愛莉×神主(過剰治療)
「うぅ……最悪」
どうしてこんな事に……と、愛莉は内心で呟く。
そんな彼女の複雑な心境など知る由もなく、目の前には発情した人間の雄が一匹。
「はぁはぁ……め、愛莉様っ。僭越ながら、この神主が愛莉様を蝕む邪悪な妖毒を浄化させて頂きますぞっ」
鼻息を荒げ興奮し、ギラついた不躾な視線に全身を舐め回される感覚に嫌悪感を抱くなというのが無理な話だろう。
初体験を妖怪にメチャクチャに穢されたというのに、その上さらに女として身の危険を感じざるを得ない男に抱かれなくてはいけないこの状況。
ワタシそこまで神様に嫌われるようなことした?
そんな彼女の心の呟きに答えてくれるものは誰もいなかった。
「うっ……はぁはぁ。で、では、参りますぞ。愛莉様の中に神主が参りますぞぉっ」
目の前にいるのは変わらず発情したヤベェ雄が一匹。
愛莉自身かなり失礼な感情を抱いてしまっているいう自覚はある。
実際、任務中の拠点の提供や必要な物資の手配等、かなり丁寧かつ迅速な対応をしてくれていた辺り、神主としてもかなり優秀な人物であろうことは伺えた。
しかし、彼の人格が愛莉にとっての『生理的に無理』の領域に軽く足を踏み入れてしまっていた。
断れるなら断りたいが、それもできない。
なぜなら、このままだと孕まされた妖怪の仔を産み、最悪自身も妖怪に変じてしまうからだ。
「いいから早くやって……。さっさと終わらせて、楽になりたいから」
口を開く度にこちらの嫌悪感を増幅されるような事しか宣わない神主が、これ以上余計な事を言わせない様にぴしゃりと言い放つ。
これはもう犬に嚙まれた事だと思って諦めて早々に忘れてしまおう。うん、そうしよう。
無意識に向けてしまった冷ややかな視線に、不気味に身を震わせ快感を感じているであろう神主の存在を極力無視しながら、愛莉は自分の中で依頼含めてこの村の出来事全てをなかった事にすると心に決めていた。
「くっ……う、うぅ……っ」
男の肉棒が膣に入ってきた感触に愛莉は苦悶の表情を浮かべる。
事前に潤滑油代わりに軟膏をしっかりと塗り付けており、何より妖怪の魔羅に比べたら男のモノなど全然細いのだから痛みを感じているわけではなかった。
だが、生暖かくゴツゴツとした物体に大切な膣を擦られるという汚辱感に愛莉が平静を保つことなどできなかった。
(妖怪よりマシ、妖怪よりマシ……っ)
目を固く閉じて、顔を横にそらし、愛莉は何度も何度も心の中で呪詛の様に唱え続ける。
「あぁ……愛莉様の中、熱々トロトロで、とても柔らかくて、温かいですぞぉ……っ」
「っ。……………………」
愛莉は何か雑音が聞こえた様な気がしたが、変わらずだんまりを決め込んでいた。
「おぉっ。無視されるのも、何かゾクゾクした快感を味わえるなど、これは愛莉様のおかげで、新たな新境地が開けそうですぞぉっ!!」
もうなんでもいいから、さっさとこの地獄から解放して欲しい。
身も心も穢され尽くしたこの身体を禊で洗い流して、温かい布団の中でずっと寝込んでいたい。
目の前の現実から目を背け、願望を考える事で現実逃避を図りだした愛莉は、もはや怒りを通り越して諦観の域へと達していた。
「して、愛莉様。愛莉様の感度の程はよろしいでしょうか?」
「いつでも大丈夫。っていうか、一秒でも早く終わって欲しい」
不意にまともな声色で尋ねられた以上答えないわけにもいかなかった。
しかし、愛莉の返事を受けてからは、再び神主の思考は変態的な方向へと舵を切られていく。
「おぉっ、これは失礼致しました。愛莉様っ、この神主の摩羅捌きにご満足頂けていたのでございますな。神主感激っ」
自分の言動が神主に何でもかんでも変な方向にとられてしまうことに、愛莉は本気で泣き出しそうになっていた。
「しかしながら、愛莉様の感度をもう少し上げた方がよろしいのではないかと……ふむ、ちょいと失礼を」
まだあどけなさを残した幼い顔つきの割に、一足早く大きく成熟している双丘。神主がそこに狙いを定めると徐に手を伸ばす。
「きゃっ!? ちょっ、ちょっとっ!! 身体には触らないって約束したでしょっ!!」
いきなり神主が胸に触れた事で愛莉が慌てて彼の行為を批難する。
慌てて神主の手を掴み胸から引き離そうとするが、特に気にした様子もなく彼女の豊かな乳房を揉み続けていく。
効果は覿面だった。
「っ、や、やめっ……ぁ、ん、んぁっ……だ、だめ、なの……む、むねは……ほ、ほんとに……あぁん……っ」
自分の意志おかまいなしに身体が反応し快感に声が漏れるのが悔しく情けなかった。
どうして自分の胸はこんなに敏感なのか。
恋愛感情とは無縁の相手に触られ、それに嫌悪するどころか快感を覚えてしまう自分の身体が憎かった。
「ふおおおぉぉぉぉーーーーっ!? ま、まさか愛莉様は、この大層ご立派なお胸が弱かったのでございますなっ!!」
愛莉の反応に奇声を上げながら神主は狂喜乱舞した。
温かくモチモチとした柔らかな感触。
握り込めば握り込んだ分だけ、むにゅりと形を変えながら、手に吸い付き、彼女の温もりと柔らかさを伝えてくれる。
それだけでも十分すぎる程の幸福感を得られているというのに、自分が幸せになればその分だけ、彼女も快楽を感じ喘いでくれるというのだから、これ以上に嬉しい事はない。
「い、いやぁぁぁぁぁっ、んんああぁぁん、やめ、やめてよぉ……はぁぁ……んっ、あぁんん………っ」
もはや治療目的という事すら忘れ、快楽に溺れかけながらも必死に神主から逃れようとするが、それは叶わない。
興奮した神主がさらに荒々しく胸を揉まれると、自分の意志関係なく膣が締まり陰茎を強く締め付けてしまう。
「ひぅっ!? やっ、やだぁ……す、吸っちゃやだよぉ……はぁぁんん……い、いやぁ……」
「おぉっ!? なんとっ乳首も大変美味でございますぞっ!! 美しく膨らみ、とてもコリコリとして、なんとすばらしいことかっ!?」
刺激に反応して大きく膨らんでしまった鮮やかな桜色の突起に口を付けると、神主は夢中でそれをちゅうちゅうと吸い始める。
無遠慮に自分の胸にむしゃぶりつく男の行為に愛莉は嫌悪すら覚えたが、それでも身体は望まぬ快楽に身を震わせる。
「いやぁぁっ、イ、イきたくないっ、イきたくないのにっ……」
自分の中でどんどんとせり上がってくる絶頂の気配に愛莉は抗うが、抗えば抗う程に身体は果てるための最後の一押しを求める様に緊張し敏感になっていく。
そんな愛莉の痴態に神主の興奮も最高潮に達しようとしていた。
出会った時から淡々と落ち着いた佇まいでありながら、不意に見せるゾクゾクさせる程の冷たい視線を向けていた少女が、自分の下で快楽に流されまいと抵抗しながらも痴態を晒してしまっている。
「愛莉さまっ、だ、大丈夫ですぞっ!! い、いま、この神主が全身全霊を込めて愛莉様の中に精を放たせて頂きますぞっ!!」
神主は高らかにそう宣言すると、思い切り腰を突き出し愛莉の膣奥を深く突き、そのまま一気に射精した。
「いやぁぁぁぁぁぁああああぁああぁぁぁぁーーーーっ!!」
雄の力強い一突きに子宮を揺らされ、否応なくイかされた愛莉は、そのまま放たれた精液が一気に自分の中に流れ込んでくるのを感じる。
望まぬ行為と男の精を受け止めてしまったというのに、「これで大丈夫と」と心はどこか安心してしまい、身体も放たれたばかりの精液の熱さに心地良さを感じてしまっていた。
それでも――
(せめて、もう少しマシな人だったら良かったなぁ……)
絶頂の余韻の中、愛莉は心の中でそう呟かずにはいられなかった。
別に特別な恋愛感情を抱いている相手がいるわけではないが、例えば所属している花杜神社の神職だったり、退魔巫女になるための修行先で師事を受けていた男性教官の様に、それなりに気心の知れた相手であれば、彼女もここまで悲観的な気分にはならなかっただろう。
(やめやめ。もう終わった事だし、早くお風呂で綺麗にして、さっさと寝よう………………え?)
今後の身の振り方は明日考えようと気持ちを切り替えたところで、愛莉は行為が終わったにも関わらず、神主に身体を押さえつけられている事に気づく。
興奮したように息を荒げ、しかも未だに引き抜かれる事なく膣内に挿入されている陰茎は、硬く肥大化したままで膣を圧迫している。
この状況に猛烈に嫌な予感を愛莉が抱くのと、神主が動くのは同時だった。
「はぁ、はぁ、……うっ、め、愛莉さま、も、もうすこし……もう少し続けましょう」
「っ!? や、やだっ、もう終わったでしょ……離れてよ……」
愛莉は無意識に少しずつ身を捩らせ逃れようとするが、神主がそれを許すはずがない。
「ね、念のため……そう、念のためですぞっ。念には念を入れてもう一度治療を行い、愛莉様の妖気を完全に浄化しなくてはいけませぬぞっ」
自分の中で彼女を犯せる口実を見つけると、一方的に言い包めようと捲し立てながら、我慢の限界が来たのか徐に腰を振り再び膣を突き始める。
「いやあぁぁぁっ、やめてっ!! やめてよぉっ!!」
「め、愛莉様っ、暴れてはなりませんぞっ」
愛莉が必死に神主の身体を押し退けようとするが、逆に身体を押さえつけられ、さらに激しく腰を打ち付けてくる。
絶頂直後で快楽に敏感になっている愛莉がその激しい責めに屈服してしまうのに時間は掛からなかった。
何度も膣を突かれ、胸を揉まれていく内に、彼女の懸命な抵抗がどんどん弱々しいものへとなっていく。
「っ、ん、い、いやぁ……んぁ、あぁぁん、いや、なのに、いやなのにぃ……あぁぁ、んっ」
「だ、大丈夫ですぞっ、大丈夫ですぞぉっ!! この神主が責任をもって愛莉様の治療を致しますので、そのまま、お、おとなしく、じっとしているのですぞっ!!」
再び快楽に抗えなくなった愛莉の身体を神主は貪る様に犯し始める。
熱く蕩けた膣が精を求める様に締め上げてくると、それに応える様に陰茎を擦り付ける。
大きくハリもあって形の良い胸肉を荒々しく揉みしだく。
さらに敏感になり硬く膨らんだ乳首や、吐き出された熱い精液に塗れた陰核を強く刺激するたびに、愛莉が抑えられない嬌声を上げる。
耐えきれない程の快感にビクビクと跳ねると愛莉の腰をしっかりと抑えつけて、神主は何度も深く腰を突き上げ彼女の膣を突く。
そのまま二人が同時に達して、愛莉は快感に飛ばされてしまいそうな意識の中で再び自分の子宮に熱い精液を注がれる感触を味合わされるのだった。
経験が乏しいのにも関わらず立て続けに二度、三度とイかされ、愛莉はすっかり精神をすり減らし体力も使い果たしぐったりと横たわるが、それでもまだ解放されることはなかった。
苦渋の決断の末に、信じて助けを求めた相手にすら終わることなく身体を穢され続ける現実に、愛莉は朦朧とした意識を自らの意志で手放してしまうのだった。
***
「……最悪」
翌日、深い眠りから目覚めた愛莉は開口一番にそう呟いた。
覚醒した意識は否応なく彼女に現実を突きつけて来る。
さすがに神主も行為後もそのまま一緒の布団で過ごそうとするほど愚かな人間ではなかったようで、布団の中は自分だけだったのが唯一良かったことだろう。
しかし身体には彼に犯された痕跡が至る所に点在していた。
未だに膣内に残っている様な異物感と混ざり合ったベタつく体液が内股を穢している。
いくら体内の妖気を浄化する為とは言え、これを治療行為とは認めたくはなかった。
全身の不快感に今すぐ身体を洗い清めたかったが、気力が全然湧いてこない。
ずっとこうしている訳にはいかないのも分かってはいるが、今だけは休ませて欲しい。
愛莉は布団の中で、大切な自分の身体を抱き締める様に身体を丸め、再び浅い眠りに就く。
「うぅ……どうして……」
夢の中でも愛莉の心が安らぐ事はなかった。
卒業試験も楽勝だったのだから、初任務も簡単にこなせる……そのはずだったのに。
想像以上の強敵に敗北した挙句、純潔を奪われそのまま何度も身体を蹂躙される。
隙を突いてやっとの思いで逃げ延びたと思ったら、今度は協力者に裏切られ傷心中の心身をさらに穢された。
任務を投げ出して逃げてしまおうか。一瞬そんな考えがよぎると――
――逃げるなんて許さないのですっ。あなたはミクが認めたライバルなのですのよっ。
「え?」
この場にはいないはずのライバルの声が聞こえた気がして、愛莉は微睡みから一気に目覚める。
わずかに首を動かして確認したが、当然いるはずがない。
だが例え夢や幻聴の類だったとしても、愛莉の心には彼女の言葉が深く刺さると、少しずつ心を揺り動かし始める。
「はぁー……。まったくバカ真面目で生意気な奴……」
小さくて子供と間違えられるくせに、子供扱いされたくないからと精一杯背伸びして、それが余計に子供っぽく見えてることに気づいてなかったり。
仲が良いわけではないし、むしろちょっとした事でも何でも張り合ってばかりだった、そんなライバルが自分を叱咤激励する姿が思い浮かぶ。
「……まぁ、このままアイツに勝ったと思われて調子に乗られるのは……ちょっと癪、かな? ちょっとだけ」
たまたま一足早く仕事を振られて無事完遂してきただけで差を付けられたわけではない。
多少不覚を取り、結果手痛い火傷を被ってしまったが……それでも、まだワタシは戦える。
次こそあの化け物の首と汚らわしいモノを切り落としてやる。
ついでにセクハラ神主は上に絶対に報告しよう。
「うん。がんばって起きよう。いい加減身体めちゃくちゃ気持ち悪いし」
わずかに取り戻した気力を振り絞り、愛莉は布団から身体を起こすと気怠い身体を突き動かして禊場へと向かうのだった。
***
「うん。まぁ、少しはマシになった、かな?」
普段は冷たい水を被る行為はあまり得意ではなかったが、今はこの冷たく透き通る水の感触がとても心地良かった。
いつもよりも何度も水を被り念入りに穢れを落としたところで、動きを止めて一息つく。
周囲をじっくり見渡し、愛莉は人の気配や視線がない事を確認すると、そっと濡れた白襦袢の前を開き、自分の身体の確認を始める。
いつ何者かが現れるかもしれない以上あまり時間は掛けられない。
ひとまず目につく範囲で見ただけでも所々に擦過傷や打撲痕があるが、いずれも完治すれば痕は残らないだろう。
「ほっ。不幸中の幸い、そう思うことにしとこう。うん」
サクッと終わらせるつもりの初任務が、想像以上に難航し散々な目に遭ってしまっている現状。
まずは一つでも良かった事を見つけ活力へと変えて行く。
体調を万全にして今度こそ元凶を退治してやるのだと愛莉は固く誓うのだった。
「おぉ。愛莉様、禊をお済ませになられたのですな。朝食のご用意をさせて頂きましたので、ゆっくり召し上がってくだされ」
「――っ!!」
愛莉が禊を終えて借りていた部屋に戻ると、待ち構えていた神主の姿に反射的に身構える。
すでに彼女の中で彼への信用が最低値まで下がっているのも無理はないだろう。
愛莉は静かな怒りを込めた冷ややかな視線を向け無意識に彼を威圧する。
「はぁ……はぁ……っ、いいっ。いいですぞっ。その見下す様な冷ややかな視線っ。しおらしくなられていた愛莉様もたいへん麗しかったですが、やはりこのクールな愛莉様こそ、至高にして至上っ!!」
向けられている怒りなど、まるで意にも介さず勝手に神主は一人で盛り上がっていた。
そのふざけた態度に愛莉は一瞬彼に詰め寄ろうかと思ったが、もしかするとその行為すらもこの変態を喜ばせるだけで終わる可能性に気づき、踏み止まる。
何より、意図してなのかはわからないが、昨晩の行為について神主が話題に触れていないのに、それをわざわざ自分から持ち込む事をしたくはなかった。
愛莉は沸々と湧き上がる感情を押し殺し、神主に短く退出するよう命じると、彼も大人しくそれに従い部屋から出て行く。。
退出間際に「ゆっくり養生してくだされ」という言葉を投げかけた事からも自身の身を案じているのは少なくとも本心なのだろうということだけは伝わった。
「……ま、食事に罪はないし、いただきます」
一瞬食事に異物が混入されている可能性が頭を過ったが、いくら何でもさすがにそこまで馬鹿な真似はしないだろう。
何より今は消耗した体力や霊力を回復させなくてはいけない大切な時期だ。
日課の鍛錬は欠かさずに行うとして、それ以外は一日しっかり身体を休める。
そうしたら早ければ明日にでも再び任務を再開できるだろうと愛莉は考えていた。
「よし。それじゃ、まぁ程々に」
思ったよりも味が良く、箸が進み食欲を満たした腹が落ち着いた頃に、愛莉は愛用の薙刀を手に取ると境内へと出た。
花杜神社と違い良くも悪くも人目が付きにくいこの場所は、彼女にとって気兼ねなく鍛錬に励める場所だった。
柔らかな温かさを感じる日差しを浴びながら、ゆっくりと身体を伸ばし準備体操を行っていく。
大きく背筋を伸ばすと突き出され、身体を戻すとぽよんと大きな胸が弾むと、愛莉が難しそうな表情をした。
「むぅ。正直ここまで大きくならなくて良かったんだけどな。しかも無駄に敏感だし……。まぁ、誰かと違って無いよりはいいんだけどさ」
気が逸れたと薙刀を握り直すと、意識を集中し精神統一する。
「せいっ!! やっ!!」
気合を込めた発声と共に薙刀を振るう。
突き、払い、回しと基本的な動作を繰り返しながら、徐々により早くより複雑な軌道を穂先が描き始める。
「すぅ……やぁぁーっ!!」
力強く踏み込み渾身の一撃を放つ。
しばらくその体勢のまま残心を取り、頭の中で戦っていた因縁の妖怪を確実に仕留めたのを確信したところで、ゆっくりと構えを解いた。
「ふぅ。ま、これくらいにしとこうかな。頑張りすぎは禁物」
少しは気が晴れたと愛莉は額の汗を拭うと鍛錬を切り上げる。
身体を動かしたおかげか大分陰鬱な気分も薄れてきたのか、顔色にも若々しい精気が戻ってきていた。
そのまま愛莉は一度汗を拭き、身なりを整えるために部屋に戻ると、今度は薙刀の代わりに竹箒を携えて境内へと戻って来た。
「とりあえず、境内の掃除くらいはしといた方がいいよね」
本心としてはすぐにでも森の異変の調査を再開したいが、そういうわけにもいかない。
気力や体力がほぼ本調子に戻っても、霊力だけは全く手段がないわけではないが、基本的に自然回復に頼らざるを得ない。
退魔士としての活動ができない以上、部屋を借りてる神社の巫女としての仕事に従事した方が体裁もいいだろうと思っての事だった。
幸い神主もずっと社務所に詰めているのか、顔を合わすことなかった。
簡単な掃き掃除を行ったくらいだが、境内の掃除を終えてからは、再び手持無沙汰になった愛莉は気分転換に村の散策をしてみようかとも思ったが、さすがにそれはまだ自重することにした。
見回りという名目を設ける事もできるが、それは依頼を果たしてからにするべきだろう。
自分はまだこの村の平穏を取り戻す事ができていないのだから。
「うん。次は絶対に負けないっ」
――その晩、愛莉は再び神主に襲われた。
彼女が自身の異変に気付いたときにはすでに手遅れだった。
「精の付く物をふんだんに取り入れておりますので、存分にご賞味ください」
愛莉のために用意した夕食を前に神主は彼女にそう告げていた。
当然愛莉もその言葉に警戒心を抱き懐疑的な視線を神主に向けるも、特に動揺した様子を見せることなく早々に部屋を退出する。
そして疑うことなくこれまで同様に少しでも万全の状態に戻るために愛莉は食事に箸を付けて行った。
霊力の回復を促進するのに確かに効果的な食事だったが、相応の副次的な効果もあった。
「あぅ。ヤバイなぁ……。さっきから身体が熱くなってきて変な気持ちになりそう……」
端的に言うと愛莉はムラムラした気分になってしまっていた。
本来は精力を高めて男女の夜の営みの活性化を促すための食材を多く摂ってしまったのだから、身体の火照りや下腹部の疼きも当然の反応だが、今の彼女には不要の感情だろう。
昂ぶった性欲を発散させる相手もいなければ、そもそも今はそんな事に無駄なエネルギーを使ってなどいられないのだから。
しかし、気を抜けば無意識の内に指先は胸元や内股を目指してしまう。
「さっさとお風呂入って寝ちゃおう。うん、それがいい」
両手で頬をぴしゃりと叩いて気合を入れると、湯殿へと向かって行く。
そこで結局耐え切れずに、一度だけ秘処に指を入れ自慰行為に耽ってしまったが、発散したことで一時的にすっきりした状態になる。
その隙に寝てしまおうと愛莉は寝床に就くのだった。
眠っている間も身体が疼くのか、何度も寝返りを打ち、熱っぽい吐息を漏らす。
そんな性欲に身体を持て余してしまっている愛莉の姿に鼻息を荒くし興奮しながら、熱い視線を送る男がいた。
今すぐにでも彼女の身を焦がす様な熱い昂ぶりを鎮めなくてはならないという使命感に燃え、神主は彼女の布団の中へと侵入し夜這いを決行するのだった。
愛莉が神主の凶行に気づき慌てて意識を覚醒させる時には、彼女の身体は快楽に屈してしまっていた後だった。
布団は脇にどけられ、着ていた寝間着は乱され、露出した素肌は男の手に弄ばれている。
敏感だとバレてしまった胸や乳首を重点的に揉み抱かれながら、寝ている間にすでに一度射精されてしまっていた膣内を魔羅が暴れ回っていた。
「はぁ、はぁっ。さ、さぁ愛莉様っ、微力ながらこの神主の霊力っ、しかとお受け取りくださいっ」
「っ、ぁぁ、い、いやぁ……いらないっ、そんなのいらないから、んぁぁああん、もう……やめてよぉ……っ」
昨晩の続きと言わんばかりに神主は組み伏した愛莉に激しく腰を打ち付け、その膣内に大量の精を吐き出した。
全身が火照り、性欲に昂ぶり疼く身体は彼女の意志関係なく、活発に膣を収縮させ放たれたばかりの精液を子宮へ送り込んでしまう。
「ふぅ……。さすが愛莉様、まるで底なしに私の霊力を吸われてしまわれますな」
「ぅ、ぁぁ……ひくっ……もぅいやぁ……もう抜いてよぉ……気持ち良くなりたくないのにぃ……」
愛莉が自身の羞恥心と悔しさに泣きじゃくりながら懇願するも神主がそれを聞き入れられることはなかった。
「何を仰られますか愛莉様っ。それだけ愛莉様の霊力の器が素晴らしいのですから、恥じ入る事など何もありませんぞ。さぁ、どんどん参りましょう。少しでも多く私の霊力をお渡ししますので、どうか妖怪を退治するための力としてお使いくださいっ」
「――はぁあぁぁぁぁぁんっ、ん、あっ……」
彼女の膣内で再び硬さを取り戻し始めると、休憩は終わりと言わんばかりに肉芽を摘み膣を強く締め上げさせる。
一度愛莉の腰を抱え直して互いの腰と腰が密着しそうな程に身体を引き寄せると、神主は彼女の胸に顔を埋めながら両手で荒々しく揉み抱き始めた。
愛莉が必死に神主の身体を自分から引き離そうとするたびに、乳首を抓上げたり、むしゃぶりき強く吸われ、それを阻止される。
腰を動かし荒々しい抽送から逃れようとすれば、腰を押さえつけられさらに激しく打ち付けられる。
結局、愛莉が解放されるのは昨晩と同じく神主が性欲を発散し切って満足するまで犯された尽くした後だった。
翌日。愛莉は神主から逃げる様に早々に妖怪が巣食う森へ向かった。
探索をして初めの内は良かったが、徐々に愛莉の心に余裕が消えて行く。
劣勢になる度、たまたま攻撃を掻い潜った妖怪の手が自分に触れるたびに、彼女の精神が大きくすり潰されて行く。
妖怪に犯され子種を植え付けられる恐怖もだが、帰還後に治療と称してさらに男に犯される恐怖が愛莉の身体の動きを鈍らせていた。
とても万全とは言えない状態で戦わざるを得なくなってしまった愛莉が、再び妖怪に敗北し捕らえられてしまうのは必然だった。