意識も感覚もない暗闇に落ちていた俺は不意に唇から温かな何かが流れてくるのを感じた。
温もりの正体を確かめようと、ゆっくりと開かれた俺の視線の先にはナツちゃんがいた。
「ん、ちゅ……ちゅぷ……んん、はふぅ~……起きた?」
完全に俺の目が開かれて意識が覚醒するのとほぼ同時に、目の前にあったナツちゃんの顔が少しだけ離れて行くと、唇に感じていた温もりも消えて行った。
「……あぁ、悪い。眠っちゃってたんだな。ヤってる最中だったってのに……」
どうやら射精し損なっていたのだろうか、彼女の膣内に収まっている陰茎は今にもはち切れそうな程に膨らみ、精を吐き出したがっている様に感じられた。
「ん。ナツにいっぱいくれすぎてて危なかったから、ナツの少し分けてあげた」
うん? いまいちよくわからないが、多分さっきの温かいやつの事を言っているのだろう。
改めて全身に意識を向けてみると、力が漲っている事に気づいた。
今感じている不可思議な体験が目の前の少女の力によって齎されたというのであれば……もしかして無限にヤり続けられるのか?
ナツちゃんがいれば、いくらでも精力を回復してもらえて、上手く説得すればナツちゃん以外の女とも……。
そんな性欲塗れの思考をしていると、俺の身体の調子を看ていたナツちゃんと目が合い、思わず視線をそらしてしまった。
もしや自分の邪な思考を見透かされてしまったのではという不安を感じていると、
「ナツも欲しいってお願いしちゃったけど、無理しちゃダメ」
本気で俺の事を心配してくれていた事に気づき、さすがに猛省した。
「もしかして結構危なかったりしたのか?」
「うん。危うく全部の精を吸い切っちゃうところだった……」
彼女の言葉をきっかけにぼんやりとだが、意識を失う前の光景を少しずつ思い出してきた。
自分達の身体の相性を確かめてみよう等と、言いながらナツちゃんが従順なのを良いことに腰を振りまくり突きまくり、その度に少しずつ可愛らしい反応が増えて来たナツちゃんの様子にさらに拍車が掛かって……。
イかない様に必死に堪えているナツちゃんをイかせようと攻めまくり、中に射精しまくり、その度にどんどん雌の顔になっていくナツちゃんが可愛くて、延々とその繰り返しの末に、『イ』くのではなく『逝』きかけてしまったと……。
「……よく生還できたな、っていうか、ナツちゃんが生還させてくれたのか」
「うん。いっぱい熱いのくれて嬉しかったら、気づいたら貰い過ぎちゃってて、慌てて返してあげた」
「そっか。ナツちゃんが優しい良い子でよかったよ」
「ん」
自称神様と言っていたが、これが神様じゃなくて妖怪だったらそのまま吸い殺されてたのかもな。
そう考えると確かにナツちゃんは神様なのかもしれない。
「……で、そのナツちゃんに相談なんだが、いいか?」
「なに?」
「せっかく分けてくれたみたいなんだが、どうも今度は俺の方が貰い過ぎになっちまってるみたいで、俺の方法でナツちゃんに返していいか?」
「うん♪」
あれ?
もしかして喜んでる?
相変わらず口数は少ないが、気のせいかも知れないが、今ままでの返事と比べるとなんとなく嬉しそうな声色の様に感じられた。
「……今度は吸い過ぎない様に気をつける」
気のせいではなかったようだ。
どうやらすっかり気に入っちゃったみたいだな。
それなら夢中になってくれて構わない。
「別に好きなだけ吸っていいぞ? 足りなくなったら、またナツちゃんから貰えばいいし」
「それはダメ。無理するのはよくない」
「わかったわかった。とりあえず、もうしばらくは付き合ってもらうからな」
「うん」
ナツちゃんが頷いたのを確認すると、彼女の幼い子宮に更に精を送り込むべく腰を動かし始めるのだった。
「ぁ、ん、はぁぁん、んぅ、ぁ、ぁぁん……、ナツの、なかで、また大きくなってきたぁ……っ」
「はぁ、はぁ……くっ。ま、また……で、出すぞっ!!」
彼女から送り込まれた精気の力は絶大だった。
二度三度と少女の中に精を放ち続けているにも関わらず、まったく衰える気配がなかった。
絶頂の余韻もそこそこに、すぐに込み上げてくる射精欲に支配される様に、騎乗位から後背位と次々に体位を変えて行き、常に新たな刺激と快楽を求め、少女の身体に欲望をぶつける。
今も発情した雄が組み伏した雌を孕ますが如く、小さな体に覆い被さり、膣口に肉棒を打ち下ろし大量の精液が注がれている子宮に新たな精液を流し込む。
「はぁ……はぁ……。ようやく、少しは収まってきたか? はぁ~……。悪いなナツちゃん。ずっと激しくしちまったな」
「ぁ、ぁぅぅ……」
自分と同じかそれ以上の回数を絶頂させた少女に声を掛けてみたが、返事をする余裕はなさそうだった。
出した端から溢れる程に精液を注がれ続けた小さく狭い膣穴から、陰茎が引き抜かれると、大量の白濁液が一気に逆流し膣口から流れ、床に染みを広げていく。
膣に精を流し込まれる意味を知らずに俺に求められるままに身体を抱かれ続けた少女の成れの果てだった。
「うぅ……出しすぎ」
絶頂の余韻から戻って来たナツちゃんが自分や周囲の惨状を見てさすがに苦言を呈した。
二人の――主に俺の体液でぐっしょり汚れてしまった布団は新しい物を敷き直さなければ程だった。
掃除しても……厳しいな。
「まぁ、やっちまったものは仕方ないし、謝って追加料金払うしかないか」
少なくとも旅館の人間にはナツちゃん相手にナニをしたかはバレてしまうが、彼女の家族には伝わらない様にしっかり口止めしとかないとな。
「あぅぅ……お股、いっぱいベトベトする……」
心なしか悲し気な声を上げながら、不快感に泣きそうになってるナツちゃんがあまりにも不憫だったので、とりあえず風呂場に連れて行くことにした。
「ん、ぇぇ、ま、まだするのぉ……?」
最初は約束通り身体を洗ってやるだけのつもりだったが、無防備な後姿と小ぶりなお尻に目を奪われ、なし崩し的に三回戦へと至ったのは言うまでもない。
浴槽の縁を掴ませて、こちらに尻を突き出させるポーズにさせたところで、その肢体に俺が組み付く。
そこまで来てようやく察して、諦めた様な声色でそう漏らしたナツちゃんは俺を受け入れる事しかできなかった。
その後互いの身体にこびりついた汗や体液を綺麗に洗い流し、一緒に湯に浸かりながらぷにぷにの胸を触ったり膣に指を入れてじゃれ合ってる内に、我慢できなくなった俺は、浴槽のお湯を抜くと互いの身体に例のローションを掛け合い、狭い浴槽内でヌルヌルのローションプレイを始める。
一向に衰える事のない性欲に我ながら突然の絶倫振りに驚きはしたが、これもナツちゃんが俺に分けてくれたという力が齎したものなのだろう。
お風呂プレイを堪能した俺は床の間に戻ったところで、異臭と汚れた布団という惨状に直面していた問題を思い出す。
「さすがにこの布団じゃ寝れないし、片付けて新しいの敷くか」
「ん。ナツにまかせて」
その言葉に彼女の方へと視線を向けると、その手には何故か布切れがあった。……雑巾?
「いや、そんなので拭いたところでどうにもならないだろ」
それこそ布団のクリーニングどころか部屋の清掃代を請求されてもおかしくないだろう。
「お部屋とお布団、綺麗にする」
ナツちゃんがそう呟いた瞬間、不思議な事が起こった。
彼女の全身が青白い淡い輝きに包まれる。
その輝きはとても温かく心地よさと優しさを感じるもので、その光に呼応するように部屋全体も輝き出すと、視界が一瞬強い光に包まれた。
周囲の光が納まるのと同時にナツちゃんの発光現象も収まっていた。
目の前の少女と出会ってからずっとまるで夢を見ているかのような不思議な体験ばかりだった。
「お部屋元通り」
「もしかして神通力とかっていう奴か?」
「うん」
「……そうか」
部屋の掃除のためだけに使っていいものなのか?
本人の前で口には出せないが、神秘の無駄遣いという感想しか出てこなかった。
まぁ何にせよ、抱えていた問題が一瞬で解決したのは良かった。
そして俺はお礼ついでに安心感から再び込み上げて来た性欲を解消するべく、彼女の中にたっぷりとご褒美を注いであげることにするのだった。
途中で眠気が限界に来たナツちゃんが失神する様に眠りについてしまったが、お構いなしに腰を振り彼女を犯し続ける。
一晩中犯し続けた結果、彼女の膣は真っ赤に腫れ上がってしまったが、俺がいなくなればこんな事をする相手もいないのだから数日で治るし問題ないだろう。
そんな事を考えながら俺は、目覚めたナツちゃんが再び中も外も精液塗れになった自分の姿に、恨めしそうな視線を向けてくるのを宥めてやる。
部屋を綺麗にしてもらった後に、最後にもう一度風呂場でお別れと仲直りのエッチをしたところで俺とナツちゃんは旅館の前で別れるのだった。
***
もしかしたら今頃ナツちゃんの口から俺の行いが桂香ちゃんや神社の面々に知れ渡ってしまっているだろうか?
「ま、とりあえずここまで来れたのなら、仮に追ってきたとしても逃げ切れるだろう」
すでに俺はあの村を脱して、この周辺で比較的大きな街に辿り着いたところで地図を眺めていた。
もし本気で俺を追いかけてくるつもりなら、この街が最有力候補だろう。というか、ここで捕まえる事ができなければ、四方八方どこにでも逃げる事ができてしまうのだから。
「へー。霊泉とか秘湯ねぇ。よしっ。それじゃ逃亡がてら、次はこの村にでも行くか」
俺は悠々と観光地案内のパンフレットに目を通して決めた新たな目的地へと歩みを進め、雑踏の一つとなるのだった。
何年後かもう一度あの村に行って、こっそりナツちゃんの様子を見に行くのもいいかもな。
もしかしたら父親不明の子を彼女が育てているかもしれない。
俺はそんな事を考えていたが、それが実現する事はなかった。
***
「幹也さん、少しいいでしょうか?」
「どうしました、葉子さん?」
幹也は葉子がいつもの自分を揶揄うつもりの様な飄々とした態度とは違い、少しだけ真面目そうな表情をしている事に気づき、部屋に招き入れる。
「ナツ様のことですか?」
「えぇ」
襖を締めて互いに向き合ったタイミングで、ここまで葉子が思い悩みそうな話題について直近では一つしか思い当たらなかったが、やはり正解だった。
「さすがに桂香ちゃん達がいる前で話すのは憚れましたが、少なくとも幹也さんの耳には入れておいてもらった方がよいと思いましたので……」
「まさか」
「はい。残念ながら、かなりがっつりヤられちゃってました」
「やっぱりですか……」
彼女を保護したという人物が共に神社に訪れることなく別れてしまい、一人で帰って来た時点で予想はしていた事だが、葉子の口からそれが事実だと確定した事を告げられ、幹也は落胆する。
「しっかり処置しましたので、ナツ様が孕む心配はないのでご安心ください」
「とりあえず最悪な事態は回避できたと」
最も懸念すべき事は避けられたと安堵しつつも、幹也の胸の中ではもやもやする感覚は拭い切れないまま残り続けていた。
「その代わり今は大丈夫みたいですが、今後もし落ち込んでしまう事があったら幹也さんがしっかりナツ様を慰めてあげてくださいな。もちろんその場合は避妊なんて無粋な真似は致しませんので」
「なにとち狂ったこと言ってんですかぁっ!?」
「あら? 違いましたか? てっきり『よくも人の女を傷物にしやがって』みたいにお考えになっていたのかと」
「っ……否定し切れませんが、そもそもナツ様にそんな大それた真似できるわけがないでしょう」
「ですわね。まずはちゃんとお互いを理解し合いながら、少しずつ寄り添うにしながらでないといけませんわね」
話が通じないというより、わかっている上で自分を揶揄うために、わざと惚けた事を言う葉子に幹也ががっくりと項垂れた。
「……とまぁ、幹也さんとナツ様に関してはお二人にお任せするとしまして、問題はここからになります」
「できれば、最初から本題に入ってくれませんか」
ようやく真面目な話をするつもりになったのだろうと、幹也も顔を上げる。
相変わらず何を考えている読めない人物だが、わざわざ揶揄うためだけに自分に話に来たわけではないことくらいは彼も知っている。
大半はその考えは空振りに終わるが、今回は話題が話題なだけに、お巫山戯だけではないはずだと。
「差し当たって幹也さんはナツ様を犯した男をどうしたいとお考えですか?」
「そりゃあできるなら、自分の馬鹿さ加減をわからせたいくらいは思いますが、そもそもどこの誰かもわかりませんし、どうしようもないでしょう」
「ナツ様のお力をお借りすればできない事もないと思いますが、それだけの労力を割く事かと言われてしまえば、それまでですからねぇ」
「……せいぜいナツ様みたいな第二、第三の被害者が出ない様に願う事と、ふざけた野郎には地獄に落ちやがれと呪う事くらいですかね」
「ふふ。目が本気ですわよ、幹也さん」
「俺は神様でも仏様でもないですからね」
幹也は、くすくすと笑っていた葉子から不意に笑いが消えるのを感じた。
ここで幹也はようやく思い至る。
この件で葉子が怒っていないわけがないのだ。
自分を揶揄い、楽し気に笑っている女性が本心では自分以上に激昂していたとしてもおかしくはないだけの事が起きてしまったのだから。
最初に自分を揶揄っていたのもある意味八つ当たりに近いのかもしれない。
「その男。おそらく、そう遠くない内に妖怪に襲われますわ。間違いなく」
「なぜ言い切れるんです?」
「簡単ですわ。ナツ様から力を分け与えられておりますので」
「なっ!? それなら今すぐにでも取り戻さなきゃいけないじゃないですかっ!?」
彼女の力が減っているのならば、麓の村や神社を覆っている結界にも影響が出かねない。
この地域の安全のためにも、そんな事態を看過できるわけがなかった。
「いえ、本当に微々たる量ですのでご安心を。幹也さんの様な退魔士ならともかく普通の人間が持てる霊力の許容量なんて、たかが知れてます」
「それなら何が問題なんです?」
「気づきませんか? その男は普通の人間にしては多すぎる程に霊力を持ってしまっている状態なんです。しかも神格化された女性の霊力という、かなり上質な物を」
「鴨がネギを背負って、ほっつき歩いちまってますね」
「それどころか目につきやすい様にネギを振り回して周りに喧伝してるくらいですわね」
一時的な霊力の高さで雑魚避け位はできるだろうが、逆にそれなりの妖怪には見つかり品定めを受ける事になる。
そして、男が一切霊力を行使する事ができない、ただ霊力が多いだけの人間だとバレたら男は成すすべなく喰われるだけ。
本来ならば、そんな事態を避けるために神社で高まっている霊力を取り払ったり、封じる等の対策もできたのだろうが、その男は処置を受けることなく村を出てしまった。
「どうしましょうか?」
再度確認の意味を込めて葉子に尋ねられたが、多少心境は変わったものの、幹也の答えが変わることはなかった。
「どうしようもないでしょう。唯一そいつの顔を知ってるナツ様を神社から出すわけにも行きませんし、そもそもどこに行ったのかの手がかりすらありませんし」
「やっぱりそうですわよねぇ」
「……というか、できれば俺もこんな話、知りたくなかったんですが。葉子さんの胸の内だけに留めて置くことはできなかったんですか?」
「あら? そんな事言わないでくださいな。遅かれ早かれ幹也さんは知る事になるんですから……ほら、もう来ましたわよ」
「――え?」
直後、少女がトタトタと軽快な足音を立てて廊下を駆け、ふさふさのイヌミミと尻尾を揺らしながら彼の部屋に入って来るのだった。