※この作品はR-18です。

神楽敗北記   作:gajun

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初花の治療(本番)

「……初花ちゃん、もう治療を始める? 少し待った方がいいなら、待つよ?」

 

 互いの性感が高まってる状態で、このまま治療まで行った方が、流れとしてもスムーズに行ける。

 だが、いくらやむを得ない事情があるとは言え、男に抱かれなければならないのだ。心の準備をさせてあげるべきだろう。

 

「ううん、大丈夫。お兄ちゃんがしてくれるんだもん」

「そっか。できるだけ負担を掛けない様にするから」

 

 自分の下履きを脱いでモノを引き出すと、初花ちゃんの口や秘処を弄っていた事で、すでに治療が可能な大きさと硬さとなっていた。

 そんな陰茎を目の当たりにし、初花ちゃんも少なからず動揺を表したが、そこまで怯えているわけではなさそうだった。

 

「お兄ちゃんのそれを、あたしの中に入れるんだよね」

「そうしないと治療できないからね」

「……お兄ちゃんのが入るところ、見ててもいい?」

「あまりお勧めはできないかな。余計な力が入っちゃうと思うし、多分怖いかもしれないよ」

「うん。少し怖いのはあるけど、でも、わかってはいるんだけど、不安なの。ちゃんとあたしの中に入ってるのがお兄ちゃんのなのか確認させて欲しいから」

 

 瞳を涙で潤ませながら、悲し気な表情で不安な胸中を打ち明けた少女の姿に、俺は衝動的な行動を起こしてしまっていた。

 ただ初花ちゃんに安心して欲しい。信じて欲しい。そんな想いを込めながら口付けを交わしていた。

 

「んっ……ふぁ、ぁぁ、お兄ちゃん……?」

「っ……ご、ごめんっ、初花ちゃん」

 

 俺はあってはならないミスを犯してしまった自分が信じられなかった。

 治療中に治療と全く無関係の行為に及んでしまうのは、御法度中の御法度だ。

 確かに女性の肢体を目の当たりにし抑えきれない劣情を抱いてしまう事は度々あるが、それでも侵してならない最後の一線だけは決して越えずにいたし、それが常識だった。

 

「えへへ。キスされちゃった♪」

「本当にごめんっ! 初花ちゃん、そんなつもりじゃなかったんだっ」

「ふ~ん。それじゃどんなつもりだったのかなぁ?」

「俺は、ただ初花ちゃんを安心させたかっただけで、やましい気持ちは本当になかったんだっ。信じてくれっ」

 

 混乱と罪悪感がゴチャ混ぜになった頭で、しどろもどろになりながらも必死に弁解を続ける俺の姿に、初花ちゃんはどこかおかしそうな表情をしていた。

 そして久しく見ていなかった笑顔を見せてくれた。

 

「あはは。そんなに必死になって謝らなくていいってばぁ。逆になんか拒絶されてるみたいで嫌だよ?」

「う、ぐ…………」

 

 正直言葉が出てこなかった。

 退魔士としてのプライドもある分、日ごろから直接的に好意を向けてくれる少女の優しさに甘えていいものだろうかという葛藤。

 いっそこのまま恋人になってしまえば、という考えが過るがそれは本人に対しても他の女性達に対してもあまりにも失礼極まりない選択だろう。

 

「ちぇっ。このままお兄ちゃん落としたかったけど、やっぱズルいか。じゃあさ。あとで何か埋め合わせしてね。それでキスの件は無かった事……は、ちょっと無理だから、あたしとお兄ちゃんだけの秘密にしてあげるね♪」

「ごめんと言うべきか、ありがとうと言うべきか……判断に悩みそうだな」

 

 まぁ初花ちゃんがそれで済ませてくれるというのだから、それに甘えざるを得ない。

 

「それじゃ、早く治療始めよ。ね、お兄ちゃん、あたしもう待ちきれないから、早く入れてっ」

 

 ご丁寧に立てた両膝をM字に開脚して俺を待ち構える体勢になる。

 

「初花ちゃん、わざと言ってるよね」

「あはは……今の内に少しでもアピールしとかないとね」

 

 初花ちゃんは、照れ笑いを浮かべながら嘯くと緊張と不安と言う本当の感情を見せ、先程言った言葉と同じく「早くいれて」と俺を求めた。

 俺に抱かれる心の準備はもう完了している。だから、早く自分の身体から妖気を取り除いて欲しいと。

 俺は初花ちゃんの心の声に頷き、片手で彼女の濡れた秘唇を左右に開き膣口を確認すると、もう一方の手で掴んでいた自身のモノの先端をそこに宛がう。

 

「んっ……お兄ちゃんの、当たってる」

 

 互いの性器が接触した感触に初花ちゃんが腰を左右に小さく揺らす。

 おそらく無意識に身体が動いてしまったのだろうけど、結果的にその動きで膣口がわずかにめくられモノの先端を浅く咥えていく。

 初花ちゃんの反応を確かめ、苦痛を与えないようにとゆっくり腰を突き出していく。

 

「……あっ。ちょっとずつお兄ちゃんのが、入って来てるのわかるよ」

 

 一際太い部分が中に入り切った所で一度動きを止めると、初花ちゃんが様子を確かめようとわずかに身体を起こし結合部を覗き込もうとする。

 

「んん……入ってるのは、わかるんだけど……ちょっと見づらいかも。あんまり身体起こすとお兄ちゃんの抜けちゃいそうになるし……」

 

 身体を起こしすぎて腰が動くと繋がりが抜けそうになる。そして、それに気づくと慌てて自ら腰を突き出し抜け出した分よりも更に深く陰茎を飲み込み直してくれる。

 

「お兄ちゃんからは見えてるんだよね?」

「ま、まぁ一応入れる側だからね。ちゃんと見ないと入れられないし」

「なんかズルいなぁ……。お兄ちゃんの方からはどう見えてるの?」

「そりゃあ……その、は、初花ちゃんの中に、入っちゃってるよ……がっつり」

 

 初花ちゃんの言葉に釣られ思わず結合部へと視線を向け、見たそのままに告げてしまう。侵入率はまだ全体の三分の一程と言ったところだろうか。

 すでに膣内に入ってる部分や入口がきゅうきゅう締まり、その動きがまるで奥へ誘っている様な錯覚を覚える。

 一応俺の名誉と信用のために弁解させてもらうが、本来はこんなマジマジと結合部を確認するような事は絶対にしていない。

 むしろ望まぬ行為に必死に耐え忍んでいる相手の表情や身体を通じて伝わってくる緊張や苦痛を少しでも和らげる事に神経を割いているのだ。

 

「……あたしの中、変じゃない? だいじょうぶ、かな?」

「あ~、その~……初花ちゃん」

 

 今の俺の状況と立場上、ひじょーに答えづらい事を聞かれ再び葛藤状態に陥る。

 自身のチンケな退魔士としてのプライドと初花ちゃんの心のケア。どちらが大事な事かと言われたら、そんなのはわざわざ秤に乗せて比べるまでもない。

 が、最低限の体裁を保つためにも、前置きは必要だろう。

 

「……これも相手が初花ちゃんだから言える事なんだけどさ」

「う、うん」

「少なくとも、初花ちゃんが心配してる様な事にはなってないと思うよ」

「――っ。ほんとに?」

「ほんとに。色々心配事があるのは、わかるんだけど……できればその、今は初花ちゃんの治療に集中させて欲しいんだ…………たまに治療中だってこと忘れそうになるくらいだからさ」

 

 歯切れの悪い俺の言葉に初花ちゃんは表情に翳を落としかけていたが、少しずつ語られる内容に俺の言わんとしてる事を理解し次第に頬に朱が差し始めていく。

 

「初花ちゃんの方は大丈夫? もう少し奥まで入れなくちゃいけないんだけど、がんばれそう?」

「あたしは平気。正直まだ気持ち良いっていうのはよくわからないんだけど、でもちゃんとお兄ちゃんのが入ってるのがわかるから、安心できてるよっ」

 

 その言葉を証明するように初花ちゃんは俺の背中に両手を回し身体を密着させて来た。自然と膣内に収められている陰茎もより深く初花ちゃんの膣内へ収まっていく。

 そして互いの身体がしっかり密着する程抱き合っている状態と言うことはつまり――

 

「……もしかしてお兄ちゃん。あたしのおっぱい当たって気持ち良かったりしてる?」

「っ。………………」

 

 図星だった。手頃なサイズの柔らかな膨らみが、惜しげもなく俺の胸板に押し付けられてむにゅりと実に柔らかそうに圧し潰されている。

 初花ちゃんがわずかに身じろぎする度に、柔らかな乳房がむにゅむにゅと形を変える。

 男にその感触を意識するななんて無理難題を言われてもできるはずがない。

 今も伝わってくる温もりと、とくんとくんと早く脈打つ彼女の鼓動に意識が奪われそうになっているくらいだ。

 こちらから抱き返す事だけは我慢できるものの、身体の反応までは抑えられるわけがなく、初花ちゃんの膣内に入ってる俺のモノも当然ビクンと何度も跳ねてしまっていた。

 

「………………初花ちゃん」

「なあに♪」

 

 ダイレクトに答えにくい事を聞かないでくれとお願いしたばかりなんだけどな………………てぇっ、ニヤつくんじゃあないっ!?

 言葉を詰まらせている俺の様子を可愛らしさとイヤらしさ半々の割合で構成された実に楽しそうな笑顔で俺を見上げていた。

 

「お互いの気持ちを高め合って霊力を受け渡し安くするのは必要不可欠なんだけどさ、さすがに俺がハメを外し過ぎちゃうと治療とは呼べなくなると思うんだ」

 

 大切な人だからこそ、情欲に溺れた様な行為に及びたくない。

 ある意味、俺がこれまでに治療を行った女性達に対して以上に感じているのかもしれない。

 だと言うのに、今までに行ったの治療行為の時にはなかった妙に甘ったるい空気になってしまっている感じがしていた。

 

「ねぇ、お兄ちゃん。色んな治療の仕方があっても、あたしはいいと思うんだけどな~。あたしはずっとお兄ちゃんに治療だからって突っぱねられるのも悲しいし。あたしだって、こんな形でお兄ちゃんに抱かれるのは不本意なんだよ。初めてだってお兄ちゃんにもらって欲しかったんだし……」

 

 先ほどの俺をからかうような言動も表情も半分は演技だったのだろう。おそらく初花ちゃんは俺の葛藤をちゃんと理解してくれている。それでも割り切れない部分を俺に必死に訴えかけているのだろう。

 

「……初花ちゃん、そろそろ動いていいかな?」

「あ、そっか。あたしの事、ちゃんと待っててくれてたんだね。ごめんね、お詫びにあたしの身体、お兄ちゃんの好きに使っていいよ」

「だからそういう事を言わないっ」

「あ、あはは、冗談だよぉ」

 

 言ってて自分も大胆な事を言い過ぎてしまったと思ったのか照れ笑いを浮かべていた。

 そんな少女の小ぶりなお尻に両手を添え、ゆっくりと腰を突き出していく。

 熱くヌメりのある狭い膣内で弾力のある膣襞が絡みつき、擦れる感触を感じながら硬く肥大化した陰茎を初花ちゃんの奥へ奥へと目指し進めていく。

 

「……ん、あ、お兄ちゃんの、もっと中に入って来てるのわかるよ……どんどん奥まで来てる」

「このままもっと奥まで入れて行くよ」

「う、ん……おにいちゃんの、すっごく大きくて、熱くて、これがあたしの中でいっぱいびくびくって動くんだよね」

 

 すでに初花ちゃんの膣内を半分以上進んでいたモノは、そのままゆっくりと触れて擦れ合う膣襞を掻き分けながら、やがて最奥へと達した。

 一度奥の壁を軽く突いてから、少し後退しては突いてと、二度三度繰り返し到達した事を確かめる。

 

「ちょっとずつ動くけど、苦しくない?」

「ぜんぜん。いっぱい動いていいよ。その方がお兄ちゃんを感じられそうだし」

 

 初花ちゃんの言葉を受け、少しずつ抽送を始めて行く。

 まずは優しく労わる様に小刻みに動かしていく。後々で多少激しく動く事になっても大丈夫なように、初花ちゃんの大切な場所に入っている異物に慣れて受け入れてもらえるように。

 妖怪が穢した痕跡を膣内や子宮から、きれいに落としてあげるからな。

 

「……んっ。あ、……あふ、くすぐったい様な、ちょっともどかしい感じ……ふふ、あたしの身体、すこしずつ気持ちよくなってきてるのかな」

 

 あまり自分でシたことないの? ……なんて聞くのは絶対ダメだよな。

 初々し過ぎる初花ちゃんの反応に思わず変な思考が混ざってしまった。

 しかし、膣内が傷ついていない様子なのが幸いだった。あまりにも酷い状態だと最悪治療を中断せざるを得なくなってしまうからだ。

 なによりこれ以上初花ちゃんが苦痛を感じずに済むのだから、本当に良かった。

 

「……んぅ? お兄ちゃんの方からは、こういう事しちゃ駄目だったんじゃないの?」

 

 不意に自分の身体を抱きしめ返された初花ちゃんが不思議そうに尋ねて来た。

 

「本当はね。でも初花ちゃん相手なら別にいいかって思ってね。初花ちゃんも言ったろ? 色んな治療の仕方があってもいいって」

「うん♪ えへへ、やっぱりあたしは、スるならこういうエッチがいいなっ」

「そうだね。俺もそうかもしれないっ」

 

 初花ちゃんの反応を確かめながら、何度も腰を突き上げ続け、絶頂を目指し互いの気持ちを高め合っていく。

 互いの温もりを感じながら、想いを、愛を伝え合う行為。

 もしこれが治療目的じゃなければ、どれだけ良かっただろうか。と一瞬でも思ってしまった。

 

「……ねぇ。お兄ちゃん、あたしも動いてみていいかな?」

「あぁ、自由に動いて、大丈夫だよ、俺も初花ちゃんに合わせるからさ」

「やった。ん、……お兄ちゃんの事、いっぱい気持ちよくしてあげるからねっ……んしょっ」

「いや、俺はいいから、初花ちゃんの方を……うわっ」

 

 初花ちゃんは両腕を俺の首に回すと、俺がやっていた抽送以上の速さで腰を上下に動かし始めた。

 膣全体で俺のモノを激しく扱かれる感覚に思わず声が漏れた。

 

「は、初花ちゃんっ……!?」

「だ~めっ♪ あたしだけじゃなくて、お兄ちゃんも気持ち良くなってもらわないとねっ……ん、あっ……これ、あたしも気持ちいいかも……っ」

 

 腰を浮かして落とすだけの、単調な上下の動きから少しずつ初花ちゃんの動きが変化して行く。

 揺らすように左右に振ったり、円運動をしてみたり。

 そこが気持ち良いのか、ある一点の膣襞の辺りを重点的にモノに擦り付け始める。

 

「はぁ……はぁ……ど、どう、お兄ちゃん、あたし、ちゃんとお兄ちゃんを気持ちよくできてるかな?」

「十分すぎるくらいだよっ……ってか、ごめん。そろそろ限界だ、初花ちゃんは……?」

「あ、あたしも、もうイきそうだよぉ…………このまま、イっていい?」

「いいよっ……合わせるから、一緒にイこう……っ」

 

 俺の返事を聞くや否や、初花ちゃんはさらに早く腰を振り、俺もその動きに合わせて腰を突き上げる。

 絶頂寸前の膣が何度も痙攣するように活発に動き、自身の中の澱みを全て吐き出そうとしている。

 最後の瞬間、俺が思い切り初花ちゃんの奥を突き上げようとすると、それよりも早く初花ちゃんの膣がぎゅっと締まった。

 

「――っ お、お兄ちゃんっ、あたし、イっ……んぁぁぁぁーーーーっ!!」

「うぉっ……!? くっ、うぁぁっ……」

 

 一瞬頭が完全に真っ白になっていた。

 ワンテンポ早く初花ちゃんがイき、射精寸前だったモノを思い切り締め上げられ、射精のタイミングを狂わされてしまっていた。

 結果、一瞬の寸止めと直後の解放は、俺に大暴発という形での射精をさせてしまう。

 盛大に初花ちゃんの中にぶちまけながら、何度も何度も収縮を繰り返す彼女の膣の感触が、まるで俺のモノから最後の一滴まで絞り尽くそうとしている様な感覚に陥っていた。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 いつもの様に『これは治療行為だ』と自身の胸に言い聞かせて、このまま射精直後の余韻と酩酊感に浸りたいという欲望を振り払う。

 それでも初花ちゃんを抱きしめていた両腕を解く事ができずにそのまま視線を向ける……目が合った。

 初花ちゃんも顔を紅潮させ、乱れた呼吸をしていてまさに絶頂直後という様子だった。

 目が合った瞬間、妙な気恥ずかしさを感じたが、なんとなく目を逸らしてはいけない様な気がした。初花ちゃんも同じ気持ちだったのか、しばらく無言で二人で見つめ合う時間が流れていく。

 

「……っ。え、え~と……お疲れさま?」

「……それ、多分俺のセリフじゃないかな?」

「え? でも、お兄ちゃんの精液すごいいっぱい出てたよね? 熱いのがお兄ちゃんのから、どんどん溢れて来てて、あたしの中に流れてきてるのわかったよ?」

「ごめん。正直あそこまで出すつもりはなかった。というか普段は出せない」

 

 まだ回らない頭で馬鹿正直に自身の失態を白状してしまったが、俺の言葉に初花ちゃんは何か考えるような素振りを見せる。

 

「……あ~。もしかして、最後のアレのせいかな? えっとね、あたしもイきそうになった時、なんかむしょーに欲しくなった? っていうの? そのままお兄ちゃんに抱き着いたままイこうとは思ってたんだけど、その、気づいたらあたしの中に入ってるお兄ちゃんの……すごい締め付けちゃってたよね」

 

 実際、一瞬とはいえ射精を完全に阻害されてしまう程の締まりだった。

 

「それでイってる時に、あたしの中でお兄ちゃんのがビクビク暴れてるのに気づいて、そのまま力抜いたらすごい勢いで射精してたよね」

「そりゃあ、イくつもりで出せなければ、もっと出そうとしちゃうからね」

「あたしもワザとじゃなかったんだけど……ごめんね、一緒にイこうって言ってくれたのに」

「そこは謝るところじゃないよ。ま、何にせよ、これで無事目的は完遂でき………………」

「こんなにいっぱい出してくれたんだから、あたしの中、すっかりきれいになったよね♪ …………お兄ちゃん?」

 

 未だに繋がったままでいる自身のモノを通じて、初花ちゃんの膣内の気配を探ると、信じられない事が起こっていた。

 嘘だろ。なんでまだ妖気の気配が……。

 検査した時と比べればかなり弱まっているが、そもそも浄化し切れていないこと自体が大問題なのだ。

 あり得ない状況に思考に没頭していると、不意に言葉を止めた俺の様子に初花ちゃんが不思議そうな表情を浮かべている。

 

「ごめん。初花ちゃん、しくじった」

「……え?」

「……まだ、初花ちゃんの中に妖気が残ってる」

 

 俺の無慈悲な宣告に初花ちゃんは再び恐怖に顔を歪めた。

 

「噓でしょ……嫌だよ、あたし、妖怪なんか生みたくないよっ!! お願いっ、お兄ちゃん、なんとかしてよっ!!」

「落ち着いて初花ちゃんっ。大丈夫だ。どうして妖気がまだ残留してるのかはわからないけど、少なくとも治療の効果はあったんだ。妖気だってかなり弱まっている」

 

 取り乱し泣き叫びながら必死に俺に泣きつく初花ちゃんを宥めつつ、俺は彼女に向けて発した自分の言葉から治療失敗の原因に心当たりが…………付いてしまった。

 

「どうすればいいの? どうやったら完全に浄化できるの?」

「……初花ちゃん、悪いんだけどもう一回できる?」

「何回でもいいよっ。お願いだから助けてよ、お兄ちゃんっ!」

「わかった。でもね、その前に初花ちゃんに謝らせて欲しい。失敗したのは完璧に俺のせいだ」

「……え? ぐすっ……そうなの? じゃあ、あたしの身体きれいになるの? 本当に?」

 

 泣き付いた相手から、自分が原因で失敗したという思いもよらない謝罪に困惑しつつも希望を見出したようだ。

 

「もう一回俺に名誉を挽回できるチャンスをくれたら、初花ちゃんの身体から妖気を完全に取り除いてみせる」

「うん。でも、どうして失敗しちゃったの? あんなにいっぱい出てたのに……」

 

 当然の疑問だ。俺だって当事者じゃなければ絶対に小一時間問い詰めていた事だろう。

 だからこそ、これから話す事を自分の口から初花ちゃんに告げなければならないという羞恥心と罪悪感に心が潰れてしまいそうだった。

 

「出す時に俺の霊力を込め損ねた……多分、それが妖気を浄化できなかった原因……」

「……ぷっ。く、くくっ……あ、あはははははっ」

 

 案の定、笑われた。いや、初花ちゃんだから笑ってくれてるのであって、本来なら笑って済むレベルではないのだが。

 実際の現場では女性が霊障を被った際に相手がいる場合は退魔士はそのサポートに回る。行為を行っている二人の感情が高まり霊力の受け渡しが可能になったタイミングに合わせて、退魔士の霊力を男の身体を通じて女性に注ぎ込むのだが、イレギュラーは付き物で……。

 簡単に言うと男が早すぎたり、堪えきれずに霊力を流す前に発射してしまうと、今回みたいに妖気を完全に浄化し切れないという事態が起こってしまう。

 その場合はまたやり直し。女性の身体の負担もあるし、男の弾数も退魔士の霊力にも限りがあるため、極力一回で確実に済ませられるのが理想なわけで。

 

「あ~よかった~。もうっ、あんまり深刻そうな顔して驚かさないでよ。本気で怖かったんだからね」

「俺としてはかなり死活問題だったんだけどね。絶対にやらかしちゃいけないミスの類だし」

「それだけあたしで気持ちよくなってくれたんだよね?」

「……そういう事になるね。だから、その、次はちゃんと治療に集中させて、ね?」

 

 さすがにこれ以上治療が滞ってしまうのだけは心情的にも避けたい。

 俺の威信もだが、いつまでも初花ちゃんの中に妖気が居座っている状況に俺が我慢できなかった。

 

「そうだね。あたしも、お兄ちゃんさえいれば安心だって言うのはわかったけど、いつまでもあいつの妖気が中に残ってるのなんて気持ち悪くて嫌だし」

「よし。このまま始めちゃうよ」

「あっ。……ね。お兄ちゃん。今度は真面目に治療受けるから……それが終わったら、ちょっとだけ我儘言っていい?」

「初花ちゃんのお願いなら即決でOKしたいところなんだけど……さすがに『なんでも』とは言えないからね?」

 

 本来ならば心のケアを兼ねて最大限の譲歩を見せるべきではあるのだが、内容が凡そついてしまう事もあり無条件承諾はできなかった。

 

「……治療終わった後も、もう少し続けて欲しいな。今度は治療目的じゃなくて………………駄目、かな?」

「それだと前に初花ちゃん自身が心配したみたいに、妖怪とは別の物を孕んじゃうかもしれないんだよ?」

 

 予想通りの内容にこちらも予想通りの質問を返す。

 

「ふぇっ!? あ、あぁ、その、本当にここで、そのまま続きをするんじゃなくて、別の場所でって意味だったんだけど……」

「あぁそういうことか」

「さすがにあたしだって子供できちゃったら困るよ。だからいくらお兄ちゃんが出してもできないトコロ」

「……初花さん。いったい何をお考えになっているのでしょうか?」

 

 衝動に任せて後先考えない行為を望んでいるわけではないと安堵したのも束の間、別の嫌な予感に背筋が震えてくる。

 

「え~と、口とお尻?」

「いやいや、そこを使うのは駄目だろ。せっかく無事だったのに」

「だからだよぉ。一番大事な初めてはもうあげられなくなっちゃったんだし、ならせめて他の初めてくらいはお兄ちゃんにもらって欲しいんだもん」

「なんか既成事実作ろうとしてない?」

「むぅ。いくらあたしだって、そこまでズルい抜け駆けはしないよぉ」

 

 どうやら本当に心外だった様で頬を膨らませむくれてしまった。その姿にごめんと軽く謝るとすぐに機嫌を直してくれる。

 

「あたしだっていつまでも落ち込んでられない事くらいはちゃんとわかってる。明日……は、ちょっと難しいかもしれないけど、でもちゃんと立ち直るって約束できる。もう二度と絶対に妖怪なんかに襲われるつもりもないけどさ……でも、やっぱり不安。今回はたまたま残せた場所もあったけど、また襲われちゃって、その時も大丈夫っていう保証はないんだし……」

「それならいっそ俺に、ってこと?」

「妥協じゃなくて、お兄ちゃんにってことっ! ……どんな初めてでも好きな人としたいって思うのはいけない事なの?」

 

 初花ちゃんの真剣な瞳と本気の想いがまっすぐに俺へと向けられる。

 それならばこちらもその気持ちに本気で応えるしかなかった。

 

「わかったよ、初花ちゃん。くれると言うのならありがたくもらうよ。ただし、俺も無理強いするつもりはないから、無茶だけはしないようにね」

「ありがとうお兄ちゃんっ」

 

 再び初花ちゃんは全身で喜びを表現するような熱い抱擁を交わしてくれる。惜しげもなく柔らかな少女の身体を押し付け、胸板には顔を埋めながら頬を摺り寄せてくれていた。

 はっきり言ってそろそろ理性がヤバかった。

 俺たちの今後についてを語り合っている最中もモノを締めては緩めてを繰り返して、すっかり俺の形に馴染みこちらが動き出すのを待っていた。

 これならすぐに治療も完了するだろう。

 初花ちゃんに「動くよ」とだけ声を掛け、動きやすいようにお互いの身体の位置の微調整をしていると、

 

「そういえば、お兄ちゃん、おっぱい触らなくていいの? もしかして、あんまり興味なかったりする?」

 

 突拍子もない一言に思わずガクリと崩れてしまった。

 そして、少しの間熟考に耽る。

 

「……………………治療終わったら触らせて」

「正直でよろしいっ」

 

 したり顔で俺に頷く初花ちゃんは気づいていないのだろう。

 おそらくお尻に入れられるようになるための準備をする段階で胸や全身の愛撫は開発を行う上で必要になるだろうことを。

 もちろん開発とは関係なく衝動の赴くままに揉み抱かせてももらうが。

 

 無事二度目の膣内射精で治療も滞りなく完了し、その後は俺と初花ちゃんの合意の上で延長戦を行った。

 さすがに口とお尻での性交は言い出した本人も、いざその場になると軽く尻込みしてしまう場面があったが、見事完遂してしまった。

 

 ちなみに口の方は、始めは「とても飲めたものじゃない」や「すごく不味い」と苦言を呈していたが、それでも俺のだからマシという発想に至り、陰茎に付着していた互いの体液や残滓を隅々まで舐め取り、その刺激によって新たに放ってしまった『おかわり』も残さず飲み干してくれた。

 お尻の方は「さすがに早まったかも……」と、行為後も痛みが続いているのであろうお尻をさすり続けていた。

 結構な酷評だったが後悔はしていないとはっきりと言い切ってくれた初花ちゃんを抱き締めながら、俺たちはそのまま一緒の布団の中で一夜を明かすのだった。

 




延長戦時の話も書き上げられそうならいずれ書いてみようかと思っています。

初花編に関しては今後は検査や治療のシーンはなく、バッドエンドに向かってバッドシーンを進むことになる話が現時点での構想となっております。
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