね」

「ごめん。予定時刻の三分遅れ」

 

 部室の扉を開くと、部長の白石ウタハ――今は、仲のいい友人の――が、マグカップを傾けてチヒロを待っていた。ローストされたコーヒー豆の香ばしい匂いが、カフェイン漬けの鼻腔に染みていく。ヴェリタスの部室はエナジードリンクの甘ったるいケミカル臭で満たされがちだが、苦味も含めてコーヒーでカフェインを補充する方が、チヒロは好みだった。

 

「チーちゃんも飲むかい? 挽きたてを最適な温度管理で提供するよ」

「折角だけど、後にしとく。それより、アレ使わせて。三番」

「……よっぽど切羽詰まってるんだね。いいよ。防音ブースは空いているから、そこを使うといい」

「ごめん、ありがと」

 

 棚から黒い筒を手に取り、チヒロはガレージの奥に作られた電話ボックスサイズの個室へ急いだ。

 

「……ふぅ……」

 

 プライバシーを確保して、チヒロは一息ついた。ひとまず、スカートの裾を捲ってたくし上げ、レモンイエローのショーツを引き下ろす。水蒸気の粒が見えそうなほどのむわっとした湿気と共に現れるのは、赤赤とした粘膜と、血管の浮き出た肉竿だ。

 

 

 ――早くこいつを懲らしめないと。

 

 

 ボトルを開いて、チヒロは筒の中へローションを惜しみなく注ぎ入れる。脳を侵食する欲求を解消したい不機嫌な焦燥感と、剛直を濡れそぼった穴へ突き入れる快感への期待。その双方が押し寄せて、チヒロの手が震えた。

 

 

 ――売りに出てるのは劣化版だから……。

 

 

 出力やホールの挙動が弱くなったのは製作コストの都合だ、とウタハが以前不服そうに言っていたのを、チヒロは思い出していた。今チヒロの手元にあるオリジナルが、いずれはプレミアムバージョンとしてロールアウトする予定だそうだが、それも、市場に出回るエンジニア部製ホールの売れ行き次第だという。耐久性の高い名作を売り出したせいで、ユーザーの買い替えをなかなか見込めない。開発者としては一流だが、ビジネスの上手さという観点で見ると――チヒロにとっては何とも歯痒い状況だった。

 

「はっ……はっ……」

 

 ローションを注ぎ終えて、照準を合わせようとすると、肉茎がぐんぐん持ち上がり、カリ首が張り詰めた。

 

 これは早く処理を済ませるため。

 男の子の日をさっさと終わらせるため。

 

 そう内心で口実を並べ立てて、ローションでヌルヌルになった穴に、亀頭を押し込んでいく。

 

 

 "ぬぷぷぷっ……"

 

 

「あ……ウっ……♡」

 

 たとえ中で叫び声をあげても、外には漏れない。過剰なまでの防音性能を誇るブースだが、それでもチヒロは声を抑えた。根元まで一気に突き入れた分の摩擦に、甘い快感が迸る。ペニスの直径に対して狭い穴が、何もしていなくてもギュウギュウ締め付けてくる。その穴の狭さからして、もう市場に出回る製品版とは違っていた。

 

 

 ――今回はどっちにしようかな……。

 

 

 本体の小さな液晶で、チヒロはモードを選ぶ。フェラチオか、セックスか。回転するシリコンに舐め回される快感が脳裏に蘇り、チヒロは前者を選んだ。「ピ」と高い電子音がした直後、静音モーターが駆動し始める。

 

 

 "ヴーン……ヴーン……"

 

 

「は……んァ……♡」

 

 シリコンの筒がうねり始めて、チヒロは腰を震わせた。滑らかな面とザラついた面、性感帯となりやすい所に配置された突起が、回る内壁と共に、勃起ペニスへ襲い掛かる。二種類のモーターが複雑に動き、鈴口をちゅこちゅこ撫で回される。血圧測定器のような圧迫感に根元を締め上げられ、先端へ向かって竿が扱かれる。亀頭の裏筋もぴっとりと張り付き、丸みを帯びたコブが縫い目をなぞっていく。

 

「あ、ッ♡ こ、これ……っ♡ 吸われる、ヤバ……っ♡」

 

 オナニーやセックスの刺激に慣れていても耐えられない、高純度の快感。蠢くイボイボに裏筋を舐め回されると、媚を売るようにチヒロはペニスを突き出してしまう。筒の中で弄ばれる男性器からは、絶えず快楽信号が迸り、ローションで濡れそぼった穴の中に、チヒロのカウパー氏腺液が注がれていく。

 

 

 "がぽっ♡ ぐぢゅる♡ ごぽ、ごぽっ……♡"

 

 

「ハァ~……♡ はふゥ……♡ あ~、すっご……♡ きもちい……♡」

 

 くぐもった粘着音が、筒越しに聞こえてくる。敏感な剛直は、穴の中でメチャメチャにされて、びくんびくんとオナホールごと持ち上がっている。その光景が見えないのが、想像力を掻き立て、チヒロの焼けるような興奮をさらに煽った。バキュームフェラを受けながらリズミカルに腰を振る様を想起していると、モヤモヤした射精欲求が、腹の中心で次第に形を取り始める。

 

「い……イきそ……もう出ちゃいそ……♡」

 

 

 ――もう少し楽しみたいのに……

 

 ――でも、早く済ませないと……

 

 

 ぐぼっ♡ ぐぢゅっ♡ とあられもない水音を立てて、ぶっとく膨れ上がった竿が、ペニスを責めることにとことん特化した人工物にしゃぶられる。シリコンの粒がゴリゴリと亀頭粘膜を引っ掻くが、ローションの滑りの良さが、その全てをヌルヌルの快感に変換する。

 

 

 ――どうせ一発じゃ終わらないんだし……

 

 ――まずは出しておかないと……♡

 

 

 自分にそう言い聞かせながら、チヒロは絶頂目掛けて浅ましく腰を揺すった。その気になってしまえば、達するまではほんの一瞬だった。

 

「ン……出るっ……♡ あ、お……ッッ♡♡」

 

 

 "ぶりゅっ♡ どぶっ♡ どく、どく、どくっ♡♡"

 

 

 糊のように濃厚な白濁液が、シリコンの中へ無駄撃ちされていく。ミチッと締め付ける圧力の中、肉幹が脈動して、粘つく熱い液体が鈴口をこじ開ける。途方もない解放感が脳天を穿つ。チヒロはオーガズムに顎を仰け反らせ、ぴーんと足を伸ばしていた。

 

「ア˝……あッ……♡ 出し終わったのに……まっ♡ まだ、イッてる……♡」

 

 ホール先端部に備え付けられた、取り外しできる精液溜まりに、チヒロの吐き出した精液が溜まっていく。快感の深さを可視化するメカニズムに、チヒロはなおも腰を揺すった。じん、じん、と脳の芯に幸せな一度吐き出した程度でチヒロの「男の子の日」が治まるはずもなく、黒い筒の中でペニスはすぐに硬さを取り戻し、次弾の発射に備えていた。

 

 

「チーちゃん、いっぱい出したね」

「っ!?」

 

 優しく語り掛ける声がして、チヒロはぞあっと悪寒を覚えた。

 

「ウ、ウタハっ! 見に来ないでよ」

「鍵も閉めずに始めちゃうなんて不用心じゃないか。セキュリティは専門分野だろう?」

「……どこから見てたの?」

「モード選択の辺りからかな。ふふっ、この後は別モードで楽しむ予定だったのかな」

「覗きこむのは悪趣味だと思うけど」

「まぁまぁ。チーちゃんに披露したいものがあってね」

 

 憮然と椅子に腰かけるチヒロに、ウタハはスマートフォンの画面を示した。

 

「新機能を開発したんだ。パートナーと使う時のだけどね」

 

 液晶画面には、ホールの断面図と思しきものが映し出されている。挿入中(insert)とポップアップが出ている。ウタハの親指がスイスイと滑ると、振動を止めていたホールが、ぶるっぶるっと震えた。

 

「あっ♡ ちょ……ま、待って、ウタハっ」

「デベロッパ仕様でコマンドはまだ複雑だけど、こんな風に、外から細かく内部を操作できるんだ。たとえば、こんな風に」

「あ……ん……♡」

 

 幹の中腹から先がふわっと緩み、根元だけをゆっくりと扱かれる。

 

「まだイッた快感が残っている間は、こうされたいよね」

「い……いひッ♡ うっ、うぅ、あう♡」

 

 

 "ぎゅっ……ぎゅむ、ぎゅむっ……"

 

 

 硬い竿の根元をキュッと締め上げられ、竿全体が、コリを解すようにシリコンに揉みしだかれる。尿道の残った精液が搾り出されて染み出す甘イキの快感に、チヒロは嬌声をあげて身を震わせる。

 

「ふふっ、気持ちよさそうだね」

 

 しっとりしたアルトの声が、チヒロの耳元へ吹きこまれる。神経を直接舐められるような甘い囁きに背筋がゾクゾクし、思わず胴が捩れてしまう。

 

「パートナーがいる時は、こう、手動で使う方がいいかもね」

 

 

 "ぐぼっ♡ ぐぼぢゅ♡ ぶっ♡ ぶぢゅ♡ ぢゅ♡"

 

 

「あ˝あぁぁ……っ♡ だっ、ダメ、ダメ……っ♡」

「亀頭の根元も感じやすいようだね。そこの締め付けをもう少し強めようか」

「やぉ……お˝……♡ ひぃ♡ い˝っ♡」

 

 液晶画面の中でウタハが操作した通りの箇所が、そこだけ狭くなって、イボが食い込む。皮膚と粘膜の境目がゴリゴリ責められると、たまらずチヒロは悶えてしまう。

 

「ふふ、腰が浮いちゃったね。気持ちいいんだ。大丈夫、外には聞こえないから、声を遠慮することはないからね」

 

 ウタハの長い髪が、チヒロのエアリーボブの隙間を縫って、首筋をくすぐる。耽美な声色に耳を愛撫され、ホールの仕様を知り尽くした開発者の手つきが一番の弱点を責め立てる。

 

 一ヶ所の快感が引かない内に次から次へ別の刺激が襲ってきて、脳がぐにゃぐにゃにされる。かといって快楽地獄から逃れようとを腰を引こうとすると――

 

「おや、逃げてはいけないよ」

 

 

 "ずぶぶっ♡ ぶぢゅんっ♡"

 

 

「あお˝……♡ ふひぇ……っ♡」

 

 逃げた先へホールが追いかけてきて、根元まで咥えこまれる。ウタハがホールを握り込む動きに合わせてシリコンの内壁がリズムよく締まり、ペニスがシリコンの襞に吸い付かれる。びくん、と跳ねたペニスは一瞬拘束を押し返すが、そうすると引き抜かれる摩擦がかえって強くなってしまう。

 

 

 "ぬぼっ♡ ずぼっ♡ ぶぢゅ♡ ごぢゅ♡"

 

 

「おやおや、腰をへこへこ振って……チーちゃん、そんなにおちんちんで気持ちよくなりたいのかい?」

「ち、が……♡ か、かってに、うごいて……♡」

「よし、タイミングを合わせよう。ほら……♡」

 

 

 "ぐぼッッ♡ ぼぢゅんっ♡"

 

 

「ほお˝ぉぉ♡ ほぁあぁぁ……♡ あが、ぁ……♡」

 

 腰を持ち上げると、鼠径部にホールがめり込むほど深々と挿入して、腰を引けば、亀頭が露出するまで抜去される。移動距離に比例して、ぐちょぐちょのシリコンホールは容赦なくペニスを責め上げて、チヒロの理性がドロドロに溶かされていく。腰の奥から、熱いものが込み上げてきて、通り道(・・・)が白く濁っていく。

 

「だめ……ウタハぁ……♡ おっ♡ おんっ♡ はおっ♡ おほッ♡」

「この反応……もう出てしまいそうなのかな?」

 

 イキそう、と口にする余裕もなく、コクコクとチヒロは頷いて応答した。ウタハが手を止めた。

 

「じゃあ、あと五秒だけ我慢してみようか」

「え、なんっ――ひゃあぁん♡」

 

 ウタハが耳たぶを唇で優しく食んできた。自慰では触れようのない所への愛撫に、思わずチヒロは仰け反ってしまう。突拍子もない提案に文句を言う間もなく、ホールが蠢きだした。

 

「ご……よん……」

 

 

 "ぶぢゅ♡ ぶぢゅ♡ ぶぢゅ♡ ぶぢゅ♡ "

 

 

「だ、だめっ♡ のぼって、きてる……♡」

 

「さん……」

 

 

 "ごりゅっ♡ ぐにっ♡ ぎゅぅっ♡ ぎゅ~♡"

 

 

「あ˝……おぉ♡ しめつけ、きつぅ……♡」

 

「に……」

 

 

 "ごちゅ♡ ごちゅ♡ ごちゅ♡ ごちゅ♡"

 

 

「あ♡ あ♡ あぇっ♡ っ、ぐ♡」

 

 射精本能に突き動かされて、チヒロがカクカク腰を振る。その度に肉幹は、シリコンのイボに、ずりゅっ♡ ずりゅっ♡ と蹂躙される。強い締め付けの中でゴリゴリ粘膜を嬲る突起は、痛みに変わる寸前の耐え難い快感だった。

 

 

 "ずぶぢゅっ♡ ごぼっ♡ ずぶっ♡ ごちゅんっ♡♡"

 

 

「ほら、もうすぐ射精だよ。ふふ……♡」

「か……カウント、止まってるふゥ♡♡ なんで、うたは……あぃいぃ♡」

「あとちょっとだね。楽しみだね。健気に我慢しようとしてて、チーちゃんは偉いね♡」

 

 子どもをあやすような口調で、耳を責められる。温かい吐息がうなじをくすぐり、ペニスからの快楽信号で大渋滞の背骨へ押し入るように、甘い痺れが走っていく。

 

 

 "ぐぢゅ♡ ぐぢゅ♡ ぐぢゅ♡ ぐぢゅ♡ じゅぶ♡ ずぼっ♡ ずっちゅ♡ "

 

 

「んぃ……っぎ♡ っぐぅぅぅぅぅ♡♡ ほッ♡ あ˝ッ♡ あおおおっ、おぉぉ♡」

「ん……じゃあ、いっぱい出そうか。ちゃんと見ててあげるから、たっぷり足ピン射精するんだよ」

「お、お、ぉ……♡ す、するっ♡ あしピンしゃせいするっ♡ あっあっ、うたは、うたはっ♡」

「私はここにいるよ。さぁチーちゃん。頭がトロトロになるまで気持ちよくなろうね。……いち……」

 

 

 "ぐぢゅっ♡ ごりッ♡ ぶちゅっ♡ ぐりぐりぐりぐりっ♡"

 

 

「はォぉおおんっ♡♡ あ、あっ、あひっ、いぎひぃいぃ♡」

 

 

 ぜろ。

 

 

 ぷちん――チヒロの脳内で糸が切れた。

 

「あっ♡ ああああっ♡ でる……いくっ♡ ああっああああ♡ あ˝~~~~~~~ッ♡♡」

 

 

 "びゅぐぐぐっっ♡ ぼびゅっ♡ どぷ、どぴゅ……っ♡♡♡"

 

 

 粘っこい白濁汁が噴き上がる。石みたいに硬くなったペニスは、自らを押し潰す穴に抵抗するみたいに、めいっぱい膨れ上がって、尿道を押し広げて――。目の前がチカチカして、快感でチヒロの胴体が跳ね上がる。

 

「うん。勢いよく射精してるね。液溜まりの蓋が吹き飛んでしまいそうだ」

 

 

 "どぶっ♡ ごぽ、ごぽっ♡ びゅるる……♡"

 

 

「あ……い˝ッ♡ はぁ、でる♡ でるっ♡ でるうぅぅ……♡♡」

「おやおや♡ まだ出るんだ。いっぱい射精できて偉いよ、チーちゃん」

「あ、や……♡ それ、だめ……っ♡」

 

 すごいね。えらいね。友人の目の前で情けない声をあげての射精を、ウタハは甘い言葉で肯定する。優しく頭を撫でられて、ピンと伸ばした足の踵が持ち上がってしまう。深イキの絶頂感に髪の先まで浸りきって、チヒロは全身を痙攣させて身悶えした。

 

「んぇ……♡ あ、ぉ……♡」

「大波が過ぎ去った所かな。抜くよ」

「あ……はあぁぁん♡」

 

 

 "ぐぽぉ……っ♡"

 

 

 ホールが引き抜かれる瞬間、バチッと電撃が走った。ホールの先端は、長くたわんだ白い吊り橋で、鈴口と繋がっている。肉の栓が引き抜かれたことで、中に収まりきらなかった精液が、とろっと垂れて、ぽたぽたと滴った。

 

「おっ、これはまた、ずっしり重たいな。振るとたぽたぽ音がする。ほら、聞こえるかい?」

 

 

 "ちゃぷ♡ ちゃぷ♡ ちゃぷ♡ ちゃぽ♡"

 

 

「や……やめてよ……」

 

 大量射精の証拠を見せつけるように、ウタハがオナホールを振って水音を鳴らす。その行為は、真面目なチヒロの心を酷くかき乱した。オーバーヒートした基板みたいに顔が熱い。そんな辱めにもかかわらず、チヒロの肉茎はまだ射精の余韻にビクビク震えている。いや、チヒロは、与えられる恥辱に微かな快感を覚えていた。

 

 

「あんなに吐き出したのに、まだ元気みたいだね」

「う……♡」

「それに、穴の方もヌルヌルだ」

「あ、あっ、あっ♡」

 

 数々の機械を発明して組み上げるマイスターの指が、体液でベトベトの性器を弄ぶ。呼吸の落ち着かないチヒロは、まだ全身に力が入らない。……と、そこへ、ウタハがまた発明品(・・・)を取り出して、ぽかんとするチヒロに突き付けた。

 

「ナカから男の子(・・・)を責めるバイブレーターだよ」

 

 見た目は、反り返ったペニスだ。人工物であることをアピールするような青紫色で、刀の峰(・・・)に、河原の小石みたいな突起がボコボコと生えている。

 

「さ、召し上がれ……」

「あ、ちょっと――おおぉぉおン♡♡」

 

 

 "ぬぷぷぷっ♡ ずぷっ……♡"

 

 

 絶頂の余韻で気の緩んでいた膣に、凶悪な凸凹が押し入ってきた。頭さえ飲み込んでしまえば、後は滑りに任せてずるずると奥まで届いてしまう。不規則に並んでいるように見えたコブが、膣天井の性感帯に当たり、チヒロの膣は驚いて強くバイブを締め付けた。それがよくなかった。

 

 

 "ごりゅっ……♡"

 

 

 ばちばちっ、と背筋を電流が駆け上がる。

 

「あッ♡ ああっ、く、くいこんで……い、いっ、いひィ……♡」

「普段使いはもちろんだけど、男の子の日に特に気持ちよくなれるよう、工夫を凝らしたんだ」

「んうぅ、うぅ……♡ なっ……ナカから、押されるっ……♡」

「しっかり食い込んだら、振動させる、と」

 

 

 "ヴー……♡"

 

 

「ほッ!? お、んぉお……♡ あ、いひえええぇっ♡」

「チーちゃんはGスポットが好きだったよね。ここを揺らすと、根元(・・)にも響いて……ふふ、どうかな?」

「んぁああぁっ♡ くおぉ、おぉぉおお……♡」

 

 突起が小刻みに動き、膣内を抉る。それだけに留まらず、粘膜を振動が伝い、体内に埋まったペニスの根元が、こりっ♡ こりっ♡ と圧迫される。排尿感とも射精感ともつかないもどかしい快感が肉茎をじわじわと苛んで、尿道の残り汁がぷくっと押し出される。

 

「うあぁ……♡ ナカからしごかれるっ♡ あっだめっ♡ こんなのしらないっ♡」

 

 透明な手で愛撫されているかのように、チヒロのペニスはビクンビクンと亀頭を振り回している。射精の残滓は後続のカウパーにトコロテンよろしく押し出され、硬く反り返った幹を伝って垂れていく。

 

 ウタハは、チヒロの反応を逐一見定めながら、的確にバイブを駆動させる。その度に、挿入されたバイブレーターは峰にびっしり生えたコブを武器に、膣内の弱点を責めてくる。

 

「う、あ、あっ♡ やっ♡ そこ、だ、め……♡ ううっ、いちいち、当たるっ……ん˝ッ♡♡」

 

 

 "ぴゅるっ♡"

 

 

 ペニスが胴を振るわせて、射精と見紛うばかりに濃厚な先走りが排泄された。一度尿道が潤ってしまうと、我慢汁は次々と湧いてくる。チヒロの快感は、股間の屹立が雄弁に語っていた。涎を垂らすみたいに、鈴口からとろとろと粘液が糸を引く。

 

「はー……♡ はー……♡ う……くる……っ♡ あがってきた……♡」

 

 裏側からペニスを愛撫されて、排尿感に似た焦りが腰の奥で沸き起こった。

 

「まって……ご、ゴムしてないから、このままだと……お、おぉ、お……♡」

「ふふっ、気にしないでいいのに」

「でも、他所の部室、だからっ……あ、あっ……出ちゃう……♡」

「それなら……こうしてはどうかな?」

 

 女性器を直接、男性器を間接的に責め続けたバイブがぴたりと大人しくなった。ローファーを脱いだウタハがスカートの中へ手を突っ込み、するするとタイツが引き下ろされていく。

 

「う……ウタハ……?」

「しようよ、久しぶりに」

「……っ」

「ん……♡ 大丈夫、ちゃんと濡れてるよ……♡」

 

 ウタハの指先が、糸を引いている。

 

 チヒロの思考が一瞬ストップした。

 淫らな快感に溶かされた意識に、甘い期待と興奮が込み上げる。

 

「自分で処理するようになってからは、御無沙汰だったからね。一人で部室にやってきたチーちゃんを見てたら、体が疼いてしまって……」

「で……でも、避妊はしないと……」

「忘れたのかい? 相変わらず女の子の日が重くてね。服薬は続けているんだ。だから……」

 

 

 ナカでイッていいよ。

 

 

 跨りながらそう囁かれて、射精欲求が急沸騰する。イく寸前だったチヒロの剛直はさらに大きく膨らみ、ぱっくり開いた鈴口から、白濁した先走りが滲んだ。ナマの粘膜同士で擦れ合う悦楽を思い、ヴェリタス随一の頭脳が、肉欲に塗りつぶされていく。

 

「入れるからね……んっ……♡」

 

 

 "ぬぷんっ……♡"

 

 

 ウタハが腰を沈めてきた。つるんと亀頭が滑り込むと、熱く潤んだ膣穴に、そのまま怒張が飲み込まれていく。

 

「ハァ、ハァ……♡ あっ、あ、やわらかくて、あったか……♡」

 

 熱くて、湿って、狭くて、柔らかい肉壁。

 

 

 ――ああ……やさしい……♡

 

 

 オナホールみたいにゴリゴリ性器を引っ掻く突起なんてついていない、ペニスを射精させる機能からすれば劣るはずなのに。根元までぴたっと包み込まれる安心感が、チヒロの緊張を溶かしていく。

 

 だけどそれは、射精を堰き止める意思までも溶かしてしまい――

 

「あ……だ、だめ……ッ♡」

 

 意識の緩みから、オーガズムが噴き上がる。

 

「だめっむりッ♡ でるでる、でる……でりゅ、しゃせいするっ……♡♡」

 

 

 "どびゅるるっ♡♡ びゅうううううっ♡"

 

 

 きゅっ♡ と優しく締め付けられただけで、チヒロは達してしまった。セックスに誘われた瞬間から膨張した興奮が、風船みたいにぱちんと弾ける。蕩けるようなエクスタシーが、じわ~っ♡ と脳内に広がっていく。

 

「ご……ごめん、あぉッ♡ がッ、がまん、できなっ♡ あっ♡ おほ……っ♡♡」

 

 

 "どぷっ♡ どぴゅる……♡ びゅッ♡"

 

 

 ぬくもりに包まれながら、射精が続く。尿道を熱いものが駆け上がり、スカートの襞の向こう側へ、ドクドクと放たれていく。収縮して持ちあがる陰嚢の中身を残さず注ぎ込まんとばかりに、チヒロはウタハのスレンダーな腰に両腕を回し、ペニスを深く突き入れていた。

 

「はー♡ はー♡ 即イキ、しちゃった……♡」

「暴発なんて、童貞(チェリー)の子みたいだね」

「し、仕方ないでしょ……さっき、あんなに……」

「あぁ、そうだ。また穴の方も動かしてあげないとね」

「えっ……ひぁッ♡ あぐアッ♡」

 

 膣に挿入されたバイブレーターが、チヒロの女の子への責めを再開した。低いモーター音と共に、細かなイボがチヒロの弱い所を舐め回す。ペニスの付け根も下からの振動に襲われる。外からはウタハの蜜肉が、中からはバイブレーターの根元責めが、快感神経の塊と化したイキたてチンポを嬲っていく。

 

「ん……もう硬くなった♡ ビクビクしっぱなしだけど、大丈夫かい?」

「だ、大丈夫な、わけ……な……」

「動くよ。チーちゃんの熱いおちんちんに押されて……私も……っはァ……♡」

「あ♡ や、待っ♡ あ˝ぁっ……♡」

 

 

 "とちゅ……とちゅ……♡"

 

 

 椅子に腰かけたままの対面座位で、ウタハがゆっくりと腰を使いだした。体重がかかると、バイブレーターがグリグリと膣の天井に食い込み、子宮口を押し上げる亀頭が内側から圧迫される。その威力たるや、膣肉に搾られる肉茎ごと揺さぶっているようにさえ感じられる。

 

「お、おぐッあぁ♡ やめ……へぇ♡ よっ、よわいところ、いっぺんに、ッ♡ あーーっ♡ あ~~~~っっ♡♡」

「はっ♡ んっ♡ チーちゃん、カッコいい声してるのに……感じてる声は可愛いね……♡」

 

 

 "ヴーー……♡♡"

 

 "ごり♡ ぐりゅっ♡ ぐり♡"

 

 

「あ♡ あ♡ あ♡ あ♡ おおぉぉぉおっ♡♡ あ、だめ、だめ……♡」

「目がとろんとしてきたね。もうイきそう? どっちでイくのかな?」

「あ……あな、穴のほうっ……♡」

 

 

 "ヴィーーーー♡♡"

 

 

「ほら。少しパワーをあげたよ。さぁチーちゃん、早く女の子イキするんだ……♡」

「あ、あぁっ♡ イくっ♡ おまんこイぐ……うぅぅ……ヴぁっ♡♡」

 

 敏感な性器を同時に責められて、快感を堪えられるはずもない。肉壁を押し広げて暴れ回るバイブレーターからの責めに耐えかねて、チヒロはあっけなく膣イキした。指先までじわーっと広がる、女の子イキ独特の浮遊感に全身を包まれる。

 

 その一方、ウタハの膣襞に締め付けられるペニスは、びゅっ♡ びゅっ♡ と精子混じりの我慢汁を噴き出し、こちらも絶頂寸前まで一気に駆け上っていた。しかしながら、ウタハが上下動を休めていたこともあって、せり上がる射精感がゆっくりと引っ込んでいってしまう。

 

 

 ――出せそうだったのに……

 

 

 バイブレーターの振動も止められてしまった。放精のタイミングを逃したチヒロは、スカートの中に手を突っ込み、ウタハの尻肉を掴んだ。

 

 

 "ぬち……にちっ……♡"

 

 

 体にかかる重みに抵抗するように、腰を揺する。華奢なウタハの体が弾み、ずるん、と剥き出しの粘膜同士が擦れ合う。

 

「ん……♡ チーちゃんも動いてくれるのかい?」

「少しぐらい、仕返ししないと、ねっ……」

「それは楽しみだ……ん♡ あっ、あは……♡」

 

 

 "ぱちゅ♡ ぱちゅ♡ ぱちゅ♡"

 

 

 ウタハの動きにリードされながら、突き上げ、迎え撃つ。一人用の椅子が、二人分の体重を受け止める。恥骨を擦りつける前後の往復運動が、膣奥を突き上げるピストン運動になっていく。互いに息が上がり、体が熱くなっていく。リズムよくウタハを突き上げていると、淫らな眼光を宿した彼女の手が伸びてきた。チヒロの制服のネクタイが解け、シャツのボタンが外れていく。

 

「あっ、ちょっとっ」

「いいだろう、手持無沙汰なんだから。ご立派なの(・・・・・)を見せてよ」

 

 同じ女同士だ。ウタハがフロントホックに気づかないわけもない。あっさりブラを外され、水色のカーディガンを押し上げて色濃い影を作るチヒロの豊乳がまろび出ると、マイスターの器用な指先が、興奮に膨らんだ乳頭へ忍び寄っていく。

 

 

 "きゅっ♡ くにっ♡ くり、くりっ……♡"

 

 

「こ、こらっ♡ あっちも、こっちも……♡」

「いいじゃないか。隣の芝生は青いって言うだろう? もちもちのふわふわで、吸い付く肌触りだ。それに、こんなに大きいのに形もキレイで、感度も……ふふっ♡ チーちゃんが羨ましいよ」

「あ……っん……♡ もう、ウタハっ……♡」

 

 発酵させたパン生地のような膨らみに、ウタハの掌が沈み、大きく実った乳房を掬う。左から右へ、波打つように揺さぶられて、上半身にジンジンともどかしい快感が広がっていく。

 

 

 "むぎゅっ♡"

 

 "こり……こりっ……♡"

 

 

「うッ♡ あ、あアアッ♡」

 

 薄桃色が肌と同じ乳白色に変わるまで、ぷっくら丸く膨らんだ乳首は引っ張られ、またじわじわと潰して愛撫される。膣穴にはまだバイブを咥えこんだままなのに、胸まで責められる。乳首から走った電流は下半身へダイレクトに響き、ウタハの濡れそぼった肉を掻き分けるペニスが胴を震わせる。

 

「さて、そろそろバイブも動かそうか。ちょっとおっぱいに……はは、うまく乗った」

「ちょっと、そんな所スマホ置きにしないでよ……!」

 

 タピオカチャレンジよろしく、チヒロの左乳房に、ウタハのスマートフォンが乗せられた。しっとりしたもち肌に本体がぴとっとくっつき、土台の安定した所でウタハの指が踊る。

 

 

 "ヴヴッ……ヴィ……♡"

 

 

「ひおッ♡ ん、あ˝♡ また、っっ……♡」

 

 膣穴に食い込む玩具がまた動き出した。さっきまでと違って、緩急のついた振動だ。ビリビリとした快感が走って、スニーカーの中でチヒロは爪先を立ててしまう。

 

「ほら、三点責めだよ……♡」

「あ˝♡ お、おッ……♡ んおぉぉぉおっっ♡」

 

 ウタハの締め付けとバイブレーターの挟み撃ちに、ペニスが悲鳴をあげた。快楽神経が剥き出しになった根元をイボに抉られ、チヒロの性感帯に容赦のない責めが押し寄せる。

 

「あ……あっ♡ あ˝♡ あ˝っ♡ おッ♡ おおっお♡ ほおぉぉぉぉおおッ♡♡」

「すごい。乳首がおちんちんみたいに硬くなってるよ。いっぱい捏ねてあげるからね……♡」

「ひいっイ♡♡ あ˝あぁぁ、そこ、ォ……♡」

 

 全身が敏感になってしまったチヒロは、勃起乳首を捻られて背筋を反らす。本能に突き動かされて勝手に腰が揺れ、ウタハの肉環に何度もペニスをくぐらせる。達する時が近づくのは自明の理なのに、チヒロには今やそんな余裕もない。

 

 

 "ぬぷっ♡ ぐぷっ♡ ごちゅ♡ ごちゅ♡ ごりゅ♡ ぐちゅ♡ ぐちゅっ♡"

 

 

 ガタッ、ガタッと椅子が床とぶつかって音を立てる。低く静かな振動音を塗り潰すように、結合部から粘っこい水音がと鳴りっぱなしだ。

 

「ん˝♡ ぐ……♡ はっ、はっ、はっ、はっ、はっ♡」

「あ……あ、んっ……♡ いいよ、チーちゃん。奥に当たって、気持ちいい……♡」

「ふ、うぐぅぅぅ~~♡ こんなの、おかしく、なるっ……♡」

 

 チヒロは夢中で腰を振り、ウタハを突き上げた。ナマの膣内は柔らかくて、内側から振動責めに遭う陰茎を優しく包んでくれる。その優しさが、責め苦の中でチヒロを甘やかす。飴と鞭を同時に与えられているような甘辛い刺激に、可愛らしい嬌声が汚れ、トロトロにされていく。

 

「あ˝~~~♡ ああぁぁぁ~~~っ♡ 無理っ、こんなの、がまん、できな……♡ あっ、あっ、あっ、あっ、あっ♡」

「ん、んっ、んっ……♡ すご……♡ ね、チーちゃん、イかせて……♡」

「そ、んなこと、いわれてもっ……♡ ふンッ♡ ほっ♡ お、おっ、おォ……♡」

 

 

 "どちゅ♡ どちゅ♡ どちゅ♡ どちゅ♡ どちゅ♡"

 

 

 チヒロが懸命に怒張を出し入れする間にも、敏感な乳首も、膣内の弱点も責められっぱなしだ。最も快感に弱いペニスはと言えば、もう爆発しそうになっている。三点責めの刺激は股間の突起に収束し、尿道の中でボコボコと煮立っていく。

 

「ウタハ……♡ 出る、っ♡ でるぅ……♡」

「いいよ……私もイきそうだ……♡ そのまま、深い所に……♡」

「あ……♡ ああっああああ♡ だす……だすっ♡ ウタハにだすっ……♡」

 

 男の絶頂と女の絶頂が、チヒロを同時に襲う。チヒロはウタハの尻肉に指を食いこませ、ばちゅん♡ ばちゅん♡ と下腹部を叩きつける。ウタハも、乳首を責める余裕がなくなって、チヒロの背中に両腕を回してきた。

 

「あぁっ、チーちゃんっ……♡」

「おっおおオおっ♡♡ いくっいくっいく♡♡ う、ぎュう……♡ ~~~~~~~~~っっ♡♡」

 

 棒でも穴でも、チヒロは絶頂した。

 

 

 "どくんっ……♡ ぶびゅるっ♡ ぶりゅ♡ びゅっ、びゅん♡"

 

 

 二重のエクスタシーが全身を駆け巡って、視界が明滅し、意識が飛びそうになる。脳天から爪先まで鮮烈な快感が迸って、蛇口を開けっぱなしにしたようにドロ汁が放たれる。びゅくッ♡ びゅくッ♡ と肉竿が脈打ちながら、オーガズムに達して捻じれるウタハの膣奥へ、熱い粘液を流し込んでいく。

 

「……はぁ……はぁ……♡ ん、まだ、出てるね……♡」

「う˝ッッ♡ お˝、しゃせい、とまらな……ッ♡ お˝、お˝ほォ……♡ あ˝……♡」

 

 喉の奥から低く絞りだされる、ケダモノじみた嬌声があがった。

 

 

 "どく……どくっ♡ どくっ♡ どくん♡ "

 

 

 オスがメスに種付けするみたいに、射精しながら、チヒロはぐいぐいと腰を奥へ押し込んでいる。多幸感にどっぷり脳を浸して、ウタハの細い胴体を抱き締める。二度放った大量の精液は膣には到底収まりきらず、穴から溢れた生温いものが、太腿に垂れてきた。

 

 

 "ぶぷ……♡ じわ……♡"

 

 

「はぁ、あ……♡ んひ……ふへ……っ♡」

 

 深い絶頂の余韻に恍惚としていると、振動音が途切れて、異物感が離れていく。弛緩した膣からバイブレーターが抜け落ちて、ゴトリと床に転がった。まだ太腿を痙攣させるチヒロの愛液で、床には水溜まりができている。

 

「ご……ごめん、結局、お潮噴いちゃって……床が……♡」

「まぁ、こうなると思ったよ。それに……んぁ……♡」

 

 

 "にゅぽっ♡"

 

 "ごぽ……こぷっ……♡" 

 

 

 ウタハが尻を持ち上げて栓が抜けると、混ざり合った体液がクリームみたいになってボタボタ零れ落ち、水溜まりを濁らせていく。こってり搾り取られた余韻に震えるペニスを見下ろした直後、二人の目が合った。

 

「……不思議だ。快感を与えることにどれだけ特化した道具を作っても、セックスの充足感を超えられない。どうしてだろうね」

 

 そう言って脱力した笑みを浮かべるウタハは、まだ肩を揺らしていた。

 

「結局、お相手がいた方が高い満足感を得られる。何とかならないものかな……」

「それは別に、何とかしようとしなくてもいいんじゃない?」

「ロマンが無いだろう、それは。……と、すまない。チーちゃんは急ぎなんだったね」

「まぁ、用があるのは夜だし……後片付けはちゃんとするよ。頭がクラクラして、ちょっと休憩もしたいし」

 

 後片付けを口にしつつも、チヒロは動くのが億劫だった。粘液まみれの陰部を拭うのも緩慢になってしまい、露出したままのおっぱいを触りたがるウタハをつい好きにさせてしまっていた。徐(おもむろ)に胸元を整え直して、お返しとばかりにチヒロも手を伸ばす。

 

「あっ♡ チーちゃん……なんだか手つきがいやらしいよ……♡」

 

 まだ跨ったままの華奢な体を撫で回すと、ウタハは藤色の瞳を潤ませて、頬を色濃く染めてしまう。

 

 このままだと延長戦が始まってしまいそうだ、すぐにチヒロは手を放したが、顎が持ち上げられた。美形のウタハがじっと眼の奥を覗き込み、微笑を浮かべる。閉じたままだった唇が半開きになるのを見て、チヒロは身を固くした。

 

「……キスしてもいいかい?」

「まぁ、別にいいけど……」

 

 

 ――友達以上な時期もあったんだし。

 

 

 そう自分に思い出させながら、チヒロは瞼を閉じた。

 

 

 "ちゅ……"

 

 

 舌を入れられたら収拾がつかなくなるな、と微かな警戒心を抱いたが、ウタハの口付けはスキンシップの範囲に留まる、穏やかで優しいものだった。

 

 至近距離で見るウタハの顔は相変わらず、見惚れそうになるぐらい綺麗だった。睫毛が長くて、情熱を帯びた瞳に透明感があって――チヒロはかつての甘酸っぱい気持ちを思い出して、胸をくすぐられていた。

 

 

 * * * * *

 

 

 唇を重ねてしまうと、チヒロ自身だけでなく、ウタハも思う所があったようだ。後片付けをする間はお互い言葉少なだった。放課後を共有した蜜月の時や、自然消滅するように友達同士へ戻ったきっかけなんかを思い出していたら、もうあと数分でチヒロが取引先に向かう時間となっていた。

 

「アレ、貸してくれてありがとね。途中からはまた実験台になってた気がするけど」

「気を悪くしてたらすまない。サンプルの数が欲しくてね」

「まぁ、いいよ。今に始まったことじゃないから。……じゃあ――」

 

 チヒロが踵を返して部室を後にしようとすると、背後からウタハがそっと抱き着いてきた。

 

「どうしたの?」

「明後日の夕方、チーちゃんの予定は?」

「用件によるけど、まぁ時間を作れなくはないよ」

 

 鳩尾の辺りに巻き付いていた手が、臍まで下がってくる。似たような背丈のウタハの息が首筋にかかって、チヒロは自分の匂いがつい気になった。

 

「そろそろ『あの日』なんだ。私は周期にほとんど誤差が出ないから、多分、明後日だ。一人で処理できるからあまり苦労はしてないんだが……その……」

「お世話(・・・)してほしい、とか?」

「うん。久々にチーちゃんのお世話が恋しくなって。おちんちんを全部チーちゃんに委ねて、たくさん甘えたい。いいだろう……?」

 

 湿った吐息と共に、ウタハの腕に力が入った。スカートの襞が絡み合う。まだ平らなお腹を押し付ける動きは疼くペニスをアピールするそれで、もう彼女の精神では男の子の日が先に始まっているのかもしれない、とチヒロは思った。

 

「ギブアンドテイクだもんね。いいよ。時間空けとく」

「そう言ってくれると思ってた。ありがとう」

「……なんか、今日のウタハは妙にくっつきたがるね」

「何だかんだで、人は肌の温もりを求める生き物なんだ、きっと。私たちはそういう仕様書に基づいている。その本能は、どれだけ技術が発展しても、人の手で造ったものでは代替できないのかもしれない」

 

 人肌が恋しい。ウタハの言葉を圧縮すると、つまりはそういうことだった。「あの日」の処理の煩わしさを追求すべくプレジャーグッズを開発しているが、生の肌で行う原始的な触れあいに、ウタハは幸福な心地よさを覚えていたらしい。その点については、チヒロも同意見だった。そういう気持ちが思い出された。

 

「じゃあ、また」

「うん」

 

 約束を取り付けたウタハは、ほんのりと頬を紅潮させていた。友達同士の挨拶とも、もっと踏み込んだ関係のそれとも取れるハグを交わして、チヒロは今度こそエンジニア部の部室を離れた。

 

 

 ――爪、手入れしとこ。体も念入りに洗っとかないと……。

 

 

 心は既に落ち着きを取り戻していたが、歩いていると顔も体も火照ってしまいそうで、チヒロは小走りにならずにはいられなかった。

 

 

 終わり




お読みいただきましてありがとうございました。

ふた受けが二回連続で続いているので、今後もこの方向性を続けるか、次辺りはふた攻めで話を構成するかを考え中です。先生×ふた生徒や、ふた生徒×先生なども考えてます。

感想などお待ちしております。
今後ともよろしくお願いします。
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