※この作品はR-18です。

神楽敗北記   作:gajun

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武居涼香編
涼香(戦闘中凌辱~治療1)


 妖怪が跋扈する森の中で、武居涼香は戦いにその身を置いていた。

 記憶を失った自分を住まわせてくれている熱杜神社に退魔の依頼が届き、それを彼女が引き受けたのはつい先日の事。

 依頼元である村に辿くとすぐに涼香は近くの森の異変に気づく。

 すでに村人への被害も出ている事を鑑みて、涼香は村の神社を拠点に準備を整えると、事態の早期収束のために妖気が漂う森の中へと進んでいくのだった。

 そして――

 

「ええいっ! 斬っても斬っても、次から次へと湧いてくるっ!!」

 

 大木を背に涼香は愛用の薙刀を振るい、襲い掛かってくる妖怪の群れを相手取っていた。

 少しばかり数は多いが、それでも自分一人で十分対処できると判断し、その場に留まり周辺の妖怪の一掃を図ったのだが、考えが甘かったと苛立たし気にを悪態を付く。

 とはいえ、それほど強い妖気を持った個体もいない以上、自分が負ける事もないだろう。

 せいぜい原因である大本の妖気の浄化が少しばかり遅れてしまうくらいだ。

 遅れてしまった分だけ依頼主である神主や村人たちの不安が長続きしてしまう事に対しての申し訳なさはあるが。

 そんな余裕とも油断とも取れる涼香の胸中の隙を突く様に一本の蔦が彼女の足を払い、尻もちをつかせた。

 

「――なっ!? あたたっ……くっ、卑怯なっ!!」

 

 不意に体勢を崩された事によるわずかな動揺と、姑息な手を使ってきた相手への怒りを感じている間にも、蔦は彼女の足に絡みつきながら袴の中へと侵入し、女陰を狙っていた。

 

「ぐっ!? あ、がっ……ぐぅ……っ!?」

 

 人の陰茎と大差ない太さの蔦が膣口を強引に閉じられた膣道をこじ開けどんどん子宮へと異物が迫ってくる。

 濡れてない膣を強引に犯される痛みに必死に耐えている彼女の事をお構いなしに蔦は更に奥を目指す。

 

「ひぐっ!? ぎっ、……く、くそっ……させるかぁっ!!」 

 

 涼香は痛みに苦悶の表情を浮かべるが、そこからの対処は早かった。

 素早く動揺から立ち直ると、転んだ拍子に手放してしまった得物を掴む。

 不覚にも侵入を許してしまった妖怪に目的を成されるより早く蔦に刃を突き立て切断すると、彼女の膣内で蠢いていた蔦も痙攣しながら徐々に動きが止まっていく。

 切断された部分を掴むと、半ばまで侵入を許してしまった蔦をずるりと一気に引き抜く。

 そして、静かな怒りが宿った冷たい眼で、その先端部を一瞥。

 

「……ふんっ。残念だったな、私に穢らわしい子種を放ち損ねたぞ」

 

 ゆっくりと立ち上がりながら、ビクビクと痙攣するように蠢く蔦の残骸を投げ捨てると、涼香は仕切り直しだと薙刀を構える。 

 危うく犯されかけたというのにまるで動じていないどころか、ますます戦意を高めた彼女の様子に妖怪達の間に戦慄が走る。

 そのわずかに怯んだ隙を涼香が見逃すわけがなかった。

 

「――参るっ!!」

 

 裂帛の気合を込めながら、妖怪の群れへと突っ込んでいくと、自分の間合いに居る相手を次々と斬り払っていくが……。

 

 

「ちっ! 本当に数だけは多いな」

 

 確実に数を減らす事はできているが、あまりの多勢の前に涼香は再び窮地に陥ってしまう。

 一対一ではまるで相手にならない状況で、妖怪達は必死に涼香を止めようと偶発的に発生した急造の連携が彼女の拘束に成功する。

 薙刀を掴んでいた右手首を大蜘蛛が吐き出した糸が絡み付くと、反対側は靫蔓の蔓が巻き付く。

 両腕の自由を奪った隙に餓鬼が体当たりを仕掛け、そのまま涼香を押し倒す。

 

「がはっ! つぅ……っ――くっ! 触るなっ!!」

『ギャッ!?」

『ギッ、ギギっ!!」

『グゲ、ググッ!!』

 

 涼香が自分を押し倒した餓鬼の腹を蹴り飛ばすと、すぐに別の餓鬼達が彼女の両足に組み付き、抑え込んで自由を奪っていく。

 

「くそっ!! は、離せっ!!」

 

 涼香が懸命に暴れもがくが、彼女を押さえつけている妖怪達も必死なのだろう。四肢をがっしりと抑え込まれ完全に身動きを封じられてしまった。

 衣服も乱れ、すでにはだけた装束や袴からは、形の良い乳房や秘処が外気に晒されてしまっていた。

 一度異物を挿入され、今もなお必死の攻防で興奮しているソコは、わずかに開きヒクついていた。

 絶体絶命の状況だが、それでも涼香は目をギラつかせ、戦う事を諦めてはいなかった。

 しかし、威嚇する様に睨みつけてくる視線や怒声だけでは、身動きを取る事ができていない彼女を恐れる者はいなかった。

 大きく膨らんだ胸を荒々しく揉み抱き、硬く尖った乳首にしゃぶりつき、女の柔肌の至る所に先走り液を滲ませ異臭を放つ魔羅を擦りつけて行く。

 そのあまりの嫌悪感と屈辱に涼香は顔を歪めながらも必死に耐えて、反撃の機会を待つ。

 不意に彼女の開かれた足の間に入り込んだナニカが、確かめる様に女陰に視線を向けると、いきり立った生殖器で彼女を一気に貫いた。

 

「ぐあぁっ!? く、くそっ……貴様ら……くぁっ!?」

 

 ろくに拒む事もできずに侵入を許してしまった異物が膣壁を擦りながら奥へと入り込んでくる。

 

「くそっ……やめろっ、やめろぉっ!!」

 

 他の妖怪共に全身を嬲られるのも辛いが、それでも膣を穢される感覚がやはり彼女にとって一番耐え難い苦痛なのだろう。

 膣内を何度も往復しながら蠢く異物の感触。

 少しずつ速度を上げ、肥大化し妖気塗れの穢れた精を放つためだけに、蹂躙される自身の身体。

 この状況に持ち込まれてしまったら、どうあがいても逃れられないと言う事は幾度となく味合わされた敗北と屈辱の経験から身体が覚えてしまっている。

 自分に群がる妖怪共に乳頭や陰核を強く刺激され、否応なく膣内の魔羅を締め上げさせられてしまうと、その魔羅が射精寸前のところまで膨れ上がっているのを感じ取ってしまった。

 それでも涼香は最後の瞬間まで懸命に抵抗し――子宮に熱い精を流し込まれた。

 

 

「はぁ……はぁ……。くっ……うぅ、くそっ……また……また……穢さ、れ…………っ」

 

 涼香は中も外も焼け爛れるような穢れた粘液塗れにされ、深い敗北と屈辱感に打ちのめされる。

 身体を押さえつけられてしまった時点で、こうなる事はわかっていたが、未だに受け入れられる覚悟も諦めの感情を持てるほど達観しているわけではなかった。

 

 女として耐え難い屈辱と悲しみに一瞬だが戦意を喪失してしまったのは、決して演技ではなかった。

 一度目の行為が終わって気勢がすっかり衰え脱力してしまった涼香の姿を見て、妖怪の何匹かは達成感を覚えていたことだろう。

 捕らえた雌に自身の精と匂いを付けたことで、自分のモノになった事をわからせる事ができたと。

 今度は大人しくなった雌を誰が自分の住処に連れて行くかを争う事になる。

 無防備に晒されている彼女の女陰を次は誰が犯すかという事で、彼らの頭の中はいっぱいなのだろう。

 そして、醜い小競り合いが始まると、四肢を押さえつける事を引き受けてしまったせいで、最初の凌辱に参加できなかった者達の意識がわずかに緩んだ瞬間――涼香は動いた。

 

「――そう何度も貴様らに自由にさせてやるほど、私の身体は安くはないんだっ!!」

 

 自由を取り戻した右手が装束の内側に仕込んでいた符を取り出すと、それを高く掲げる。

 直後、まるで自分ごと焼き尽くしてしまうのではないか思う程に激しい業火が発生し、彼女に組み付いていた妖怪達が一瞬にして全て焼き払われる。

 炎の中心にいた涼香は術を完全に制御していたため自身の身体にこびり付いていた妖気を焼き払うのみで、その身体が焼かれる事はなかった。

 そして、辛うじて符術の範囲の外にいた事で焼かれる事なく生き延びた妖怪もわずかにいたが、結局は焼かれるか斬られるかの違いだけで同じ運命をたどるのだった。

 

「ふぅ……いかんな。さすがに少し強引に攻めすぎたか」

 

 戦闘を終えると涼香は気休めではあるが、体や服に付いた汚れを軽く払いながら乱れた着衣を直していく。

 多少の妖気による穢れは先ほどの炎で浄化できたが、体内の奥深くへと捻じ込まれてしまった妖気だけは帰還後に治療を行わなくてならないだろう。

 

「……いまさら妖怪に犯されたところで何も感じないが、だからと言って負けるわけにはいかないからな……」

 

 自傷気味に呟きながら哀愁を放つ後姿ではあったが、それを見聞きできるものは誰もいなかった。

 そのまま涼香は更に森の奥へ奥へと進んでいき、同様の交戦を数回行った末に見事、森を覆う妖気を祓い依頼を果たすのだった。

 

 

***

 

 

「涼香様っ!!」

「神主殿、ただいま帰還致しました。森の奥に潜んでいた元凶と思わしき妖怪を発見し、無事これを討伐しましたので、ご依頼は完了したかと存じます」

「はい。私の方でも、森の妖気が晴れて行くのを感じましたので、もしやと思いまして……涼香様、本当にありがとうございます」

「いえ、これでこの村に平穏が戻ってくれれば、それが何よりですから」

 

 神主からの心からの感謝の言葉に淡々としながらも安心させる様にわずかに微笑みを浮かべ涼香は返す。

 

「それで、その、涼香様。さぞ厳しい戦いであったと思われますが……」

 

 ひとまずの一連のやり取りを終えた後に、神主が言葉を濁し気味に尋ねる。

 実際、神主は目のやり場に困ってもいた。

 涼香の現在の姿は森へ入る前に比べるとかなり乱れた格好になってしまっていた。

 全身が泥や土汚れに塗れ、最初は後ろ髪に束ねていたリボンもなく下ろされており、綺麗な髪にも汚れが付着し、ボサボサに乱れてしまっていた。

 腕や脚にも擦過傷の後があったり、衣服の所々が損傷し解れや破けてしまっているのだが、ぽっかり空いてしまった穴から胸元や腹、太腿等の肌の一部が覗けてしまっている。

 神主自身も決してマジマジと見る様な事をしているわけではないが、恩人相手に目を逸らす様な無礼な真似ができるわけもなく、かといって年若い女性の肌を見るわけにもいかずと、どう応対するべきか非常に困っているのだろう。

 

「あぁ、はしたない姿をお見せしてしまい失礼しました。失礼ついでと言ってはなんですが、湯殿をお借りして身を清めますので、神主殿にお願いしたい事がありまして」

「えぇ、いいですとも。なんでもおっしゃってください」

「少しばかり不覚を取りまして、どうか霊障の治療をお願いしたく」

「……そ、そうでしたか。では、涼香様が身を清められてる間に、村の男の中から協力できる者を募っておきましょう」

「いや、神主殿の方がよいのでは? おそらく村の他の者よりも、神主殿の方が強い霊力を持っておいででしょうし」

「それはそうですが……。こんな年を重ねた者より、せめて年の近い若い者の方がよろしいのでは……? 何より私ではお恥ずかしい話ですが、霊力はあってもそれを受け渡せるかどうかの自信も……」

「……失礼。いらぬ恥をかかせてしまった。では、神主殿の取りやすい手段でご用意をお願い致します」

 

 一礼するとそのまま宿舎の方へと行く涼香の姿に神主は複雑な心境を抱いていた。

 年若い女性である涼香が、どこまでも堂々と淡々とした態度で、治療のためとはいえ怯む事も臆する事もなく、見知らぬ男に身体を許す事を受け入れてしまっているのだ。

 退魔士としては正しく誇らしい態度である事は間違いないのだが、それを彼女に自ら選択させてしまう事に業の深さの様なものを感じずにはいられなかった。

 

 

「……まったく。女の身体を傷つける事も穢す事にも、こうも躊躇せんとは……妖怪とは本当に度し難い」

 

 涼香は湯に浸かりながら、打ち身跡や擦過傷ができてしまった自分の腕を撫でていた。

 過去に彼女が忌まわしい妖怪の妖気交じりの精液や卵液を無理やり飲まされたり、子宮に注がれてしまった回数ももはや数知れない。

 その度に治療を受け続けた事で幸い妖怪化することも仔を産んだ事もないが、それでも穢されてしまったという事実も記憶も無くなるわけではない。

 

「穢れた私が今更誰かと愛し合える事などできるわけない」

 

 もはや自分は女でいる事などできない。

 ならば、せめて一人でも多く、私と同じ想いをする事のない様に妖怪共と戦い続けることだけだ。

 それだけが自分に唯一できる事。

 

「ふぅ……いかん。少しばかり長湯をしすぎたかもしれないな……」

 

 神主に気に掛けてもらっていた行動の数々に自分でも女としての意識を思い出し感傷に浸り過ぎていたのかもしれない。

 涼香は湯から出ると、自分の身体をざっと見渡し、少なくとも身体の汚れは洗い流せている事を確認したところで、手早く着替えをすませるのだった。

 

 

***

 

 

「……神主殿、確かに治療の用意を頼んだが、さすがに少々多すぎではないか……?」

 

 湯浴みを終えた涼香は神主に案内された広間とその光景にポカンと大きな口を開けた。

 無理もないだろう、彼女の目の前には若い男が四人もいたのだから。

 その男達の誰かが涼香の姿に思わず生唾を飲む。

 凛々しさを感じさせる整った顔立ちに薄布越しからでも十分に伝わる豊かな胸部と引き締まった肢体に劣情を抱くなというのが無理な話だった。

 

「まさかとは思いますが、ちゃんと彼らに事情を説明しておりますか?」

「は、はい。それは間違いなく。正直、私自身もここまで候補者がでるとは思わず……。とはいえ、私の独断で誰と選ぶわけにもいきませんでしたので、ひとまず涼香様にこの者達の中から治療に必要な者だけ選んで頂いた方がよろしいかと思いまして」

 

 涼香に訝し気な視線を向けられた神主が慌てて弁明する。そんな二人のやり取りの最中にも集められた男達は涼香に並々ならぬ感情と期待を抱くのも仕方のない事だろう。

 もし選ばれたら涼香と一夜を過ごせるのだから。

 

「それにしても多すぎるのでは」

「えぇ、まぁ、その、下世話な話にはなりますが、少しでも涼香様のご負担にならない者をお選び頂けたらと思いまして……。もちろんこの者達は未婚の独り者ですので、ご安心ください」

 

 神主なり配慮であろうことは感じ取ってはいたが、まるでお見合い相手を選ばされている様なあまりにも場違いな光景に涼香は目眩を覚え、額に手を当てた。

 自分は結婚など考えてもいないというのに。

 内心でそう呟くと顔を上げ、四人の男達に尋ねる。

 

「あ~、そのぉ……。一つ尋ねたいのだが、行為の経験はみな、あるのだろうか……?」

 

 自分はいったい何を聞いているんだ?

 どうやらまだこの微妙な空気にまだ混乱しているのかもしれない。

 そんな事を思いながら、涼香は口走ってしまった言葉に後悔していると、

 

「ぁ、す、すみません。俺、ないですけど、やっぱダメですか」

「うぇっ!? あっ、い、いやっ……」

「お、俺も、その全くないってわけではないんですけど……」

「い、いやっ、そうではなくて、だなっ!?」

 

 自分の失言に続々と返事を返してしまう者が現れてしまい、更に彼女の動揺を誘う。

 

「あ、うぅ、あ、あぁ…………」

 

 何故か妙に不安げに自分を見つめる視線に晒され言葉に詰まっていると、混乱がピークを越えたのか急に思考が冷静になっていくのを涼香は感じた。

 一度大きく深呼吸をすると、今度こそ完全に落ち着きを取り戻し、彼らと真摯に向き合う。

 

「そうですね。ご助力を申し出て下さったのはありがたいことですが、せっかく誰とも混ざり合っていない状態だというのに、わざわざ私の穢れを祓うために混ざり合われるのは忍びない事です。もちろん他の皆様方にも言えることですので、その点を踏まえてもう一度良く考えて頂ければと思います」

 

 涼香は凛とした表情でそう告げると一度頭を下げ、後ろへと一歩下がる。

 自分自身で妖怪に穢された女等と言いたくはなかったが、自身の失言のせいでいらぬ恥をかかせてしまった以上、そうは言ってられなかった。

 まだ猶予はあるのだから、最悪この場は全員に断られても構わない。

 熱杜神社に帰還した後に治療を行うだけの時間は十分にある。

 それまでは治療ができずにいつまでも体内に妖気が宿り続けてしまうが、今はその嫌悪と不快感に耐えるしかないと考えていると、

 

「そんなこと言わないでください。涼香さん、とても綺麗じゃないですかっ!」

「そうですよ。こんなに美人なのに穢れてるなんて言われても、とても信じられないですよ」

「美人なだけでなく、その凛とした佇まい。本気で惚れちまいそうだぜ」

「ふぇっ!? あ、あの、私の話ちゃんと聞いてましたかっ!?」

「よしっ。まどろっこしいのは抜きにして、俺を選んでくれ。俺だったら、絶対にあんたを満足させてみせるぞ」

「お前っ、なにどさくさで一人抜け駆けしようとしてやがんだよっ。涼香さんっ、俺だっ、俺にしてくれっ」

「こら貴様らっ、涼香様になんたる無礼な物言いをしておるかぁーーーーっ!!」

 

 涼香の思惑を大きく外れ、色めき立つ男達とそれを厳しく諫める神主の怒声によって場は喧噪に包まれてしまっていた。

 しばらくの間、目の前の光景に呆然としてしまっていたが、男たちが自分に投げかけてくれた思い思いの言葉に、くすりと笑みを零す。

 

「ふふふ。いえ、失礼。まさかここまで私の治療に協力的な殿方がいるとは思いませんでした。さすがに助力を乞う身で一人だけを選ぶわけにも行かぬ故、どうか皆様にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか?」

 

 涼香の口から出た言葉に神主を含めた全員が動きを止めて、彼女を見る。

 とてもこんな凛とした年若い女性から出たものとは信じられなかった。

 

「おいおい、マジかよ……」

 

 彼らは各々で美しい巫女と一夜限りの同衾を果たす光景を想像していただろうが、もはやそんな物は完全に頭の中から消し飛んでしまっていた。

 たった一人の巫女を四人掛かりで。それはもはや同衾ではなく、輪姦、乱交と呼ばれる行為になるのでは。 

 

「涼香様っ。どうかお考え直し下されっ!! あなた様はこの村の救世主なのですぞっ。そんな方にその様な事をさせるわけにはいきませぬっ。治療には一人だけで十分ではありませんか。ならば、そのお一人だけをお選びくださいっ」

 

 涼香の自暴自棄になっているとしか思えない言動に、神主は畳に頭を擦りつけ、平伏し懇願した。

 彼も彼女にこの様な事をさせるために男衆を用意したのではないのだ。

 

「いえ、せっかく神主殿が募って下さり、彼らも助力を申し出ているのですから、その二つのご厚意を無碍になどできませぬ」

「っ……それではこれより先は、治療に携わる者のみが、この場に留まることにするのがよろしいでしょう。私はここで失礼致します。よいか、お主ら、くれぐれも涼香様に無礼を働くでないぞっ!!」

 

 やんわりと丁重に断られてしまい、神主はそれ以上は涼香に何も言う事ができなくなってしまった。

 その胸中には、自身の余計な気遣いが、かえって彼女により深い恥辱を負わせる事になってしまったという後悔の念を抱きながら、部屋を去って行くのだった。

 

「……本当にいいんですよね?」

 

 一人の男が再度、涼香に尋ねる。

 その言葉には彼女の意志を確認するという意味も含まれていたが、半分以上は彼女からの言質を取る事が目的にもなっていただろう。

 

「ええ。ですが、あくまで治療目的であることをお忘れなく。勝手に行為を行われてしまいますと支障もでてしまいますので、都度私が説明をさせて頂きます」

 

 当然、涼香自身も目の前の男達に代わる代わる情交を求められる事は理解しているだろう。それにも関わらず、彼女は落ち着いた様子で淡々と話を進めて行く。

 そんな異常な光景に、男達もわずかに委縮しつつも、それでも彼女の判断に異を唱えようとする者は結局神主以外はいなかった。

 だが、それも当然だろう。独占は叶わずともどんな形であれ、目の前の若く美しい巫女の肌に触れる事ができるのだから。

 

 こうして一人の巫女と四人の男達との治療という名目の熱い情交が始まるのだった。

 

 

***

 

 

「では、まずは貴殿からのご助力を承りたく思います」

 

 涼香は最初に経験が無いと名乗り出させてしまった男を指名した。

 理由は単純に四人の中で最も高い霊力を感じたからだ。

 内心では他者と交わった事のない彼と自分が本当に交わってしまってもいいものだろうかという躊躇いもあったが、避けてしまえばそれは彼に恥をかかせてしまうということ、そして身を差し出してくれた彼の善意を裏切ることになってしまう。

 そう考え、涼香は退魔巫女として適切な判断を自身に下したのだった。

 

「――はっ、はいっ!?」

 

 一方で選ばれた男は緊張あまりの上擦った声で返事をすると、そのまま直立の姿勢で彼女からの指示を待つ。

 

「おいおい。お前、そんな緊張しててホントにできんのか? ちったぁ余裕もてよ。お前が失敗しちまったら、この巫女さんまで恥かいちまうんだぜ?」

「悪い事は言わねぇから、最初は俺や他の奴らに代わってもらえって」

「ぁ、う、うぅ……」

「すみませんが、治療の妨げとなりますので、茶化す様な言動は控えてください」

 

 どこか浮足立ち始めた男たちの様子に涼香がわずかに怒気を感じさせる声色で注意を促すと、その迫力に男達も静かに黙ることしかできなかった。

 揶揄われていた男も自分のせいで場を乱してしまった事に気まずそうを感じていると、不安げな彼を安心させる様に涼香は優しい微笑みを向ける。

 

「ふふ。初めてで緊張されるのもわかりますが、もう少し楽にしてください」

「は、はい。すみません、本当に何も知らなくて……」

「大丈夫ですよ。私の方で進めて行くので、何か不都合があったら教えてください」

 

 照れている男が小さく頷くのを確認すると、涼香は男の前で跪くと彼の下履きを下ろし、垂れ下がっている陰茎に手を伸ばす。

 そのまま白く繊細な手で包み込まれると、すぐに反応が現れた。みるみる硬く膨らみ屹立し始めて行く。

 手の中でびくびくと脈打ち、熱を帯び始めた男の肉棒の感触に、涼香は一瞬蕩けた表情を浮かべてしまったが、すぐに気づき表情を戻す。

 

「もう少し刺激を与えますが、くれぐれも射精はされないように気をつけてくださいね」

 

 涼香の言葉に男は頷きながら期待を膨らませる。

 扱かれているわけでもなく、ただ彼女の手に触れられているだけでも、更に硬く大きくなっているというのに、もっと触ってもらえるなんて、自分はいったいどうなってしまうのだろう。

 変わらず自分に優しく微笑みを向けている涼香に男は本気で恋愛感情を抱き始めていた。

 彼女の温かく柔らかな手で、もっと激しく自分の肉棒を扱いてもらえれば、どれだけ気持ち良くなれるだろうか?

 涼香が彼に齎した快楽は、そんな性に疎い男の願望以上の行為のものだった。

 

「失礼しますね」

 

 短く言葉を告げると、涼香はぱくりと男の魔羅を咥え始めた。

 突然の彼女の大胆な行為に二人の情事を羨ましそうに眺めていた男達にも動揺が走る。

 

「っ、涼香さんっ!?」

「――んっ! うぐっ、ん、ちゅ、ちゅぷ、ぴちゃ」

 

 突然の口での奉仕に驚いた男が腰を突き出してしまい、涼香は一瞬顔を顰めるが、男の腰に片手を添えて、もう片方で陰茎を抑えて男の動きが落ち着いたのを確認すると、そのまま奉仕を続ける。

 口腔内に溜めた自分の唾液を舌を巧みに使い、亀頭を中心にゆっくりと陰茎に塗り付けて濡らしていく。

 柔らかな舌に彼女の唾液を塗り付けられながら裏筋をなぞられる快感に男の心は完全に支配されてしまっていた。 

 

「あ、あぁ、うぁ、ぁぁ……っ」

 

 こんなに美しい子が自分のモノに夢中でしゃぶり続けている。

 そんな現実離れした光景と、肉棒から全身に走り続ける快感に、男は呻く様な声を上げながら、無意識に腰を揺れ動かす事しかできなかった。

 

「じゅるっ、じゅるるっ、ぴちゃ、ぺちゃ、んっ、ちゅぱっ」

 

 涼香は口を窄め、舌を這わせるたびに、男の肉棒がより熱く硬くなっていくのを感じていた。

 さらに刺激を加えるために、先端部を丁寧に舐め上げながら、陰茎に当てていた手を軽く握り込み上下に扱いていく。

 熱く絡みつく様な先走り汁が溢れ出ている鈴口や亀頭を舌で舐め取られる度に男の腰が跳ねて喉奥を突こうとしてくる。

 

「んぷっ、まら、らさないれ、くらさいれ……ちゅぷ、じゅるる」

 

 経験から男の射精が間近に迫ってきている事を察した涼香は、タイミングを合わせるために刺激を緩め、射精を抑制しようとするが、

 

「と、止めないでくださいっ」

 

 感極まった男が、衝動的に涼香の後頭部を押さえつけると、激しく腰を振り始めてしまった。

 

「――んぐぅ!? んぶっ、げ、げほっ、ま、まって……まだ、まだ、だ、め……と、止まれ……っ」

「す、すみませんっ、俺、もうっ我慢できなくてっ、こ、このまま、イ、イかせてくださいぃーーーーっ!!」

 

 そのまま男は涼香の制止を受けず、彼女の口内を犯しながら、大量の精液を吐き出してしまった。

 

「――んぐうぅぅぅっ!? んっ、んぐっ、ぐ、ぐぅ、んんっ、ごく……ごく……じゅる、じゅるるっ、ごくんっ」

 

 タイミングがずれてしまっているとはいえ、せっかく男が出した精液を吐き出すわけにも行かず、口内にどんどんと流れ込んでくる白濁液を涼香は何度も喉を鳴らしながら懸命に飲み込んでいく。

 ドロリと絡みつく程に濃密で熱い精液が喉を通り体内に流れくる。

 そうする事で、男の陽の気が不完全ながらも自分の中で淀みの様に溜まっていた陰の気を祓っていくのを感じていた。

 陰の気と陽の気が対消滅を起こし浄化されると、その際にそのまま昇天してしまいそうな程に強い快感が全身を包んでくれる。

 その快感に一瞬恍惚とした表情を浮かべかけるが、すぐにハッと我に返ると、最後にもう一度大きく喉を鳴らして口腔内に残っていた精液を完全に飲み下した。

 

「ごほっ……ごほっ……くっ。き、貴様っ、あれほど勝手に出すなと言ったではないかっ。しかも私の顔を思い切り抑えつけおって」

「ひっ、ご、ごめんなさいっ、涼香さんのがあまりにも気持ち良すぎて、つい……」

 

 涼香からの強い叱責と、自身の失態に男はただただ申し訳なさそうにしていた。

 

「まったく……。幸い零さずに飲めたから良かったもの、ほとんど浄化できなかった。口だけでなく、他の場所にも精を注いでもらわねばならないと言うのに……」

「うぅ、本当にすみませんでした。次はちゃんと言うとおりにしますので、どうかもう一度お願いします」

「いや、お前は少し休んでろ。気づいてないかもしれないが、一度行うだけでも身体にかなり負担が掛かるんだ。……あとでまた付き合ってもらうから、少し反省してろ」

「……はい」

 

 粗相をしてしまったにも関わらず、自分の身体を気遣われ、さらに挽回のチャンスすらも与えてくれるという涼香の言葉に、男は短い返事を呟く事しかできなかった。

 そんな二人のやり取りの一部始終を見ていた他の男達は、涼香の変貌ぶりに盛大に笑い始めた。

 

「ガハハハッ。なんだよ巫女さんよぉ。そんな風にしゃべれんじゃねぇかよっ」

「……え? ……………あぁっ!? し、しまっ…………っ」

 

 退魔巫女として活動時している時とは違う素の自分の感情と言葉遣いを出してしまった事にようやく気づき慌てて口元を塞ぐがすでに手遅れだろう。

 

「……し、失礼致しました。それでは次の方に治療を…………」

「ハハハ。そんな慌てて戻さなくてもいいじゃないですか」

「で、ですが、今の私はプライベートではなく退魔巫女として……」

「そんな堅苦しいこと言いっこなしでさ、あんまり巫女さんに畏まられすぎると、いくらあんたが美人でも勃つモンも勃ちづらくなっちまうってもんだぜっ」

「結局勃つんじゃねーかよっ」

「おめえ当たりめぇだろぉ? こんな美人な巫女さんが相手してくれるってんのに、勃つなって言う方が無理ってもんだぜ」

「ちげぇねぇや」

 

 もはや涼香を完全に置いてけぼりにして、男達は盛り上がっていた。

 若く美しい巫女ではあるが、これ以上は自分の心に踏み込ませるつもりがないと言わんばかりに淡々とした対応をしていた彼女の真の魅力的な表情を見る事ができたのだから当然だろう。

 見事にそれを引き出す事に成功し、今なお落ち込んでいる功労者を早漏野郎と野次りつつも、よくやったと褒め称えていた。

 

 ……そして、退魔巫女の治療を行うという神聖な場と空気を完全に乱されてしまった涼香は完全にキレた。

 

「いいだろう。貴様らがお望みなら、そうしてやる。その代わり、もしまた私の指示を無視して勝手に果てるような不届き者が出たら、その時は私も遠慮なくそいつ罵倒してやるからそのつもりでいるんだぞ」

「上等だ。なら次は俺が相手をしてやるぜ」

 

 自称「この中で一番達者」な男が、二人目の相手として名乗りを上げ、涼香もそれを受けて立つのだった。

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