元退魔巫女、杜崎莉音は性欲を持て余していた。
現在彼女は任務を失敗し、その結果妖気に当てられ妖怪化してしまっていたのだ。
霊力も体力も尽き果て無力な人間と変わらない状態で、自分に群がる数多くの妖怪達の慰み者となってしまっていたが、妖怪化してしまってからは一気に立場が逆転する。
自分を凌辱し続けていた雑魚妖怪の群れを仕返しに虐殺した後に、しばらく落ち込み、知性を有する他の妖怪との交流の末に、今は妖怪が蔓延る森の中で、自身もその内の一体として自由気ままに過ごしていた。
『はぁ~……エッチしたいなぁ~。最近なんだか避けられてる気がするし……なんでだろ?』
女型の妖怪が雄の精を求めるのは、妖怪が繁殖目的で人間の女を犯すのと同様にある種の本能によるものだった。
そして雄の妖怪の精や妖気を吸い上げて行けば行く程に、その力も欲求も高まり続けて行く。
実際に初めの内はまだ人間の頃に持っていた価値観から、自分から妖怪を犯すという行為に強い抵抗と拒否感を彼女は持っていた。
しかし、いつまでも葛藤し続け、やがて餓死寸前になるとその反動から搾精するのに選んだ相手が枯れる果てるまで精を奪い尽くし、そのまま吸い殺してしまっていた。。
そんな事を何度も繰り返して行く内に、やがて莉音は自身の中で芽生え始めた気持ちを受け止めることを決めた。
――我慢し過ぎて吸い殺しちゃうくらいなら、自分の気持ちに素直になろう。自分はもう妖怪なんだし、と。
そうやって時折湧き上がる性欲を満たすために手頃な相手を見繕っては自分の相手をさせていたのだが、不思議な事に最近は自分に近寄ってくる妖怪がめっきり減ってしまっている様に感じられていた。
『あっ! 見つけたっ!!』
たまたま彼女の近くを這っていた巨大な白蛇を見つけると、勢いよく手を伸ばし、その首根っこを掴み持ち上げる。
白蛇は必死に莉音の手から逃れようとのたうち回り、その巨大な胴体を彼女の腕や体に巻き付けきつく締め上げるが、彼女にはまるで効果がないようだった。
『シャーーーッ!!』
『うんうん。締め付ける強さも、それに、えへへ~。太さも良い感じだね♪』
白蛇が必死に威嚇しているにも関わらず、莉音は特に気にした様子もなく、むしろこれからの事を想像しうっとりとした表情を浮かべている。
そして、
『あ、でも牙で噛まれるのは痛いから、折っちゃうね♪』
威嚇するために大きく開かれた白蛇の口の中を彼女の指が一閃すると、白蛇の最大の武器である二本の鋭い牙がへし折られてしまった。
突然自身の身に起きた激痛に暴れ回るが、それでも彼女の手から逃れる事はできなかった。
『痛かったよね。ごめんね。でも後でまた生えてくるからいいよね?』
おざなりに白蛇に向かって謝りながらも、莉音の意識はすでにその激しく暴れ回る動きに注目していた。
自分の中でこれだけ激しく暴れ回ってくれたら、どれだけ気持ちいいだろう。
恍惚とした表情で白蛇の頭部を自分の膣口に宛がうと、彼女の思惑通りに白蛇は一気に膣内へと侵入を始めてしまった。
『んぁぁあああんんっ! い、いいよぉっ~!! すごく、おっきくてぇ、あはあぁぁんん♪』
一気に膣奥まで到達しようと潜り込む白蛇のざらつく肌で膣襞が擦れる度に、甘い刺激が全身を駆け巡る。
必死に子宮に自身の卵を産み付けようとするが、そうはさせまいと入り口付近まで引き戻すと、張り合う様に再びのたうち回りながら奥へ奥へと侵入し膣壁を突いてくる。
白蛇の大きさと硬さをより強く感じられる様にと膣内をきつく締め上げ、何度も何度も膣奥を突かせていると、やがて根負けしたのは白蛇の方だった。
『あ~っ! ちょっとぉ、逃げないでよぉ~。イジワルしたのは謝るから、ちゃんと最後までしてってばぁ~』
莉音に卵を産み付けるのは無理だと悟った白蛇は引き戻された拍子に自分から彼女の膣口から這い出ると、そのままそそくさと逃げ出そうとしていた。
もはや自分を犯す気を失ってしまった相手を引き留めても無駄だと知っているため、莉音は大人しく白蛇から手を離し解放してやる。
『はぁ~。こんな事なら先に一回すっきりさせてあげた方が良かったかなぁ? うぅ~不完全燃焼で余計溜まっちゃったよぅ』
そんな莉音の発情を察したのか、周囲の草むらがガサガサと音を立てながら揺れ出す。
『ん~……ごめんね。あなた達はパス』
姿を確認する前に感じ取った妖気から餓鬼の群れが近寄って来た事に気づくと追い払う様に手をひらひらと振る。
しかし、彼女の言葉を理解するだけの知性を持っているわけもなく、一匹の餓鬼が我先にと莉音に向かって飛び掛かる――が、それはあっさりと失敗に終わる。
『そうやって無理やり犯そうとするの、女の子は嫌なんだよ? 好き勝手に腰を振るだけ振って、満足したらさっさといなくなって、全然楽しくも気持ち良くもないんだもんっ』
『――ギッ!? ガッ!? ゲゲッ!?』
飛びついて来た餓鬼を片手で受け止めると、餓鬼の身体が彼女に捕まれた部分から徐々に凍り付いていく。
身体が凍り付いていく恐怖のあまり餓鬼は耳障りな悲鳴を上げながら必死に莉音の手から逃れようするが、叶うはずもなく全身を氷漬けにされてしまう。
凍死体となった『それ』から莉音が手を離すと、地面に落ち粉々に砕け散ってしまった。
一連の流れが終わる頃には、すでに他の餓鬼達は一目散にこの場から逃げ出してしまっていた。
いくら知性が無く本能でしか動かない餓鬼達もこの雌は実力が違い過ぎて犯せないと悟ったのだろう。
『うぅ~。イライラしたら、ますますムラムラしてきたよぉ~。早く誰か私の相手してよぉ~』
莉音は再び、雄を求め森を彷徨い歩き続けるが、中々彼女の目の届く範囲に雄が現れる事はなかった。
その理由は単純に莉音が強すぎるということが、この辺り一帯の妖怪達に知れ渡ってしまっているからに過ぎない。
かつて莉音も苦肉の策と理解しながらも、エロ爺の筆頭たる『ぬらりひょん』や『油すまし』と言った人型の妖怪と行為を行ったのだが、最終的に彼女はまぐわった相手の妖気を完全に奪い尽くし、文字通り腹上死させてしまったのだった。
複数人で相手をすれば、一人が枯れ果てて死ぬと言う事はないが、そもそも孕ませる事すらできず、衝動的に湧き上がった性欲を発散させる相手とするには、彼女はあまりにもリスクが高すぎる事から、そういった知性を有する妖怪からも避けられ始めてしまっていた。
いずれ彼女の性欲が爆発し手当たり次第に男漁りを始めてしまうのを防ぐために、定期的に生贄とされる相手が彼女に宛がわれる事もあるが、最近は彼女の事が広まり過ぎてしまって、そもそも調達すること自体も難しくなってしまっていた。
『川場の方に行けば、イソツビとかいるかなぁ? でも、河童がいるとちょっとやだなぁ。私、お尻でするのはあんまり好きじゃないし』
ブツブツと独り言を零していると、莉音は見知った存在の姿を捉えた。
『あっ! 猫又ちゃんっ!! えへへ~久しぶりだねぇ』
『ニャニャッ!? り、リオかニャッ!?』
猫又は莉音が妖怪化した直後の塞ぎ込んでいた時期から交流のある妖怪ではあったが、最近では完全に力関係が明確になり過ぎてしまい、本能的に委縮してしまう様になっていた。
そして、彼女が声を掛ける時の用事は決まっている。
『ねっ、猫又ちゃん。エッチしよっ♪』
『イヤニャッ!!』
『え~いいでしょ~? 久しぶりにしようよぉ~』
『ダメニャッ! そうやって前に危うく吸い殺されそうになった事、私は忘れてないからニャッ!!』
元々高い妖力を有している事に加え、莉音が彼女と出会う前にすでに他の何体かとまぐわった後だったことが幸いし、辛うじて一命を取り留めたと言う出来事が過去にあった。
それ以来、発情した莉音に襲われる事は、この猫又にとってトラウマとなってしまっているのだろう。
『お願いだよぉ~一回だけ、一回だけでいいからさぁ~』
『お断りするニャッ!』
断固拒否の姿勢を崩さない猫又相手に、わずかに莉音の本性の片鱗が現れ始める。
『うぅ~。私、知ってるんだよぉ? 前に猫又ちゃんが、こっそり遭難した男を独り占めしちゃったの』
『そ、それは……』
『確かにあの時は妖気を吸い過ぎちゃったから、少しでも妖力を回復させないといけないっていうのはわかるんだけどさぁ。ちょっとくらい私に分けてくれても良かったんじゃないかなぁ?』
無意識に放たれる威圧感に猫又はただ怯える。
莉音は今自分が強烈な冷気を放ち、周囲の気温をぐんぐんと下げていることに気づいていなかった。
ほんの少しでも莉音が猫又に対して本気の怒りの感情を抱いてしまえば、目の前の親しい猫又に先程凍死させた餓鬼と同じ道を辿らせてしまう事に気づいていなかった。
『わ、わかったニャ……一回だけニャ。それで許して欲しいニャ……』
『やったぁ、ありがとう猫又ちゃんっ♪』
無邪気に喜ぶ莉音の姿に猫又は心の底から安堵する。
一方的に脅されながらではあるが、それでも親し気に接してくる莉音と交流があること自体は何も悪い事ばかりではなかった。
なし崩し的ではあるが、強力な妖怪と交じり合い妖気を受け渡し合う事で、彼女自身の力もどんどんと高まり、周囲の妖怪達からも一目を置かれる存在となっていた。
とはいえ、それでも未だに莉音と猫又との間には覆す事ができない実力差が開いてしまっているが……。
『えへへ~それじゃ、早く入れて。もぅおまんこトロトロで待ちきれないよぉ~』
『わかったニャッ。それじゃ遠慮なくいくニャッ!!』
猫又は二本ある尻尾の内の一本を莉音の濡れた膣穴へ一気に突き入れた。
『あはっ♪ んぁあぁぁぁんっ、い、いいよぉ、猫又ちゃんの、尻尾とってもいいのぉ~』
ふさふさの尻尾の毛が膣内で逆立ち、膣襞にチクチクと刺さり痛気持ちいい。
同じ女の妖怪でもあり、何度も身体を重ね合わせた仲でもある猫又は、莉音のウィークポイントを熟知している事もあり、自分を満たしてくれる相手という信頼もあるのだろう。
『んふぅっ、あ、んぅっ、お、おっぱいも、先っぽコリコリされたり、ちゅうちゅう吸われたり、いいよぉ~。だ、だいすきだよぉ~♪』
猫又は莉音の大きな双丘を揉み抱きながら、硬く膨らんだ乳首を爪で軽く弾き、あるいは口に含み強く吸い付き、少しずつ彼女に与える刺激を増やし、快感を高めていく。
『もっと、もっと激しいの、ほしいのぉ~。もっといっぱいしてよぉ~』
乳房にしゃぶりついていた猫又の頭を強く抱きしめ、更に胸の中に顔を埋めさせながら、彼女に行為を求めてくる。
すると、猫又は温存していたもう一本の尻尾を莉音の陰核に強く押し当て擦り付ける。
『あっ!? そ、そこっ!! それいいっ! いいのぉっ!! もっとっ、もっとしてっ、このまま、イかせて~~~~っ!!』
絶頂寸前の膣が中で蠢いていた尻尾を一気に締め上げる。
それに合わせて猫又は膣内で雄の射精を再現する様に何度も尻尾を躍動させ、その度に熱い妖気を放出し莉音の子宮へと流し込んでいく。
『んっ……あ、あぁ、はぁん……んぅ……はぁぁぁ~』
莉音は、ようやく自身の性欲が満たされ、心地よいため息を吐きながら脱力し余韻に浸っていると、胸を叩かれて視線を下に向ける。
未だに顔を押さえつけられ彼女の大きな胸に埋まっている猫又からの、早く自分を解放しろという合図だった。
『あぁ、ごめんね』
『ぷはっ……。まったく、危うくまた莉音に殺されるところだったニャ……』
莉音には冗談に聞こえていたが、猫又自身は割と半分以上は本心からの言葉だった。
少しでも莉音の性欲を一気に満たすために、彼女の絶頂に合わせて妖気を放ったのだが、放出するつもりだった妖気の倍以上の量を奪われてしまっていた。
もちろん本人にはそのつもりはなかったのだろうが、それでも彼女が無意識に流れ込んできた妖気を取り込もうと吸い上げると、相手からごっそりと妖気を略奪してしまうのだった。
『ちょっと猫又ちゃんから貰いすぎちゃったよね。返すね』
『んっ……んぶっ!?』
莉音が猫又に軽く口付けをすると、そこから与えた以上に膨大な量の妖気が一気に流れ込んできて、猫又の意識が一瞬飛び掛ける。
消耗した直後だったから良かったものの、行為前にこの量が流れ込んできてしまったら、明らかに許容量を超えて破裂するか、自我を消し飛ばされかねない。
それ程までに危険な返礼ではあったが、ある意味ではそのおかげで猫又も自身の妖力を高める事ができていたため、断りづらくもあった。
『とりあえず、ムラムラ治まったかニャ?』
『うんっ。猫又ちゃんのあっつ~い妖気でお腹ポカポカだよぉ。本当にありがとうねっ』
『それは良かったニャ……ほんとにニャ……』
これでしばらくはまた森も平穏を取り戻すだろうと心の底から猫又は安堵していた。
『やっぱ猫又ちゃんの尻尾いいなぁ~。とってもふさふさで気持ち良いし。あ、もちろん猫耳もねっ♪』
『莉音は、ほんとに私の尻尾好きだニャア』
行為が終わった後もずっと自分の尻尾を撫で回したり、頬を摺り寄せてくる莉音の姿に、猫又はしみじみと呟く。
まるでどっちが猫の妖怪だと言いたくなるくらい、夢中で自分の尻尾にじゃれついてくるのだ。
『んニャ? そういえば、ちょっと前まで、ずっとべったりだった古狸はどうしたんだニャ?』
巨大なぬいぐるみの様にふわふわ、もふもふの体毛と抱き心地の良さがあり、おまけに性欲も旺盛と莉音の相手にうってつけの存在の事を思い出す。
実際、莉音はその狸を大層お気に召して、しばらくその狸の群れの住処で共に過ごしていた事もあるくらいだ。
、
『あ、あぁ……あの子、ね……』
どこか気まずそうに頬を掻きながら言い淀んだ莉音の姿に猫又は嫌な予感がした。
『うぅ~、あ、あの子たちが、悪いんだよぉ~。あんなにふわふわの、もふもふでさぁ。あんなに気持ちいいんじゃ、夢中になっちゃうのは仕方ないんだよぉ~』
『……まさか、全滅させたニャ?』
『もぅ~、さすがにそこまではしないよぉ。多分一番大きかったから、あの群れのボスだと思うんだけど、その子と『最期』までシちゃったらさ…………みんな一斉に逃げちゃった』
猫又が予想通りの結末にとりあえず最悪の事態だけは避けられたことを喜ぶべきかと悩んでいる間も、莉音は必死に弁明を続ける。
『私がぎゅ~ってしてあげたら、あの子もぎゅ~ってしてくれたんだよ。それで、あの子の精液がいっぱい詰まってるおっきな袋に座らせてくれてさ、知ってる?
繋がってる時にこう軽くお尻を跳ねさせて袋を押してあげるとさ、びゅ~って熱いのをいっぱい出してくれるんだよ。
それが気持ち良くて何回も出してもらってたらさ、最初の頃と比べるとちょっとずつ勢いがなくなってきちゃってて……。
でも、もっと出して欲しいから何回もお尻で押してあげてたんだけど、やっぱり全然出なくて。
その時に、もう限界なんだなぁ。って気づいてあげられたら良かったんだけど、急に私から離れようとしたから、思わず逃がさない様に思いっきり締め上げちゃって……。
多分その時に本当に最後の一滴までを搾り尽くしちゃったみたいで、そのままお亡くなりに……。
うぅ~、あの子が特に、もふもふしててお気に入りだったのにぃ~』
早口で捲し立てた後に、そう締めくくった時の莉音の表情は本当に残念そうに見えた。
彼女の元を逃げて行った他の古狸達を追わなかったのは、彼女なりに反省の念もあるのだろう。
『……人の気配がする』
軽く落ち込んでいた莉音が不意に顔を上げると、猫又にそう告げた。
『退魔士かニャ? ここ最近は人間を攫って連れ込んできた奴はいニャかったと思うけどニャ?』
『う~ん……多分違うかも。霊力も強くなさそうだし、遭難……にしては数が多い? キャンプとかかなぁ?』
『会いに行くつもりかニャ?』
『もちろんだよぉ。早い者勝ちだしね♪ 女の子だったら無事に返してあげたいし、男の人だったら~。えへへ、優しい人だったらいいなぁ~』
そんな会話をしながら、二匹の妖怪は不用意に自分達のテリトリーへと入り込んでしまった人間の元へと向かうのだった。