ピンポーン。屋敷のインターフォンが鳴る。
今宵の気温は春先ではあるが、少し寒いのも事実。その淑女も上着にファーの付いたコートを羽織り、下は黒のイブニングドレスを纏い姿を見せる。
意外や意外。金髪のロングヘアの女性ではなく、銀髪の特徴的な女性が代わりにきた。目鼻たちは鋭いが淑女らしい上品さも持ち合わせている。後ろに結った髪の毛も可愛らしいと言うよりシャープな印象だった。
目の色は深い紫色とも、灰銀色とも取れる不思議な色合いだった。珍しいタイプの娼婦かな──エリオットは直感で思った。
向こうは一瞬だが、特別な既視感に襲われたらしい。まるで一度、観たことがあるみたいな空気を出している。
だが、仕事なので素早く切り替えて目の前の紳士に挨拶を交わした。
「こんばんは。本日はわたくしをお呼び頂き感謝しておりますわ。イリーナ・レンブラントと申します」
「こんばんは。エリオットだ」
「外はまだ寒かっただろう。どうかね? 夕食などご一緒しないかね?」
「夕食ですか? ではそのご厚意に甘えますわ」
夕食を断らない所だと娼婦と言うより、筋の情報屋か、ハニートラップ要員と考えた方がしっくりくるな──とエリオットは感じる。
それともこの銀髪の淑女の流儀なのだろうか?
この銀髪の淑女は生粋の娼婦ではない。
フェネクスの奴、一体、何処からこのような女性を見つけたのだろうか?
食堂に入ると執事の一人、ケイト担当のデュースが淑女の椅子を引いて座るように促してくれていた。
彼女はカトリーナに上着のコートを預けてイブニングドレスになって正面の席に座る。座り方は至って上品。黒のイブニングドレスもしっくりときて似合っている。
夕食が運ばれるとワイングラスに赤ワインが注がれる。
エリオットがグラスを持ち乾杯の仕草をすると彼女もきちんとワイングラスを持ち合わせてくれた。
「慣れているね」
「はい。父に色々と作法を教えて頂きましたので」
「そうか。では乾杯」
二人は赤ワインを一口含む。
そして、夕食を摂りながら他愛もない会話が始まる。
「さっき、父と出たが父君も社交界で活動でもしているのかな」
「ええ。社交界きっての華ですね。皆、父の不思議な魅力に虜になって収拾がつかなくなってしまうのですよ」
「きっと大物ですな。その男性は」
「あなたはつい最近、ロンドンに来たばかりですか? 結構噂になっています」
「つい先日、まだこっちに来て一週間も経ってないよ」
食事が終わると食休みも兼ねてエリオットの個室にて軽く紅茶を飲みながらお喋りに興じる。
大きなソファに寄りかかりながら少しずつ肌に触れ合う。銀髪の淑女の肌は触り心地は比べ物にならない程に滑らかであり、艶もある。いつまでも触っていられる極上の逸品だった。
相手をしている彼女はこの目の前の男性が自分が知る身近な男性に似ているのを否が応でも感じずにはいられない。纏う雰囲気はだいぶ違うが、目鼻立ちはだいぶそっくりだ。
それにこの手馴れている仕草も父と同類の男が醸し出す空気だった。
(似ているんだよね……お父様とこの人。明らかな違いは目の色くらい。深い青色の瞳……。──でも何だろう? この安心感……。これから抱かれるというのに恐怖は感じないね……)
「さっきの食事は美味しかったかな?」
「はい。とても良い肉を使っておりますね。ソースも丁度いい塩梅に美味でした」
「風呂に入るかね? 私と一緒に」
イリーナは己の花びらが微かに濡れるのを感じる。風呂ならほぼ全裸になってそのまま体を繋げるにも丁度いい環境だ。
つまりは父と同じ、色事が好きな男性だ。
丁度いいわ。どれほどのテクニックなのか味わってみようかな。
「──はい」
「風呂場は近くの部屋にある。自慢の風呂場なんだよね」
エリオットは薄めの白いシャツと黒系のズボンというラフな服装で風呂場に案内する。風呂はもう準備万端に整っている。
脱衣所に入る二人はそこで軽くプレイを始めた。
「はあっ…はあっ…エリオット様ぁ」
「ンンっ…はあっ…きれいに濡れて……待っていたって感じだね……」
壁に押し付けてイリーナの花びらにオーラルセックスを施すエリオット。
独特の舌が彼女の弱い所ばかりを刺激して、唇に彼女の愛がまとわりつく。
舌先で優しく弄ると今度は深い所までねじ込んで奥まで入れる。
イリーナの銀髪が乱れ始め、黒のイブニングドレスも肩から外され、下着は黒のブラジャーだけ残って、黒のパンティーは足首まで下ろされていた。
エリオットの方は全身をまだ服を纏ったままに激しいオーラルセックスに溺れている。
「商売も除いて無条件に気持ちいいだろう……? 声が気持ち良さそうに喘いでいるよ……?」
「ああッ……激しいっ……お風呂に行ったら、もっと気持ちよくなっちゃう……」
「風呂に行くかい? もう我慢できないよ……」
花びらはまだ快楽を求めて疼いている。
ゾディアック家の風呂場はかなりの広さだ。
お湯は銅像のライオンの口から注がれており、深さは50センチ程。長湯してもいいように温めの湯加減にしてある。
湯船に入るとエリオットが背後からイリーナを抱いて、指先で乳首と乳輪を撫でながら、片方の手の指で花びらを優しく刺激する。
その唇はいつの間にか重なり、唾液を交歓しながら、下半身は彼の息子が今か今かと花びらに入るのを望むように触れ合っている……。
ふとキスをやめてイリーナは自らの手で彼の逞しい息子を愛撫すると飢えるように更に硬くした。
「煽らないでおくれよ……君と子づくりしたくなるじゃないか」
「旦那様はこれで何人の女性を誑かしたのですか?」
「数えてはいないな……」
「数えきれない程ですか? 罪な男ですね……」
「じゃあどうしろと? ……ううっ」
向かい合わせに浮かびながら器用にイリーナは花びらへそれを入れた。
そして水の浮力を活かして徐々に体を揺らし始める。
「お仕置きですよ……エリオット様」
「ううっ…あっ…君の
リズミカルに腰を揺らし始めるエリオット。
彼女は彼の快楽に歪む
腰の動きが徐々に加速していく。段階的に快楽が高まり、彼も余りの快感に表情が歪む。
「あっ…あっ…君が最高だ。とても気持ちいい──君の中にもっといたいのに……もう果ててしまう──っ」
「今夜で何回、エリオット様が果てるのか、観てみたいですよ……私」
「アウッ! ううッ……」
彼が一度目の絶頂に駆け上がる。
銀髪の淑女の身体にしがみつきながら、感じる絶頂に浸るエリオット。
今夜の愛欲の夜はこれからだ……。