完全に堕ちてしまった雌などもはや『なりすまし』の苗床に過ぎなかった。
せいぜい想い人に『なりすまし』その母体に自身の子を宿してもらうとしよう。
そんな思い秘め、少しずつ『なりすまし』は、弥生の身体を浸食していく。
誠一郎は唇を離し、腕を解くと頬を朱に染め上げ、ぽーっとしている表情の弥生の着物に手をかけ胸元をはだけさせる。。
外気に晒された大きく育ち色艶も形もいい乳房は今までの刺激に反応していたのか頭頂部を硬く尖らせていた。
『いつの間にかすっかり女の身体になっていたんだな』
「あっ……お、お兄様、恥ずかしいですから、あまり見ないでください」
じっくりと胸を凝視する誠一郎の行為を困り顔で窘めるが、当の本人は特に気にした様子もなくそのまま手を伸ばし愛撫を始める。
『とても大きく、手に吸い付いてくるようだぞ。揉み心地も、感度も申し分なしだ』
「やぁ……お兄様、そんなに、強く揉まないでください……」
夢中で胸を揉み抱く誠一郎の手の温もり。手のひら全体や指先から伝わる刺激に胸以外の部分も反応を示し始めていることに、まだ弥生自身も気づいていない様子だった。
愛撫を通じて流れ込む妖気が乳房を乳首を掠め刺激するたびに、全身に快楽が走り抜け、ますます弥生の情欲を掻き立てていたのだ。
誠一郎が顔を近づけると自分から進んでキスをねだり、舌を滑り込ませると同じく舌を絡めてくる弥生の反応に自分を受け入れる準備が整ったのを察する。
両手で頬を挟みながら重ね合わせていた唇を離すと、すっかり蕩け切った悩まし気な表情を浮かべていた。完全に行為に没頭していたのが伺える。
『今更やめたい。なんて言わないよな?』
どこか試すような不敵な表情を見せる誠一郎の言葉に、弥生はこくりと小さく頷く。
それを確認すると誠一郎は弥生の帯に手をかけ解くと、そのまま袴を脱がさせる。
弥生はそこでようやく自分の秘所がすでに目の前の男を求め、受け入れる準備ができていると言わんばかりに愛液を潤わせていることに気づくと、恥ずかしそうに脚を閉じた。
「うぅ……」
『そう恥ずかしがるな。しっかり濡らしておいた方が苦痛も少ないだろう』
「なっ!? そんなデリカシーのないこと言わないでください。もうっ、これだからお兄様は……」
少女の気持ちを無視した兄らしい無配慮の言葉に頬を膨らませながら怒りつつも、その表情はどこか嬉しそうだった。
弥生は自身が想像している理想の誠一郎の反応にすっかり心を許し、緊張すらも解けてしまっていた。
身体を許すことにも、わずかに残っている兄妹で行為を行うという倫理観から来る抵抗感も背徳感、背信感にすり替わりつつあるのだろう。
くつくつと可笑しそうに笑いながら、誠一郎は履いていた衣服を脱ぐと、その場に腰を下ろす。
『……よっと。それじゃ、弥生。覚悟ができたらゆっくり腰を下ろして入れてくれ。くれぐれも無理はするなよ』
「えっ!? お、お兄様の方からしてくれるのではないんですかっ!?」
片手で屹立した陰茎をに天を衝かせ、はだけた着物の隙間から覗ける弥生の裸身を見上げながら発せられた言葉に思わず抗議の声が上げる。
『当たり前だろう? こんな硬い地面の上にお前を寝させられるものか』
「そ、それなら立ちながらでも……」
『立ちながらヤるのは結構ハードだぞ。それにいくらなんでも『あれ』に手を付きながらってのは常識を疑ってしまうぞ』
「あ……」
誠一郎の視線の先にあった物。それはこの一帯の地脈を統治している祠だった。
彼の言葉通り、祠を手すりや壁代わりに扱って行為に及ぶなど、神職に就く者としても一般常識としてもあるまじき行為だ。
そして、祠を視界に入れた瞬間、弥生は自分の責務を思い出してしまった。
『あ~、弥生。悪いが、それは終わった後にしてくれないか? 今、浄化されてしまうと、さすがに俺も存在できなくなるからな』
「…………………………」
『悪いな。せっかく始めようってのに、余計な物を見せてしまったな』
バツが悪そうに頭を下げる誠一郎の姿に、弥生は自分が束の間の奇跡の様な時間にいるのだと感じた。
恋慕っている兄そっくりの人物との一度きりの幸せな夢。
誠一郎は完全に判断を委ねている。自分を犯すチャンスなどいくらでもあったというのに。
弥生は意を決すると、ゆっくりと腰を下ろしていき、誠一郎の大きく肥大化している陰茎の先端部を自身の濡れた花弁に押し当てる。
『重ね重ねで悪いが、泣きながらってのはやめないか? どうせなら笑いながらの方が俺としては嬉しいんだが……』
「むちゃ、言わないで……くださいっ……くっ…………つぅ………………いたたっ」
亀頭部を咥え込んだところで、弥生の膣口から破瓜の血が誠一郎の陰茎を伝うように流れていく。
破瓜の痛みと出血を呆然と見つめながら、弥生は一度動きを止めた。
『後悔しているのか?』
「………………はい。してると思います。いっそ、そんなことを思う余裕がないくらい乱暴にされた方が幸せだったのかもしれません」
もはや自分が冷静なのか錯乱しているのかの判断もできないのであろう。会話をしてはいるが、独り言の様に呟かれた言葉に誠一郎は弥生の頭を優しく撫でながら応える。
「せめて責任だけは取ってください。嘘でも夢でも幻でもいいです。でも、今だけはお兄様に愛してもらいたいんです」
『もちろんだ』
誠一郎の言葉に泣きながらも満面の笑みを浮かべる弥生。誠一郎は弥生の細い腰を両手でしっかりと掴むと、自分の方に引き寄せさらに深く陰茎を飲み込ませた。
「んあぁぁっ……お、お兄様っ、そんないきなりっ」
『お前の方から処女を捧げてくれたおかげで、俺も遠慮せずにお前を抱けるってもんだからなっ』
「だ、だからって、いきなりこんなに深く入れるなんて……ひどいです」
『しっかり濡れてたんだ。そこまで痛かったわけじゃないだろ。安心しろ、とりあえず、馴染んで来るまではこのままでいてやるから。そのあとはたっぷり気持ちよくさせてやる』
誠一郎の言葉通り出血もそこまで多いわけでもなく、初めての性交による異物の衝撃に戸惑っていたというのが大きかったのだろう。
何より自分の膣内に収められている硬くゴツゴツした誠一郎の陰茎の感触に愛しさを感じていた。
ぶつぶつと抗議の声を上げつつも、誠一郎が約束通りそれ以上動かず、自分が落ち着くまで待ってくれていることに不承不承ながらも了承する。
「お兄様は、け……経験豊富かもしれませんが、わ、私は初めてだったんですよ」
『その経験も全てはお前のためになるんだったら文句はないだろ?』
「なっ!? ……そ、そういうのは、他の女性に失礼ですよ」
誠一郎の言動を窘めつつも、どこか嬉しそうな表情を浮かべている。
元婚約者の静流という具体的な女性の名前を出すことが憚れたのは、弥生自身の無意識の焼き餅や嫉妬心からだろう。
『失礼と言うなら、他の女の話題を出すな。俺は今、お前を愛している最中なんだぞ』
「ご、ごめんなさい……」
さりげなく目の前の誠一郎が、意図的に弥生が持ち得ない情報を持つ本物の誠一郎の話題を封殺したことに気づかずに頭を下げる。
今ので逐一弥生が本物と偽物に対しての認識のずれに気づくことは、おそらく行為中はもうないかもしれないだろうが、さらに今の情交に没頭させるべく追い打ちを掛けていく。
左右の色鮮やかな乳頭を指先で挟んでやると、膣圧の締まりがかなり強くなった。
「きゃっ!? お、お兄様、変なことしないでくださいっ」
『そうは言ってもお前の女陰の具合がまだ掛かりそうで、こっちは手持ち無沙汰なんだぞ。それなら少しでもお前の身体を開発してやった方がいいだろ』
「…………うぅ」
いくら好意を抱いている相手とはいえ、年頃の娘にとっては自身の局部を弄り回されるのは些かの抵抗感があるのは当然だろう。
まして男の前で嬌声を上げるようものなら、恥ずかしさで死んでしまいそうだ。くらいには考えているのかもしれない。
可愛らしく必死に唸り声を上げながら耐えているであろう弥生の姿にこちらも譲歩代わりに少しだけ乳首を摘まむ強さを弱めてやる。
乳頭周辺を撫でられる感触に膣内もうねりながら収縮を繰り返し、誠一郎の陰茎を何度も締め付ける。
徐々に身体が初めて受け入れた異物をどう扱えばいいのかを理解してきているのであろう。
誠一郎は散々弄り倒した乳房から手を離すと、弥生の背中に両手を回し強く抱きしめる。
これが処女を失ったばかりの弥生が誠一郎に最も強く求めている行為だからだ。
互いの身体を強く抱きしめ合い、弥生の豊かな乳房が誠一郎の逞しい胸板に押し当てられ潰れる感触。
膣内に収められている陰茎が不意に跳ね上がる感覚。
「ふふ。私、お兄様と愛し合っているのですね」
弥生は五感を通じて得られる全ての感覚がただただ愛おしく感じられていた。
もはや自分の身体に流れ込んでくる妖気すらも誠一郎からの愛の証と認識してしまっている。
もっと愛されたいという想いと、まるで子宮が疼く様な感覚に、弥生は無意識に膣全体で誠一郎の陰茎を扱き始めた。
『くく。とうとう自分から腰を振り出し始めて、すっかり女になってしまったようだな。弥生』
「――っ!? い、言わないでくださいっ! 自分でもすごくはしたない事をしてるのはわかっているんですからっ」
誠一郎にからかうように指摘され、弥生は恥ずかしそうにしながらも、いっそ開き直ったような態度で腰を振り男を求め続ける。
弥生も愛した男の精を受け取るという行為が完遂されない限りは止まれなくなってしまっているのだろう。
「お兄様っ。おにいさまっ、もっと、もっと、お兄様が欲し――きゃあぁああぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁっ!?」
弥生は想像を絶する快楽の波に、思い切り身体を仰け反らせながら、咥え込んでいる誠一郎の陰茎をへし折らんばかりに締め付け、盛大に愛液を撒き散らし絶頂した。
自分の世界に没頭し目の前の誠一郎のことさえ見えていないように思える絶頂寸前の弥生に、誠一郎はタイミングを見計らって彼女の表皮から露出し、わずかに膨らんでいた陰核に一気に妖気を流し込んだのだ。
『くっ……弥生……』
誠一郎は大きく腰が浮き掛けた弥生の身体が自分から離れないようにしっかりと抑えつつ、グイグイと締め付けてくる膣圧に込み上げてくる射精感を必死に堪える。
「はー……はー……。お、お兄様、ごめんなさい、先にイってしまいました……」
『盛大に果てたな。俺も危うく出してしまうところだったぞ』
「……むー。そのまま出してくれても良かったのに……」
『なに?』
不満気に口を尖らせながら呟かれた弥生の一言。
それを訝し気な表情で聞き返してきた兄からしたら、ただの一時の気の迷いと取られてもしかたのないものだという自覚はあった。
だからこそ、弥生は自分の覚悟を本気で誠一郎に訴える。
「私はお兄様との間にできた子供なら後悔はありません。お兄様からしたら迷惑な話なのでしょうけど、私は本気です。お兄様の子を産みたいんですっ」
『ふー。お前の覚悟はもう十分に伝わっている。……というかだな。弥生……この体勢でそんなことを言われたら、孕むまで離さないと言われてるようなものなんだ』
その言葉を証明するかのように絶頂直後だというのに、まるで精を受け取れなかったことを不満がっているかのように、膣襞が絡みついてくる。
誠一郎が応えるように一度大きく押し込むと、弥生の身体に子宮を突き上げられたような快感が走った。
「んぅ……あっ……くぅ……そ、そんなにゴリゴリ、擦り付けないで……おかしくなってしまいそうです……っ」
『くく。ずいぶんいい声を上げるようになってきたじゃないか」
執拗に膣奥を責め立てる誠一郎の責めに、弥生は強引に子宮口をこじ開けられているような錯覚を感じた。
誠一郎の方ももはや陰茎は自身の限界を超えるほどに硬く肥大化し、弥生の膣内でならいつ爆発しても構わないとさえ考えていた。
射精を堪えたのもただの気まぐれにすぎない。
弥生は完全に自分を受け入れ、妖気を拒絶するどころか進んで受け入れようとしている。
ならば極限まで濃縮した妖気と精液を一度の射精でどれだけ注ぎ込めるかという遊びをしてみたくなったのだ。
これだけ生命力と霊力に満ち満ちているのだから、母体としても申し分はない。こちらが限界まで妖気を送り込んでも妖怪化させるには長い時間を要することが伺える。
『どうした弥生? また締まり強くなってきたが、さっきイったばかりなのに、もうイきそうなのか?』
誠一郎の言葉に弥生が恥ずかしそうに身を震わせた。ヒクヒクと痙攣するように膣全体も蠢いているあたり図星だったのだろう。
「……っ、お、おにいさまっ……。お兄様の、ください……欲しいんですっ……これ以上、イジワルしないで、ください……」
『あぁ。俺も、もう限界だ……しっかり受け止めるんだぞ』
「お兄様っ!! 絶対に離しませんっ! このまま、私の中にいっぱいお兄様のを出してくださいっ!!」
『くっ……弥生っ――!!』
誠一郎の言葉に、弥生は彼の背中に手足を回し強く拘束するように抱き着く。
直後、弥生の膣内で誠一郎の熱い精液が勢いよく放出され始めた。
まるで子宮に直接叩きつけられるように流れてくる熱い感触に、弥生はわずかに呻くような声をあげながら二度目の絶頂を迎える
弥生は子宮に注がれた熱い精液の感触と、そこから全身が燃え上がるような感覚にまるで白昼夢を見ているような感覚に陥っていた。
最愛の相手からの極上の愛を受け続けたためだろうか? とぼんやり考えながらも、今も自分の身体が抱きしめられる感覚を甘受していた。
「あ……あぁ……ちゅぷっ……んくっ……ふぁぁぁぁ……お、おにいさま……」
髪を耳を頬を唇を舌を愛される。
うなじを肩を胸を腹を背中を腰を撫で回される。
男を知ったばかりの膣が押し拡げられ、芽が出たばかりのように小さく膨らんだ陰核を摘まれ、何度も何度も溢れんばかりの精を子宮に注がれ続ける。
『無理に声を出す必要はないぞ。そのまま全てを俺に委ねていろ』
「……は…………い………………」
誠一郎の精を受け取るという目的を完遂でき安堵したのか、弥生はくたりと彼の逞しい胸にもたれかかる。
全身を愛撫され続け、膣をかき混ぜられ、精液を注がれながら子宮を揺らされ、すっかり体力を使い果たしたのだろう。
誠一郎の身体にしがみ付くように回されていた四肢も脱力しきっていた。
その後も誠一郎はいくら弥生が絶頂を迎え続けようとも、その身体を求め、腰を振り子宮を突き上げ続ける。
弥生はその振動をまるで揺り籠を揺らされるような心地よい感覚に感じながら薄れゆく意識をそのまま手放すのだった。
行為が終わり弥生の意識が夢とも現実ともつかない場所で余韻に浸っている最中、不意に自分を抱いていた男の感覚が離れていく。
去り際に『子を頼むぞ』という言葉が耳に届くと、言いようのない不安感に襲われ必死に手を伸ばす。
しかし、誠一郎は伸ばされた手に気づくことなくどんどんと遠ざかっていく。
やがてその姿に弥生は諦めたように伸ばし切った手を下ろしてしまった。
「……う、……あ……あぁ…………お、お兄様……わ、私は、絶対に…………」
続きの言葉が発せられる前に、弥生の意識が少しずつ現実へと向けられ始めた。
地面に突っ伏してしまっていたことに気づくが、まだ意識がほんやりし、記憶が定かではない。
体力も霊力も根こそぎ奪われてしまったためか、全身に力が入らず身体を起こすことさえもままならない。
そんな自身の体たらくに、修行不足を恥じた。
「……ここは……っ!?」
やっとの思いで状態をわずかに起こした直後に自分が裸身を晒していたことに気づき、慌てて胸元を庇う――そして、思い出してしまった。
自分が退魔士としても女としても妖怪に完全に敗北し屈してしまったことを。
「くっ……う、うぅ……うぅ……」
目的を果たし終えたためか、すでに『なりすまし』は姿を消してしまっていた。
必死に堪えようとしても涙も啜り泣く声も止められない。
弥生は、ただただ悔しさと悲しみのあまり、近くにあった自身の着物を強く握りしめる。
それは最後の最後まで『葛城誠一郎』として『なりすまし』続けたためか、弥生が身に着けていた着物を、まるでせめてもの布団代わりにしているかのように硬い地面の上に敷かれたのだが、彼女がその事実に気づくことはないだろう。
すでに熱は失われ冷え切っているが未だに膣口から溢れ出て下腹部を穢しながら地面へと零れ落ちていく白濁液の感触により自分が惨めに思えてくる。
身も心もボロボロになり穢れ切った身体を放り出し、何もかもを忘れて再び意識を手放してしまいたい。そうすればきっと楽になれるのではないのだろうか?
そんな想いさえ込み上げてくる。
年端もいかない少女に過ぎない葛城弥生の心はこれ以上ないくらいに打ち拉がれていた。
――それでも、まだ自分にはやるべきことがある。
桜杜神社の退魔巫女としての使命を全うするだけの余力はまだ残っている。
自分のすぐ側に転がされていた愛刀を手に取ると、それを支えにゆっくりと立ち上がると未だに地脈を汚染し妖気を放ち続ける祠へと歩き出す。
フラフラと覚束ない足取りの中、太腿を伝いながら垂れ堕ちていく精液の感触と妖気を帯びた風が裸身に当たる度に、自分が今すぐにでも妖怪へと堕ちてしまうのではないかという不安感に襲われる。
実際、いつまでも汚辱されたままで、妖気で満たされた空間に留まっていれば、それは不安どころか現実となってしまうだろう。
「はー……はー……ここを浄化さえすれば、この辺りの霊脈は元通りになるはず」
弥生が祠に祀られていた道祖神に自身の霊力を流し込むと、すぐに効果が表れ始めた。
元々神聖な神としての象徴ということもあり、退魔士の霊力を帯びると歪められ自身が発していた妖気を霧散させる。
そして地脈だけでなくこの周辺に漂っていた妖気すらも一瞬で浄化し、森全体を神聖な霊力と空気で包み込んでいく。
森が浄化されていく最中、弥生は一際強大な妖気を持つ存在の気配に気づく。が、彼女が気づくのとほぼ同時にその気配はこの場から去っていくのを感知し安堵する。
今の今までその存在に監視されていたことに戦慄しつつも、なぜ自分を襲わなかったかと言う疑問が残る結果となってしまった。
これもまた『なりすまし』が、せっかく自身の子種と妖気を植え付けた雌が他の妖怪に犯されないように、自分の縄張り内で睨みを利かせていたからに他ならないが、それを弥生が知る由もなかった。
そして――
「……くっ……うぅ、ぐすっ……う、うわあぁぁぁぁぁっあああぁぁぁぁぁぁっ!!」
辺り一帯が神聖な霊力で満たされているにも関わらず、自身の胎内に残り続けている妖気の感覚に少女は再びその場で蹲り、号泣するのだった。
帰還後に本物の誠一郎と一悶着あり、その末に幻想譚の出産エンドに繋がる展開になりそうかなと思いました。